月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは最新刊11月号(10月7日刊行)の注目記事2本の一部を紹介します。

◆鈴木宣弘東大大学院教授が語る「食料安全保障」日本の農と食を潰す洗脳を解く
 構成・文責◎本誌編集部

 

 

「紙の爆弾」4月号で残留農薬・人工肉の問題や、食料・農業・農村基本法改悪について解説した鈴木宣弘東大大学院教授が5月21日に横浜市で行なった講演「大人が学び考えよう『食の安全保障をどう守るか』」(豈プロジェクト主催)の内容を編集部でまとめた。現在のコメ価格高騰の〝真犯人?と、事態が示す真の危険性も見えてくる。(本誌編集部)

 米国と経産省の思惑が一致

まず、日本の食料安全保障の問題から始めたいと思います。低すぎる食料自給率は、なぜそうなったのか。一番の理由はアメリカとの関係です。

アメリカでは戦後、膨大な農産物が余りました。それをどこで処理するか、日本が処分場の役割を果たすことになりました。米(コメ)以外の農産物の関税が実質的に撤廃させられ、アメリカの農産物がどんどん日本に入ってきた。日本の麦や大豆、トウモロコシの生産は壊滅しました。

それでも、アメリカにとって都合が悪いことが1つありました。それは日本人の主食が米だということです。アメリカの小麦が胃袋に入れられない。そこで回し者の学者も使われて「米を食べると頭が悪くなる」という内容の本(林髞著『頭脳才能をひきだす処方箋』光文社カッパブックス/1958年刊。著者は慶應義塾大学医学部生理学教授)が出て、大ベストセラーになりました。このような洗脳政策で、私たちはアメリカの食料への依存症にどんどん冒されました。

日本国内の勢力もこれをうまく活用しました。経済産業省(旧通産省)が中心の経済政策です。経産省と農林水産省は犬猿の仲。農水は私が15年勤めた省ですか、まだ人がいい。対して経産省は優秀な者は多いが、ずる賢くて手が早い(これは褒め言葉です)。

賢い経産省は「アメリカを喜ばせばいい」と考えた。だから食料の輸入関税の撤廃を進めた。その代わりに日本は自動車などを輸出して、そのお金で食料を安く買えばよいと考えた。そして、これを「食料安全保障」と呼び、その流れを強めてきました。

もう1つの問題は、財務省(旧大蔵省)です。彼らは税金の取り立てばかりやっていますが、それを国民のために使っているのか? 1970年時、当時の農林省の予算は1兆円近くありました。その規模は防衛予算の2倍ほど。それが50年以上経った現在、農業予算2兆円に対して防衛予算は10兆円規模に膨れ上がっています。

ちなみに再生エネルギーの買い取りで、事業者に支払われている金額が4.2兆円。これだけで農水省予算の2倍です。

軍事と食料とエネルギーは「国家存立の三本柱」といわれるものの、命を一番に守る大事な要かなめは食料です。その食料の予算だけがどんどん減らされてきた。これでは、農業が苦しめられ、輸入が増えて自給率が低下するという流れは止められません。

 食料は安全保障の基本

そうした中で、私が「クワトロショック」と呼んでいる4つのショック、すなわち①コロナ・ショック②中国の爆買い③異常気象の通常化④紛争リスクの高まり、が起き、食料とその生産資材が海外から調達しにくい世界的危機が続いています。

食料は武器です。ロシアやベラルーシはもう日本に農産物を売ってくれません。世界の穀倉地帯であるウクライナの土地は破壊されました。

一番深刻なのは、食料の囲い込みです。インドのように麦や米の生産において世界で1、2位を争う輸出国が、自国民を守るために輸出を止めた。今や世界の30カ国ほどが食料の輸出を止めています。これで大変になってきたのが日本の農業です。まず、餌と穀物が十分に手に入らない。酪農畜産農家は餌の価格が2倍に上がったためにどんどん倒産しています。

もっと深刻な問題は化学肥料です。肥料の原料を日本はほぼ100%輸入に頼ってきました。それが当たり前だと思っていた。ところが今では中国もロシアも売ってくれずお手上げです。これで日本の慣行農業が重大な岐路に立たされています。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n5945473386a3

◆「政教分離」をかなぐり捨てる創価学会 公明党・山口那津男代表〝一転〞退任の真相
 取材・文◎大山友樹

 

 

 5月まで「続投」を明言していた

公明党は9月28日の党大会で代表の交代を発表した。2009年9月から15年もの長きにわたって代表を務めた山口那津男参院議員が退任し、石井啓一幹事長(衆院議員・元国土交通相)が新代表に就任した。

退任の理由は「世代交代」。党大会に先立つ9月10日、山口氏は国会内で記者会見し、「公明党は定年制を設けて党の活力を維持してきたが、私はその例外として代表を継続してきた。その間、中堅・若手の人材も育ち、新しい陣容を整える状況が来たと認識した。今、国内外とも政治の世界で世代交代の波が押し寄せているようにも感じる。70歳を超えた私としては、次の世代にバトンを譲るべきだと決断した」(公明新聞9月11日付)と述べた。

もっとも今年5月にBS11の番組に出演した際、山口氏は自らの進退について「代表任期が9月で満了した後の対応に関し、『無責任に放り投げることは考えていない』と述べ、続投する可能性を示唆した。自民党の政治資金規正法違反事件を受けた与党への逆風を念頭に、『党勢維持にしっかり道筋をつけるのが責任だ』」(読売新聞オンライン5月31日付)と続投の意思を示していた。

にもかかわらず急遽、退任へと変節したのは、岸田前首相の総裁選不出馬宣言を受けて自民党がお得意の看板の掛け替えで新総裁を選出し、「刷新」「世代交代」を大義名分に衆院の解散総選挙に突入する一方、公明党が古い看板のままで総選挙を戦うのは印象が悪く、選挙戦術上不都合と組織母体である創価学会が判断したからにほかならない。

