

2002/2/25
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続報!! 大手取次=トーハン・日販による相次ぐ新刊委託配本拒否、 業界内外に波紋拡がる! ☆両社に「申入書」提出(2月12日)、さらに日販とは直接会見(2月15日)。再度「申入書」を提出する用意、流通の事前自主規制を問いただす! ☆『霧の中の真実』の著者・佐川一政の不倶戴天の敵=『週刊新潮』でさえ疑問符を 示し、記事に採り上げる(2月28日号)。 ☆加盟団体「出版流通対策協議会」幹事会混乱、出版差し止めの際と同様、ふたたび 日和見主義的態度を取るならば、われわれは脱退の途を選ぶ! 先の『鹿砦社通信』にて明らかにしたように、佐川一政・著『霧の中の真実』に対 する大手取次=トーハン・日販両社による新刊委託配本拒否問題は、業界内外に大き な波紋を拡げている。 あろうことか、これで鹿砦社に対する新刊委託配本拒否は、この半年の間に実に3 件にものぼっており、これは鹿砦社30数年の歴史の中で初めての出来事である。まさ に異常としか言いようがない。鹿砦社は、これ以前に、『ジャニーズおっかけマップ ・スペシャル』や『タカラヅカおっかけマップ』などで4件の出版差し止めを受けて おり、これらは泥沼の裁判闘争に発展し、われわれは数千万円の裁判費用を遣い、内 2件は最高裁まで徹底的に争ったのである。いま、それら全ての裁判闘争が終結した と思ったら、今度は、長年取引があり、現在の出版不況を共にハネ返そうとタッグを 組んでいる大手取次から新刊委託配本拒否という、いわば出版社にとって最大の打撃 と被ったのである。 出版差し止めの際は、敵は前にいたが、今度は、背後からガツンと一発食らったよ うな感がした。 ■「申入書」提出に対し取次逃げの姿勢■ われわれは、事態の打開を図り、今後こうした事態の再発を避けるためにトーハン ・日販両社に対して2月12日、「申入書」を提出し、文書での回答をお願いした。 同時に、鹿砦社が加盟する「出版流通対策協議会」(通称「流対協」。中小版元約 90社加盟。会長=菊地泰博現代書館社長)にも支援を要請、菊地会長は直ちにトーハ ン・日販両社に電話で真摯に対応するように強く伝えてくれた。 ここで断っておかなければならないのは、われわれは決してトーハン・日販両社と 無益ないさかいをすることが目的ではなく、むしろこの出版不況のさなか、共に協力 し合っていきたいという考えには変わりはない。その上で、出版不況を乗り切りに は、キレイな本づくりをしていても、われわれが如き小出版社は埋もれてしまうだけ であって、われわれの持ち味である<毒>を持った本づくりに徹することに特化しつ つあるなかで、この<毒>があまりにみ利き過ぎ、逆に新刊委託配本拒否という事前 の自主規制を惹起させてしまったのだろうか。こうなれば、トーハン・日販という市 場占有率8割以上を占める大手取次の新刊委託配本に大きな望みを託す出版社にとっ て、大きな打撃をもたらすことは、誰にもわかるだろう。 トーハン・日販両社の担当者からは電話が掛かってきて、長い会話となったが、ラ チがあかなった。特に、事前に色校正を見せ、その指摘に従って写真を入れ換えたり した日販に対しては、私(松岡)自身が本社書籍仕入課を訪れ、1時間以上にわたり 話し合いを行ったが、堂々巡りに終わり、得るところのない話し合いだった。 しかしながら、事は「表現の自由」「出版の自由」に関わる重大問題である。とり わけ、1冊の本にかける資金的リスク、人的労力などはかなりにのぼり、市場占有率 8割以上を占める大手取次=トーハン・日販に新刊委託配本を拒否される(それも1 度ならず3度も)ということは、われわれ小出版社にとって、経営の土台を揺るがす 大問題であるから、いやしくも、それなりの信念を持った出版人としては、うやむや に済ますことは到底できない。われわれが要求した文書での回答も得られていないの で、近日じゅうに再度申し入れを行う予定である。 ■業界内外の動き■ このかんに、業界内外でもうごめいている。−− 同じ会社の今はなき『FOCUS』と共に、かつて佐川氏を執拗に追い、くだんの 『霧の中の真実』の著者・佐川一政氏から本書でも辛辣に批判されている『週刊新 潮』でさえ、この件についてはいささか同情的である。それは同社の種々の雑誌が、 「酒鬼薔薇」こと「少年A」や、大阪府堺市の児童殺傷事件の犯人の少年らの顔写真 を掲載して社会的ヒンシュクを買ったり(それらに比べれば、われわれの一連の出版 差し止めや新刊配本拒否の場合はまだマシやと思うけどな)、雑誌の回収などを食 らったことに対する想いなどもあるのだろうか。 ついに、『週刊新潮』は、2月28日号において記事にした(別掲)。その他のマス コミは、取次に対する配慮があるのか、あるいは、過去に佐川氏とトラブルがあった ことで、いわば“寝た子を起こす”ことが嫌なのか、いたって冷淡であるが、われわ れとしてはひと言いっておきたい−−“明日は我が身だ”と。 さらに、前述したように、支援を要請した「流対協」内部の動きについて、だ。 「2月20日の幹事会に諮り、会としても正式に声明を出す」という菊地会長の勇まし い言だったので、これに一縷の望みをかけて待っていたが、その幹事会は長時間紛糾 し、結論は3月6日の総会以降に持ち越しになったという報告を受けた。ホンマかい な。オレはだな、「松岡よ、そんな甘い構えでどうする! もっとガンガンやらんか い!」と叱咤激励されるとばかり思っていたので、ガックリだよっ。「流対協」とい えば、大半の出版社が、1970年前後のいわゆる新左翼運動の流れを汲む業界のカゲキ 派だぜ。むしろ、オレなんかは、その中でも「遅れて来た青年」で、会長はじめ主要 な方々とは最年少であり、目立たない穏健派のほうだと自認するほどだ。 かの4度の出版差し止め(および、これを中心として、出版活動に対する威嚇的効 果、萎縮的効果を狙った多くの訴訟攻勢)に対しても、積極的な支援は、望んだにも かかわらず、なされなかった。 今回の大手取次による新刊委託配本拒否は、われわれの出版スタンス、つまり <毒>のある出版にこだわることに対して萎縮的効果をもたらしていることは否めな い。 われわれは、業界の最カゲキ派「流対協」が、一連の出版差し止めから続く、この 問題を真っ向から受け止められ、われわれを強く後押ししていただくことを心から望 むものだ。 「ここ一番!」という時に、日和見主義的な態度であるのであれば、今度こそ、われ かれは「流対協」脱退もやむなし! という途をえらばざるをえないだろう。 (松岡利康) |
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