◆核実験場廃止、世界のヒバクシャと連帯で座り込み

1月27日はネバダ・デーです。1951年1月27日、アメリカのネバダ州で核実験場が「オープン」してしまいました。その後、1992年までに928回もの核実験が行われたとされています。アメリカでも実は多くの方がヒバクされているのです。ある意味、アメリカこそが世界最初で最大の被爆国(自国の核実験による)といってもいいでしょう。

33周年にあたる1984年1月27日、 実験場の偏西風の風下(東側)に当たるユタ州シーダー市の「シティズンズ・コール」(ジャネットゴードン代表)の呼びかけで、全米各地で反核集会が開催されました。

この運動がイギリス・カナダ・マーシャル諸島などへも広がり、 広島県原水禁もこの日、核実験全面禁止を求める国際連帯行動として、 原爆慰霊碑前で座り込みを行いました。

 

広島県原水禁代表委員で元衆院議員の金子哲夫さん

その後、この日は「ネバダ・デー・国際共同行動日」として世界で取り組まれるようになり、以降、広島では毎年のように座り込み行動を続けています。

この日も12時15分から筆者も含む広島県原水禁のメンバーが原爆慰霊碑前で座り込みを開始しました。

広島県原水禁代表委員で元衆院議員の金子哲夫さんから、上記のようなネバダ・デーについての説明をいただきました。

昨年2022年は、新型コロナ・オミクロン株の感染爆発で中止になった座り込みですが、2年ぶりに復活しました。

参加者は
・ネバダを始めすべての核実験場の閉鎖
・核兵器保有国と核の傘の下の国の核兵器禁止条約参加
・北東アジアの非核地帯化・非核三原則の法制化
を求め、
・ロシアによる核使用・威嚇は絶対に許さず
・世界のヒバクシャと連帯するとともに、岸田政権の原発再稼働・新増設も許さない、
趣旨のアピールを採択しました。

◆伊方原発運転差し止め仮処分 パワポのプレゼン競争で結審

筆者はこの後、伊方原発運転差し止めを求める裁判の原告として、広島高裁に移動しました。伊方原発広島裁判は、2016年3月11日に提訴。その後、筆者(当初は応援団)も含む原告312人に膨れ上がりました。本裁判の方はまだ広島地裁で続いています。「裁判中に原発事故が起きてはいけない」ので、運転差し止めの仮処分を住民側はこの間、何度も申し立てています。

広島高裁では、原告側が、運転差し止めの仮処分を求めて抗告中です。2017年12月13日に広島高裁で一度、運転差し止めの仮処分が下されています。しかし、四国電力が異議を申し立てし、2018年9月25日に四国電力の異議を認めた高裁が運転差し止め却下を決定してしまいました。

2020年3月11日に原告側は新たな仮処分を申し立て。しかし、2021年11月4日に産廃処分場裁判などでも権力寄りで悪名高い吉岡裁判長により仮処分は却下されてしまいました。そこで18日に原告側は即時抗告を高裁にしていました。そして、2023年1月27日に第一回審尋でそのまま結審、ということになりました。

この日の審尋では、抗告人(我々原告)側弁護人→相手方(四国電力)側弁護人の順にパワーポイントで主張を展開しました。脇由紀裁判長と陪席の男性裁判官2名も、高い場所から平場?に降りて、スクリーンに映った両者の主張を我々原告、被告=四国電力の「えらい人」たちと一緒に見ておられました。

原告側は、伊方原発訴訟最高裁判決を根拠として、被告=相手方の四電に審査基準が安全かどうかの立証責任があるという主張を展開しました。

「原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟においては、判断に不合理な点があることの主張、立証責任は、本来、原告が負うべきものであるが、行政庁の側において、まず、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の調査審議において用いられた具体的審査基準並びに調査審議及び科断の過程等、被告行政庁の判断に不合理な点のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要があり、行政庁が右主張、立証を尽くさない場合には、行政庁がした右判断に不合理な点があることが事実上推認される。」

これが、1992年の最高裁判決の要旨です。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54276

他方、被告=相手方の四国電力側は、地震動の危険性は加速度だけではない、また、伊方原発の下の地盤は周辺のそれより硬い、ということを必死で主張されていました。ただ、南海トラフ地震でも181ガルしか揺れない、という四国電力側の想定は素人目に見てもあまりにも楽観的なように思えました。そもそも、普通の工場などよりもさらに厳しく「絶対に事故を起こさない」ことを求められている原発にしてはあまり楽観的な態度に見えました。ただ一方で、「普通の工場並みでも良いじゃない?」と思ってしまっている人にはそれなりに説得性があるようにも思えました。

 

伊方原発運転差し止めを求める裁判の報告会

筆者は原発関係の裁判はもちろん、労働裁判も含めて裁判の傍聴経験は多数あります。しかし、今日は、はじめて、「パワポでプレゼン」という裁判を傍聴しました。非常に新鮮でした。ただ、裁判長の反応があっさりしすぎてちょっと不安になりました。ただし、判決内容と裁判長の裁判中の対応は必ずしも比例しないということもプレゼンした河合弘之弁護人から伺いました。

この日、応援にかけつけた原発を止めた「あの」樋口英明元裁判官(写真左端)も実は、「あの」裁判の訴訟指揮では原告に対してもかなり素っ気なかったそうです。そのことをうかがって、少し安心しました。

伊方原発広島裁判の運転差し止めの仮処分の可否は3月24日、言い渡されます。ご承知の通り、地元広島の岸田総理がフクシマの処理もめどが立たぬ中、原発推進へと暴走し、全国の皆様には大変ご迷惑をおかけしております。総理の選挙区の有権者の一人として、吉報を3月24日にお届けすることで、多少の「罪滅ぼし」ができることを願っております。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

広島と言えば平和都市。政治はまあ、まともなのだろう──。そんなイメージの方が地元の事情をあまりご存じない方は多かったと思います。〈あの〉河井案里さんの事件が起きるまでは。

たしかに、秋葉忠利前市長までは、上記のイメージも的外れではないと思います。市議会は正直、政策よりはしがらみが強く、自民党が強い。ただ、市長については、渡辺市長の一期4年を除き、非自民系でそれなりの方が選ばれてきました。それで、バランスが取れていました。

選ばれた市長も、
浜井信三 市役所出身           1947-1955,1959-1967
渡辺忠雄 弁護士・代議士出身(自民党系) 1955-1959
山田節男 参院議員出身(社会、民社推薦) 1967-1975
荒木 武 県議出身(旧民社党出身)    1975-1991
平岡 敬 経済界・ジャーナリスト出身   1991-1999
秋葉忠利 学者・代議士出身        1999-2011

と、この規模の都市にしては珍しく、純粋な中央官僚出身の市長は出ていませんでした。しかし、2011年の市長選挙で、民選になって初めて、中央官僚出身の市長が選ばれたのです。

その松井市長の暴走が3期目も終わりになろうという今、止まりません。

中央図書館を駅前の商業施設に移転しようというのです。国際平和文化都市と名乗る割にこれはないだろう、という声が市民から多く上がっています。他方で、市長選となれば松井市長がまた、どうせ圧勝だろう、というのが下馬評です。

◆こども図書館も中央図書館も駅前に移転!?

松井市長は、2021年、突然、広島市中区の中央公園(平和公園から旧市民球場を挟んで北側)にあるこども図書館と中央図書館を、南区の広島駅前の商業ビルのエールエールA館に移転する計画を発表。

こども図書館は1980年に現在の建物になり、老朽化が進んでいたことから再整備の対象になっていたのは事実です。しかし、商業施設、それも、例えば大人向けの接待を伴う飲食店などもある場所の近くにあるこの場所に子どもたちだけで来てもらうのはまずいのは明らかでした。

また、そもそも、飲食店などが上にあるために、火災や浸水、あるいはネズミなどにより本がダメになるリスクも高くなります。

さらに、本というのは皆様もご存じと思いますが、意外と重い。本当に本を置いて、建物が耐えられるものなのか?そうした懸念もあります。

◆「移転ありき」ではない対応を議会も求めた

様々な懸念から、市民はもちろん、市議会でも反対の声が高まりました。2022年2月議会では、移転計画推進のための予算だけを削った2022年度予算案への修正案が共産党などから出され、自民党系の第二、第三会派もこれに賛成。ただ、公明党、自民党多数派、そして立憲民主党系会派の反対で修正案が否決された経緯があります。立憲民主党というのは、自民党の一部議員よりも、地方自治については「悪い」ことが残念ですが明らかになりました。

結局、2022年度予算案では「3案を比較検討できる詳細な資料を作り、関係者に丁寧に説明し、理解してもらった上で、移転先などを決定する」という付帯決議が行われて、当局の原案通り可決となりました。

「移転ありき」ではない対応を議会も求めたのです。

◆こども図書館は現在地に建て替えに変更、中央図書館もパブコメは「現在地」が多数

その後、2022年9月、広島市当局は、世論に押される形でこども図書館については、移転を断念。現在地での存続方針を固めました。

他方で、中央図書館については、パブリックコメントを実施しました。そのパブリックコメントでは、現在地での再整備を求める声が、エールエールA館への移転を求める声の4.8倍にも達しました。

当然です。市当局は、こども(主には中高生)向けの機能を移転後の中央図書館にも持たせるとしています。しかし、現在の中央図書館には無料の駐輪場がある一方、エールエールA館周辺には無料の駐輪場はありません。有料の駐輪場なら建物内にもありますが、周辺の買い物や通勤客の利用も多く、満車のことも多いのです。さらに、中高生にとって、高々100円でも負担は重くなり、利用率が低下の恐れがあります。

◆麻生さんの真似?!「理解が得られた」と「移転強行」を一方的に宣言

しかし、2023年1月12日、松井市長は、「理解は得られた」などとして中央図書館のエールエールA館への移転に着手することを一方的に宣言しました。誰のどのような「理解」が具体的に得られたかもさっぱりわからない記者会見でした。

まさに暴走です。直前に、麻生太郎さんが「防衛費倍増のための増税に国民の理解が得られた」と発言していました。世論調査では防衛費増税に反対が圧倒的多数にもかかわらずです。従って、筆者は一瞬、「松井市長は麻生さんの真似でもしたのか?」と思ってしまいました。

◆市民団体は、撤回求め申し入れ

一方、広島市内ではこの問題を考える団体が、主なものだけでも8つできています。最近ではこれらの団体が連携して行動しています。1月13日、広島市長宛に、エールエールA館への移転を撤回するとともに、納得のえられる形での図書館の再整備を求める申し入れを行いました。今後も8団体は、共同で街頭宣伝などを実施、世論を高めながら、市に翻意を促していきます。

[図]撤回を求める8団体によるチラシ こども図書館移転問題を考える市民の会Twitterより

◆「選挙だけは上手」な現市長、打倒は困難?市議選で反市長派をどこまで伸ばせるか?

