【緊急のお知らせ!】4月5日、『紙の爆弾』創刊20周年、『季節』創刊10周年の集い開催! 鹿砦社反転攻勢への橋頭堡に! 圧倒的なご賛同をお願い申し上げ、共に祝いましょう! 鹿砦社代表取締役社長 中川志大 同会長 松岡利康

『紙の爆弾』『季節』をはじめとする鹿砦社の出版活動を支持されるすべての皆様!

まずは、去る1月6日、1996年以来30年近くに渡り鹿砦社の裁判闘争を支えてくださった内藤隆弁護士が急逝されました。内藤先生は、大学院生リンチ事件関連訴訟をご担当いただいており係争中でした。さらに、一昨年(2023年)7月31日には、こちらも1995年以来30年近く、主に関西での裁判闘争を支えてくださった中道武美弁護士が亡くなられました。中道先生は、『紙の爆弾』創刊直後になされた、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧刑事事件の主任弁護人を務めていただきました。内藤先生には、この民事訴訟の代理人をも務めていただきました。鹿砦社の出版活動を背後から支えていただいたお二人の弁護士を亡くし、私たちは深い悲しみにあります。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。しかし、私たちは両先生のご遺志にお応えするためにも、いつまでも悲しみにふけってばかりもおれません。

さて、2005年に創刊された月刊『紙の爆弾』は、来る4月7日発売号にて創刊20周年を迎えんとしています。また、『紙の爆弾』の姉妹誌ともいうべき反原発情報誌『季節』(季刊)は、逸早く昨年8月5日発売号にて創刊10周年を迎えました。

かの『噂の眞相』休刊後しばらく、いわば“噂眞ロス”が続き、多方面からの強い要請で月刊『紙の爆弾』は創刊されました。創刊に至るまでに、取得が超困難といわれる雑誌コードを取得しなければなりませんでしたが、中川が足繁く取次会社に通い交渉を重ね、奇跡的にも取得できました。この面では『噂の眞相』休刊も吉に働いたようです。 

『噂の眞相』は創刊直後、「皇室ポルノ事件」によって廃刊の危機に瀕しましたが、これを乗り越え、さらには「名誉毀損」刑事事件(在宅起訴。のちに岡留氏に懲役8月、執行猶予2年。デスクに懲役6月、執行猶予2年の有罪判決)など幾多の傷を負いながらも持続し、休刊時には発行部数が10万部を超えるまでになったと聞きました。松岡が、編集長兼発行人だった岡留安則氏(故人)から生前直接聞いたりしたところによれば10年間は赤字だったとのことで、そうした幾多の修羅場を乗り越え発展・継続したそうです。(このあたりのことは松岡と岡留氏との対談集『闘論 スキャンダリズムの眞相』〔鹿砦社刊〕をご参照ください。残り僅か)

『紙の爆弾』も、創刊直後(2005年7月12日)、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧により松岡逮捕→192日間の長期勾留→有罪判決(懲役1年2月、執行猶予4年)、巨額賠償金(一審300万円→控訴審600万円に倍増し最高裁で確定)を食らい鹿砦社は、松岡勾留中に事務所も撤去、壊滅的打撃を受けました。同じ「名誉毀損」事件ですが、岡留氏が在宅起訴、松岡が逮捕―長期勾留(身柄拘束)と、量刑も含め鹿砦社事件がいかに重大だったかが判るでしょう。

メディア・出版界、あるいは周囲のほとんどは、鹿砦社がそのまま沈んでいくことを信じてやまない中、信用不安にもかかわらず、決して多くはない取引先やライターの皆様方がサポートされ、あるいは取次会社も取引を維持して、なんとか会社は継続し、事件から4年余り後、一気にヒット、そのままヒットが続き復活、本社の甲子園返り咲きが実現したのでした。この時の感激は忘れることができません。その後、勢いに乗じ反原発雑誌『NO NUKES voice』(現『季節』)も創刊(2014年8月)しました。

その後、弾圧10周年(2015年)、また鹿砦社創業50周年(2019年)と、東京と西宮(本社所在地)にてお集まりいただき、会社復活・継続を祝っていただきました。そうして『紙の爆弾』創刊20周年を左団扇(うちわ)で迎えることを、私たちも含め誰しもが信じてやみませんでした。

しかし、人の世は何が起きるかわかりません。2020年からの新型コロナ襲来にて、世の中がそうだったように鹿砦社を取り巻く情況が一変いたしました。これを甘く見ていました。当初は売上微減、借入も必要なく、しばらくは“備蓄米”もたっぷりあり余裕さえありました。

ところが、書店の休業が続き、想定外の返品も続き、売上が激減し、途端に“備蓄米”が毎月1千万円前後なくなり、あっというまに青色吐息状態になりました。当社の規模で数千万円の“備蓄米”は何が起きても大丈夫の証だったはずですが認識と見通しが甘かったです。

こうした中、読者、寄稿者の皆様はじめ、これまで『紙の爆弾』『季節』、鹿砦社の出版活動を支えてくださった方々がご支援してくださり、新型コロナ襲撃以来5年間をサポートいただきました。あらためてお礼申し上げます。

あっというまの20年でした。そうして迎える『紙の爆弾』創刊20周年──いろいろなことが去来し胸が熱くなります。あらためて想起すると、20年という年月の重さを感じます。

そういうことで私たちは、創刊20周年記念号が発売になる直前の、来る4月5日に皆様方にお集まりいただき、20年間生き抜いてきたことを祝い、閉塞状況からの反転攻勢の橋頭堡にしたいと考えました。松岡が生きている間には最後になるやもしれません(次の30周年に松岡はおそらく生きていないでしょう。現実問題、生きていてもボケたりして尋常な状態ではないと思います)。こうした意味で松岡にとっては最後の檜舞台のつもりです。20周年の集まりまでに、もうひと山を越え、立派に集いを成し遂げ、次の10年に向けた財政の一助にするために、ぜひご賛同いただき、できれば駆け付け叱咤激励していただければ、とお願いいたします。

私たち鹿砦社は必ず閉塞状況を突破し反転攻勢を勝ち取り、腐朽化し権力のポチと堕したメディアの中で存在感のあるリトルマガジンとして『紙の爆弾』、そして姉妹誌であり唯一の反原発雑誌『季節』(紙の爆弾増刊)の旗を守り抜き、鹿砦社の名の通り、タブーなき言論の砦として皆様方と共に在り続ける決意です。圧倒的なご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

冒頭に挙げた内藤、中道両先生にも良いご報告をさせてください。

*集いの具体的内容が決まりましたら、あらためてお知らせいたします。

左から『紙の爆弾』創刊号、松岡逮捕後に発行された05年9月号、弾圧や裁判の詳細な内容をまとめた『パチンコ業界の アブナい実態』
https://www.kaminobakudan.com/
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年2月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)

