われわれにとって〈7・12〉という日は、決して忘れることができない屈辱のメモリアル・デーだ。

◆2005年の〈7・12〉に何が起きたのか? 

2005年7月12日、野球開催時以外は閑静な兵庫県西宮市甲子園の住宅街が突然、早朝から大騒ぎとなった。配達されたばかりの朝日新聞を持って母親が血相を変えて階段を上ってきて私を起こし、「あんたが逮捕されるよ」と叫んだ。朝日新聞(大阪本社版)の一面トップ、会社名と私の名は出されてはいないが、「出版社」が鹿砦社で「社長」が私だとすぐ判る。自分の逮捕を新聞報道で知るという奇妙な体験をした。

この日は朝から東京出張の日だった。このことは前週事情聴取の際に検事には言っていたので、これを見越して早朝から検察は動いた。やがて神戸地検の一団がピンポンと呼び鈴を鳴らす。「シャワーぐらい浴びさせろ」と言うほど少しは落ち着いていた。

朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日朝刊。松岡はこれを見てみずからの逮捕を知った。しばらくして神戸地検の一団が家宅捜索─松岡連行にやって来た。

同 夕刊。神戸地検と朝日大阪社会部が連携し周到に準備されたスクープだった。

警察癒着企業アルゼを告発し弾圧の元になった4冊の本

松岡逮捕後急遽発行された『紙の爆弾』2005年9月号

自宅の家宅捜索が始まった。すでに多くのマスコミ記者とカメラマンらが自宅、会社を取り囲むように集まってきた。次いで近くの事務所に同行、事務所の家宅捜索が始まった。検察が持ってきた箱が足りなくて事務所にあった宅急便用の袋まで使うほど多くの資料等を押収していった。

1972年の会社設立関係の貴重な資料も押収され、今に至るまで出てこない。家宅捜索の途中で神戸地検に連行され、そこで逮捕を宣告され手錠を掛けられた。手錠を掛けたのは主任検事、宮本健志。地元・西宮東高校から早稲田に進み検事になった男だ。事務所の家宅捜索の最中に会社関係者も駆けつけ、終了のサインをしたのは近くに住む経理の女性だった(今も勤めている)。同じ頃、東京支社にも家宅捜索が入った。

家宅捜索は他の関係先にも及び、さらに事情聴取は大株主(当時)、製本所、倉庫会社にも、そしてトーハン、日販、大阪屋(現楽天)など大手取次3社にも及び、これら3社社は簡単に応じ取引資料を提出している。日頃「言論・出版の自由」を守れと嘯くのなら断固拒絶して欲しかった。

そうして、昼前には神戸拘置所に移送、全裸にされケツの穴まで見られる“身体検査”後に独房に入れられた。今度は、くだんの逮捕劇をラジオ放送で聴いた ── 。この時点では、すぐに釈放されると安易に考え、まさか以後192日間も勾留されるとは思ってもいなかった。

『週刊朝日』2005年7月29日号。スキャンダリズムの大先輩、『噂の眞相』岡留安則編集長が怒りを込めて検察の横暴を弾劾!

山口組の本拠・神戸だが、当時の神戸拘置所にはヤクザの有名人はおらず、私逮捕のニュースは拘置所内に広まったようで、風呂などで私の房を通るクリカラモンモンの入った人に「頑張ってや」と激励されたこともあった。

松岡が勾留された神戸拘置所の在る神戸市北区ひよどりの紹介した朝日新聞2005年10月31日付け記事。偶然にも勾留中に掲載された。

保釈され、神戸拘置所の前に立つ(2006年1月20日夜)

神戸地検と連携して”官製スクープ”を仕組んだ朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者。逃げ回らずに出てこい!

◆朝日・平賀拓哉記者は逃げずに私と会え!

