◆あたかも人体実験を行うように

76年前、1945年8月6日午前8時15分広島上空で、大量殺戮を目的とした人類史上初の原子爆弾が投下され、爆発した。爆心地直下のひとびとは即死し、数万人が火傷を負い、苦しみながら死んでいった。あの戦争を「大東亜戦争」と呼び、中国から戦火を広げてゆき、無謀にも米国までに戦争をけしかけたのは、「大日本帝国」だった。だから米国内にはいまでも「あの戦争を終わらすために原爆は必要だったし仕方なかった」と本気で考えるひとびとがいる。

「ヒロシマ・ナガサキ」は世界で通じる原爆や核兵器の恐ろしさを伝える、象徴的な都市名となり、直接の被爆者だけではなく、世代をまたぎ健康被害が発生することも確認されている。あたかも人体実験を行うように、その姿を観察している連中がいる。

原爆をはじめとする核兵器は廃止すべきだ、との意見や国際的な潮流は確実に広がりつつある。他方10年前に世界で初めての原発4機爆破事故により、首都圏壊滅の危機に瀕したことすら忘れて、原発の再稼働にやっきになり、運転期間を40年から60年に延長し、それでも飽き足らず「60年以上の運転を認めたい」と真顔で狂気を語る政府のもとで、わたしたちは生活を余儀なくされている。

◆『成功物語』を演じ切りたい彼らの目論見

「東京五輪」をわたしは1945年8月6日を引き合いに出し、あの日に相当する惨禍と、あとから振り返れば「とんでもない出来事」と評されるに違いないと断じてきた。その思いは変わらない。五輪は「これでもか、これでもか」とテレビで中継されるだろう。参加選手の「個人史」を美化することにより、安っぽい感動を数限りなく創作しようと、テレに制作会社スタッフは夜を徹して準備に励んでいることだろう。新型コロナに感染した選手が半ば行方不明になったり、開会式の作曲を担当していた人物が、過去のいじめ加担で直前に外されたり細かなインシデントは数限りなく発生するだろう。

しかし、大地震でも来なければわたしは、きょうを限りに「東京五輪」について書くことを一切やめる。「東京五輪」はそれが薄っぺらな感動物語であれ、スキャンダルであれ、注目されることを欲しているからだ。奴らの目論見はもちろん「カネ」であるが、「なんでもいいから国内外の注目を浴びて、結果的に禍々しさを忘れさせ『成功物語』を演じ切りたい」との目論見があるとわたしは睨んでいるからだ。

この原稿を最後に「東京五輪」については、大地震でも起こらない限り私は言及することをやめる。じつはそれが、個人が取りうる自身にとってミニマムではあるが有効な態度ではないか、これがわたしの結論だ。

◆「TOKYO CHAOS」混沌の中の地獄

1945年8月6日から同年8月15日までは、10日もない。結果はもうわかっているのだ。東京を中心としてコロナは爆発的に感染を広め、五輪参加選手や大会関係者の感染も多発するだろう。テレビや新聞はそれでも「感動物語」の創出に熱心で、五輪に懐疑的なひとびとを、圧倒的な量の「感動物語」が包囲してゆく。灼熱の中、マスクをして行き交う生活者の中からは、交通規制や予期しないトラブルで熱中症がひっきりなし。五輪を強行しようとする連中の予想を超えたメンタリティーが東京を中心に生じるかもしれない。

コロナがなくても外国からの「要人」来訪には、厳重な警備が用意される。開会式には複数国から警備を必要とする「要人」がやってくるのだろう。千葉県警と、警視庁はその警備だけで大忙しだ。しかもなにを考えたのか、WHOのテドロス・アダノム事務局長が来日し、IOCの会議に出席した! WHOはいつから、犯罪組織に変わったのだ。これから数週間の概観は、「東京五輪」を中心とした「TOKYO CHAOS」が展開されるに違いない。そうとは気づかぬ向きも多いかもしれないが、混沌の中の地獄だ。

こうやって「灼熱下の血も凍る悪魔の祭典」は進行してゆく。わたしの体温は外気と反比例にますます下がる。この国は、そして世界はどこまでも堕ちてゆく。論じる価値からはるかに外れて落ちてゆく。五輪に関する限り、あらゆる細部を論じることはまったく意味がない、これ以上連中のレベルに引きずり降ろされたくはない。

敗戦後の準備をなるべく早くはじめることだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

鹿砦社がツイッター上で李信恵から、散々な罵詈雑言を浴びせられたため、仕方なく名誉毀損による損害賠償を求め提起した裁判の終結直前になって、李信恵側は「反訴したい」と主張し出した。裁判官はそれを認めず、別の訴訟として李信恵が原告となり、鹿砦社を被告として訴えた民事訴訟の一審(大阪地裁)判決は、あろうことか165万円の賠償金と、本通信記事の一部削除を命じる〈不当判決〉だった。当然われわれは上級審の大阪高裁に控訴し、その判決をいよいよ7月27日に迎える。(控訴人=株式会社鹿砦社、被控訴人=李信恵)

 

因縁の大阪地裁/高裁

◆不可解な判決の連続に首を傾げる

再度強調しておかなければならないが、この一連の裁判を初めに提起したのはわれわれ鹿砦社であり、その訴訟で一審(大阪地裁)、控訴審(大阪高裁)ともに李信恵の不法行為を認定しわれわれは勝訴しているのだ(上告を取り下げ確定)。にもかかわらず、不可思議な別訴に対し、大阪地裁は数々の事実誤認と、思い込みとしか考えられない筋の通らない理屈を根拠に165万円もの賠償金と本通信記事の一部削除命令を内容とする判決を下したのだ。

「カウンター大学院生リンチ事件」とか「しばき隊リンチ事件」といわれる「M君リンチ事件」に関係する訴訟には、純粋な司法判断とはどこか異なる、不自然な“もや”のようなものが常に付きまとっている。政治的な背景があるのではないか、とすら考えざるをえない判決の連続や(このかん和歌山カレー事件再審で話題の元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士によれば「報告事件」というものがあり、これは最高裁からの指図で、これに指定されると、どうあがいても勝てない訴訟があるとされ、当初はそんなバカなと思いつつも、こうも不当判決が続くと真実味を実感する)、マスコミの恣意的な報道管制。本来だれにでも使用権限があるはずの司法記者クラブ(大阪地裁・高裁の中にある記者クラブ)からことごとく締め出され、一度も記者会見を開かせてもらえていない現実。これらはやはり“何らかの背景”なしに起こりうる事象ではない。

本人尋問で大川弁護士の追及に答えきれず涙ぐむ仕草で裁判官の心証に訴える李信恵(画・赤木夏)。後ろに代理人の神原・上瀧弁護士。2020年11月24日、大阪地裁で。この後、傍聴に来ていた伊藤大介は深夜暴行・傷害事件を起す

李信恵の「謝罪文」(全7ページの内の2ページ)。のちに撤回したことに李信恵の人間性が表われている

 

リンチの是非を問うた人に開き直って恫喝する李信恵のツイート

◆われわれは死力を尽くした! 