『紙の爆弾』創刊20周年の2025年、メディア総体が腐朽化する中で、『紙の爆弾』と鹿砦社の役割は重大! 皆様のご支援で年末危機突破! コロナによってもたらされた低迷を打破し再復活を勝ち取り、共に『紙の爆弾』創刊20周年を迎えましょう!  鹿砦社代表 松岡利康

定期購読・会員拡大、鹿砦社出版物の積極的購読で圧倒的なご支援を!
2025年年頭にあたって

皆様、新年明けましておめでとうございます。

2025年が始動しました! 本年は4月7日に本誌『紙の爆弾』が創刊20周年を迎えます。また、7月12日には、『紙の爆弾』創刊直後に検察権力によってなされた、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧からも20年となります。これらについて詳細は別の機会に譲るとして、ここでは触れません。

さらに本年は、1月17日に鹿砦社本社の在る兵庫県一帯を襲い小社も(わずかですが)被災した阪神淡路大震災から30年、ベトナム戦争終結50年、敗戦から80年を迎え、社会的、歴史的にも節目の年となります。

こうした中、出版・メディアをめぐる情況は、全部とは言わないまでも多くが権力のポチとなったり腐朽化していき真実が報じられなくなってきています。

わが『紙の爆弾』はミニメディアではありますが、弾圧に屈せず、一貫として愚直に<タブーなき言論>を信条として20年近くせっせせっせと一号一号発行を積み重ねてまいりました。

この間、「名誉毀損」弾圧事件で壊滅打撃を被りつつも、皆様方のご支援で奇跡の復活を遂げることができました。しかし、いいことは長く続かないのか、新型コロナという魔物によって再び地べたに叩きつけられました。

それでも読者の皆様方は見棄てずご支援を続け、青色吐息ながら命脈を保ってきています。

この20年近くの間に、『紙の爆弾』『季節』の定期購読・会員が総計で1千名余りとなりました。この皆様方が中心になって、定期購読・会員の更なる拡大、書籍・雑誌の積極的購読、あるいはまとめ買い(1万円以上)を行っていただくだけで、かなり資金繰りは楽になります。

一昨年(2023年)は一時はコロナ前の水準に回復しましたが、昨年(2024年)に入りドツボに嵌ってしまいました。油断や見通しの誤認などがあったことは否定しません。

毀誉褒貶はありますが、この30年間、鹿砦社の、いわば〝ビジネスモデル〟として芸能(スキャンダル)本を出し続けて、この利益で硬派の社会問題書や『紙の爆弾』『季節』の赤字を埋め、これらを出し続けてきました。『紙の爆弾』はようやく利益が出るようになりましたが、とはいってもこれで人ひとりの人件費が出るほどでもありません。ちょっと黒字といったところです。

しかし、私たちの出版社は芸能出版社ではなく、本丸の勝負所は社会問題書です。そうでないと単なる、どこにでもある柔な芸能出版社になってしまいますから。

ところが、この‟ビジネスモデル”が壊れたのは、コロナ禍を機に最近のことです。儲け頭となっていた芸能本が売れなくなりました。何としても他に‟鉱脈”を発掘しなければなりません。それは何処にあるのでしょうか? 皆様方のアイディアや企画、ご意見を募ります。

このかん、「身を切る改革」ではありませんが、いつのまにか肥大化していた会社の態勢もスリム化し、経費圧縮も最大限行いました。お引き受けいただいた社債は総額2千万円に達しました。コロナ前、鹿砦社創業50周年を機に私松岡は後進に道を譲るつもりでしたが、すぐに新型コロナ襲撃(まさに襲撃という表現が正しい)、これにより、これだけの社債、さらには会員や定期購読などでご支援いただく方々が多くおられ、現状がコロナ前の状態に正常化し、社債の償還が解決するまでは無責任に身を引くわけにはいかなくなりました。若手の後継者・中川志大と二人三脚で頑張ります! 中川には無垢の状態で引き継ぐことができなく申し訳なく忸怩たる想いですが……。

2019年の鹿砦社創業50周年を東京と地元西宮で多くの皆様方にお集まりいただき祝っていただいてから新型コロナ襲撃、そして以来この5年間は、正直大変でした。今もまだ大変な情況は続いています。それは私たちの業界・出版界でもそうで、店閉まいした書店さんも多いです。出版社も、一部を除き大変な情況です(特に中小零細出版社は)。

しかし、私(たち)は諦めません。もう一度復活したい、いや復活するぞとの決意で、年の瀬をやり繰りし新年を迎えました。私たちの出版社・鹿砦社、あるいは『紙の爆弾』『季節』には、社会的にもなすべき仕事がまだまだ多くあります。例えばジャニーズ問題、一昨年英国BBC放送が世界に向けて告発放映したことをきっかけに大きな社会問題になりましたが、この後、日本の大手メディアも追随しましたが、一体それまで何をやっていたのでしょうか。

私たちは大手メディアには無視されつつ「イエロージャーナリズム」と揶揄、蔑視されながらも1995年以来四半世紀余りも細々ながら告発本を出し続け、BBCにも事前に資料提供など協力し、これが実を結んだといえるでしょう。こういうこともありますので、あながち「イエロージャーナリズム」も馬鹿にできません。こういった意味では『紙の爆弾』も「イエロージャーナリズム」の権化といえるでしょうが、こういうメディアは他にありませんので、この意味だけでも存在価値があるでしょう。

また、私たちは以前から、「たとえ便所紙を使ってでも」発行を続けると言い続けてきました。「便所紙」とは、昔々、日本がまださほど裕福ではなく、良質なトイレットペーパーがなかった時代、尻拭き紙として安価な紙を使っていたものを揶揄した言葉です。今では死語かもしれませんが、私たちの決意を表す言葉として使ってきました。これは今でもなんら変わりはありません。

新年を迎え、苦難の中、本年一発目の『紙の爆弾』をお届けするにあたり私松岡の個人的な想いを書き連ねさせていただきました。厳しい経営環境は、決して恥ずべきことでもなく、これを明らかにし、この一年必死で頑張り、来年の年初にはもっと明るいご報告ができるように努めます。

具体的には『紙の爆弾』『季節』の定期購読を1千人→2千人へ倍増、会員も倍増を目指します。そうして、従来の方々に加え新規の定期購読、会員の方々が‟最大のスポンサー”として鹿砦社の出版物の積極的直接購読を促進し、会社の売上や資金繰りに貢献いただきたく強く希望いたします。

本年も旧に倍するご支援、叱咤激励をお願い申し上げます。

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

人生に夢や希望を持つ者は誇り高く生きてゆける(揮毫:龍一郎)
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https://www.kaminobakudan.com/
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年2月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号

能登地震から一年……。福島の事故からずっと 「おめでとう」が言えない正月が続いている 尾﨑美代子

能登半島地震から1月1日で1年、多くの報道番組が輪島や珠洲市から中継を行った。とくに珠洲市は過去に原発の建設を住民らが反対して中止に追い込んだ町。ここに原発があったならば、どうなっていたのだろう。

