◆私の夏 in ピョンヤン 悲喜怒こもごもの夏

8月の京都は、祇園祭、大文字など京都五山の送り火、鴨川縁の納涼床etc.華やかな夏の季節、学生時代の私はイベント屋のバイトで見物場設置などに汗を流していたが、ゆっくり祭り見物をしたことがない。納涼床も下から見上げるだけ、夜の鴨川散策中の恩人と「あんなとこで一回くらい食べてみたいよねえ」と言いながら。でもそんな「夏の京都の文化」はいまも懐かしい。

夏の夜、三条大橋下で「作家志望の詩人」と企画した乞食のおっちゃん二人組との酒宴、翌朝目覚めて比叡山方向から昇る太陽を皆で眺めたこと、その時「満州の太陽はもっとでっかいぞ!」と叫んだおっちゃんの一言etc.は「夏の京都青春記」のいい思い出だ。鴨川の夜に舞うホタルも見に行ったなあ……。

そして今年の朝鮮の夏のエピソード……

龍崗(リョンガン)温泉の宿舎前で

例年なら東海岸(日本海)の海に行くところだが、寄る年波に「遠出の海へはキツイ」ということで今年は3時間ほどでいける南浦(ナンポ)近くの龍崗(リョンガン)温泉に二泊三日のプチヴァカンスを楽しんだ。ラドン系温泉は皮膚疾患、神経疾患に効能があり、みな肌色が若返ったように思う。私は7、8年前にバレーボール着地時に痛めた左膝靱帯の若干の痛み(階段登り降り)がかなり和らいだ。たった二日でこれだから、この温泉の効能は抜群ということだろう。

炎天下のバレーボールもやった。70代後半、80歳の後期高齢者がやるのを見た温泉場の人たちは「まあ、ようやる爺さんたちや」と驚きあきれていた。夜は私がバーテンダー、マティーニをつくるのをウェートレスの一人が興味深げだったので「ジンとベルモットを3:1で混ぜるだけ」と教えた。朝鮮の若い女の子とのささやかな交流で若林爺の頬は緩む。

とまあ、いいヴァカンスを過ごせた。

日本の今年の夏には「夏休みなんてなくしてほしい」というシングルマザーの声に驚いた。子供の学校給食がなくなると家計が苦しいからだというのには絶句、朝鮮で呑気な夏休みの私は言葉もない。

昨日(16日)の朝鮮のTV報道で平安北道、慈江道、両江道の鴨緑江氾濫で被災した幼児教育(幼稚園)、学童教育(小中学校)の必要な子供たち、幼児持ちの母親、病弱者、弱った老人ら総勢15000余の人たちがピョンヤン到着、4・25旅館は学校になるそうで、宿所の閲兵式参加兵士用の大きな宿泊施設に全員が入ったと報じ、宿所訪問の金正恩総書記と子供たちの交流場面も報道。

中国東北地方、朝鮮北部の前例のない豪雨で鴨緑江が氾濫、広大な地域が水没、人民軍大型ヘリコプター総出動で5000余名が全員救出されたが、これを陣頭指揮する金総書記は現地で緊急列車会議を連日持ち、復旧対策を矢継ぎ早に打ち出した。4400戸の新規住宅建設、また幼稚園、学校建設も最新式のものを2、3ヶ月内に完工することなど実にスピード感のある対応策だった。この時、教育は一瞬間も遅らせられない国事だとして採られた措置が被災地の子供たちに、現地復旧までの期間、首都ピョンヤンでの幼児、学童教育を全面的に保障する措置だった。

こんな朝鮮の災害対策の迅速さ、キメ細かさと見比べて、能登地震から7ヶ月経ったいまも珠洲市では水道も電気も通っていない家があり、被災現場と破壊家屋がまだ放置され、仮設住宅建設と入居もままならず車中泊の人々、ましてや家業や自宅復旧の目途も立たない能登の惨状はひどすぎる。大規模災害時に総動員されるべき自衛隊は、日米韓やNATO各国軍との共同軍事演習に明け暮れるという変な実態。いったい誰の顔を見て政治やっとるんや! と泉房穂さんじゃないが言いたくなる。岸田政権は能登を地方消滅政策の「見本」にするつもりなのだろう、ここまで来た戦後日本は革命すべき対象以外の何ものでもない。

そんな悲喜怒こもごもの「私の夏inピョンヤン」をプロローグに以下は「戦後日本の革命inピョンヤン」7回目に訴えたいこと。

◆「いまトラ」でも「もしリス」でも老衰一途は止まらない

カマラ・ハリス 民主党米大統領候補

「いまトラ」から「確トラ」移行かと思われた米大統領選挙戦だが、どうも風向きが変わりつつある-いまや風は「もしリス」へ? 「もしリス」は私の勝手な造語、「もしハリス」の「ハ」を抜いた短縮形、まあ語感もいいし「トラ」と「リス」の闘いになぞらえたような感覚的な造語、この連載ではお許し頂きたい。

トランプ暗殺未遂事件で勝利は確定的と言われた「確トラ」、またハリスは副大統領としても無能だからトランプに勝てる候補はオバマ夫人ミシェルだとか言われてたのがいまや世論調査では「ハリス優勢」にまで変わった。「外交無能」が急に「有能」に変わるはずもないから「ハリス優勢」には何か裏があると考えるのが当然だ。

トランプはウクライナの負けは確定、だからウクライナ戦争はやめさせ対中対決に集中するとしたが、ガザ中東戦争の方はトランプのイスラエル絶対支持では終息が見込めない。中東と中国との二正面作戦をやる力は米国にはない。だとすればどちらかといえば「パレスティナに同情的」とされるハリスに中東戦争終結を任せる。またNATO諸国を対中対決に引き込むにはNATO諸国と軋轢のあるトランプではまずい、しかも欧州で台頭するいわゆる「極右」、「NATO離脱」主張の自国第一主義勢力が勢いを増すのもまずい等々の判断が米覇権支配層をして「もしリス」に風向きを変えたとしてもおかしくはない。

すでにウクライナはトランプと関係なくいまや「ウクライナ敗北」は確定的で和平交渉に向かって動いており、いまは「どう負けるか」、少しでも有利な「敗戦交渉」に向けて事は動いている。それがウクライナ軍をして必死の「数十kmロシア領内侵攻」に踏み切らせ、敗戦後の「ゼレンスキー亡命を米国が受け容れる」佐藤優発言を呼んでいる。

だから「確トラ」の声は消え「いまトラ」変じて「もしリス」といういまの状況になったのではないかと思う。

でも「もしリス」になったところで老衰一途の米覇権秩序、「米中心の国際秩序」瓦解は止めようがない。誰が大統領になろうと、米国自身がいくらあがこうと世界と時代の様相は変わったのだ。いまや米国の「例外主義」を誰も認めないし、「パックスアメリカーナ」の時代に戻ることはありえない。ボブ・ディランじゃないが「きのうの一番はびりっかすになる」-「時代は変わる」いや時代は変わったのだ。

「対中対決に集中」という長州征伐ならぬ「中国征伐」のためにG7諸国がこぞっていまインド太平洋地域に軍を送りこみ各種の共同軍事演習に熱を上げている。でも徳川幕府の長州征伐同様、老衰一途の米覇権帝国「幕府ご瓦解」はいまや時間の問題だろう。

でもトラになっても、リスになっても米国という狼が羊になることはない。覇権瓦解をなんとか押し止め回復を図る、そのためには手段を選ばない、あがきにあがく。「窮鼠猫を噛む」から始末に負えない。

その一番の被害をこうむるのがわが国、岸田首相の言う「米国の最も近い同盟国」日本だ。

◆日米“核”協議体創設が始動 「2+2」で「拡大抑止協議」を閣僚級に格上げ

日米閣僚級 拡大抑止協議

2年ほど前から本通信で日本の対中・代理“核”戦争国家化への危険を訴えてきたが、これまではまだ具体的な動きはなかった。

昨年4月の米韓首脳会談で米韓の間で米韓“核”協議グループ新設が決まり、「有事の核使用に関する協議」が米韓では可能になった。しかしながら日本との間では米国の慎重姿勢が続いた。米韓首脳会談につづく昨年8月の日米韓キャンプデービッド首脳会談でも、今年4月の岸田国賓訪米、日米首脳会談でもこの問題が公式に表面化することはなかった。

「いずれ日米間で“核”協議体創設が合意されることは必至」と訴えてきた私は「狼少年」と言われるところだったが、やはり狼はやって来た。

7月28日、日米外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議会「2+2」が開かれ、在日米軍司令部を作戦指揮権を持つ「統合軍司令部」に再編、自衛隊の統合作戦司令部との連携強化を決めたが、これとは別途に拡大抑止に関する閣僚協議が持たれ、自衛隊にも「拡大抑止の任務」付与へと一歩、事態を進めた。

拡大抑止とは「核の傘」提供を指すが、今回の協議ではこれまで「核の傘」提供、核抑止力担当は米軍だけの任務だったのが、日本の自衛隊もこれを担うことが暗黙の内に合意された。

