M君リンチ事件から8年、輪郭を現わしてきた司法制度の闇とヒューマニズムの劣化 黒薮哲哉

人種差別に抗する市民運動を進めると自認していると思われるグループ、「しばき隊」が2014年12月17日の深夜に大阪市の北新地で、大学院生リンチ事件を起こしてからまもなく8年になる。

リンチ直後のM君

この間、被害者のM君としばき隊の間で、あるいはM君を支援する鹿砦社としばき隊の間で、裁判の応酬が続いてきた。しかし、それも、鹿砦社が自社に潜り込んでいたしばき隊のシンパを訴えた控訴審判決(11月17日)を最後に表面上の係争は終わった。鹿砦社は上告せず6年半にわたる一連の法廷闘争はピリオドを打ったのである。

事件そのものは、『暴力・暴言型社会運動の終焉』(鹿砦社)など6冊の書籍に記録されているが、記憶の中の事件は忘却の途についている。同時に距離をおいて事件を多角的に検証する視点が筆者には浮上している。あの事件は何だったのか?

筆者はこの事件を通じて、マスコミとは何か、インテリ層とはなにか、司法制度とは何かという3つの点について検証している。記者クラブはM君と鹿砦社から記者会見の機会を完全に奪った。M君や鹿砦社が原告であった裁判で、大阪司法記者クラブ(大阪地裁の記者クラブ)は、幾度にもわたる記者会見開催要請を、すべて拒否したのだ。これに対してしばき隊関連訴訟の会見はほぼすべて開き、発言者の主張を新聞紙などマスコミに掲載するなど、活動を支援し続けた。その典型として、リンチ事件の現場にいた女性を繰り返しテレビや新聞に登場させた。

一部の文化人は事件を隠蔽するために奔走した。その中には、『ヘイトスピーチとは何か』(岩波新書)で、差別を取り締まるための法整備を提唱していた師岡康子弁護士もいた。

裁判所は、杜撰な審理でM君と鹿砦社に敵意ともとれる態度を示した。形式的には、被害者のM君を勝訴させざるを得なかったが、しばき隊の女性リーダーの責任は問わなかった。M君に対する賠償額も小額だった。

◆法曹界のタブー、「報告事件」

筆者は、この事件の一連の裁判は、最高裁事務総局が舞台裏で糸を引いた「報告事件」ではないかと疑っている。「報告事件」とは、最高裁事務総局が関与したペテン裁判のことである。

元大阪高裁判事の生田暉夫弁護士は、『最高裁に「安保法」違憲判決を出させる方法』(三五館刊)の中で、報告事件とは何かに言及している。

報告事件については、担当裁判官からではなく、担当書記官や書記官の上司から最高裁事務総局の民事局や行政局に直接、裁判の進展状況が逐一報告されます。

最高裁事務局が「報告事件」に関する情報を収集して、判決の方向性が国策や特定の企業の利害などに反する場合は、裁判官を交代させたり、下級裁判所へ判決の指標を示すことで、判決内容をコントロールするというのだ。実際、筆者も裁判が結審する直前に裁判官が交代した不自然な例を何件も知っている。また、最高裁事務総局に対する情報公開請求により、「報告事件」の存在そのものを確認した。これについては、次の記事を参照にしてほしい。

最高裁事務総局による「報告事件」の存在が判明、対象は国が被告か原告の裁判

差別を取り締まる法の整備を進めることで、徐々に言論統制への道を開きたい公権力機関にとって、極右集団もしばき隊も利用価値がある。彼らを取り締まるよりも、「泳がせる」方が言論を規制する法律を作る根拠に厚味が出るからだ。世論の支持を得やすい。

筆者が情報公開請求により最高裁事務総局から入手した「報告事件」を裏付ける文書。大半が黒塗りになっていた。「勝訴可能性等について」の欄は、下級裁判所が「報告事件」に指定された裁判において、最高裁事務総局が応援している側に勝訴の可能性があるかどうかを記入する。可能性が低い場合に、最高裁事務総局は担当裁判官の交代などを行い、判決の方向性を変えるようだ。このような制度が存在すること自体、日本における三権分立がすでに崩壊していることを意味する。

◆偏向した裁判所とマスコミ

M君は、40分もの間、殴る蹴るの暴行を受け、罵声を浴びた。顔は腫れ上がり、鼻骨を砕かれた。その時の音声記録も残っている。リンチ直後のM君の顔写真もある。全治3週間である。リンチが続いている間も、リーダーの李信恵は、ワインを味わい、ツイッターを発信した。

一連の裁判の当事者は、次のように分類できる。

(1)M君VS野間易通
(2)M君VSしばき隊
(3)鹿砦社VS李信恵
(4)鹿砦社VS藤井正美

最初にM君は、しばき隊のリーダー・野間易通に対して名誉を毀損されたとして損害賠償裁判を起こした。野間がツイッターで、「おいM。おまえリンチされたって言ってるんだけど、ほんとうなの?」とか、「日本人として腹を切れ」といったツィートを投稿した。裁判所は野間に対して、M君に10万円を支払うように命じた。

次にM君はリンチ事件の現場にいたしばき隊の5人に対して、治療費や慰謝料などの損害賠償を求めた。請求額は1106万円。5人の被告には、李信恵も含まれていた。大阪地裁は、3人の被告に総計で約80万円の支払いを命じた。大阪高裁は支払額を約115万円に引き上げた。しかし、地裁も高裁も李信恵に対する請求は棄却した。M君は勝訴したとはいえ判決内容に納得していなかった。

ちなみに当時、李信恵はウエブサイト「保守速報」に対して、名誉を毀損されたとして裁判を起こしていた。保守速報が、ネットに差別的な発言を掲載したことが訴因だった。この裁判で裁判所は、李信恵の主張を認め、保守速報に対して200万円の支払いを命じた。差別を規制する法整備を進める層が、李信恵の勝訴を高く評価したのは言うまでもない。メディアも李信恵を、反差別運動の騎士としてクローズアップした。

M君を原告とする裁判と李信恵を被告とする裁判を単純に比較することはできないが、筆者は両者のコントラストに衝動を受けた。司法もマスコミも李信恵の味方だった。

M君VSしばき隊の裁判。3人のメンバーに対して約80万円の支払い命令が下ったが、李信恵の事件関与は認定されなかった。その日の夜、神原元弁護士(右)らは祝杯をあげ、ツイッターで宴会の様子を写真で公表した。

◆李信恵に対して10万円の支払い命令

しばき隊の体質を告発し続ける鹿砦社に対して、李信恵はツイッターで鹿砦社攻撃を繰り返していた。たとえば次の投稿である。

「鹿砦社って、ほんまよくわかんないけど。社長は元中核派?革マル派?どっち?そんなのも知らないおいら。在日の普通の女に、ネットや普通の暮らしの中で嫌がらしかできない奴が、革命なんか起こせないよね。爆笑。おいらは普通の自分の暮らしを守りたいし、クソの代理戦争する気もないし。」

「鹿砦社の人は何が面白いのか、お金目当てなのか、ネタなのかわかんないけど。ほんまに嫌がらせやめて下さい。私に関することだけならいいけど、私の周りに対してのやり方が異常だし酷すぎる。私が死んだらいいのかな。死にたくないし死なないけど。」

これに対して鹿砦社は、李信恵を被告とする損害賠償裁判を起こした。裁判所は、李信恵に対して10万円の支払いを命じた。M君が野間易通を提訴した裁判で、裁判所が野間に命じた額と同じである。李信恵が保守速報から勝ち取った200万円に比べると極端に額が少ない。

