『季節』2026年秋号巻頭言 第二次熊本地震、千葉大水害が教える原発の危険性に気づき、さらに反(脱)原発の声を高らかに挙げよう!

季節編集委員会

かくもこの世には人間に止めることのできない自然災害が多いのか──。

この夏、私たちを震撼させたのは、まず十年の時を越えて再び襲った第二次熊本地震、そしてこの後に起きた千葉大水害でした。

まずは、亡くなられた皆様にお悔やみ申し上げ、また被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

一見原発とは関係ないように思えますが、よくよく考えると、これらが原発関連施設のある地域で起きたら、もっと大変な事態になっていたでしょう。熊本地震でのイオンや製紙工場での出来事が原発立地地域で起き、さらに原発関連施設で起きていたら、福島で起きたことが再来したでしょう。あまり大きく報じられていませんが、千葉水害でも、放射性物質が流出したとのこと、この影響はないのでしょうか。

実は被災地・熊本は筆者の故郷です。十年前、そして今回と、知人、友人、縁者らの安否確認に追われました。それでも、いささか不謹慎な物言いでしょうが、原発がなかったことによる、正直どこか「安心感」がありました。これが、原発関連施設がある地域だったらどうでしょうか? 二度も大地震が襲った熊本に原発がなかっただけでも不幸中の幸いでした。有明海や不知火海に原発がなかっただけでも後片付けや復旧作業に専念できます。福島の場合、放射能への防御服を着ないと作業はできませんでした。この猛暑のさなか、それがどれほどの後片付けや復旧作業にとって「重荷」になるかは言うまでもありません。

日本は、ひと際自然災害が多い国です。自然の猛威は、ある日突然やってきます。人間に、これを予想し、抗う力はありません。予想でき抗う力があったなら、犠牲者は出なかったはずです。

であるならば、単純な話です、原発再稼働、特に老朽原発の再稼働を断固阻止し、即時廃炉へ向かうべきです。新規原発建設など論外です。

お陰様で本誌は創刊12年を迎えました。毎号発行に伴う財政的やり繰りは大変です。しかし、本誌が持つ〈大義〉はあるはずです。唯一の反(脱)原発情報誌であり、反(脱)原発に微力ながら声を挙げ続ける本誌の発行継続に皆様の力をお貸しください。

2026年猛暑、悲嘆に暮れながら──

季節編集委員会

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉情報誌
季節2026年秋号
『NO NUKES voice』改題 通巻47号
紙の爆弾2026年10月増刊
2026年9月11日発行
A5判 132頁 定価880円(税込み)

《グラビア》原発マフィアに抗うアジアの人々
佐藤大介=ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 AIと原発

《特集》ファシズムと原発は一体で進む

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 改めて『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』

《報告》七沢 潔(ジャーナリスト)
 原発とサッカーと「苔の一念」 珠洲原発の歴史に学ぶ 

《講演》井戸謙一(弁護士)
 浜岡原発不正問題と原発訴訟

《対談》樋口英明(元福井地裁裁判長)×井戸謙一(元金沢地裁裁判長)
 原発を止めた二人の裁判長が語る 人生・司法・原発訴訟[前編]

《講演》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
 「子ども脱被ばく裁判」の10年
 子どもたちを被ばくから守るために

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 「原発は滅び行く恐竜である」
 熊本地震と浜岡耐震データ偽装からみた原子力産業の現状

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 反省なき原子力拡大路線の構造分析
「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を批判する

《報告》佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局)
 アジアの原発と民衆の闘い
 韓国・台湾・インド・フィリピン


《報告》木村英昭(ジャーナリスト)
[新連載]原発タイムライン〈1〉
 欧州で原発活用の動きが鮮明に

《報告》高野 聡(原子力資料情報室研究員)
 南鳥島での地層処分に潜む問題と植民地主義

《報告》小坂勝弥(核のごみキャンペーン関西)
 「核のごみ」処分地選定のその前に

《報告》山崎隆敏(元越前市議)
 使用済み核燃料をめぐる矛盾と桎梏

《報告》中野(弁護士)
 シン・安全神話
 原発再稼働のために裁判所が生み出した三種の神器

《報告》福島敦子(大飯原発差止京都訴訟原告・世話人)
 3・11 私の15年
 奪われた故郷と、子どもの未来を守り抜く連帯の記録

《インタビュー》河野康弘(ジャズピアニスト)
 3・11 私の15年
 原発はすぐに中止できます!!

《対談》二木啓孝(元日刊ゲンダイ編集長)×板坂 剛(作家/舞踊家)
 大衆心理の不確かな実態[前編]

《報告》原田弘三(翻訳者)
「脱炭素伝道師」江守正多氏の低劣な原発擁護論

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
「全国交流会」で再稼働阻止の議論
《全国交流会》青山晴江(再稼働阻止全国ネットワーク)
《北海道》佐藤英行(岩内原発問題研究会)
《福島》黒田節子(チェルノブイリ法日本版をつくる郡山の会)
《福島》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
《東海第二》披田信一郎(東海第二の再稼働を止める会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》鳥原良子(川内原発建設反対連絡協議会会長)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
《本の発掘⑤》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

《反原発川柳》乱鬼龍

amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0HBWF57W7/

『季節』2026年秋号をお届けするにあたって ―― 総力で本誌『季節』発行を継続し、一貫して続く政府による棄民政策、東電の開き直り、なしくずし的に忘れ去られている福島の現状に抗って行きましょう! 

『季節』編集長 小島卓
株式会社鹿砦社代表取締役 松岡利康

わが国唯一の反(脱)原発情報誌『季節』を支持・支援されるすべての皆様! いつも『季節』に特段のご協力、ご支援、有り難うございます。

本誌『季節』2026秋号をお届けいたします。今号も、多くの方々にご寄稿、ご協力を賜り無事発行できました。有り難うございました。

◆12年前の本誌創刊当時の暑い夏を思い出す

本誌今号は、創刊から12年になります。『紙の爆弾』が21年ですから、まだまだですが、思い返せば、まだ福島原発事故の衝撃の余韻が残り国会や官邸前などでも多くの人々が抗議の声を挙げていた2014年8月、本誌(当時の誌名『NO NUKES voice』)は産声を挙げました。以来、12年発行を継続してまいりました。創刊時の編集長は松岡、発行人を兼任していました。当初編集長を予定していた人物は直前で意見の対立が生じ降りました。「もうアカンかな」と思っていた矢先、創刊を相談していた「たんぽぽ舎」共同代表の柳田真さんから突然松岡に電話があり「こういう雑誌はないので、協力するからぜひやって欲しい」ということで創刊に至りました。当時は資金的にも余裕があり、他に類似の雑誌はないので1年以内に黒字になるだろうという甘い見通しでした(80年代、小島が神戸時代から知っている松岡の人生、いつも見通しが甘いものでした)。国会や官邸前から人が去り、また政府や東電も棄民政策を採り、年々、福島の現状は忘れ去られていきました。