もちろんこのことは明文化されてはいない。しかし閣僚協議後、米戦略国際問題研究所(CSIS)クリストファ・ジョンストン日本部長は「日本が導入した長射程ミサイルを組み込むことは有用だ。これまで拡大抑止は米国だけの任務だったが、今は日本にも果たすべき役割がある」と述べたことでも米国の目的は明らかだ。

更に言えば、これまで拡大抑止協議は実務級レベルだったが、今回、閣僚級レベルに引き上げられた。エマニュエル駐日米大使は「閣僚級協議は今回が初めてだが、これが最後とはならないだろう」と述べた。

上記の事態が示すことは、すでに稼働している米韓“核”協議グループにつづいて、「対中(朝)有事の核使用に関する協議体創設」が今後、日本でも本格化するということだ。いや「日米2+2・閣僚級レベルでの拡大抑止に関する協議」定例化ですでに日米“核”協議体は始動を開始したとも言えるだろう。

この協議体の正体は「核持ち込み容認」そして日米「核共有」を日本に迫る協議体だ。その狙いは自衛隊新設の中距離ミサイル部隊への有事の際の米国の核提供、自衛隊“核”武装化による日本列島の中距離“核”ミサイル基地化、つまり日本の対中・代理“核”戦争国家化にあることは何度も述べてきたことだ。

これに先立つあるTV番組で兼原信克・元国家安全保障局次長(現同志社大学特別客員教授・笹川平和財団特別理事)は番組最後の提言ボードにこう書いた。

「持たず 作らず 撃ち込まさせず」!

この意味するところは日本の非核三原則「持たず 作らず 持ち込まさせず」のうち「持ち込まさせず」を削除して「撃ち込まさせず」に変える、要は「核持ち込み容認」の提唱だ。

この「安全保障問題の第一人者」は、昨年、G7広島サミットを前に持たれた広島でのシンポジウムでは「日本の最大の弱点は“核に対する無知”だ」とまで言い切った。そしてあるTV番組では「非核の国是を守ることが大切か、国民の命と安全を守ることが大切か、議論すべき時が来た。答は明らかでしょう」と日本国民に決断を迫った。そしていまは「核持ち込み容認」という具体的対応策まで示すようになった。

これは日米“核”協議体の創設、始動に合わせた世論工作であろう。

次ぎに来るのは日米「核共有論」であることは間違いない。

今年の8月6日、広島市長は「広島平和式典」へのロシア、ベラルーシ大使の出席を拒否、イスラエル大使は招請(パレスチナ代表の出席拒否)の挙に出、9日の長崎の式典には長崎市長のイスラエル大使の出席拒否に抗議したG7各国大使が自ら出席を拒否したりのごたごたした事態になった。これは「新しい戦前」のいまの日本を象徴する出来事だ。

いまや非核放棄を迫るに至ったというのが「新しい戦前」の正体だ。すでに非戦の国是は実質的に放棄された。岸田訪米後に始まった日米同盟新時代が日米同盟の「攻守同盟化」への変容を示すものとなったが、このことが「戦争のできる自衛隊」を要求、言葉を換えれば9条改憲を迫ることは必至の事態になった。

老衰化覇権帝国が迫る9条改憲と非核放棄、これにどう対処すべきかが日本国民に問われている。このように「あの8月」を今年は「新しい戦前」に向かう「危機の8月」として迎えている我々には決断が迫られている。

プライムニュース登場の「保守政治家 石破茂」

◆「保守政治家 石破茂」登場! その意味

いま日本の政局が大きく動いている。

岸田首相が9月の自民党総裁選出馬を断念したことで総裁戦は活況を呈するものとなった。

なかでも脚光を浴びているのが石破茂氏だ。

自民党総裁選の度に国民的人気は常にトップで党員投票でも優勢を保つが、国会議員投票で常に負けるというパターンを繰り返したが、今回はちょっと事情が違う。

石破氏は最近、自分の著書「保守政治家 石破茂」を世に問うた。その著書をひっさげて8月15日にはフジTVのプライム・ニュースに出演して自分の「政治的信念と主張」を語った。

彼は自民党の刷新と共に抑止力強化を訴えた。なかでも抑止力強化のための9条改憲と核の問題についての持論を「国民の理解を得られるように」じっくり展開した。

石破氏の9条改憲論はズバリ「第二項、交戦権否認と戦力不保持の削除」だ。しかしこれを国民投票にかけるには「長い時間がかかる」という認識を示し、「憲法は変えてもいんだよ」ということを国民の皆さんがわかるようにすることが大事だと語った。おそらくいまの自民党改憲案「“自衛隊は合憲”を書き込む」程度の国民の納得できるものからやればいいということを言ったのだろう。

日米同盟新時代は「戦争のできる自衛隊」のための9条第二項改憲を迫っているが、ではこれをどうするのか?

石破氏は、当面する安保危機(対中対決)に対処して抑止力を高めるために、安全保障基本法を国会で審議、採決していくという方法で解決していけばよいと述べた。これは無理に9条第二項改憲をせずとも「交戦権の容認、戦力の保持」は安全保障基本法に盛り込み、国会承認でできるという方策を示したものだと言えるだろう。改憲なしの「実質改憲」策だ。

また核についてはこのように語った。

米韓の間にはすでに“核”協議グループが存在し、有事の際の核使用に関する取り決め体制ができている。このような日米“核”協議体が日本にも必要になる。日本が何もしないで米国が核抑止力を日本に提供するなどありえない、と。

結局のところは石破政権ができれば、9条改憲と非核の放棄という老衰覇権帝国の求めを実現するという意思表示だ。その行き着く先は日本の「対中・代理“核”戦争国化」であることは明白だ。

これを巧みに「国民の理解を得ながら」進めていく、これが「保守政治家」石破総裁、石破首相が石破政権でやることだ。

◆「政権交代論」に対抗の「政権変容論」の正体

懸案の9条改憲と非核の放棄、これを「国民の理解を得ながら」進めていく石破政権は野党もこれに巻き込む挙国一致政権をめざすものになるのではないだろうか。

すでにその兆候は見えている。

橋下徹の唱える「政権変容論」がそれだ。

岸田内閣への支持率が史上最低を更新する中、政権交代要求が政権継続要求を上回った。

2024年3月16日、17日、ANN世論調査、政権継続要求38%、政権交代要求46%。2024年4月6日、JNN世論調査、政権維持要求34%、政権交代要求48%。

そうした中、注目の二論者が相次いで政権交代論を出版した。

泉房穂「政権交代、始まる」(光文社)(5月20日出版)

橋下徹「政権変容論」(講談社)(7月19日出版)

泉房穂氏の場合の「政権交代論」は極めて単純明快だ。国民の生活苦はかつてないものになっている。この苦しみから抜け出るためには、政治を変えるしかない。だから、政権交代であり、それにより打ち立てる「救民内閣」の下に国民生活の救済だ。それが切実な国民の要求になっているということだ。

これに対し、橋下徹氏は「国民は、自公政権から野党による政権への転換を求めている訳ではない。政権の交代というより、野党予備選で候補者の一本化を果たし、本選での与野党逆転を実現した上で、野党側が石破氏など国民的に人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現するのを求めている」と主張した。

先に述べた石破政権のめざすもの、「国民の理解を得ながら」実質的に9条改憲と非核放棄を実現する安全保障基本法を国会で議論、承認を得る、そのためには石破政権が挙国一致政権的なものにならねばならない。橋下徹氏が「政権変容論」で「野党側が石破氏など国民的に人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現する」と述べたのは偶然の一致だろうか、そうではないだろう。

前号で私はこう書いた。

あるTV番組で石破氏と野田佳彦・立憲民主党最高顧問は互いに気脈が通じるとしながら岸田政権後の次期政権構想を語り合った。この政権の第一課題として立民の野田氏は「日米基軸」を上げた。石破氏はこれを高く評価した。

また次期立憲民主党代表に立候補意思を表明した枝野幸夫氏は最近、こんなことを言い始めた。

「海兵隊機能、米軍依存でいいのか。自衛隊が持つべき」だと。

枝野氏は沖縄の南西諸島の対中防衛を念頭に置いたものとしているが、海兵隊というのは敵国侵攻の先頭に立って上陸作戦を行う最精鋭部隊、外征戦争の突撃部隊だ。対中・対朝鮮最前線の沖縄に米海兵隊基地が集中しているのはこのためだ。「海兵隊機能を自衛隊が持つ」ということは「戦争のできない」憲法9条を改正するということと一体だ。

うがった見方をすれば次期政権は自民・立民の挙国一致政権、「新政権の課題は9条改憲」、「非核の国是放棄」、これがあながち邪推とは言えない時代が来たと思う。実際、日米基軸という点では与野党に大差はない。

これが「邪推」とは言えないことが、いま大きく動き出した政局の現実が示している。

その現実とは「保守政治家 石破茂」の登場、そしてこれを後押しする橋下徹「政権変容論」、「野党側が石破氏など国民的人気のある自民党有力者を総理に担いで与野党合同とも言える政権への変容を実現する」政権構想の登場だ。