鹿砦社から提訴された李信恵は、「反訴」のかたちで、鹿砦社が出版した『反差別と暴力の正体』など、M君リンチ事件を取材した4冊の書籍やデジタル鹿砦社通信に掲載した記事に対して名誉毀損裁判を起こした。この裁判で大阪地裁は、李信恵を勝訴させ、鹿砦社に対して165万円の損害賠償などを命じた。損害賠償額は控訴審で李信恵がリンチの現場に連座していたことを認定し、激しいリンチが行われていてもそれを止めず、被害者M君を放置して立ち去った「道義的批判を免れない」とし110万円に減額された(下記に記述)。

◆業務中のツィータ投稿が1万8535件

M君事件に関する一連の裁判の最終ラウンドとなったのは、鹿砦社が同社の元社員・藤井正美に対して起こした損害賠償裁判だった。藤井は、鹿砦社に在籍していた3年の間、業務中に社のパソコンを使って業務とは無関係なことをしていた。勤務中のツイッター投稿数だけでも、1万8535回に及んでいた。

その中には、鹿砦社の松岡社長を指して「棺桶に片足を突っ込んだ」人間と揶揄するツイートも含まれていた。「松岡」という名前は明記していなかったが、しばき隊の仲間内では周知だったと思われる。

藤井が退職した後、削除されていたパソコンのデータを復元したところ、鹿砦社が圧力団体であるかのような誤解を招きかねない「取材申し込みのメール」を近畿大学など複数の機関に送付していた事実が判明した。

鹿砦社は藤井に対して損害賠償を求めた。ツイッター投稿の足跡と物量、つまり勤務時間中に仕事をしていなかったすべての証拠が請求の根拠となった。仕事をなまけていた印象だけでは、請求の根拠はないが、業務放棄の物的な証拠が残っていたわけだから、社会通念からすれば、請求が認められる可能性があった。また、ツィートの内容が鹿砦社や松岡社長を中傷していた。

鹿砦社による提訴に対して、藤井正美は反訴した。鹿砦社のネット上発信及び出版した書籍で名誉を毀損されたという理由である。

大阪地裁は鹿砦社の請求をすべて棄却し、逆に藤井の「反訴」を認めて鹿砦社に11万円の支払いを命じた。鹿砦社は控訴したが棄却された。

◆李信恵の言動は、「道義的批判を免れない性質」

これら一連の裁判の中で、筆者が唯一注目したのは、李信恵が鹿砦社の書籍などに対して起こした名誉毀損裁判の控訴審判決(大阪地裁)だけである。李信恵の勝訴は覆らなかったが、大阪高裁は損害賠償額を減額した上に李信恵の言動を次のように認定した。

被控訴人(注:李氏)は、本件傷害事件と全く関係がなかったのに控訴人により一方的に虚偽の事実をねつ造されたわけではなく、むしろ、前記認定した事実からは、被控訴人は、本件傷害事件の当日、本件店舗において、最初にMに対し胸倉を掴む暴行を加えた上、その後、仲間であるAがMに暴行を加えている事実を認識していながら、これを制止することもなく飲酒を続け、最後は、負傷したMの側を通り過ぎながら、その状態を気遣うこともなく放置して立ち去ったことが認められる。本件において控訴人の被控訴人に対する名誉毀損の不法行為が成立するのは、被控訴人による暴行が胸倉を掴んだだけでMの顔面を殴打する態様のものではなかったこと、また、法的には暴行を共謀した事実までは認められないということによるものにすぎず、本件傷害事件当日における被控訴人の言動自体は、社会通念上、被控訴人が日頃から人権尊重を標榜していながら、AによるMに対する暴行については、これを容認していたという道義的批判を免れない性質のものである。(控訴審判決、10P、裁判所の判断)

本来であれば、この事実認定を起点として、M君リンチ事件に関する一連の裁判を審理すべきだったのだ。というのも事件の最初の火種を作ったのは、M君の胸倉をつかんだ李信恵だったからだ。仲間が一時的に李信恵をなだめたものの、彼女に代って、彼らがM君に危害を加えたのである。M君自身は李信恵に殴られたと話している。

M君が李信恵らリンチの現場に連座した5人を訴えた大阪地裁裁判では李信恵がM君の胸倉を掴んだことは裁判所も認定しつつも、M君を殴ったのか、殴ったとしたら「平手」か「手拳」かが争点になった。ここにおけるM君の混乱を衝かれ裁判所はM君の証言を「信用できない」とした。考えてもみよう、長時間の激しいリンチで意識が朦朧としている中で、記憶が飛んでしまったり曖昧になるのは致し方ないのではなかろうか。この判決が最高裁で確定したことが、李信恵(原告)vs鹿砦社(被告)訴訟では控訴審で、国際的な心理学者の矢谷暢一郎ニューヨーク州立大学名誉教授による学的な意見書や精神医学の権威・野田正彰の「鑑定書」をもってしても覆すことができなかった。しかし、それは枝葉末節で根源的な問題ではない。根源的な問題は、リーダーとしての李信恵の言動が仲間によるリンチの発火点になった点なのである。

その意味で少なくともM君がしばき隊を訴えた裁判の判決内容は、根本的に間違っている。120万円程度の損害では済まない。

◆M君を「反レイシズム運動の破壊者」呼ばわり

2014年12月17日にしばき隊がリンチ事件を起こした直後、師岡康子弁護士は反差別運動の活動家・金展克に次のメールを送付して、M君が李信恵らを刑事告訴しないようにM君を説得するように依頼した。

そのひと(注:M君)は、今は怒りで自分のやろうとしていることの客観的な意味が見えないかも知れませんが、これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者、運動の中心を担ってきた人たちを権力に売った人、法制化のチャンスをつぶした人という重い批判を背負いつづけることになります。

筆者は、人権よりも「市民運動」の政策目的を優先するこの弁護士に、薄っぺらなヒューマニズムを感じる。冷血といおうか。M君リンチ事件に端を発した一連の裁判は、筆者にとっては、劣化した日本を考える機会であった。幸いに事件の記録は、鹿砦社が刊行した6冊の書籍に詳細に記録されている。

ジャーナリズムの役割とは、こういうものではないだろうか。

※登場人物の敬称は略しました。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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《関連過去記事カテゴリー》
しばき隊リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

しばき隊事件に見る、ツイッターの社会病理 「リンチは無かった」とする暴論 黒薮哲哉

詭弁で事実を捻じ曲げる風潮が広がっている。筆者が取材してきた「押し紙」問題では、人権派弁護士が「押し紙」は一部も存在しないと公言し続けているし、「しばき隊」のメンバーが起こした暴力事件でも、やはり人権派弁護士が「リンチは無かった」と公言して憚らない。

客観的な事実と個人の願望を混同しているのだ。それをSNSで公の場に持ち込むと社会に混乱が生じる。

吉田拓郎の歌「知識」に次のようなフレーズがある。

人を語れば世を語る
語りつくしているがいいさ
理屈ばかりをブラ下げて
首が飛んでも血も出まい

「理屈ばかりをブラ下げて首が飛んでも血も出まい」とは、頭でっかちになって人間性を喪失しているという意味である。詭弁を弄して世を渡るインテリに対する批判である。

詭弁がエスカレートすると虚像に変質する。それがソ―シャルメディアなどを通じて不特定多数の人々に広がる。その結果、世論論誘導が進む。

本稿は、11月12日付けのデジタル鹿砦社に掲載した記事、《「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマ」とツイートした高千穂大学の五野井郁夫教授、事実の認識方法に重大な欠陥》の続編である。続編では、ツイッターの社会病理に焦点を当ててみよう。

