山口組弘道会系右翼の総長が言う。
「台湾はマフィアが一掃された。もうしのぎにはならないから我らも組む相手を変えなくてはならない」

そして彼らの足はミャンマーに向いた。しのぎにならないなら、僕も取材の対象としては追跡しない。したがって台湾への興味はすでに僕の中にはない。

だが、それでも日本の爪痕が残る台北の旧市街は、昭和の街並みを彷彿させてノスタルジアが漂う。蒋介石も「国を建て直した御仁」か「侵略者か」という評価が分かれているようだが、国を建て直した男として僕は見ている。

ただし、このところ台湾で起きるテロを見てみると、どうやらアメリカが仕掛けているような気もしている。つまり、台湾が政治的に中国じゃなくてアメリカを頼るような工作が行われているのではないか、という点だ。

前出のヤクザ系右翼団体総長はこう言う。
「今の政府が日本寄りである限り、俺らも台湾人を攻撃しない」と。

すると裏を返せば、台湾が中国寄りになり、先鋭化して領土問題などが起きると、軒並み「在日の台湾人狩り」を始めるのだという。

具体的には、右翼団体総長のターゲットはとり急ぎ、民進党の蓮舫代表となったようだ。

総裁は言う。
「あいつは本当は中国国籍だよ。だから国籍を聞かれても玉虫色の回答しかできないんだ」

そして総裁は、民進党の本部に街宣をかける予定だという。

いっぽうで僕は、台湾のどの企業だろうと揺さぶりをかけられる中国高官を、あるジャーナリストの紹介でしてもらった。

彼によると「台湾は崩壊に向かっている。アメリカ寄りの考え方をする連中を中国サイドに与したい人たちの間でつな引きが行われ、その隙間にイスラム教徒が入り込んで混乱を招くだろう」
 
こんな危険な国には二度とは行きたくない。ただ、非常に評価が高い台湾の屋台にもう二度と行かないかと思うと少し淋しい気もしないでもないが、こと自分のまわりを見回す限り、台湾人は詐欺師ばっかりなので、ややホッとする今日この頃だ。

ただ、台湾の旧市街は、日本の記憶があり、懐かしかった。もはや日本の猿まねで喰っているこの国にコンクリート建築を教えたのは日本であるが、台湾人たちが感謝すらしていないのは、かの野党代表の態度を見れば火を見るよりもなんとやらである。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして中道主義者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』