◆珠洲市制50周年記念冊子にも記されていない「珠洲原発」という「黒歴史」

私はその珠洲市を去年、5月に訪れた。石川県では、井戸弁護士が裁判長時代に運転差し止めの判決を下した志賀原発については知っていたが、正直、珠洲原発は名前を知っている程度だった。何度もいうが、もし珠洲原発があったならば、福島の原発事故以上の大惨事になっていただろう。

そんな思いから、珠洲原発建設を止めさせた闘いを知りたくて、地元で長く原発反対運動に関わってきた北野進さんを訪ねたのだった。北野さんのお話で驚いたのは、29年間原発建設反対運動で地元住民が二分され、結果、珠洲原発は建設凍結(解凍する術がないから実質中止)に追い込まれたにも拘わらず、建設を進める行政側が全く反省しようとしていなかったことだった。それは北野進さん著書「珠洲原発・阻止への歩み」の「はじめに」に書かれている以下の内容だ。

珠洲市の寺家と高谷に建設が予定されていた珠洲原発は、2003年12月5日、関西電力、中部電力、北陸電力の3社が市長に計画の凍結を伝えたことで幕を閉じた。計画の浮上から29年、それ以前の水面下の動きを含めると35年以上の長い闘いだった。
実はその翌年2004年、珠洲市は市制50周年を迎えた。そこで50周年を記念して「珠洲市勢要覧2004」という冊子が発行されたが、そのなかで珠洲原発についての記載が一切なかったというのだ。珠洲市にとって珠洲原発問題は、俗にいう「黒歴史」だったのだろうか。北野氏はこれに対して「長年にわたる原発誘致一辺倒の行政も許しがたいが、これは(歴史からの抹消)は市民に対する二重の意味での重大な背信行為である」と書いている。

◆失敗を反省しない日本

珠洲市だけではない。日本はいたるところで反省することがない。

鹿砦社の反原発誌「季節」の最新号で特集したが、日本の原発立地自治体で作る避難計画は、どこでも「絵に描いた餅」状態だ。何度地震おきても、いつまでたっても寒い体育館で段ボール敷いての避難生活を余儀なくされている。食料が足りない、水がでない。何よりトイレが足りない。トイレを我慢するために水分を採らず体調を悪くさせる。関連死が増える…何度も同じことを繰り返す。

イタリアでは、1980年、2700人以上が犠牲になったイリピニア地震の反省から災害対策を担う国の機関「市民保護局」が設立された。それにより「ベッド、トイレ、キッチン」が地震発災から24時間以内に設営される。日常的にプロをも含めたボランティアが訓練を受けている。2700人が犠牲になった地震を反省するイタリアに比べ、何万人が犠牲になろうが、何も反省していない日本という国。

同じ昨年7月に花蓮で大きな地震がおきた台湾も、過去の地震の反省から地震対策を充実させている。地震発災から1時間で市や自治体がグループを立ち上げ、情報収集を開始、2時間後にはテントが設置され、3時間後には被災者を受け入れ、4時間後には設備が整うという。「どの避難所でも安全、衛生的、プライバシー、食事の確保が出来ており、生活に困らないレベルが確保されている」という。

しかも、倒壊の危険性が高いと判断された建物は、3ケ月後には解体・撤去作業が終了し、現地で工事関係者の姿をみることはなくなるという。それに比べ、能登半島はどうだ? 昨日見た番組では、解体が進まず、そのままの建物が見えた。もう、1年だぞ。

台湾は地震対策だけではない。再審法もどんどん変えている。ある事件で無実の人を逮捕してしまったことがきっかけだ。その人を実況見分に連れていった際、その人が飛び降り自殺してしまった。その後、真犯人が逮捕された。無実の人を死に追いやったことを猛反省し、台湾ではその後再審法がどんどん変えられていった。

話を戻すと、日本はすべてが遅れているのは、失敗を反省しないからだ。しかもそれを謝罪することもない。言い訳ばかりだ。奥能登の復興が遅れているのは、奥能登は交通の便が悪く、建設機材や重機、そして作業員を送るのも大変だ……と。それこそ、重機と人材は夢洲から奥能登へもってけ!私は万博、カジノには断固反対だが、賛成の人も賛成の議員も、万博は1年延期で、重機と人材はすべて能登の復興へ回せくらい言えないのか?

福島の事故からずっとこっち、「おめでとう」が言えない正月が続いている。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号

COP28 原発をめぐる2つの動き 「原発3倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意〈3〉「気候変動」3つの概念 原田弘三(翻訳者)

◆気候変動対策の歴史的経緯

留意すべきことは、今回の合意が国連を中心に進められてきた「気候変動」対策の方向性に全く反するものではないということである。例えば国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2022年4月に発表した第6次評価報告書第3作業部会報告書には「原子力は、低炭素エネルギーを大規模に供給することができる」と原発を肯定的に評価している。今回の合意文書は、ある意味IPCC報告書の論調をなぞったものとも言える。

ここに至るまでの経緯を簡単に振り返ってみよう。大気中のCO2増加により気温が上がる、というCO2温暖化説自体はスウェーデンの化学者スヴァンテ・アレニウスらにより19世紀から唱えられていた。しかし当時は温暖化が危機であるという認識はなく、実際1970年代までは気温上昇も起きていなかったため温暖化は問題にならなかった。宮沢賢治などはCO2による温暖化が地球を救うという物語(『グスコーブドリの伝記』1932年)を書いていたほどである。

しかし1988年6月米上院でNASA(アメリカ航空宇宙局)の科学者ジェームズ・ハンセンが「99%の確率で気候変動が人為的に引き起こされている」と証言したのをきっかけに、CO2の人為排出が地球環境に危機を招いている、という説が急速に世界に広まり、各種機関により「対策」がとられるようになった。

それが、1988年11月のIPCC(国際連合気候変動に関する政府間パネル)発足、1992年の気候変動枠組条約締結、1995年の第1回気候変動枠組条約締約国会議(COP)開催、2015年のCOP21でのパリ協定締結へと続く。

◆「気候変動」3つの概念

「気候変動」を論ずる上では、①一般的な気候変動、②CO2温暖化説、③1988年のハンセン証言以後支配的となった「気候危機論」の3つを分けて考える必要がある。

①「一般的な気候変動」は、当然存在する。②「CO2温暖化説」についてはCO2の人為排出が気温上昇の原因か否かをめぐって科学上の議論が進行中である。問題は③である。この「気候危機論」の特徴は、気温上昇には作物生産が豊かになる、暖房が不要になるなどの良い影響が多大にあるにもかかわらず、もっぱら気温上昇の悪影響をクローズアップし、あたかも温暖化が人類滅亡の危機であるかのように論じていることである。