「保守速報」の提訴に際して、日本外国特派員協会で記者会見する李信恵(左)と上瀧浩子弁護士(右)。この会見の約3カ月後に、しばき隊が暴力事件を起こした。

◆上瀧浩子弁護士の2件のツィート

既報したように発端は、高千穂大学の五野井郁夫教授の次のツィートである。

こちらの件ですが、担当した弁護士の神原元先生@kambara7の以下ツイートの通り、「しばき隊がリンチ事件を起こした」等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明されており、判決でもカウンター側が勝利しています。デマの拡散とわたしへの誹謗中傷に対する謝罪と削除を求めます。

2014年12月17日に大阪市の北新地で「しばき隊がリンチ事件を起こした」というのは根拠のないデマだという記述である。筆者は、この事件をを取材した関係で、リンチ(私刑)はあったと考えている。たとえ計画性や共謀性がなくても、感情を高ぶらせた人間が弱者を取り囲み暴力に至れば、普通の感覚からすれば集団で私刑に及んだと考えるのが常識だ。

そこで筆者は、次の質問状を五野井教授に送付した。

1,「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明」されたと摘示されていますが、裁判では主犯のリーダに対する損害賠償命令(約114万円、大阪高裁)が下っており、「根拠のないデマ」という認識は誤りかと思います。先生は、何を根拠に「根拠のないデマ」と判断されたのでしょうか。

2,次に先生が記事や論文等を執筆される際の裏付け取材についてお尋ねします。引用したツィートを見る限り、原点の裁判資料を重視せずに、神原元弁護士の言動を事実として鵜呑みにされているような印象を受けます。具体的に先生は、どのようにして事実を確認されているのでしょうか。また、大学の学生に対しては、この点に関してどのような指導をされているのでしょうか。

これに対して五野井教授から次の回答があった。

担当者様
上瀧浩子弁護士を通じて鹿砦社にお送りした通りです。
以上。

上瀧浩子弁護士というのは、熱心にカウンター運動を支援している京都の弁護士である。
 
筆者は鹿砦社に、その上瀧弁護士からの回答が届いているかどうかを問い合わせた。鹿砦社からは、届いていないと回答があった。しかし、この問題に関する鹿砦社のツィートに対して、上瀧弁護士が次の2件のツィートを投稿したと伝えてきた。

 

◆ツイッター上の舌足らずな回答

五野井教授がいう上瀧弁護士から鹿砦社へ送った回答とは、おそらく引用した2件のツィートのことである。ただ、筆者の質問は、何を根拠に五野井教授が暴力事件を「根拠のないデマ」と判断したのかという点と、大学生に対してどのような事実の確認方法を指導しているのかという点である。

従って上瀧弁護士のツィートが回答だとすれば、第2の質問に対する回答がない。そこで念のために上瀧弁護士に対して、五野井教授の代理で、筆者への回答書を鹿砦社へ送付したかを書面で尋ねてみた。上瀧弁護士から回答はなかった。無回答の場合は、送付していないと見なすと記していたが、回答は無かった。

この時点で筆者は五野井教授が意味する回答とは、上瀧弁護士の2件のツィートだと判断した。同時にツイッターというメディアの軽薄さを感じた。記述が舌足らずにならざるを得ないようだ。まさに呟いているレベルなのだ。

◆上瀧・五野井の両氏は通常のメディアで説明を

筆者は、重大な問題をツイッターで議論することには賛成できない。1ツイートが140文字だから、思考を論理的に構成することは不可能に近い。たとえ連続投稿しても、全体像が把握しにくい。結局、裏付けがあいまいな我田引水の記事が投稿されることになりかねない。

上瀧弁護士は、「M君の行動に怒った個人が暴力振るっただけなんですけど?」とツィートしているが、この記述だけを切り離して読むと、李信恵には何の責任もないような印象を受ける。単なる「こぜりあい」に感じる。

しかし、裁判所はそのような判断をしていない。たとえば李信恵が鹿砦社の書籍に対して名誉毀損で訴えた裁判では、大阪高裁が次のような認定をしている。「共謀」についても言及している。

被控訴人(李信恵)は、本件傷害事件の当日、本件店舗において、最初にMに対し胸倉を掴む暴行を加えた上、その後、仲間であるAがMに暴行を加えている事実を認識していながら、これを制止することもなく飲酒を続け、最後は、負傷したMの側を通り過ぎながら、その状態を気遣うこともなく放置して立ち去ったことが認められる。

本件において控訴人(鹿砦社)の被控訴人(李信恵)に対する名誉毀損の不法行為が成立するのは、被控訴人による暴行が胸倉を掴んだだけでMの顔面を殴打する態様のものではなかったこと、また、法的には暴行を共謀した事実までは認められないということによるものにすぎず、本件傷害事件当日における被控訴人の言動自体は、社会通念上、被控訴人が日頃から人権尊重を標榜していながら、AによるMに対する暴行については、これを容認していたという道義的批判を免れない性質のものである。(控訴審判決、10P、裁判所の判断)

上瀧弁護士の2件のツィートは、重要な部分を記述していない。たとえば、こうした司法認定について、弁護士としてどう考えるのかといった点である。

上瀧弁護士のツイッターのフォローファーは8000人を超えており、一定の影響力を持っている。彼らの大半は、裁判書面を読んでいない。情報は、そのまま鵜呑みにされる公算が高い。五野井教授のフォローファーに至っては、2万2000人を超えている。

上瀧・五野井の両氏は通常のメディアで、何を根拠に2014年12月17日の暴力事件がリンチではないと断言しているのか説明すべきだろう。それが言論人の責任ではないだろうか。

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▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年12月号

「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマ」とツイートした高千穂大学の五野井郁夫教授、事実の認識方法に重大な欠陥 黒薮哲哉

研究者の劣化が顕著になっている。大学の教え子にハラスメントを繰り返したり、暴力を振るったり、ジャーナリストの書籍を盗用したり、最高学府の研究者とは思えない蛮行が広がっている。事件にまでは至らなくても、知識人の相対的劣化は、ソーシャルメディアなど日常生活の中にも色濃く影を落としている。

11月8日に「Ikuo Gonoï」のアカウント名を持つ人物が、ツイッターに次の投稿を掲載した。

こちらの件ですが、担当した弁護士の神原元先生@kambara7の以下ツイートの通り、「しばき隊がリンチ事件を起こした」等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明されており、判決でもカウンター側が勝利しています。デマの拡散とわたしへの誹謗中傷に対する謝罪と削除を求めます。

「しばき隊」が起こした暴力事件を「根拠のないデマ」だと摘示する投稿である。

「Ikuo Gonoï」のアカウント名を持つ人物が11月8日に投稿したツイート
 
「しばき隊」のメンバーから殴る蹴るの暴行を受け、全治3週間の重傷を負った大学院生(当時)のM君

◆2014年12月17日の事件

「しばき隊」というのは、カウンター運動(民族差別反対運動)を進めていた組織で、2014年12月17日の深夜、大阪府北区堂島の北新地で複数のメンバーが飲食した際に、大学院生をめった打ちにして、瀕死の重傷を負わせた事実がある。

この日、カウンター運動の騎士として著名な李信恵を原告とする反差別裁判(被告は、「保守速報」)の口頭弁論が大阪地裁であった。

閉廷後、李らは飲食を重ね、深夜になって事件の舞台となる北新地のバーに入った。そして「しばき隊」の仲間であるM君を電話で呼び出したのである。M君の言動が組織内の火種になっていたらしい。