他にも、この2023年度から放課後児童クラブ(学童保育の広島における名称)を有料化するなど、こどもに冷たい政策を取っておられます。こうした中、広島市長選挙は統一地方選挙2023の一環として3月26日告示、4月9日執行で行われます。このままいけば、市長選挙で松井市長を打倒することが、暴走を止める一番の手っ取り早い方法です。ただし、有力な対抗馬は1月13日現在、野党系にせよ、反市長派系にせよ、おられません。

広島の立憲民主党は残念ながら、こと市政・県政については、一部の保守議員よりも「反市民・反県民・反労働者」的でさえあります。自民主流、公明と並んで松井市長の有力な支持政党になり、野党共闘など夢のまた夢です。

他方、保守系で現市長や現知事と距離がある地方議員も、河井案里さんの事件に連座した人が多く、身動きがとりづらい状況です。市民団体で、有名人を候補にという動きもありましたが、極めて厳しい状況です。

松井市長自身、地域のいろいろなイベントに、カジュアルな格好で一参加者で顔を出されるなどして、いわゆるどぶ板で顔は売れています。偉ぶって長話をするという政治家にありがちな悪い癖もない。筆者もある場所ですぐ前の席にポロシャツで座っておられる市長を目撃、「選挙だけは上手だな」と呆れたことがあります。

もう一つは、「市長暴走容認派」の市議を市議選で打倒するという手もあります。市長与党が議会で過半数を失えば、松井市長とて、暴走はこれ以上できないからです。筆者は、政治家としてはこれまで、広島県政、国政について候補者を経験している一方、広島市政についてはさほどは詳しくはありません。ただ、一市民としては、統一地方選挙を挟んで、この問題から目が離せません。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『紙の爆弾』と『季節』──今こそ鹿砦社の雑誌を定期購読で!

総務省によると、非正規の地方公務員は2020年時点で約69万4000人でした。うち74.5%を女性が占めていました。2020年までの15年間で非正規は1.5倍に増加。他方で、正規は1割減り約276万人となりました。ちょうど、正規が減った分、非正規で穴を埋めた形です。そして、特にDV被害者支援、児童虐待、生活困窮者の相談など、近年ニーズが増えてきた専門性の高い業務を非正規の女性に任せているケースが目立ちます。最近、登場した職種ではスクールカウンセラー(SC)も9割以上が非正規で、会計年度任用職員です。広島県の場合、SCには昇給もありません。

公務非正規女性全国ネットワーク(通称:はむねっと)の調べでは、2021年度の非正規公務員のうち、4割が150万円未満、半数が200万円未満、8割が250万円未満の年収です。また非正規公務員の3分の1が、主たる家計維持者でありながら、うち4割が年収200万円未満の人です。なお、フルタイムで働いている「会計年度任用職員」についても6割が250万円未満の年収です。

◆「法の谷間」にあった非正規公務員

さて、非正規公務員は、2019年度までは多くが、非常勤特別職公務員、臨時的任用職員、非常勤一般職員のどれかの形で働いていました。しかし、実際には、恒常的に欠員が出ても、臨時的任用職員という形が続くなどしていました。ずっと臨時的任用職員がそこにいる、というのは、あまりに不明瞭ですが、それが常態化しているのが現実でした。

非常勤特別職も、本来特別職とは首長とか知事とか、審議会の委員とか、そういう人たちを前提とした種別です。ところが、普通の公務労働者がそういう状態に置かれ、法の保護が薄い状態でした。

そして、年収は低く、期末手当(いわゆるボーナス)は出ませんでした。また、民間のような労働基準法も適用されなければ、正規公務員のような手厚い保護もない。まさに、法の谷間におかれていたのです。

ある時期まではそれこそ、非正規の公務労働者が、労働裁判を起こしても絶対勝てない、という状況がありました。筆者自身も、2006年から2011年にかけて、ある非正規の公務関係労働者の雇止め裁判を支援。一審は不当判決でした。

ところが、山梨県内の自治体で、首長によるパワハラを受けた上に雇止めになった女性非正規公務員が「人格権侵害」を訴えて勝訴したころから流れは変わります。筆者が応援した裁判も2010年3月に高裁で逆転勝訴し、2011年1月に確定しました。

◆公務員バッシングと行政需要増大の狭間で非正規公務員急増

しかし、一方で、当時躍進した「大阪維新の会」が公務員バッシングを展開。民主党政権も公務員人件費の抑制を公約とした。そこで、非正規公務員を増やして、行政サービスへの需要の増大に対応する、という状況が2010年代も続いたのです。

確かに、昔に比べればそうはいっても、DV・性暴力被害者、子育て支援や児童虐待への対応、生活困窮者などのサービスはそれなりに充実しています。しかし、そこで働く労働者の労働条件は劣化する一方になっています。

非正規公務員は増え、正規公務員も責任が集中し、大変。非正規公務員からは、「自分は人を支援する立場なのに自分自身が明日をも知れぬ身なんて」というぼやきが新聞等でも報道されるようになりました。

そして、2010年代には広島県でも他の都道府県でも大きな災害が続発します。こうした時に、非正規公務員ばかりで十分に対応できなかったというケースも見られました。

安倍政権時代からはコロナショックの一時期を除き、労働市場が全般に人手不足です。非正規公務員は労働条件が悪すぎて、人が定着せず、安定的な行政サービスの供給が難しいという状況も危惧されるようになりました。

◆「会計年度任用職員制度」導入も労働者の期待裏切る

こうした中で、当局側も重い腰を上げます。それが2020年4月スタートの会計年度任用職員制度です。これまでの低賃金、不安定雇用に悩んでいた労働者でも期待された方は多かったように思います。

会計年度任用職員により、いわゆるボーナスも支給されるようになりました。昇給の制度も各自治体が一定程度整備するようになりました。

一方で、この制度では、1年おきに契約を更新しなおすことには変わりはありません。また、自治体によっては、「ボーナスの分だけ基本給を削る」「それまでフルタイムの臨時職員だったところ、30分労働時間を短縮して会計年度任用職員制度を適用しないようにする」などのせこい対応を取るところも少なくありませんでした。

◆「3年雇止め」で崩壊しかねない現場

そして、最大の問題が迫っています。それが「3年雇止め」です。公募なしでの3年を超えての継続の任用はしないというのが多くの自治体での制度設計です(千葉県の医療専門職では5年という例もあるが)。これが、会計年度任用職員制度です。すなわち、多くの自治体で任用期間が3年に達すると、公募に応募して再度試験を受けるなどしないといけないのです。

以下は会計年度任用職員当事者の方のtweetです。

「今日来年度の雇用の話があり、更新希望なら履歴書とハローワークの紹介状を総務課に提出してと言われた。また学歴職歴志望動機を書くの? ちなみに別な会計年度さんは辞める。理由はフルタイムでこの低賃金はない。とても長い目で見て働けないと。また優秀な人材が離れていく #会計年度任用職員¥」

例えば、専門性が高い仕事だから、高い給料で雇う、という場合なら3年の任期というのもありかもしれません。

しかし、専門性の高い仕事を安い給料しか出さずに有期雇用でやらせる。これではばかばかしくてやめていく人も多いでしょう。その結果何が起きるか?

例えば、経験の浅い新人が、DV被害、子どもの虐待や学校でのいじめ被害、生活困窮者支援など、高い専門性を必要とする仕事で困難事例を受けることになる。その結果、その新人職員は潰れてしまうことになりかねません。

他にも、会計年度任用職員が多い職種として看護師があります。千葉県の場合、看護師の会計年度任用職員は正規の7割程度の給料です。それでいて5年で公募するということです。これではばかばかしくて、民間病院や介護施設などに流出してしまいかねません。公的医療現場の人手不足も深刻化させかねません。

◆いまこそ非「労働貴族」の労働運動を!

筆者が地元・広島で幹部を拝命している自治労連では、総務大臣に会計年度任用職員制度の改善を求める署名運動をネットでも行っています。

【要求項目】

〈1〉安心して働き続けられる制度にするため、任用期限の上限を撤廃してください。当面、再度の任用にあたって非公募とし、制限を設けないようにしてください。

〈2〉「会計年度任用職員」の賃金を大幅に引上げ、一時金(期末・勤勉手当相当額)、諸手当を改善してください。休暇制度(有給の病気休暇)など処遇を改善してください。

〈3〉処遇改善のため、法改正の提案と予算措置を行ってください。

こうした、署名運動と並行して、各自治体での労働組合の運動も大事です。広島市の場合は、そうはいっても、非正規の多い職場で自治労連系の組合が組織されています。そのことを背景に一定の賃上げを勝ち取っています。

一方で、広島県外の友人が住んでいる自治体では、連合系自治労の組合はあるが、非正規のアップは要求していないというということです。今年の12月議会に提案される職員給与条例の改定案でも非正規についてはまったくのゼロ回答ということです。そもそも、組合が要求しないことには当局も取り組まないのです。

連合の芳野会長や、公務員労組の推薦を受けながら公務員給料カットに賛成するような議員はいわば「労働貴族」です。この実態については、以下の筆者も登場する本に詳しいです。

しかし、真面目に非正規公務員の問題に取り組む組合は絶対に必要であり、そのことは、いまこそ声を大にして申し上げるものです。

それとともに、筆者自身も含む「公務員以外の市民」も、自分たちの暮らしの安全・安心を担う行政サービスが、いま存続の危機であることに刮目(かつもく)しなければならないのです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

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◆積年の新自由主義の弊害が噴出

2022年は、日本国全体でも広島県内でもこの20-30年間の新自由主義の弊害が噴出した年でした。

この20-30年。日本国内では賃金をほとんど上げない。超大金持ち・超大手企業の負担は減らす。国は地方への財政政出を絞る。正規公務員は削減し、非正規ばかりにしていく。公共サービスは民営化というよりも一部の中抜き企業が私物化していく。こうした政治が続いてきました。