自民党が旧統一教会問題や裏金事件など、安倍晋三元首相の“負の遺産”を糊塗するために「刷新」を掲げて選挙戦に臨むにもかかわらず、公明党は「桜を見る会」で安倍首相とともに杯を挙げる姿を幾度もニュース映像で流されている山口代表が看板では、あまりにもきまりが悪いということだろう。「自民党は新総裁を選ぶやすぐに衆院の解散総選挙に打って出るだろう。その日程は最短で10月27日投票といわれている。この選挙日程は昨年11月15日に死去した池田大作創価学会三代会長の一周忌、公明党創立60周年の節目と重なっている。そんな大事な時期の衆院選、しかも組織の求心力の要だった絶対的カリスマの池田氏を失って初めて挑む国政選挙に、創価学会は負けるわけにはいかない。

まさに乾坤一擲を賭けてのぞむ衆院選に、オールドネームの山口代表のまま戦ったのでは展望は開けない。ここは厳しい政治状況だが、世代交代の波に乗る形で新代表を押し立て、危機感を煽って組織の全力を挙げて中央突破を図るしかないと創価学会も腹を括ったのだろう」(創価学会問題に詳しいジャーナリストの段勲氏)

 アベ・スガ・キシダ追従、公明党の「平和・清潔・福祉」を地に落とした十余年

振り返れば2009年8月の衆院選での自公惨敗による民主党への政権交代と、大田昭宏代表(当時)の小選挙区落選という事態を受けて、参院議員でありながら緊急避難的に代表に選任されたのが山口氏だった。

その15年に及ぶ代表期間の大半は、2012年末に政権に返り咲いた第二次安倍政権(二次~四次)との二人三脚であり、さらに菅・岸田と続いた自公政権では、格差と分断の拡大、平和憲法と議会制民主主義の破壊、そしてアメリカの属国化に拍車がかかった。その意味では、公明党における山口時代とは、「平和・清潔・福祉」を金看板とした公明党の政治理念を地に落とし、存在意義を自ら破壊した「暗愚の10余年」だったといえるのではないか。

退任に言及した9月10日の記者会見において山口代表は、「公明党らしさは、立党精神にある。民主政治の基本として掲げているものであり、議員の政治姿勢、政党のあり方、政策の方向の根底にある。これからもしっかりと守っていきたい」と語るとともに、今後の政治課題として、「大きな政策目標の柱は『大衆福祉』」「もう一つは『世界平和』だ」と、「福祉」と「平和」の重要性を訴えているが、これはもうブラックジョークとしか言いようがない。

特に山口代表は、公明党創立者の池田氏が示した「大衆とともに」との結党理念の順守・励行を口にしているが、その池田氏が主張した核兵器廃絶や憲法九条の護持、脱原発や軍事費の削減に尽力することはなかった。むしろ池田氏が自らのライフワークとする小説『人間革命』を沖縄で書き始めたことが象徴する、戦火に苦しんだ沖縄を「平和の楽土に」との池田氏の強い思い、ことに「沖縄には核も基地もいらない」との池田氏の再三の叫びを無視して、米軍海兵隊の辺野古新基地の建設を公明党の歴代の国土交通大臣が推進してきたことは、党創立者の意志に反する自家撞着でしかない。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n8d06e59f0a54

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年11月号

『紙の爆弾』2024年 11月号
A5判 130ページ 定価700円(税込み)
【特集】いま政治が問うべきこと
鈴木宣弘東大大学院教授が語る「食料安全保障」 日本の農と食を潰す洗脳を解く
国民を騙して導入し、人と国を弱体化させる消費税を廃止せよ 
川内博史・原口一博(立憲民主党衆院議員)
米国植民地からの脱却が東アジアの平和をつくる 
鳩山友紀夫(元首相)・末松義規(立憲民主党衆院議員)

河野太郎「マイナ保険証」の愚行 米アマゾンに売られる日本の「情報主権」 高野孟
巨大製薬企業は日本人を狙っている! 明らかになった子宮頸がんワクチンの危険性 神山徹
ウクライナ化するフィリピン 米中対立と「アジア有事」の現在地 浜田和幸
日本人が知らされない“極東”の隆盛 ロシア「東方経済フォーラム」で見た世界の現実 木村三浩
自民党総裁選「憲法改正」争点化の姑息 自民憲法改正案は「改憲」とはいえない 足立昌勝
告発者潰しにも維新議員が関与 兵庫パワハラ知事を生んだ維新の無責任と凋落 横田一
「政教分離」をかなぐり捨てる創価学会 公明党・山口那津男代表“一転”退任の真相 大山友樹
総裁選とは何だったのか 衆院解散・総選挙とその後の自民党 山田厚俊
プロボクシングに見た躍進するサウジアラビア 片岡亮
ジャニーズとNHK、そして大阪・関西万博 本誌芸能取材班
統一教会のオカルト洗脳で「脳死」させられたニッポン 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 53 茨城上申書殺人事件 片岡健

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
【新連載】「ニッポン崩壊」の近現代史:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
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60年安保闘争時の東大医学部自治会委員長が、聴診器一本とかんじきで、
半世紀余り地域医療に飛び込んだ著者の自伝的感動のノンフィクション!
在宅医療のパイオニアとして未来に挑戦する!