M君がバーに到着すると、李はいきなりM君の胸倉を掴んだ。興奮した李を仲間が制したが、その後、「エル金」と呼ばれるメンバーが、M君をバーの外に連れ出し、殴る蹴るの暴行を繰り返し、全治3週間の重傷を負わせたのである。

M君は事件から3カ月後の2015年2月に、警察に被害届を出した。2016年3月、大阪地検は李信恵を不起訴としたが、エル金に40万円、それに他の一人に10万円の罰金を言い渡した。

「エル金」は、M君に対して次のような書き出しの謝罪文を送付している。

この度の傷害事件に関わり、ここに謝罪と賠償の気持ちを表すべく一筆文章にて失礼致します。私による暴行によってMさんが負うことになった精神的及び肉体的苦痛、そして甚大な被害に対して、まずもって深く真摯に謝罪し、その経過について自らがどのような総括をしているのかをお伝えしたいと思います。(略)

暴力行為の真最中、その時点で立ち止まり、過ちを改める行動に移すべきだったし、酔いがさめ興奮が沈着した時点で、もっと迅速な事態収拾を図っておれば深刻化を軽減できたかもしれません。

また李信恵も、次のような謝罪文を送っている。

●●さんがMさんに一方的に暴力をふるっていたことも知らずに店の中にいて、一言も●●さんに注意ができなかったことも申し訳なく思っています。

その後、2017年、M君はエル金や李信恵ら5人に対して約1100万円の支払いを求める損害賠償裁判(民事)を起こした。この裁判でも、李の責任は免責されたが、大阪地裁は「エル金」と伊藤大介に対して約80万円の損害賠償を命じる判決を下した。大阪高裁で行われた控訴審では、エル金に対して約114万円の支払いを命じる判決を下した一方、伊藤に対する請求は棄却された。

つまりこの裁判で勝訴したのはM君だった。李信恵の責任が免責されたことや、怪我の程度に照らして損害賠償額が少額だったことに、M君は納得しなかったものの、裁判所は暴力事件が実在したこと実態は認定したのである。この点が非常に重要だ。五野井教授の「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマであった」とするツイートは、著しく事実からかけ離れているのである。その誤情報をツイッターで拡散したのである。

ちなみにこの事件では、著名な人々が申し合わせたように「リンチ事件」を隠蔽する工作へ走った。『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)の著者・師岡康子弁護士は、その中心的な人物である。マスコミも一斉に隠蔽の方向へ走った。唯一の例外は、『週刊実話』と鹿砦社だけだった。

◆ツイッターという社会病理

冒頭のIkuo Gonoïによるツィートに話を戻そう。繰り返しになるがIkuo Gonoïは、「担当した弁護士の神原元先生@kambara7の以下ツイートの通り、『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明されており、判決でもカウンター側が勝利しています」と投稿している。

 
高千穂大学(経営学部)の五野井郁夫教授

わたしは投稿者の人間性に好奇心を刺激され、Ikuo Gonoiという人物の経歴を調べてみた。その結果、高千穂大学の著名な国際政治学者・五野井郁夫教授であることが分かった。五野井教授は、上智大学法学部国際関係法学科を経て、2007年3月に東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻で学位を取得した。日本を代表する知識人である。民主主義に関する研究の専門家である。

朝日新聞の『論座』にも繰り返し投稿している。また、『「デモ」とは何か ―変貌する直接民主主義―』(NHK)などの著書もある。

五野井教授が教鞭をとる高千穂大学は、1903年に母体が設立された歴史ある大学である。そこを本拠地として、五野井教授は高等教育の仕事に携わっているのである。

しかし、五野井教授のツイッターを見る限り、社会科学を職業とする者にしては、事実の裏付けを取る能力に疑問を感じる。「事件を担当した弁護士の神原元先生」の言葉を鵜のみすることが、客観的な事実を確認するプロセスとしては充分ではないはずだ。五野井教授は、記事を執筆する際にどのように事実を捉えてきたのか、これまでの著述の裏付けも疑わしくなる。少なくとも、しばき隊による事件が「根拠のないデマ」だとする認識は、社会科学の研究者のレベルではないだろう。想像の世界と客観的な事実の世界の区別が出来ていないからだ。

さらには五野井教授は、高千穂大学の学生に対して、どのようなリサーチ方法を指導しているのかという疑問も浮上する。

2014年12月17日の深夜にしばき隊が起こした暴力事件の裏付けは、裁判の判決や加害者による書簡、さらには事件の音声記録など広範囲に存在している。それを無視して、被害者のM君を傷つける暴言を吐くのは、「南京事件はなかった」とか、「ナチのガス室はなかった」と叫んでいる極右の連中と同じレベルなのである。ましてこうした言動の主が最高学府の研究者となれば、ソーシャルメディアの社会病理が別の問題として輪郭を現わしてくるのである。
 
◆五野井教授に対する質問状
 
わたしは五野井教授に、次の質問状を送付した。五野井教授からの回答と併せてて掲載しておこう。

■質問状

五野井先生が、11月8日付けで投稿された次のツィートについて、お尋ねします。

「こちらの件ですが、担当した弁護士の神原元先生@kambara7の以下ツイートの通り、「しばき隊がリンチ事件を起こした」等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明されており、判決でもカウンター側が勝利しています。デマの拡散とわたしへの誹謗中傷に対する謝罪と削除を求めます。」

まず、「『しばき隊がリンチ事件を起こした』等は、根拠のないデマであったことがすでに裁判で証明」されたと摘示されていますが、裁判では主犯のリーダに対する損害賠償命令(約114万円、大阪高裁)が下っており、「根拠のないデマ」という認識は誤りかと思います。先生は、何を根拠に「根拠のないデマ」と判断されたのでしょうか。

次に先生が記事や論文等を執筆される際の裏付け取材についてお尋ねします。引用したツィートを見る限り、原点の裁判資料を重視せずに、神原元弁護士の言動を事実として鵜呑みにされているような印象を受けます。具体的に先生は、どのようにして事実を確認されているのでしょうか。また、大学の学生に対しては、この点に関してどのような指導をされているのでしょうか。

11月14日の2時までにご回答いただければ幸いです。

記事の掲載媒体は、デジタル鹿砦社通信などです。

■回答

 担当者様
 上瀧浩子弁護士を通じて鹿砦社にお送りした通りです。
 以上。

上瀧浩子弁護士による書面の存在を確認したうえで、続編は来週以降に掲載する。わたしが質問状を送付したのが10日で、五野井教授の回答が届いたのは11日なので、上瀧弁護士は迅速に回答を鹿砦社送付したことになる。このあたりの事実関係の確認も含めて、質問と回答がかみ合っているかを検証した上で、五野井教授の見解を紹介する。

※人物の敬称は略しました。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

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本日22日(木)午前11時より大阪高裁第3民事部別館84号法廷にて、対藤井正美(しばき隊中心メンバーにして元鹿砦社社員)控訴審弁論期日! 関西近郊にお住いの皆様の傍聴を望みます! 鹿砦社(控訴人/一審原告)代表 松岡利康

藤井正美はしばき隊/カウンターの中心メンバーとして鹿砦社に入り込み、在籍3年間で勤務時間の大半を私や従業員にわからないように業務とは無関係のツイッターやメールに勤しんでいたことが発覚しました(ツイッターは退社前、メールは退社後)。退社後詳細に分析し、その悪質性から、当然ながら給与返還を求め提訴したわけですが、一審の大阪地裁は私たちの請求にゼロ回答、逆に藤井が反訴した部分で鹿砦社に賠償金11万円を課しました。おかしいと思いませんか? 〈常識〉があれば誰しもおかしいと思うでしょう。