これは私が「戦後日本の革命」実現の希望と見る、投票率を高めた先の東京都知事選に登場した無党派層、特に若者の間で高まる当事者意識、それに応えうる泉房穂氏の唱える「政権交代論」、「救民」で野党や無党派新人を各小選挙区で一本化して選挙で自民党に勝つ「救民内閣」構想、これへの対抗策であろうことは間違いない。

泉房穂「政権交代論」を潰す目的の「保守政治家・石破茂」と橋下徹「政権変容論」の登場、それは自民党内でも盛り上がる総裁選後の解散総選挙展望において泉房穂「救民内閣」のための「政権交代」要求の民意が彼らも無視できないものと見ている証左だと思う。

この二つの政権構想の対決で誰が勝利するか、それは日本の命運、私式に言えば「戦後日本の革命」の勝敗を決するものになるだろう。

情況は厳しさを増し、残された時間は限られている。でも遠くピョンヤンの地から「戦後日本の革命」へと小さな一歩、しかし大きな一歩が踏み出されることを願い、期待してやまない。

若林盛亮さん

▼若林盛亮(わかばやし・もりあき)
1947年2月滋賀県生れ、長髪問題契機に進学校ドロップアウト、同志社大入学後「裸のラリーズ」結成を経て東大安田講堂で逮捕、1970年によど号赤軍として渡朝、現在「かりの会」「アジアの内の日本の会」会員。HP「ようこそ、よど号日本人村」で情報発信中。

◎ロックと革命 in 京都 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=109

◎ピョンヤンから感じる時代の風 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=105

『抵抗と絶望の狭間 一九七一年から連合赤軍へ』(紙の爆弾 2021年12月号増刊)

『一九七〇年 端境期の時代』

〈Ⅲ〉「脱炭素」を名目に原発再稼働

これまでみたように「脱炭素」の切札として主力電源化を目指す太陽光発電など再エネ発電は不安定(水力発電などは除く)であり、火力発電の補完が必要で低効率な電力である。

そのため政府や電力会社は「脱炭素」を名目に原発の活用を急ぐ。太陽光など再エネ発電に比べて安定的に電力を供給できるためである。第6次基本計画でも原発は現在総発電量の6%(2019年)を占めるにすぎないのに、これを20~22%と3倍強増やす現行目標を維持している。

◆原発廃絶こそ最も緊急を要する課題

しかし私たちは2011年、福島原発事故を経験した。事故が起きれば周辺の住民は故郷を追われる。使用済み核燃料の処分方法も決まっていない。そして地震列島・日本では次の原発事故が迫っている。原発の即時廃絶こそが最も緊急を要する課題である。しかし原発廃絶の大きな壁になっているのが「脱炭素」である。

前述の通り、野党を含めて「脱炭素」が「挙国一致」の目標となっている。共産党などは老朽火力発電廃絶とともに「原発ゼロ」を掲げ、再エネ発電推進を訴えるが、「脱炭素」のためには未熟で不安定な再エネ発電を補うために原発再稼働や新増設が必要と唱える政府や電力会社の主張を許してしまう。

◆「脱炭素」を名目に補助金

また、原発の経済性が悪化している点を指摘しても「脱炭素」がその根拠を崩してしまう。例えば、大島堅1龍谷大学教授は「安全対策により原子力発電の経済性は悪化し、競争力を失っている」として「国家による原発延命策は許されない」とする(「原発の本当のコストを評価する」『世界』2019年7月号」)。

4月27日、杉本達治福井県知事は高浜・美浜の老朽原発について再稼働を認めた。その背景は政府が4月6日「脱炭素」を名目に40年超原発1基当たり最大215億円を交付することを決定したことである(2021年4月28日付け毎日新聞)。

原発は経済性が失われたても「脱炭素」を口実にした補助金により再稼働や新増設が続く。「CO2説」やそれによる「気候危機」を否定しない限り、再エネ発電とともに原発が必要という政府の主張や補助金による延命策を止められない。

〈Ⅳ〉原発廃絶・縮小社会の実現を

第6次エネルギー基本計画は「2030年度CO2 46%削減」のため、再エネ発電を現在の約2倍、原発を現在の約3倍に発電量を増大しようというものである。

しかし「CO2説」は科学的根拠が曖昧で、「気候危機」はデータの裏付けに乏しい。そして何よりも問題なのはこのような科学的根拠に乏しい「CO2説」に基づいて原発や再エネ発電(主に太陽光や風力)を著しく増やそうという点である。

特に原発は一旦事故を起こしたら取り返しがつかない。地震列島・日本では次の原発事故が迫っている。即時廃止が差し迫った課題である。にもかかわらず、「脱炭素」を名目に政府は再稼働を進める。また、再エネ発電は「自然エネルギー発電」ともいうが、実際には「自然破壊エネルギー」である。その上、不安定かつ非効率でCO2を減らせるかどうかも疑わしい。「脱炭素」を名目に原発や再エネ発電を増やしてはならない。

政府・経産省が「脱炭素」を名目に再エネ発電や原発再稼働を推進するのはデジタル化やEV(電気自動車)の普及に伴う電力需要をまかない、GDPを増大させるためである。「環境破壊」や「資源枯渇」を止めなければならないことに議論の余地はない。

しかし、そのためには再エネ発電や原発再稼働ではなく、電力に過度に依存する社会を見直し、天然ガス、石炭、石油などの使用を徐々に減らして経済成長をマイナスにするしかないのである。そのことは今後」人口減少の著しい日本では十分可能である。

本稿は『NO NUKES voice』(現・季節)30号(2021年12月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発に関する記述は、2021年当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

◎「脱炭素」その狙いは原発再稼働 ──「第6次エネルギー基本計画」を問う
前編〉原因と結果を取り違えたCO2説
後編〉原発廃絶・縮小社会の実現を http://www.rokusaisha.com/wp/?p=50965

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

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龍一郎揮毫

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横浜副流煙裁判をドラマ化した映画「窓」が、9月14日にロサンゼルス日本映画祭(Japan Film Festival Los Angeles 2024〈JFFLA〉)で上映される。

この映画は、煙草の副流煙が引き金となった隣人トラブルに材を取った作品で、ロンドンやパリの国際映画祭の最優秀長編映画賞など、国内外で数々の賞を受賞してきた。また、主演の西村まさ彦氏が最優秀主演男優賞を受けるなど高い評価を得てきた。

ロサンゼルスでの上映が決まったことで、「香害」が新しい視点から、禁煙ファシズムの発祥地である米国でもクローズアップされることになった。
 
既報してきたように、横浜副流煙裁判は、たばこの副流煙が原因で健康を害したとして、隣人が隣人に対して約4500万円の損害賠償を求めた事件である。舞台は、横浜市のマンモス団地。都会の砂漠。日常生活の中に潜んでいる事件だが、原告の訴えに根拠はなく、被告として法廷に立たされたミュージシャンの勝訴で終わった。


◎[参考動画]映画 [窓] MADO Trailer

映画『窓』は、「香害」について再考する上で重要な作品である。マスコミ報道が原因で、「香害」=化学物質過敏症の単眼的な概念が社会の隅々まで根を張っている。その結果、「香害」が持つもうひとつの顔は、ほとんど認識されていない。  もうひとつの顔とは、「香害」を訴えている人々の中に、かなりの割合で精神疾患の人々が混じっている実態である。医療に携わる人々に間でも、精神疾患の可能性を考慮せずに、患者の訴えを鵜のみにして、安易に「化学物質過敏症」の病名を付した診断書を交付している。それが予期せぬ隣人トラブルの引き金になっている。

『窓』は、初めてこの点に踏み込んだ作品である。化学物質過敏症をテーマとした映画としては、『いのちの林檎』が有名だが、『いのちの林檎』は化学物質過敏症で苦しんでいる人を単眼的に描いているだけで、精神疾患の問題には踏み込んでいない。と、いうよりも同作品が制作された時代には、化学物質過敏症と精神疾患を区別する科学の視点がまだ定着していなかったのである。

横浜副流煙裁判の中で、煙草の被害を訴えた原告側に、精神疾患の可能性が浮上したことで、「香害」の捉え方が多面性を帯びてくる。麻王監督は、この点に着目して事件をドラマ化したのである。複雑きわまりないテーマを、名演技と美しい映像で構成した。

※               ※               ※

 映画の上映に際して、麻王監督をはじめ、プロジューサーの藤村政樹氏、主演の西村まさ彦氏、それに実際に横浜副流煙事件の当事者となった藤井将登・敦子夫妻の5名が渡米する。

『窓』のエンディングで使われている曲は、ミュージシャンで事件の被告である藤井将登氏の作曲である。歌っているのは、小川美潮。何十年も前に誕生した曲だが、偶然に映画『窓』の世界と一致している。複雑な社会機構の中で、窓を閉じて、街を眺めるしか生きるすべがない弱者の悲しみが伝わってくる。


◎[参考動画]小川美潮「窓 ~ mado 2022 ~」―映画『[窓] MADO』 SIDE[B]

本稿は『メディア黒書』(2024年08月24日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)

