なぜ中国はウクライナへのドローン関連製品の販売を止めないのか

アンドリュー・コリブコ

ウクライナのドローン生産は、今なお中国製部品への依存が大きい。なぜ中国はロシアとの緊密な関係を維持しながら、ウクライナへの関連製品の流通を止めないのか。筆者は、戦争の長期化によって中国が得る地政学的・経済的利益と、双方を支える「積極的中立」という戦略から読み解く。

※   ※   ※   ※

ウクライナ紛争が延々と続けば、アメリカが計画している「(再び)東アジアへ軸足を移す」戦略の本格的な実施も、それだけ先送りされる。また、ロシアが豊富な天然資源を中国に格安で売る状況につながる可能性もある。そして中国は、いわば「積極的中立」という立場を維持することができる。

ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ(RFE/RL)は先月末、「ウクライナのドローン戦争が浮き彫りにした、中国への不都合な依存」と題する記事を掲載した。

この記事では、EUがウクライナのドローン調達用として約束した60億ユーロのうち、最初の10億ユーロをこの夏に拠出したことが取り上げられている。

注目すべきなのは、この資金を使ってウクライナが中国製の部品を購入することも認められている点だ。つまり、率直に言ってしまえば、以前指摘されたように「EUが中国に金を払い、ウクライナによるロシア兵への攻撃を間接的に支援する」という構図になっている。

RFE/RLによれば、ウクライナは中国から完成品のドローンを購入する量を減らしているものの、モーター、リチウム電池、光ファイバーなどの中国製部品に対する需要は依然として非常に大きい。

さらに、「2026年上半期だけで、中国製部品の輸入額はすでに前年1年間の約76%に達した」という。

またRFE/RLはウクライナ側の報告書を引用し、「2025年上半期にウクライナが輸入したドローン部品の金額ベースで38%が中国からのものだった」としている。

この記事の狙いは、ウクライナと西側諸国に危機感を持たせ、ドローンの国内生産を大幅に増やす必要があると訴えることにあるようだ。そうすることで、記事に登場する専門家の一人が「敵対的な相互依存」と表現した、ウクライナの中国への依存を減らそうというわけである。

記事ではさらに、「中国は依然としてウクライナ最大の貿易相手国であり、一方のウクライナは中国にとって重要な農産物供給国である」と説明している。これは事実であり、中国がウクライナへのドローン関連製品の販売を完全には止めない理由の一つでもある。しかし、理由はそれだけではない。

現在の中国とロシアの関係は、歴史上でも非常に良好な水準にある。それでも2023年初頭の時点ですでに、「中国はウクライナ戦争で誰にも勝ってほしくないのではないか」という見方があった。

その理由は、ある程度コントロール可能な形で戦争が長期化すれば、アメリカが計画する「(再び)東アジアへ軸足を移す」戦略の本格的な実施を、いつまでも遅らせることができるからだ。

それだけではない。天然資源の豊富なロシアが中国への依存を強めすぎれば、モスクワは石油や天然ガスをはじめとする天然資源を、北京に非常に安い価格で売らざるを得なくなる可能性がある。

こうした冷徹な利益を追求するため、中国は一方で、ウクライナにとって欠かせないドローン、部品、光ファイバーなどの供給源となってきた。
仮に中国企業から直接供給されているのではなく、中国擁護派が主張するように第三国などの仲介業者を通じた間接的な供給にすぎないとしても、中国製品が重要な役割を果たしていることには変わりない。

その一方で中国は、ロシアにとっても、西側諸国による制裁の圧力を逃がすための欠かせない「安全弁」の役割を果たしている。その結果、ウクライナはロシアの軍事技術上の進歩にある程度ついていくことができる。同時にロシア経済も、西側諸国が制裁によって引き起こそうとした深刻な危機を回避できている。

そして中国は、「積極的中立」とでも呼ぶべき立場を維持している。ここでいう「積極的中立」とは、中国がウクライナとロシアの双方を積極的に支援することで、どちらか一方の側につくことを避けている、という意味である。

中国はウクライナによるドローン関連製品の購入から金銭的利益を得ている。また、大幅に値引きされたロシア産エネルギーを大量に輸入することで、中国経済の成長にもつなげている。さらに、中国が実はロシアと「同盟」を結んでいるわけではないと示すことで、西側諸国から中国自身に向けられる圧力を、相対的に弱める効果も得ている。

この政策をどう評価するかは別として、結果としてウクライナ紛争の長期化に寄与してきたことは否定できない、わたしは考える。

ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶ軍事行動を開始する数週間前、中国とロシアは「限界のない」パートナーシップを宣言していた。もし中国がこの関係に沿ってウクライナへのドローン関連製品の販売を停止していたなら、ロシアは現在までに、この紛争で掲げた目標をより多く達成できていたかもしれない。場合によっては、最大限の勝利を収めていた可能性さえある。

もちろん、ウクライナにとっては、中国からのドローン関連製品よりも、アメリカによる軍事・情報面での支援のほうが重要である。しかし、アメリカによる支援が近いうちに終わる兆しはない。したがってロシアは、中国に対してウクライナへのドローン関連製品の供給を今度こそ完全に止めるよう働きかけるべきだ――というのが、この記事の結論である。

アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年9月8日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

Source:https://korybko.substack.com/p/why-wont-china-cut-ukraine-off-from

あらためて浅野健一氏による出版差し止め騒動と、今も続くデマ拡散、侮辱・名誉毀損行為を考える ──『救援』9月10日号(第689号)浅野健一記事に因んで 

鹿砦社代表 松岡利康

救援連絡センター発行の『救援』最新号が届きました。ここでも浅野健一氏が、ありもしないことを記載しています。これまでもみずからのFacebook(以下FBと略記)においては言いたい放題でしたが、かつては浅野氏の近くにいながら今は距離を置いている方の「相手にしないのが一番ですよ」というアドバイスもあり、あえて黙過していました。しかし、みずからのFB内ならともかく、小さくとも他のメディアに記載されると、ちょっと違うんじゃないかと思い、今春の出版差し止め騒動の総括記事も書かなければいけないし、反論記事を書いておくことにいたしました。

『救援』(9月10日号)浅野健一執筆記事
『救援』(9月10日号)浅野健一執筆記事
同記事の松岡非難部分。同種の非難は、浅野氏FBに継続して記載されている。
同記事の松岡非難部分。同種の非難は、浅野氏FBに継続して記載されている。

本年4月から6月にかけて、ちょっとした騒ぎになり、ことは表現の自由の問題に抵触することで、私なりに熱を入れて対処したのが、浅野健一氏による出版差し止め仮処分問題です。

4月3日、浅野氏のFBで、浅野氏があけび書房刊行予定の辻井彩子・著『石ころの慟哭──山上徹也・奈良地裁裁判の私記』に対し出版差し止め仮処分を申し立てる旨を公言したことを知り、出版差し止めを5度も甘受し、その一つはのちに逮捕・勾留に繋がった経験を持つ私としては大問題であり、これを批判、直ちにやめるように警告しました。この経過は、この欄でもさんざん申し述べておりますので端折ります。

その後、浅野氏は、公言通り4月16日(木)に東京地裁に同書に対する「出版禁止仮処分」(浅野氏による書面の表題)を申し立てます。しかし、これは週明け同月20日(月)に裁判所より取下げを要請(事実上の棄却)され、浅野氏はこれに従います。

ところが、仮処分申請書のコピーをメディア関係者に配布したり、差し止め仮処分が決定もされていないのに取次会社に同書を取り扱わないよう要望したり、同書著者を精神的に追い詰めるまで連日ネットリンチしたり、挙句、岡林信一あけび書房代表、同書著者・辻井彩子さんに加え、同書の帯を書いた鈴木エイト氏、途中から浅野氏の言動に疑問を抱き漸次コメントをした黒薮哲哉氏、それに私の5名に対し「5人組」と命名、今に至るまでさんざん誹謗中傷を加えて来ました。

しかし、6月27日、浅野氏のFBの1行から仮処分を取下げたことを察知した私は、これを私のFBにて指摘、遂に浅野氏もこれを認めつらつらと弁解をされ認め、また同月29日、岡林氏も裁判所に確認し、懸念された仮処分決定は回避されました。もし、ここで出版差し止め仮処分が決定されたら、逆に浅野氏は出版を妨害、弾圧した張本人として出版人から糾弾され出版史に記載されるかもしれません。

ここで問題なのは、仮処分を裁判所に一蹴されたにも関わらず2カ月以上も秘匿していたことです。そのかん、浅野氏は、やんややんやと大騒ぎし、これだけならまだしも、あけび書房本著者・辻井さんに対して、激しいネットリンチを掛けています。まさに人権侵害と言えます。ふだん「人権」がどうのこうの声高に叫んでいる御仁が、みずからの考えに反する人には、平気で人権侵害をするというのはいかがなものでしょうか? かつて『犯罪報道の犯罪』で匿名報道の必要性を問い、颯爽と論壇に登場した浅野氏も落ちたものです。

そうして浅野氏は、「本裁判を提起するため、弁護団を強化して、準備中です。完璧な訴状と証拠を提出します。民事裁判はすべてオンライン提訴となり、辻井氏と岡林氏の共謀による著作権侵害、盗用の全貌を明らかにします。表現者の権利に関わる裁判ですから、完勝を目指します。」と“捨て台詞”を吐き、以来、訴訟について言わなくなりました。もう9月も下旬ですよ、速く「弁護団を強化して」「完璧な訴状と証拠を提出し」「完勝」を目指していただきたいものです。

◆出版差し止めと共に沖縄でも問題発生!