直近に藤井代理人・神原元弁護士に懲戒問題が起こったりしていますが、ちょっと前に起きた本件と類似の問題として兵庫県加古川市の職員が8年間に、やはり勤務時間中にSNSを閲覧したとして給与返還させられています。これについては準備書面にも盛り込みましたが、下記のように少し申し述べておきます。――

顔出しで街頭演説する藤井正美

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

本件と類似した事件として、前回準備書面提出締切直前に、「勤務中に私的なネット閲覧1654時間、市職員が給与475万円を返還」と2022年7月28日付け読売新聞オンラインが報じ、この記事の写しを裁判所に提出しました。

その後、兵庫県加古川市役所にも確認し事実と判明しました。加古川市役所の職員は「8年間、早朝や通常勤務中に846回(計1654時間)、公用パソコンで業務と無関係のインターネットを閲覧」(読売オンライン記事より)しました。

一方、鹿砦社に在職した3年間に藤井はツイッター1万8535回、1235時間(1tw当たり4分換算)、メールは数えきれないほど膨大で費やした時間も計り知れません。更にはツイッターのダイレクトメールも、これは発掘できませんでしたが、かなりの量だと推察されます。加古川市役所の職員は政治的目的はなかったと推察しますが、藤井は政治的目的を持って大学・団体・企業に恫喝さえ行っています。こうした藤井の所業を説明し、更に一審判決で鹿砦社の主張が全く認められず、逆に賠償金を課せられたと申し述べたところ非常に驚いていました。

この加古川市当局の判断こそ〈社会通念〉にも〈一般常識〉にも適うものです。一審裁判所(大阪地裁)は、なぜこうした判断ができなかったのか、大いに疑問です。司法には〈常識〉もなければ「良識の府」としての矜持もないのか、と疑念を禁じ得ず本件控訴に至った次第す。鹿砦社の主張はシンプルであり、司法に〈社会通念〉や〈常識〉に従った判断を求めるということにすぎません。

ここでは賛否はともかく、施行から10年余り経つ「裁判員裁判制度」が導入されたのは、端的に言えば、司法に市民感覚を採り入れるという主旨だったと思料します。仮に本件訴訟を、一般から選ばれた裁判員が審理すれば、おそらく控訴人の主張が100%近く認められると確信します。

本控訴審にあって大阪高裁には加古川市役所と同様〈社会通念〉や〈常識〉に従った判断を下すよう強く求めるものです。われわれは決して無理や無茶を言っているのではありません。再三繰り返しますが、控訴人・鹿砦社は〈社会通念〉や〈常識〉に従った判断を大阪高裁に求めます。大阪高裁は、われわれ、つまり鹿砦社だけではなく、日本の中小企業主の主張に虚心に耳を傾けていただきたいと思います。今後SNSが更に拡がることは想像に難くありませんが、本件一審判決が確定すれば、世の中小企業は立ち行かなくなります。よって、〈社会通念〉や〈常識〉を著しく欠いた一審判決の破棄を強く求めるものです。

勤務時間中に藤井が発信したツイートのほんの一部

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

*参考までに読売新聞オンライン2022年7月28日の記事を引用しておきます。

 勤務中に私的なネット閲覧1654時間、市職員が給与475万円を返還

 兵庫県加古川市は27日、勤務中に私的にインターネットを閲覧してその間の給与や手当を不当に受け取ったとして上下水道局の男性主査(48)を停職6か月、公金10万円を紛失した課の責任者だった都市計画部の男性主幹(55)を戒告にするなど計4人を懲戒処分、7人を口頭厳重注意にした。

 市の発表では、男性主査は、農林水産課や市街地整備課員だった2014年4月~今年3月の8年間、早朝や通常勤務中に846回(計1654時間)、公用パソコンで業務と無関係のインターネットを閲覧。主査は6月、給与475万5957円と利息分の全額を市に返還した。

 さらに当時の上司だった都市計画部主幹(56)を減給10分の1(3か月)、環境部主幹(57)を同(1か月)、当時の都市計画部長2人を口頭厳重注意とした。

 また、男性主幹が課長を務めていた債権管理課では今年3月9日、窓口で8人から納付された139万1817円のうち10万円を紛失。窓口の職員が高額の現金を機器で数えずに受け取り、未施錠の金庫やロッカーに保管するなど管理が不適切だった。主幹は6月、利息分を含めて弁済。当時の税務部長ら3人と、窓口職員2人は口頭厳重注意とした。

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【緊急NEWS!!】「しばき隊」顧問(代理人)弁護士・神原元弁護士、懲戒濃厚に! 神奈川県弁護士会綱紀委員会、懲戒委員会の審査相当を認める! 鹿砦社代表 松岡利康

【お断り】先に公開しました、神原元弁護士懲戒事案に対する記事について、神奈川県弁護士会綱紀委員会の9月13日付け「議決書」を閲読し、誤認と、これに基づく、誤解を生じさせる表現がありましたので、加筆・修正させていただきました。

◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

その三百代言能力で、リンチ被害者の大学院生(当時)M君や、彼を支援する私たちを苦しめてきた、「しばき隊」顧問(代理人)弁護士・神原元弁護士に対し遂に神奈川県弁護士会綱紀委員会は、神原弁護士の暴言を「品位を失うべき非行」に該当するとし懲戒問題の次の段階である「懲戒委員会の審査を求め」、「審査を開始」いたしました。神原弁護士に対しては、これまで何度となく懲戒請求は出されてきましたが、その都度棄却されてきた中で画期的な判断です。

「議決」の「主文」は、
「対象弁護士につき、懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認める。」
です(詳細は「議決書」をお読みください)。

早速、当の「女性スペースを守る会」はツイッターを発信し、「議決書」や「懲戒請求書」などを、そのnoteにアップしています。意見の対立する相手を簡単に「●●」(「殺す」という意味)と言い放ち、「ヘイト団体」「ファシスト団体」と公言する、自称「人権派」弁護士の真の姿が今後明らかになるでしょう。再三再四の懲戒請求に、さすがに今回は弁護士会も業を煮やしたものと推察いたします。

「女性スペースを守る会」のツイッターの一部

弁護士の懲戒については、当該弁護士が所属している弁護士会が懲戒に値するか、否かを審査するという制度的な問題が、近年著しく顕在化してきました。また、懲戒請求を行った人物を、懲戒請求された弁護士が提訴し、損害賠償金を支払えとする判決(和解)も出されており、考えさせられることの多い問題です。

かつて橋下徹弁護士が、光市殺人事件被告人の弁護団に懲戒を呼びかける旨の発言をテレビで行い、弁護団は大変な数の懲戒請求に苦しめられたことがありました。当の橋下弁護士は「自分は懲戒に時間をかける価値がないと思ったからしなかった」と鉄面皮で語っていました。

このように弁護士の世界には、私たちの常識とは異なる規範があるのでしょうか。

いずれにせよ「正義は暴走してよい」と語ってなんの痛痒も感じなかった神原元弁護士は、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(山口真一・著、光文社新書)という本がありますが、このタイトル通りの人物です。

よもやの弁護士会の議決に動転する神原弁護士

来週22日(木)午前11時から、大阪高裁(第3民事部、別館8階84号法廷)で、しばき隊の中心的活動家として鹿砦社社内でやりたい放題やってきた藤井正美に対する訴訟の控訴審に、彼女の代理人でもある神原弁護士が出廷します。関西近辺の方はぜひ傍聴お願いいたします。

【追記】

仄聞するところによりますと、神原弁護士は「綱紀委員会で審査相当になったからと言って、懲戒が決まったわけではないですよ! 処分ナシも充分にありえます!」とみずからおっしゃっています。果たしてそうでしょうか? さっそく日弁連に確かめました。