この一冊からは昭和・平成・令和を生きた
現役の医師である87歳の筆者の静かなる叫びが聞こえてくる。
日本のみならず世界中が不安定な今、戦争・政治・教育・家族・老い、
そして医療とさまざまな角度から導いてくれる、心を打つ、道しるべである。
安藤和津(エッセイスト)推薦

『アルプス少年 医を拓く』黒岩卓夫=著

『アルプス少年 医を拓く』
黒岩卓夫=著
 
A5判 ソフトカバー装280ページ(+カラーグラビア8ページ) 
定価2200円(税込み) 10月15日発売

《目次》
序 章  若栗峰
第一章  滿洲開拓団・棄民
第二章  ソ連(ロシア)侵略と難民
第三章  ハルビンから帰国
第四章  山猿ランプ少年
第五章  松本深志高校から東大合格(理Ⅱ)
第六章  Z旗を掲げて覚悟の医学部へ
第七章  北大路秩子 異次元の女子学生
第八章  六〇年安保闘争
第九章  結婚への脅迫状
第十章  聴診器一本とかんじきで
第十一章 健康やまとぴあ
第十二章 萌気会と桐鈴会の誕生
第十三章 「ゆきぐに大和総合病院」から「魚沼基幹病院」へ
第十四章 在宅医療を語ろう
第十五章 地域共生と「おふたりさま」
第十六章 医療と宗教を考える会
第十七章 ふるさと高地と「半農半医」
第十八章 柄澤和子先生の文化革命
第十九章 萌気会三〇周年――三代黒岩巌志の抱負――
第二十章 茨の道に赤い薔薇を
後 記  革命とは何か

ご購読のほどよろしくお願いいたします! 連休明けの書店発売となりますが、
アマゾンなどのネット書店、鹿砦社通販では予約を受け付けています。

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◆官僚支配・憲法無視・米国追従「能動的サイバー防御」とは何か
 取材・文◎足立昌勝

 

 

「有識者会議」の有名無実

政府は6月7日、国の重要インフラへのサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(アクティブ・サイバー・ディフェンス=ACD)」導入に向けた有識者会議(「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」)の初会合を首相官邸で開いた。岸田文雄首相(当時。以下同)は「我が国のサイバー対応能力の向上は、ますます急を要する課題だ」と強調し、早期に関連法案を取りまとめるよう河野太郎デジタル相に指示した。

以上が、マスコミが報道した内容である。しかし後述するように、有識者会議では「能動的サイバー防御」という言葉は用いられず、「アクセス・無害化措置」という言葉に置き換えている。マスコミはそのことに触れないが、そこにこそ、政府・官僚の国民をだます姑息な手段を見ることができる。

会議では、次の3つのテーマについての分科会が設置された。①官民連携(官民の情報共有・民間支援)②通信情報の利用③アクセス・無害化措置(攻撃者のサーバー等の無害化)。これらの分科会では、最初に事務局である内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室から「御議論いただきたい事項」が提示された。

このことは、非常に重大である。有識者会議は、専門家が各自の知識に基づき実質的な議論をするべき場所だが、実際は建前にすぎず、事務局(官僚)の構想によって動かされているからだ。

そもそも、有識者会議には17名の委員のほかに、政府側からも岸田首相・河野デジタル相・石川昭政デジタル副大臣に加え〝お付きの者?として、大臣と副大臣の官房副長官、国家安全保障局長、3名の内閣官房副長官補と内閣審議官が参加している。また、分科会には事務局であるサイバー安全保障体制整備準備室から室長を含め6名の幹部が出席し、議論をリードしていることがうかがえる。

その第1回会議で政府から提示された資料では、「現行制度上の課題」として、2022年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」に依拠する形で、今後の方向性を次の3点にまとめている。

①官民連携の強化⇒高度な侵入・潜伏能力に対抗するため、政府の司令塔機能、情報収集・提供機能の強化が不可欠。整理が必要な法令の例:サイバーセキュリティ基本法、各種業法

②通信情報の活用⇒悪用が疑われるサーバー等の検知には、「通信の秘密」を最大限に尊重しつつも、通信情報の活用が不可欠。整理が必要な法令の例:憲法21条(通信の秘密)

③アクセス・無害化措置⇒重大なサイバー攻撃の未然防止・拡大防止を図るためには、政府に侵入・無害化の権限を付与することが不可欠。整理が必要な法令の例:不正アクセス禁止法

これら3点を実現・促進するため、強力な情報収集・分析・対処調整機能を有する新たな司令塔組織を設置することが必要だと結論付けた。

ここで注意しなければならない点こそ、「能動的サイバー防御」の言葉が消え、「アクセス・無害化措置」に変更されていることだ。なぜこれらの用語変更をしたのかは、何の説明もないので不明だが、うがった見方をすれば「能動的サイバー防御」という言葉の持つイメージが非常に攻撃的であり、相手方サーバーに積極的に侵入し、攻撃力を消失させるという行為が、専守防衛を国是とする政府の立場から果たして許されるのかについての懸念が各方面から指摘されていたからではないか。
同様の言い換えは、「電話盗聴」を「通信傍受」、「監視カメラ」を「防犯カメラ」に換えて、盗聴や監視という本質を隠蔽し、国民を手なずけようとする官僚の常とう手段である。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n3be6409e9d19

◆シリーズ日本の冤罪〈52〉プレサンス元社長事件 
「村木事件」と同じ過ちを繰り返した大阪地検特捜部
 取材・文◎尾﨑美代子

 

 

2019年12月16日、大阪地検特捜部は、東証一部上場企業(当時)の総合デベロッパー「株式会社プレサンスコーポレーション」社長だった山岸忍氏を業務上横領容疑で逮捕した。山岸氏は、日本史上最多の保釈条件を付けた6回目の保釈請求が通るまで248日間勾留され、多くの財産と、我が子のように育ててきた会社を奪われた。しかし、その後の刑事裁判で山岸氏には無罪判決が下された(検察が控訴しなかったため無罪が確定)。

大阪地検特捜部(以下、特捜部)は2009年、村木事件で当時の厚生労働省局長・村木厚子氏を逮捕するも、裁判で無罪が確定した。しかもこの件で特捜部は、担当検事や上司らが証拠隠滅罪・犯人隠避罪で逮捕され有罪判決を受けるという一大不祥事を起こしている。

プレサンス事件で再び同じ過ちを犯した特捜部は、今回、特捜検事が特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判にかけられる事態となった。事件の詳細を山岸氏の“最強弁護団”の1人・西愛礼(にし・よしゆき)弁護士に取材した(以下、山岸氏と検察官以外の個人名は仮名)。