これまで続けて来れたのは、松岡の福島原発事故に対する怒り、近い将来同種の事故が起きることへの危機感がありました。そして、松岡のこの想いを理解してくれ創刊1年後から編集長を務めてくれている小島卓、また創刊号より寄稿されている小出裕章さん(創刊号には小出さんのほか今中哲二さん、神田香織さんらの名があります)はじめ寄稿者の皆様方、読者、会員、社債引受者の皆様方らのご支援、サポートによることは言うまでもありません。

◆本誌に関わってくださる小出裕章さんらの熱い心をわがものとし、本誌の貴重な存在意義を忘れずに、更に拡販して行きましょう!

本誌は、小出裕章さんのように創刊号から関わってくださっている方はますます筆致が鋭くなり、号を重ねるごとに新たな書き手も増え、内容も充実してきており、わが国唯一の反(脱)原発雑誌として在り続けています。手前味噌ながら貴重な存在だと自負します。

本誌は、12年前に松岡の発意で創刊しましたが、特段強い決意があったわけでもなく、他分野でヒットが続き資金的にも余裕があり、原発事故への怒りと共に、原発問題に多くの人が関心を持つのに定期刊行物がないのはおかしいではないかという素朴な発想からで、上記したように、1年以内に黒字化し、ゆくゆくは隔月刊にしたいとさえ甘く見通していました。

以来12年、1年以内に黒字化など夢のまた夢で、ずっと赤字でした。それでも他分野で稼げれば、この利益を注ぎ込めるわけですが、これを壊したのは新型コロナでした。出版業界でも、多くの書店が閉店し、本社の近くのショッピングモールに在ったA書店は、かつてライバルだったK書店に看板替えしました。

では、ネット書店や電子書籍はどうか? これらもコロナ前と変わりはなく苦戦しています。営業的に、もっとやり方はあるのかもしれませんが……。

それでも、愚直に続けていれば、多くの助け舟が現われ、想定外の幸運もあるものですが、こうした厚意や幸運を活かし切れていないのも大いなる反省点です。

また、寄稿される皆様方、本誌を支持・支援される皆様方にも拡販をお願いする次第です。隠れた読者は絶対にいるはずです。ぜひぜひ、友人、知人などへの拡販をよろしくお願い申し上げます。

発行している期間が『紙の爆弾』より短いですが、『季節』の定期購読は『紙の爆弾』の3分の1にも及びません。何としても『紙の爆弾』ぐらいには拡販したいものです。よくありますが、グループや組織内での回し読みは絶対にやめていただき、1人=1冊、身銭をきって購読することが基本です。この点、よろしくご理解お願いいたします。今すぐ書店に走ろう! あるいはパソコンに向かいネット書店に注文しよう! 
 
今夏は熊本地震、千葉、北陸、そしてつい最近は名古屋などでの洪水といった大きな自然災害に襲われました。末筆になりますが、被害に遭われた皆様には衷心よりお見舞い申し上げます。

残暑厳しき折り、くれぐれもご自愛ください。

2026年9月11日

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉情報誌
季節2026年秋号
『NO NUKES voice』改題 通巻47号
紙の爆弾2026年10月増刊
2026年9月11日発行
A5判 132頁 定価880円(税込み)

《グラビア》原発マフィアに抗うアジアの人々
佐藤大介=ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 AIと原発

《特集》ファシズムと原発は一体で進む

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 改めて『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』

《報告》七沢 潔(ジャーナリスト)
 原発とサッカーと「苔の一念」 珠洲原発の歴史に学ぶ 

《講演》井戸謙一(弁護士)
 浜岡原発不正問題と原発訴訟

《対談》樋口英明(元福井地裁裁判長)×井戸謙一(元金沢地裁裁判長)
 原発を止めた二人の裁判長が語る 人生・司法・原発訴訟[前編]

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 「子ども脱被ばく裁判」の10年
 子どもたちを被ばくから守るために

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 「原発は滅び行く恐竜である」
 熊本地震と浜岡耐震データ偽装からみた原子力産業の現状

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 反省なき原子力拡大路線の構造分析
「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を批判する

《報告》佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局)
 アジアの原発と民衆の闘い
 韓国・台湾・インド・フィリピン


《報告》木村英昭(ジャーナリスト)
[新連載]原発タイムライン〈1〉
 欧州で原発活用の動きが鮮明に

《報告》高野 聡(原子力資料情報室研究員)
 南鳥島での地層処分に潜む問題と植民地主義

《報告》小坂勝弥(核のごみキャンペーン関西)
 「核のごみ」処分地選定のその前に

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 使用済み核燃料をめぐる矛盾と桎梏

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 シン・安全神話
 原発再稼働のために裁判所が生み出した三種の神器

《報告》福島敦子(大飯原発差止京都訴訟原告・世話人)
 3・11 私の15年
 奪われた故郷と、子どもの未来を守り抜く連帯の記録

《インタビュー》河野康弘(ジャズピアニスト)
 3・11 私の15年
 原発はすぐに中止できます!!

《対談》二木啓孝(元日刊ゲンダイ編集長)×板坂 剛(作家/舞踊家)
 大衆心理の不確かな実態[前編]

《報告》原田弘三(翻訳者)
「脱炭素伝道師」江守正多氏の低劣な原発擁護論

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
「全国交流会」で再稼働阻止の議論
《全国交流会》青山晴江(再稼働阻止全国ネットワーク)
《北海道》佐藤英行(岩内原発問題研究会)
《福島》黒田節子(チェルノブイリ法日本版をつくる郡山の会)
《福島》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
《東海第二》披田信一郎(東海第二の再稼働を止める会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》鳥原良子(川内原発建設反対連絡協議会会長)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
《本の発掘⑤》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

《反原発川柳》乱鬼龍

amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0HBWF57W7/
yodobashi.com https://www.yodobashi.com/product/100000009004287904/