その結果、日本は、1993年頃の一人当たり名目GDPは世界2位から、2021年には27位に後退しています。

日本の賃金は低すぎる、ということで、外国人労働者も日本を敬遠。とくに、広島などの地方からまずは東京などへ、という流れが起きています。さらには、日本人でもカナダやオーストラリアへ出稼ぎに行くという人も出ています。

もちろん、他国でも新自由主義政治は一定程度行われてきました。しかし、日本は度が過ぎます。

広島県内でも、2000年代の市町村合併で正規公務員を大きく減らした周辺部から衰退が激しく、人口流出全国ワーストワンが固定化して久しいものがあります。

また、公務員削減で、コロナ対応や水害対応にも支障が出ています。現場の疲弊も深刻です。

◆「小泉的」新自由主義と「安倍的」腐敗のハイブリッドという「最悪」の状態

岸田政権の特徴としては、小泉純一郎さんや、立憲民主党でも少なくない議員にみられる「新自由主義」と安倍晋三さんのもとで進んだ「腐敗」のハイブリッドの「最悪」の政権です。

新自由主義と言っても、小泉純一郎さんが総理だったころ(2001-2006)は、まだクリーンさを追求していたイメージがあります。筆者はこのころ現役の広島県庁職員でした。この時代は地方交付税が絞られ、さらなる地方の衰退を準備した時期です。他方、公務員倫理自体は前後と比べると一番引き締まった時代であったと記憶しています。

この小泉時代は、旧大蔵省の不祥事も教訓に公務員倫理規程や大臣規範も整備された直後でした。おかげで、昔のような裁量行政に伴う腐敗も、2013年以降の故・安倍晋三さんや、広島県教育長の平川理恵さんらにみられるような「身内優遇」の腐敗も、筆者が広島県庁職員として仕事している上ではあまり見聞しなかったと記憶しています。

 

小泉時代に合併で新三次市になったが衰退が止まらない三次駅前

もちろん、小泉さんの新自由主義、とりわけ、市町村合併の推進と地方交付税の削減は当時、筆者が赴任していた広島県北部や東部を衰退させたのは明らかです。これについては当時の広島県知事の故・藤田雄山が、全国でもトップランナーで国の方針を取り入れたこともあるのですが、筆者は今でも、小泉さんへの憤りは感じています。

さらに、この時代に中抜きで「有名」な竹中平蔵さんや、お友達優遇を引き起こした安倍晋三さんらを小泉さんが取り立てたことは、とくに2012年末の安倍晋三さん再登板以降に禍根を残しています。

岸田総理は、小泉さんの新自由主義と安倍さんの腐敗のハイブリッドの路線を突き進んでいます。これが国政でも県政でも起きています。

たとえば、広島県教育長の平川さんは、県教委管轄の公立学校だけで1000人以上の非正規の教員がいて、授業を回すのにも支障が出ています。その上で、平川教育長と懇意の京都のNPO法人をめぐる官製談合、さらには大阪のコンサルタンツ会社との癒着が次々と明らかになっています。まさに、新自由主義と腐敗のハイブリッドです。

◆新自由主義からの脱却&所得倍増は何処へ 

そもそも岸田総理は2021年秋に「新自由主義脱却」「所得倍増」を掲げて登場したはずでした。我々、介護現場労働者も岸田さんが給料をアップしてくれると聞いて、少しは期待してしまいました。

ところが、蓋を開けてみると、介護の給料アップはたったの3%です。物価上昇の中では他業種では従業員にインフレ手当などを出しているところもあります。そうしたことを加味すれば、焼け石に水どころか、改善にすらなっていません。さらに、国費投入も10月からは打ち切られ、介護報酬、すなわち保険料やお年寄りの負担となります。

「所得倍増」もいつのまにか「資産所得倍増」にすり替わっていました。まさに、新自由主義へのバックラッシュ(逆流)です。平たく言えば、「正当な賃金を払わずに、株価だけを上げるような会社」の株を買う人ばかりが得をする。これは、この20-30年続いてきた日本経済の在り方でした。これを脱却するどころか、加速しようとするのが岸田総理です。

◆軍拡・増税・原発推進へ故・安倍晋三さんも真っ青の暴走加速の岸田総理

なんでも閣議決定で決める。国会を開かない。そんな安倍晋三さんの暴走ぶりは彼が暗殺され「国葬」されたからといって絶対に忘れてはいけません。

しかし、いまや、岸田総理は安倍晋三さんも真っ青になりそうな暴走を加速しています。暗殺された安倍晋三さんの国葬を早々と決めてしまったことは、暴走加速のターニングポイントでした。

 

岸田総理の旧統一協会との関係を認めた市議との二連ポスター。筆者の勤務先近くで筆者撮影

そして、「岸田暴走2022」は武器倍増とそのための増税、さらには原発推進です。

12月16日、岸田総理は、ロシアのウクライナ侵略を悪用して軍備倍増の「安保三文書」を閣議決定しました。それもトマホークミサイルの購入など、アメリカの旧型武器の在庫引き受けによる反撃能力という名の「先制攻撃能力」です。従来の専守防衛も逸脱する根本的な方針転換です。

その方針転換を国会での議論も開かずに閣議で勝手に決めてしまいました。そのための増税についても、勝手に突っ走っています。

日本の軍備倍増は、アジアの緊張も高めます。総理の「看板政策」であるはずの「核廃絶」も自ら遠のかせる愚行です。また、はるかに国力が日本より上の中国との軍拡競争になれば、先に倒れるのは明らかに日本です。

支持率も低下している中で、蛮勇をふるうことで、求心力を回復しようとしているようにも見えます。

さらに、岸田総理は、安倍晋三さんでさえ、「脱原発依存」と言ってきたのを大幅に後退させ、老朽原発再稼働、そして新増設解禁へ突き進んでいます。この方針についてはGX会議という閣議でさえない会議で勝手に正式決定してしまいました。

◆総理の地元・広島からこそ対抗軸を

このように新自由主義の弊害が明らかになる一方で、総理が脱線・暴走している中で、国政選挙は、総理が7条解散を強行しない限り、当面はない状況です。

だからこそ、地元・広島からガツンと総理の政治、すなわち、新自由主義の復活、そして軍備倍増・原発推進などに対抗する政治勢力や議員を2023年の統一地方選挙で増やしていくことが必要です。総理とて、地元でどういう政治状況になっているかは気になるはずです。地元の有権者が「これはまずい」と総理に思わせることが大事です。

残念ながら、現状では、広島市議会も県議会も自民党・公明党が圧倒的多数です。立憲民主党・国民民主党も中央に比べても武器・原発推進労組などの「労働貴族」色が濃く、総理への牽制は期待できません。広島は世界最初の戦争被爆地であり、平和都市と言われます。しかし、現実には総理のおひざ元である広島市中心部に近づけば近づくほど「保守色」が強いのが実際の政治状況です。旧統一協会との関係が取りざたされる議員も多数おられますし、旧統一協会と関係を断つ、という決議が否決されてしまう異常な状況です。しかし、希望がないわけではありません。

◆広島県庄原市議会の二つの素晴らしい意見書 新自由主義と岸田軍拡に反撃

 

庄原市役所、参院選2022に向けた遊説中に筆者撮影

希望は、広島県北部に存在します。広島県の北東に位置する庄原市議会が2022年12月定例会で二つの素晴らしい意見書を可決しました。これらは地方自治法第99条に基づくものです。

「防衛予算の倍増を決定した政府方針の撤回を求める意見書」

「会計年度任用職員の処遇改善に向けた法改正と雇用安定を求める意見書」
です。

前者の意見書は10対4で可決されました。

意見書は、

「国際情勢の急激な変動が発生したとしても、この変化に対応する国の意志決定は、主権者である国民に十分説明し、その理解を得ることが前提であり、このことは民主主義国家として当然のことである。」

とし、

「今、日本の防衛費増額が差し迫ったものであるならば、政府はまずその根拠を明確に提示しなければならない。岸田首相は、戦闘機やミサイルを購入する費用だと断言したが、その武器等の増量が必要となる理由も全く説明されていない。」

と指摘。その上で

「現在、日本の防衛費はすでに世界第9位の規模であり、2%に増額するとなれば、米国、中国に続く第3位にもなる。また、日本は米軍に国土の多くと費用を提供しており、さらなる防衛予算の倍増は全く必要性がないと言える。」

と結論づけています。

1.国民不在の防衛費増額の閣議決定を撤回すること。

2.国の進路を決定するような重大な政策変更は国民の意志を尊重すること。

を強く求めています。

後者の会計年度任用職員の処遇改善に向けた法改正と雇用安定を求める意見書では、

1.短時間勤務の会計年度任用職員の勤勉手当支給制限に関する規定の見直し(地方自治法第203条の2、第204条の改正)を行い、短時間の会計年度任用職員にも勤勉手 当を支給できるようにすること。

2.各自治体における会計年度任用職員等の処遇改善促進に向け、必要な財源の確保に ついて特段の配慮を行うこと。

3.会計年度任用職員の雇用安定をはかるため、任期の定めのない短時間勤務職員制度 の導入について検討を行うこと。

を求めています。

こちらの決議は全会一致。新自由主義政治のもとで激増した非正規公務員の待遇改善という形で新自由主義に異議を申し立てています。

庄原市もまた、合併以降、衰退が激しいところです。

「正規公務員が減らされた中で、正規も非正規も疲弊している。会計年度任用職員の中には【だめだこりゃ】と一年で辞めていく人も多い。このままでは行政サービスが確保できなくなる。」

意見書を提案した中心的な庄原市議は筆者に対して地域の将来に危機感をあらわにしておられました。

◆まだ衰退実感がない? 広島市民の皆様も危機感を!