朝日新聞大阪社会部・平賀拓哉記者は、この前に数度取材に訪れ、資料や本などを持ち帰った。オモテはわれわれの出版活動を「理解」しているかのように振る舞い、ウラでは神戸地検特別刑事部・宮本検事と連携し、いや“結託”と言ってもいいだろう、密に連絡を取り合い官製「スクープ」をものにした。

こういうことを、大阪高検公安部長の要職にあり検察の裏金を告発し逮捕された三井環氏によれば「風を吹かせる」ということだ。その後、平賀記者は中国瀋陽支局勤務となり連絡が取れなくなったが、ある冤罪事件の記事を署名入りで寄稿していたことを見つけ、数年前に大阪に戻ってきたことがわかり、恩讐を越えて何度も面談を申し入れたが、本人からではなく広報部からそっけない拒絶のメールがあった。こちらは人生一変したんだぜ、わかっとんのか!? メディア人として以前に一人の血の通った人間として対応すべきではないのか? 逃げ回らず出てきて話そうぜ!

この事件では、刑事裁判)神戸地裁‐大阪高裁)では懲役1年2月、執行猶予4年が確定、また民事訴訟では約600万円の賠償金が確定した。いずれも最高裁まで争ったが遺憾な結果になった。特に民事訴訟では、一審(東京地裁)300万円が控訴審(東京高裁)では倍額600万円になり最高裁で確定した。

一審判決を報じるテレビ画像

一審判決を傍聴した山口正紀さんのレポート(『週刊金曜日』2006年7月14日号)

言論弾圧は、日本で活動する外国人記者にも衝撃を与え記者会見に招かれた(2007年2月14日。東京有楽町・外国人記者クラブにて)

◆私を嵌めた者らに起きた“不幸”

この事件に蠢いた輩には、のちに「鹿砦社の祟りか、松岡の呪いか」と揶揄されるように相次いで“不幸”が訪れている。

まずは当時のアルゼの雇われ社長の警察キャリア・阿南一成は耐震偽装企業との不適切な関係により辞任に追い込まれている。

私に手錠を掛けた主任検事・宮本健志は、徳島地検次席検事として栄転していたが、深夜泥酔して暴れ降格、懲戒処分されている。

弾圧当時のアルゼ社長・阿南一成が耐震不正企業との不適切関係により辞任(朝日新聞2006年1月19日朝刊)。阿南は元中国管区警察局長→参議院議員を経てアルゼ社長に天下り、公判でも出廷し告発本による「被害」について述べた。

松岡に手錠を掛けた、地元出身の主任検事・宮本健志検事が、昇任にして赴任した徳島で泥酔して暴れ降格懲戒処分になった事件を報じる徳島新聞(2008年3月26日付け)

事件を指揮した、神戸地検特別刑事部長・大坪弘道は、厚労省郵便不正証拠隠滅事件で逮捕・失職している。しばらく浮浪人だったが、今は弁護士として活動している。加入を認めた大阪弁護士会の見識を疑う。

弾圧を指揮した大坪弘道検事逮捕を報じる朝日新聞(2012年10月2日付け朝刊)

カジノ建設を狙うユニバーサル(旧アルゼ)による比高官接待を報じる朝日新聞(2012年12月30日付け)

岡田逮捕を報じるロイター通信電子版(2018年8月6日付け)

そうして、アルゼ(現ユニバーサル)の創業者オーナーだった岡田和生、海外で逮捕され、みずからが作り育てた会社から放逐されている。

一時は高額納税者総合1位だったこともあるパチスロ長者だったが、今は実子らに裏切られ風前の灯だ。

事件の関係者に次々と不幸が訪れながら、事件10周年にはまだ岡田は逮捕も追放もされていなかったが、やはり悪いことはできないな。

フィリピンで政府高官に賄賂を贈ったりしてカジノホテル開業に向け精力的に活動している間に、東京の本社では息子や子飼いの雇われ社長、そして、あろうことか後妻らによってクーデターが画策され岡田は放逐される。

こうしたことから思うに、人を嵌めた者はみずからも嵌められるということだろう。

お天道様は見ている。「因果応報」とはよく言ったものだ。

クーデターによって、みずから育てた会社から放逐され愚痴る岡田(『週刊ポスト』2019年3月22日号)

一方われわれは、このかんは新型コロナで苦闘しているが、彼らが不幸に遭っている間にみなさん方と共に奇跡の復活を遂げた。誰もがもう復活はないとささやいていたそうだが(ひどいぞ! 苦笑)、愚直に本業に取り組んでいれば、必ず浮かぶ瀬がある ── 19年前の弾圧以上の事件は滅多にないだろうから、これを乗り越えたわれわれは、どのような困難をも乗り越えることができると信じている。勾留中は電話一本、メール一本、ファックス一枚もできなかったが、今はそれらは勿論できるし、自由に動き回ることができる。