一方で出版差し止めで大騒ぎをし、浅野さんは沖縄でも問題を起こしています。同志社国際高校の学生らが亡くなった忌まわしい辺野古の事故後のデリケートな時期に不用意な発言をし遺族の反発を買います。この事件については、学生時代から返還協定調印→批准阻止闘争を必死で闘い、ずっと反基地の立場を堅持し、侵略前線基地化に反対してきた私としては、浅野氏を含めた基地反対派やリベラル・左派の態度に強い違和感を覚え私見もありますので、稿を改めたいと思いますが、最も遺族の感情に配慮し遺族に寄り添うことを第一義にしないといけないことは分かり切った話なのに、逆に遺族の感情を逆撫でするとは、浅野氏らしいと言えば浅野氏らしい言動です。ここに浅野氏の人間性が表われています。人間、こういう時に、その人の人間性が表われます。

これに関連し、浅野氏は「人権と報道・連絡会」(代表世話人・浅野健一氏)主催で沖縄現地で集会を開きます。

沖縄で開催された「人権と報道・連絡会」の案内チラシ。このチラシの責任者は同連絡会代表世話人の浅野健一氏。宮川氏の住所、電話番号等が記載され、浅野氏の不用意な発言で宮川氏の自宅に抗議が殺到したとされる。
沖縄で開催された「人権と報道・連絡会」の案内チラシ。このチラシの責任者は同連絡会代表世話人の浅野健一氏。宮川氏の住所、電話番号等が記載され、浅野氏の不用意な発言で宮川氏の自宅に抗議が殺到したとされる。

この宣伝チラシで、連絡先を「宮川元一」という方の住所、電話、Fax等が記載されています。このことで宮川氏の元には抗議や誹謗中傷の声が多数寄せられ、音(ね)を上げます。当然です。これを察知したメディアの一つ『さくらフィナンシャルニュース』(浅野氏によれば日本会議系サイト)がこれを採り上げ、「正式なお問い合わせ先」として浅野氏の自宅の住所、電話番号等を記載して報じています。私がこれを見たのはマスキングされた状態のもので、正確に何々が記載されているのかは知りません。

『さくらフィナンシャルニュース』の記事。浅野氏の自宅住所、電話番号を同連絡会の連絡先と誤認し掲載。のちにマスキングされ、松岡は元記事を見ていなくて、マスキングされたものを見た。

ところが浅野氏は、それ(浅野氏の住所等が記載された記事)を私が「リツィート」し「全世界に晒した」と仰るのです。「リツィート」も何も、私はしていません。していると仰るのであれば、証拠を出してください。出せるわけがありません、私は「リツィート」もしてませんし、このサイトにコメントを書き込んだりもしてませんから。

ただ、浅野氏の支持者の中尾進氏という方が5月30日付けのFBに於いて、私について言及しておられますので、中尾氏のFBにひとことコメントを書き込んでいます。

これは以下再録しておきます。たったこれだけです。

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「Toshiyasu Matsuoka
中尾進さんに非難されている鹿砦社・松岡です。コレ、もともと人権と報道・連絡会の案内に宮川元一氏の住所が連絡先として記載され、宮川氏が迷惑を被り、人権と報道・連絡会と浅野さんに抗議し、それをさくらフィナンシャルニュースが、以前に人権と報道・連絡会の連絡先とされていたのを、変更されたものと気づかず浅野さんの自宅住所を記載し、それを岡林さんがそのままリポストしたにすぎないわけでしょう。浅野さんが代表の人権と報道・連絡会が当初から宮川さんの住所を連絡先に記載しなければよかったわけでしょう? なにか責任を、なんでもかんでも岡林さんが悪いと岡林さんに責任転嫁してはいませんか?」

─────────────────────────

このかん浅野氏はみずからのFBにて、この件について再三再四私を詰っておられます。前述した、かつては浅野氏の身近にいて今は距離を置いている方の、浅野氏を「相手にしないのが一番ですよ」という忠告もあり、また浅野氏のFBに留まっている限りは無視しとこうと、あえて黙過していましたが、このたび、小さなメディアとはいえ、私も大なり小なり関わったり広告を出したりして支援したこともある救援連絡センターの機関紙『救援』に、またしても私に対する、事実と異なる誹謗中傷記事が掲載されました。初めて他紙に掲載されたわけで、ここで黙っていれば今後さらに拡大しかねないと思い、救援連絡センターと、その代表・足立昌勝氏、同代表弁護士・大口昭彦弁護士、連載を持ち浅野氏の出版差し止め仮処分申し立ての代理人・山下幸夫弁護士らにもCCでメールにて抗議したわけです。同センターにはこれまで、仮処分問題では、何度となくメールを送っており、6月11日には長文の「要望書」も送っています。私なりに力を入れて書きました。にもかかわらず、これに対して、同センターからも、足立、大口、山下氏らからも何らの回答やコメントもありませんでした。大口弁護士とは、この「要望書」についてではなく、これ以前に別途メールのやり取りはありましたが…。大口弁護士は、私の世代にとっては、まさにカリスマ的存在で、かの「名誉毀損」逮捕事件では弁護人にも名を連ねていただきましたし、昨年4月の『紙の爆弾』創刊20周年反転攻勢の集いに際しては多額のカンパもいただきました。その野武士的な生き方を尊敬し、ならば浅野氏がこのかんなさっていることに対してはガツンと叱責いただきたいものです。

私事にわたりますが、4月13日に高齢の母が急逝し、6月20日故郷熊本のお寺に納骨、4月から6月は精神的にもきつかった時期ですが、それでも出版差し止め仮処分という問題は、体験的にも重大問題でしたので、私なりに真っ正面から対峙し、適宜コメントしてきました。差し止め問題が一段落したと思ったら再びの大地震……イオンモールで生身の人間が目の前で焼死することに絶望的な気持ちになります。

◆足立昌勝救援連絡センター代表から返信! 浅野氏と松岡の「個人的問題」とする見解に「う~む」

このたびの私の抗議について、救援連絡センター足立昌勝代表から返信がありました。足立代表には、これまで何度もメールしてきましたが、初めての返信です。

以下、やり取りです。

《1》9月17日付け、松岡から救援連絡センターへのメール

救援連絡センターの皆様

鹿砦社・松岡です。本メールは極めて重要ですので、必ずセンターに関わる全員に回覧していただきたく強く要望いたします。

御紙『救援』9月10日号拝受いたしました。

そこに浅野健一氏の「人権とメディア」に「日本会議系のサイトが私(注・浅野氏)の自宅の郵便番号、住所、固定電話と携帯電話の番号、メールアドレスを世界中に晒した。また、その違法投稿を、あけび書房・岡林信一社長、鹿砦社・松岡利康社長らがリツィートした。」と記載されておりますが、これは事実無根で私松岡はリツィートしてはおりません。私がリツィートしたと強弁する文を掲載したのであれば、御紙次号において「証拠」を公開してください。そういう事実がないわけですから「証拠」を公開できるわけがありません。もともとくだんの「日本会議系のサイト」上の浅野氏の住所等個人情報が記載された画面を私は見ておりません。私が見たサイトが「日本会議系のサイト」かどうかわかりかせんが、私が見た時にはその箇所はマスキングされていました。

もっとも、私はX(旧ツィッター)をやっていませんので「リツィート」などできませんが……。

今春から浅野氏は、出版人にとっては生命線ともいえる出版差し止めを企てたり、あけび書房刊行出版物の女性著者に対し精神を病むほどまでに激しいネットリンチを繰り返したり、異常なまでに大騒ぎされました。遺憾なことです。言葉の上では「人権」を口にされながらも実際は人ひとりの人権などおかまいなしです。本来なら、浅野さんが女性著者に対する人権侵害行為をやっていることは私たちが幾度となく批判してきていましたのでご存知だと察しますが、それなら御紙の中心人物がそういうことをやっていることを厳しく叱責すべきではなかったでしょうか。

このかん浅野氏はみずからのFacebookにおいても私松岡に対し、この件はじめ激しい誹謗中傷を続けておられます。正当な批判とは到底思えません。

それはまだ浅野氏のFB上のことなので我慢しておりましたが、他の媒体(つまり御紙)に記載するとなると問題は別となります。

あらためて正式な抗議文書を送らせていただきますが、とりいそぎ強く抗議の念を表明いたします。

なお、浅野氏は、私に対しやFBやメールをブロックされているとのことですので、このメールは送っておりません。

私はセンターとの関係を悪化させたくありませんし、毎月『紙の爆弾』に寄稿いただいている足立先生の寄稿も継続したく思っておりますので、よろしく御高配のほどお願い申し上げます。

《2》9月18日付け、足立代表からの返信メール

松岡様

抗議の文章を読みました。

この件は、松岡さんと浅野さんの個人的問題であり、救援連絡センターとのまったく関係ありません。浅野さんが救援に書いた文章に反論があれば、ぜひ救援誌上で反論権を行使し、反論の文章を書かれてはいかがでしょうか。

抗議文には、次の一文があります。

「私はセンターとの関係を悪化させたくありませんし、毎月『紙の爆弾』に寄稿いただいている足立先生の寄稿も継続したく思っておりますので、よろしく御高配のほどお願い申し上げます。」

このような形で私の名前を出されることは、非常に迷惑です。このようなことが続けば、私の紙の爆弾への寄稿があたかも非難されているように海(ママ)けられざるを得ません。

前回の抗議文にも名前が出されていました。

ぜひ、このような私の名誉にかかわることをやめていただきたいと思います。

先にも述べたとおり、もし反論があるならば、救援誌上で反論を述べていただきたいと思います。

なお、救援連絡センターでは、救援に関する検閲は行なってはいません。

浅野さんの文章は、本人の責任で書かれたことであり、救援とは全く無関係です。
以上、よろしくお願いします。

《3》9月18日付け、松岡から足立代表への再返信メール

足立先生

拝復 今回初めて先生のご意見を伺いました。

まず、浅野さんによる出版差し止め仮処分問題、山下弁護士や大口弁護士ら、浅野さんも含めセンターの中心人物3人も関わっておられます。

それに浅野さんは、あけび書房本の女性著者、それもプロのジャーナリストでもライターでもない人に対する激しい人格攻撃など、「人権」を語る人がやるべきことではないし、これは私も何度となく批判していることですが、果たして先生らは浅野さんに叱責されたのでしょうか。いくら「人権」だなんだと言っても身近の人物が身近で起こしている人権侵害を黙っているのでしょうか。

こういうことを私は6月11日付けの貴センターへの「要望書」はじめ何度も申し述べてきました。しかし貴センターからのリアクションはありませんでした。再度その「要望書」をお読みいただきたいと思います。私なりに力と時間をかけて書いた「要望書」です。何のリアクションもないというのも寂しいものです。

本件、私と浅野さんとの「個人的問題」ではありません。センターの内部の方で情報を寄越してくれる方もおられますが、センターではそう処理しようということのように感じられます。

そうではありません。浅野さんが「5人組」と非難されるように、鈴木エイト氏はじめ社会的に名のある方も複数関わっておりますし、また浅野、大口、山下氏らセンターに深く関わる方々もおられるわけですから、常識的に見て、私と浅野さんの「個人的問題」ではないでしょう?