熱く、暑く、和まされ、励まされ、反原発の思いをさらに強固にした「福島支援ライブ」へのお礼

尾﨑美代子

8月29日、集い処はなでの「福島支援ライブ」、たくさんの方にお集まり頂きました。ありがとうございました。

ライブの投げ銭は、9月2日判決が言い渡される原発賠償関西訴訟原告団にカンパさせて頂きました。カンパ合計は46,000円、出演者のヒデヨヴィッチ上杉さんが自身の物販(Tシャツ、CD)の売上の3割3,000円をカンパに入れて下さいまして、計49,000円、エイッもう一押しとはなままが1000円足して50,000円を関係者の方にお渡ししてきました。

それにしても熱く、暑く、和まされ、励まされ、怒りの声と拳を共にあげ、笑いも涙もゴチャまぜにし(顔クシャクシャの方、多め)、反原発の思いを更に強固にしたひとときでした。私はライブ中もバタバタ動き、写真はほとんど撮れませんでしたが、1枚だけ撮ったのはアカリトバリの曲に一曲目から涙する今野さん、ちなみにその2人後ろでもグズグズ泣く菅野みずえさんが。

カオリンズ、アカリトバリ、ヒデヨヴィッチ上杉さん、HANAMAMA(私)が歌い、そのあと福島から来阪された今野寿美雄さんのトークショーを予定していました。さて、どんな感じにしようか考えてましたが、

朝店で200円料理の準備をしながら、「そうだ!今野さんのトークは菅野さんとの掛け合いでやって貰おう」とひらめき、ムチャ振りしたもの。大成功でしたかね。

最後に今野さんと皆さんで「大空と大地の中で」(松山千春)を合唱しました。この曲は2021年今野さんの浪江町の家が解体された際に撮られた動画「9年目の津波」で歌われた曲です。松山千春さんから使用許可は取得しています。曲のエンディングコーラスを全世界から募集し、多くの方々と歌われた思い出の曲です。

3・11から10年目、カンパが減り財政的に厳しくなったとの理由で反原発活動を休止しますといったある大きな反原発団体がありましたね。凄いですね。金(カンパ)が減ったら活動出来ないのですか。カンパ(資金)は何かをして作るものですよ。釜ヶ崎や山谷で昔から言われたスローガンがあります。「金のある人は金を!知恵のある人は知恵を!そして力のある人は力を!」。歌える人は歌を、料理作れる人は料理を、運べる人は運び、暑い表に立ち続け売ってくれる人、歌に手拍子いれたり、踊ってくれる人、「ここ座って」と席を譲ってくれる人……いろんな人がいて、最終的にカンパが集まり、それが誰かさんたちの活動を助けることに繋がればとやっています。それが大事。まだまだ反原発運動は負けてないで!もっともっと活動しないといけないで!

また集いましょう!!

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

核の影は、いまも行政の奥底に潜んでいる 高橋博子先生「核へのレジスタンス」を聴いて

さとうしゅういち

◆核の影は、いまも行政の奥底に潜んでいる

広島が一年で最も静かに、そして深く息をする日が来た。
だが、静けさの底には、いまだ言葉にされない「構造」が沈んでいる。

今年の「8.6ヒロシマ平和の夕べ」で、高橋博子・奈良大学教授(元広島市立平和研究所研究員)は「核へのレジスタンス」と題して講演した。
その内容は、私たちが知っているつもりで知らされてこなかった“戦後日本のかたち”を、史料の裏付けとともに突きつけるものだった。

◆ミクロネシアは“解放”されていないまま核実験場にされた

米国は1944年、日本の委任統治領だったミクロネシアを占領した。
だが国連の信託統治領となったのは1947年。
つまり、国際法上の手続きが整う前に核実験を開始したことになる。

ビキニでの1946年の原爆実験。
住民は「解放」ではなく「軍事利用」の対象となり、米兵すら除染作業で被ばくした。
核の影は、戦争が終わった瞬間に消えたわけではない。

◆第五福竜丸だけではない。高知の漁船も、全国の漁民も被ばくした

1954年のビキニ水爆実験。
第五福竜丸の名は広く知られるが、実際には 高知県の漁船を含む多数の船が被ばくしていた。
延べ千隻規模とも言われる。

だが、米国は情報を隠し、日本政府は追随した。
高橋教授によれば、米側資料に基づく情報公開請求を外務省に行っても、「文書が存在するかどうかも答えない」という。
これは、広島県庁呉支所の虚偽公文書作成・公益通報つぶし事件での「存否応答拒否」と同じ構造だ。

核の影は、行政の奥底に沈殿し、今も形を変えて現れる。

◆戦前は“原爆投下は国際法違反”と抗議し、戦後は“残留放射能は大したことない”へ

1945年8月10日、日本政府は米国に対し「原爆投下は国際法違反」と抗議した。
ところが戦後になると、残留放射能の影響を過小評価する立場へ転じた。

理由は単純だ。
米国が残留放射能を認めれば国際法違反が確定する。
だから米国は否定し、日本政府は追随した。

その結果、被爆者の被害認定は極端に狭められた。
そして、広島のデータを基準にした国際的な被ばく基準は、福島第一原発事故の評価にも引き継がれた。

核の影は、基準となり、制度となり、いまも人々の生活を左右している。

◆戦犯の大量釈放と核被害の過小評価は同時進行だった

1950年代、日本の戦犯は次々と釈放された。
同じ時期、ビキニ事件は「政治決着」とされ、米国の法的責任は棚上げされた。

戦犯助命のために、核被害が軽んじられた。
高橋教授の史料は、その構造を裏付ける。

核の影は、政治の取引材料にされ、被害者の声は置き去りにされた。

◆広島の行政にも残る“核の影”

本紙が経験した、広島県庁呉支所の虚偽公文書作成・公益通報つぶし事件についての情報公開請求に対する「存否応答拒否」。
これは、核被害の資料をめぐる外務省の対応と同じ構造だ。

核の影は、行政の奥底に沈殿し、
「都合の悪い事実は存在しないことにする」という文化を生み続けている。

◆広島は、核の影を見つめ続ける街であるべきだ

広島は、核の影を最も深く知る街だ。
だが、その影は過去のものではない。
行政の構造に、国際政治の力学に、そして被害者の声の扱われ方に、いまも潜んでいる。

高橋博子教授の講演は、
「核へのレジスタンス」とは、
過去の記憶に向けてだけではなく、
現在の政治・行政の構造に向けてこそ必要だ
ということを教えてくれた。

広島が静かに息をするこの日、
私たちはその影を見つめ直す責任がある。

※本稿は、さとうしゅういちブログ(2026年8月6日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎X @hiroseto https://x.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/
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【お知らせ】