 山岸氏はなぜ逮捕されたのか

山岸氏の逮捕は、プレサンスが土地売買を手掛けた学校法人明浄学院(当時。本部・大阪市。以下、学院)の元理事長・佐橋由美子氏が、2019年12月に業務上横領で逮捕されたことがきっかけだった。佐橋氏は、2016年4月の理事長就任以前から学校経営に並々ならぬ関心を持ち、いくつもの学校法人に狙いをつけており、学院はその1つだった。

2015年頃、山岸氏に学院の校地買収の案件が持ち込まれる。同案件を進めたのは山岸氏の部下の小森氏だったが、案件が進展しないなか、校地売却による学院の郊外への移転費用、移転先での新校舎の建設費用、退任する理事長の退職金などまとまった資金を、山岸氏の個人資産から貸し付けてほしいと依頼してきた。

当時のプレサンスは急成長を遂げ、3年先までの土地も確保していたため、無理してまで校地を手に入れる必要はなかった。しかし、貸付先が学校法人であること、部下の小森氏や間に入る不動産会社社長・山本氏への信用などから貸し付けを決めた。

その際、佐橋氏については事前の調査でコンプライアンス上の問題点があったため、山岸氏は理事長が別の人物であることを確認したうえで学院への18億円の貸し付けを決めている。

そして2016年3月、山岸氏は山本氏との間で「金銭消費賃借契約書」を交わし、2回にわたって山本氏の会社に送金した。18億円は、そこから学院に送金される予定だった。しかし、その後、佐橋氏によって、佐橋氏のダミー会社や退任する理事長などの手に渡っていた。佐橋氏が小森氏、山本氏を巧みに騙し、学院の経営権掌握に費やしたのだ。

小森氏と山本氏は、当初の計画の変更を余儀なくされるも、その事実を山岸氏に伝えてしまうと激怒され、案件が潰れてしまうことなどを恐れ報告しなかった。最終的に学院の校地を売却したお金で山岸氏への返済ができればよいと考えていた。

ところが、その後、学院と移転先の自治体との交渉が決裂したため、学院は元の校地の半分をプレサンスに売却し、半分に新校舎を再建することとした。プレサンスは土地購入の手付金として21億円を学院に支払ったが、佐橋氏はそのお金を私的に流用(横領)し、山岸氏に借りた18億円の返済に使った。

こうして山岸氏には18億円が返済されたが、山岸氏は全て学院とのやり取りだと認識しており、まさかそこに佐橋氏が関わっているとは全く知らずにいたのである。

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nad61e515d221

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『紙の爆弾』2024年 11月号

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“よりまし”で選ばれた石破茂新首相は、それまでの発言をひるがえして10月27日の総選挙を決定。自民党総裁選がメディア全面協力の事前運動であったことを、まったく隠すことはしません。その総裁選では、自民党のトップを決める選挙にすぎないにもかかわらず、明らかに総選挙に向けた政策アピールが繰り広げられました。それだけならまだしも、姑息にも「憲法改正」を紛れ込ませたことに、私たちは最大の警戒を払うべきでしょう。これらの経緯をふまえつつ、総選挙の動向をみなければなりません。

一方で、野田佳彦元首相を新代表に据えた立憲民主党が、議論をあるべき方向に導けるのか。それもまた、大いに疑問といわざるをえません。そこで本誌では、いま本当に問うべき論点を、「農と食」「消費税」「アジアの平和」と大きく3つに分けて解説。それぞれのテーマから、「グローバル企業の日本(人)への侵食」「mRNA・レプリコンワクチン薬害」「格差社会と大企業による中抜き」などへも議論を深めています。

さらに「日航123便事故と日米謀略」をはじめ、「ニッポン崩壊」といえる現在の苦境になぜ至ったのか、そのターニングポイントに迫るシリーズ連載もスタートしました。

こちらも代表が交代した公明党。山口那津男代表の15年間は、アベ・スガ・キシダの二人三脚を見事走りきった形です。昨年に死去した創価学会・池田大作名誉会長が提唱した「核兵器廃絶」「憲法九条の保持」「脱原発」「軍事費削減」などからは、すでに池田氏の存命中から遠く離れ、安保法制、武器輸出三原則のなし崩し、敵基地攻撃能力容認、原発再稼働といった自民党の政策を大いに支えました。今後、石破政権が加速させるであろう憲法改正についても、森友事件で安倍晋三元首相を国交相としてフォローし続けた石井啓一新代表の創価学会が後押しすることは間違いありません。

レバノンでヒズボラのメンバーが持っていた「ポケベル」「トランシーバー」が爆発。イスラエルの諜報機関・モサドが爆弾を仕掛けたとみられ、世界を震撼させました。その経緯はまだ判明していないものの、「やろうと思えばできる」ということだと思っています。あとは、人間がそれをどのように行なうか、というだけ。イスラエルのAIを駆使した戦術について考察した本誌七月号の青柳貞一郎氏のレポートが参考になります。同レポートではAIによる大雑把な攻撃対象の位置特定・選別で、その家族や周囲の民間人が犠牲になることも容認される、と指摘しています。

今月号で川内博史衆院議員の、「台湾有事」を決めるのは政府だとの指摘は重要です。それに向けた準備として、煽動や刷り込みが着々と進められています。経済が全てでなくとも、一水会・木村三浩代表が報告したような「世界の現実」が、落ち着いて物事を考えるきっかけになればと思っています。神山徹氏の「健康はワクチンや薬でつくるものではない」との指摘も同様に、私たちが取り戻すべき“当たり前”といえます。

ほか11月号では、レプリコンワクチンにとどまらない「ワクチン」そのものの問題、米アマゾンに丸投げされた「政府・国民情報」、“兵庫パワハラ知事”を生んだ維新の今後、日本が蚊帳の外に置かれた“極東地域”の発展など、本誌でしか読めない情報が満載です。全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年11月号

『紙の爆弾』2024年 11月号
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川内博史・原口一博(立憲民主党衆院議員)
米国植民地からの脱却が東アジアの平和をつくる 
鳩山友紀夫(元首相)・末松義規(立憲民主党衆院議員)