それに、先生はセンターの代表でしょう? こういう問題が起きた場合、責任を持って対応するのが「代表」ではないのですか? あくまでも私と浅野さんの「個人的問題」として処理されるわけですか?

また、「浅野さんが救援に書いた文章に反論があれば、ぜひ救援誌上で反論権を行使し、反論の文章を書かれてはいかがでしょうか。」ということですから、ぜひ「反論権を行使」させてください。

尊敬する足立先生や大口弁護士らに異を唱えることには忸怩たる想いですが、浅野さんがあけび書房の出版物に対して出版差し止め仮処分を公にされて以降私は一貫して、いやしくもジャーナリストが、みずからの意に沿わない出版物を差し止めることはダメだと主張してき、また貴センターにも申し述べてきました。これも私と浅野さんの「個人的問題」で片付けようとなさるわけでしょうか?

出版差し止め、とりわけこの仮処分は、出版や表現に関わる者にとって重大な問題です。私たちの出版社・鹿砦社は過去に5度も出版差し止めを受け、このうち1件は、その後、私の逮捕→192日間の勾留にまでつながりました。出版差し止めは、憲法21条に謳われた表現の自由、言論・出版の自由にとって最大の敵です。みずからの体験からもそう断言できます。

大先輩に対して遠慮のない不躾な文を返信させていただきました。私はこういう文しか書けませんので、何卒ご容赦ください。  敬具

《4》相談した、あるジャーナリストの意見

松岡様

お世話になります。

足立さんの文章には呆れて言葉がありません。浅野さんと松岡さんの個人的な問題であれば、機関紙上で松岡さんに対する個人攻撃を容認してはいけません。紙面を提供した以上、書かれていることの責任を取るのは当たり前です。それを放棄して、言い訳をしているわけですから大きな問題でしょう。名誉教授として、恥ずかしいことだと思います。

ロシアが新設した「1945年の対日戦勝記念碑」が象徴する、日露対立の再燃

アンドリュー・コリブコ

ロシアがハバロフスクに1945年の対日戦勝を記念する巨大なモニュメントを建設した。筆者は、プーチン大統領の択捉島訪問とあわせ、日露間の歴史的対立が再び強まりつつある象徴だと分析。その背景には、米国のアジア太平洋戦略や日本の軍事的役割の拡大があると指摘している。

※   ※   ※   ※

この状況を招いた責任はロシアではなく、米国にある。米国は、事実上その保護下にある日本が、1956年の日ソ間の妥協案に基づいて南千島列島をめぐる問題を解決することを認めなかったからだ。この妥協案では、色丹島と歯舞群島を日本側に引き渡すことになっていた。

日本の高市早苗首相は、ロシアが新たに建設した「1945年の対日戦勝」を記念するモニュメントについて不満を表明した。

アイルランド人ジャーナリストのブライアン・マクドナルドは、ハバロフスクのアムール川を見下ろす目立つ場所に建てられたこの記念碑について、「その大きさと、どれほど目立つ場所にあるのかが分かるように」と映像を公開した。

さらに、次のように伝えている。

「地元当局から『イワン』と名付けられた兵士像は、日本の皇室の権威を象徴する菊の紋章が付いた国境標識を打ち壊す姿で表現されている。当局はこれを『対日戦勝を記念するロシア最大のモニュメント』と説明している」

この問題のより大きな背景には、プーチン大統領による択捉島訪問がある。択捉島は現在ロシアが実効支配しているが、日本が自国領として主張している4島の一つであり、プーチン氏の訪問は日本側の強い反発を招いた。

ロシアを代表するアジア専門家の一人、ゲオルギー・トロラヤは最近の記事で、プーチン氏の択捉島訪問をきっかけに事態が急速に動き、ロシアの安全保障を複雑にする可能性があると指摘した。

しかしわたしは以前の記事で、プーチン氏はそうした事態はいずれ避けられなくなるので、この点を見越して先手を打ったのではないか、と論じた。今回の記念碑の公開を考えれば、この見方には筋が通っている。

そもそも、大規模な記念碑は短期間で建設できるものではない。そのためプーチン氏は、択捉島を訪問する以前から、ロシアを取り囲む新たな「防疫線(cordon sanitaire)」のうち、北東アジア方面に国民の関心を向けることを計画していたと推測できる。

これら一連の動きは、ロシアが、米国の支援を受けた日本による対露封じ込めの動きを認識していることを示している。

だからこそプーチン氏は、択捉島に対するロシアの主権を改めて強調した。そして今回の新しい記念碑も、ロシア国民に日本との歴史的な対立を思い起こさせる効果を持つことになる。

歴史を忘却している人のために振り返ると、日露の競争は19世紀末に始まった。ロシアが北東アジアへ勢力を拡大し、中国の満州地域や朝鮮半島への影響力を強めたためである。日本は1894~1895年の日清戦争で、朝鮮半島をめぐって中国と戦っていた。

その約10年後に起きた日露戦争では、アジアの国がヨーロッパの大国を初めて破った。その後、日本は朝鮮を併合し、やがて満州に傀儡国家を建国することになる。

そして1945年8月、ロシア(当時のソ連)は日本に対して「雪辱を果たした」。ヤルタ会談での合意に基づき、ソ連は「満州戦略攻勢作戦」を開始した。この攻勢によって、日本軍は満州、朝鮮半島北部、樺太南部、そして千島列島から急速に排除された。

今回建設された記念碑が記念しているのは、この戦いである。

ロシア政府は、この歴史を国民に改めて思い出させることで、日本との歴史的な対立関係が再び強まることを国民が受け入れやすくなるよう、徐々に意識を整えようとしている。わたしは、この対立関係が今後、長期間にわたって日露関係を特徴づけることになると予想している。

わたしは、こうした状況を招いた責任はロシアではなく、米国にあると思う。米国は、事実上その保護下にある日本が、1956年の日ソ間の妥協案に従って南千島列島をめぐる領土問題を解決することを認めなかった、というのがわたしの主張だ。

1956年の妥協案では、色丹島と歯舞群島を日本側の管理下に戻すことになっていた。その結果、領土問題はその後およそ70年間にわたって未解決のまま残された。そしてこの問題は、日本の地政学的な国家意識の重要な一部となり、多くの日本国民にとって感情に強く訴える問題にもなった。わたしは、現在、米国がこの問題を利用していると主張している。

日本には、米国が構想する「AUKUS+」――つまり、アジア太平洋地域にNATOのような軍事ネットワークを構築する構想――を主導する役割が与えられている。

【黒薮注】AUKUS+:「AUKUS+」とは、米英豪3カ国の安全保障枠組みとして、それを日本、韓国、カナダ、ニュージーランドなど他の同盟・友好国との協力へ広げていく構想。インド太平洋における、より広い軍事・技術協力ネットワークの構想。日本政府にとって、憲法9条がこの構想の障害になっている可能性が高い。

その最大の目的は中国を封じ込めることだが、日本が再軍備を進め、ロシアにとってより大きな脅威となるにつれて、ロシアを取り囲む「防疫線」の北東アジア方面も強化されることになる。

したがって、プーチン氏が択捉島に対するロシアの主権を改めて強調することも、ロシア政府が国民に対して、日本との歴史的な対立関係が再び強まることを徐々に受け入れさせようとすることも、十分に理にかなった対応なのである。

アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年9月9日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

Source:https://korybko.substack.com/p/russias-new-monument-to-its-1945?utm_campaign=post&utm_m

西田光汰と永井雷智が白熱した試合展開で存在感示したNJKF 2026.2nd!

堀田春樹

西田光汰はノックダウン喫するも、ヒジ打ち圧倒勝利で2度目の防衛。
永井雷智は先手の左フックで中島隆徳を倒し、山川敏弘への挑戦権を獲得。
S-1女子は、佐藤”魔王”応紀がノーンレック・クルーダージムに敗れ王座獲得成らず。

◎NJKF 2026.2nd / 9月12日(土)後楽園ホール11:00~13:53
主催:NJKF / 認定:NJKF、S-1

◆第7試合 NJKFフライ級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオンV2戦.西田光汰(西田/2001.2.13愛知県出身/ 50.75kg)18戦11勝6敗1分
        VS
挑戦者1位.悠(=吉仲悠/VALLELY/2003.10.25北海道出身札幌市出身/ 50.7kg)
18戦9勝(4KO)7敗2分
勝者:西田光汰 / TKO 3ラウンド 0:29秒
主審:中山宏美

初回はパンチとローキックの攻防。組み合っても互角の鬩ぎ合い。終盤には悠のパンチ連打の中、左フックで西田光汰はバランス崩したような感じでノックダウン。流れは悠に大きく傾くような初回終了となった。

初回、悠の左フックでノックダウンを喫する西田光汰
初回、悠の左フックでノックダウンを喫する西田光汰

第2ラウンドには悠の勢いを止めに掛かった西田が組み合ってヒザ蹴りからのヒジ打ち連打で悠をロープに追い詰める圧力が増して来た。

第3ラウンドも開始から西田がヒジ打ちで悠の顔面を狙い撃ち。斬るヒジでなく、ガツンと当てる倒しに行くヒジ。その猛攻で悠は鼻血を流してマットに沈むとレフェリーはカウント中にストップを掛けた。