来る11月1日(日)午後1時より高橋博子さんの講演会が、母校の同志社大学にて開催されます。会費無料、同志社OB/関係者でなくてもご自由に参加できます。多くのご参加をお願いいたします。

時:2026年11月1日(日)午後1時より

所:同志社大学京田辺キャンパス
  知真館3号館(TC3)202教室

講師:高橋博子さん(同志社OB)

テーマ:反原発問題の現在(仮)

主催:同志社大学学友会倶楽部
   ホームカミングデー講演会実行委員会
  (連絡先:鹿砦社・松岡まで)

※具体的な内容は後日お知らせいたします。
よろしくお願いします。

8月29日今野寿美雄さんを取り囲んでの「福島支援ライブ!」

尾﨑美代子

8月のイベントの告知です。もう、何かしてないと死んでしまうんじゃないかと思うくらい不安だから、次の予定を告知しておきます。

8月29日、福島県から来阪する今野寿美雄さんを取り囲んでの「福島支援ライブ!」投げ銭カンパは、その4日後に大阪地裁で判決が言い渡される原発賠償関西訴訟の原告団にカンパさせて頂きます。

出演者はヒデヨヴィチ・上杉、アカリトバリ、カオリンズ、そしてHANAMAMA&今野寿美雄です。

関西訴訟はじめ避難者の訴訟はどれも長く長く続いています。事故から15年ですものね、「どうなったのかな?」とつい忘れてしまった方もおられるかと思います。
判決日を前にみなさんと共にこの闘いがどういう意味を持つのか、考えていければと思います。

宜しくお願い致します。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

トチ狂ったとしか言いようがない浅野健一さんの言動

鹿砦社代表 松岡利康

このところの浅野健一さんの言動には、首を傾げることばかりです。

ひとつは、鈴木エイトさんが、山上徹也さんと面会した際に、浅野さんの本の中に事実と異なる内容やデマがあると言われたとのことで、相当慌てておられるようです。

まるで鈴木さんがウソをついているかのように述べておられますが、みなさんは、鈴木さんと浅野さんのどちらの言い分を信用しますか?

山上徹也さんから批判された浅野さんの著書

ところで、以下の文は、浅野さんが、反原発情報誌『季節』編集委員の尾﨑美代子さんのFacebookに書き込まれたものです。尾崎さんはすぐに消去されたということで、そのまま放っておくつもりでしたが、性懲りもなく浅野さんご自身のFacebookにも掲載されていますので、引用し最低限の批判をしておきます。酷い侮辱! このところの私への非難中傷こそ、まさに名誉毀損ものです。

『紙の爆弾』に書けなくなったのを、私のせいにしていますが、みずからが杜撰な記事を書いたこと、それが相手方から指摘・批判されるや責任ある態度をとらず逃げたことが直接の原因になっています。それまで、私の逮捕事件以来カウンター大学院生リンチ事件に関する訴訟や真相究明に逝去の直前まで協力してくださった故・山口正紀さんへの誹謗中傷を繰り返しながらも、外からたびたび「浅野をやめさせろ」の助言がありつつも昨年4月までは編集長の中川が起用してきたことを黙認してきましたが(心中は忸怩たる想いでした)、昨年4月発行(5月号)の記事には、さすがの私も堪忍袋の緒が切れて「エキセントリック」(浅野さんによれば中川がこう言ったとのこと)になりました。今の浅野さんの異常な言動には負けますが(苦笑)。

しかし、この4月5日に浅野さんがあけび書房刊『石ころの慟哭』出版差し止め仮処分を申し立てるということに対する抗議の意味での本欄での記事までは浅野さんへの批判は記憶にありません。あったかな?

4月5日以降、浅野さんによる出版差し止めや、その他、特にあけび本の著者・辻井彩子さんへのネットリンチ攻撃は、まさに人権侵害で、こうしことに対して、いやしくも一出版人のはしくれとして原則的に批判しているつもりです。汚い言葉や威嚇的な言葉など使っていないつもりです。

浅野さんは他人を批判、非難する前に、まずは脚下照顧、みずからの言動に問題はないのか、なかったのか、を虚心に自分の胸に手を当てて反省すべきでしょう。

<尾崎美代子氏の投稿に一言。「季節」の前身雑誌に記事を何回か書いた私は、昨年4月から、鹿砦社の発行する「紙の爆弾」に書けなくなっています。
 松岡利康社長が「紙の爆弾」の中川志大編集長に「浅野排除」の業務命令を出しているからです。
 関西の複数の友人によりますと、尾崎氏は、松岡社長のエイジェントとして、私の誹謗中傷・侮辱の言説を流布し、私の活動を妨害しているようです。(私は数回、尾崎氏と会っていますが、尾崎氏に嫌われる理由はないと思います)
 私は、松岡社長、尾崎氏の活動を昨年4月まで、批判、非難したことはありません。
 松岡氏は私との対話を拒み、私の話を一切聞かず、私の山上徹也さん裁判本を激しく非難、最近では辺野古転事故関連でも、私のバッシングに加担しています。岡林信一、辻井彩子、鈴木エイト、黒薮哲哉各氏の5人グループの主犯は松岡氏です。
 松岡氏は雑誌編集を私物化しています。出版社に「王様」はいりません。
 中川志大氏は子会社の代表。一貫して私の理解者です。松岡氏は今すぐ引退し、中川志大氏にバトンタッチすべきです。
 中川氏は、大赤字の「季節」を廃刊にし、「紙爆」に入れ込むのがいい、と私に話していました。一考に値する提案です。
 鹿砦社には労働組合がありません。鹿砦社の労働者が組合をつくり、読者第一の出版社に大改革することを願います。
 私は「紙爆」にまた記事を書きたいと思っています。>

「尾﨑氏は松岡社長のエイジェントとして、私の誹謗中傷・侮辱の言説を流布し、私の活動を妨害しているようです」だって!? 冗談もほどほどにせい! これだけ言いたい放題言って、100%株主に向かって「今すぐ引退し、中川志大氏にバトンタッチすべきです」、さらには「私は『紙爆』にまた記事を書きたいと思っています」などと言いたい放題です。みなさん、どう思われますか? まず私に「引退」を迫りたいのなら、現在2400万円の資本金の半分以上、1200万1円以上の株を手に入れ株主総会や役員会で松岡解任を決議すればいいでしょう。