確かに、地方の課題を議論するのが地方選挙の本来の在り方です。しかし、地方自治法99条に基づき、国に物申すのも地方議会の役目です。また、知事会や市町村長会を通じて物申すもの首長の仕事です。

中央が新自由主義を是正する気がなく、また、軍拡などで暴走する以上、きちんと地方から物申すことが必要です。とりわけ、今回は総理のおひざ元の広島県議会、広島市長、広島市議会の選挙が実施されます。ガツンと総理に物申す政治家を一人でも多くすることが、中央政府の軌道修正にもつながります。

なお、広島市周辺は、庄原市などに比べるとまだ衰退の度合いは軽いかもしれません。そのために危機感が高まりにくい、ということはあります。しかし、周辺部の衰退で、広島市中心部に買い物に来る人が減り、お店が次々と潰れている実態もあります。

そして、何より、このままでは地元から岸田総理を輩出した広島市民・県民(特に筆者を含む一区の住民)が大恥をかきます。広島市及びその周辺のまだ衰退がひどくない地域の皆様にも危機感を持っていただきたい。そのことも改めて申し上げる次第です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

筆者は、広島県庁職員を辞して、大物広島県議だった河井案里さんに挑んで敗れた2011年の翌2012年以降、元旦はいつも、原爆供養塔前に集合し、はだしで黙とう、平和公園内の原爆慰霊碑を巡って献花する「元旦はだし供養」に参加しています。大学時代に政治家を志して以来の核兵器ゼロ・戦争ゼロ・原発ゼロという筆者の政治活動の原点を新年に当たって再確認する意味合いもあります。

今年2023年も、2022年と同じ毎回参加のNHK記者も含む6人という少人数ですが決行しました。この中には、筆者の家の前を通り、工事が難航してトラブル続きの高速道路二葉山トンネルに関する市民運動に取り組む方などもおられ、「少数精鋭」の活動となりました。

 

筆者の元職場である広島県庁

◆「被疑者教育長」が居座る広島県庁経由で現地へ

筆者は、岸田総理の地元の広島1区(中区、東区、南区)の東区に住んでいます。平和都市といいながら、超保守王国で、筆者自身も、昨年の参院選再選挙での得票率は自分が住んでいる東区では隣接する安佐南区(3区)と府中町(4区)と比べても大きく低迷しています。

筆者は1月1日早朝、その東区の自宅をバスで出発し、中区の筆者の元職場である県庁前にあるバスの終点で降車しました。

奥の県庁東館には広島県教育委員会も入っています。そのトップは教育長の平川理恵さんです。平川教育長が親しくしていた故郷・京都のNPOと県教委の契約が官製談合防止法違反、地方自治法違反であることが外部の調査で認定されています。

さらに、別の大阪の親しい女性社長のコンサルタント会社とも問題が発覚。そして、京都のNPOとの件については市民団体から告発されています。平川教育長はいわば「被疑者」です。

しかし、平川教育長は1月1日現在、辞任の気配もなく、知事の湯崎英彦さんも彼女を罷免しようとしません。県議会も一部の議員を除き、厳しい追及の動きはありません。いったい、何か、彼女を庇わないといけない別の後ろめたい理由があるのではないか?

故・安倍晋三さんの政権の下で、財務省の佐川宣寿局長(当時)の隠ぺい工作のために赤木俊夫さんが命を自ら断っています。最悪の場合、そのようなことが、広島県庁で起きないように、県民や県議会の監視、あるいは労働組合などによるチェックが必要ではないでしょうか?

一方、平川教育長は、県内の公立学校で1000人以上非正規の先生がおられるのに、正規化については「予算がない」と放置です。湯崎知事・平川教育長の新自由主義とも厳しく対決していかねばならない。その思いを強くしました。

◆原爆ドーム前、G7首脳見学予定も広島の「西側国家ベッタリ化」心配

 

初日の出に赤く染まった原爆ドーム

原爆ドームもまた初日の出に赤く染まっていました。今年は、G7サミットが5月に開催されます。各国首脳に原爆ドームも当然、見学していただくことになるでしょう。被爆の実相を世界の首脳に伝えるということ自体は否定しません。だが、現実問題として、ロシアvsウクライナの戦争もさることながら、それ以外でも、西側「民主主義国家」vs中国に、多くの途上国も米中の間で複雑な動きをするという状況があります。そういう中で、広島が西側「民主主義」国家とべったり、という方向へ進むことを危惧します。その兆候は、昨年の平和祈念式にロシアを招待しなかったことです。たしかに、ロシアのウクライナ侵略はけしからん。しかし、アメリカは、そもそも広島を核攻撃した加害者ですし、イスラエルのパレスチナ虐殺、サウジアラビアのイエメン空爆なども問われなければならないでしょう。国家間の対立は超えて、核の悲惨さを訴え、核兵器ゼロを訴えるというのが自治体としての広島の立ち位置であるべきでしょう。

なお、反グローバリズムの立場から「バイデンも岸田総理も広島に来るな」的な左翼のスタンスもあり、筆者個人としてはそのスタンスに近いし、そういう立場の言論も県民の間で大いに展開されるべきと思います。

それはそれとして、自治体としての広島(県・市)としてはどうあるべきかと言えば、国家同士の対立をいったん脇においたスタンスではないかと思うのです。バイデン大統領にもプーチン大統領にも習近平主席にもムハンマド皇太子にもネタニヤフ首相にも金正恩総書記にも来ていただくのが自治体としての広島県・市のスタンスであるべきでしょう。

◆6人で決行 元旦はだし供養

原爆供養塔に到着すると、市民活動家の女性が先に到着しておられました。彼女は、先般、高速道路二葉山トンネル問題でテレビに映っておられました。最終的に毎回参加されているNHK記者を含む6人に増えました。

原爆供養塔に献花。そして、8時15分、チャイムが鳴り、黙とうしました。


◎[動画]元旦はだし供養 原爆供養塔

 

韓国人原爆犠牲者の慰霊碑に参拝

続いて、韓国人原爆犠牲者の慰霊碑に参拝。新年から朝鮮(金正恩総書記)がミサイルを発射したというニュースが流れています。しかし、実際には、韓国も、30日にロケットを打ち上げて、日本でも謎の光ということで通報が相次ぐ騒ぎが起きています。こういうエスカレーションは、朝鮮戦争が正式に終結していないからこそ起きることです。

そもそも、朝鮮のミサイルの狙いは日本ではなく、アメリカを交渉に引っ張り出すのが目的です。植民地支配をしていた日本は、韓国人被爆者が発生する原因をつくり、また、南北分断に一定の責任がある。岸田総理は武器倍増ではなく、過去の歴史的な経緯を押さえたうえで、関係各国及び、国連(米軍にお墨付きを与えている)に朝鮮戦争終結を働きかけるべきだ。ましてや、武器倍増で緊張のエスカレーションに加担しつつ、原発を増やしてミサイルの標的を増やすような岸田総理の愚行は止めないといけない。そういう思いで参拝しました。

◆地域での慰霊祭は難しく

ついで、川内村の「義勇隊の碑」、ついで、広島二中=現広島観音高校=慰霊碑へ向かいました。川内村は現在、安佐南区に属しています。今は、マンションや住宅が林立する中に、広島菜やホウレンソウを栽培する農家も多少残っているという感じです。義勇隊に参加して爆心地近くに来ていた川内村の男性がほぼ全滅。戦後しばらくは人口バランス的に女性が多い村として知られ、そういう中で、広島菜が女性中心の産業として発展してきた経緯もあります。

いまや、被爆当時を知る方も少なくなり、地域で行われる慰霊祭も存続が困難になっています。他方で、広島二中の慰霊祭については、後輩の生徒たちが引き継いでいるため、体制を維持できているということです。

地域の自発的な活動はどの分野でもなかなか存続が困難な状況があります。それは平和の分野でも変わりがないということを改めて痛感しました。

[左]川内村の「義勇隊の碑」。[右]広島二中(現広島観音高校)の慰霊碑

◆安佐南区の神社で初詣後、事務所近くの駅でご挨拶

 

祇園の安神社

筆者は、その後、バスでれいわ新選組推薦で県議選に立候補を予定している安佐南区に移動。祇園の安神社に初詣しました。この神社は、わたしが、この安佐南区で河井案里さんに挑んで以来、毎年参拝しています。

ちなみに、広島市民の初詣の定番は厳島神社か、護国神社です。しかし、護国神社に筆者は参拝しません。護国神社とは、戦前、戦争を推進した靖国神社の自治体版だからです。広島が戦前、アジア侵略の拠点となった時代の遺物でもあるからです。特に、地元の岸田総理が武器倍増に突き進むいまだからこそ、護国神社は避けたいのです。

その後、筆者の事務所近くの中筋駅前で、看板を立てて、新年のご挨拶をさせていただきました。「明けましておめでとうございます」とお声がけしながら、時に紙ベースの「広島瀬戸内新聞」をお渡ししました。

筆者も12年間、活動してきただけあり、多くの地元有権者、とくに年配の方ほど、筆者のことをご存じのようです。政策、政治姿勢をよくご存じの方も多い地域では、マイクを通じて話すより、個別の双方向の対話を重視していきたいと考えています。この点は、昨年の参院選再選挙とはやや趣を異にします。

 

筆者の事務所近くの中筋駅前で新年のご挨拶

特に、地方選挙を前にした活動です。筆者の政策・政治姿勢を具体的に県政に落とし込んでいくには、県内の実情を踏まえないといけない。それには、双方向の対話が一番重要だからです。

その上で、
「新自由主義を脱却し、県民の暮らしを立て直す」
「旧統一協会・利権まみれの広島の政治を平和都市にふさわしいものにリニューアルする」
「岸田総理の暴走に地元・広島から待ったをかける」
という軸はぶれずに頑張る所存です。引き続きご協力を伏してお願い申し上げる次第です。

◎カンパ先
郵便振替口座 01330-0-49219 さとうしゅういちネット
広島銀行本店(店番001) 普通 口座番号3783741 さとうしゅういちネット

ただし、ご寄付頂けるのは日本国籍の方、そして一人年間150万円以下に制限されます。また、
・年間5万円を超えてご寄付頂いた方
・筆者への寄附による所得税の控除を受けられたい方
については、法の定めるところにより、政治資金収支報告書等で筆者からご住所・ご氏名・ご職業を広島県選挙管理委員会に報告させていただきます。何卒ご了承ください。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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1月7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

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介護保険制度の見直しをめぐり、厚生労働省の社会保障審議会は12月19日、2024年度の改正に向けた意見書を大筋で了承しました。利用者負担の原則2割への大幅負担増と「要介護1、2を介護保険から外す」給付の大幅カットについて、結論を先送りしました。

他方で、利用者負担割合が2割となる対象者を拡大するなどの一部の項目について、「遅くとも来夏までに結論」を出すよう要望しており、厚生労働省は2023年の年明け以降も議論を継続するそうです。