そういった背景の中、一審の大阪地裁は、上記の通り不当判決を下したのであったが、控訴にあたり、われわれは死力を尽くした。まず元裁判官(大阪高裁にも勤務)の森野俊彦弁護士に弁護団に加わっていただいた。『週刊金曜日』によれば、「裁判所の内外で発言を続けた裁判官は、森野俊彦氏しかいない」とされ、失礼な物言いながら、当初予想した以上に優れた方であることがすぐに判った。従前より一連の訴訟を担当していただいている大川伸郎弁護士、森野弁護士を中心に何度も打ち合せを行い、精神科医・野田正彰先生にM君の「精神鑑定」を行っていただき、ニューヨーク州立大学名誉教授で心理学者の矢谷暢一郎先生からも海の向こうから「意見書」を頂いた。いずれも重厚な内容である。

そして地裁判決が素人目にも粗雑であって(例:証拠として提出してある書籍の中にある人物の電話取材を掲載しているが、判決文では「取材をしていない」と断言している。裁判官はろくろく証拠に目を通していないのだ)、重要な事実認定に妥当性を欠き、判決全体が恣意的な内容であることを「控訴理由書」、およびこの補充書で指摘した。さらには、われわれの委託を受けて取材に飛び回ってくれた、ジャーナリスト寺澤有氏の「陳述書」、さらには鹿砦社代表・松岡の渾身の「陳述書」など、これまでになく力を込めた。

勝ち負けは別として、これだけ衆智を結集した。果たして大阪高裁が、これらの知見を越える判断を示すか、興味津々だ。

大阪地裁判決前に、まさかこのような〈不当判決〉が下されるとは、われわれは予想だにしていなかった。だから、控訴審に向けては限られた時間の中で弁護団の先生にはかなりの無理をお願いし、われわれも死力を尽くした。

これ以上の証拠や、地裁判決を弾劾する法的哲学、論理は探求しようがない、といえるところまで「控訴理由書」、この補充書は研ぎ澄ました。野田正彰先生、矢谷暢一郎先生のご尽力には感謝に堪えない。

論理的にわれわれは、負けるはずはないと確信している。しかし、裁判所は証拠と論理を揃えても、一般人の「市民感覚」から遊離した判決を少なからず出すことがあることも知っている。

李信恵の「名言」の数々(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)

◆7・27控訴審判決に注目を!

繰り返す。われわれは死力を尽くした。当然地裁判決破棄の判決を期待するが、判決の如何に関わらずできうることはすべてやり尽くした。判決の如何を問わず、「やれることはすべてやり切った」との想いが強い。

だから、大阪高裁には“真っ当”な判決を出してもらわねばならない。7月27日(火)13時15分から大阪高裁(別館)82号法廷で判決言い渡しが行われる。猛暑の中であるが、関西在住の方で都合のつく方は傍聴に結集を! 判決は、結果の如何にかかわらず当日速報を打つ予定だ。圧倒的な注目を! 

 

自ら泥酔したことをツイート。常識的に考えれば、1升近く飲んで泥酔しないわけはない

ちなみに、集団リンチの被害者M君は、いまだにリンチの後遺症に苦しんでいる。一方で、加害者グループの一人として実際にリンチの現場に居合わせ、1時間ものリンチを見聞きしつつも止めもせず、救急車やタクシーを呼びもせず、師走の寒空の下に放置して立ち去った李信恵は何の反省もなく、最近も(コロナ禍で少なくなっているとはいえ)各地の「人権団体」や行政などの招聘で講演旅行に回っている。

李信恵は、この時代「反差別」の象徴、あるいは旗手たり得る人格と思想を備えているであろうか。「日本酒に換算して1升近く飲んだ」(李信恵本人のツイート)と平然と公言するほど泥酔した挙句、集団リンチ事件に連座した責任を、どのように申し開きできるのだろうか。われわれは〈あらゆる差別に原則的に反対する〉が故に、この闘いを貫徹してきた。少なからずの傷も負っている。だが、〈差別〉に関する限り〈原則〉は譲ることはできないのだ。〈本当に撃つべきもの〉は何であるのか?この問いに立脚することをわれわれは一時(いっとき)も忘れはしない。

「因果応報」という言葉がある。この通信でもことあるごとに述べているが(7月12日号参照)、かつて「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧事件で鹿砦社弾圧に手を貸した者がことごとく再起不能なまでに失脚したことをわれわれは知っている。それは決して“偶然”だろうか――われわれは「因果応報」という言葉を信じる。リンチの被害者がこの後遺症に苦しみ、加害者が表舞台で「反差別」や「人権」などを語る講演三昧などという世の中は不条理だ。

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

『暴力・暴言型社会運動の終焉』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B08VBH5W48/

新型コロナウイルスの感染者は、7月の中盤に東京では1000人を超え、「東京五輪」が強行開催されれば、その開始時点で東京を中心に、医療機関は逼迫し、開催中には海外からやってきた五輪関係者にも感染者が相次ぎ、間違いなく混乱が起きるだろう。わたしは第四波までの感染者の推移を眺め、素人ながら過去の感染者数の増減と地域的な広がりを参考にそのように予想していた。

感染者は東京都で既に1日あたり1000人を超えている。この数はまだ増えるだろう。梅雨が明け猛暑がやってきた関東地方。蒸し暑い風は吹き抜けるが、都心高層ビル屋上のビアガーデンで、凍らせたジョッキに注がれた生ビールを煽って「クーッ! 課長! やっぱり夏はこれに限りますね! ワッハハハ!」ってな息抜きも許されない。

◆こんな状況でいったい誰が「東京五輪」をテレビで視聴するだろうか

テレビは面白くもないバラエティー番組を、ひな壇芸人の数で埋め合わせようとして、結局まったく面白くなくなった苦い経験を忘れたかのように、連日「五輪中継」や「五輪の話題」を盛り上げようとエネルギーをつぎ込むだろう。でも会場には観客はいない。声援も上がらない。見たい番組があろうがなかろうがテレビをつけっぱなしにしているのが習慣化しているのは、きょうび高齢者に限られる。

専業主婦はスマートフォンを手に入れてから、徐々にテレビから離れた。昼(昼下がり)の時間帯に「メロドラマ」がめっきり少なくなったのはそれが理由だろう。子供たちは夏休みになったって、外遊びをするわけではないが、かといってゲーム以外で液晶に向かうことはない。多くの勤労年齢成人はリモートだろうが、通勤だろうが昼間は仕事に就いている。