2020年1月から12月まで、全国の弁護士会綱紀委員会で(懲戒委員会の)「審査相当」と判断されたのは66件、その後の「懲戒委員会」で「懲戒は相当ではない」と判断されたのは、「1件」だそうです(綱紀委員会で「審査相当」と判断された事案を「懲戒委員会」が「戒告」、「業務停止」、「退会命令」、「除名」と処分を決めるのが手続きです)。66分の1、1.5%だけが処分から免れている、これが現実です。

この数字を見る限り、綱紀委員会で「審査相当」と判断されたのであれば、何らかの懲戒処分が下ることが濃厚と考えるのが、妥当な判断であろうと思えます。すなわち、神原弁護士の懲戒処分決定は濃厚であるということです。

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 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

大学院生M君リンチ事件に、人間として真摯な反省のない李信恵を弾劾する!──李信恵のツイートに思う 鹿砦社代表 松岡利康

8月26日、「反差別」の旗手と持て囃される李信恵が久しぶりに鹿砦社や関係者らについてツイートしています。本欄でもお馴染みの「はなママ」こと尾崎美代子さんも批判の俎上に上げられています。自分らに批判的な意見は全て「デマ」という語彙しか言えず、なにを今更……という感がしないでもありませんので、黙って見過ごすのも大人の対応でしょうが、齢70を過ぎても瞬間湯沸かし器は相変わらずで、かのリンチ事件に対して真摯な反省もなく自分への批判者への非難に終始する李信恵に怒りを覚えました。被害者の大学院生(当時)M君は、今に至るまでリンチの恐怖、PTSDに苦しんでいることを、李信恵よ、判っているのか!? あなたに「反差別」や「人権」という崇高な言葉を語ってほしくはない!! それと真逆の人間性を持った人種だから。

李信恵は突如鹿砦社らに非難ツイートを始めた
李信恵ら5人によってリンチされた直後のM君

私(たち)が大学院生M君リンチ事件(いわゆる「しばき隊リンチ事件」)の支援に関わったのは、マスメディアから「反差別」の旗手と持て囃される李信恵が、2014年師走、大阪最大の歓楽街・北新地で、彼女の取り巻き4名と共に「日本酒に換算して一升近く飲んだ」とみずから言うほど泥酔し、酒の勢いで、大学院生M君に対し激しいリンチを加え、この被害の酷さ、そして、これが1年以上も隠蔽されてきたことに驚き、この青年を何とか支援すべきだと素朴に感じたことから始まりました。

事実関係を知るにつれ、激しいリンチを加えられながら、1年以上も放置され、挙句李信恵ら加害者らが開き直ったという怒りも、私(たち)が動き出す動因の一つとなりました。この判断は、人間として絶対間違っていなかったと今でも思います。

この事件に対しては、多くの人たちが、何を怖れたのか、沈黙したり言葉を濁したり隠蔽したりしました。あなた方は、それでも人間か!? と言いたいと思います。血の通った人間なら、リンチ直後の写真を見たり、リンチの最中の音声データを聴いたりするだけで、怒りを覚えないのでしょうか!? 

このリンチ事件にどう対応するかで、いくら著名な学者やジャーナリストでも、その真価が問われると思っています。ふだん「暴力反対」とか口にしても、その暴力が集団リンチという形で現実に起き、これを知ったら、どう対応するのか? 口で「暴力反対」と言うのなら、それ相応に対応しろ! 

「日本酒に換算して1升近く飲んだ」ことをみずから認めた李信恵。「1升飲んだ」ことは、普通の感覚では泥酔の類に入る

私たちは、地を這うような調査・取材を行い継続し、これまで6冊の出版物にまとめ世に問いました。これらの本に記述したことが「デマ」だとは言わせません。マスメディアは全く無視したことで、残念ながら広く波及したとはいえませんが、少なからずの方々に事件を知り理解していただくことができました。李信恵の人間性の鍍金(メッキ)は少しは剥げたかなと思っています。

いちおう私のコメントは簡単にして、李信恵が鹿砦社を訴えた訴訟の控訴審で、李信恵が大学院生M君リンチ事件に連座していることを断じた大阪高裁の確定判決文(2021年7月27日判決言渡 大阪高裁第2民事部 令和3年(ネ)第380号)を挙げておきましょう。賠償金110万円の支払いは課されましたが、一審判決一部変更(減額)され以下の判決を得たことは収穫で、いわば<敗北における勝利>と私なりに総括しています。──

前田朗東京造形大教授によるリンチ事件に対するコメント。3回続いた。回を重ねるうちに私たちとは意見の違いも出てきたが、前田教授の指摘は「デマ」ではなく耳を傾けるべきだ。前田教授は、李信恵の反ヘイト裁判に意見書を書き、その弁護団や支持者とも親交があったが、リンチ事件については聞いていなかったようで、その怒りがこの論文を書かせたと思われる。ここでは(一)(二)のみを掲載した
同上

◇    ◇     ◇     ◇     ◇

リンチについて尋ねた人には激しく恫喝

「被控訴人(注:李信恵)は、M(注:リンチ被害者。判決文では本名)が本件店舗に到着した際、最初にその胸倉を掴み、金とMが本件店舗の外に出た後、聞こえてきた物音から喧嘩になっている可能性を認識しながら、飲酒を続け、本件店舗に戻ってきたMが金からの暴行を受けて相当程度負傷していることを認識した後も、『殺されるなら入ったらいいんちゃう。』と述べただけで、警察への通報や医者への連絡等をしないまま、最後は負傷しているMを放置して立ち去ったことが認められる。この間、(李)普鉉(注:直接の加害者の一人)や伊藤(注:大介。リンチの現場に居合わせた者。のちに暴力事件を2度起こし逮捕、一審で有罪判決を受けている)は金(注:良平。最も暴行を働いた者)に対し暴力を振るわないよう求める発言をしているが、被控訴人が暴力を否定するような発言をしたことは一度もなく、被控訴人は、遅くともMが一度本件店舗内に戻った時点では、Mが金から暴行を受けた事実を認識していながら、殺されなければよいという態度を示しただけで、本件店舗外に出て金の暴行を制止し、又は他人に依頼して制止させようとすることもなく、本件店舗内で飲酒を続けていた。このような被控訴人の言動は、当時、被控訴人が金による暴行を容認していたことを推認させるものであるということができる(被控訴人の司法警察員に対する平成27年9月18日付け供述調書中には、男同士の喧嘩であり女の自分は止めに入ることができず、ただ店内にいることしかできなかった旨の供述部分があるが、被控訴人は、本件店舗内に戻ったMの様子から、Mが一方的に殴られていたことが明らかになった後も、伊藤など本件店舗内の他の男性に対し本件店舗外の様子をみたり、暴力を制止させたりするよう依頼することはしていない。)。」(同判決文7ページ~8ページ)

傍聴人が描いてくれたイラストにもイチャモン。特徴を掴んでよく描かれていると思うけど

「被控訴人の本件傷害事件当日における言動は、暴行を受けているMをまのあたりにしながら、これを容認していたと評価されてもやむを得ないものであったから、法的な責任の有無にかかわらず、道義的見地から謝罪や補償を申し出ることがあっても不自然ではない。」(同11ページ~12ページ)