それから、「読者第一」というのなら、浅野さんは、お引き取り頂きたいトップ候補でしょう。

ちなみに、『季節』ですが、新たに支援者、新たな書き手も増えつつあり、独立の反(脱)原発雑誌として継続していくことを決意、決定しています。

(6月17日 松岡記)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

尾﨑美代子

お願いがあります。鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

『季節』2026年夏号が発売となり、執筆者や関係者様に届いていることと思います。さて、私はこの『季節』の編集委員をさせて戴いております。『季節』が発刊以来ずっと赤字であることは、鹿砦社代表の松岡氏がなんども訴えています。

「何故、赤字続きなのか?」と私なりに考えてみました。もちろん内容の問題もあるかもしれません。本書は発行が3ケ月に一度ですが、毎号編集会議では、なるべくその期間内でタイムリーな内容、あるいは小さな事件だはどうしても見逃せない問題、全体的には原発問題に関して多面的な内容を提供したいと考え、意見を出し合い、制限された紙面の中で、それをどう伝えていくかと必死で討議しています。

そんななか、赤字の原因として、私が考えることが1点あります。それは「定期購読者」の不足、逆にいえば「献本数」が非常に多いのではないかということです。それはひとえに鹿砦社代表の松岡氏と、『季節』編集長の小島氏の「人の良さ」(決して褒めてない)ではないかと、編集委員の一人として考えています。というのも、執筆者には当然「献本」させていただきますが、松岡氏にお聞きしたところ、それだけではなく、過去の執筆者、あるいは別件で知り合った方々の多くにも献本させて頂いているとのことでした。さらに松岡氏が言うには「とくに福島の人にはずっと読んで欲しいと思ってね」とのこと。その気持ちは私も同じです。しかし、そうした献本が増えたまま、一方で定期購読あるいは購入部数が増えないことには、赤字は一向に解消できず、そのうち『季節』は廃刊になるかもしれません。

じつは私は編集委員としての報酬は十分には頂いておりません。「それはあんたの勝手だろう」とお叱りを受けるかもしれませんが、でも少しだけその訳を聞いてください。私は、『季節』発行まで、取材、リライト、構成、編集、校正などの作業をこなしてますが、受け取るのは最低限の取材にかかる交通費のみで、ほかの報酬は辞退しております。時には本来の仕事を休んで取材に行くこともあります。もちろん鹿砦社・松岡氏、『季節』編集長小島氏は「報酬を受け取って」といいますが、私が得た報酬分がさらに赤字を増やすことになるから、それは私にはできません。私はなによりこの『季節』の発行を継続させたいのです。毎回『季節』を編集する際、「ああ。この本を一人でも多くの人に読んで欲しい。日本から原発を一刻も早くとめないと大変なことになる。だから、どんな活動でもいい、反(脱)原発の闘いに関わる人たちにとって、この『季節』をそのきっかけ、一助にして欲しい」とそう願って頑張っております。また、次の号の編集会議では、「今、何を人々に伝えていくべきか」と、編集委員で喧々諤々の討議を何度も重ねております。

どうぞ、一人でも多くの皆様にお伝えしたい。『季節』は次号より定価が880円となります。それでも発行は3ケ月に一度です。ひと月に換算したら、月300円です。どうぞ、月300円を『季節』購入費に充ててください。 赤字が解消されましたら、私はもちろん報酬を頂きます。そしてもっともっと多くの方々に読んでいただける紙面作りのために使っていきます。将来、日本の原発が全て止まる日が来た際には、「ああ、この日のために、『季節』にはずいぶん世話になったな」と思われたい。それが私の命を掛けた夢。 

この件について、松岡氏にはかなり前から進言させて頂いております。今回聞いたところ、これまでの献本していた方の何人かは献本を取りやめたとのこと。これまで献本が届いていたが止まってしまった方、どうぞこの投稿を読まれまして、新たに購入をお願いしたく存じます。

最後のお願いになります。どうぞ、みなさま、『季節』の定期購読にご協力を宜しくお願いいたします。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊

2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰)

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)
《報告》関電株主代表訴訟の闘い
 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

復興へ16年目に入った福島、もうすぐ創刊12年を迎える本誌『季節』 明日への道は決して楽ではないが、共に歩き続けよう!

季節編集委員会

福島で原発事故が発生して本年3・11で15年を迎えました。その日に本誌を発行し、次のステップに歩み始めました。

また、本誌も、すでに一昨年創刊10周年を迎え、今年12年を迎えようとしています。なんとか10年を越えたことで、本来なら部数ももっと多くならなくてはなりませんが、私たちの非力で、そうはならず、逆に減りつつあります。

福島の現況も、事情あって故郷を離れた方々の実情も、本誌の現状も、また総体的な将来への展望も、厳しいものがあります。

福島の現況は、わが国の現況です。すなわち厄介者は切り捨てるという棄民政策が跋扈しています。15年経っても政府は脱原発への道筋を提起しえないでいます。むしろ、なし崩し的に原発回帰、そしてこれに対する諦めの気持ちが支配しているかのようです。

今夏も厳しい暑さが予想されますが、古くはオイルショック(1973年)後や3・11後のような節電の呼びかけもなされず、私たちもその気持ちを忘れたかのように思えます。

この国では、大地震はじめ多くの天災が毎年起きます。そのたびごとに節電、節約が叫ばれますが、いつか忘れられ今に至っています。

原発も老朽化が進み、このままでは大事故がいつ起きても不思議ではありません。

福島のこれまでの歩みや現況を顧みるに、原発は百害あるだけです。決して危機感を煽るわけではありませんが、いつ爆発するかわからない老朽原発は、爆弾を抱えているようなもので、即停止→廃炉にすべきです。

本誌に継続的にかかわってこられている小出裕章さん、今中哲二さん、また元裁判官で原発を止める判決を出された樋口英明さん、井戸謙一さんらが、私利私欲を棄て、なぜここまで反(脱)原発に奔走されるのか、非常に学ぶことが多々あり、私たちが本誌を継続しているエネルギーになっています。ありていに言えば、すべてはこの国、この社会、ここで生きる子や孫のためということでしょうが、やはりチェルノブイリや福島のような原発事故を繰り返してはならないという想いが残っています。この想いが残っている限り、困難は承知のうえで、唯一の反(脱)原発雑誌を継続していく決意ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

昨年同様酷暑が予想される今夏、気持ちを強く持って共に頑張りましょう!

2026年6月 季節編集委員会

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊
2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)

《報告》関電株主代表訴訟の闘い 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
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4月25日(土)14時より大阪・大国町にて菅野みずえ×飛田晋秀講演会「原子力災害 終わりの見えない3・11」にお集りを!