河野太郎「マイナ保険証」の愚行 米アマゾンに売られる日本の「情報主権」 高野孟
巨大製薬企業は日本人を狙っている! 明らかになった子宮頸がんワクチンの危険性 神山徹
ウクライナ化するフィリピン 米中対立と「アジア有事」の現在地 浜田和幸
日本人が知らされない“極東”の隆盛 ロシア「東方経済フォーラム」で見た世界の現実 木村三浩
自民党総裁選「憲法改正」争点化の姑息 自民憲法改正案は「改憲」とはいえない 足立昌勝
告発者潰しにも維新議員が関与 兵庫パワハラ知事を生んだ維新の無責任と凋落 横田一
「政教分離」をかなぐり捨てる創価学会 公明党・山口那津男代表“一転”退任の真相 大山友樹
総裁選とは何だったのか 衆院解散・総選挙とその後の自民党 山田厚俊
プロボクシングに見た躍進するサウジアラビア 片岡亮
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【新連載】「ニッポン崩壊」の近現代史:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

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昨年LGBT法成立直後に発行された『人権と利権』、本年8月に刊行された、博覧強記、語学堪能、そして医学の知識を駆使し斉藤佳苗医師が一気に書き綴った大部の書『LGBT思想を考える』に続く『LGBT異論』が9月28日発行の運びとなりました。

 

かつてオウムによって殺されようとしつつもカルトと果敢に闘ってきた滝本太郎弁護士、現代フランス文学のレジェンド堀茂樹慶応大学名誉教授、フェミニズム界で孤立しつつも、その腐敗と復活のために闘う千田有紀武蔵大学教授らを中心として多くの方々に執筆、寄稿をいただきました。

内容は多様でぎっしりながら、定価990円(税込み)とお買い求めやすい価格でもあり、ぜひご購読ください。

以下のように緊急事態発生のため、ここでは、本書『LGBT異論』の詳しい内容は省きますが、寄稿者の一人、森奈津子さんは、昨年『人権と利権』を編纂し当社より発行、大きな話題となりました。またここ数年、いわゆる「しばき隊大学院生リンチ事件」について被害者支援、真相究明、加害者糾弾について「別個に進んで共に撃つ」形で共闘してきました。

そして、このたび、9月20日に本書の内容を情報公開した直後、森奈津子さんに対して理不尽な攻撃が勃発したのです。あろうことか森さんが講師を引き受けた、「千葉県人権啓発指導者養成講座」の「女性に関する人権」のテーマの講座に対し、これに不満を持つ徒輩が、森さんを勝手に「差別者」認定し講師を解任するように千葉県に迫ったのです。

特に、本年3月、共同代表による性加害で逮捕者を出した「TransgenderJapan」など、わざわざ要望書を千葉県に持参し直接申し入れています。そんなに森さんの発言に困ることがあるのでしょうか?

くだんの「TransgenderJapan」はみずからの団体の幹部が逮捕されたことをどう反省したのか? それを対外的に真摯に明らかにするのが先決で、それなくして他人の講座にちょっかいを出す資格などありません。

[左]「TransgenderJapan」はわざわざ千葉県庁に要請書を持って申し入れに行っている/[右]「TransgenderJapan」共同代表(当時)逮捕のネット記事

森さんは昨年、LGBT法案の委員会審議で滝本太郎弁護士と共に参考人として呼ばれ発言するほど、当事者としてLGBT問題、女性の人権について発言する知見と資格があります。

出版社としては著者を防衛することは当然であり、この件に対しては断固連携して闘います。

こういうことで、日頃は綺麗ごとばかりを宣う「LGBT法連合会」や、これを支持する政党、立憲、日共、社民、れいわは、どう動くのか? ことは一人の有能な知識人の「言論の自由」を潰しかねない重大な問題なのだ、わかっているのか!?

◆「しばき隊大学院生リンチ事件」の加害者側人脈の蠢動を許すな!

私たちの物事を見る指標に、くだんの「しばき隊リンチ事件」があります。ここで加害者側に立った徒輩(またこれにつながる者)らが森さん攻撃に与していることは決して偶然ではありません。今回の犬笛を吹いたのも、しばき隊のボス野間易通です。

LGBT問題にしろ、今回の問題にしろ、野間易通はじめ、リンチ事件加害者側につながる、いわゆる「しばき隊」(~系)の人物が蠢いているのは偶然でしょうか?

野間易通がリークし、リンチ加害者と昵懇の者が拡散

リンチ事件について私たちは真相究明として6冊もの本を出しました。毎回リンチ直後の凄惨な顔写真を付け、リンチの最中の阿鼻叫喚の音声データを付けたものもあります。このリンチ事件は、将来ある大学院生(当時某国立大学大学院博士課程在学)の人生を狂わせました。被害者はいまだにリンチのPTSDに苦しんでいます。不憫です。

いまだに「リンチはなかった」などと吹聴している者がいますが、まさに「偽造するスターリン学派」(トロツキー)です。

今また、LGBT当事者として長年活動してきた森さんの、ささやかな言論の場さえ奪おうとするLGBT活動家やしばき隊(~系)活動家らによる理不尽な攻撃には、少々の意見や考え方の違いを越え一致して反撃しなくてはなりません。ことは憲法21条「表現の自由」に関わる深刻な問題なのです。

◆しばき隊(~系)活動家やLGBT活動家は「左翼」でも「極左」でもない!

 

森さんへの不当な県知事の発言に抗議する千田有紀教授。「ぽんたCafe」は千田教授のアカウント

ついでながら、森さんには常々申し上げているのですが、しばき隊(~系)活動家やLGBT活動家は「左翼」でも「極左」でもありません。単なるゴロツキ暴力集団にすぎません。昔風に言えば「反革命」「修正主義」ということでしょうか(古い!笑)。

「左翼」「極左」とはまず権力に対して闘うことが基本ですが、彼らが権力と闘っていることなど見たことが在りません。かつては「警察のみなさん、ありがとう」などと中核派や新左翼系ノンセクトグループを暴力的に弾圧する機動隊に「ありがとう」などとエールを送っているのです。こんな「左翼」「極左」はありえません。

学生時代、少なからず「左翼」「極左」の活動に関わった私や滝本太郎弁護士としては、彼らを「左翼」、さらには「極左」などと呼ぶのはおこがましいです。まだ曲りなりに権力と闘っている中核派を「極左」というならわかりますが(ちなみに中核派の杉並区女性議員は区のLGBT条例に反対しました)。

森さんや読者のみなさん、これからは彼らを「ゴロツキ暴力集団」と呼びましょう! 決して「左翼」とか「極左」と呼ばないように!