さて、こんな状況でいったい誰が「東京五輪」をテレビで視聴するだろうか。いい方を変えよう、誰が「喜んで」あるいは「期待をもって」「東京五輪」をテレビで視聴するだろうか。例えば開会式は中継されるだろう。実際のところ「いったいどんな開会式やってるんだか」あるいは「事実をもって批判するためには、自分の目で見ておかないと」という動機で視聴するひとが、大勢になるのではないだろうか(わたしは自宅にはテレビがないので、五輪があろうがなかろうがテレビを見ることはない)。

◆わたしたちの頭脳は記憶を留める能力を、著しく失っている

7月16日IOC会長バッハが広島を訪問した。報道や個人的に聞くところによれば、異例の厳戒態勢での受け入れであったにもかかわらず、平和祈念公園周辺だけでなく、複数個所で抗議行動が行われたようだ。地元広島市民の受け止め方も、冷めたものだったようだ……。

さて、いよいよ酷暑下で「血も凍る悪魔の祭典」が行われる。会場となる東京都にとっては、自殺行為にも近い「血も凍る悪魔の祭典」。人間の退化と理性喪失の象徴、嘘っぱちの感動物語、資本による利益追求の究極形、そして永年機能してきた通りの世論操作装置。

これから数週間の間に、様々な事件が起こることだろう。そしてそれらは重大な事件であっても、数日もせずに忘れ去られてゆく。おそらく数週間ではなく数日だ。なにも五輪が特別なわけではない。情報処理速度が高速化するにしたがい、大惨事であってもわたしたちの頭脳は記憶を留める能力を、著しく失っているからだ。たぶんこれは、液晶を毎日目にするひとびとにとっては、世界共通の現象だろう。

検索することなしに、鳥取地震、熊本地震、大阪北部地震、広島大水害、新潟地震、岩手内陸地震それぞれの発生年月を即答できる読者はどのくらいいるだろうか。わたしだって全問回答はできない。でもこれらの自然災害はいずれも20世紀の後半では阪神大震災だけに匹敵する揺れや被害を引き起こしている大災害だ。でも、わたしたちは、各被災地にお住まいか関係のある方ではない限り、重大災害の発生年すらそらんじられない。

災害だけではなく、出来事(事件)でもそうだ。「血も凍る悪魔の祭典」を招致した時の、東京都知事は誰だったか。本通信読者の大半はご記憶であろうが、ではその前の東京都知事は誰で、どのような理由で辞任したか。その前任者は? このあたりにくると怪しくなってくるのも仕方あるまい。大阪五輪招致など大阪人でも忘れているかもしれない。

◆わたしの体温は徐々に下がってゆく

1週間ほど前、名神高速道路で偶然奇妙な光景に遭遇した。東京方面に向かって兵庫県警の機動隊員輸送車が最低4台とワゴンが数台走っていたのだ。断言はしないがあれは「東京五輪」警備の応援に、兵庫県警が派遣した警察官を運送していたのだと思う。全国動員とは言わぬまでも、警備の警察官もかなり広域から東京に集中するのだろう。

関西もどうやら梅雨明けのようだ。最高気温はこの夏最高近くになるかもしれない。だがわたしの体温は徐々に下がってゆくように思う。「血も凍る悪魔の祭典」はそれに関わるすべての出来事、ひとびとに禍々しさを感じる。

わたしはこの大会に出場する選手、役員、大会関係者あるいはボランティアを、国籍を問わず特別視して免罪するつもりはまったくない。ひとりひとりは人格と判断能力を持った人間なのだ。IOCの役員連中と同じく、ひとりひとり自立した人格として捉えるのが、平等というものだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

地方在住のK氏は、ご自身がオリンピック出場経験を持つ。長年熱心にスポーツ指導に当たっている方だ。マイナー競技のため、もともと練習環境が良いとは言えず、コロナ禍においてはもちろん特別な優遇を受けることもない。K氏は元々オリンピック選手育成を目標の一つに活動を続けられてこられた方である。つまりわたしのような「五輪反対」論者ではない。

しかし、1年以上感染予防対策を厳守しながら、地道な練習指導が余儀なくされるなか、K氏は選手や家族、地域の方々の健康を守ることが最重要と考え、指導を続けてきたが、コロナ感染拡大下での、オリンピックの強行開催に疑問を抱き始めたという。ちなみにK氏が五輪に出場した時代は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)がまだ治療薬も発見されていない時代で、細かな注意が与えられた記憶があるという。

五輪開催が現実となりつつあり、政府の対応に疑問がわいたK氏は、直接政府に意見を述べようと、頻繁に目にする感染防止の広告に記載されていた『内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室』に電話をかけて自らの思いを伝えた。

このやり取りは、録音を含め匿名を条件にK氏からご提供いただいたものを、わたしの文責でまとめたものだ。元の会話は20分を超えるが、中心点だけをまとめた。会話節々に見られる、担当者の逡巡と、本音。そして担当者の最後の発言に注目していただきたい。

◆オリンピックはこのままやるんですか?

K氏 今はコロナが大変ですよね。インターネットに内閣官房の「コロナに気を付けましょう」という広告が出てくるので、確かにそうだなと見ているのですが、一方で、オリンピックはこのままやるんですか?

内閣官房 私の知っている範囲では、そういうふうに報道されていると思います。

(K氏が地方に住んでいるけれど、気を緩めずに感染予防対策を守っていることを説明)

K氏 オリンピックはやるんですか?

内閣官房 私は内閣官房の新型コロナ感染症対策を進める部署にいるので、オリパラをどういうふうに開催するかを決定する部署とは別の部署です。私も報道ベースでしか存じ上げないのですが、現時点では残念ながら開催されるということは知っているというところです。

K氏 今「残念ながら」とおっしゃいましたけれども、感染対策をしていらっしゃる方からすれば、日本の中でも「動かないで」と言っているのに、海外から10万人も来たらコントロールできますか。

内閣官房 個人的な見解ですけれども、なかなか難しいと思います。(略)

◆病気に役所の垣根は関係ありません

内閣官房 我々はオリパラの直接的な対策を主唱している部署ではなく、水際対策でしたら厚労省さん中心、オリパラの具体的な運営は丸川大臣のところとなっています。

K氏 お役所的にはお仕事の分け方があると思いますが、病気に役所の垣根は関係ありませんので、病気が増えてきた時には、結局対応しなきゃいけない人がしなくてはいけなくなるのではないでしょうか。今電話に出ていただいている方がなさっていることがおかしいと言っているわけではないんです。政策というのは、基本は同じところを向いていなかったら一生懸命やっていたって、それが成立しないのではないでしょうか。特に感染症で私たちが知らないような体験をしているわけで、それを従来通りの「自分の仕事はここまで」とか「自分の職掌はここまで」と、みんなが言っていたら、結局最後は誰も責任を取れなくて大変なことになってしまうということになりませんか。