尾﨑美代子

4・25「原子力災害 終わりの見えない3・11」まで、あと5日となりました。

講演会に向け、個人的な思いを書いてみました。ちょっと陰謀論っぽい題名ですが、まじめに考えたことです。題して「闘いは新たなフェーズに入った」と「大国町から国際原子力マフィアとの闘いに挑む」──。ちょっと長いが、是非、ご一読を!

◆闘いは新たなフェーズに入った

福島第一原発事故から15年経った。3・11は、原発に関心のなかった人たちも、原発の危険性を知り、反原発の声をあげるきっかけとなった。原発は、このうえなく危険なうえに、安くないこともわかってきた。政府の言ってきたことは全て嘘だとわかった。

そして事故から、10年目経った2021年、私は編集で関わる反原発誌「季節」(鹿砦社)で、井戸謙一弁護士にインタビューしていた。

── 3・11から10年、今後反原発運動はどのように展開していく必要があるでしょうか?

井戸 原発のほうは、もうコストが高いとうことも隠せず認めなくてはならなくなっています。未だに2030年に23%を維持しているが、もう建て替えや新設は言えないし、先細るのは明らかで、もう終焉が近づいていると思います。問題は被ばくのほうです。ICRPが言っていたことを遥かに超えて、高い被ばくを福島の人たちなどに強いているので、汚染水にしろ、汚染土を全国にばらまく問題にしろ、全く今までどこもやったことのないことをどんどんやろうとしている。そこにどういう力が働いているかはなかなか外からは見えないのでわかりませんが、世界の原子力マフィアの先頭を日本が行っているのは間違いないです。(2021年「季節」春号より)

しかし、その後、日本は再び「原発回帰」へ大きく舵を切ることとなった。きっかけは、2023年、岸田政権が打ち出した「GX法」だ。名前からして一見原発推進とは関係ないように思われる「GX法」、産業革命以来の化石燃料中心の経済、社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すべく、エネルギーの安定供給・経済成長・二酸化炭素排出削減の同時実現を目指す「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を推進するとしている。 

なんだか、いいことが一気に進む……みたいに見える。グリーンもそうだし、CO2( 二酸化炭素)排出削減は、世界中で喫緊の課題になっている「気候変動」問題と相まってとても重要な問題だ。「2050年カーボンニュートラル」(地球温暖化の原因になっている『CO2などの温室効果ガスの排出量』を『全体としてゼロ』にすること)にむけて、「国際的にみて日本は遅れているよね。もっと頑張るべきね」……とか。

とくに「CO2排出削減」と言われると「そうだ!そうだ!」と言いたくなるが、原発推進で本当にそうなるの? 今年の『季節』春号で再び井戸弁護士にインタビューした。

── 岸田政権が打ち出した「GX法」は、CO2排出削減のためとか、AIの需要が増えるから原発が必要としてますが、立法事実になってないと思うのです。井戸弁護士も(樋口英明元裁判長との)対談でCO2排出削減は嘘と話されてますし、末田さん(反げんぱつしんぶん編集長)も、AIの需要が増えても電力は足りていると説明されてます。

井戸 原発がCO2を排出しないのは運転中だけで燃料となるウランの採掘、運搬、原発建設、廃炉や使用済み核燃料の保管・処理に至るまで、大量のCO2を排出している。また原発を運転すると排出される冷却水が海水温度を高めるため海水中のCO2が大気中にでていく。どこがCO2排出削減かという話です。政府サイドは「原発を動かさないとAIの需要が増えて電力が足りない」という事実を根拠にしています。これ自体怪しい話で、大げさに言われていますが、AIの話が急にでてきたことは、政府にとっては恰好のタイミングだったと思いますよ。

『季節』2026年春号[表紙]福島県双葉町役場の野外時計。大地震が起きた直後の14時47分で止まったままの時針分針(飛田晋秀2016年7月22日撮影)※『季節』は当日会場でも販売します。

ほら、やっぱりね。政府の言うことは一事が万事、うそだらけ。騙されてはいけない。というか、政府は実に巧妙に原発回帰を進めている。汚染水は「処理水」、汚染土は「福土」だって。

だから、反対する側も変わっていかないといけない。そう、菅野みずえさんがどっと吐いてくれた「毒」のように、これまでのように「原発事故を忘れない」「FUKUSHIMAを忘れない」「原発バイバイ」だけでは闘えない。みずえさんのいうように、まさに「隣の家が燃えて鎮火もしていないのに、忘れないって 言ってるようなものだって気づかない」

そして「だって悪気ないつもり 善意のつもりの便利な言葉 忘れないは終わったこと 死んでしまった人に 別れていなくなった人に使う言葉と 私は思ってきた 哀しいなぁ」

そしてそして「毎日が反原発の日みたいに、肩の力を抜いて自分たちの暮らしを守るために どう生きるかって考えたい 3月だけ思い出さないで 毎日お天気考えるみたいに 『原発いらないよね』って考えるようになったら、世の中変わるかもしれない」

『季節』2026年春号[グラビア]わたしはこれから毒を吐く(文◎菅野みずえ/写真◎飛田晋秀)
『季節』2026年春号[グラビア]わたしはこれから毒を吐く(文◎菅野みずえ/写真◎飛田晋秀)

◆大国町から国際原子力マフィアとの闘いに挑む

大げさのようだが、私は3・11からずっと気になっていることから考えたのだ。3・11以降、全国的に盛り上がった反原発運動の中心になった「首都圏反原発連合」は、なぜ反原発、再稼働反対は掲げたが、被ばく問題をいわなかったか?もちろん現場に集まった人たちのなかには被ばく問題に関心をもっている人もいた。しかし「反原連」のコアなメンバーはちょっと違っていた。福島の木田節子さんが、妊娠した自分の娘が、その後「けいりゅう流産」で中絶、周辺の妊婦さんにも同じ症状で中絶した人が多かったと、それを反原連の集会で話したら、「デリケートな問題だからやめて」と言われた。実際、反原連のレッドウルフ・ミサオさんの超長いロングインタビューで、彼女は反原発は主張していたが、被ばくの「ひ」の字が一回もでてこなかった。被ばくをひとことも口にしないで反原発を語るとは、それはそれで凄い芸当だと思うが。あげく反原連は、事故から10年目に、カンパが集まりにくくなったとの「財政的理由」などで活動を休止した。えっ反原発運動って、カンパが集まらないとやれないの?私は心底たまげた。

しかし、問題はそこではない。311以降あれだけ盛り上がり、10年目で休止となった反原発運動とは何だったの?被ばく問題はなぜおきざり、タブーにされたのか?