西田光汰は自分の距離を掴んでヒジ打ちの猛攻を掛けた
西田光汰は自分の距離を掴んでヒジ打ちの猛攻を掛けた

西田は2度目の防衛。悠は担架で運ばれたが、控室では椅子に座って落ち着いて会話が出来ている様子で、悠のおじいちゃんおばあちゃんが「心配で帰れない!」と言っているから様子を伝えようというスタッフが覗きに来ていたが、悠は問題無く、しっかり歩いて帰れる様子でした。

悠陣営の米田貴志会長は「ジリジリ攻められた時の脆さが出ましたね。相手のペースに合わせ過ぎで、逆にやってやろうと思っていたところが、先にやられた感じでした。悠はこれでくじける奴ではないので、しっかり休んでまた対策立てて頑張ると思います。」と語った。

西田光汰は「最初貰ったのは左フックかな。ダウン取られた時はスリップだと思ったんですけど、その前のパンチの受け方とかはダウン取られても仕方ないなと切り替えました。パンチ勝負では悠選手の方が何枚も上手なので、首相撲というか自分の距離で入ろうと思って行きました。ヒジの攻めはあれはたまたまで、今日は僕の方が強かっただけですね。5ラウンドやれるスタミナは充分練習して来たので途中で休むとかは無くて攻めて行きました。」と語った。

堂々たるメインイベンターとして二度目の防衛を果たし西田光汰
堂々たるメインイベンターとして二度目の防衛を果たし西田光汰

◆第6試合 NJKFバンタム級挑戦者決定戦3回戦

3位.中島隆徳(GET OVER/2005.4.8愛知県出身/ 53.85→53.75→53.70→53.6→53.52kg)
17戦8勝(1KO)6敗2分1NC
        VS
4位.永井雷智(VALLELY/2008.1.14東京都出身/ 53.45kg)11戦9勝1分1NC
勝者:永井雷智 / TKO 1ラウンド 1分30秒
主審:ノッパデーソン・チューワタナ

開始早々に永井雷智は牽制の飛び蹴りを放つも中島隆徳も素早く身を躱す。ローキックからパンチで距離を計る両者だったが、永井は一瞬を逃さないタイミングで左フックを中島の顔面に打ち込むと中島は脚に来てゆっくりと崩れ落ちた。立ち上がる気力はあるものの、脚がフラ付いてカウント中のレフェリーストップが掛かった。

一瞬を逃さない永井雷智の左フックが中島隆徳を襲う直前
一瞬を逃さない永井雷智の左フックが中島隆徳を襲う直前
ノックダウンを喫した中島隆徳に手応えありと確信の永井雷智
ノックダウンを喫した中島隆徳に手応えありと確信の永井雷智

永井雷智は「1ラウンドで絶対行けるだろうと思ったので予想どおりでした。倒したのは左フックかな。当たった感覚あったので、相手見たら目が飛んでるなと感じたので、これで終わったなと確信しました。」と語った。

前回6月の無効試合で拾い損ねた勝利が、この日に着いてきた結果となった。

挑戦権獲得して抱負を語る永井雷智
挑戦権獲得して抱負を語る永井雷智

◆第5試合 スーパーウェルター級 5回戦

NJKFスーパーウェルター級10位,風成(エス/1997.5.18東京都出身/ 69.5kg)
9戦5勝2敗1分1NC
        VS
金智燮(キム・ジソプ/2001.1.12韓国出身/ 70.2→69.8kg)7戦4勝(3KO)3敗
勝者:金智燮 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:ノッパデーソン29-30. 児嶋29-30. ランボー28-30

両者、ローキックとミドルキック中心の牽制は金智燮の蹴りパンチが重く鋭い。前蹴りで風成の前進を止める上手さが目立った。風成がパンチで出れば金智燮もパンチで返し、前蹴りも続けてプレッシャーを掛け続けた金智燮。ラストラウンド終盤には風成も意地でパンチやハイキックで出て来たが巻き返すには至らず、僅差判定で敗れた。

勝者となった金智燮は「初めての外国遠征で、最も行きたかった日本の後楽園ホールで勝つことが出来て光栄です。最近の2試合で連勝し、この連勝が途切れないことや、また日本に呼んで貰えるなら、自分自身を証明することが目標です。」と日本語で語った模様。

金智燮の蹴りは鋭く重く風成の突進を挫いた
金智燮の蹴りは鋭く重く風成の突進を挫いた

◆第4試合 S-1女子世界ミニマム級王座決定戦(105LBS) 5回戦(2分制) 

ノーンレック・クルーダージム(タイ国ムエタイ協会女子ミニマム級Champ/タイ出身22歳/ 47.48kg)40戦32勝6敗2分
        VS 
佐藤”魔王”応紀 (女子聖域東北ライトフライ級Chanp/PCK連闘会/1979.1.24宮城県出身/ 47.25kg)28戦14勝(7KO)11敗3分
勝者:ノーンレック・クルーダージム(王座獲得) / 判定3-0
主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:宮沢50-48. 児嶋49-48. ランボー50-47

アグレッシブな佐藤魔王応紀にムエタイテクニックで優ったノーンレック
アグレッシブな佐藤魔王応紀にムエタイテクニックで優ったノーンレック

初回は互角の蹴り合いも佐藤がやや前進する展開。第2ラウンド以降も佐藤がパンチから蹴りと組み負けない首相撲でプレッシャー掛けて出るが、下がりながらもミドルキックのヒットが目立ったのはノーンレック。初回が互角で、他はジャッジ三者が揃ったラウンドは無かったが、ムエタイ技が目立ったノーンレックが判定勝利し王座獲得となった。

リングを下りれば笑顔が戻ったノーンレック。チャンピオンベルトが引き立つ
リングを下りれば笑顔が戻ったノーンレック。チャンピオンベルトが引き立つ

◆第3試合 女子ミネルヴァ・バンタム級3回戦(2分制)
 
ミネルヴァ・スーパーバンタム級チャンピオン.珠璃(闘神塾/2007.2.2兵庫県出身/ 53.3kg)
11戦9勝(2KO)2分 
        VS 
小澤聡子(第2代KPKB女子バンタム級Champ/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/1984.3.4静岡県出身/ 60.7kg→当日8時30分条件59.0kgを下回る)46戦12勝30敗4分 
勝者:珠璃 / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:ノッパデーソン30-26. 児嶋30-26. ランボー30-25/小澤に減点2含む

パンチと蹴りでやや前進力ある珠璃だが、小澤聡子も応戦。ウェイト差もあったかもしれない小澤のパワーあるパンチと蹴り。しかしスタミナは珠璃が大きく上回る攻撃力だったが、圧倒出来ず倒すに至らない、もどかしさはあったかもしれない。減点無しでも大差判定勝利ではあったが、珠璃の悔しさが涙となって表れていた。

中止寸前から試合成立。攻防は激しく打ち合った珠璃と小澤聡子
中止寸前から試合成立。攻防は激しく打ち合った珠璃と小澤聡子

◆第2試合 女子ミネルヴァ 55.0kg契約3回戦(2分制)

スーパーフライ級6位.RUI JANJIRA(ジャンジラ/2000.11.5東京都出身/ 54.85kg)
16戦5勝(1KO)8敗3分 
        VS 
スーパーバンタム級8位.朱乃(CORE/1994.5.29埼玉県出身/ 54.75kg)6戦3勝2敗1分
引分け 0-0
主審:宮沢誠      
副審:ノッパデーソン29-29. 児嶋29-29. 中山29-29

長身の朱乃の蹴りがやや上回る展開も、RUIも距離感掴んで蹴りとパンチで応戦。ラストラウンド終盤はRUIが我武者羅に打って出た流れもジャッジ三者揃ったラウンドは無く、引分けとなった。

◆プロ第1試合 女子ミネルヴァ 45.8 kg契約3回戦(2分制)
 
ピン級2位.上真(ROAD MMA/1985.10.16石川県出身/ 45.25kg)22戦6勝14敗2分
        VS
アトム級2位.ほのか(KANAROA/1999.6.26岐阜県出身/ 45.9→45.88→45.8kg)
17戦5勝10敗2分   
勝者:ほのか / 判定0-3
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:ノッパデーソン27-30. 宮沢27-30. 中山27-30

両者のパンチと蹴りが交錯する流れは、ややほのかが打ち勝ち、上真はほのかを上回るヒットが少ない。内容的には大きいダメージを与えるヒットは無いが、終始圧す流れを掴んだほのかがフルマークの大差判定勝利となった。

◆アマチュア2. EXPLOSION U-15 53.0kg契約2回戦(90秒制) 

永井りい(第13・14代EXPLOSION-40kg級王者/2012.1.25東京都出身/VALLELY/ 51.45kg)
        VS
堀口透輝(TAKEDA/2011.11.5埼玉県出身/ 52.9kg) 
勝者:永井りい / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-19)

◆アマチュア1. EXPLOSION U-15 46.0kg契約2回戦(90秒制)

水田勝眞(U-15 小学生高学年45kg以上級王者/新興ムエタイ/2014.6.20神奈川県出身/ 46.0kg)
        VS
渡邉慶(D-BLAZE/2012.9.13東京都出身/ 45.6kg) 
勝者:水田勝眞 / 判定2-0 (19-19. 20-19. 20-19)

《取材戦記》

今回の興行は前日12時の計量時において1回目でのウェイトオーバーが多かった。難なく2回目でパスする者。水分出し切って何度か秤に上がってパスする者。
中島隆徳は出し切っても落ちない中、何度もジャケットを着て走り、2時間の猶予ギリギリでパス。

小澤聡子は60.7k g(公式計量表記載)で7.18kgオーバーの過去に無いような大幅ウェイトオーバーだが、減量を怠った数値ではないことは明確だった。計量前日までの過度の体調不良で診療により点滴を受け、体調回復に務めなければならなかった結果、規定のバンタムウェイトに落とすには至らなかったものである。

とはいえ、プロボクシング的に言えば規定の8パーセント超えで試合は中止だが、ルールが柔軟なキックボクシングで、NJKFでは当日8時30分計量で59.0kg以下の条件が科された。小澤はこの条件をクリアし試合成立となった模様。これまでの条件がどう影響したかは解らないが、中止を回避したかった両者のぶつかりは白熱した展開となっていた。

西田光汰のヒジ打ち猛攻は凄まじかった。チャンピオンに成って防衛重ねることでより風格が増して行く西田である。

西田姓は新日本キックボクシング協会にも西田蓮人が日本フライ級チャンピオンとして存在し、二人の比較も面白くなりそうです。

先週6日のCHALLENGER 14と比べて観衆は少なかったが、メイン格の完封TKO勝利2試合で締め括ったNJKF 2026.2ndもインパクト残す興行となりました。

先週の記事。CHALLENGER興行の主催名と基康を“超合金”と記載しましたが、“超合筋”が正解。金属でなく筋肉でしたね。過去にも文字変換で気が付かないミスがありました。訂正させて頂きます。

11月1日(日)のNJKF CHALLENGER 15は後楽園ホールに於いて、基康のWBC日本タイトル (もしくは上位王座)挑戦と、今回挑戦権を得た永井雷智が、チャンピオン山川敏弘に挑戦するNJKFバンタム級タイトルマッチの主要2試合中心に開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

《緊急ニュース!!》「成年後見制度」の犠牲者、またしても! 『悪法「成年後見制度」は法に非ず』の編著者・鈴木愼哉さんの奥様、何者かに施設を連れ出され行方不明! 本来管理すべき後見人弁護士も知らず!