内閣官房 おっしゃる通りかと思います。

K氏 かと言って、内閣府にお勤めの方は、内閣府のお仕事の範囲でしかできないことはわかります。お役所に勤めている方の厳しさはわかるんですけど、建前でどうにもならないところまで来ていませんか。やめた方がいいと思います、こんな時にオリンピックなんて。感染予防から見たら、オリンピックなんて言語道断ですよ。(略)

◆示しがつかないと思います。運動会などもできない状況ですから

K氏 感染広げたら人の命に関わるかもしれないという意識をもって生活してるんです。家の近所のお店もいっぱい潰れてますよ。その片一方でこれからオリンピックやるって「狂ってる」と思います。「狂っている」という言葉に同意してくださいというわけではないですけれど、感染予防ということから言ったら一生懸命お仕事なさっているところの筋と違いますよね。

内閣官房 私は、政治家の方々が決めたことを粛々とやっていくというのが公務員の立場なので、あまりとがった意見を申し上げられないのですが、個人的にはおっしゃる通りだと思います。示しがつかないと思います。運動会などもできない状況ですから。

K氏 ええ、運動会も盆踊りもみんなやめているわけですよ。それらをやめているのに、昔の東京オリンピックの時と時代も状況も違うのに、普段よそから人を入れないよとやっているのに、世界的にもデルタ株が広がってきているのに。イスラエルがマスク着用の義務をまた復活したでしょ。屋内だけでなく屋外も着用義務を始めましたよね。イスラエルって成人ほとんどがファイザーのワクチンを打ってるわけですから、ワクチンが効かなかったということでしょう。

内閣官房 はい。

◆私もどうかと思います……

K氏 日本は65歳未満の一般の人でワクチンを打ってる人は少ないと思います。ワクチンが効くかどうかもわかりませんが、そこへ人がドッと入ってきたら感染がバーッと広がるのは、火を見るより明らかだと思うんです。予見できない災害というものはありますが、オリンピックで人がたくさんやってこられるということは、素人が見ても「絶対爆発するな」と予見できるわけです。内閣府の感染予防の担当の方からご覧になっても多分それは共有していただけるんじゃないかなと思うんです。

内閣官房 はい。

K氏 何かおかしいですよね。

内閣官房 そうですね。おっしゃる通りだと思います、個人的には。

K氏 お忙しい電話に出ていただいている方にこれ以上私の気持ちをぶつけても申し訳ない。一生懸命なさっているのに。

内閣官房 いえいえ、改めまして感染症対策に日頃から熱心に取り組んでいただいているということが、このお電話を通してよく理解できました。最近はマスクをしないで歩いている方も見かけるので、そういう中でも熱心に取り組んでいただいてありがとうございます。

K氏 お忙しいのに長い時間ありがとうございました。こういうことをちょっとわかっていただきたくて。

内閣官房 個人的にはよくわかります。私もどうかと思います。ぜひ有権者の方々にはしかるべきところに投票していただきたい、本当にそう思います。

K氏 ありがとうございました。

◆「ぜひ有権者の方々にはしかるべきところに投票していただきたい」

「ぜひ有権者の方々にはしかるべきところに投票していただきたい」録音を何度も聞き直したが、担当者は明確にそう発言している。「しかるべきところ」に投票行動が行われていたら、こんな事態にはならなかった、あるいは「こんな事態を招いた政権ではないところに投票してほしい」と理解するのが妥当だろう。貴重な音源を提供してくださったK氏に、深く感謝するとともに、「崩壊したダム状態」であるこの国の現状を再度直視したい。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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◆橋本聖子・大会組織委会長の言う「広島と長崎から平和のメッセージを発信してほしいという依頼を地元からいただいている」は本当か?

7月9日付けデイリースポーツによれば、「感染拡大が続く中で、前日(7月8日)に来日したバッハ会長は16日に広島を、コーツ調整委員長が長崎を訪問する予定となっており、東京からの移動することなどに批判が集まっている。橋本(聖子)会長は『根本原則は平和。被爆国である日本が、広島と長崎から平和のメッセージを発信してほしいという依頼を地元からいただいている』と強調した」という。

さて、橋本会長の言う「広島と長崎から平和のメッセージを発信してほしいという依頼を地元からいただいている」は本当だろうか。7月9日午後、広島市役所に電話取材を行ったところ「市としてIOCバッハ会長の招聘をしている事実はないので、県に問い合わせてほしい」と県の「平和担当プロジェクトチーム」をご紹介いただけた。早速同部署に電話で取材すると担当者からは以下の通り回答を得た。

◆バッハ会長から直接広島来訪の要請はなかった?

田所  橋本聖子五輪組織委員会の会長が、広島から招聘されたのでIOCのバッハ会長は広島訪問の調整をしていると一部で報道されていますが、IOC会長のバッハさんに広島県は広島訪問を要請なさっているのでしょうか?

担当者 従来からバッハ会長が広島を訪問したい、という意向は伺っておりましたので、時間があれば広島にお越しいただきたい、ということはお願いしてきました。

田所  従来というのはいつごろからですか?

担当者 オリンピックに向けて2020年開始の予定でしたが、その聖火リレーの前にも『広島に行きたい』というお話を伺がった記憶があります。

田所  東京五輪の招致が決まったのは2013年です。2013年からあまり遠くない時期からIOC会長が広島訪問の意向があった、ということでしょうか?

担当者 いえ、2020年に近くなってからだと思います。

田所  4、5年前ではなく、昨年は延期されましたが、昨年近くになって『広島を訪問したい』という意向が示されたわけですね?

担当者 直接要請されたわけではなく、そういう要望をお持ちであると報道を通じて聞いていましたので……。

田所  バッハ氏から直接広島来訪の要請はなかったわけですね?

担当者 直接はなかったです。

◆バッハ会長はいつごろ広島訪問の準備をしていたのか?

田所  去年も広島県はご準備なさっていたのでしょうか?

担当者 去年は準備の段階にもいかないところで、『五輪延期』となりましたので、準備をしていたわけではありません。

田所  昨年はそれぐらいぎりぎりのタイミングだったのですね。今年はどうだったのでしょうか?

担当者 今年は5月に聖火リレーがありまして、その頃に『会長は広島に行きたがっている』ということを伺っていたものですから。

田所  ちょっと待ってください。『調整している』というのは広島県の方がバッハ氏を招聘するのではなく、IOCがバッハ氏のスケジュールを調整している、ということですね?

担当者 そうです。

田所  いま、また東京には『緊急事態宣言』が出ていますがバッハ会長は東京から広島にはいつごろ訪問の準備をなさっていますか?

担当者 先月IOCが発表されたのは7月16日に広島に来られる予定で調整中と伺っておりますので。

田所  16日というのは『広島が来てください』と招聘したのではなく、IOCが日程調整中という意味ですね?

担当者 広島側としてもバッハ会長の意向を受けて『是非広島に来てください』とはお願いしております。

田所  『バッハさんの意向を受けて』ということですね。広島側からバッハ会長に『広島に来てください』というアクションが最初にあったわけではない、ということですね?