森さんの問題、今現在、まだ流動的ですが、注視していきましょう! 講座の予定は来週10月2日、この週末から週明けにかけて大きな動きがあるものと予想されます。もし理不尽な処置がなされたならば断固一致して抗議しましょう!

(松岡利康)

【続報!】先にご報告した、森奈津子さん女性の人権講座解任問題ですが、昨日9月26日夕刻、中止が決定、千葉県のHPで公表されました。

※令和6年10月2日(水曜日)に全日警ホールで開催を予定しておりました千葉県人権啓発指導者養成講座 1「被差別部落出身者に関する人権」「女性に関する人権」については諸般の事情により中止となりました。

とのことですが、詳しい説明はありません。「諸般の事情」って何?

また、昨日、滝本弁護士らが千葉県庁を訪れ上申書を提出したとのことですが、一顧だにされず、あっというまの決定でした。

滝本弁護士の側近の方によれば、

知事には会えず、担当部署の人が対応したそうです。(逃げたか?)
画像を送ります。
いつものことといえばいつものことですが、こんな適当な部屋で。
県の担当者からは、その場で中止が確定していると告げられました。
「今回の中止は知事がxで発信する直前の20日頃から、
担当に苦情がたくさん入ったため、安全に出来ないので中止」と、
「安全面の考慮」という逃げの常套句での説明でした。

 

憲法問題にも抵触する問題ですから、本件に対しては断固弾劾しなくてはなりません。

さらに展開あれば継続的にご報告いたします。

※               ※               ※

 

『LGBT異論 キャンセル・カルチャー、トランスジェンダー論争、巨大利権の行方』
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著 

A5判 164ページ(本文160ページ+カラーグラビア4ページ) 
   定価990円(税込み)  
   紙の爆弾10月号増刊 9月28日発売

【内容】
1: [対談] 堀茂樹×滝本太郎 世界を席捲する新たなカルト=「性自認」思想の現在
2: 千田有紀 フェミニズムの再生を求めて
3: 井上恵子 東京大学三浦俊彦教授の記事に対する東京大学関係教員有志声明の批判──その問題点
4: 杉島幸生 『トランスジェンダーになりたい少女たち』から考える
5: キャロライン・ノーマ オーストラリアにおけるジェンダーイデオロギーから子供たちを救おうとする私の妹の闘い
6: 滝本太郎 LGBT理解増進法について
7: 滝本太郎 前提として知っておきたいこと
8: 滝本太郎 2つの考え方の図
9: 三浦俊彦 LGBT支援のための前提条件
10: 森奈津子 男性器つき女性を誕生させたい政治家たち
11: 滝本太郎 性自認主義の進展──特例法について司法の状況
12: 玉置祐道 女性スペースの管理と法律の現状と問題点
13: 益田早苗 LGBTQ当事者の子育て:子どもの安定した生活と最善の利益を守る
14: 郡司真子 学校で危ない性教育?
15: 滝本太郎 性自認至上主義は、カルト的な思想運動である
16: 斉藤佳苗 『LGBT問題を考える』を出版して

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHGBQC8X/
◎楽天 https://books.rakuten.co.jp/rb/18009428/
◎紀伊國屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-04-4910027201044
◎ヨドバシ https://www.yodobashi.com/product/100000009003917973/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000752

オウムに殺されかけながらもカルトとの闘いを続ける滝本太郎弁護士、我が国を代表する現代フランス文学研究家・堀茂樹慶應義塾大学名誉教授、フェミニズム研究の第一線で闘う千田有紀武蔵大学教授、ご存知作家森奈津子らを中心として多様な言論・主張をまとめた『LJBT異論』が9月28日に発売の運びとなりました。ぜひご予約を!

※               ※               ※

『LGBT異論 キャンセル・カルチャー、ジェンダー論争、巨大利権の行方』
女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著
 

A5判 164ページ(本文160ページ+カラーグラビア4ページ) 
   定価990円(税込み)  
   紙の爆弾10月号増刊 9月28日発売

 

【内容】
1: [対談] 堀茂樹×滝本太郎 世界を席捲する新たなカルト=「性自認」思想の現在
2: 千田有紀 フェミニズムの再生を求めて
3: 井上恵子 東京大学三浦俊彦教授の記事に対する東京大学関係教員有志声明の批判──その問題点
4: 杉島幸生 『トランスジェンダーになりたい少女たち』から考える
5: キャロライン・ノーマ オーストラリアにおけるジェンダーイデオロギーから子供たちを救おうとする私の妹の闘い
6: 滝本太郎 LGBT理解増進法について
7: 滝本太郎 前提として知っておきたいこと
8: 滝本太郎 2つの考え方の図
9: 三浦俊彦 LGBT支援のための前提条件
10: 森奈津子 男性器つき女性を誕生させたい政治家たち
11: 滝本太郎 性自認主義の進展──特例法について司法の状況
12: 玉置祐道 女性スペースの管理と法律の現状と問題点
13: 益田早苗 LGBTQ当事者の子育て:子どもの安定した生活と最善の利益を守る
14: 郡司真子 学校で危ない性教育?
15: 滝本太郎 性自認至上主義は、カルト的な思想運動である
16: 斉藤佳苗 『LGBT問題を考える』を出版して

 

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000752

月刊『紙の爆弾』の最新号記事がnoteで一部公開・購読可能となりました。記事単位での購入も可能になりましたが、『紙の爆弾』はあくまで紙がメインのメディアです。興味を持っていただけましたら、ぜひ書店でお手にとっていただければ幸いです。定価700円(税込)、年間定期購読7700円(1号分お得です)。ここでは10月号(9月7日刊行)の注目記事を紹介します。