[左上]弾圧10周年記念集会(2015年7月12日。地元・兵庫県西宮市)。[左下]弾圧10周年集会二次会。西宮冷蔵・水谷洋一社長が手配してくれた。[右]弾圧10周年記念集会に大学の後輩にして書家・龍一郎が贈ってくれた書

◆寄り添っていただいた、ジャーナリスト・山口正紀さん、主任弁護人・中道武美弁護士の死を悼む ──

この事件に対しては多くの方々に支えていただいた。特に、公判のたびに毎回東京から自費で傍聴に来られ秀逸な記事を最高裁決定が出るまで連続して『週刊金曜日』に書かれた山口正紀さん(一審判決後のレポートを先に掲載)、主任弁護人を務めていただいた中道武美弁護士(訃報記事掲載)が、20周年を待たずして相次いで亡くなられた。慎んでご冥福を祈り生前のご厚誼に感謝を申し上げたい。合掌

私も山口さんや中道弁護士が亡くなられた歳を過ぎたり過ぎようとしている。思うところも多い。来年20周年までにバカはバカなりに日々思慮しそれらを書き留めていきたい。(松岡利康)

主任弁護人・中道武美弁護士の訃報記事(『救援』2023年10月10日号)

【お知らせ】関係書籍として、一部品切れの本がありますが、『紙の爆弾2005年9月号』『パチンコ業界のアブナい実態』『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』は僅かながら在庫あります。当時の雰囲気や弾圧の実態を知っていただきたく、ぜひご購読お願いいたします。

出版弾圧事件を記録した本、『パチンコ業界のアブナい実態』と、この続編『パチンコ業界 タブーと闇の彼方』

今こそ、鹿砦社の雑誌!!

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《6月のことば》まっすぐ生きろ 胸張って(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

6月に入りました。

速いもので今年もあっというまに5カ月が経ちました。

今夏もこれから猛暑のようですね。

大学の後輩で、魂の書家・龍一郎の書によって鹿砦社カレンダーを制作始めてもう13年になります。

当時、3・11東日本大震災に接し少しでも励まし、共に在るよとの意志表示のためでした。

爾来ずっと続けています。

まずは書店さんに配布、そして『紙の爆弾』や『季節』(前身の『NO NUKES voice』)の定期購読の方々へ配布、そして友人、知人へ配布し続けてきました。特に『季節』の寄稿者、定期購読者や関係者の方々は被災者の方も多く喜んでいただいております。

もちろんタダ!

好評で、「俺も欲しい」「私にも送って」との声があり、今では当初の倍ほどの部数になっています。

開始した頃は会社も好況で負担になりませんでした。

しかし、コロナによって不況になると正直負担になってきました。

「そろそろやめたら」と仰る方も少なくありません。

しかし、実際に、私も含め龍一郎の言葉に励まされるという方も多いです。後輩に励まされるというのも不本意といえば不本意(苦笑)ですが……。

特に今月の言葉のように短くスパッというものが好評ですしダイレクトに琴線に響きます。

おそらくカレンダーを受け取られたた少なからずの方々もそうだと思います。

「まっすぐ生きろ 胸張って」

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年春号 能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

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《5月のことば》五月のやわらかい風とあたたかい緑に……(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

今年は逸早く夏が訪れた感がします。

おだやかで平和な季節です。

しかし、目を外に向けると、いまだに戦火は収まりません。

ウクライナ、パレスチナ・ガザ……

ところで、さすがに全米を揺るがしたベトナム反戦運動の歴史を持つアメリカでは、学生運動が拡大しつつあります。

その口火を切ったのはコロンビア大学。

われわれの世代には懐かしい大学名です。

そう、映画『いちご白書』の舞台になった大学です。これは1968年の同大学の学生運動をモチーフにした映画です。

映画は1970年6月米国封切り、日本では同年秋に公開されました。懐かしいな
あ。

さほどヒットしなかったとのことで、私は郷里の映画館で観た記憶がありますが、あまり観客は入っていなかった記憶があります。

主題歌は、バフィ・セントメリーの「サークル・ゲーム」ですが、こちらもあまりヒットしませんでした。

私はどちらも当時から知っていましたけどね。

映画も主題歌も、今また視聴したいものです。

日本では、のちに(1975年)旧姓・荒井由実が作りフォークデュオ「バンバン」が歌ってヒットした「『いちご白書』をもう一度」の名を出せば思い出される方も多いかと思います。むしろこちらのほうが有名で、この曲がヒットしたことで映画「いちご白書」も知られるようになったのではないでしょうか。

