2003/3/10

『内部告発〜権力者に弓を引いた三人の男たち』3月1日発売
中坊公平、ナーバスに!
「『内部告発』は、素晴らしい本だ。けど、
鹿砦社でなければもっとよかったな」の声も。



 わが国を代表する弁護士として、一時は八面六臂の活躍をし、マ スコミにも頻繁に登場していた中坊公平の顔が消えた。ホームグラ ウンドの京都に蟄居しているらしいが、この中坊に、昨年秋から、 まさに“前門の狼、後門の虎”といった深刻な事件が2件続いた。 中坊が今元気がない原因である。
 一つは、東京地検特捜部への刑事告発であり、二つ目は、かつて 中坊の片腕として中坊法律事務所のエース弁護士だった木村沢東の 逮捕である。
 後者から記すと、木村沢東(たくとう)は、中坊と共に、かの豊 田商事事件の管財人などを担当、中坊が世に名を高からしめるのに 一役買っている。中坊法律事務所にいたときには、ヤクザ絡みの事 件など汚い事件を多く担当させられ、中坊に怨嗟の気持ちを抱いて いたともいわれる。
 独立後、時はバブル期、株投資などに失敗、十数億といわれる多 額の借金を背負うことになり、遂に依頼者の示談金3500万円を 着服、昨年11月に逮捕され、今月20日は判決が下る予定だ。
当局の取り調べに、どれほどの供述をしているか知る由もないが、 中坊の裏も表も知り尽くした男の供述に、中坊がナーバスになって いることは想像にかたくない。かの豊田商事事件の回収金額と配当 金額に不正があるというウワサがずっと根深くあるのだから。
さて、もう一方の東京地検特捜部への刑事告発だが、これは木村 逮捕に先んじて昨年10月23日に提出、受理された。告発人は、関西 では有名な朝日住建の元幹部社員、増田修造。被告発人は、中坊と 、中坊が初代社長を努めた国策会社「整理回収機構」(RCC)。  この経緯については、1月刊行の『スキャンダル大戦争』3号に まずは暴露した。また、告発状も掲載している。
「平成の鬼平」とか「正義の味方」「庶民派弁護士」としてもては やされた中坊公平が遂に、一介の無名の市民に刑事告発されたので ある。告発状を提出する際には、増田の主張に確信を持った民主党 の代議士2人が付き添い、いっさいの妨害を阻止した。
 今、東京地検特捜部において、慎重な捜査が進行している。「平 成の鬼平」が逆に裁かれる日が近づいている。
 ここでわれわれは信じられない事実を耳にした。なんと、刑事告 発の直前に、中坊に代わって整理回収機構の弁護士が、刑事告発を 思い止まるよう、増田に電話してきたというのだ。これは、まさに 恫喝である。なぜなら、整理回収機構は、国家権力の意に沿って設 立された国策会社であるのだから、権力を持った者による恫喝とし か言いようがない。
 ところで、中坊公平に、世間もマスコミも、宗教にも似た崇拝を していた頃、われわれは、ある本の出版で疑問を抱かざるをえなか った。98年に出版した『破綻〜巨大資本構造の向こう側』と題する 本だ。これは、オンワード樫山に手塩にかけて育てた会社(関西で は有名だったシーグラーという洋服会社)を潰された創業者社長の 物語である。オンワードの意向を受けた中坊は、さっそく出版の事 前差し止めを、創業者社長の自宅のある奈良地裁に申し立てる。
 最終的には創業者社長の粘り強い抵抗にあったこともあり、取り 下げるに至るのだが、この際、われわれや『週刊現代』の取材に対 して中坊は、「自分は知らない。事務所の職員が勝手に自分の印鑑 を押した」という旨の、弁護士として到底理解できない言辞を言い 張り、ダダッ子振りを見せ、われわれを唖然とさせた。さらに、あ ろうことか、記事掲載直前の『週刊現代』編集部に対し、整理回収 機構の弁護士が記事掲載を取り止めるように訪問して来たり、また 中坊自身、泣き落としの長電話を掛けてきたりもした。