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8月中旬、米国のエマニュエル駐日大使が今秋の大統領選挙後、離任することが明らかになりました。ハリス候補が大統領選挙で当選した場合は、政権の要職に加わる見通しとのことです。

◆「どぶ板」で日本人の心をつかんできたエマニュエル氏

エマニュエル駐日大使は、2022年3月、岸田総理の招きで広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花をしました。

そのことから、広島でもエマニュエル氏に好感を持っている人も少なくありませんでした。また、現在も日本各地を自転車旅行されるなど「どぶ板」で日本人の心をつかんでいる感はあります。

しかし、筆者に言わせれば、エマニュエル駐日大使ほど酷い駐日大使は日本を見下す方はいなかったと思います。そして、国際平和文化都市広島を米国忖度都市「HIROSHIMA」に変えようとしたのはこの男である。そのように断定せざるを得ません。

◆一線超えたエマニュエル氏のLGBT推進デモ参加

エマニュエル駐日大使は、東京・渋谷で行われたLGBT法案を推進するデモにも参加されました。外国政府の代表(天皇の接受を受ける)がこうした行動をとるのはいかがなものか?米軍による諸犯罪を糾弾する左翼の皆様からも、このことに対する懸念や批判は寡聞にして存じません。筆者ももちろん、米軍による諸犯罪は糾弾してきましたし、日米地位協定の改定も進めるべきだと思います。

しかし、そうであるならば、エマニュエル駐日大使の上記行動も批判しなければダブルスタンダードではないでしょうか? そうした左派のダブスタもエマニュエル氏をつけあがらせ、後述する広島や長崎への高圧的態度へ、と暴走させた原因になっているのではないか? 悔やまれます。日本国内のLGBTに関する施策についてはあくまで、日本に住む市民とその代表者たる国会や地方議会で決めるべきです。

同大使のデモへの参加は一線を越えたと言わざるを得ない。こういうことで米国政府の力を借りてしまった左翼の皆様にも猛省を促したい。

◆広島にパールハーバーと平和記念公園の協定締結「強要」

そして、LGBT法案成立で「調子ぶっこいた」のか、エマニュエル駐日大使は、2023年5月のG7サミット中に、広島市の松井一實市長に対して、パールハーバーと平和記念公園の姉妹協定を結ぶよう打診して来たそうです。さすがに、松井市長もすぐに締結することは避けましたが、議会や市民にある時期までこのことを隠したまま、突然、6月末に協定を締結すると発表。東京にいたエマニュエル氏に「謁見」し、協定を締結してしまいました。報道によれば、協定の案文等も広島市の主体性はまったくなく、松井市長は米国側に丸投げしたそうです。

そもそも、パールハーバーは現時点でも軍事施設です。核兵器を含む攻撃拠点です。今も昔も太平洋のど真ん中のこの場所の戦略的重要性は変わりません。

もちろん、大日本帝国海軍が宣戦布告の前にパールハーバーを攻撃してしまったのは国際法違反と責められても仕方がない。しかし、もう日本が降伏寸前の状況で、多数の民間人を虐殺した米国による原爆投下と「おあいこ」になる性質のものではないでしょう。

また、大日本帝国が広島や呉を出撃基地として中華民国を侵略したり、米国との戦闘中に東南アジアで現地の方の命を奪ったりしたのも事実であり、国際法違反です。しかしながら、米国にあれこれ言われる筋合いのものではありません。日本政府は、1995年のいわゆる村山談話で一定の総括はしています。広島市は1991年の平和宣言で当時の平岡敬市長が日本の加害責任にも言及しています。

米国は、現在もヒロシマ・ナガサキへの原爆投下について謝罪もしていませんし、反省もしていません。

その状態で、姉妹協定を、というのは、一体何様のつもりか? それを議会にも諮らずに受けてしまう松井市長も松井市長です。

◆日本政府よりも米国忖度? 平和記念式典における松井市長の姿勢

その広島市の松井市長は2022年以降の平和記念式典ではロシアとベラルーシを招待しませんでした。式典の円滑な実施のためと言うのが理由ですが、それを言い出したら米国だってイラクやシリア、アフガンなど中東諸国を空爆しまくりで相当イスラム過激派の方々には恨みを買っています。米国標的のテロなどいくらでも起きています。ロシアを招待することが米国以上のリスクになるとも思えません。やはり、明らかに米国への忖度が働いた、と言わざるを得ない。

そして、2024年の平和記念式典では、パレスチナ国は招待しないのにイスラエルは招待を続けていました。ロシアも確かに核威嚇はしていますがイスラエルだって閣僚がガザへの核使用を示唆しています。ロシアを呼ばないならイスラエルも呼ばない。それかどちらも呼ぶか。さもなければ筋が通りません。

一方で、長崎市の鈴木市長は、ロシアとともにイスラエルも招待しませんでした。その結果、エマニュエル駐日大使が音頭を取って、日本以外のG7諸国の大使が欠席をしたのです。

少なくとも、この間の松井市長の行動は明らかに何かに忖度している。その忖度の対象は岸田総理なのかな?と思っていたのですが、どうも、そうではなさそうだ。言うほど地元広島で岸田さんは人気がないからです。また、日本政府自体、パレスチナ国の国連加盟に賛成するなど、G7諸国では突出してパレスチナに配慮しています。となると、松井市長のこの2年間の行動は日本政府への忖度ではない。やはり、エマニュエル駐日大使に忖度、というのが正しいのではないか。

以下のエマニュエル駐日大使のSNSにある写真が全てを物語っているのではないか?

原爆を落とされた方が、落とした方に頭を下げる。普通は逆ではないでしょうか?

◆これ以上の米国忖度は国際情勢の危機加速に

そもそも、これ以上、米国による原爆投下を広島が米国政府による反省も謝罪もなく許した、と思われることは他の核保有国との関係でも好ましくありません。「実際に使った米国が許されるなら、威嚇くらいいいじゃないか?」。そのように中露英仏印パ朝、そしてイスラエルが言いだしたらどうするのか?大変なことになりかねない。

そして、パレスチナへのイスラエルによる侵略を是認すると思われるスタンスを広島が取ればどうなるでしょうか?ますます、「お墨付きを得た」とばかりにイスラエルは図に乗ります。

そういう状況では、例えば、ロシアによるウクライナ侵攻への批判はますます難しくなるでしょう。

中華人民共和国による領空侵犯はもちろん非難されるべきです。しかしながら、例えばいわゆる台湾有事についてはどうか?

「他人の土地を侵略しているイスラエルはどうなのか?イスラエルが無罪放免なら、台湾はあくまで国内問題だからお宅らには関係ない」

と中華人民共和国により反論されたらどうするのか?

イスラエルによるパレスチナ侵略・虐殺及び米国によるイスラエル甘やかしを放置しておけば、中国、ロシアに対しても非難がしにくくなることは間違いありません。

◆エマニュエル駐日大使離任機に米国忖度から脱却を!

いくら、エマニュエル駐日大使に頭を下げても米国は核実験を強行しています。そして、たかがイスラエルを呼ばなかったくらいで長崎の式典をG7総団結で集団欠席したエマニュエル駐日大使。明らかに日本をというより、日本人を下に見ています。そもそも、エマニュエル氏はシカゴ市長時代に黒人少年射殺事件で映像を隠したことで批判されています。

筆者はトランプ氏ら共和党が良いとは言いません。しかし、米国民主党も人権、民主主義、ジェンダー平等などご高説を垂れる割には、結局のところ、昔の白人帝国主義から本質は変わっていないのです。黒人虐殺の情報を隠すのも、原爆投下を謝罪・反省しないのも彼らの中では「善」なのです。ある意味ではトランプ以上にたちがわるいかもしれないのです。もちろん、筆者も米国から見れば外国人です。米国大統領選挙は見守るしかない。しかし、どちらが当選しようが、広島がやるべきことは決まっています。過剰な米国忖度から卒業することです。

筆者は、具体的に行動を呼びかけています。

ひとつは、引き続き、パレスチナ虐殺をやめるよう呼びかけ続けること。

ひとつは、平和記念式典の原理原則を立て直すこと。「パレスチナ国代表を招待してください」という請願は紹介議員を確保し、9月議会で審議していただく予定です。

そして、パレスチナ問題について勉強のため、ダニー・ネフセタイさん講演会を広島で開催します。

◆元・イスラエル軍兵士が語る「平和」 
 イスラエルの歴史と今・そして日本~ダニー・ネフセタイさん講演会IN広島

もうすぐ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への侵攻・虐殺が激化してから1年になろうとしています。ガザ地区では連日のように多くの命が奪われる状況に終わりは見えず、中東全体にも戦火が広がろうとしています。そもそも、なぜ、こんなことになってしまったのか?

 そして平和をつくるために、日本・広島に住むわたしたちはどうすればいいのか?