担当者 そうです。

◆橋本聖子組織委会長が語っていたことはほぼ嘘だった

つまりIOC会長という「権力の椅子」に座った人間に意向は、日本政府はもちろんのこと、広島県には「無言で圧力」をかけていたのだ。これほど被爆者として屈辱的なことはない。

橋本聖子組織委会長が、口から出まかせに語っていたことはほぼ嘘だったのだ。地元広島県には「もう少し毅然とした態度」を期待したいと、思わぬでもないけれども、結局自分で「暴く」しかないのであろう。

薄ら寒い2021年7月だ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

大きな扉が閉まっている横のインターホンで、中にいる者の親族だと告げる。アルコールで手を洗い、マスクを着用して、「防護服」というのはおおげさではあるが、滅菌処理が施された薄い布をまとう。

まいにち何回か訪れているからか。医療従事者の皆さんは、わたしの姿を確認すると、はじめてこの場所に入るひとに向けるような、細かい注意を口にすることはなく、お互い会釈を交わしながらベットに向かう。

◆集中治療室に踏み入れるたびに

20ほどあるベットに横たわっている患者さんは、いっときも目が離せない状態のかたばかりだ。だからここは「集中治療室(ICU)」であることを、毎回足を踏み入れるたびに実感させられる。

心電図、血中酸素濃度、心拍数を測定するモニターの警報音が、あちこちで間断なく聞こえる。わたしが到着したベットの上の、もうかれこれ10日近く意識のない身内の血圧も、相変わらず怪しげだ。首、手首、横腹など数えたら7か所に管や点滴が入っている。

警報音が鳴る。また血圧が落ちている。ブランケットを持ちあげて、手先と足先を触ってみたら、猛烈に「むくんで」いる。ずいぶん昔に一度だけ偶然接した、水死体の姿とそっくりだ。手のむくみはすさまじい。

「むくんで」いるから、還流を促すために「さする」、「なでる」などすれば改善する状態ではない。腎臓を中心とする代謝機能の低下が末端の「むくみ」となっていることは、二日前にお医者さんから説明をうけた。口には酸素を効率よく肺臓に運ぶための管もはいっている。こんな状態で言葉を発することなどはできるはずもないことをわかりながら、「どうや?」、「しんどいか?」と声をかける。

◆「承諾書」にサインをする

きのうの深夜、病院から電話があり、「腎臓の機能が落ちているから『透析』をはじめたい。異存はないか?」と聞かれた。「もちろん異存はありません。お任せします」とこたえた。そうだ、透析がはじまっているはずだから、「承諾書」にサインをしなければならない。ICUの看護師さんはいつも大忙しだから、部屋を出てから、事務の人に相談することにしよう。

怪我、病気、加齢。理由は様々な命の淵にいるひとたちが、必死の看病を受けている。失礼に当たるのでなるべく視線を向けないように注意しているつもりだが、ここで亡くなったかたは、看護師さんたちがからだをきれいに清めている。もう何人この部屋で亡くなったかたの姿に接しただろう。ICUは大部屋だから、親族の方々は、周りを気にしている。身内が亡くなっても大声で声をあげる場面には接したことがない。

どちらにせよ、ここは「のっぴきならない場所」だ。わたしが日に何度もおとずれたからといって、できることはなにもない。ただそばにいてやりたい、と思うだけで、近くにいるしかない。

◆毎日のように気を失いかける

また慌ただしくなった。気管切開ははじめてだ(隣のベットの患者さん)。手術室までの移動の余裕がないのだろう。カーテンで仕切られているが、見舞いの目の高さから、緊急処置の様子を伺おうと試みれば、みることができる。不謹慎だからこの場は辞すべきだろう。「また来るからな」。返事が返ってくるはずもない身内に声をかけてICUから外に出た。

わたしは妙な体質の持ち主で、この体質と付き合うの長年苦難している。若いころは、意識すればオン/オフの切り替えができたのだが、いまはほおっておくと、体調の悪い人や、精神がつらい人の症状の一部が、勝手にわたしの中に一定時間侵入してきてしまう。病棟に行けばたいてい38度近い発熱をしてしまうし、ICUに入ると、毎日のように気を失いかける。当然体温も上昇し、発疹がでることもある。けれどもわたしは感染症に罹患しているわけではない。病院からはなれてしばらくすると、、発熱も下がり、発疹も消える。これはどこの病院に行っても同じなのだ。

上記の備忘録のようなものを記したのは、一昨年の1月だった。まだ、わたし自身の疾病よりも、身内の看病に忙しい日々だった。あの病院に入院しているひとを、いまは見舞うことはできない。もちろん理由はコロナ感染予防のためである。ほんのしばらく前の記憶のように思われる、あの日々は現実から遠くなった。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しない
テーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』8月号

カレンダー上ではついに7月に突入した。今年、7月のカレンダーは判読するのが難しい。「東京五輪」開催を前提に、休日がいくつかずらされているからだ。鹿砦社が龍一郎氏に依頼して作成しているカレンダーでは、19日が「海の日」で休日となっているだけであるが、ことしに限っては「東京五輪」開催に合わせてほかの月の休日を含め、大幅な変更が行われるらしい。馬鹿げているからそのいちいちは検証しないが、読者諸氏もあと2週間ほどすれば、急な休日発生に驚かれることであろう。

◆われらの内なる奴隷根性

それにしても、人間という生物がここまで愚かで、退化の速度が速いとは想像もしなかった。日本だけに焦点を当てれば「知性」、「想像力」、「理性」、「科学的態度」の劣化はさまざまな局面で著しく、「この国民は長くは持つまい」と感じてきた。

しかし、わたしのなかにも欧米信仰のような幻想は残っていたのだ。たとえば「東京五輪」開催については、欧州のいずれかの国あるいはWHOだか何だか知らないけども、国際機関のいずれかが「感染拡大の危険性があるから開催すべきではない」との態度を示してくれるのではないか、との甘い期待があった。

やはりそれば、欧米信仰であり、わたしの奴隷根性の発露であった。深く自己批判せねばならない。よくよく考えるまでもなくWHOのまとう政治性やIMFやWTO、UNICEF、UNESCOなどの欺瞞についてはとうの昔に気が付いていたではないか。20世紀最後半に発生したアジア通貨危機は、結果としてIMFの指導下で収束を図られることとなったが、当時IMFの重責を担っていた人物の中にアジア通貨をコントロールできる人間が複数入り込んでいた事実は、既に数多くの書物や研究で判明している。

UNICEFはいつからあんなにも派手に、駅前広場やショッピングモールで募金活動を始めていただろうか。世界中のテレビに公告を出し、ネット上でも猛烈な広告を展開するあの団体は、これまでの地域紛争の際にどのような役割を果たしてきたのだろうか。ボスニアヘルツェゴビナ紛争の際、UNICEFの責任者の中に、軍事産業と関係のあるものが居なかったか? 「世界遺産」の看板商法に忙しいUNESCOは、本当のところ何を目指す団体なのか? まったくその価値がわたしには理解できない「SDGs」の推進に熱心なようだが、彼らの功罪を測ったら、思わぬ方向に天秤が振れはしないか。