◆「ヤングケアラー爆増」の危機はひとまず回避

当初、財務省などは、厚生労働省に圧力をかけ、
・利用者負担は原則2割にする
・要介護1、2の訪問・通所系サービスは介護保険から外す。
・ケアプラン作成は有料化
などをもくろんでいました。

利用者負担原則2割が実施されれば、多くの人がサービスを受けることが無理になります。

実を言えば、「デイサービスへ親を通わせているが現状でも負担は大きい」(親がデイサービスを利用している関東地方の女性)「妻が利用しているが、やはり負担は重い」(県内の70代男性)という声も強くあるのです。それが、2割負担となれば、余計利用しにくくなるのは当然です。

その結果何が起きるか? ご家族を介護している人の負担が増えます。特に、懸念されるのがいわゆるヤングケアラーの増加です。

家族の中で「主軸」で働いている父母世代(要介護の祖父母から見れば子ども)は仕事が忙しいため、学生とか、新社会人くらいの子ども世代(要介護の祖父母から見れば孫)への負担が重くなることが想定されます。

昔は、介護は「嫁」の仕事とされ、夫の父母の面倒も、妻が見るのが当たり前、という男尊女卑の時代がありました。その上、要介護の父母が亡くなったら、介護を任せていた妻を捨てて不倫相手の若い女性と再婚、という酷い夫も少なからずいたのも事実です。介護保険制度のおかげで、そうした嫁の負担が軽減され、女性の社会的活躍が後押しされ、男尊女卑の解消につながっていったのも事実です。

介護保険制度が後退すればどうなるか?先進国の中ではまだまだ男尊女卑が強いとはいえ、昔に比べると改善される中で、さすがに母親=嫁に押し付けるということは難しい。しかし、そのかわり孫世代に負担が重くなる、ということが想定されます。

筆者も利用者のお孫さんで、よく見舞いに来られている方を拝見することもあります。当人は、責任感をもってがんばっておられるのもよくわかります。それでも、ご本人がおかれた客観的な状況から「大学生なら勉強、新社会人なら仕事をおぼえることを優先された方がいいのではないか」という思いが口から出かかることもあります。後々、学業や仕事に支障が出るなどを通じてご本人の、さらには、社会全体の損失にもなることが懸念されます。今回の改悪回避でそうしたヤングケアラーの爆増は、とりあえず、回避できたのかもしれません。

◆お金持ちには利用料負担割合増加より保険料引き上げ・増税を

こうした中、負担割合を二割に引き上げる人の範囲を増やす議論は続くそうです。そもそも、保険給付割合で差をつけるというのは筋が悪い議論と感じます。もし、お金持ちに負担をいただきたいなら、税金をしっかり負担していただく方がよいと思います。負担割合が異なる人がいるために、現場の事務処理も煩雑化しています。元の一割負担で統一して、お金持ちの保険料率や所得税負担率を引き上げる、という方向の改革を望みます。

◆総理支持率低迷と署名運動が「大幅改悪」撤回の原動力

2021衆院選で与党が3分の2を超え(これにより、反対する野党が参院で粘っていても、衆院で再可決されれば介護保険改悪案は成立してしまう。)2022年参院選でも自民党が圧勝する中で、上記のような財務省がもくろむ案が法案になってしまえば、阻止するのは極めて困難な客観的な情勢もありました。

しかし、安倍晋三さん暗殺を契機に旧統一協会問題が噴出し、岸田総理の支持率は暴落しました。これにより、介護保険大幅改悪はやりにくくなったのは事実です。

ただ、総理支持率暴落だけでは、改悪は阻止できなかったという思いも筆者はあります。

例えば、軍事費倍増とそのための増税は、総理は「支持率が低迷しているからこそ、蛮勇を見せつけて求心力を高めてやろう」と暴走した面が否めません。実際、歴史を振り返っても内政の失敗をごまかすために、対外的に緊張を高めようとした為政者は古今東西枚挙にいとまがありません。

やはり、今回の介護保険大幅改悪の断念の背景には、署名運動もあったのは間違いありません。認知症家族の会など、ご家族を介護する当事者の方が中心に署名運動を展開。「これを強行したら統一地方選2023は持たない」ということを自民党側も感じたのでしょう。

また、軍事費はまだ「国家の専管事項」という理屈もあり得ますが、介護保険に関しては市町村が保険者です。統一地方選では重要な争点になってしまうからです。

総理が暴走を加速する軍事費倍増・増税問題、あるいは原発の問題ではそれはそれで、きちんと野党がまとまって対抗軸を打ち出さないと反対の世論も盛り上がらないし、むしろ支持率低迷の中で総理の暴走は加速するだけにも思えます。

◆現場労働者の待遇改善、サービスの安定供給……課題は山積

そして、もうひとつ、強調しなければいけないのは、現場労働者の待遇改善などは、この改悪の先送りに関係なく、まったく進んでいないということです。要は、今でも矛盾だらけの介護保険制度が、せいぜい、これ以上悪くなるのが防がれただけの話です。

岸田総理は、介護労働者の給料アップを公約しました。ふたを開ければ3%。しかも、必ずしも、労働者の手元に来るとは限らない仕組みでした。その上、10月からは国費投入ではなく、介護報酬に上乗せすることを事業者=経営者が申請しないと給料アップにならない仕組みです。要は、給料アップがお年寄りの負担増になるし、事業者の事務負担増にもなってしまうということです。

こうした中で、広島の介護現場からは外国人労働者がより高い給料を求めて東京へ流出しています。

※参照=広島の外国人労働者が流出する理由 「労組代表」の筆者の説明で納得の町幹部

こうした経過をみれば、どうあがいても、実際のところ現在の介護保険の枠の中で、現場労働者の待遇改善を十分に行い、人手を確保するのは無理と言わざるを得ません。

また、コロナのもとで、一時的な利用者の急減が、経営に打撃を与え、事業者が倒産。お年寄りが路頭に迷うという事態も生じています。費用は保険で出し、介護報酬は国が決めるが、あとのことは市場原理任せ、という介護保険制度でサービスの安定供給ができるのか?という問題もつきつけられています。

※参照=介護事業所の倒産が過去最多! 市場原理でサービスの安定供給は確保できない! 

◆介護保険の限界認識し、対抗軸を!

結局のところ、当面は思い切った財政出動を行いつつ、介護は基本的には税で賄うという、欧州では一般的な方向での改革に向かうしかないのではないでしょうか?その場合は、現在は異常に甘すぎる超大金持ちへの課税を強化するなどの方向が、格差が広がってしまった現代日本ではふさわしいでしょう。

介護保険改悪阻止だけでなく、むしろ、その限界を認識し、市場原理に寄らない方向、例えば(特に広島のような労働力が流出する地方圏では)公務員として人手を確保して、責任をもって自治体が介護を供給する、などの方向性を野党側、あるいは労働側は打ち出し、自民、維新や資本側に対抗するべきです。

筆者も、統一地方選2023へ向け、暴走を加速する岸田総理の地元・広島でその先頭に立ちます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

2023年4月執行の統一地方選挙・広島県議会議員選挙安佐南区選挙区(定数5)において筆者は立候補を予定しています。12月14日付で筆者に対してれいわ新選組から推薦をいただきました。

 

中筋駅前で演説する筆者

「核禁条約が発効した今こそ、暮らしに冷たく、利権や旧統一協会にまみれた広島県政を、平和都市にふさわしいあなたにやさしい広島県政にリニューアルしたい。防災や医療・福祉、教育など公務員を増やす。ケア労働者や非正規公務員は、給料大幅アップはじめ待遇の抜本改善を早急に行う。県内でお金を回し、人口流出を止める。緩すぎる産廃規制を強化し、水や食べ物を守る。給食無料化含む食料安全保障、教育費負担の軽減、子ども医療費補助の拡充、国保料など引き下げ、ご家族を介護・ケアする方の応援、住まいの権利保障に全力を挙げる。」

以上が、筆者がれいわ新選組の推薦をいただくにあたっての決意表明要約です。

◆案里さんの地元で捲土重来

安佐南区は「あの」河井案里さんの地元です。筆者は、2011年1月、広島県庁を退職。県知事選挙2009後に変質が目立った河井案里さんと対決するために安佐南区で立候補し4278票をいただきましたが及びませんでした。

あれから12年。案里さんは、ご承知の通り、参院選広島2019での買収事件を引き起こして逮捕・有罪確定・当選無効となりました。その案里さんの当選無効に伴う参院選広島再選挙2021に筆者も立候補。6人中3位の20848票をいただきました。

しかし、案里さん失脚後、広島県内の政治・行政も日本の政治も、全く改善されていません。もう一度、筆者は、この案里さんの地元でもある安佐南区で捲土重来、腐りきった広島県政をひとりひとりにやさしい県政にリニューアルすべく、力を尽くします。それとともに、総理の地元の広島から暴走する総理に向けてガツンと声を上げて参ります。

◆新自由主義で暴走する県知事とチェック機能無き議会

広島県では、2021年11月に四選を果たした県知事の湯崎英彦さんの新自由主義方向での暴走が加速しています。

2022年11月には、突然、住民を置き去りにした全国でも例を見ない病院統廃合を発表しました。(関連記事 https://www.rokusaisha.com/wp/?p=44909

また、湯崎さんは2023年3月末で、広島県内の貴重な種を保存していた「広島ジーンバンク」を廃止します。一方的な説明会を開いただけで、県民の合意形成を図ることもせずに強行しようとしています。

そして湯崎さんの腹心の平川理恵・県教育長は12月6日に外部の専門家による調査で官製談合防止法違反、地方自治法違反が明らかになったにも関わらず居座っています。さらに、出入りの業者を自宅に宿泊させていたことも明らかになりましたが、12月17日現在、辞任の気配すらありません。

また、広島県全体で公立学校の非正規の先生が1000人以上おられます。裏を返せば正規の先生が不足し、授業にも支障が出ている学校も多い状態です。こんな状況を、「予算がない」と放置する一方で、現場に負担を強いる「改革」に暴走しているのが平川教育長であり、バックの知事の湯崎さんの実像です。