この点はCO2温暖化説の始祖スヴァンテ・アレニウスの見解と全く異なる。アレニウスは1906年の著書地球温暖化にはメリットが大きいと論じていた。

『宇宙の成立』(原著名“Worlds in the Making”)の中で「大気中の二酸化炭素の割合の増加の影響により、特に寒い地域に関しては、地球が現在よりもはるかに豊かな作物を生み出し、人類の急速な繁栄のために、より平等でより良い気候の時代を享受することが期待できる」と書き、地球温暖化にはメリットが大きいと論じていた。そうした温暖化に対する評価を180度転換したのが1988年のハンセン証言である。ハンセン証言を境に温暖化は「恵み」から「危機」へと変わり、CO2は退治すべき悪者と位置付けられたのである。(つづく)

◎原田弘三 COP28 原発をめぐる2つの動き 「原発3倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意
1〉「原発3倍化宣言」という暴挙
2〉「グローバル・ストックテイク」という文書に求められた役割
3〉「気候変動」3つの概念
4〉気候危機論」と原発の親和性

◎本稿は『季節』2024年夏秋合併号掲載(2024年8月5日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全4回の連載記事です。

▼原田弘三(はらだ こうぞう)
翻訳者。学生時代から環境問題に関心を持ち、環境・人権についての市民運動に参加し活動している。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号

COP28 原発をめぐる2つの動き 「原発3倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意〈2〉「グローバル・ストックテイク」という文書に求められた役割 原田弘三

◆「グローバル・ストックテイク」とは

成果文書での原発明記に触れる前に、「グローバル・ストックテイク」という文書の位置づけを簡単に解説しておこう。

パリ協定(2015年採択、2016年発効)では、産業革命後の地球平均気温の上昇幅を2℃を十分下回る水準で維持することを目標とし、さらに1.5℃に抑える努力をすべきとされている(2条1項[a])。

その後、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「1.5℃特別評価報告書」の公表(2018年)をきっかけとして、産業革命後1.5℃の地球平均気温上昇でも、現在よりもかなりの悪影響が予測されること、そして、1.5℃上昇と2℃上昇の場合では、生じる影響に相当程度の違いがあるとの認識が広まり、1.5℃目標実現を目指すべきだとする機運が高まった。

IPCC第6次評価報告書は、1.5℃目標を実現するためには、遅くとも2025年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を減少傾向に転じさせ、2030年までに2019年と比べて約4割の削減を達成し、さらに2050年までにCO2排出量のネットゼロを達成することが必要だとしている。

パリ協定では、長期目標の実現に向けて、世界全体の気候変動対策がどれくらい進んでいるのかを5年ごとに評価することになっている(14条)。これをグローバル・ストックテイクと呼ぶ(ストックテイクは棚卸しという意味)。

このグローバル・ストックテイクの成果を受けて、各国は次の期の排出削減目標を立てることになる。

パリ協定には第1回グローバル・ストックテイクを2023年に行うと書かれており、これが今回のCOPの最大の注目ポイントであった。パリ協定では、各国の中期目標の達成が義務とはされておらず、どれだけ高い目標を設定するかは各国の意思に委ねられている。このため、各国が次期目標(2035年目標)を設定する際に、各国のより高い削減目標を設定する意欲をかき立てる、とういのがこのグローバル・ストックテイクという文書に求められる役割である。

◆成果文書での原発明記

そうした経緯でCOP28の最終日に合意されたのが第1回グローバル・ストックテイクの成果文書であり、その中に以下の文言が盛り込まれた。

「28……締約国に対し、……以下の世界的な努力に貢献することを求める。
(e)特に、再生可能エネルギー、原子力、特に削減が困難な分野における炭素の回収・利用・貯留などの削減・除去技術、ならびに低炭素水素製造を含む、ゼロ排出及び低排出技術を加速すること。」

この成果文書における原発の記述は、先に見た「原発3倍化宣言」に増して重大な問題を孕んでいる。

なぜなら前者が全加盟国に比べれば少数の22か国による宣言であったのに対し、こちらは全加盟国の合意であり、COPが原発を気候危機対策の有効な手段として公式に認め、「気候変動対策のための原発推進」が世界的な合意となったことを意味するからである。(つづく)

◎原田弘三 COP28 原発をめぐる2つの動き 「原発3倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意
1〉「原発3倍化宣言」という暴挙
2〉「グローバル・ストックテイク」という文書に求められた役割

◎本稿は『季節』2024年夏秋合併号掲載(2024年8月5日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全4回の連載記事です。

▼原田弘三(はらだ こうぞう)
翻訳者。学生時代から環境問題に関心を持ち、環境・人権についての市民運動に参加し活動している。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号

COP28 原発をめぐる2つの動き 「原発3倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意〈1〉「原発3倍化宣言」という暴挙  原田弘三

2023年11月30日から12月13日までUAE(アラブ首長国連邦)ドバイで開催された第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)では、原発をめぐって2つの大きな動きがあった。

1つはアメリカが提案した「世界全体の原発の設備容量を2050年までに3倍に増やす」との宣言案に、日本を含む21か国が賛同したことである。

もう1つは、最終日の12月13日、参加国約200か国が「第1回グローバル・ストックテイクの成果文書」を採択し、その中でCOP史上初めて、CO2排出量を削減するための重要なアプローチの1つとして原発が明記されたことである。

◆「原発3倍化宣言」

「原発3倍化宣言」は、COP28のサイドイベントで米国が提案し、21か国が賛同した「2050年までに世界の原発設備容量を3倍にする」という宣言である。参加国は米国、ブルガリア、カナダ、チェコ、フィンランド、フランス、ガーナ、ハンガリー、日本、韓国、モルドバ、モンゴル、モロッコ、オランダ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、ウクライナ、UAE、英国である(当初、宣言国は上記22か国であったが、アルメニア、ジャマイカ、クロアチアが追加で参加し、3月1日現在25か国となっている)。

これらの国々のうち、提案国の米国、および西欧諸国は自国内では原発容量を増やす見込みは少ない。この宣言では原発設備容量を3倍にするための環境整備として、現在は原発関連プロジェクトを融資対象としていない世界銀行やその他の金融機関に対して、原発を融資対象とするよう働きかけるとしている。

原発はその本質的な危険性から、導入国の社会・経済が安定していることが求められる。そして財政基盤が弱い国での原発導入には、巨額の債務発生の危険が伴う。そこで、財務基盤の弱い国々への原発導入を図るために、世銀などが比較的低利で融資するよう圧力をかける、というのが今回の宣言の狙いと思われる。

つまりこの宣言は、宣言国のうちの原子力産業を擁する国々が自国の原子力産業を利するために、コスト高で危険な原発を財務基盤が弱く環境規制も緩い国々に売り込もうとしているのである。かつて盛んに行われた「公害輸出」の原発版を世界規模で押し進めようというのがこの宣言の本質であろう。

日本政府のこの宣言への賛同が許し難い暴挙であることは言うまでもない。(つづく)

◎本稿は『季節』2024年夏秋合併号掲載(2024年8月5日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全4回の連載記事です。

▼原田弘三(はらだ こうぞう)
翻訳者。学生時代から環境問題に関心を持ち、環境・人権についての市民運動に参加し活動している。

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12.8「とめよう! 原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」に約700人が結集 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会) 