そして2021年「季節」夏号のインタビューで井戸弁護士が国際原子力マフィアについて、こう語っていた。

── 今後ますます反被ばくの闘い、意義を広めていかなくてはなりませんね。

井戸 そうしなければいけません。国際的な原子力マフィアは、チェルノブイリの事故では、住民を避難させ過ぎたという反省から、次に原発事故が起こった場合は、住民を可能な限り避難させず、事故の影響を小さく見せたいと準備していた。そこに福島の事故が起き、福島ではそのことに成功している。このままでは、この「成功体験」が今後世界で原発事故が起きた場合のモデルケースにされてしまいます。日本に住む私たちは、世界の人に責任があるのです。

「国際的な原子力マフィアは、チェルノブイリの事故では、住民を避難させ過ぎたという反省から、次に原発事故が起こった場合は、住民を可能な限り避難させず、事故の影響を小さく見せたいと準備していた。そこに福島の事故が起き、福島ではそのことに成功している。」

ここ、私はずっと気になっていたこと。福島県三春町のお寺の僧侶で、作家でもある玄侑宗久さんが、事故直後の村の様子を認めていた日記を、何かの雑誌に掲載していた。事故直後、テレビ番組ではお笑い番組が多かったとあった。あと、現在関西の反原発運動、裁判闘争の中心的人物である森松明希子さんは、5月の連休に関西の実家に来た際、テレビで原発問題やっていることに驚いたと。つまり福島内ではこのような番組は見れなかったということ。これには、御用学者であれ、連日テレビに出演し、放射性物質だの、半減期だの、アルファ線、ガンマ線だのしゃべっていた関西の報道とはまるで違っていたのだった。関西のテレビでは、朝なんか、売れない吉本芸人が「でも身体によい放射能もあるよね。ラジウム温泉とかラドン温泉とかさ」とにこやかに話していたのを覚えている。いずれにしても放射能はじめ原発関連のことは日常茶飯事に話していたのに。

あと当時私が気になっていたのはもう一つ。確か事故から1年目の2012年正月の福島民友か福島民報どちらかの社説に「今後、福島で集められたデータは世界中の科学者が喉から手がでるほど欲しくなるにちがいない」と書いていたこと。数年後思い出し検索したがわからなかった。同じことを「福島市も郡山市もとてもじゃないが避難させられん。将来奴ら(福島市、郡山市の人たち)は集団訴訟とかするんやろな」とのたまった上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)は、「浜通りの被ばくデータは世界が喉から手がでるほど貴重なものとなる。これらを蓄積して世界に発信する。この地域を廃墟にするも聖地にするもやり方しだい」とものたまった。この時点で、国際的な何かが動いている、と私は考えた。当然といえば当然。広島に原爆が落とされたあと、アメリカのABCCも被爆者のデータだけは欲しがったが、治療はしてくれなかった。先日観たドキュメンタリー映画「医の倫理と戦争」でも、731部隊が実施した人体実験のデータを、戦後アメリカに渡す代わりに非人道的な実験に加わった医師らは罰せられることなく、大学教授や有名大学病院の院長に戻った。

井戸弁護士が述べたように、チェルノブイリでは避難させすぎた、だから、次の福島では避難っせないようにした。さて、次に原発事故がおきたら……。今度は絶対やつらの好きなようにはさせない。

4月25日、ぜひ講演会にお集りを!

事故後カンパを集め出した私たち「西成青い空カンパ」は、なるべく皆様の前で被災者にカンパを手渡した。写真は長谷川健一さんにカンパを手渡した写真
毎年311前後に何らかの催しを企画した。三角公園前の「ふるさとの家」でやった際には場所がわからないだろうと仲間がプラカード持って案内してくれた
震災と原発事故から6年目の2017年、国は避難指示を解除し、被災者に故郷に帰れと指示した。果たして帰れるのか?

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

〈原発なき社会〉を求めて集う不屈の〈脱原発〉情報誌『季節』2026年春号
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GGX7H2DR/

3・11の彼方から―『季節』セレクション集 Vol.1
https://www.amazon.co.jp/dp/4846315878/

どこまでも終わりの見えない3.11 菅野みずえさんと飛田晋秀さんの4月25日大阪講演会にお集まりを!

尾﨑美代子

2011年3月11日の大震災と原発事故後、釜ヶ崎の仲間で「西成青い空カンパ」を立ち上げた。ちょっと変わった名前だが、以降ライブや上映会で集めたカンパを被災地へ送り続けてきた。最初は日本赤十字社を通じて送ったが、結構な経費が取られると知り、直接送るところを探していた。

そんな時知ったのが飯舘村だった。原発から50キロ以上も離れた飯舘村が、突然「計画的避難区域」に指定されたのは震災から一月後。3月15日、福一から放出された放射性物質は飯舘村がある北西方面に流れ、夕方からの雨や雪で村に大量の放射性物質を落とした。国も県も東電もその事実を隠し、そればかりか御用学者を村に呼び「ニコニコしていれば大丈夫」などと村人を騙していた。

そんななか新聞の小さな記事で、村で最高齢102歳の大久保文雄さんの自死を知った。熾烈な戦火をくぐりぬけてきた人が何故自死したのか? 記事でわかったのは、住み慣れた村を離れるのはいやだと言っていたこと、そして前日の食事中「いやなものを見た」と口にしていたこと、それだけだった。

私たちはこの小さな村にカンパを送ることを決めた。カンパを募るポスターに「細く長く支援しよう」と書いた。最初は村役場に送っていたが、8月初め京都で村で酪農をやっていた長谷川健一さんの講演会を聞いた。「私の話を広めてください」と長谷川さんは訴えていた。「あいよ」。会いたい人にはすぐ会っておく課の私は、休憩中楽屋を訪ね、大阪での講演を依頼し、暮れに講演会が実現。以降長谷川さんが避難した「伊達東仮設住宅」にカンパを送り続けた。

話を戻すと、102歳の大久保さんが自死したのち、「わたしはおはかにひなんします」と遺書を残し、村の92歳のおばあささんが自死した。それほどまでに、みなさん、故郷を離れるのは辛いんだと改めて思わされた。