反戦運動は、コロンビア大学が口火を切り全米に拡がりつつあります。さらにはフランスにも飛び火したとのニュースを目にしました。日本では?

われわれの「いちご白書」を語ろう! 闘争勝利!

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

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《4月のことば》花 あなたらしく咲けばいい……(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

4月、新年度に入りました。

花咲き誇る季節です。

あらゆる分野で多様性の時代です。

咲き誇る花も多様です。

何事も一つではありません。

「多様性」と言いながらそうではないことも多々あります。

あなたはあなたらしく、私は私らしく咲こう!

それを認め合うところから真の多様性があるのではないでしょうか。

本年は唯一の反(脱)原発『季節』が、前身の『NO NUKES voice』を含め創刊10周年を迎えます。

次号を夏・秋合併号として創刊10周年記念号として準備を開始いたしました(詳細は後日公表。定期購読、会員の皆様には直接郵送にてお知らせいたします)。

そうして、来年はいよいよ『紙の爆弾』が創刊20周年を迎えます。

この4月7日発売号で創刊19年です。

光陰矢のごとしで、月日の経つのは本当に速いものです。

創刊直後の「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧で逮捕、半年余りも勾留され辛酸を舐めたこと、凍り付くような拘置所で大晦日、正月を過ごしたこと……走馬灯のように過ります。

さほど他人に自慢できる人生ではありませんでしたが、私らしく醜く咲いた人生でした。

『紙の爆弾』創刊号では「ペンのテロリスト」などと嘯いていました。

それでも、もうひと花咲かせて出版人生を終えたいと思う昨今です。

(松岡利康)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年春号 能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年4月号

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本年1月1日夕刻、石川県能登地方を中心に強い地震が発生、本稿執筆時点で死者240名を超え、避難者は1万4000名以上。またしても地震による大きな被害が生じています。1995年の阪神大震災以降、日本は地震の頻発期に突入し北海道から九州まで広範囲で震度7が記録されています。震災列島です。各地で大地震に被災された方々は言い尽くせぬ苦難に直面されてきました。

それでもわれわれは、2011年3月11日を特別な日として記憶すべきです。地震や津波により甚大な被害が生じたのみならず、国・電力会社が「絶対に苛酷事故は起こさない」と言い張っていた原発で、4機が爆発する人類史上未体験の大事故が発生した日だからです。

地震を含め自然界には「想定外」の事態が起こり得るし、自然の力を「想定する」力など人間には「ない」ことが証明された。そのことこそが教訓化されるべきでした。しかし、東日本大震災から13年、阪神大震災から29年を経ても、真っ当な教訓化は不充分です。

能登地方に生じている被災状況を鑑みれば、大地震発生後の救助・救援対策に限っても日本政府の対応が進歩しているのか、大きな疑問です。地震発生後1月以上経過しても、高齢者が極寒の中、学校の体育館の床に段ボールを敷いただけで寝起きしています。

阪神大震災以降、数々大地震の経験から、何を学んだのか。東日本壊滅=日本の終焉を、偶然により回避した福島第一原発事故は「地震国日本に原発を建てることができる場所はない」事実を示しました。ところが日本政府・電力会社は厚顔無恥にも詭弁を重ね、原発運転期間を40年から60年に引き延ばしたのみならず、新しい原発の増設にまで言及しはじめました。

本誌は繰り返し原発の根源的危険性を指摘してきましたが、本年1月1日に発生した能登地方の地震では、なんと地盤が最大4メートル隆起して、海が陸地化した地域が広大に生れました。「地盤が隆起し海が陸になる」場所に住宅は言うに及ばず、高層ビル・地下鉄・いわんや原発を建設しようと考える人がいるでしょうか。