こうした、湯崎さん、平川さんを甘やかしてきたのが県議会であり、自民、公明は言うに及ばず、立憲、国民も知事与党としてほとんど監視機能をはたして来ませんでした。

筆者はこうした県議会に緊張感をもたらしたいと思います。

◆噴出する過去の新自由主義の「負の遺産」

広島県は実は、大阪顔負けの新自由主義政策を取ってきました。例えば広島県内の市町村合併は86あった市町村を23に減らすものでした。そして、県職員は「合併後の市町に権限を委譲するから」と削減し、市町の職員も「合併するから」とダブルで公務員を大きく減らしました。また、保健所は21から7に激減。全国平均の半減と比べてもひどい。

しかし、大阪維新の会のようには、広島県政の新自由主義は知られていません。これは、大阪府の橋下徹知事(当時)が派手なパフォーマンスで喧嘩を売ったのに対して、広島県の前知事の藤田雄山さん(故人)、現知事の湯崎英彦さんは、「こそこそ決めてこそこそ実行する」傾向があったために、県民に気づかれにくかったというのはあるでしょう。だが、さすがに長年のつけはいま、噴出しています。(関連記事 https://www.rokusaisha.com/wp/?p=44493

上記で紹介した教員不足のほかに、行政職員不足で、広島土砂災害2014、さらには西日本大水害2018からの復旧・復興や、コロナ対応にも支障がでています。

また、公務員を減らしすぎたことが、広島県内でも特に周辺部、特に吸収合併された旧市町村地域の衰退に明らかに拍車をかけています。そのことも人口流出は広島がワーストワンであることの背景にあるとみられます。

◆アップデート遅れる県政 暮らしや環境を守れぬ

また、全国的には子どもの医療費補助を18歳までやる都道府県も多いのですが、広島県はいまだに就学前までです。国保への補助も拒んでいます。経済格差が広がる中で、それに対応しなければいけないのですが、広島県は後れを取っています。

さらに、産業廃棄物対策でも広島県は後れをとっています。他の都道府県では水道水源条例などを制定し、産業廃棄物処分場が簡単にできないようにルールをつくっています。しかし、広島県にはそういう条例はありません。書類さえ整っていれば許可。こんなことだから、安佐南区の上安の産廃処分場では一時期汚染水が流出する問題が起きました。さらにその同じ事業者が三原市の水源地のど真ん中に産業廃棄物処分場を計画。県もこれを許可してしまいました。

◆現役県庁職員時代から地域衰退やケア労働者の低すぎる給料に憤り

筆者は、現役の県庁職員時代、特に山間部や島嶼部の介護や医療、福祉などの行政を担当させていただいていました。その中で、地方交付税カットを含む当時の小泉純一郎政権による新自由主義で地方が衰えていく様子に憤りをおぼえました。

また、介護事業所の指導をさせていただく中で、あまりにも低すぎる現場労働者の皆様の給料に「こんなことでいいのか?」と憤るとともに、「日本は大丈夫なのか?」と日本の将来を心配しました。20年近くたったいま、筆者の懸念は現実のものになっています。

いまや、広島の介護現場から外国人労働者も東京へ流出しています。そして、介護現場労働者の高齢化が深刻になっています。筆者は、現在では労働組合(広島自治労連)執行委員としてケア労働者の待遇改善にも力を入れています。(関連記事 https://www.rokusaisha.com/wp/?p=44761

◆故・安倍さん以上の新自由主義・軍拡・原発推進で暴走する総理に地元から「ガツン!」

また、岸田総理は新自由主義脱却と当初はいいながら、経済政策面では故安倍晋三さん以上に新自由主義的です。

現役の介護福祉士であるわたくし・さとうも期待していたケア労働者の待遇改善も3%といわば、物価上昇の前では焼け石に水です。さらに、国費投入も打ち切られて現在は保険料負担・利用者負担になっています。

そして、岸田総理は安倍晋三さんでさえやらなかった武器倍増、原発を推進など暴走が止まらない状況です。

こうした中で、新自由主義に原則的に反対する政治家が、総理の地元広島で増えて、ガツンと総理にモノ申せば、総理の判断にも少なからず総理の暴走を減速する方向で影響を与えるでしょう。

◆これまでの筆者の活動内容に最も近い政策のれいわに推薦依頼

筆者は、現存する政党・政治勢力の中ではれいわ新選組が新自由主義への対抗軸を最も徹底しておられると評価しています。このことから、筆者は同党を衆院選2021,参院選2022で全面支援させていただきました。こうした経過もあり、広島県議選2023において同党の推薦をお願いし、このほど承認いただいたものです。

わたし自身の政策・政治姿勢などについては、何ら変更はありません。最もスタンスが近いところに推薦をお願いしたものです。

例えば、わたし自身、特に労働組合役員としてケア労働者の待遇改善と人員体制の改善、教員含む非正規公務労働者の正規化・待遇改善を最優先とした必要な公務員増に注力してまいりました。

東京のような巨大都市ならいざしらず、広島の場合、公務員を増やしたりケア労働者の待遇を改善したりすることが、県内の経済底上げ、そして若者の地元定着、人口流出阻止にもつながります。今後、労働組合役員としてだけでなく、県議会内でも全力で取り組んでまいりますとともに、国政レベルで意識を共有するれいわを中心とする国会議員と連携してまいります。

なお、筆者は、労働組合全般を否定するものではなく、あくまで「労働者の票を食い逃げして裏切る」ような「労働貴族」を批判してきました。

◆「カバン」が最も不安材料! 遠方の方はご来援よりカンパを!

 

リアル、zoom両方での支持者を前にあいさつする筆者。昔は一人でいろいろなことを仕切っていた

さて、選挙において、どうしても必要とされるのは「地盤、看板、カバン」とされます。

過去に筆者が挑んだ選挙の時と比べると、皆様のご協力のおかげ様で、明らかに地盤=支援組織、看板=知名度の面では充実しています。改めて深く感謝を申し上げます。

しかし、問題はカバン=お金です。

もちろん、筆者は「お金がなくても堂々と参加できる政治」を掲げています。そうでなければ、格差はますます拡大してしまうからです。

とはいえ、現実問題、最低限のお金がかかるのも事実です。例えば、政治活動用ポスターにしても屋外用のものは1800円/枚かかり、筆者にとっては相当な負担です。れいわ新選組の推薦をいただきましたが「推薦」では資金面の支援は現時点では頂けない状況です。

特に遠方の皆様方におかれましては、ご来援も大変うれしく存じますが、それよりましてうれしいのがやはり交通費分、カンパしていただくことです。

◎カンパ先
郵便振替口座 01330-0-49219 さとうしゅういちネット
広島銀行本店(店番001) 普通 口座番号3783741 さとうしゅういちネット

ただし、ご寄付頂けるのは日本国籍の方、そして一人年間150万円以下に制限されます。また、
・年間5万円を超えてご寄付頂いた方
・筆者への寄附による所得税の控除を受けられたい方

については、法の定めるところにより、政治資金収支報告書等で筆者からご住所・ご氏名・ご職業を広島県選挙管理委員会に報告させていただきます。何卒ご了承ください。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

岸田総理は12月11日、核廃絶のための「国際賢人会議」を主宰するために、自身の選挙区である広島1区に「お国入り」しました。広島1区は爆心地や平和公園を含み、筆者の自宅もあります。

 

広島市内で見かける岸田総理の政治活動用ポスター

その総理が、「お国入り」を前後して、暴走が止まりません。前日の10日(土)の夜、突如、総理は記者会見を実施。このために、NHKの人気番組「ブラタモリ」が延期になりました。ネット上でも、非難ごうごうとなりました。筆者は一度も総理に投票したことはありません。ただ、全国の皆様に、地元選出の総理がご迷惑をおかけしているのは事実であり、深くお詫び申し上げます。

筆者は、特に以下のことについて、総理の暴走がひどいと感じました。一つは、軍事費倍増(次の5年間合計では1.5倍)へ向けて1兆円増税。これはとんでもないことです。近日中に軍事費倍増を閣議決定する見込みです。もう一つは、出産費用補助50万円への引き上げです。そのこと自体は良いが後期高齢者医療費に財源を求めていることが暴走です。

◆軍事費倍増そのものが間違いだ

まず、第一に、軍事費倍増の為に増税を行う、と総理は宣言しました。これに対しては自民党内・閣内からも、高市早苗大臣らから軍事費倍増には反対しないが増税には反対する文脈で反発が起きています。

そもそも、軍事費を倍増することに何の根拠もありません。その意味では「防衛費倍増のための増税」の総理も、「防衛費倍増を国債で賄う」の高市大臣も筆者は全く支持できません。

食料もエネルギーもほとんど自給できない日本が敵基地攻撃能力=先制攻撃も可能になる能力を持ったところで、何の役に立つというのでしょうか? 日本を倒すには、ミサイルはいりません。食料やエネルギーの封鎖です。封鎖まで行かずとも、いま、日本は食料やエネルギーを「買い負け」してピンチになっているのは皆様もご承知の通りです。

そして、日本の軍事費倍増は、結局、周辺諸国の軍拡の口実にもされる。そして、例えば中国を相手に軍拡競争になった場合、先に経済的に参るのは、今となっては、GDPが中国よりも少ない日本でしょう。

◆敵基地攻撃能力保有によるリスク

敵基地攻撃能力保持は、日本自身が挑発に乗って先制攻撃に走るリスクも発生します。最悪の場合は、相手国が、「日本を攻撃するかもしれない」という偽情報を流し、真に受けた日本が挑発に乗って、敵基地を先に攻撃する。そして、「日本が先制攻撃した」ことを理由に相手国が「自衛権行使」で正々堂々、臆することなく日本を焼け野原にする。こういうパターンがないと言い切れるでしょうか? 日本は、実際にアメリカの挑発に乗って真珠湾攻撃をしたという「前科」があるのです。

いくら、相手に非があっても先に手を出したほうが悪い。歴史を振り返っても、先に手を出した方が非難を大きく浴びるのです。ついつい忘れてしまうことがあります。

なお、報道によれば、防衛省は、AIで自国民を好戦的に洗脳する工作に取り掛かっています。例えば、対朝鮮ということを考えてみましょう。日本人が防衛省に煽られて、先制攻撃を支持→世界から非難ごうごう&朝鮮からの反撃で日本滅亡、ということもあり得ます。

◆「台湾有事」に介入?!