イスラエル軍の元兵士で現在は日本で木製家具職人の傍ら日本全国を「非戦・平和」等をテーマに講演されているダニー・ネフセタイさんにお聞きします。

日時 2024年9月18日(水) 18時開場 18時半スタート
場所 広島市東区民文化センター工作実習室 
(〒732-0055 広島市東区東蟹屋町10-31 広島駅から徒歩約10分) 
資料代 1000円
主催 広島瀬戸内新聞 
連絡先 佐藤 090-3171-4437 hiroseto2004@yahoo.co.jp

◎ダニー・ネフセタイさん プロフィール
1957年、イスラエル生まれ
1975年 高校卒業後、徴兵制によるイスラエル軍入隊。空軍にて3年間兵役を務める。
1979年 退役後、アジアの旅に出る。日本各地をヒッチハイクなどで旅をし、交流を深める。日本語学校にて更に深く言葉を勉強しその後神奈川の家具会社に勤める。
1988年 東京より埼玉県皆野町金沢へ引っ越す。木工房ナガリ家を開設。
1999年 皆野町金沢・出牛に自宅のログハウスを夫婦で自力建設。

現在は、夫婦で注文家具、遊具、木工小物、社会性オブジェの創作活動。ギャラリー にて個展、グループ展など多数開催。「世の中を良くすることも物づくりをする人間の指名である」という信条を持ち戦乱の絶えない祖国イスラエルを批判、「3.11」後の日本で脱原発の道を進むことを願い、活動をつづけている。
WEBサイト https://nagariya.handcrafted.jp/ 

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。

◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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経産省は2021年7月21日、第6次エネルギー基本計画の原案を発表した。2030年度には総発電量のうち、再エネ発電を36~38%に増加させ(現行22~24%)、主力電源化をめざす一方、原子力は20~22%の現行目標を維持するという。(2021年10月22日閣議決定)

この基本計画の根拠は2020年10月、菅義偉首相(当時)が所信表明演説でCO2など温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにすると宣言したことをうけて、4月の気候変動サミットで「30年度に13年度比46%削減」を公約したことである。

国会では2020年11月「気候非常事態宣言」、21年5月「改正地球温暖化対策」をいずれも野党を含めて全会一致で可決。「2050年CO2実質ゼロ」は「挙国一致」の目標となっている。

〈Ⅰ〉「人為的CO2温暖化説」は正しいか

菅前首相の「CO2実質ゼロ宣言」の根拠はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「人為的CO2温暖化説」(以下、CO2説)である。21年8月11日IPCCは第6次報告書で「人間の影響が海洋および陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がない」とした。

◆原因と結果を取り違えたCO2説

しかし、まずCO2はそれ自体としては人類に有害ではないし、植物にとってはむしろその成長を促す物質であることを押さえておきたい。確かに19世紀後半以降、温暖化傾向はみられ(150年間で1度程度の上昇)、CO2濃度が上昇してきたことは事実である。しかし、地球はこれまで寒冷化と温暖化を繰り返してきた。

日本史でいえば、縄文時代や中世には今日以上に温暖化した時期があった。その結果、縄文時代には海進が進み、内陸から切り離されて日本列島が形成された。縄文時代や中世温暖期に人為的CO2が増大したとは考えられないが、過去80万年の統計(南極アイスコア分析)によると温暖化したときにCO2が増大している。温暖化により海洋から大気中への放出の結果、CO2は増大するのである。「CO2説」は原因と結果を取り違えている。(近藤邦明『温暖化の虚像』電子書籍)

◆「気候変動」は「温暖化」が原因か

前述のIPCCの報告書はCO2による温暖化のため、熱波や台風・大雨など「気候変動」を引き起こしているとする。しかし「CO2説」が成り立たない以上、「気候変動」は(太陽活動の影響など)自然変動によるものである。そして近年、自然災害が増大しているかについても十分な検証が必要である。

台風を例にとると、池田清彦は「気象庁のデータを全部調べてみたが、日本は台風の数は傾向として徐々に減っているし、被害総額も昔の方がうんと大きかった」(『環境問題の嘘』令和版)とする。このように「気候変動」「気候危機」はデータによる裏付けも乏しい。

〈Ⅱ〉太陽光発電増大の問題点

何より問題なのはこのような科学的根拠に乏しい「CO2説」に基づいて経産省が「脱炭素」を名目に再エネ発電拡大や原発再稼働をすすめようとしていることである。

第6次基本計画は総発電量のうち再エネ発電について、太陽光15%(2019年7.6%)、風力6%(同0.8%)、水力10%(同7.7%)と想定する。梶山前経産相はCO246%削減達成には「現実に太陽光をどれだけ敷設できうるかということだ」(2021年6月28日付け毎日新聞)と述べる。

洋上風力発電の導入には環境への影響評価に8年程度かかるため、2030年には間に合わないためである。そこでまず再エネ発電のうち、太陽光発電増大の問題点について考えたい。

◆メガ・ソーラーによる自然破壊

「国土面積当たりの日本の導入量はすでに主要国の中で最大でパネルの置き場所は限られている」(2021年7月22日付け日本経済新聞)。このように太陽光発電の新たな立地は難しい。太陽光発電の主力であるメガ・ソーラーは自然破壊が著しいためである。今年7月に起きた静岡県熱海市の土石流でも山林を切り開いて設置された太陽光パネルが一因とされた。

静岡県は、直接的な因果関係は確認されていないとしたが、パネルの下は陽がささず、草が生えないため、特に傾斜地では土砂災害を誘発しかねない。土砂災害などの危険を恐れて住民が事業の差し止めを求めて起こした訴訟が2件以上も起きている。(2021年6月28日付け毎日新聞)

太陽光発電の自然破壊について安田陽京都大学特任教授は「山を削り、森を裸にしてパネルを設置することに規制がない一方、長年手つかずの荒廃農地は平地でも農地法の規制で原則的にパネルを建てられない。こうした政策の不調和が問題だ」(同前)。

しかし日本では食料自給率が40%を切っている。私は山村に暮らしているが、「中山間地直接支払制度」によって田畑の草を刈っていつでも耕作可能な状態を保っている。安田氏は日本の農業の現状を見ていない。河野太郎前規制改革担当相は再エネ発電拡大のために規制緩和を進めようとしたが、これ以上の農地潰しは許されない。「山を削り、森を裸にしてはならない」のと同様、農地を潰してはならない。

◆太陽光発電の不安定性・非効率性

太陽光発電は夜や雨の日にはほとんど発電しないので火力発電のバックアップが必要である。常にスタンバイしている火力発電所は急に運転したり停止するためエネルギー効率が著しく下がる。どの程度、火力発電に用いる石炭や天然ガスなどを減らせるか疑わしい。

太陽光と同じく「風まかせ」の不安定な風力発電ではアメリカのコロラド州の2009年の例によると、風の弱い、火力だけの日より風力+火力の日の方が排気ガスが激増した(武田恵世『四日市における自然エネルギー問題』四日市大学)。かえってエネルギーを余分に使いCO2削減にも役立たないというのである。

それに太陽光パネルはほとんど中国産(企業別では世界6位までが中国の工場で生産)で安い石炭火力による電力で製造されている。結局、家庭用の太陽光発電などもCO2排出を中国などに付け回しているにすぎないのである(近藤邦明 前掲書)。(つづく)

本稿は『NO NUKES voice』(現・季節)30号(2021年12月11日発売号)掲載の同名記事を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発に関する記述は、2021年当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

▼大今 歩(おおいま・あゆみ)
高校講師・農業。京都府福知山市在住

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

https://readyfor.jp/projects/kisetu_nonukes

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

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読売新聞の元販売店主が読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判のその後の経緯を報告しておこう。新しい展開があった。

既報したように、この「押し紙」裁判は、大阪地裁でも大阪高裁でも読売新聞が勝訴したが、大阪地裁は読売による独禁法(新聞特殊指定)違反を部分的に認めた。その意味で、元店主が敗訴したとはいえ、画期的な認定が誕生した。高裁が、この認定を取り消したとはいえ、判例集でも公開され、「押し紙」問題の解決に向けた一歩となった。

しかし、読売は、元店主に対して新たな動きに出た。8月1日付けで、元店主の預金口座を差し押さえて、約1300万円(延滞損害金などを含む)のお金を支払うように求めてきたのだ。

◆約1300万円の中身

読売が金銭要求している1300万円が発生した経緯は次の通りである。2020年8月に、元店主は読売に対して、「押し紙」で損害を受けたとして、4120万円(後に1億2486万円に増額)を請求額する「押し紙」裁判を起こした。

これに対して読売は、元店主から約1000万円の補助金を騙し取られたとして、元店主を「反訴」した。返金を求めたのである。

判決は、大阪地裁も大阪高裁も、元店主の請求は1円たりとも認めず、読売の高額請求は認めた。

ちなみにこの「押し紙」裁判の読売代理人を務めたのは、喜田村洋一弁護士ら3名である。喜田村洋一弁護士は、人権擁護団体である自由人権協会代表理事を務め、今世紀の初頭か、地元の東京だけではなく、福岡、大阪、埼玉などへ足を運び、一貫して読売に「押し紙」は一部も存在しないと主張し続けてきた。熱心な「人権擁護活動」が評価されてるのか、メディア関係者や新聞研究者からは、ありがたい存在として重宝がられている。