「被控訴人は、本件傷害事件と全く関係がなかったのに控訴人(注:鹿砦社)により一方的に虚偽の事実をねつ造されたわけではなく、むしろ、前記認定した事実からは、被控訴人は、本件傷害事件の当日、本件店舗において、最初にMに対して胸倉を掴む暴行を加えた上、その後、仲間である金がMに暴行を加えている事実を認識していながら、これを制止することもなく飲酒を続け、最後は、負傷したMの側を通り過ぎながら、その状態を気遣うこともなく放置して立ち去ったことが認められる。本件において控訴人の被控訴人に対する名誉毀損の不法行為が成立するのは、被控訴人による暴行が胸倉を掴んだだけでMの顔面を殴打する態様のものではなかったこと、また法的には暴行を共謀した事実までは認められないということによるものにすぎず、本件傷害事件当日における被控訴人の言動自体は、社会通念上、被控訴人が日頃から人権尊重を標榜していながら、金によるMに対する暴行については、これを容認していたという道義的批判を免れない性質のものである。」(同11ページ~12ページ)【注】被害者名は判決では本名ですが、ここでは「M」と表記。

◇    ◇     ◇     ◇     ◇

李信恵ら加害者らは、師走の寒空の下に激しいリンチで半殺しの状態のM君を一人放置し立ち去り(李信恵に人権の一欠片もない証拠だ!)、M君は必死でタクシーを拾い幸い自宅まで帰り着くことができました。異変に気づいたタクシーの運転手は料金を受け取らなかったそうです。(文中敬称略)

6冊のリンチ事件関連本。リンチ事件真相究明と共に現代の「反差別」運動の虚妄と問題点を解明
同上

【緊急報告!!】有田芳生参議院選落選としばき隊の凋落 鹿砦社代表 松岡利康

有田芳生が先の参議院選挙で落選した。いろんな意味で感慨深い。

今回が3期目、当初は楽勝ともいわれていたが、蓋を開けてみると惨敗! 1期目の約15%以下、前回2期目の4分の1以下しか獲得できなかった。その要因はどこにあるのか? 有田も真摯に反省し総括すべきだろう。

まずは1期目からの得票数を挙げてみよう。──

有田の出馬政党と比例順位と得票数
1期目 2010年 民主党で比例首位   373,834票 当選
2期目 2016年 民進党で比例4位   205,884票 当選
3期目 2022年 立憲民主党で比例10位 46,715票 落選

なんという激減ぶり!

◆有田芳生との因縁

実は私と有田は同期に当たる(私は1951年生まれ、有田は1952年の早生まれ)。1970年、二人とも京都の大学に入学した。有田が入学したのは、当時日本共産党(と、学生青年組織「民青」〔みんせい。民主青年同盟の略称〕)の屈強な拠点・立命館大学だった。京都生まれで京都育ちの彼は高校時代から、民青の熱心な活動家だったという。京都は元々共産党の強い土地柄で、当時は「社共統一戦線」(これは70年代の半ばには破綻するが、「夢をもう一度」で昨今出てきたのが「野党共闘」だ)で京都府知事を擁していた。民青も、「ゲバ民」とか「暁行動隊」とか呼ばれるほど強かった。当時立命の本部キャンパスは京都御所の東側に位置し、御所の北側に位置する同志社のキャンパスに部隊を組んでいつもいつも(週に二、三度、部隊で、また早朝ゲリラ的に)ゲバを掛けに登場した。

一方の私は、九州熊本から同志社大学に入学した。第一志望は早稲田の第一文学部、第二志望が同教育学部で、同志社、立命は地方試験があったので滑り止めで受験し、立命に落ち、ただ一つ合格した同志社に入学した。当時は立命のほうが学費が安かったので、もし立命にも合格していたら、母子家庭だったこともあり立命に入ったかもしれない。立命の入試(地方試験)は私の高校(付属高校)の親大学で行われ、試験監督も高校の先生方、入試当日まで知らなかった。これですっかり緊張感を失くし日本史の試験では居眠りをしていたほどだった。もし早稲田に合格していたら、革マルに入り川口君虐殺に連座していたかもしれない。私の高校の親大学は当時革マルの拠点で、隣に在った女子大と共に全学連中央委員を出すほどで、そのOBで九州革マルのトップだった人間が中核派に襲われ半身不随になり最近亡くなっている。日々革マルと接していたことで、革マルにさほど違和感はなかった。

一般にまだ判断力がない18歳の田舎出の少年は、入学したその大学の主流派の組織に入るのが常であったようだ。同志社は、60年安保闘争以来「関西ブント」と称する党派の強力な拠点校だったが、70年になると、前年赤軍派が出来、ブントは分裂し、ブント系のノンセクト組織(全学闘。全学闘争委員会の略称)が残っていた。時は70年安保─沖縄・三里塚闘争の高揚期、私は一時べ平連、しばらくして全学闘に所属し活動した。

当時から立命は経営が大変で、一回生の夏、帰省から戻ると、一部のキャンパス(府立医大の隣)を、某宗教団体に売却し宗教団体の看板が出ていた。その後、広小路キャンパスも予備校に売却し、今は御所の横にはない。

同志社、立命の学生は、河原町今出川の飲み屋や深夜喫茶などに屯(たむろ)することが多く、やおら議論をふっかけたりしていた。

有田は民青の熱心な活動家だったことをみずから公言し、何年も留年し卒業は1977年ということだ。当時(今はどうかな?)、党派の活動家は、新旧左翼問わず組織の指示で何年も留年し活動している。拠点を守るためである。私のようなノンセクトと違うところでもある。3、4年前、革マル派の拠点校、奈良女子大の自治会委員長が逮捕された事件が報じられたが、その委員長は30歳を過ぎていた。最近では自治会自体が皆無状態になったが、そんな中で、おそらく上からの指示で、何年も留年させてでも自治会を死守するということだろう。

卒業後は、共産党のエリートコースともいえる「新日本出版社」に入っている。その後、有田は、べ平連の創始者の一人・小田実と、共産党の理論家・上田耕一郎との対談を雑誌に企画し実現、これを契機に最終的に除名されたという。

当時の共産党、その下部組織・民青は極めて暴力的だった。某ノーベル賞受賞者の甥っこの先輩は、70年師走の早朝、民青の武装部隊=ゲバ民に襲われ負傷、一時は医者も見放すほどの重態だった。これには驚いた。かく言う私も71年5月、やはり早朝の情宣活動中、短く切った角材などで武装したゲバ民に襲われ、5日間ほどの「病院送り」になった。「人殺し!」「何人殺したんや!」等々と詰られ、短い角材でボカボカに殴られ蹴られた。「暴力反対!」じゃなかったんかい!?

民青の中心的活動家だった有田も、そうしたゲバ民の部隊にいたものと推認する。数十回襲撃に来たので、一度や二度はいなかったことはあるかもしれないが、ゼロということは考えられない。

日本共産党=民青が、こうした暴力を許容した時代に活動した有田にとって、芯から暴力性が身に着いているのだろうか、時を隔てて起きた「しばき隊リンチ事件」被害者M君に対する姿勢に、あたかも当たり前のように被害者に冷淡に対応したのではないか、と感じる。

◆共産党から離れて以後の有田──「しばき隊」との連携

極右とされる西田昌司議員と画策し「ヘイトスピーチ解消法」成立させる

その後、有田の名は、1995年、オウム真理教の事件が起きた際、コメンテーターとしてマスメディアに頻繁に登場することになる。この頃には共産党を除名になっている。オウム事件、これに続く統一教会による霊感商法問題などで、さんざん名を売り知名度が高まった中で当時の民主党から参議院選挙に立候補し民主党比例トップで当選する。