極めつけは「G7」だ。かつて「先進国首脳会議(サミット)」と自称したことのある、この思い上がり集団を、批判する人たちは「帝国主義者どもによる戦争準備会議」、「帝国主義者の分配割合調節会議」と批判したものだが、先に英国で行われた「G7」を見るにつけ、批判する人たちの表現は、あながち外れているとはいえないようだ。

一国として「東京五輪」の開催に疑問を呈したり、ましてや反対する国などなかった。それどころか共同声明で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の克服に向けた世界の団結の象徴として、安全で安心な形」での東京五輪開催を支持するとした。

ドイツやフランスも「G7」には入っている。こんな連中に何かを期待してしまった己の不明を再度恥じねばならない。極東の島国で行われる「五輪」の直接影響は「G7」加盟の他国には深刻には及ばないだろう。「なら次の冬季五輪は北京だから、牽制の意味でもトウキョウにやらせようよ」との白人どもの本音が聞こえてきそうだ。

◆21世紀は「背理の世紀」

21世紀は「背理の世紀」と名付けても良いのかもしれない。毎年のように震度7クラスの地震が発生し、豪雨災害が各地で起こる国。そして10年前には人類史上初の「原発4機爆発事故」を起こした国。その事故現場から250キロほどの場所で、まもなく「東京五輪」が開催される。

東京から少し西に行った神奈川や熱海では、20名以上の犠牲者が懸念される豪雨災害がまた発生した。そんなことはお構いなしに「東京五輪」への参加者は続々入国している。後世(もし、「それ」があればだが)今次の「東京五輪」は、わたしたちが大日本帝国による、第二次大戦突入の無茶苦茶さを指摘するように、その愚をなじられるだろう。歴史に顔向けのできない行為へ加担することは、人間として恥ずべき行為だ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』8月号

『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

先月までは「東京五輪中止」の文字を時々メディアでも見かけたが、いつの間にか問題がすり替えられて「観客を入れるか・入れないか」との不毛テーマに議論が集中しているように感じられる。社風も誌面も主張も異なるはずの、新聞各紙のなかで、明確な「五輪中止」を掲げ続けるものはない(機関紙や個人発行のミニコミを除いて)。

これぞまさに、私たちが懸念してきた「大本営発表」状態の再来と言わねばならない。新聞記者はなにを見ているのだ? なにを取材している? 目の前でデルタ株が猛烈な勢いで広がっているのではないか。空港検疫はほぼ機能せず、「五輪」を錦の御旗にすれば、ほとんど海外からのひとびとは入国してくることができる。

通常時であれば、入管体制は煩くないのが良い。しかし今は特別な時ではないのか。全国各地に常時は発着している国際線航空機の8割以上は運航取りやめになっていて、一般人は日本に居住する人も、海外から来る人も日本を発着点にした「海外旅行」などはできない。

海外旅行どころではなく、東京など大都市をはじめとする飲食店の多くは長期間休業を余儀なくされ、しかしいまだに補償金を手にすることができず休業から、廃業に追い込まれる非常に厳しい状態の真っただなかに置かれている。大手のホテルでも都市部での休館や廃業は出始めており、コロナが仮に終息したとしても、この傷から人々が癒えるのにはどのくらいの時間と、お金が必要なのか想像すらできない。

蒸し暑い梅雨の時期にあっても、マスクをして街を歩く姿は普通であるし、多くの大学ではいまだに半数以上の講義をオンラインによってのみ実施している。つまり、政府が宣言を出そうが出すまいが、市民の(とりわけ都市部に居住したり通勤通学する人々)生活はこの2年ほど常に「非常事態」なのである。入学試験に合格したのに、2年も大学に通えない学生の群れなど今まで私たちは目にしてことがあっただろうか。

新型コロナは次々と変異を繰り返してゆき、どうやら「90%以上有効」とされていたファイザー社のワクチンも変異株の前にはそれほどの効果を発揮できないことが露呈されてきた。世界一接種スピードが速かったイスラエルで、デルタ株が急増しだし、イスラエル政府は解除していた屋外でのマスク着用義務だけではなく、屋内でのマスク着用を再び国民に命令したことから、この事実は伺い知ることができる。

議論を原点に戻そう。感染症に対する基本的な防御措置は「人の流れを止める」ことだ。東京だけではなく、日本のあらゆる都市は今、海外の人々との交流を我慢しなければいけない。

私たちが身勝手にそのように言っているのではなく、政府や各都道府県も相当額の広告費を使い、「感染予防の徹底」を宣伝しているではないか。ならどうして「国策」としてそれに真反対のことを強行しようとするのだ。私たちはことあるごとに「東京五輪」を1945年の日本に例えてきた。7月に入り「観客を入れるか・入れないか」との本末転倒した議論には、心底あきれ返り、再度「東京五輪」は絶対に中止すべきだと、繰り返す。

1945年8月6日、午前8時15分、広島の空は晴れ上がっていた。その後の地獄図絵など誰も想像できないくらい。しかし私たちは「地獄図絵」が予見できるのだ。ならばどこまで行っても「東京五輪反対」を叫び続けるしかない。「観客を入れるか・入れないか」の議論は前提からして間違っている。

『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

『NO NUKES voice』Vol.28
紙の爆弾2021年7月号増刊 2021年6月11日発行

[グラビア]「樋口理論」で闘う最強布陣の「宗教者核燃裁判」に注目を!
コロナ禍の反原発闘争

総力特集 〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

[対談]神田香織さん(講談師)×高橋哲哉さん(哲学者)
福島と原発 「犠牲のシステム」を終わらせる

[報告]宗教者核燃裁判原告団
「樋口理論」で闘う宗教者核燃裁判
中嶌哲演さん(原告団共同代表/福井県小浜市・明通寺住職)
井戸謙一さん(弁護士/弁護団団長)
片岡輝美さん(原告/日本基督教団若松栄町教会会員)
河合弘之さん(弁護士/弁護団団長)
樋口英明さん(元裁判官/元福井地裁裁判長)
大河内秀人さん(原告団 東京事務所/浄土宗見樹院住職)

[インタビュー]もず唱平さん(作詞家)
地球と世界はまったくちがう

[報告]おしどりマコさん(漫才師/記者)
タンクの敷地って本当にないの? 矛盾山積の「処理水」問題

[報告]牧野淳一郎さん(神戸大学大学院教授)
早野龍五東大名誉教授の「科学的」が孕む欺瞞と隠蔽

[報告]植松青児さん(「東電前アクション」「原発どうする!たまウォーク」メンバー)
反原連の運動を乗り越えるために〈前編〉

[報告]鈴木博喜さん(『民の声新聞』発行人)
内堀雅雄福島県知事はなぜ、県民を裏切りつづけるのか

[報告]森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)
「処理水」「風評」「自主避難」〈言い換え話法〉──言論を手放さない