鹿砦社代表 松岡利康

数多の犠牲者を出している「成年後見制度」ですが、これをみずからの体験から告発している鈴木愼哉さんの奥様が、突如施設を連れ出され行方不明という重大な事実が発覚いたしました。

9月17日、鈴木さんの長女さんが鈴木さんのご自宅を尋ねてきて、「久しぶりにお母さんの様子を施設に聞いてみようか」と施設(大和証券の子会社のグッドタイムリビング)に電話したところ10分ほど待たされ、「個人情報なので言えません」と電話を切られたそうです。ところがその後、長女さんの携帯に電話があり、「退所されました」と連絡があり、当然著所さんは「どこに行ったのですか?」と尋ねたところ、「わかりません」とグッドタイムリビング。

その後、後見人の堀井弘明弁護士(大阪弁護士会)に連絡を取ろうと、堀井弁護士が以前いた事務所に電話したところ、「鈴木さんに連絡するように伝えます」ということで、追って堀井弁護士から電話があり、「自分は知らない」ということだったとのことです。本来、後見人は、被後見人の面倒を見て報酬や経費を毎月受け取るわけですから、これだけでも違反していることになります。

その数日前、堀井弁護士が、以前いた事務所を辞め独立したという「事務所」を私たちの取材スタッフが尋ねたところ、そのマンションには表札も掛かっておらず不在、隣室の方に尋ねたところ「今まで夜に2,3度もの音がしたが全くいません」との答え。周囲の飲食店に尋ねても全く知らないということでした。

こういうことは、これまでも何度となく遭遇している私たちは、今後も執念深く追及していくことを、あらためて決意した次第です。われわれを舐めとったらアカンぞっ!

当初、私(たち)は、鈴木さんへの同情心からこの問題に入っていったのですが、実の夫、実の長女でさえ、その意思を無視され、後見人の勝手にされ、報酬と経費と称するお金だけは毎月吸い取られる悪法を決して許してはなりません。

まずは総力で鈴木さんの奥様の所在を突き止め、何としても奪還し、奥様が好きなハーゲンダッツを食べていただきましょう!

ことは、一法律の問題ではありません。人道上、許せない問題です。後見人の堀井弁護士に人間の心があるのか!?

私たちはグッドタイムリビングの親会社・大和証券の責任をも追及し、鈴木夫人がいた施設・グッドタイムリビングの無責任体質を決して許してはなりません。

皆様方のご理解、ご協力をお願いいたします!

※下の画像は、鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』(紙の爆弾増刊。鹿砦社発行)。ぜひともご購読いただき、鈴木さんの事件の概要と成年後見制度の悪法たる所以を知ってください!

鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=ichi&bookid=000793
amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0H2CGNX2L

《零和滑稽新聞創刊01号》パンパンというよりパンバカパ~ン! 嘘つきサーニャの今週のハイライト!

(『紙の爆弾』2026年7月号掲載記事を再編集しました)

【図1】JiB漫画トリオのパンパカパ~ん!今週のハイライト!

5月11日の文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」でゲストのジャーナリスト・適菜収(てきな・おさむ)氏が、高市早苗が政治家としての最初の一歩からウソと駄ボラを重ねてきた過去を暴露した。たとえば彼女は「元アメリカ連邦議会立法調査官」という肩書きでマスコミデビューを果たし、世間に大いに名を売ったわけだが――自著にも(図2)、テレビ出演時にも(図3)そういう肩書きを堂々と掲げてきた――実際にはこの肩書きは虚偽であり、単に米国民主党のパトリシア・シュローダー下院議員の事務所でほんの一年ばかり“研修生(インターン)”をしていたに過ぎなかった。

(この「インターン疑惑」については、その後2か月もたってから、7月6日の国会参議院決算委員会での立憲民主党・羽田次郎議員の追及に対して、高市首相は自分の公式ホームページ等で紹介している米連邦議会の「コングレッショナル・フェロー(CF)」という経歴に「間違いはない。インターンとは全く異なる」と反論した。彼女は、たしかに渡米後の最初の2カ月間は受入先の下院議員事務所で「インターン」の立場であったと認めたが、3カ月目から正式にフェローとしての要件を満たし名刺やデスクが与えられたと釈明したのである。……しかしシュローダー議員はすでに〔米国を生涯をすごし、今はすでに亡きアメリカ人に、こういう古代中国由来で日本に定着している民間信仰用語を使ってよいのかどうかは微妙だけれども……〕「鬼籍」に入って久しい。

「死人に口なし」なのである。伊東市の前市長や、小池百合子東京都知事などの学歴詐称疑惑と同様、疑惑の主のご本人が言いたい放題放言にしている言動を、外野がひたすら信じているかぎり、真相はわからない。

容疑者本人の発言を信じるだけで容疑の有無が決まるなら、警察や検察の「捜査」なんてまったく不要なのだから、そんな組織はさっさと解体するしかない……という理屈になる。あるいはまた、容疑者本人の発言だけしか“頼るべき根拠”がないとするなら、「容疑者の口を割らせる」ために拷問も許される、という理屈も成り立つであろう。……とにかく高市首相の米国議会関係の職歴詐称疑惑については、雇い主のシュローダー議員はすでに死去してこの世にいないわけだし、高市本人が巧言令色・美辞麗句でいくら調子のいい釈明をしようとも、明白で客観的な証拠〔エヴィデンス〕が示されぬかぎりは、信用できないのである。……なにしろ自分の嘘つきぶりを、かつては自慢していた政治家なのであるから。)

この日の放送で、適菜氏は、高市早苗ご本人が公言した(それゆえ大宅文庫に“記録”として残されている)資料を、大竹氏に朗読させた――「シュローダー議員へのアプローチは?って聞かれて高市さんは、私を雇ってくれって履歴書とか色々書いたんだけど、私の英語力って大したことなかったから、その頃付き合ってた男がすっごく英語ができる男だったんで、ずいぶん添削してもらった。だいたい私、自分は日本の軍事問題の権威だってウソかいたの」。……まさにウソにウソを重ねてのし上がってきたのが高市早苗のいう政治家なのである。

高市早苗は「元アメリカ連邦議会立法調査官」だと詐称して世間に名を広めた。

【図2】1990年3月ソニーからカセットブックとして発売された『政治ギャル、永田町を叱る:怒れ!納税者!!』
【図2】1990年3月ソニーからカセットブックとして発売された『政治ギャル、永田町を叱る:怒れ!納税者!!』
【図3】マスコミ売りだし時代の高市早苗のテレビ出演
【図3】マスコミ売りだし時代の高市早苗のテレビ出演

パット・シュローダー(生1940~没2023年)は日本で言えば福島瑞穂みたいな立ち位置で「保守」とはほど遠く、「リベラル・フェミニスト」とか「過激なリベラリスト」などと呼ばれてきた政治家だった。だから高市早苗が松下整形塾、もとい、政経塾で学んで「保守政治家」をめざしていたならば、民主党の「(当時としては)極左」議員のもとでの“修業”なんぞあり得ぬ話であって、共和党政権時代だったから当然“研修”先は共和党議員の事務所を選んだはずであるが、共和党は当時は政権党だから(小泉進次郎みたいな“親の七光り”が使えれば別だけど)生半可な知識では採用されまい。だから政治的なド素人が「軍事問題の権威」などと詐称してもそれを見抜けぬほどズサンな、これまたシロウト議員(?)をカモにしたのだとも推測できる。
(この推測に無理があるなら、やはり高市早苗は当時の日本において“リベラル・フェミニストの女性代議士”の立ち位置を狙っていたのであろう。)

高市早苗が「平気でウソをつく」政治家だということは、アベ政権の総務大臣時代にやらかした“放送免許恫喝(どうかつ)”騒動の時からさんざん見せつけられてきたから、そのこと自体はもはや(我ながら情けないけど)慣れっこになっていた。……が、米国の議員事務所での研修採用のときからウソをついて相手を騙(だま)してきたことを知って、さすがに私は驚愕した。(ハッキリいってゾッとした。)

今回の記事のタイトルを「嘘つきサーニャ」としたのは、すぐれた作家・ロシア語通訳者だったがこの5月末に没後20年を迎えた米原万里さんの、代表作『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(2001年)に肖(あやか)ったわけである。本稿の「サーニャ」が誰を指すかは説明不要であろう。

さらに記事タイトルに用いた「パンパカパ~ン!今週のハイライト!」というのは、1960年安保闘争「敗退」直後(同年11月)にデビューした漫才コンビ《漫画トリオ》の“決めネタ”であった。前髪を「J」の字にまとめて広い額にたらしてタコ踊りで笑いを取る横山ノック(のちに国会議員や大阪府知事を歴任した山田勇)がボケて、両端の横山パンチ(上岡隆太郎)と横山フック(轟〔とどろき〕盛次)がツッコミをいれる「ニュース漫才(コント)」で、「今週のハイライト」を話題にしながら時事風刺を行なったのである。《漫画トリオ》はこのネタを演(や)るときには、図1のような(“3人そろって日章旗”のような)ポーズを決めた。

【図1-2】本家、漫画トリオの「ぱんぱかぱ~ん、今週のハイライト!」
【図1-2】本家、漫画トリオの「ぱんぱかぱ~ん、今週のハイライト!」

「パンパン」を差別してきたのは誰か?