『週刊現代』の記事は掲載されたが、この後、オンワードの株価は しばらくの間下がり続けたことも経済誌で報じられている。
 われわれが知る限り、この『破綻』と『週刊現代』の記事が、わ が国で最初の中坊批判であったと記憶する(この後、宮崎学や佐高 信の中坊批判本が出るが、今に至るも本格的に突っ込んだ中坊批判 本は、ないに等しい)。
 この時、『週刊現代』の取材を担当したのが、関西でフットワー ク軽く活躍するフリーのジャーナリスト、今西憲之である。  今西はその後も中坊についての取材を進め、その過程で増田修造 と出会う。このたび出版なった『内部告発〜権力者に弓を引いた三 人の男たち』の半分余りを占める、増田が中坊と整理回収機構を刑 事告発に至る過程は、ヒューマン・ドキュメントとして秀逸である 。初老の域に達した一介の無名の市民が、これからの人生を懸けて 、権力をバックにした、わが国を代表する弁護士に戦いを挑むので ある。われわれ鹿砦社がどちらの側に立つかは自明であろう。
『内部告発』には、この他に、わが国屈指の乳製品メーカー雪印を 一挙に倒産まで追い込んだ西宮冷蔵社長・水谷洋一、四半世紀にも わたって会社にとどまりながら運輸行政の不正を告発し続けている 串岡弘昭が採り上げられている。
 ところで、鹿砦社は、マスコミ出版界でも、また世間一般でも、 「暴露本出版社」とされている。殊に芸能関係のそれとしてのイメ ージが強いであろう。しかし、元々は社会問題書の出版社として創 業以来30数年も続いてきている。われわれの最終決戦場は、あくま でも社会問題書である。中坊は、本書をいち早く入手し、場合によ っては訴訟も想定に入れていると噂される。
 われわれはジャニーズ事務所などからの4度の出版差し止めはじ め数多くの裁判闘争を闘ってきたが、4度も出版差し止めされ、最 高裁まで争ったにもかかわらず、芸能ということだけで、不当に過 小評価されている。今では、それらの訴訟も全て終結し、今現在、 1件の訴訟も抱えていない(もう2年以上にもなるが、ほとんど信 用されていない。鹿砦社はいつも訴訟まみれというイメージがある のだろうか)。訴訟の一つぐらいないと、気合も入らん! 相手が 中坊クラスであれば、相手に不足はないどころか、ガチンコ勝負と しては歴史に残る戦いになるであろう。  最後に蛇足である──。
 著者の今西に、ある著名弁護士(ハッキリ言おう!『噂の真相』 裁判を担当している5人の弁護士の一人だ)から次のような手紙が あったという。
「『内部告発』は、素晴らしい本だ。けど、鹿砦社でなければもっ とよかったな」
 バカかっ!? この弁護士の物言いには、『スキャンダル大戦争』 3号の「特集・弁護士が『三百代言』といわれる理由(わけ)」が 伏線としてあると思われる。そこで、あからさまに『噂真』弁護団 の一角を構成するミネルバ法律事務所所属の2人の弁護士(喜田村 洋一、弘中惇一郎)を批判、挑発しているからだ。
『スキャンダル大戦争』3号の特集では、中坊関係2本も入ってお り、これも、そして本書『内部告発』も、鹿砦社でなければ出せな かった本である。それは、中坊やミネルバに関して、ここまで突っ 込んだ本がないということからも判ろうというものだ。マスコミ出 版界の方々も、ジャーナリズム精神を発揮して、中坊やミネルバに ビビらないで、その所業を追及していただきたいものだ。
 ともあれ、われわれは今後も、中坊公平の巨悪を暴露、批判して いくことに変わりはない。

(松岡利康)



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