台湾有事に対応することが必要、という意見もあります。しかし、1979年に米中が国交正常化して以降は、同海峡での直接的な軍事衝突はありません。

台湾を人民解放軍が攻め取ろうとしても、軍事的にはかなり難しいと言われています。大軍を渡海させて上陸させ、なおかつその状況を維持するというのは非常に困難だからです。地続きで平原地帯のロシアvsウクライナとは状況が全然違います。

なお、究極的にはいまだ終結していない「国共内戦」の延長である「台湾有事」が万が一起きたとして、日本が介入すれば、これは内政干渉です。ロシアが、ウクライナの内戦に介入して侵攻したのと変わりはありません。

だいたい、米中が衝突すれば、世界、とくにアジアは大混乱になる。食料を輸入に頼っている日本は大変なことになります。絶対に米中衝突は回避するよう立ち回ることに全力を注ぐべきです。

◆原発を推進しながら「抑止力向上」

岸田総理は、GX=グリーントランスフォーメーションと称して、原発推進に大きく舵を切りました。原発の新増設も辞さない構えです。しかし、冷静に考えると、これは、安全保障上のリスクを増やします。もちろん、原発を攻撃することは、国際法違反です。だが、ロシアのウクライナ侵略でザポリージャ原発が何度も大事故の危機に陥ったように、何が起きるかわからないのが現実です。

武器を増やして挑発をしながら、敵の的を増やしてあげる。総理がしようとしているのはこのような愚行です。

◆緊張激化で遠のく核廃絶、賢人会議開催とも矛盾

総理は、軍事費倍増を進めるその口で、広島で主催されている「賢人会議」では核廃絶について世界に向けてご高説を垂れておられました。「どの口が言うか?」と突っ込まざるを得ません。

繰り返しますが、日本の軍事費倍増自体が、緊張を高めることになります。そして、さらなる周辺諸国の核の増強にもつながりかねないのです。総理がいつもおっしゃる核兵器廃絶への「現実的な取り組み」どころか、核兵器廃絶を遠ざける行動ではないでしょうか?

◆出産費用補助に後期高齢者医療保険流用?!

総理は、出産費用補助を50万円まで引き上げると10日の会見で発表しました。そのことについて異存はありません。しかし、問題は財源です。なんと、後期高齢者医療保険から流用するということです。これは、財源の目的外使用です。しかも、後期高齢者も医療費負担が今秋から爆増し、困っている中です。

世の中には大金持ちの高齢者ももちろん、たくさんおられます。それなら、資産所得への課税を強化すればいいのです。それを軍事費ではなく出産費用補助にも使えばよいのです。あるいは、軍事費倍増をまかなうための増税の軸とされる法人税増税を、軍事費ではなく、出産費用補助に使えばよいのです。

もうひとつは、今の状況で出産費用補助だけ増やしても子どもが増えるかどうかも疑問です。日本の場合、とくにこの数十年は給料が上がっていません。若者は奨学金返済に追われ、年配者は年金が少ないからハードに働かないといけない。こうしたことが人々から希望を奪っているのではないでしょうか?

この点が、いわゆる少子化対策に成功しているとされる欧米諸国とも、人口が増えているいわゆる発展途上国とも決定的に違う点です。そもそも、少子化を解消すべきかどうかも吟味されるべきだが、日本の現状は、それ以前の問題です。そんな状況で、軍事費を倍増ですか?総理。筆者はあなたの選挙区の一有権者ですが、あなたがなさろうとしていることは、意味不明です。

軍事費増加はあっさり決まるのに、社会保障については、内部でやりくりをさせられる。岸田政治の本質がここに現れています。

◆頼りない立憲、総理暴走のストッパーにならぬ

こうした総理の暴走にストップをかけるべきは、野党第一党です。だが、残念ながら、特に広島県内の立憲民主党は、「岸田暴走問題」について頼りないと言わざるを得ません。

個々の議員や支持者の中には、依然として敵基地攻撃能力には反対の方も多くおられます。しかし、広島県選出の立憲民主党の男性参院議員は、2019年の改選時にマスコミのアンケートに対して「憲法9条を変えるべきではない」「防衛力を増強すべき」の両方の回答をしておられました(設問の表現は社によって微妙に異なるが)。

また、筆者がかつて支援をさせていただいた立憲の現職県議も、参院選中の公開討論会の中で「武器を見せつけて抑止することも大事」という趣旨のことをおっしゃっていました。これは武力による威嚇です。日本国憲法違反どころではありません。お二方とも、広島県内で強い武器製造関連労組への忖度があるのでしょう。

もちろん、日本の安全保障上の最大の弱点ともいえる原発についても、広島の立憲民主党は事実上の原発推進労組(武器製造と原発製造は重なる)の「労働貴族党」です。岸田総理へのけん制などのぞむべくもありません。

立憲でも特に岸田寄りないし労働貴族色が強い議員については、「このままではあなたを次の選挙では打倒せざるを得ない」というメッセージを有権者は送っていくべきでしょう。筆者は、既に、立憲の現職県議への支援は中止、私自身が立候補する意向を支持者に示しています。続く動きを期待します。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

筆者の元職場・広島県庁を「文春砲」が直撃した平川理恵・県教育長による官製談合疑惑。このたび、県教委が依頼した第三者の弁護士らの調査結果が出ました。教育長のご親友が運営されている京都府のNPO法人「パンゲア」との契約について、2件について地方自治法違反、官製談合防止法違反があった、という結果になりました。12月6日、平川教育長がこれを受け、「再発防止に努めたい」と県議会委員会で陳謝しました。


◎[参考動画]県の事業が官製談合の疑い 教育長の知り合いのNPO法人(広島ホームテレビ)

しかし、筆者は、教育長にこう申し上げたい。

「あなたが主導しての法律違反が明らかになった以上、腹を切る(辞任する)のが当然ではないでしょうか?さもなければ、教員も職員も、法令遵守も公務員倫理を守ることもばかばかしくなってしまいますよ。」

知事の湯崎英彦さんにもこう申し上げます。

「湯崎さん。こんな教育長をなんとかしないなら、あなたには、知事部局の職員を指導する資格もない。」

県議会の自民、公明、立憲、国民のいわゆるオール与党の議員にも申し上げたい。

「あなた方がずっと知事与党の姿勢をとってきたことで、教育長も図に乗ってこのようなことになったのではないのか? 行政監視という議会の機能を果たすつもりがないなら、そこをおどきなさい。」

◆これまでの経緯と調査結果の概要

2022年8月。まず、週刊文春が二度にわたって、平川教育長とパンゲアの理事長が一緒に会食をするなど親密だったこと、女子高生のホームページ作成指導を同法人に委託していたことなどを暴露。「官製談合」ではないか、と指摘しました。

当初、教育長は「問題はない」と開き直っておられましたが、世論の批判を受けてさすがに内部調査を行いました。その結果、パンゲアが2020~22年度に受注した6事業計2645万円のうち複数の事業で入札公告前に予算額や事業内容をパンゲア側と県教委職員がやりとりするメールが発見されています。そして、強調しなければいけないのは、県教委の職員に対して、平川教育長はご自身の意向を押し通すような方だったことです。もちろん、そうした個性の強さが、忖度しなければ大変なことになったということは容易に想像できます。

結局、教育長は外部の弁護士に調査を委託。二か月以上たった今、結果が明らかになったのです。

今回の調査結果では2021年9月に契約した高校の枠を超えた生徒の探究活動についての事業が官製談合防止法違反や地方自治法違反と認定されました。県教委は入札前に、パンゲアとの契約を前提に各県立高の校長に生徒募集を求めるなどしたのです。

また、2020年9月に契約したグローバル人材の育成を目指す事業も地方自治法違反とされました。県教委は委託先の比較検討をせずに随意契約していました。

◆仕事熱心でも公務員向きではない教育長

公務員はいうまでもなく、全体の奉仕者でなければなりません。そのことは、本当に大変なことなのです。

教育長が仕事熱心なのは認めます。広島に限らず、日本の教育の在り方がいろいろと、アップデートが必要なのも事実でしょう。特に広島の行政というのは古いというのは、筆者自身、県庁職員でしたから熟知しています。

しかし、だからといって、民間時代の感覚と同じことを公務員になってからもやってしまうと、それは公務員として相応しくないこと、場合によっては今回のような違法になることもあるのです。平川教育長に申し上げたい。以上のことがお分かりになれないなら、公務員をされないことです。民間で頑張ってください、としか申し上げようがありません。

◆公務員倫理規程・規範はなぜ必要か

筆者自身も、現役の県庁職員時代、男女共同参画を軸にボランティア活動をプライベートでさせていただいていました。

その時の上司は、「お前、相手は、お前の肩書に近づいているのではないのか?気を付けたまえ。」とご忠告くださっていました。

「俺は純粋な気持ちで正しいと思うことをやっている。何を硬いことを言っているのだ。この人は。」と筆者は反発したものです。

しかし、あることで、上司の忠告に納得しました。忠告からほどなく、当時筆者が男女共同参画のある分野で心酔していた県外のある方が、セカンドレイプになりかねないご発言という形で馬脚を現したのです。もし彼女に何か、あのまま、県関係のイベントの講師などお願いしていたら筆者は大恥をかいたでしょう。

平川教育長のケースと違い、事業を委託するわけではないが、あのまま人権教育系の講師を彼女にお願いしていたらヤバかった、と今でも冷や汗が出ます。

熱意は大事だが、一方で、慎重に行動する必要があるのです。そのために、公務員には倫理規程、要綱、あるいは大臣なら大臣規範などがあるのです(所属する組織により名称は多少異なるが趣旨は一緒)。 これらは熱意の暴走、あるいは、誤った方向での熱意を防ぐ効果もあるのです。

◆トップは倫理を守って当然だから規程がないだけ

こうした公務員倫理に伴う規程や要綱は広島県の場合、教育長など特別職にはない。国の場合、故・安倍晋三さんのような総理大臣には大臣規範は適用されません。

しかし、それは、トップが公務員倫理を先頭に立って守るのは、言わずもがなだからです。

逆に言えば、トップは倫理が守れないなら、退陣しか選択はありません。倫理どころか法律を破った今、教育長が取るべき道は、退陣しかありません。そして、検察や警察にきちんとしらべてもらうことです。刑事や民事の責任を取らないで逃げてはいけません。

◆脚光浴びた「新しさ」、本質は「新自由主義」

さて、平川教育長に期待された県民も多いのも事実です。筆者も、広島県で初の女性教育長ということもあり、全く期待しなかったと言えばうそになります。筆者でさえそうですからマスコミは言うに及びません。NHKも含めて教育長を持ち上げまくっていた時代がありました。

だが、就任から4年余り。彼女の本質は新自由主義であることは明らかではないでしょうか?例えば非正規の教員の問題です。広島県内には県教委管轄で1000人以上の臨時採用の教員がいます。しかし、1000人以上もいて臨時というのも異常です。ある保守系の県議も見かねて、正規で採用するよう求めたのですが、教育長側の答弁は「予算がない」でした。

ところが、グローバルエリートを育てるという中高一貫の広島叡智学園新設には、69億円も投入したのです。足元の問題は放置して、エリートに公教育の資源を振り向ける。これを新自由主義と言わずしてなんというのか?