大竹まこと氏のラジオ番組のなかで、適菜氏が高市早苗をことを「令和のパンパン」と表現したことから、女性差別であるとか職業蔑視であるとかいう“クレームの嵐”がSNS界隈の“名無しの権兵衛(ケンペー)”たちのあいだで俄(にわ)かに沸(わ)きだして、文化放送の社長が謝罪するなど事態は例によって「言葉狩り」「言論封殺」の方向に動いているが、終戦直後に占領軍のヤンキー将兵にぶらさがらざるを得ず、それをやっかむ敗戦国民の“名無しの権兵衛”たちから「パンパン」と呼ばれて社会的に疎外された女性たちの人生をの悲惨を思えば、安直に「差別語」扱いして封殺するのはセカンドレイプのような虐待であることが容易にわかるはずだ。

当時の「パンパン」女性たちの心情を嘆いた「星の流れに」という歌がある。こんな歌詞だ――

星の流れに身を占って、何処(どこ)をねぐらの今日の宿。
荒(すさ)む心でいるのじゃないが、泣けて涙も涸(か)れ果てた。
こんな女に誰がした?

煙草ふかして口笛ふいて、あてもない夜のさすらいに、
人は見返る、我が身は細る。
町の灯影の侘(わ)びしさよ。こんな女に誰がした?

飢えて今頃、妹はどこに。一目逢いたい、お母さん。
唇紅(ルージュ)哀(かな)しや、唇かめば、
闇の夜風も泣いて吹く。こんな女に誰がした?

(作詞・清水みのる、作曲・利根一郎、歌・菊池章子)

従軍看護婦として満洲(奉天)に赴任していた女性が、戦争が終わって東京に帰ってみると、あたり一面焼け野原で、家族もすべて失われ、まったく寄辺(よるべ)がないので「娼婦」として生きるしかなくなり、その悲しみを手記にまとめた。これを新聞で読んだ清水みのるが“戦争への呪詛(じゅそ)”の歌として徹夜で詞を書き上げ、利根一郎も戦災孤児や「パンパン」が屯(たむろ)する上野駅の地下道や公園などで悲惨な現実を見ながら曲を作ったという。(ちなみにこの歌の原題は「こんな女に誰がした」であったが、GHQから「反米感情を煽(あお)る」とクレームがついて無難(ぶなん)な「星の流れに」に変更したという。占領米軍当局は天皇や帝国陸海軍のボスたちは容易に飼い慣らしたが、容易に懐柔できぬ日本国民には恐怖を抱いていたようだ。)

80年前、終戦直後の国民は、それこそ「パンパン」に“身を落とし”たり、「闇市」で政府いうところの「経済犯罪」となる「ヤミ売買」に頼らなければ生命維持すら困難だったのだ。つまり「パンパン」は大日本帝国の失政の悲惨な「産物」である。しかも8月15日の「玉音放送」の直後に、日本政府は早くも「上陸してくる占領軍から帝国婦女子の貞操を守るため」と称して、国立の性的慰安体制(「特殊慰安施設教会」のちに「RAA(Recreationand Amusaement Association)」と改称)を設置し、若い女性たちを大量に雇い入れて(占領軍の)性的従軍慰安婦として働かせ、ヤンキー将兵の大群に“人身御供”として提供した。それこそ「国定パンパン」「国立パンパン」を、日本政府が率先して“生産”して国家規模の管理売春をしていたのだ(詳しくはドウス昌代著『マッカーサーの二つの帽子(特殊慰安施設RAAをめぐる占領史の側面)』を参照)。

「パンパン」女性たちは身を売った。そして日本を「敗戦」に追い込んだ国陸海軍の高級司令官(天皇を含む)や参謀格は、GHQに媚(こ)びを売って(まさに「國家(くに)」を売って)命乞(いのちご)いを行なった。

731細菌戦部隊の総元締めだった石井四郎軍医中将はアメリカ占領軍の幹部と“ボス交渉”して、アジア地域の各地で展開した生物戦争のノウハウを米軍に提供することで「戦犯」訴追を免(まぬが)れた。参謀たちはGHQに媚びを売り、ネンゴロな説得を続けることで「日本再軍備」を追求しつづけ、朝鮮戦争をきっかけにこの“願望”が果たされて、それでいまの「自衛隊」がある。ついでにいえば昨今の世界をにわかに騒がせているハンタウイルス感染症だって、そもそもは石井731部隊が「朝鮮出血熱」として着目し、兵器化の研究を進めた病原体である。このウイルスの研究データが米軍に渡って以後の詳細な展開は不明だが、近年になってハンタウイルスに(新型コロナウイルスと同様に)遺伝子操作による「機能獲得研究」を施し感染力を格段に強めたウイルス株が作出されたことまでは判(わか)っている。米国が中南米を“実験場”として感染実験を企てた可能性は否定できないし、日本でだって石井四郎の母校で731部隊の“人材の草刈り場”であった京都大学に近すぎず遠すぎもしない大阪で、戦後1960年代まで「梅田奇病」などと呼ばれるハンタウイルス感染症がたびたび発生していたのだ。

敗戦によって国家存亡の危機に追い込まれた日本で、米兵相手に「からだ」を売った女たちがいたからこそ、この国は存続できたのだ……とさえ言える。もしも本土決戦になったり、敗戦直後にあまりの苦しさに堪(た)えられず悲観した女たちが次々と自殺していたなら、この国は今頃は、文字どおり亡びていただろう。

その意味で「パンパン」はまさに「畏(おそ)れ多くも賢い」国民の典型なのであった。彼女たちの「生存への執着」がこの国を救ったのだ。……それに比べて、ウソにウソを重ねて政界を渡り歩いてきた高市早苗はどうだろう? よほど下劣な生き方ではないか?戦後の「平和」と「繁栄」を享受(きょうじゅ)してきた我々は、「パンパン」を讃(たた)えて顕彰(けんしょう)すべきである。彼女たちの多くは、結局、病気などで不本意な一生を終えたにちがいないし、なによりも一般国民の蔑視を浴びながら寂しい生涯を送ったであろう。

「パンパン」を差別してきたのは戦後にのうのうと生きてきた我々自身である。

「紫」の意味をしらぬ“蓮っ葉むすめ”が
皇室を汚して「ポルノクラシー」をやらかす

4月10日に英国のハードロックバンド《ディープパープル》が来日し、東京に着くやただちに首相官邸を訪問した。サナエ総理は中学生時代からの「憧(あこが)れのバンド」と面会して大感激し、「夫とケンカした時は『バーン』を(ドラムで)叩いて呪いをかけています」と冗句を言ってサービスしたそうだ。バンドの公式インスタグラム(deeppurple_official)には面会時の記念写真が載っているが、なんと首相官邸内でサナエ総理もいっしょに日本公演をポスターを広げて宣伝している。首相官邸がこういう宣伝に利用され、家主の総理みづから嬉々(きき)としてチンドン屋の役割を演じているのだから、ロックを聴いて“ギャル発作”を起こすような蓮(ハス)っ葉(パ)な奴がこの先も総理大臣になるのであれば、こういう“表敬訪問”は増えるだろうな。

【図4】ディープパープルの公式インスタグラムに載った首相官邸での記念写真(4月10日)
【図4】ディープパープルの公式インスタグラムに載った首相官邸での記念写真(4月10日)

「バーン(BURN)」(邦題「紫の炎」)はディープパープルが“燃え尽きる”直前の、まさに“風前の灯火”のような楽曲だった。サナエ総理が小学生の頃に買ったというLP『マシンヘッド』収録の「ハイウェイスター」はギターの早弾き奏法をいわば“曲芸”に変えた作品であり、その意味ではロックギターの歴史に画期を成した名作だった。ギタリストのリッチー・ブラックモアはそれまでは「一曲ごとに演奏スタイルを変える」と豪語して極めて独創的な演奏スタイルを追求し続けた稀有のアーティストだったのだが、しかし「ハイウェイスター」の成功でその後は“曲芸弾き”を強いられるようになり、このバンドでの活動に飽きが来たのである。「バーン」のレコードジャケットは、メンバー全員の頭が蝋燭(ろうそく)になって、不気味な炎が灯(とも)っている(日本版の「紫の炎」も同じデザイン)。これは皮肉にも当時のバンドの気分を象徴している。この曲を出してまもなくバンドは空中分解したのだ。

ディープパープル(DeepPurple)の『紫の炎(BURN)』シングル盤レコードの、オリジナル(左)と日本版(右)のカバー写真
ディープパープル(DeepPurple)の『紫の炎(BURN)』シングル盤レコードの、オリジナル(左)と日本版(右)のカバー写真

自民党は五月二一日に《国力研究会》(英名「Japan is Back」、略称JiB)という、発起人たち自身にとっても予想外に大所帯の“(税金)盗賊団(バンド)”を発足させたが、ディープパープルの「紫の炎」に倣(なら)って「JiB」を“聖像(イコン)”に描くなら、図5のような“風前の灯火”の絵になるであろう。(サナエ総理の前髪は“横山ノック”のタコ頭ではなく、ジャパンのJである。)