これまでにも読売は、裁判を起こした(元)店主に対して逆に訴訟を提起するなどして法的根拠をつくり、資産を差し押さえたケースはある。たとえば2012年7月、真村訴訟の元原告だった真村久三氏に対して、自宅を仮差押えする申し立てを行った。裁判所は、早々にこれを認めた。この差し押さえには、喜田村洋一・自由人権協会代表理事がかかわった。

当事者を精神的にも、経済的にも追い詰めかねない預金口座の差し押さえ手続きを行ったのは次の3名である。元店主の人命にかかわりかねない案件なので、以下に実名を公表する。

 軸丸欣哉弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)
 森田博弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)
 森本英伸弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)

なお、今回の差し押さえ事件に関しては、喜田村弁護士の名前はないが、裁判では読売の代理人として重要な役割を果たした。従来どおり、「押し紙」は一部も存在しないと主張し続けた。

判決の評価は、本来であれば判決の全文を公開した上で、議論するのがふさわしいが、読売が判決文に閲覧制限をかけているために、議論の肝心な分部は黒塗りで閲覧できない。

預金口座を差し押さえられた後、元店主は新聞労連にも相談したが支援は得られなかった。新聞研究者も口を閉ざしたままである。緒雑誌のジャーナリズム特集でも、「押し紙」問題だけは除外されている。

◆判決の解説記事

この事件をどう評価するかは読者の自由であるが、わたしが着目しているのは、次の4点である。

(1)裁判所と新聞社は、日本の権力機構の中で、どのような位置づけになっているのか?

(2)新聞社の系統を問わず、裁判所は、大半の「押し紙」裁判で、「押し紙」の存在を認定していないが、公序良俗という観点から、大量の新聞が配達されることなく廃棄されている事実(積み紙)をどう考えているのか。

(3)自由人権協会とは何か。

(4)読売の社会部長は、「押し紙」問題をどう考えているのか。

※関連記事 http://www.kokusyo.jp/oshigami_c/17608/

本稿は『メディア黒書』(2024年08月22日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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黒薮哲哉『新聞と公権力の暗部 「押し紙」問題とメディアコントロール』(鹿砦社)

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◆過去の画期的イベント

ボクシングやキックボクシングにおける、プロ選手が目指す地位と名誉はランキングが基となるタイトルマッチで、世界戦や各国、エリア毎にも行われます。

これに準ずるのが多くのスポーツで行われている分かり易いトーナメント戦です。キックボクシングにおいても頻繁に行われて来ましたが、最近では小規模なことが多く、各団体の一つの階級で王座決定トーナメントや挑戦者決定トーナメントの4名参加程度が多いようです。

2006年7月にはニュージャパンキックボクシング連盟に於いて藤田真理事長が退任前に、真王杯トーナメントを55kg以下と60kg以下の2つの枠で、それぞれ8名参加で5ヶ月かけた3回の興行に渡って開催しました。優勝賞金は200万円。準優勝でも50万円でした。

2019年に日本キックボクシング連盟(NKB)ではPRIMA GOLD杯ミドル級トーナメントが8名参加で3回の興行に渡って行なわれました。更にジャパンシフトランド杯59kg級トーナメントも8名参加で開催。台風やコロナ禍で、準決勝から決勝の期間が空き過ぎると冷めてしまう点は勿体無いところでした。優勝賞金はいずれも30万円でした。

過去、キックボクシング史上で、これらのスケールを超えるトーナメントは他に無いだろうと言えるのが、1979年(昭和54年)11月から4ヶ月かけて行なわれた500万円争奪オープントーナメントと1982年11月から5ヶ月かけて行なわれた1000万円争奪オープントーナメントです。

今回はこの1979年の500万円争奪オープントーナメントについて振り返ってみたいと思います。

◆参加選手の豪華さ

このイベントは当時の日本キックボクシング協会系(TBS系)のみでしたが、キックボクシングでは初の大掛かりなトーナメント。TBSでのキックボクシング放映末期で、レギュラー番組として生き残りを懸けた起死回生のイベントでした。

[左]トーナメント用のプログラムは無く、通常興行に組み込まれた掲載だった(1979.11.3)/[右]500万円争奪オープントーナメント対戦表(1979.11.3)

 

優勝盾はTBSより

優勝賞金は500万円。階級は中量級域58.0kgから63.0kgの幅。フェザー級からジュニアウェルター級域(当時ジュニアクラスは無し)の選手が参加する流れでしたが、もう少しウェルター級域まで幅があれば稲毛忠治の出場も検討したという千葉ジムの戸高今朝明氏。

それでも当時の錚々たるメンバー18名が参加していました。そして負けたら終わりというトーナメントの厳しさも映し出され、当然ながら優勝候補がどんどん脱落していきました。初戦で亀谷長保vs松本聖の目黒ジム同門対決は優勝候補同士の対戦で、勝ち上がった亀谷長保は前年に敗れている金沢一夫(横須賀中央)に準々決勝で再び敗れて脱落。その金沢一夫は準決勝で伊原信一に敗れ脱落。

もう一方のブロックでは、実力者・光本成三(目黒)、尾崎勇(横須賀中央)も脱落する中、人気実力急上昇の須田康徳(市原)が準決勝で、優勝候補の一人だった日本ライト級チャンピオン、有馬敏(大拳)に2度ノックダウン奪われるも挽回し僅差勝利した試合も名勝負でした。

そして決勝まで勝ち上がった現役最古参・伊原信一(目黒)対須田康徳戦は、打ち合いを避けた手数少ない展開から、最終第5ラウンドに右ストレートでノックダウンを奪った伊原信一が距離を取ってアウトボクシング。勝利への執念を貫いた現役最古参が判定勝利で優勝しました。

◆レギュラー放送継続には繋がらず

昭和の高度経済成長期にテレビが普及して行った中、全国ネットのレギュラー番組として、TBSのゴールデンタイムにキックボクシング放送が10年も続いたことは、当時はまだ番組コンテンツが少なく、KO率高いキックボクシングはお茶の間に受け入れられた時代でした。

しかし、テレビ番組も多様化する時代の流れには敵わず深夜放送に降格し、更にレギュラー番組は終了に至りました。また、オープントーナメントの開催有無に関わらず、放送終了は決定的だったとも言われ、もう2年早く開催していればまだ放送延命は可能だったかもしれません。

[左]優勝はベテラン伊原信一(画像は後々のもの)/[右]準優勝となった須田康徳(画像は後々のもの)

◆定期的イベントとなるか

このオープントーナメントはタイトルは掛かっていませんが、中量級域の一時的ながら最強を決めるイベントとしては画期的でした。更に軽量級域と重量級域でも3階級に分けて、他団体からの参加があればより盛り上がることは想像に難しくない価値を残しました。

しかし、第2回開催への優勝賞金を確保することも難しく興行はメッキリ減り、先行きは不透明となりましたが、そんな期待は後々に業界の総力を結集する第2回開催へ繋がっていきました。

次回はその1982年の1000万円争奪オープントーナメントについて語らせて頂きます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

本稿は『季節』33号(2022年9月11日発売号)掲載の「電力逼迫を利用した原発推進政策の問題点」を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発再稼働に関する記述は、2022年8月当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

◆動かせない理由を説明せよ

現在、新規制基準適合性審査を通過した原発は17基、そのうち1度でも再稼働した原発は10基である。残り7基は現在も運転できる状態にはない。

その7基の内訳は、東電柏崎刈羽6、7号機、日本原電東海第2、東北電力女川2号機、中国電力島根2号機、関西電力高浜1、2号機。これらはすべて安全対策工事又は特定重大事故等対処施設の工事が終わっていないか、地元合意を得ていないか、最もひどい例は電力会社の運転資格を再確認中のもの(これが東電)である。すなわち法的にも道義的にも動かせないものばかりである。

定期検査中で稼働できないものは、夏のピークだ、電力逼迫だといっても動かせるわけがない。法令上の理由で稼働できていないのに、そのツケを規制のやりすぎだとか、反原発の圧力だと、勝手な憶測をばらまいている参議院議員選挙候補や政党(選挙期間中に)の何と多いことか。さらに問題なのは、これら主張について経産省はこれ幸いとばかりに、訂正することもなく、むしろ助長するかのように、必要もない

電力逼迫注意報だ、警報だと、電力不足をあおり立てている。だが、電力逼迫を引き起こした最大の責任者は経産省だ。だから責任の目先、追及の矛先も変える必要があるというわけだ。

原発の再稼働が困難な事例のいくつかを示す。高浜4号機は6月8日から10月(いわゆる夏のピーク時の期間)まで停止する。その理由は定期検査。関電によれば「10月下旬の原子炉起動、11月中旬の営業運転再開を見込む」という。

また、高浜3号機は定検中に蒸気発生器伝熱管に損傷が見つかったため運転再開が遅れている。6月末で稼働している原発は大飯原発3、4号機。

玄海4号機は定検の終了予定を7月上旬に前倒ししてむりやり運転再開。40年超の老朽原発、美浜原発3号機は21年6月に再稼働したものの特定重大事故対処等施設が出来ておらず、