◆日本にも進出する情報統制機関 政府・企業・組織「検閲産業複合体」の脅威
 取材・文◎青柳貞一郎

 

 

 米国で明かされた「検閲産業複合体」の存在

国境なき記者団が毎年発表する国別「報道の自由度ランキング2024」で日本は70位。戦争中のウクライナ(61位)にも劣ります。

一方、米国は55位。米国は憲法修正第1条に「言論の自由」が保証されているはずですが、2017年にオバマ大統領は、国家授権法(NDAA)に従って、米国にとって都合の悪い情報を選択・排除する連邦機関を作り、「Global engagement center(GEC。Engagement=関与)」と無難な名称を付けて、主に自国民を対象にしたプロパガンダ戦争に利用するため稼働させました。

それ以降、CNNやワシントンポスト、NYタイムズといった米国大手メディアはGECの検閲通りの情報発信をするようになり、これらのニュースを「権威」として受け売りする日本のメディアも(情報の真偽と関係なく)そのまま垂れ流すことになります。

米国でX(旧ツイッター)の検閲状況について詳細に報告したジャーナリストのマット・タイビ氏は、このGECやFBI、国土安全保障省などと政府が援助するシンクタンク、スタンフォード・インターネット・オブザバトリーなどの中立に見える非政府組織、大学、民間ファクトチェッカー会社などが統合的にフェイスブック、X、グーグル、ユーチューブなどのソーシャルメディア・プラットフォームを提供する民間企業に対する検閲を行なっており、検閲される企業側も一般の投稿を削除する役割を持つため、それら全てを民衆(社会)の意見や見解をコントロールする機能を持っているとして、「検閲産業複合体」(Censorship industrial complex)という名称で紹介しました。

この複合体は、豊富な資金を元に政府や権力者側にとって都合が悪いとされる情報を検閲・削除するとともに、民衆が信ずるべき“情報”を作成・拡散させる機能も持つとされます。

2023年3月9日、米国下院「連邦政府の武器化に関する特別小委員会」で証言した環境活動家でジャーナリストのマイケル・シェレンバーガー氏は、政府機関、学術機関、非政府組織などの拡大ネットワークがCOVIDの起源、ワクチン、バイデン親子のビジネス取引に関するメール問題、気候変動、再生可能エネルギーなどに関する問題について2016年から2022年の間に米国市民を積極的に検閲していた実態を、56ページに及ぶレポートで報告しました。

その中で彼は、世界対テロ戦争中に米軍が開発した、確立された心理操作の方法と、人工知能を含むコンピュータサイエンスのツールを組み合わせて、政府が「ファクトチェック」を装い検閲を行なっていると指摘しています。

そして検閲産業複合体はジャーナリストやソーシャルメディアに対して「正確な情報は偽情報」であり、「有効な仮説は陰謀論」であり、「検閲を強化することで報道が正確になる」と信じ込ませてきました。

 日本にも導入される検閲産業複合体

※記事全文はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n9c22237c5644

▼青柳貞一郎(あおやぎ・ていいちろう)
医師。医療・軍事ジャーナリスト。東京医科大学名誉教授。温暖化とコロナに流されない市民の会代表。ブログ https://blog.goo.ne.jp/rakitarou

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年10月号

『紙の爆弾』2024年 10月号

『さらば日大!』和田秀樹医師が暴く日本大学と「医学部」「医師界」の闇
旭川女子中学生凍死事件 再調査委員会が隠した社会の病巣 山田寿彦
安倍・岸田軍拡43兆円の無駄遣い 隠蔽主義の「カルト集団」防衛省・自衛隊 清谷信一
日本にも進出する情報統制機関 政府・企業・組織「検閲産業複合体」の脅威 青柳貞一郎
広島市の妨害を民衆が打破 平和記念式典「反戦集会」 浅野健一
“勝ち目”のあるうちに退いた 岸田文雄首相「退陣表明」の裏側 山田厚俊
僚支配・憲法無視・米国追従 「能動的サイバー防御」とは何か 足立昌勝
国民より先に米国に“退職報告”していた岸田首相 
ウクライナの侵攻を「越境攻撃」と呼ぶ欺瞞 木村三浩
兵庫県知事パワハラ疑惑は「維新的」政治家の成れの果て 吉富有治
大屋根リング・会場周辺で“実測” 灼熱の大阪・関西万博 横田一
米大統領選の隠れた争点 日本製鉄のUSスチール買収計画 浜田和幸
子宮頸がんワクチンを打ってはいけない理由 「ワクチン添加物」という“毒” 神山徹
IOCの体質こそ根本原因 パリ五輪ボクシング“染色体問題”の本質 片岡亮
“性加害”補償進まぬウラで 旧ジャニーズと離脱組「TOBE」の明暗
地獄の黙示録1984+40 佐藤雅彦
シリーズ日本の冤罪 52 プレサンス元社長事件 尾崎美代子

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
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10月号では、インターネット空間における国家の関与に焦点を当てました。そのひとつは、政府や企業、政府が支援するNGO、大学などが一体となって構成された「検閲産業複合体」。すでに日本社会において“公式”と異なる情報や見解が「偽情報」「誤情報」として「ファクトチェック」にかけられ、検閲・削除が行なわれていることは、少なくない人々が実感しているところです。

本誌2023年11月号に登場した原口一博衆院議員(元総務相)は、「日本ファクトチェックセンター(JFC)」が憲法21条「検閲の禁止」に違反するのではないかと指摘。2020年、総務省は「インターネット上のフェイクニュースや偽情報への対応」として、米国コンサルティング会社に丸投げする形で、2025年までにネット上の偽・誤情報対策技術の社会実装に向けた開発・実証事業を創設すると公表しています。

戦争を煽り利権化する「軍産複合体」のように、企業・組織・機関が政府と具体的に結びつき、「検閲」を産業化する構造が、我々の社会をより深くコントロールしようとしています。