本号では3・11前、2006年に金沢地裁で志賀原発運転停止命令の判決を下した元裁判官(現弁護士)の井戸謙1氏と3・11後、福井地裁で大飯原発運転停止を命じる判決を下した元裁判官、樋口英明氏、そして小出裕章氏にご寄稿いただきました。

きょうと同じ明日がくる保証はありません。猶予はない、と考えるべきです。原発を廃絶しなければ、この国の破滅は必至です。

2024年3月
季節編集委員会

3月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年春号 能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年春号(NO NUKES voice 改題)

能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

《グラビア》能登半島地震・被災と原発(写真=北野 進

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 能登半島地震から学ぶべきこと

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 地雷原の上で踊る日本

《報告》井戸謙一(弁護士・元裁判官)
 能登半島地震が原発問題に与えた衝撃

《報告》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 珠洲・志賀の原発反対運動の足跡を辿る

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 「大地動乱」と原発の危険な関係

《講演》後藤秀典(ジャーナリスト)
 最高裁と原子力ムラの人脈癒着

《報告》山田 真(小児科医)
 国による健康調査を求めて

《報告》竹沢尚一郎(国立民族学博物館名誉教授)
 原発事故避難者の精神的苦痛の大きさ

《インタビュー》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表
 命を守る方法は国任せにしない

《報告》大泉実成(作家)
 理不尽で残酷な東海村JCO臨界事故を語り継ぐ

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《検証》日本の原子力政策 何が間違っているのか《2》廃炉はどのような道を模索すべきか

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
すべての被災者の人権と尊厳が守られますように

《報告》平宮康広(元技術者)
放射能汚染水の海洋投棄に反対する理由〈後編〉

《報告》漆原牧久(脱被ばく実現ネット ボランティア)
「愛も結婚も出産も、自分には縁のないもの」311子ども甲状腺がん裁判第八回口頭弁論期日報告

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
本当に原発は大丈夫なのか

《報告》佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
日本轟沈!! 砂上の“老核”が液状化で沈むとき……

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
松本人志はやっぱり宇宙人だったのか?

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈23〉
甲山事件五〇年目を迎えるにあたり誰にでも起きうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか〈中〉

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
能登半島地震と日本の原発事故リスク 稼働中の原発は即時廃止を!
《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《志賀原発》藤岡彰弘(志賀原発に反対する「命のネットワーク」)
《六ヶ所村》中道雅史(「原発なくそう!核燃いらない!あおもり金曜日行動」実行委員会代表)
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
《東海第二》久保清隆(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
《地方自治》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)

《反原発川柳》乱 鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWTPSB9F/

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

《2月のことば》覚悟 信念を貫く(鹿砦社カレンダー2024より。龍一郎揮毫)

今年も2月1日がやって来ました。

人には誰も覚悟を決める時があります。

私にとって2月1日は、まさにその時でした(以下2・1)。

また、7月12日もそうです(以下7・12)。

2・1と7・12については、この通信をご覧になってきた方にはお分かりでしょう。

52年前の1972年2月1日、私(たち)は、ある大学のキャンパスの中心にある建物の屋上に拙い砦をこしらえ学費値上げに反対する意志表示として立て籠もり徹底抗戦しました。

強い覚悟を持って──。

これ以降の私の人生に於いて辛いことは幾度となくありましたが、その時には52年前の2・1の覚悟、あるいは19年近く前の7・12の逮捕のことを想起して乗り切ってきました。

もっと穏やかに平々凡々の人生を送る選択肢もあったのに、生来鈍愚な私は、逃げることなく常に愚直に突き進みました。何事も私なりに一所懸命に格闘してきました。編集者としては二流、出版社としても零細出版社にとどまりました。

そうして齢70を越え、気づいたら満身創痍── もっと過酷な人生を送った方々もおられるでしょうから、取り立てて威張れるものではありませんが、もうしばらく「覚悟」を持って、やり残している仕事を完遂させたいと考えています。

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年2月号

このところ月刊『紙の爆弾』『季節』と発行がほぼ重なり、また来年のカレンダーの頒布とも重なり、それらの膨大な量に本社・東京編集室ともに一時は占拠され、発送が幾分遅れ気味になっていましたが、昨日でほぼ終了いたしました。