飯舘村は福島県内でも貧しい村だが「までい」(丁寧に、心を込めて)という言葉で村人が助けあい、暮らしていた。平成の大合併にも加わらず独自の文化を育ててきた。何度か村へ通い、多くの村人が入植者であったことも知った。菅野哲さんなどから「先祖は鍬、鋤一本で未開の土地を耕してきた」とのお話を聞いた。長谷川さんのお父さんはなんと私の故郷の新潟県からの入植者だった。だからか、長谷川さんは、その親父から受け継いだ土地を守るため、あるいは「村に帰りたい」というお母さんのため、両親とともに村に戻り、両親から受け継いだ土地を白いそばの花でいっぱいにして…そして亡くなった。

事故から15年目の今年、ジャーナリスト青木理さんが上梓された『百年の挽歌 原発、戦争、美しい村』を読み、自死した大久保さんが何故自死するに至ったかを少しだけ知ることができた。

戦争と原発、大久保さんは二度国策に「殺された」のだった。いや、長男の大久保さんは戦争には駆り出されることはなかったが、15歳下の次男が駆り出され、悲惨な殺され方をした。自身はいかなかった戦争という国策で大切な兄弟を奪われた大久保さんは、ずっと心に何かを抱えていたのだろうか。そして二度目の国策で福島にやってきた原発。当初は仕事が増え出稼ぎにでることもないと喜んだ人もいただろうが……。結局3.11で、多くの人たちが大好きな故郷から避難を余儀なくされることとなった。大久保さんが最後に見た「いやなもの」が何であったか、これからも考えていきたい。国策が常に常に社会的に弱い者に犠牲を強いて、国そのものは発展し続ける。もうこんな国策に騙されたくない。そう考え、私たち「西成青い空カンパ」は以下の集まりを企画した。被災地に残る人、泣く泣く出ざるを得なかった人、そしてすべての被ばくの危険性にさらされるひとたちと、いつまでもいつまでも細く長く繋がっていくために。

今回も今ぜひお話を聞かせて頂きたいお二人、福島県三春町に残り3.11後の故郷を撮り続ける写真家飛田晋秀さん、関西に移住し、そこで反原発を「毒」を吐きながら訴え続ける菅野みずえさんをお招きします。ぜひ、お集まりを。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

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季節2026春号
『NO NUKES voice』改題 通巻45号
紙の爆弾2026年4月号増刊
2026年3月11日発行
A5判 総148ページ(本文144ページ+カラーグラビア4ページ)
定価880円(税込み)


《グラビア》わたしはこれから毒を吐く
(文◎菅野みずえ/写真◎飛田晋秀)
《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 浪費による危機と嘘をつく国
《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 最後に鍵を握るのは国民
《インタビュー》井戸謙一(弁護士)
 原発訴訟の流れは変わる
 司法の現状と展望


《特集1》東電・福島原発事故十五年 終わりなき核災害

《報告》川島秀一(民俗学者)
 福島の海は今
《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 原発に抗い続ける宗教者たち
 あらゆる「生きとし生けるもの」のために
《報告》コリン・コバヤシ(ジャーナリスト)
 福島エートス 受忍のプロパガンダ
《報告》渡邊とみ子(飯館村「までい工房美彩恋人」代表)
 3・11から十五年① 種をつなぎ、後継者をつくる
《報告》大河原さき(ひだんれん事務局長、三春町在住)
 3・11から十五年② 未来の世代が住み続けられる地球のために
《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 3・11から十五年③ 原発被害者の「絶望」を終わらせてほしい
《報告》鈴木博喜(民の声新聞)
 原発追い出し訴訟 否定され続けた区域外避難者の十五年


《特集2》東電・柏崎刈羽原発再稼働 「第二の福島」は起きないか

《報告》まさのあつこ(ジャーナリスト)
 セキュリティとセーフティの欠陥と再稼働の実態
《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 自滅する原子力産業と技術のあり方
 柏崎崎刈羽6号機の制御棒問題と東京電力の劣化
《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 再稼働で起きている深刻な危険
《報告》武本和幸(刈羽村議会議員)
 なぜ不正が繰り返されるのか
 地震想定を過少評価する原発利権の構造
《討論》柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク
 再稼働 許していいのか 1・11集会
 経過報告とリレートーク
 ○吉田裕史(県民ネットワーク事務局)
 「再稼働容認」判断と今後の課題
 ○石崎誠也(新潟大学名誉教授)
 県内学者・研究者有志による原発再稼働中止を求める声明の概要
 ○浅利親男(柏崎刈羽PAZ住民の会)
 荒浜住民投票は七六%が原発反対だった
 ○笹口孝明(元巻町長)
 東北電力巻原発撤回住民投票の意義 県民こそが真の決定権者であるべき
 ○片岡輝美(会津放射能情報センター代表)
 福島原発事故の経験から 「安心して生きる権利」を諦めない
 ○佐々木かんな(アンダー30の会代表) 
 自分たちの場を立ち上げる


《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
 家庭用ソーラー発電 九年間の運用実績
《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
 国・電力会社の「一〇〇mSv安全論」の非科学性
 「あらかぶ裁判」から広範労災認定を求める運動へ
《報告》中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
 《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《前編》
《報告》山崎隆敏(元越前市議)
 福井県に溜まり続ける「核のゴミ」
 関電は約束を守れない
《報告》大今歩(高校講師・農業)
 原発は止めたけど風力発電がやってきて
《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 高市軍拡政権という台風が吹き荒れても
 原発再稼働阻止の運動は止まらない
《衆院選》青山晴江(たんぽぽ舎会員)
 絶望させるのも人だが、希望を与えてくれるのも人……
《民主主義》青柳純一(翻訳家)
 “中道改革連合”の大義・理念を問う 
 憲法九条を戦後民主主義の墓標にしてはならない
 《柏崎刈羽》漆原牧久(再稼働阻止全国ネットワーク)
 「柏崎刈羽原発動かすな」官邸前行動の取組み
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 東電柏崎刈羽6号機再稼働、衆議院選挙高市自民勝利に怒り
 敵を知ろう、メディアと若者に働きかけよう
《東海第二》志田文広(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会・世話人)
 東海第二原発の地層はどの原発と比べても脆い!
《浜岡原発》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 「浜岡原発での耐震設計データの捏造・改ざん」生み出した
 電力事業者任せの審査体制の抜本的改善を求めます
《岐阜》中川敦詞(「さよなら原発・ぎふ」、たんぽぽ舎運営委員)
 過去十五年にわたり「集会&パレード」を三カ月毎に開催
 持続可能で安心して暮らせる社会のあり方を共に考え行動する
《アピール》山谷労働者福祉会館活動委員会 山谷争議団・反失実
 貧者を排除する山谷の再開発に反対!
 これ以上山谷にマンションを建てるな!
《反原発川柳》乱鬼龍選

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