◆「原発依存社会」に向かって暴走する政府と電力会社

原発は、現在科学技術で制御できる装置ではありません。原発は、冷却水を失えば暴走し、過酷事故に至ります。過酷事故の被害は甚大で、長期におよびます。人の命と生業を脅かします。

また、原発は、地震に脆弱で、大地震と過酷事故が重なれば、避難も屋内退避も困難を極めることを、能登半島地震が再認識させました。地震多発の日本に、原発はあってはなりません。

それでも、政府、電力会社は「原発依存社会」に向かって暴走しています。人の命と尊厳を蔑ろにした暴走です。

自公政権は、原発推進法(いわゆる「GX束ね法」)の実態化のために、「原発の最大限活用」を謳う第7次エネルギー基本計画の策定を進めています。既存原発の再稼働、40年超え運転をさらに進め、60年超え運転も拡大し、原発建て替え、新設も俎上に上らせようとしています。

一方、電力会社と政府は、加圧水型原発に続いて、沸騰水型原発・女川2号機(東北電力)、島根2号機(中国電力)まで再稼働させました(それぞれ、10月29日、12月7日)。

その中で、政府の尖兵・関西電力は、危険度急増の老朽原発への依存経営にのめり込んでいます。

老朽原発では、交換不可能な圧力容器の脆化が進み、点検や交換が難しい配管、送電ケーブルの損傷も進んでいます。老朽原発には、建設時には適切とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。

関電の稼働可能な原発7基の内の5基が、来年、40年超えの老朽原発となります。11月14日に運転開始後50年となった高浜1号機およびもうすぐ50年超えとなる高浜2号機、美浜3号機は、超老朽原発です。

いま、各地の原発では、危険極まりなく、行き場のない使用済み核燃料が溜り続けています。

発生直後の使用済み核燃料は、膨大な放射線と熱を発しますから、燃料プールで水冷保管しなければなりません。そのプールが満杯になれば原発を運転できなくなるため、電力会社や政府は、使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。出来た空間に、膨大な放射線と熱を発する新しい使用済み核燃料を入れたプールが崩壊すれば、大惨事に至ります。

電力会社は、使用済み核燃料の搬出先として再処理工場の稼働を願望していましたが、8月23日、日本原燃は27回目の再処理工場の完成延期を発表しました。乾式貯蔵に移した使用済み核燃料の行き場はありません。

ところで、先の衆院選での自公の大幅後退、立憲民主、国民民主、れいわの躍進を受けて、政治は、混沌化、流動化しています。

原発関係でも、自公政権が、原発推進政党を抱き込んで、「原発推進」に暴走する可能性は大です。とくに、労使協調の電力総連に依拠する国民民主は、自公政権との「部分連合」を通して、原発推進を先導すると危惧されます。

◆自然エネルギーに全面切り替えを!

このような状況の中で、今、世界は原発縮小、自然エネルギーへと向かっています。

自然エネルギーのみを利用すれば、燃料費はほぼゼロですから、コストは原発に比較して圧倒的に安いのは当然で、地球環境の保全にも有効です。大地震が発生しても過酷事故に至ることもありません。

そもそも、人類のエネルギーに対する欲望のために、原子核に閉じ込められた膨大なエネルギー(化学反応エネルギーの数百万倍)を解放しようとするから、原発過酷事故が起こり、危険極まりない使用済み核燃料が発生するのです。また、地球が数億年かけて地中に蓄えた化石燃料を100年程度で枯渇する勢いで使うから、炭酸ガスが増えるのです。

現在の焦眉の課題・気候問題は、太陽から現在届いているエネルギー(自然エネルギー)のみを利用し、化石燃料や核燃料に閉じ込められたエネルギーを解放しない社会の実現を求めています。

目に見え、耳に聞こえる市民の行動によって、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を展望しましょう!

◆12.8「とめよう!原発依存社会への暴走関電包囲大集会」の成果を、原発全廃の突破口に!

12月8日に開催された「とめよう!原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」(主催:老朽原発うごかすな!実行委員会)には、寒風にも拘わらず、関西、福井、首都圏、四国、愛知、青森など、全国から700人近いご参加をいただき、原発推進に暴走する石破政権や電力会社に「NO!」の熱い決意を突き付けることができました。(司会は京都ユニオンの服部恭子さん)

冒頭、主催者を代表して、中嶌哲演さんは、ゼニ金まみれで建設された若狭の原発」「農村部に危険を押し付け、後世代に負の遺産を残す原発の全廃を達成したドイツ」「いまや核のゴミ銀座へと変貌しつつある若狭」について述べ、原発運転の理不尽を訴えられました。

先の米原市長・平尾道雄さんは、戒厳令を止めた韓国の市民の行動に賛辞を呈し、能登半島地震が教えた「原発稼働の無謀」に触れ、「現場が動けば変えていける。被曝前提の利権にまみれた原子力行政を変えよう」と、力強く結ばれました。

老朽原発うごかすな!実行委員会を代表して木原壯林は、原発をめぐる政府と電力会社の動向・情勢を述べ、「目に見え耳に聞こえる大衆の運動を高揚させ、原発を全廃しよう!」と訴えました。

青森から駆けつけた中道雅史さんは、27回目の完成延期が発表された再処理工場、9月に柏崎刈羽から使用済み核燃料が運び込まれた「中間貯蔵地」について話し、石破首相の「原発維持は、核の潜在的抑止力」という発言を上げ、反戦反核の闘いは一体であることを強調しました。

井戸謙一弁護士は「2006年に金沢地裁で判決を出したとき、能登の活断層は分かっておらず、4m隆起するなど誰も想定していなかった。このように、地震学の進歩は心もとない」と述べ、地震多発地域・日本の原発の早期全廃を訴えられました。

敦賀市民の山本雅彦さんは、過去13年間全く発電せず、原子力規制委員会(規制委)が運転不認可を決定した敦賀原発2号機を抱える日本原電は、今も各電力会社の徴取した電気料金で生き延びている事実を告発し、欠陥工事、不祥事続きで、原
発を運転する資格がないと断じました。

原発に反対する5政党(社会民主党、新社会党、日本共産党、緑の党グリーンズジャパン、れいわ新撰組)からは、各3分の「地震に脆弱な原発の全廃、自然エネルギーへの移行」を目指すアピールを頂きました。

名古屋地裁で老朽原発運転延長許認可の取り消しを求める裁判(来年3月14日判決予定)を闘う老朽原発40年廃炉訴訟市民の会の草地妙子さんは、規制委審査のいい加減さを明らかにしました。

原発賠償京都訴訟原告団の川崎安弥子さんは、国と東電の加害責任を明らかにし、避難の権利を認めさせ、損害賠償を求める控訴審(大阪高裁、12月18日判決予定)の論点を簡潔に紹介されました。3労働団体(平和フォーラム関西ブロック、全労連近畿ブロック、大阪ユニオンネットワーク)からは、労働組合の力で「原発依存社会」に向かって暴走する政府と電力会社に「NO」を突き付ける決意が述べられました。