いましばらくお待ちください。週明け11日にはほぼ到着すると思います。

例年のように定期購読・会員の皆様方には書家・龍一郎揮毫の2024年鹿砦社カレンダーを一緒に送らせていただきました。

下は『季節』冬号の巻頭を飾っている龍一郎揮毫の書です。(松岡利康)

龍一郎揮毫

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年冬号

〈原発なき社会〉を求めて集う
不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2023年冬号

通巻『NO NUKES voice』Vol.38
紙の爆弾2024年1月増刊
2023年12月11日発行 770円(本体700円)

2024年の大転換〈脱原発〉が実る社会へ

《グラビア》
「東海第二原発の再稼働を許さない」11・18首都圏大集会(編集部)
福島浪江「請戸川河口テントひろば」への道(石上健二)

《インタビュー》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
必要なことは資本主義的生産様式の廃止
エネルギー過剰消費社会を総点検する

《インタビュー》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
「子ども脱被ばく裁判」と「311子ども甲状腺がん裁判」
法廷で明らかにされた「被ばく強制」 山下俊一証言のウソ

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
【検証】日本の原子力政策 何が間違っているのか〈1〉
無責任な「原発回帰」が孕む過酷事故の危険性

《報告》木原省治(「原発ごめんだ ヒロシマ市民の会」代表)
瀬戸内の海に「核のゴミ」はいらない
関電、中電が山口・上関町に長年仕掛けてきたまやかし

《報告》山崎隆敏(元越前市議)
関電「使用済燃料対策ロードマップ」の嘘八百 ── 自縄自縛の負の連鎖 

《インタビュー》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
反原発を闘う水戸喜世子は、徹底した反権力、反差別の人であった
[手記]原発と人権侵害が息絶える日まで
       
《インタビュー》堀江みゆき(京都訴訟原告)
なぜ国と東電に賠償を求めるのか
原発事故避難者として、私が本人尋問に立つ理由

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
原発賠償関西訴訟 提訴から10年
本人調書を一部公開 ── 法廷で私は何を訴えたか?

《報告》平宮康広(元技術者)
放射能汚染水の海洋投棄に反対する理由〈前編〉

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
「核のゴミ」をめぐる根本問題 日本で「地層処分」は不可能だ

《報告》原田弘三(翻訳者)
「気候危機」論の起源を検証する

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
汚染水海洋放出に対する闘いとその展望

《報告》佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
フクシマ放射能汚染水の海洋廃棄をめぐる2つの話題
映画になった仏アレバ社のテロリズムと『トリチウムの危険性探究』報告書

《報告》板坂 剛(作家・舞踊家)
再び ジャニーズよ永遠なれと叫ぶ!

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈22〉
甲山事件50年目を迎えるにあたり
誰にでも起きうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか〈上〉

再稼働阻止全国ネットワーク
岸田原発推進に全国各地で反撃中!
沸騰水型の再稼働NO! 島根2号、女川2号、東海第二
《東海第二》小張佐恵子(福島応援プロジェクト茨城事務局長/とめよう!東海第二原発首都圏連絡会世話人)
《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち/「ひろば」共同代表)
《東京》柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《志賀原発》藤岡彰弘(命のネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
《中国電力》高島美登里(上関の自然を守る会共同代表)
《川内原発》向原祥隆(川内原発二〇年延長を問う県民投票の会事務局長)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

書=龍一郎

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

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《12月のことば》良心の充満したる丈夫(ますらお)となれ(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

本年のカレンダーもあと1枚となりました。

1年経つのは本当に速いものです。

新型コロナ襲撃でのた打ち回り、読者やライター、取引先の方々の力をお借りし、無我夢中で頑張ってきました。

コロナ以前には左団扇状態で蓄えも少なからずありましたが、一気に変わりました。

潰れもせずにやって来れたのは、ひとえに皆様方のご支援のお蔭、あらためて感謝申し上げます。

今月の言葉は、龍一郎や私の母校の校祖の言葉から採っています。

果たして私たちは「良心」に恥じない生き方をしてきたであろうか? 今の世の中に「良心」というものがあるだろうか? 良心があれば、ウクライナやパレスチナ問題は起きないでしょう。あらためて想う。