【図5】《国力研究会》ことサナエ応援団の、風前の灯火の「紫の炎」
【図5】《国力研究会》ことサナエ応援団の、風前の灯火の「紫の炎」

ついでにいえば、ディープパープルは『マシンヘッド』を出した後に「ウーマン・フロム・トーキョー(Woman from Tokyo)」という楽曲を出した。このシングルレコードのジャケットは、梶芽衣子(めいこ)の「女囚さそり」を連想させるような(半世紀前の西洋人の、日本女性に対する、オリエンタリズムが混じった尖(とんが)ったイメージの)女性が写っているのだが、この曲はボーカルのイアン・ギランが来日公演で日本を“体験”して日本女性をたいそう気に入ったことで生まれたという。ディープパープルの「女」そのものをメインテーマに歌った数少ない楽曲で、オリエンタリズムへの過剰な憧(あこが)れが歌われている。

「紫の炎」と同様に、これもオリジナルのレコードジャケットはネットなどでご覧頂きたいが、サナエ・タカイチに関していえば、パット・シュローダー事務所に採用された彼女は、(彼女自身の発言がウソでないのなら)「コンウーマン・フロム・トーキョー(ConWoman from Tokyo)」だったということになる。

「コンウーマン」は「女詐欺師」を指すことばで、「コン(confidence)」すなわち「信頼」を裏切って詐偽を働く奴を「コンアーティスト(con-artist)」といい、男の詐欺師は「コンマン(con-man)」、女の詐欺師は「コンウーマン(con-woman)」という。

【図6】コンウーマン・フロム・トーキョー(左)とオリジナルの『ウーマン・フロム・トーキョー』(右)
【図6】コンウーマン・フロム・トーキョー(左)とオリジナルの『ウーマン・フロム・トーキョー』(右)

ハスッパ娘の癖(くせ)が抜けない“ロックおばさん”には想像もできないことなのだろうが、「ディープパープル(濃紫)」は、日本においては古来、皇室のもっとも高貴な格式を示す色彩であった。首相官邸で「濃紫」と称する“毛唐”の男たちの宣伝を、嬉々(きき)としてやらかす総理などというのは、明治維新期の“尊皇攘夷”勢力がもし今も存在していれば(きっともはや絶滅したであろうが)斬り捨てられるべき対象であったに違いない。

「国力研究会」という名のハレンチ

文化放送の「大竹まことゴールデンラジオ」で「サナエ令和パンパン説」が噴出した10日後に、自民党は、麻生太郎の号令で、来年以降も“サナエ総裁体制”を支え続ける拠点づくりとして、《国力研究会》という“派閥もどき”を発足させた。

「国力」とは何だろうか、と先ずもって疑問に思うわけだが、そういうマジメな疑問はどうやら無意味なようだ。なにしろ《国力研究会》の英語名は、主催者によれば「ジャパン・イズ・バック(Japan is Back)」で、略称もそれをそのまま約(つづ)めた「JiB」なのだそうだ。

「ジャパン・イズ・バック」は中学英語のレベルで訳せば「日本は帰ってきた」となるが、ならば一体いつ、日本は姿を消し、どこに帰ってきたのか? かつて安部晋三は「日本を取り戻(モロ)す!」をスローガンに唱えたが、これは米帝(ベ~て~)支配の「日本が米国に従属する“敗戦国”体制(レヂーム)」からの脱出をハッキリと意味していた。

ならばサナエ総理が唱える「帰ってきた」とは何か? 日本は国連体制に「帰って」きて(1956年12月13日)もうすぐ70年になるし、ほかに“失踪(しっそう)”していたこともない。要するに「ジャパン・イズ・バック」を言挙(ことあ)げしている連中は、無用な劣等感で身を焦(こ)がす“中2病”のガキンチョのようなものだ。

一国の与党の政治家たちが「JiB」などという結社に押しかけたわけだが、ならば「JiB」とは何かと英和辞書を引くと、「jib」の第一義は「【名詞】尻込みする動物(馬など)、【動詞】尻込みする、怯(ひる)んで立ち止まる」であるという。これはまさに自民党の議員たちの憶病(おくびょう)ぶりを示す言葉だ。

しかも「jib」の第二義は「CIAの工作員が用いる替え玉人形(Jack In the Box dummy)」の略称なのだという。これもまさに、米国のスパイ組織であり続けた自民党の本質を喝破(かっぱ)する言葉である。

ところで「こくりょく研究会」を英語でいうと、どういう意味になるのか? 日本語の発音にいちばん近い英単語を探すと、「こくりょく」は「Cock-Lick」になるが、これは「陰茎(コック)を舐め回す(リック)」という意味になる。フェラチオである。『紙の爆弾』5月号でアベ政権の(そしてサナエ政権も)悪弊(あくへい)は「悪友内輪(ワルダチ)政治(フェラクラシー)」(fellaは「友だち(fellow)」の口語表現)であると指摘したが、こんなところで自民党の「おフェラ」が復活するとは思っていなかった……。

「香害」と電磁波 ── 科学的根拠と疑似科学の境界線

黒薮哲哉

「香害」に科学的な根拠はあるのか、それとも疑似科学なのか? この問いと並行して語られるテーマに、電磁波による人体への影響をめぐる議論がある。電磁波による人体への影響に科学的根拠があるのか、それとも疑似科学なのかという問いは、「香害」と同様に重要なテーマである。

2005年から、わたしは電磁波問題を取材してきた。そもそもの動機は、自宅がある集合住宅の屋上に携帯電話の基地局を設置したいという打診がNTTドコモとKDDIからあり、マンションの管理組合で話し合うことになったことである。しかも、基地局は、わたしの書斎の天井を隔てた真上に設置する計画だった。幸い、管理組合が「NO」の判断をし、計画は中止になった。

携帯電話の基地局からは、マイクロ波(電子レンジにも使われている電磁波)が放出される。わたしは電磁波関連の書籍や記事を参考にして、人体に有害であるという結論に達した。わたしが参照した資料によると、基地局の周辺で、目まい、吐き気、耳鳴り、食欲不振、不眠、精神不安などが多発しているという。アンケートなどを根拠に、電磁波は「有害」という結論を出している論考が目立った。

さらに、基地局周辺では、癌の発症率が高いとするデータも紹介されていた。

わたしはこれら情報を信頼していた。事実、電磁波の取材を始めたころに執筆した二冊の書籍、『あぶない!あなたのそばの携帯基地局』(花伝社)、『電磁波で苦しむ人々』(花伝社)には、市民運動体が実施したアンケートを根拠に、携帯電話基地局の周辺で健康被害が多発していると記した。

しかし、その後、検証を重ねるにつれて、奇妙なことに気付いた。日本全国には数え切れないほどの基地局が設置されているが、その99%からは健康被害の報告がないという事実である。一方、市民運動団体が撤去を求めている基地局に限って、健康被害の存在が主張されている。しかも、その「事実」の裏付けとなっているのは、おもに市民運動団体が住民を対象に実施したアンケートである。

アンケートの結果は、実施者の設問や説明の仕方によって大きく左右される可能性がある。アンケートを実施する前に、「基地局の周辺で健康被害が相次いでいますが、あなたは何か体調の異変を感じませんか?」というような説明をされると、回答が誘導される可能性が高い。というのも、目まい、吐き気、耳鳴り、食欲不振、不眠、精神不安といった症状は、電磁波の有無とは無関係に生じることがあるからだ。設問の立て方によっては、体調不良をすべて電磁波に結び付けることになりかねない。

こうした検証結果から、わたしは電磁波についての見解を変えた。残念なら、『あぶない!あなたのそばの携帯基地局』と『電磁波で苦しむ人々』の内容は解釈の一部に誤りがある。

◆「携帯電話基地局の周辺で癌が多発」は事実

しかし、それが「電磁波は安全である」という結論を導くものではない。というのも、携帯電話基地局の周辺で癌が多発していることを示唆する科学的、かつ客観的な疫学調査が複数存在するからだ。

たとえば、ブラジルの大学が実施した調査では、癌で死亡した人の自宅と、最も近い基地局との距離を測定した。この方法で7000件余りのケースを調査したところ、発癌と基地局との関係が示された。ドイツやイスラエルの調査でも、類似した方法論で導かれたデータが報告されている。

となれば、やはり基地局を無制限に設置することには問題がある。

【参考記事】地局の周辺ほど癌が多いことを示すブラジルの疫学調査、癌による死亡7191例と基地局の距離の関係を検証 疫学調査①

わたしも含め、情報は十分な検証を経て拡散すべきだろう。あくまで科学的な根拠に基づいたデータが必要だ。もちろん、予防原則を重視し、少しでも健康被害の可能性があれば対策を取る必要はある。しかし、「香害」と同様、少なくとも主観で左右されるアンケートのデータを過信することには問題がある。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年9月2日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

ロシアのアジア問題第一人者、プーチン大統領の択捉島訪問を建設的に批判

アンドリュー・コリブコ

プーチン大統領の択捉島訪問をめぐり、ロシアのアジア専門家トロラヤ氏は、日米との緊張を高め、ロシアの外交的選択肢を狭める可能性を指摘した。背景には、米英豪の安全保障枠組みAUKUSと日本などの協力拡大があり、米日韓と露中朝という二つの陣営への分断が進む可能性がある。

ロシアのアジア専門家トロラヤ氏
ロシアのアジア専門家ゲオルギー・トロラヤ氏

※   ※   ※   ※

ロシア国内で、ロシアの外交政策に対する建設的な批判が表に出ることは極めて珍しい。ましてや、その分野の第一人者であるトロラヤ氏のような専門家から批判が出ることは、なおさらである。

ゲオルギー・トロラヤ氏を「ロシアを代表するアジア問題の専門家」と呼んでも、決して大げさではない。同氏は数々の肩書や実績を持ち、その一つが、ロシア科学アカデミー経済研究所の「アジアにおけるロシア戦略センター」所長である。

だからこそ、ロシアの有力シンクタンク「ヴァルダイ・クラブ」に寄稿した最新の分析で、トロラヤ氏が最近の日露間の緊張について建設的な批判を行ったことには、大きな意味がある。

この緊張は、プーチン大統領が前例のない択捉島訪問を行った後に高まった。択捉島は、日本政府が自国領であると主張する北方四島の一つである。トロラヤ氏はまず、かなり大胆な予測を示した。