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈12〉
避難者の多様性を確認する(その2)

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとは何か〈21〉
翼賛プロパガンダの完成型としての東京五輪

[報告]田所敏夫(本誌編集部)
文明の転換点として捉える、五輪、原発、コロナ

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)
暴走する原子力行政

[報告]平宮康広さん(元技術者)
放射性廃棄物問題の考察〈前編〉

[報告]板坂 剛さん(作家・舞踊家)
新・悪書追放シリーズ 第二弾
ケント・ギルバート著『日米開戦「最後」の真実』

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
五輪とコロナと汚染水の嘘

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈12〉
免田栄さんの死に際して思う日本司法の罪(上)

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク(全12編)
コロナ下でも自粛・萎縮せず-原発NO! 北海道から九州まで全国各地の闘い・方向
《北海道》瀬尾英幸さん(泊原発現地在住)
《東北電力》須田 剛さん(みやぎ脱原発・風の会)
《福島》宗形修一さん(シネマブロス)
《茨城》披田信一郎さん(東海第二原発の再稼働を止める会・差止め訴訟原告世話人)
《東京電力》小山芳樹さん(たんぽぽ舎ボランティア)、柳田 真さん(たんぽぽ舎共同代表)
《関西電力》木原壯林さん(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《四国電力》秦 左子さん(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》杉原 洋さん(ストップ川内原発 ! 3・11鹿児島実行委員会事務局長)
《トリチウム》柳田 真さん(たんぽぽ舎共同代表/再稼働阻止全国ネットワーク)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク、経産省前テントひろば)
《反原発自治体》けしば誠一さん(杉並区議/反原発自治体議員・市民連盟事務局次長)
《読書案内》天野惠一さん(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)

[反原発川柳]乱鬼龍さん選
「反原発川柳」のコーナーを新設し多くの皆さんの積極的な投句を募集します

私たちは唯一の脱原発雑誌『NO NUKES voice』を応援しています!

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B096HQ5KG5/

6月19日付け「デジタル鹿砦社通信」に横山茂彦氏の【《書評》月刊『紙の爆弾』7月号〈後編〉「【検証】『士農工商ルポライター稼業』は『差別を助長する』のか」(第九回)での鹿砦社編集部への批判に答える 】が掲載されました。

 

〈タブーなき言論〉月刊『紙の爆弾』7月号

鹿砦社ならびに「デジタル鹿砦社通信」、また月刊『紙の爆弾』は〈タブーなき言論〉を目指し、意見の相違があろうとも様々な立場を尊重する姿勢を保つべく、努力しております。横山氏の記事は「鹿砦社編集部の筆者への批判に答える」と表題が示されている通り、現在部落解放同盟と鹿砦社の間で、交わされている表現についての問題について横山氏の意見表明です。

その原稿の元になっている記事は『紙の爆弾』7月号に掲載された、鹿砦社編集部の文章です。関心のある方はぜひ『紙の爆弾』7月号の《「士農工商」は「職階性」か「身分制度」か 再考》をご一読ください。そこでは、私たちの基本的な疑問を、素直に問いかけ、この問題をどのように考えればよいのか?を解放同盟や読者にも問いかけています。黒薮哲哉氏のご指摘もその中で引用させていただいております。

権力者ではない、また社会的に力を持たない誰かを傷つける内容でない限り、また差別を助長する表現ではない限り、広く意見表明を行っていただく場所として存在したい。「デジタル鹿砦社通信」は〈自由な言論の場〉でありたいと考えますし、それはこれまでも実践してきました。意見表明にも「過ち」はあり得ますので、事実関係の誤認や、間違った理解があれば、私たち自身がこれまでも訂正を行ってきました。

私たちがここ5年余り関わって来ている「カウンター大学院生リンチ事件」についても「私たちの言っていることに誤りがあれば指摘してほしい」と公言しています(が、言論での反論らしい反論はありません)。

そして、敢えて付言いたしますが、6月19日掲載の横山氏の意見は、私たちと同じではありません。しかし、活発な議論喚起のためと、〈自由な言論〉確保のために横山氏に訂正や修正を押し付けたりはしません。当然です。

以上、短いですが、言論と個々の意見表明について、私たちの基本的な考えを、表明いたします。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』7月号

私たち『NO NUKES voice』編集委員会は、以下の理由で「東京五輪」を絶対に中止すべきだと考えます。

〈1〉そもそも「東京五輪」は「福島第一原発事故」隠蔽のために企図された悪辣な権力犯罪であること

東京五輪招致が決定したのは、2013年9月3日、アルゼンチンのブエノスアイレスへ安倍晋三首相(当時)が直接出向き「福島の放射能は完全にコントロールされており、健康被害は過去、現在、未来において生じません」との100%虚偽な招致演説を行ったが故でした。有名な「under control」発言です。安倍の演説には「五輪を招致して福島第一原発事故被害を隠蔽しよう」との意図が、明確に見てとれます。

ですから私たちは毎号のように反原発雑誌『NO NUKES voice』誌上で「東京五輪」を徹底して糾弾してきました。「東京五輪」開催に加担することは、福島第一原発事故の被害者・被災者の皆さんと対峙することである、と私たちは考えます。

この問題には「中道」や「妥協」などはあり得ません。大手メディアは福島をはじめ、東北の「復興」と同時に「東京五輪」が、あたかも被災者・被害者を救済するかのような印象操作に熱心ですが、そのような効果はまったくありません。精神論で「聖火リレーに感動した」という個人史を各地方紙は掲載することに熱心ですが、であれば「東京五輪」の陰に隠され、健康被害・生活被害を受けた皆さんの声をどう考えるのでしょうか。

東京電力は実質国営化されながら、福島第一原発の廃炉作業に、今後いったいどのくらいの年月・お金が必要なのか、精緻な計算は誰もできません。日本国家1年の予算を何十倍も超える、膨大なお金と労働力が必要なことだけは明白です。では、そのことをしっかりと伝えてくれる、メディアがあるでしょうか? はなはだ疑問です。

全国紙(朝日・毎日・読売・日経・産経)はいずれも「東京五輪」のスポンサーですし、地方紙に記事を配信する共同通信も「オフィシャル通信社」です。新聞社と資本系列を同じくするテレビ局からは、新聞同様本当に必要な情報は流れません。この閉塞状況により私たちは、原発事故について充分には知りえない、不可思議な世の中に置かれていることを認識する必要があるのではないでしょうか。「東京五輪は福島第一原発事故隠蔽のためのイベント」だと私たちは断言します。


◎[参考動画]安倍晋三総理大臣のプレゼンテーション IOC総会(ANN 2013年9月8日)


◎[参考動画]滝川クリステルさんのプレゼンテーション IOC総会(ANN 2013年9月8日)

〈2〉欺瞞イベントはコロナ禍でも強行されるのか?