来年のカレンダーが出来上がってきました。

毎年楽しみに待っておられる方々が多くおられます。

まずは『紙の爆弾』『季節』定期購読者の皆様には新たな号と一緒に送りますので今しばらくお待ちください。

本年一年、どうもありがとうございました。

(松岡利康)

尾崎美代子『日本の冤罪』

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』

山下教介著『[復刻新版]ドキュメント タカラヅカいじめ裁判 ── 乙女の花園の今』

 

《11月のことば》冬が来る前に まだ間に合う(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

ついこの間までの猛暑が嘘のように秋が深まって来ました。

やがて冬がやって来るでしょう。

今月の言葉をそのまま読めば、やがてやって来る「冬が来る前に」、資金繰りなどいろいろ準備したら、年越しにも「まだまにあう」ということでしょう。

しかし、11月の言葉を揮毫した龍一郎や私たちには、“もうひとつの意味”があるのです。

2011年3月、東北を襲った大震災は多くの尊い犠牲者を出し、あろうことか福島の原発事故を引き起こしました。

この年の11月、鹿砦社常連ライターの佐藤雅彦さんが急遽出されたブックレットが『まだ、まにあう!』でした。

佐藤さんは、かの旧ソ連、今のウクライナに在ったチェルノブイリ原発事故の翌年に福岡在住の主婦、甘蔗珠恵子(かんしゃ・たえこ)さんが原発の危険性を訴えて出版された『まだ、まにあうのなら ── 私の書いた いちばん長い手紙』(地涌社)に触発され、これから書名を採っています。同じ福岡在住の書家・龍一郎も、これに感銘し揮毫したのが11月の言葉です。まだ少し在庫がありますので、ぜひご一読お願いいたします。

ちなみに佐藤雅彦さんにはこの他にもいい本がありますが、私たち版元の力不足もあり、なかなか評価されません。書名だけ挙げておきます。どれも博覧強記な佐藤さんらしい本です。

『もうひとつの憲法読本 ── 新たな自由民権のために』
『もうひとつの反戦読本』
『イラク侵略のホンネと嘘 もうひとつの反戦読本2』
『爆発危険! テロ米国「トモダチ」安保 もうひとつの反戦読本3』
『もうひとつの広告批評1 消費者をナメるなよ!編』
『もうひとつの広告批評2 選挙民をナメるなよ!編』
『食べたらあかん! 飲んだら死ぬで!── 食の安全読本』
『ロックはこうして殺された』
『芸能スキャンダルの闇を読む』
『現代語訳 幸徳秋水の基督抹殺論』
『ハリウッド犯罪調書マグショット』(ジョージ・セミナラ=著 佐藤雅彦=訳)

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年11月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2023年秋号

《9月のことば》がらがらぽん(鹿砦社カレンダー2023より。龍一郎揮毫)

自民党が政権与党になって11年が過ぎようとしている。
国民は幸せになっているだろうか。
国民は決して戦争を望んではいない。
国民が望んでいることは争いが起こらぬように政治家が話し合うことであろう。
日本の政治家が争いを起こさないように誰と何処で話し合いをしているのかわからない。
そのためなら国民は資金を出し惜しみをしないだろう。
ところが日本の政治家はどうだ。
あそこの国が攻めてくるぞ。日本が侵略されるぞ。ミサイルが飛んでくるぞ。
核爆弾が撃ち込まれるぞ。等々。不安と危機を煽り立てるだけじゃないか。
そして。戦う武器が必要だ。ミサイルを買おう。戦艦を買おう。
暴力には暴力で!戦う覚悟はあるか!と勇ましいことをいう政治家が出てきた。
こんな政治は「がらがらぽん」だ。国民を幸せにする政治を創るんだ!

今夏の超猛暑とコロナ襲来後の苦境脱出にくたくたになった私に代わり、龍一郎が上記のように書き送ってくれた。

9月かあ~、今年も3分の2が過ぎ、逆に言えば、あと3分の1を残すのみだ。

今年の秋もなにかと慌しいですが、せっかく皆様方のご支援で上向いてきましたので、愚直に頑張って乗り切るしかありません。闘争勝利!

(松岡利康)

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年9月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2023年夏号(NO NUKES voice改題 通巻36号)

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