同時に日本政府は、国家安全保障戦略の一部として、国の重要インフラへのサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の構築を進めていますが、これは政府やそれに準ずる機関が相手のサーバーに侵入(攻撃)する行為です。

憲法や、強制捜査における「令状主義」に反しないのかといった議論は、政府の中に見当たりません。要するに、政府側は「誤情報防止」や「防衛」の大義名分の下で、情報統制からサイバー攻撃までやり放題となっているということです。

そうした中、今月号では体制による“言い換え”問題に、いくつかの記事が触れています。「監視カメラ」は「防犯カメラ」として、その本質が隠されているように、前述の「能動的サイバー防御」は「アクセス・無害化措置」と言い換えられ、相手方サーバー侵入という現実が隠されています。

ロシア・ウクライナ戦争でも、ロシアは「侵略」で「ウクライナによる侵攻」は「越境攻撃」です。そしてマスコミは自民党総裁選を「次の首相を決める」と同党の広報に丸乗りし、次の選挙に向けて宣伝協力を続けています。

『さらば日大!』(ブックマン社)で日本大学の問題を明らかにした和田秀樹医師は、本誌インタビューで、体制に従順な「日本の医者」を、その入口である「医学部」から分析。加えてコロナ(mRNA)ワクチン問題も絡め「自分でデータを探す」ことの重要性について提言しており、これは先に述べた国家ぐるみの情報統制に、私たちがどう対抗するかということにも通じます。

アメリカではジョー・バイデン大統領撤退により、米大統領選の民主党候補がカマラ・ハリス副大統領に変更。これに関して本誌連載のKダブシャイン氏が、見逃せない指摘を行なっています。ほか、マスコミで語られない「岸田軍拡43兆円」の無駄遣いといえる中身、朝日新聞が本誌5月号記事を批判した「旭川中学生凍死事件」、子宮頸がんワクチンをはじめとした「ワクチン添加物」の危険性など、今月号も独自の視点からレポートをお届けします。

全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年10月号

『紙の爆弾』2024年 10月号

『さらば日大!』和田秀樹医師が暴く日本大学と「医学部」「医師界」の闇
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◆最高裁で判決が確定しても、彼らは自分たちの誤り、非を認めない

9月2日朝の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)でコメンテーターの玉川徹さんが、兵庫県の斎藤元彦知事がなぜ辞めないのかについて、「行政官僚らの無謬性(むびゅうせい)にあるのではないか」と話されていた。無謬性とは、日本の政府や大企業がの官僚組織でほとんど無意識のうちに前提とされている原則。ある政策を成功させる責任を負った当事者の組織は、その政策が失敗したときのことを考えたり議論したりしてはいけないという信念、だそうだ。

玉川さんの発言をXで書き起こしている人がいた。

「国が行政訴訟をおこされて、例えば冤罪とか薬害とか。絶対に最後まで求めない。最高裁で判決が確定するまでは」と。

◎[関連記事]玉川徹氏 斎藤知事を“分析”「最高裁で判決が確定するまでは認めない国と同じ感覚なのでは」(2024年9月2日配信スポニチ)

いや、それはちょっと違う。最高裁で判決が確定しても、彼らは自分たちの誤り、非を認めない。再審で無罪となったあとも、桜井昌司さん、青木恵子さんは警察、検察に「犯人と思っている」と言われたように。

 

青柳雄介『袴田事件 神になるしかなかった男の58年』(文春新書)

◆袴田巖さんに再度「死刑」を求刑した検察官

9月26日には袴田巖さんの再審に判決が下されるが、週末、青柳雄介さんの『袴田事件 神になるしかなかった男の58年』(文春新書)を一気に読んだ。

再審法廷で、弁護団の小川弁護士が検察官に向かって諭すようにこう話されたと書いてある。

「袴田巌さんに今日のこの日に出廷できないほどのダメージを与え続けたのは野蛮な警察、検察です。過去に、先輩たちがおこしたこと、あなたたちの責任ではない。ですからどうかこれ以上の有罪立証はやめてほしい」と。

しかし、検察官は延々と袴田さんが犯人とする立証を続け、残酷にも再度「死刑」を求刑した。

飯塚事件の久間三千年さんも一貫して無実を訴えていたが、死刑判決が下されたのち、2年あまりで死刑執行された。しかし、死刑執行されてもなお、闘い続ける人たちがいる。 遺族、支援者、弁護団……。そしてその後の2回にわたる再審請求で、久間さんが犯人でない多くの証拠が明らかにされた。 

◆9月14日は徳田弁護士のお話をお聞きするために、ぜひお集りください!

ずさんな捜査、嘘の証拠、捏造した証拠で久間さんを死刑にいたらしめた人たちは、何を考えているのだろうか? 斎藤知事のように、2人の職員を自死に追い込んでおきながら、ぬけぬけと「私(たち)の判断は間違っていなかった」といえるのだろうか?

9月14日は、徳田弁護士のお話をお聞きするために、ぜひお集りください!

◎[関連記事]徳田靖之さん 弁護士/辺境の声なき声 酌み続け(川名壮志)(2024年1月配信日本記者クラブHP)

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

《9月のことば》疲れたら眠る(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

9月に入りました ── 今年の夏は例年にない記録的猛暑でした。
まだしばらく残暑が続くようです。
そろそろ疲れが出てくる時期です。

また、世事の悩みもままあります。
そんな時には、くよくよ考えずに思い切って眠りましょう! 
なにか妙案が出てくるかもしれません。

Tomorrow is another day. 
(明日は明日の風が吹く)

猛暑もあってひいひい言ってる間に今年も3分の2が過ぎてしまいました。
月日の経つのは本当に速いものです。

今年残り3分の1を全力疾走するしかありません!
なかなか厳しい状況が続きますが、なんとしても、幾度目かの“奇跡の復活”を遂げなければなりません。

いつまでも鹿砦社と共に歩んでいただきたく願います。

(松岡利康)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか


◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

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