わずか4ヶ月後の10月に停止した。これを8月12日に再稼働しようとした、

漏水により延期されている。当初は10月20日が予定されていたが夏のピーク時に少しでも重ねようという意図で約2カ月前倒した。

◆地域間連携や再エネを軽視

東日本大震災後11年以上経つというのに、当時から指摘されていた問題に迅速に取り組むでもなく、漫然と時を過ごし、再生可能エネルギーへの国の投資も怠り、送電網整備の責任を怠ってきた。そのことを指摘する報道も、ほとんど見られない。

日本列島には潜在的に自然エネルギーを活用できるところがたくさんある。日照の多い地域では太陽光が、風況の良いところは風力が期待できるが、これらは消費地から離れている。発電した場所から電力を送るには、既存の送電線に接続する必要があるが、送電線は9電力がほぼ独占状態だ。

これに自然エネルギーを優先的に接続できるような体制の整備は国にしか行えないが、進んでいない。

経産省は、最悪の事態、例えば全国規模のブラックアウトをあえて起こそうとでもしているのではないか。そんないやな感じさえ、昨今の政府の無策ぶりには感じてしまう。実際にコロナ対策では、それに近いこともしている。

◆東西連系線を強化する

3月や6月の電力逼迫の注意報が出たときにも、西日本では電力不足は起きておらず余力があった。東電のエリアで不足するなら西日本から供給すれば問題は解決する。しかし、東日本と西日本では周波数が異なるため、そのまま電気を送ることができない。50サイクルの東と60サイクルの西の間には「周波数変換所」が必要になる。

その容量は現在210万kWだが、震災時に120万kWしかなかったものを増強した。これで足りるとは誰も思っていないので、今後も増強する予定だ、最終的には300万kWにするが増強には1750億円かかり2027年の完成予定。これは速やかに完成させるように取り組むべきだ。震災後の11年間に柏崎刈羽原発再稼働準備として累積1兆2千億円もつぎ込んできた東電にとっては、大した費用ではない。資金の使い道を間違ったことが、今回の逼迫に繋がっている。

日本列島は南北に延びているから、北海道と九州では気候が違う。日本中で電力の連系ができれば、どこかで逼迫が生じても必要なところに電力が送れる。設備も効率よく使えて良いことずくめだ。

電力会社に投資余力がないとしたら、公共事業として造れば良い。 「変換所」を発展させ、日本中を直流送電で繋ぐという方法だ。直流に変換すれば周波数問題は起きない。大動脈として東西直流送電線を引くことを公共投資として行えば、電力需給問題は解決できるうえ、南海トラフ地震のような大規模災害対策にもなるのである。例えば、震災以来原発につぎ込んだ5兆7000億円を使っていれば、すでにできていたはずだ。

▼山崎久隆(やまざき・ひさたか)
たんぽぽ舎共同代表。脱原発東電株主運動、東電株主代表訴訟に参加。共著に『核時代の神話と虚像』(2015年、明石書店)ほか多数。

◎『季節』創刊10周年特別企画『脱(反)原発のための季節セレクション』(仮)
出版のためのクラウドファンディングご支援のお願い

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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年夏・秋合併号《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年夏・秋合併号(NO NUKES voice 改題)
A5判 148ページ(本文144ページ+巻頭カラー4ページ) 定価880円(税込み)
お陰様で10周年を迎えました!
《グラビア》
「幻の珠洲原発」建設予定地 岩盤隆起4メートルの驚愕(写真=北野 進
「さよなら!志賀原発」金沢集会(写真=Kouji Nakazawa

《創刊10周年記念特集》どうすれば日本は原発を止められるのか

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 原子力からこの国が撤退できない理由

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

《報告》井戸謙一(元裁判官/弁護士)
 事実を知り、それを人々に伝える

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 課題は放置されたまま

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DB1GZ5CM/
◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000748

龍一郎揮毫

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◆イスラエルは自衛のためにガザを爆撃しているのではない

8月9日の長崎平和祈念式典にイスラエル駐日大使を招待しなかったことが問題となり、米国をはじめG7諸国などの駐日大使が参席を拒否した。NHKはイスラエルのことを「ハマスと戦闘しているイスラエル」と繰り返し紹介していた。

冗談じゃない。イスラエルが問題になるのは、ハマスと戦闘していることではなく、ガザ地区に無差別爆撃を繰り返し、4万人をこえる女性と子供、住民を大量虐殺しているからではないか。そんな戦争犯罪国家にたいし長崎平和祈念式典にイスラエルが参席する資格があるというのだろうか。長崎市は「イスラエルが攻撃を続けているパレスチナガザ自治区で危機的な人道状況や国際世論などを踏まえイスラエル大使の不招待を決めた」と言っている。

長崎平和祈念式典にはロシアとベラルーシも招待されなかったという。アメリカなどの言い分は、「イスラエルを招待しなかったら、イスラエルは自衛権を行使しておりロシアと同列におき誤解を招く」ということだ。

イスラエルはパレスチナ民衆をガザという空しかない刑務所に閉じこめ、そのうえハマスの攻撃に対する報復として爆撃による大量虐殺をおこなっている。イスラエルは自衛のためにガザを爆撃しているのではない。自衛のためではなく、パレスチナ民衆を抹殺するために大量虐殺をおこなっているとしかいいようがない。一番、招待すべきでないのはイスラエルである。

◆二重基準の原因はアメリカの例外主義と覇権主義

広島慰霊祭ではパレスチナが招待されずイスラエルは招待された。だから広島慰霊祭にはアメリカ大使なども参席した。その広島市に多くの批判の声もよせられたという。パリ五輪でもロシアとベラルーシは国家として参加させずイスラエルは参加させている。もし軍事侵攻がだめだとする基準ならイスラエルも当然あてはまる。いわゆる二重基準だ。

この二重基準の原因は軍事支援しようがしまいと自国は特別だというアメリカの例外主義がある。アメリカは軍事支援している国に国際イベント参加拒否というようなことは許さないという。例外主義は他国にたいし侵略、内政干渉など何をやってもかまわないという覇権主義そのものだ。

 

赤木志郎(あかぎ・しろう)さん

◆長崎市がG7諸国の圧力に屈しなかった要因

アメリカと長崎市の間に立った岸田首相はおろおろするだけでG7の7カ国での核軍縮の話し合いがすすまないと泣き言を言うだけだった。世界に核兵器を振りかざし恫喝しているアメリカに膝間つき、唯一の被爆国と言いながら核兵器禁止条約にも参加できない日本政府は「核のない世界を」と語ることができないでいる。

その点、長崎平和祈念式典にアメリカ、とくにエマニュエル大使の露骨な干渉、圧力に屈せずイスラエル大使を招待せず毅然とした姿勢を貫いた鈴木史朗長崎市長および長崎市民は立派だと思う。長崎市がG7諸国の圧力に屈しなかった要因には、宣言作成や行事について公開的に論議をすすめてきた経緯がある。広島市の場合、非公開ですすめられた。

イスラエル不招待をめぐる長崎平和祈念式典でのアメリカなどの不参加は、世界の非米諸国とG7覇権勢力との対立の表れだということができる。そして、長崎市のように市民の声を背景に戦争反対の正義の信念をもってそれを貫いていけば、アメリカの圧力も跳ね返すことができるということを示したのではないだろうか。

▼赤木志郎(あかぎ・しろう)さん
大阪市立大学法学部中退。高校生の時は民青、大学生のときに社学同。70年赤軍派としてハイジャックで朝鮮に渡る。以来、平壌市に滞在。現在、「アジアの内の日本の会」会員

『抵抗と絶望の狭間 一九七一年から連合赤軍へ』(紙の爆弾 2021年12月号増刊)

『一九七〇年 端境期の時代』

本稿は『季節』33号(2022年9月11日発売号)掲載の「電力逼迫を利用した原発推進政策の問題点」を本通信用に再編集した全2回の連載記事です。文中での全国の原発再稼働に関する記述は、2022年8月当時の状況であること、あらかじめご了承ください。

◆原発再稼動を急がせる政府

夏の電力不足を理由として、原発再稼働が前のめりに進められている。2022年には川内2号が6月11日、玄海4号が7月10日、大飯4号が7月17日、そして7月24日には高浜3号が起動した。

他にも、美浜3号は本来、10月までかかるはずの定期検査を前倒して8月12日に運転再開すると発表したが、その後、2次系設備の漏水で延期された。大飯4号も定期検査を前倒しての再稼働だ。

夏のピーク対策というのだが、西日本は今年の夏の供給予備率(100%から、その日の最大想定需要の割合を引いた数値)はすでに明らかになっていて、3%台の後半から4%程度と見込まれ、美浜3号などを前倒ししても特に大きく改善はしない。

再稼働予定の原発のうち、運転開始から44年6ヶ月経っている美浜原発3号機を無理矢理動かして、重大事故が起きることになれば、取り返しがつかない。

事業者の立場から見ても、定期検査を前倒ししてまで強行する利点はない。政府は5月27日に夏の電力需要について予測し「7月は東北から中部エリアで3.1%と非常に厳しい見通し」とする広報を行い、電力需要が高まる時期に足りなくなる恐れがあるとしていた。