「将来の歴史家が、アジアにおける新たな地政学的構図の出現を、この出来事から始まったと位置づける可能性は十分にある」

そして、次のように説明している。

「もしワシントンが、ロシアの対日姿勢の変化を単発的な出来事としてではなく、モスクワが『太平洋の大国』としての地位を確立しようとしている証拠だと受け止めるなら、米国はまさにその次元で、この挑戦に対抗する可能性がある」

その場合、地域の安全保障環境を大きく変えるような、段階的なエスカレーションが起こる可能性があるという。トロラヤ氏は、その流れを次のように説明している。

  1. 外交的な抗議
  2. 新たな制裁
  3. 千島列島周辺での偵察活動の強化
  4. 北海道での日本の軍事演習
  5. 日米共同軍事演習
  6. 米海軍のプレゼンス拡大
  7. 日本による新たな長距離ミサイルの配備
  8. 米国の攻撃システムの一時的な配備
  9. 米国のミサイルの恒久的な配備

原文ではこの後の記述がやや不明瞭になっているが、最後の段階として、日本が核武装へ向かう可能性を示唆している。まさに「アジアにおけるロシア戦略」を専門とするトロラヤ氏は、さらに次のように結論づけている。

「ロシアのアジア太平洋政策全体という観点から見ると、従来の『多極型』モデルは、今や決定的に崩壊した。このモデルでは、ロシアは日本や韓国など、他の有力国との関係を利用することで、中国への依存を『バランスさせる』という選択肢を持っていた」

つまり、これまでのロシアには、中国との関係を深めながらも、日本や韓国とも関係を維持し、中国への過度な依存を避ける余地があった。しかし今回の展開によって、その外交的な選択肢が失われたという見方である。トロラヤ氏はさらに、この動きによって、「米国・日本・韓国」と「ロシア・中国・北朝鮮」という二つの陣営の形成が加速する可能性があると予測している。最後にトロラヤ氏は、次のように述べた。

「ロシアはアジア太平洋地域で戦略的な存在感を高める一方、外交的に動ける余地を失う可能性がある。現在の世界的対立の段階では、このような『交換条件』は正当化できるように見えるかもしれない。しかし、アジア外交ははるかに長い時間軸で物事を考えることに慣れている。
 ロシアの選択肢が狭まっているという印象を与えないことが重要であり、長期的に信頼でき、予測可能なパートナーであるというロシアの評価を維持し続ける必要がある」

ロシア国内では、ロシアの外交政策に対する建設的な批判が公に示されることは極めて珍しい。特にトロラヤ氏のような、その分野を代表する専門家の場合はなおさらだ。

そのため、この分析の行間を読むならば、トロラヤ氏は、プーチン大統領の択捉島訪問が長期的かつ重大な戦略的影響をもたらすと考え、その訪問を残念に思っている、と解釈することもできる。ただし、トロラヤ氏の業績に敬意を表しつつも、彼の分析では一つの可能性が十分に考慮されていない。

それは、プーチン大統領自身が、こうした一連の動きはいずれにせよ避けられないと考えている可能性である。米国がアジアで進めている計画を考えれば、そのような判断にも一定の合理性がある。

その米国の計画は、簡単に言えば、NATOに似た軍事ネットワークをアジアに構築することだと説明できる。この記事では、それを「AUKUS+」と呼んでいる。詳しくは原文でリンクされている別の記事で説明されている。

【黒薮注】AUKUS+:「AUKUS+」とは、米英豪3カ国の安全保障枠組みとして、それを日本、韓国、カナダ、ニュージーランドなど他の同盟・友好国との協力へ広げていく構想。インド太平洋における、より広い軍事・技術協力ネットワークの構想。日本政府にとって、憲法9条がこの構想の障害になっている可能性が高い。

また、この構想は、米国のエルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)が、プーチン大統領の訪問に先立つ8月初めに語った内容ともつながっている。したがって、プーチン大統領がロシア極東への訪問予定の一環として択捉島を訪れたのは、

「米国がアジアで何を計画しているのか、ロシア側は把握している。そして、それに先手を打って対応する」

というメッセージを送るためだった可能性もある。

アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年9月7日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼アンドリュー・コリブコ(Andrew Korybko)
モスクワ在住のアメリカ人政治アナリスト。MGIMO(モスクワ国際関係大学)で博士号を取得。著書に『ハイブリッド戦争―カラー革命からクーデターまで』

Source:https://korybko.substack.com/p/russias-top-expert-on-asia-constructively?utm_campaign=post&utm_medium=web

ミニシアター不在の西宮にシネマカフェ開業のクラウドファンディングにご支援を!

鹿砦社代表 松岡利康

長年西宮ゼミはじめいろいろなイベントでお世話になって来たカフェ・インティライミ(昨年7・12『紙の爆弾』創刊20周年 鹿砦社反転攻勢の集いでも使わせていただきました)にシネマカフェを併設するということです。

ご支援の方法は「ピッコロエビス」で検索してください
https://camp-fire.jp/projects/971918/view

クラファンをやるとは聞いていましたが、すでに開始されていて、9月27日が締め切りということです。うっかりしていましたが、何卒1口乗ってください! 私も支援し、いろいろ企画したいと思っています。硬軟織り交ぜ上映したい映画が多数あります。

学生の頃は、太秦にエキストラのバイトにも何度もいきましたし、学館や京一会館(廃館)でさんざん好きな映画を観ました。そんな懐かしい映画上映を企画したいと思っています。私が企画するので、どんな作品か、皆様方には大体想像がつくと思います(苦笑)。

ちなみに、インティライミオーナーの近兼拓史さんは、かつて阪神大震災後、地域FМをやっていて、鹿砦社から『FMラルース999日の奇跡~ボランティアが作ったラジオ局』を刊行、現在は丹波市でヤクザの事務所の跡地に行政の協力を得てミニシアターを営業されています。そのノウハウをインティライミにシネマカフェを併設するというプロジェクトです。

米政府が保有する「首相のカルテ」高市経歴詐称問題とアメリカ追従

浜田和幸(紙の爆弾2026年9月号掲載)

高市早苗首相が1980年代後半に米国の首都・ワシントンに滞在していた当時の肩書「立法調査官」や「コングレッショナル・フェロー」が、「経歴詐称では?」と話題になっています。

この〝疑惑〞が単なる「スキャンダルのネタ」にとどまらないのは、「米情報機関の監視の目」が事態の行方に注目しているからです。そのことは、今日の日米関係の実態を知る上でも欠かせない要素となっています。

◆「段ボールを敷いて寝ていた」苦労話の真相

実は、就任後の高市首相を揺るがす「経歴詐称疑惑」と彼女が提唱する「和製CIA創設」とは、切っても切れない結びつきがあります。

若き日の高市氏が「スパイのような諜報活動」をしていたため監視されたという話ではありません。「米国での活動を日本国内でどう誇張したか」という政治的スキャンダルと、「最高権力者となった現在の高市氏を米国インテリジェンスがどうマークしているか」の2つの要素が混ざり合っているのです。

高市首相は松下政経塾(5期生)を卒業後の1987年から約9カ月間、米民主党のパトリシア・シュローダー下院議員の事務所に籍を置いていました。私もちょうど同年からワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で主任研究員を務めましたが、この時期の高市氏の経歴の表記が、現在、各方面から激しい追及を受けています。

彼女は長年、テレビ出演時や選挙広報で「米連邦議会 立法調査官」と名乗ってきました。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙の報道にあるように、「実態は無給のインターンで、電話番やお茶くみ、コピー取り、有権者への手紙の下書きが主だった」ので、米議会の正式な職員ではありませんでした。

高市氏が、自身の保守的な思想とは真逆なリベラル・フェミニストのシュローダー議員を選んだ理由に思想的な背景はなく、「アメリカの権力中枢で堂々と渡り合う力強い女性政治家」としての姿に憧れを抱いたからです。

彼女がシュローダー氏を知ったのは渡米直前。民主党の米大統領選予備選への出馬を検討し、演説しているのを日本のテレビニュースで観たことでした。高市氏は自著で、「ファッションセンスが抜群で、非常にセクシーで見事な女性が、軍事問題を力強く演説している姿に目が釘付けになった」(『30歳のバースディ その朝、おんなの何かが変わる』大和出版)と書き残しています。

シュローダー氏はリベラル派でしたが、同時に女性として初めて下院軍事委員会の主要メンバーとなった人物。当時、防衛や安全保障への関心を高めていた高市氏にとって、リベラル派というイデオロギーの違いを超えて、「軍事を語れる強い女性」というキャラクターそのものが、理想のトップリーダー像として映ったのでしょう。

なお、ワシントン時代の高市氏が「ベッドも買えず、段ボールを敷いて寝ていた」というのは、前述の著書に記されている有名なエピソードですが、これも彼女の得意な誇大広告にほかなりません。なぜなら、当時、高市氏は松下政経塾の海外研修生という身分で、塾から毎月15万5000円の研究滞在費が支給されていたからです。

確かに、15万円強の資金は決して余裕があるものではなく、米議会でのインターンやフェローといっても活動は完全な無給。そのため、家賃を払うだけで生活費が消えてしまい、家具を買う余裕が一切なかったために、段ボールを敷いての「極貧生活」だったというのが彼女なりの「苦労話」です。

一方で当時、ワシントンに駐在していた日本メディアの特派員、日銀や大手銀行、商社の駐在員、官僚などのエリート層との交流を、高市氏は自慢しています。20代の女性が単身無給で議会に飛び込み、困窮している姿を見かねた日本人駐在員たちが「食事をご馳走する」「生活の相談に乗る」といった形で日常的に援助をしていたケースは多かったようです。〝封印〞されていますが、駐在員の家庭崩壊に繋がったスキャンダルもありました。

高市氏は当時から自己宣伝志向が強く、駐在員コミュニティに対しても「自分は米議会で重要な仕事に関わっている」と熱心に売り込んでいました。米軍関係者との繋がりも、彼女の政治的関心に基づいた人脈作りの一環でした。しかし、事あるごとに、米軍の関係者と親しげに出歩く姿は日本人社会でも憶測を呼んでいたものです。

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『紙の爆弾』2026年10月号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
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