最後に、老朽原発うごかすな!実行委員会の山下一美さんが「集会アピール」(下記参照)を高々と読み上げ、満場の拍手で採択されました。

なお、本集会には、全国で、反原発、反核燃料施設を闘う24の団体からメッセージが寄せられ、プログラムとともに冊子として配布されました。

集会後、参加者は西梅田公園から大阪駅までの約1時間のデモ行進に移りました。途中、手を振り、声をかけて下さる市民や飛び入りのご参加もあり、大いに励まされました。

本集会の詳細は、STOP原子力★関電包囲行動のたぬき御膳さんがYouTubeにUP下さっています。是非ご覧ください。

◎[参考動画][ツイキャス] とめよう原発依存社会への暴走 関電包囲大集会 / たぬき御膳のたぬキャス(2024.12.08)

12.8「とめよう!原発依存社会への暴走 関電包囲大集会」にご支援、ご参加
頂きました皆さん、ありがとうございました。

2024年12月11日 
老朽原発うごかすな!実行委員会

◆集会アピール

原発は、地震や津波などの自然災害に脆弱で、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後13年半を経た東電福島第一原発事故および本年元日の能登半島地震が、大きな犠牲の上に教えています。原発が、過酷事故を起こせば、人の生業(なりわい)を奪い、避難の苦汁を強い、関連死する方も多数におよびます。

巨大地震の発生が危惧される今、原発の早急な全廃が求められます。それでも、自公政権は、数を頼んで成立させた原発推進法(いわゆる「GX束ね法」)の実態化のために、「原発の最大限活用」を謳う第7次エネルギー基本計画の策定を進めています。

一方、原発依存経営にのめり込む電力会社は、加圧水型原発だけでなく、沸騰水型原発である女川2号機を10月29日に、島根2号機を昨・12月7日に再稼働させました。

人の命と尊厳を蔑ろ(ないがしろ)にした「原発依存社会」への暴走です。

とくに、関電では、来年、稼働可能な原発7基の内の5基が運転開始後40年を超える老朽原発となります。すでに50年を迎えた高浜1号機およびもうすぐ50年超えの高浜2号機、美浜3号機は超老朽原発です。

老朽原発では、圧力容器が脆化し、配管や送電ケーブルの損傷も進んでいます。危険度急増の老朽原発の即時廃炉を求めましょう。

ところで、原発を運転すれば使用済み核燃料が発生します。その使用済み核燃料を保管するプールが満杯になれば原発を運転できなくなるため、電力会社や政府は、放射線量と発熱量が減少した使用済み核燃料を乾式貯蔵に移して、プールに空きを作ることに躍起です。しかし、使用済み核燃料の行き場として、原発推進勢力が稼働を願望していた青森県の再処理工場の完成は、8月23日、27回目の延期となり、使用済み核燃料は行き場を失いました。

今、世界は原発縮小、自然エネルギーへと向かっています。自然エネルギーは、燃料費がほぼゼロですから、コストが安いのは当然で、地球環境の保全にも有効です。国際情勢の影響を受け難い自前のエネルギーです。過酷事故に至ることもありません。

「目に見え、耳に聞こえる市民の行動」の高揚によって、人類の手におえず、行き場のない使用済み燃料を発生させる原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立ち、人や環境が大切にされる社会を構築しましょう!

2024年12月8日
「とめよう!原発依存社会への暴走関電包囲大集会」
参加者一同

▼木原壯林(きはら・そうりん)
老朽原発うごかすな! 実行委員会。1967年京都大学理学部化学科卒。理学博士。専門は分析化学、電気化学、溶液化学。熊本大学、京都工芸繊維大学名誉教授等を歴任。京都悠悠化学研究所主宰。

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号) 紙の爆弾 2025年1月号増刊 A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)  定価770円(税込み) 2024年12月11日発売

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12月14日(土)金沢市で能登半島地震から1年の節目として「今こそさよなら!志賀原発 市民集会」を原告団など6団体で開催します! 北野 進

能登半島地震から1年の節目として「今こそさよなら!志賀原発 市民集会」を原告団など6団体で開催します。

日時 12月14日(土)13:30~ 
会場 金沢市ものづくり会館

志賀原発は13年間停止中でかろうじて最悪の事態を免れましたが、いまでも外部電源は2回線ダウンです。それでも北電は安全確保に全く問題はなかったと開き直り、再稼働に向かって突き進んでいます。

石川県は地震災害だけでも対応できなかったのに、あろうことか「震度7に原発事故が重なっても無事避難できます」という原子力防災訓練を11月24日に実施しました。

全国を見れば女川2号に続き島根2号も12月に再稼働されようとしていますが、能登半島地震を教訓に再稼働阻止を!という声は確実に広がっています。

北電や県に対して怒りの声をあげ、全国のたたかいと連帯し、さらに来年に向かって「まだまだやれることあるぞ」という意見交流の場にもしたいと思います。
多くの皆さまの参加をお待ちしています。

 

▼北野 進(きたの・すすむ)
1959年生まれ。石川県議を三期、珠洲市議を二期務め、現在は「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団の団長を務める。

12月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号 

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)
紙の爆弾 2025年1月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ) 
定価770円(税込み) 2024年12月11日発売

[グラビア]輪島市門前町深見地区。5.2メートルもの隆起が確認できた(2024年9月8日 写真提供=北野進)

[グラビア]能登半島震災一年 隆起に沈む人と国(北野進)/復興進まず“棄民”の地(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
[報告]2025年の脱原発 非力ではあるが、無力ではない

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]核融合発電はできないし、やってもいけない
[講演]伊方原発を止める裁判闘争の歴史的・社会的意義

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]福島第一原発事故炉 危機の真実 ペデスタル破損と溶融デブリの下で事故収束は可能か

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]第七次エネルギー基本計画の何が問題か

────────────────────────────────────
《特集》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
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北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長)
[講演]能登半島地震が実証した避難計画の破綻

石地 優(福井県若桜町・有機農業)
[報告]能登半島地震で何が起きていたのか 原発事故になれば避難はできません

阿部功志(茨城県東海村議会議員)
[報告]問題だらけの東海村避難計画 どうすれば「避難弱者」を救えるか

菅野みずえ(福島県浪江町・原発事故避難者)
[報告]福島の避難所で起きていた性被害 避難計画には女性の意見を!

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発賠償関西訴訟・法廷で語られる真実 本人尋問が伝える「被害」と「避難」の実相
 
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北村敏泰(ジャーナリスト)
[報告]脅かされる被災住民のいのちと生活 能登半島地震でも国や行政の“棄民”政策

和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
[講演]福島イノベーションコースト構想の真実〈後編〉「日本のハンフォード」になる福島

柳原敏夫(弁護士)
[報告]いま法律が危ない

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈2〉

漆原牧久(脱被ばく実現ネットボランティア)
[報告]考えないようにすることで精神の安定を保っています  
3・11子ども甲状腺がん裁判第11回口頭弁論期日報告

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
[報告]国家がせり出してくる時代 ── 希望は何処にあるか

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]三島由紀夫生誕100年 死後54年に想う!