そして6月末に東電エリアで設備の準備不足から想定予備率が1時ゼロになるという失態を演じたが、これを奇貨として夏の電力不足を大きくアピールした。6月末の電力逼迫騒動の謎については、次節に詳細に述べる。原発再稼動を進めるとの首相声明を参議院選挙中に突如出して、ショック・ドクトリン[注]の手法を使った再稼働推進策を打ってきたのである。

[注]ショック・ドクトリンとは、 ナオミ・クラインによる「惨事便乗型資本主義。大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。

◆夏ピークの直前に東電で逼迫の事態

6月27日の梅雨が明けていない東電のエリアで、電力逼迫の注意報が突如発令された。すぐにも警報に切り替えそうな勢いで、経産省の役人が記者会見をしてまで、電力逼迫の危機を演出して見せた。だが、実際には90%台の後半の設備利用率になったものの電力危機は起こらなかった。電力会社は東電だけではないし、需要が高まるとすれば電力取引市場で多くの発電事業者が電気を市場に売り出すから、突如として停電が起きるとすれば設備の故障や自然災害以外には考えにくい。

この危機を細かく見ると逼迫は2つの時間帯で見られた。1つは「使用量のピーク点」である午後2~3時台、最大5254万kW(以下、万kWを省略)の需要に対して設備は5674で92%だった。

もう1つは「使用率ピーク点」で午前9時~10時台、最大4669に対して4820で、97%だった。6月のピークは、実際にはその後の時間帯に出現している。逼迫注意報は30日午後6時で解除されているが、この日の午後2時から3時の需要量ピークでは5487に対して、6036が準備された。率にして90%は、例年でも余裕がある水準。午前9時から10時台は4947に対して5145の設備で、率にして96%、こちらの方が厳しいが、「警報」という水準ではない。

夜に発電能力が落ちるのは、東電は太陽光発電を1400ほど有しているため、夜間の発電能力が落ちるからだ。

では、夏のピークどころか6月下旬に電力が逼迫したのはなぜか。この時期は例年、比較的需要が少ない時期だが、今年は早々に梅雨が明け、気温が急激に上昇し、湿度も高く、例年ならば7月下旬頃の天候状況になっていた。

加えて、火力発電所の多くが定期検査に入っていて、発電能力が大幅に制限されていたため、ピークに対する余力がなくなっていたところに、石油火力を中心に長期休止しているものも多く、稼働できない設備が多数あった。

夏のピーク時には定期検査が終わった火力が投入される。設備は常に6000以上が準備されるので、逼迫は例年起きていない。こうした時間のずれが電力逼迫の注意報に繋がっただけである。東電による想定の甘さと、電力供給力整備の遅れなど、リスク管理に失敗し続けたことが、時季外れの電力逼迫に繋がったのである。

◆「それに備えて原発」なのか?

むしろ、原発で大電力を供給するほうがはるかにリスク(この場合は特に停電リスク)が高いことは、東日本大震災と2007年の中越沖地震で経験ずみだ。原発も火力も海沿いに多数立地しているから、津波に襲われれば被災する。仮に発電所に大規模な破壊が生じなくても、高圧送電線や変電所が被災すれば電気は来ない。地震や津波では原発こそ停電のリスクが高い。自然災害に強いシステムとは、むしろ1つ1つが脆弱でも広く分散して設置され、地産地消の仕組みが出来ているものである。

とはいえ大都市ではそれは困難なので、その場合はできるだけ消費地に近いところに立地し、被災しても早期復旧が見込める天然ガス火力が良い。これを補完するためには立ち上げが早くメンテナンスも容易な石油火力を温存しておくことだ。もちろん、排ガス対策は十分行い、高機能で高効率なものに置き換える必要がある。

もう多くの人は忘れてしまったのかも知れないが、東日本大震災後の電力設備の復旧も、火力が圧倒的に早かった。震災で被災した原発15基は、いまだに1基も再稼働していないが、火力は震災の年の7月までにすべて復旧している。また、震災直後に大量のディーゼルやガスタービン発電機を調達し、電力供給を行うこともできた。

これは原発では不可能なことだ。2007年の中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の7基は、2011年までに再稼働できたのは、重要設備の損傷が少なかった6、7号機など4基に留まっていた。こんなものに電力を頼っていたら、近い将来発生する南海トラフ地震では、日本中(特に西日本)がブラックアウトしたまま復旧に長期間要することになる。防災対策上も極めて危険な事態を招く。

今年夏の節電要請は、震災直後の2012年以来10年ぶりと各社報じたが、ではその前はいつだったかご存知だろうか。2007年である。この年の7月16日に中越沖地震が発生し柏崎刈羽原発が全部止まったため節電要請が出されている(経済産業省関東圏電力需給対策本部決定 平成19年7月20日付)。つまり過去の節電要請はすべて原発の停止が原因だったといっても過言ではない。(つづく)

▼山崎久隆(やまざき・ひさたか)
たんぽぽ舎共同代表。脱原発東電株主運動、東電株主代表訴訟に参加。共著に『核時代の神話と虚像』(2015年、明石書店)ほか多数。

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 なぜ日本は原発をやめなければならないのか

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《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 核武装に執着する者たち

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 原発被害の本質を知る

《インタビュー》北野 進(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団団長)
 珠洲原発・建設阻止の闘いは、民主主義を勝ち取っていく闘いだった

《対談》鎌田 慧(ルポライター)×柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
 東京圏の反原発 ── これまでとこれから

《報告》今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
「核融合発電」蜃気楼に足が生え

※          ※          ※

《回想》松岡利康(鹿砦社代表)
 創刊から10周年を迎えるまでの想い出

《墓碑銘》松岡利康(鹿砦社代表)
 お世話になりながら途上で亡くなった方への追悼記

《季節創刊10周年応援メッセージ》

 菅 直人(衆議院議員・元内閣総理大臣)
 守りに入らず攻めの雑誌を

 中村敦夫(作家・俳優)
 混乱とチャンス  

 中嶌哲演(明通寺住職)
「立地地元」と「消費地元」の連帯で〈犠牲のシステム〉を終わらせる

 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
『季節』丸の漕ぎ手をふやして、一刻も早く脱原発社会を実現しよう

 山崎隆敏(元越前市議)
「核のゴミ」をこれ以上増やさないために

 今野寿美雄(「子ども脱被ばく裁判」原告代表)
 裁判も出版も「継続は力なり」

 あらかぶ(「福島原発被ばく労災損害賠償裁判」原告)
 隠された「被ばく労働」問題を追及し、報じてほしい

※          ※          ※

《報告》なすび(被ばく労働を考えるネットワーク)
《検証》あらかぶさん裁判 原発被ばく労働の本質的問題 

《報告》北村敏泰(ジャーナリスト)
 棄民の呻きを聞け 福島第一原発事故被害地から

《講演》和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
「復興利権」のメガ拠点 「福島イノベーション・コースト構想」の内実〈前編〉

《報告》平宮康広(元技術者)
 水冷コンビナートの提案〈1〉

《報告》原田弘三(翻訳者)
 COP28・原発をめぐる二つの動き
「原発三倍化宣言」と「気候変動対策のための原発推進」合意

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
 総裁選より、政権交代だ

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
   タイガー・ジェット・シンに勲章! 問われる悪役の存在意義

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
   山田悦子の語る世界〈24〉
   甲山事件50年を迎えるにあたり
   誰にでも起こりうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか(下)

《報告》大今 歩(高校講師・農業)
   洋上風力発電を問う 秋本議員収賄事件を受けて

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
 時代遅れの「原発依存社会」から決別を!
 政府と電力各社が画策する再稼働推進の強行をくい止める

《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 6・9大阪「とめよう!原発依存社会への暴走大集会」に1400人超が結集

《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
 女川原発の再稼働はあり得ない 福島事故を忘れたのか

《福島》黒田節子(請戸川河口テントひろば共同代表)
 浪江町「請戸川河口テントひろば・学ぶ会」で
 北茨城市大津漁協裁判で闘う永山さんと鈴木さんの話を聞く

《柏崎刈羽原発》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 7号機再稼働で惨劇が起きる前に、すべての原発を止めよう!

《首都圏》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 福島原発事故の責任もとれない東京電力に
 柏崎刈羽原発を動かす資格はない!

《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
 静岡県知事と御前崎市長が交代して
「一番危険な原発」はどうなるか

《島根原発》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
 政治に忖度し、島根原発2号機運転差止請求を却下
 それでも私たちは諦めない!

《玄海原発》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会)
 玄海町「高レベル放射性廃棄物・最終処分場に関する文献調査」受入!

《川内原発》向原祥隆(反原発・かごしまネット代表)
 私たちは歩み続ける

《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 原子力規制委員会を責め続けて11年
 原子力規制委員会は、再稼動推進委員会・被曝強要委員会

《反原発川柳》乱鬼龍

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龍一郎揮毫

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