また、2023年春から、県立高校のいわゆる推薦入試がなくなり、3月実施のものに一本化されます。これだと、滑り止めに私立高校を2月に受けざるをえなくなる人も増えます。その分、受験料などの負担も増えます。また、その入試ですが、プレゼンテーションを重視するという。この類のものは、学科の勉強よりも貧富の差に左右されやすいと言われています。結局、金をかけて対策をやる裕福な家庭の子が有利になるのです。これも新自由主義的と言えば新自由主義です。もちろん、日本人は、自己主張が下手というのは一般的には言われている。ただ、官民問わず、上に忖度させるような風通しの悪い職場風土は相変わらずです。などを放置して、昔に比べても労働組合なども弱くなっている。そういう社会で学校時代だけプレゼンテーションをやらせてもどれほどの効果があるのでしょうか?大変疑問です。権威主義的な大人社会の改革とセットでやらないと意味がないでしょう。

このように、平川教育長には、教育行政の中身にも問題は多いのです。

さらに言えば、先日は、平川教育長が、100km以上離れた福山市までタクシーで移動していたという信じられないニュースもありました。福山であれば広島から新幹線で30分弱ですし、低コストです。タクシー利用は意味不明です。

◆検察・警察は捜査、議会は百条委員会で徹底追及を

繰り返します。平川教育長は退陣あるのみです。そして、検察や警察にもきちんと調べてもらうことです。県議会は100条委員会等で徹底究明することです。さもなければ、大げさな話ではなく、県行政は崩壊してしまいます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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7日発売!タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号

介護保険事業所の倒産が過去最多を記録しています。各社の報道によれば、信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、2022年1月から11月15日までに倒産した介護事業者は全国であわせて124件に上ったとのことです。この時点で過去最多の2020年を更新してしまいました。

内訳は、
「通所・短期入所」(デイサービスなど)63件
「訪問介護」40件
「有料老人ホーム」11件
「その他」10件いずれも前の年の同時期より増えています。

1.コロナによる利用者急減による売り上げ減
2.物価高による経費高騰
3.介護職員不足で成り立たない

このあたりが大きな原因となっています。2.の物価高による経費高騰については、今年度の補正予算により、自治体経由で補助金は出ています。ただ、それも「焼け石に水」「時すでに遅し」の状況の事業者も多いのです。

◆「介護事業者」の倒産が過去最多  価格転嫁が難しく、大規模な連鎖倒産も発生

通所(デイサービス、デイケア)や短期入所(ショートステイ)については、新型コロナ災害に伴い、感染を恐れて多くの利用者が利用を控えたことが大きいのは報道でも皆様もご存じと思います。そして、多額の投資をして規模を拡大してきた企業をそうしたコロナ災害が直撃した面もあります。急成長した企業の場合、先行投資が無駄になると資金繰りが一挙に悪化します。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20221007_01.html

実際に、上記の東京商工リサーチの記事によれば、東京では一世を風靡したリハ型デイサービスを急激にふやしていた企業が倒産しています。

◆国による違法状態放置で人手不足倒産加速の訪問介護

一方、訪問介護(いわゆるホームヘルパー)についてはどうか? もちろん、コロナによる利用控えもありますし、介護職員が確保できずに倒産、というケースも多くなっています。訪問介護では、多くの事業者で移動時間やキャンセルの場合の時間をただ働きにさせています。本当は労基法違反ですが、労基法を遵守させるだけの介護報酬を国が設定していないのです。筆者も訪問介護で何度かアルバイトはしています。面接のとき、先方の社長さんが「ここだけの話ですが、移動時間や待機時間はボランティアということでよろしいでしょうか?」と小声で耳打ちしてこられたのを鮮明に覚えています。選挙で河井案里さんに敗れた「後遺症」でお金に困っていた当時のわたしは「まあ、それでも、当面、金は稼げるからいいか。」(本当は良くないのですが)ということで、苦渋の決断でとりあえずお受けしたと記憶しています。

なお、この問題については、訪問介護員の当事者労働者が介護保険制度をつくった国を提訴しています。https://helper-saiban.net/

だが、本年11月1日に言い渡された東京地裁の一審判決は、事業者にのみ責任を負わせる不当なものです。例えていうなれば、3.11フクシマ原発事故について東京電力にだけ責任を負わせ、原発を推進した国については免責した最高裁判決にうり二つの不当判決です。

こうした結果、訪問介護員に当然、若者はなりたがらず、高齢者が多いのです。そして、コロナのとき、感染を恐れた訪問介護員が引退する。それによる人手不足倒産というのも要素としてはあります。

◆物価高・人々の実質所得減で有料老人ホーム苦戦か

筆者は、広島市内の介護付き有料老人ホーム(弊社A)と広島県安芸郡内の認知症高齢者グループホーム(弊社B)で介護福祉士として働いています。

介護付き有料老人ホームは介護保険法上、特定施設入居者生活介護と言います。その施設に所属する職員が、
・介護サービス計画書(ケアプラン)の作成
・上記計画書に基づいた、食事・入浴・排泄などの介助
・その他の日常生活に関わる身体的介助
・機能訓練(リハビリテーション)
を行います。

これが「住宅型」有料老人ホームですと、外部事業者のサービスを利用することになります。

一方、認知症高齢者グループホームは認知症対応型生活共同介護と介護保険法上は呼ばれ、認知症のある高齢者が共同生活を送ることが想定されています。「想定されている」というのは実態とは異なる場合も多いからです。地域密着型サービスといって、許認可は当該市町村、入居できるのも当該市町村の方に限られます。

こうした中で、有料老人ホームの弊社Aは最近、苦戦しています。一時期は満室だった時期もあるのですが、2022年に入ったころから、空き室が目立つようになってきました。現在では、56室中2割近い9―10室程度が空いています。以前は、ネットだけでも結構入居への問い合わせがあったのに、それがないのです。

他方で、グループホーム弊社Bは、営業エリアが当該町に法律上限られるにもかかわらず、亡くなられた方が出ても、入居される方がすぐいらっしゃる状況です。

弊社Aでは費用が20万円/月程度、弊社Bでは12万円/月程度です。弊社Aの場合は、特養入居待機中の方も多い。これは、高額の費用を我慢して入居しておいて、特養の順番を待つ方が多いということです。逆に言えば、費用が安いところが他にあればそちらに流れてしまうのです。ましてや、今は、物価高。人々の実質所得が目減りする中、有料老人ホームは高根の花です。逆に費用が比較的安いグループホーム弊社Bはほぼ常時満室というわけです。

◆消滅型倒産が多い

そして、倒産の形態ですが、なんと会社がなくなってしまう「消滅型倒産」が97%。すなわち、サービスがそのまま停止してしまうということです。どこかに株式を買収してもらって再建されるとかそういう事業所はほとんどない。介護職員については、他事業所で人手不足が続く以上、すんなり再就職は決まるでしょうが、問題はお年寄り(一部、障がい者)です。ある日、突然、デイサービスが消えた。これは、お年寄りにはたまったものではありません。なかなか、引き続き通える施設がみつからないうちに、引きこもり状態、それに起因する認知症の悪化や身体機能の低下などの危険性が高まります。

一方で、そこそこ「健闘」している弊社Bのようなグループホームにも課題は多い。本来なら、認知症だけど、一定程度、体が元気な人が、一緒に家事をしながら共同生活をする。それが建前です。だが、実際には、要介護5,それこそ、自力でつかまり立ちもできず、入浴もトイレも二人介助を必要とする利用者の方も多く、その対応だけでも、時間があっという間に経過してしまいます。グループホームらしい、認知症のお年寄りの力を引き出すような形でのきめ細かいサービスなどは困難なのが実情です。

◆市場原理ではサービスの安定供給確保できぬ

結局、根本問題は、市場原理にサービスの供給を任せていることではないでしょうか?

介護保険導入前は、高齢者福祉は100%公費(国50%都道府県25%市町村25%)で賄っていた。しかし、保険料で半分は賄うようにして、公費負担割合は半減する。その上でサービス供給については市場原理に任せる。これが介護保険の在り方です。

「それによって、利用者に合わせた多様なサービスが勃興するのだ」という趣旨のことを、介護保険法制定時の広島出身の厚生次官・岡光序治さん(筆者の父が厚生官僚だった時代の上司でもある)らは主張されていました。

だが、市場原理に任せた結果、事業者の収入がコロナで減る。そして、コロナが下火になっても、収入が減った時の負債増大が響いて倒産し、消滅してしまう。そして、サービスの供給が途切れる。これが実態なのです。

表面上「健闘」している業種や事業所でも、仕事量に人員が追い付かず、アップアップ状態です。また、設備の老朽化を放置している場合も多い。筆者自身、ある施設で、車いすのブレーキがかかりにくくなるまで「節約」するなど危険な状況があったりして、ひやひやしたものでした。

介護保険導入前は、たしかに高齢化率は低かった。しかいながら、一方で介護保険料も取られず、消費税率も現在より低かった。にもかかわらず、訪問介護は23区でいえば公務員、広島市でも公社職員が提供していたのです。それにより、安定供給が一定程度担保されていたのです。

正直、現在のように、倒産で事業所が消滅したり、日々を切り回すだけでアップアップだったりする状況で、市場原理による「多様なサービス」なんて絵にかいた餅です。

公費投入を増大させないとどうしようもない。そして、介護保険そのものの在り方を抜本的に見直すべきときではないでしょうか?もちろん、その見直しの方向性は岸田総理が今進めているような介護保険利用者負担の倍増や要介護1・2を介護保険から事実上外すこと、あるいは、IT化と称して、現場労働者の配置基準を減らすこととは正反対でなければならないのは、言うまでもありません。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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