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈25〉 絶望の時代《今》を生きる意味(上)

大今 歩(高校講師/農業)
[報告]「人為的CO2温暖化説」を止めない限り、原発は止まらない

再稼働阻止全国ネットワーク
核ゴミの行き場はない! 福島は終わっていない! 
沸騰水型原発の再稼動反対! 東電に原発動かす資格なし!

全国各地からの生の報告(全10本)
《青森》山田清彦(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団)
 六ヶ所再処理工場とむつ中間貯蔵施設の実態
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 再稼働反対11・2集会宣言(抗議声明)案(抜粋)
《福島》木幡ますみ(大熊町議)
 大熊町民の本音
《柏崎刈羽原発》桑原三恵(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会)
 ”安全”ではありえない柏崎刈羽原発の再稼動
《日本原電》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 原発を動かす資格のない原電は廃炉作業に専念するよう求めます
《高浜原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「9・23高浜全国集会」の報告と「12・8関電包囲大集会」の案内
《敦賀原発》山本雅彦(原発住民運動福井・嶺南センター事務局長)
 日本原電敦賀原発2号機の廃炉を要求する
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 活断層に囲まれた島根原発2号機の再稼働は中止すべきだ!
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
 伊方原発3号機の即時廃炉を!!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 大地震の脅威を無視し原子力災害対策指針改訂でお茶を濁す原子力規制委員会

[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

僕が放射性廃棄物の地層処分に反対する理由〈7〉最終回 使用済み核燃料棒は、地上で1000年保管する 平宮康広(元技術者)

◆2.4. 代替案

自民党富山県連が、富山県内での高レベル放射性廃棄物=ガラス固化体とTRU廃棄物の地層処分に反対する姿勢を見せてくれた後、僕はNUMOや経産省の職員に、「経産省資源エネルギー庁とNUMOは、無知と無能を組織化した反知性的集団である、高校生をアルバイトで雇い、サクラに仕立てて説明会を盛り上げる反社会的集団でもある」などというようになりました。

怒ったNUMOのある職員に、「あなたは無責任だ、我々の代が出した核のゴミは、我々の代に処分しなければならない、子孫にツケを回すことなどできない」などといわれ、経産省のある女性職員に、「そんなに私たちをバカにするのなら、賢いあなたが代替案を出してください」といわれたことがあります。

しかし、我々の代が出した核のゴミを我々の代に処分するなどというのは、思い上がりです。我々の代に、核のゴミ処分などできるはずがません。我々の代ができることは、ただちにすべての原発を停止し、これ以上核のゴミを出さないようにすることだけです。

それでも、キングギドラのような形相をした、経産省の怖い女性職員に、地層処分の代替案を出せと強いられました(ひょっとして、自民党富山県連が、僕以上に、無知だの無能だのといって罵ったのかもしれません)。

僕の代替案は、使用済み核燃料棒の1000年保管です。保管する場所は地上です。NUMOでさえ、使用済み核燃料の放射能は1000年後に100分の1になるといっています。地上で使用済み核燃料棒を1000年保管し、その後地層処分すればよい、これが僕の代替案です。

我々は、ふつう、科学者の発見の下で技術者が新しい発明をする、と考えます。しかし、技術者が新しい発明をした後、科学者がその発明の「科学」を事後説明する場合があります。そして、我々は、既存の科学の「壁」を打破して新しい発明をする人間存在を、「天才」と呼んでいるように思います。1000年間のどこかで、「天才」が放射能の半減期を人為的に短縮する方法を発明するかもしれません。

使用済み核燃料棒を地上で1000年保管し、処分を未来の天才に委ねることは、まちがいではないと考えます。仮に天才が登場しなくても、使用済み核燃料棒の放射能は1000年後に100分の1になるのはあきらかです。僕のような凡才にも対処できるでしょう(まあ、僕なら「もう1000年地上で保管しましょう」といいますけど!)。

使用済み核燃料棒の地上での1000年保管に技術上の困難はありません。コンクリートの耐用年数は100年しかないといい、それを根拠にして、地上での使用済み核燃料棒の1000年保管は困難である、という人がいます。ならば石材を使えばよい。世界には、1000年以上存在する石造物(石材建造物)が多数あります。イスタンブール市のソフィア大聖堂は約1500年前に建造された石造物で、西暦557年の大震災にも耐えました。しかも、エジプトのピラミッドとちがい、建造時の記録、建造後の記録がしっかり残っています。

ヴェネツィア市のサン・マルコ大聖堂や、アルセレナーレ(工房)も1000年以上前に建造された石造物です。アルセレナーレでは、2万5000名の労働者が働いていた、といわれてもいます。中世の技術から知見を得て、地上で使用済み核燃料棒を1000年保管することは可能です。

インドのパッタダカル寺院群やアイホーレ寺院群、エローラ石窟群やアジャンター石窟群も1000年以上前に建造された石造物と石窟の遺跡です。とりわけ石窟が参考になりそうです。小笠原諸島の父島列島にある婿島と弟島は無人島で、巨大な岩石ですが、エローラ石窟群やアジャンター石窟群から知見を得て石窟を掘ることは可能でしょう。

◆2.5. おわりに

放射性物質の崩壊熱は、時間に比例して小さくなります。原発敷地内で100~150年以上冷却すれば、使用済み核燃料の表面温度は気温と同程度になると考えられ、コンパクトなキャニスタ入れて、石窟での保管が可能になると思います。
廃炉を断念すれば、使用済み核燃料棒を原発敷地内で冷却することができ、中間貯蔵施設が不要になりますね。僕は、原発の廃炉=解体処分に大反対で、反対する理由を本誌に何度か寄稿しました。機会があれば、また寄稿したいと思います。

最後に、国会議員のみなさんに、お願いがひとつあります。最終処分法を改定していただきたい。最終処分法の改定作業は簡単です。「地下300m以深」という部分を、「地下300m以深の花崗岩層」と書き直すだけです。それだけで、原子力カルト教団と経産省資源エネルギー庁、NUMOの暴走に歯止めをかけることができます。

(僕は、文系の学者さんたちは、とりわけ法的側面で運動に貢献していただきたいと思っています。先日、長谷川公一さんという東北大学名誉教授の講演をビデオで視聴して、文系の学者さんたちを含む多数の学者さんたちの地層処分に対する日本学術会議の提言を知ったのですが、残念なことに、最終処分法への言及がなかったですね)