「東京五輪は福島第一原発事故隠蔽のためのイベント」──これだけで、開催に到底賛成できない理由としては充分ですが、そこに「コロナ禍」が加わりました。おそらくはほとんどだれも予想できなかった世界的なパンデミックです。

コロナ感染爆発からまだ2年も経過していませんが、一応「ワクチン」は製薬会社各社が開発したとされています(しかし、通常の薬品であれば課される「動物実験」や「治験」は省略されています)。ワクチンの有効性についての報道に日々接しますが、ではワクチンを接種したら「どのくらいの期間ワクチンが有効か」についての科学的知見はまだありません。ワクチンの効果が半年なのか、1年なのか? 変異株に効果はあるのか? 副反応による健康被害は?

私たちはすべて未知の領域の中で暮らさねばならず、ワクチン接種直後に命を落とされた方のケースも知っています。

そして、五輪を強行すれば大会関係者や選手など海外からの来日者は4万人とも5万人とも(実態はもっと多いでしょう)言われていますが、日本政府は空港での検疫を的確には行っていません。

菅首相が英国のG7に出かけて帰国したら、どうしてすぐに公務に復帰できるのですか? ウイルスは権力者にも容赦ないことを、英国のジョンソン首相や、米国のトランプ前大統領の罹患は証明しているではないですか。この検疫体制の下で万を超える関係者が来日すれば、混乱が発生するのは間違いありません。

そして20日に「緊急事態宣言」が終了した地域では既に第5波の傾向が見られますが、「東京五輪」を強行開催すれば、第5波に海外からの五輪関係者の治療も加わることになるでしょう。


◎[参考動画]森会長 五輪に決意「どういう形でもやる」(FNN 2021年2月3日)

〈3〉理性のかけらもない言説や行動には明確な「NO」を!

政府、都道府県はコロナ対策に全力を挙げていなければいけないはずなのに、その片方で「東京五輪」強行を着々と進めています。その姿には「理性」も「科学」も「人間性」もありません。こういった欺瞞的な態度によって日本中の「原発」が建てられ、ついには史上最悪事故に突入したのが、わずか10年前であることを私たちは切実に思い出すべきです。原発事故は「人災」であったし「東京五輪」強行は集団自決にも近い暴挙です。

元々この五輪招致は、嘘と大金と欺瞞に満ちてなされたものです。1964年の五輪とは意味が違います。1964年五輪は、戦後復興の証として一定の意義があったことは否定しませんが、今回の五輪のどこに歴史的な意味の欠片があるというのでしょうか? ましてや、福島の人たちの苦しみと呻吟、そしてコロナ禍の真っ最中の現在を見れば、まともな人間であれば、優先順位はおのずとわかろうというものです。

唯一の反(脱)原発雑誌『NO NUKES voice』を編纂する私たちは、地道に「反原発・脱原発」を闘う皆さんと連帯してきました。その延長線上にどうしても「東京五輪」強行を許すことはできません。あらゆる理性が失せたとき、人類は予想より早い終末を迎えるでしょう。その警鐘が鳴り響いているにもかかわらず──。

呪われた東京五輪を直ちに中止せよ! その資金を福島復興とコロナ退治に回せ!

『NO NUKES voice』Vol.28 《総力特集》〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

『NO NUKES voice』Vol.28
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[グラビア]「樋口理論」で闘う最強布陣の「宗教者核燃裁判」に注目を!
コロナ禍の反原発闘争

総力特集 〈当たり前の理論〉で実現させる〈原発なき社会〉

[対談]神田香織さん(講談師)×高橋哲哉さん(哲学者)
福島と原発 「犠牲のシステム」を終わらせる

[報告]宗教者核燃裁判原告団
「樋口理論」で闘う宗教者核燃裁判
中嶌哲演さん(原告団共同代表/福井県小浜市・明通寺住職)
井戸謙一さん(弁護士/弁護団団長)
片岡輝美さん(原告/日本基督教団若松栄町教会会員)
河合弘之さん(弁護士/弁護団団長)
樋口英明さん(元裁判官/元福井地裁裁判長)
大河内秀人さん(原告団 東京事務所/浄土宗見樹院住職)

[インタビュー]もず唱平さん(作詞家)
地球と世界はまったくちがう

[報告]おしどりマコさん(漫才師/記者)
タンクの敷地って本当にないの? 矛盾山積の「処理水」問題

[報告]牧野淳一郎さん(神戸大学大学院教授)
早野龍五東大名誉教授の「科学的」が孕む欺瞞と隠蔽

[報告]植松青児さん(「東電前アクション」「原発どうする!たまウォーク」メンバー)
反原連の運動を乗り越えるために〈前編〉

[報告]鈴木博喜さん(『民の声新聞』発行人)
内堀雅雄福島県知事はなぜ、県民を裏切りつづけるのか

[報告]森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)
「処理水」「風評」「自主避難」〈言い換え話法〉──言論を手放さない

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈12〉
避難者の多様性を確認する(その2)

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとは何か〈21〉
翼賛プロパガンダの完成型としての東京五輪

[報告]田所敏夫(本誌編集部)
文明の転換点として捉える、五輪、原発、コロナ

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎共同代表)
暴走する原子力行政

[報告]平宮康広さん(元技術者)
放射性廃棄物問題の考察〈前編〉

[報告]板坂 剛さん(作家・舞踊家)
新・悪書追放シリーズ 第二弾
ケント・ギルバート著『日米開戦「最後」の真実』

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
五輪とコロナと汚染水の嘘

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈12〉
免田栄さんの死に際して思う日本司法の罪(上)

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク(全12編)
コロナ下でも自粛・萎縮せず-原発NO! 北海道から九州まで全国各地の闘い・方向
《北海道》瀬尾英幸さん(泊原発現地在住)
《東北電力》須田 剛さん(みやぎ脱原発・風の会)
《福島》宗形修一さん(シネマブロス)
《茨城》披田信一郎さん(東海第二原発の再稼働を止める会・差止め訴訟原告世話人)
《東京電力》小山芳樹さん(たんぽぽ舎ボランティア)、柳田 真さん(たんぽぽ舎共同代表)
《関西電力》木原壯林さん(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《四国電力》秦 左子さん(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》杉原 洋さん(ストップ川内原発 ! 3・11鹿児島実行委員会事務局長)
《トリチウム》柳田 真さん(たんぽぽ舎共同代表/再稼働阻止全国ネットワーク)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク、経産省前テントひろば)
《反原発自治体》けしば誠一さん(杉並区議/反原発自治体議員・市民連盟事務局次長)
《読書案内》天野惠一さん(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)

[反原発川柳]乱鬼龍さん選
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