文系の学者さんたちには、TRU廃棄物や解体した原発=廃炉の炉心等金属類や制御棒の地下70m以深の処分(中深度処分)にも何らかの法的歯止めをかける努力もしていただきたいと思います。無知で無能で、そのくせ傲慢で卑怯者の原子力カルト教団、そして日本原電および経産省資源エネルギー庁とNUMOは、地下70m以深は泥岩層であると考えているでしょう。しかし、日本の礫層の深さはたいがい地下100m以深で、150m以深の場合がおそらく多い。地下70m以深が泥岩層であるとの保障はまったくありません。(おわり)

◎平宮康広 僕が放射性廃棄物の地層処分に反対する理由(全7回連載)
〈1〉日本原燃が再処理工場を新設する可能性
〈2〉ガラス固化体の発熱量は無視できても、地温は無視できない
〈3〉NUMOがいう地下300m以深の「岩盤」は、本当に「天然のバリア」なのか
〈4〉ガラス固化体以外の廃棄物が低レベル放射性廃棄物であるとの考えは、乱暴すぎる
〈5〉地震や豪雨・豪雪で地下水系は大きく変わる
〈6〉寿都町も神恵内村も玄海町も、その岩盤層は地層処分に適さない
〈7〉使用済み核燃料棒は、地上で1000年保管する

▼平宮康広(ひらみや・やすひろ)
1955年生まれ。元技術者。オールドウェーブの一員として原発反対運動に参加している。富山県在住。

 

『季節』2024年冬号 次の10年に向かって ── 季節編集委員会

本誌『季節』は前号で創刊から10周年を迎えました。10年前、世の中の機運が反(脱)原発に溢れ、会社の景気も良く、意気揚々と出発しましたが、新型コロナ急襲にて局面が変わりました。世の人々はコロナで狂わされた日々の生活に追われるあまり、反(脱)原発の機運も盛り上がらなくなりました。世の人々も私たちも、10年の半分の5年ほどはコロナ禍による業績不振に苦しんできました。

これを支えてくださったのは、福島現地の方々、避難され不自由な生活をされている方々、毎号現地からの活きたレポートを寄せてくださる方々らでした。さらには定期購読やご支援金で支えてくださる読者の皆様方にも助けられました。

半分(以上)は私たちみずからの力不足ではありますが、本誌は創刊以来一度も黒字になってはいません。常識的な経済原理からすると休廃刊もやむをえないところでしょうが、類似の雑誌もなく、小さくとも反(脱)原発の拠点として被災者、被災現地の生の声を伝えるメディアとして生き延び発行を継続していければ、と願っています。

今年も年末が近づいてまいりました。毎年思うのですが、被災地の方々、故郷から離れることを余儀なくされた方々らは、どのような想いで過ごされているのでしょうか。胸が詰まります。

そうしたこともあって、本誌でも毎号気持ちの入った書を巻頭に揮毫している、大学の後輩で書家の龍一郎と話し合い、わずかでも被災された方々と励まし合い、また一人でも世の方々にその想いを伝えようとして始めたのが鹿砦社カレンダーです。

それ相当の費用が掛かっていますが、私たちの想いが詰まったカレンダーですから無料で配布しています。数に限りはありますが、主に本誌の定期購読者を中心にお配りしています。今年も出来上がってまいりました。定期購読の方には同封しております。今、新たに定期購読をお申し込みされた方にも送ります。なくなればそこでストップとなります。毎年ほとんど余りません。

今夏は歴史的な猛暑でした。師走を迎え季節は冬に入っていきます。この冬の寒さはいかばかりでしょうか。寒さがいかに厳しいとしても、なんとしても乗り越え共に春を迎えましょう!

本誌『季節』は次の10年に向かって歩き始めました。この世から原発がなくなる日まで共に頑張りましょう!

2024年12月 季節編集委員会

12月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号 

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)
紙の爆弾 2025年1月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ) 
定価770円(税込み) 2024年12月11日発売

[グラビア]輪島市門前町深見地区。5.2メートルもの隆起が確認できた(2024年9月8日 写真提供=北野進)

[グラビア]能登半島震災一年 隆起に沈む人と国(北野進)/復興進まず“棄民”の地(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
[報告]2025年の脱原発 非力ではあるが、無力ではない

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]核融合発電はできないし、やってもいけない
[講演]伊方原発を止める裁判闘争の歴史的・社会的意義

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]福島第一原発事故炉 危機の真実 ペデスタル破損と溶融デブリの下で事故収束は可能か

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]第七次エネルギー基本計画の何が問題か

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《特集》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
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北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長)
[講演]能登半島地震が実証した避難計画の破綻

石地 優(福井県若桜町・有機農業)
[報告]能登半島地震で何が起きていたのか 原発事故になれば避難はできません

阿部功志(茨城県東海村議会議員)
[報告]問題だらけの東海村避難計画 どうすれば「避難弱者」を救えるか

菅野みずえ(福島県浪江町・原発事故避難者)
[報告]福島の避難所で起きていた性被害 避難計画には女性の意見を!

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発賠償関西訴訟・法廷で語られる真実 本人尋問が伝える「被害」と「避難」の実相
 
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北村敏泰(ジャーナリスト)
[報告]脅かされる被災住民のいのちと生活 能登半島地震でも国や行政の“棄民”政策

和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
[講演]福島イノベーションコースト構想の真実〈後編〉「日本のハンフォード」になる福島

柳原敏夫(弁護士)
[報告]いま法律が危ない

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈2〉

漆原牧久(脱被ばく実現ネットボランティア)
[報告]考えないようにすることで精神の安定を保っています  
3・11子ども甲状腺がん裁判第11回口頭弁論期日報告

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
[報告]国家がせり出してくる時代 ── 希望は何処にあるか

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]三島由紀夫生誕100年 死後54年に想う!

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈25〉 絶望の時代《今》を生きる意味(上)

大今 歩(高校講師/農業)
[報告]「人為的CO2温暖化説」を止めない限り、原発は止まらない

再稼働阻止全国ネットワーク
核ゴミの行き場はない! 福島は終わっていない! 
沸騰水型原発の再稼動反対! 東電に原発動かす資格なし!

全国各地からの生の報告(全10本)
《青森》山田清彦(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団)
 六ヶ所再処理工場とむつ中間貯蔵施設の実態
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 再稼働反対11・2集会宣言(抗議声明)案(抜粋)
《福島》木幡ますみ(大熊町議)
 大熊町民の本音
《柏崎刈羽原発》桑原三恵(規制庁・規制委員会を監視する新潟の会)
 ”安全”ではありえない柏崎刈羽原発の再稼動
《日本原電》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 原発を動かす資格のない原電は廃炉作業に専念するよう求めます
《高浜原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「9・23高浜全国集会」の報告と「12・8関電包囲大集会」の案内
《敦賀原発》山本雅彦(原発住民運動福井・嶺南センター事務局長)
 日本原電敦賀原発2号機の廃炉を要求する
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 活断層に囲まれた島根原発2号機の再稼働は中止すべきだ!
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
 伊方原発3号機の即時廃炉を!!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 大地震の脅威を無視し原子力災害対策指針改訂でお茶を濁す原子力規制委員会

[反原発川柳]乱鬼龍

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