そうして、ネトウヨによるヘイトスピーチ、ヘイトクライムが社会問題化するや、「しばき隊」とか「カウンター」と称される政治グループと行動を共にするようになる。しばき隊の中で国会議員の有田の存在は大きく、その後、「ヘイトスピーチ解消法」成立に、極右として名高い自民党・西田昌司参議院議員と画策し一役買うことになる。有田がいなかったら、おそらく同法は成立しなかっただろう。有田、西田が握手している写真は、いわば“国共合作”で同法を成立させた象徴的な写真といえよう。

いやしくも国会議員の有田の存在は、「カウンター」とか「しばき隊」といわれる政治勢力にとって、極めて大きかったことは言うまでもない。有田が落選したことで今後これがなくなるわけだが、それは、このところ影が薄くなってきた「カウンター」や「しばき隊」凋落の決定的な要因になるであろう。

私たちがこの6~7年、精力的に関わってきた、大阪北新地で起きた「カウンター大学院生リンチ事件」とか「しばき隊リンチ事件」といわれる事件(2014年12月17日未明発生)でも、有田の存在は大きかった。事件当日にさっそく来阪し、事件前に加害者5人が腹ごしらえをした「あらい食堂」を訪れ情報収集を行っている。その前後には、ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬、作家で法政大学教授の中沢けいらも訪れたことが明らかになっている。有田や中沢は東京から急遽来阪していることから、よほど慌てたのだろうと推認される。

[写真左]有田を象徴する釘バット。いやしくも国会議員が、こんな画像をみずから発信することを恥じよ![写真右]しばき隊チンピラ活動家とツーショット!

かたやリンチ被害者のM君には、有田のような政治家は付いていない。それどころか、事件後1年余りも隠蔽され孤立無援状態で、私たちが相談を受けるまでの被害者M君の心中を察すると耐えられない。

そうしたこと故に、私たちは有田へ質問状やリンチ本を何度も送ったりしたが、一度形式的な返事があったのみで、まともな返事はなかった。ジャーナリストの寺澤有も同様のことを試みたが、会って取材することはできなかった(それ故、鹿砦社取材班は直撃取材を試みたのである)。やむなく自宅への取材で「誤爆」したこともあったが、国会の入口で二度直撃取材を試み成功した。鹿砦社の名を名乗り質問を行おうとすると、「なし! なし!なし! あなたたちを相手にしない!」と拒否し逃げた。いやしくも国民から選ばれた国会議員(「選良」というらしい)ならば、相手が誰であろうが有権者やメディアの取材には答えるべきだ。有田が私人ならば拒否するのもいいだろうが、当時有田は国会議員、公人中の公人だ、答えることは義務である。それも大学院生(当時)は、激しい集団リンチに遭い、重傷を負い精神的にも傷つけられているのだ。リンチに連座した李信恵ら5人に忖度し守ろうとするしないに関わらず、しっかり情報を公平・公正に集めきちんと答えなければならないだろう。そうではないだろうか? 私の言っていることは間違っているだろうか?

鹿砦社取材班の直撃に驚き逃げる有田
同。盟友・安田浩一も写っている

◆有田落選は「しばき隊」凋落の決定打となる!

前記したが、このかん、「しばき隊」「カウンター」の影が薄くなった。大掛かりな集会や街頭行動も、以前ほどは聞かれなくなった。例えば一時これまでにない集会スタイルで世間の関心を惹いたSEALDs(これもしばき隊/カウンターの一部)をとっても、一部中心的活動家のみが就職を保障され利権を得ることが、元参加者らから恨み節のように出され、「阿呆らしい」と飽きられたのかもしれない。

かの香山リカも、北海道の小さな診療所に副所長として就職するという口実の下に遁走した。私たちに対し有りもしないことをツイートし平気で嘘をついたりしたことを私たちは忘れることはできない(『暴力・暴言型社会運動の終焉』参照)。

李信恵ら5人による集団リンチに遭った大学院生(当時)M君は、いまだにそのトラウマで苦しんでいる。著名な精神神経医の鑑定書もあるほどだが、もっと早く出すべきだったところ、それができず、このこともあってか裁判は実質上敗訴が続いた。ようやくこれ(つまりリンチへの李信恵の関与)が裁判で認められたのは、M君が当事者の裁判ではなく、鹿砦社が李信恵を訴えた訴訟の反訴として出され別訴で審理された訴訟の控訴審判決(2021年7月27日、大阪高裁)でだった。さすがに大阪の裁判所も、あまりに凄惨なリンチの様に、連座した李信恵の責任を容認できなかったものと私たちは認識している。

大学院生M君リンチ事件は、この事件を知ったその人の人間性や人格を問うものだ。ふだん立派なことを言ったり、暴力反対を口にしたり、耳触りのいい言葉を口に出す者が、「見ざる、聞かざる、言わざる」を貫き、真正面から真摯に答えず逃げたりする醜態を数多く見てきた。

しばき隊内最過激派「男組」を使い「有田丸」で合田さんの会社と自宅を訪問すると恫喝

私たちは、M君リンチ事件の情報がもたらされ、実際にM君本人から相談を受けた際に仰天、「いまだにこの民主社会に、こうした暴力がはびこっているのか」と感じた。それも「反差別」とか「人権」とかを声高に叫ぶ者によって起こされたことに驚いた。私と同期の有田は隠蔽に走り、6年前の参議院選挙の際、「有田丸」と称する彼の宣伝カーで、M君の支援者の一人、四国在住の合田夏樹さんの経営する会社や自宅を襲うかのようにツイッターを拡散し、実際に近くまで行ったりする者がいて、合田さんのみならず家族や社員までもナーバスにした。有田よ、あなたの宣伝カーを使ってなされた、そういう言動を、あなたは諌めたのか!? 新旧左翼問わず、社会運動内部に於ける暴力を、私たちの世代は痛苦の想いで懲りたのではなかったのか!? 

◆同期の有田に最後の忠告

有田の参議院選落選にちなみ、思うところを縷々書き連ねてきた。有田は、これまでのみずからの言動について虚心に反省すべきだ。そうでないと、もう高齢者の部類に入っていることもあり、再浮上の目はないだろう。

ちょうど17年前の今頃、私たち鹿砦社は、「名誉毀損」に名を借りた類例がない大弾圧を受けた。その際、それに加担した者らは「鹿砦社の呪いか、松岡の祟りか」と後に揶揄されるように逮捕されたり会社を乗っ取られたり失脚したり散々な目に遭っている(その一部は本通信7月12日号を参照)。因果応報である。

有田は、それに加わらないようにしなくてはならない。罪滅ぼしではないが、これを機に一刻も速く、しばき隊から離れ、リンチ被害者M君に寄り添い事件の真相を世に伝えることを願う。そうした犯罪被害者の立場に寄り添うことから再出発していただきたい。これは、立場は違えど、同期で同時代を生きてきた者からの最後の忠告である。 (文中、一部を除いて敬称略)

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6・30対藤井正美(しばき隊の中心メンバーにして元鹿砦社社員)控訴審、第1回弁論期日! 鹿砦社代表 松岡利康

来る6月30日(木)午後1時30分から大阪高等裁判所第3民事部(別館8階、84号法廷)にて対藤井正美控訴審が開始されます。一審大阪地裁は、またしても私たちの常識的な主張を認めず棄却、それどころか反訴した部分で藤井の主張を認め、少額とはいえ10万円の賠償を鹿砦社に下したのでした。

勤務時間の大半をこっそりと業務とは無関係のネットパトロール、政治的主張のツイッター、仲間とのメール、企業や団体への恫喝メール等に費やし、それは前代未聞の異常としかいえない膨大な量が確認されています。それでも何の責任も問われないのは世間の常識から反します。

当然鹿砦社は控訴、当初本人訴訟としたことで(のちになって顧問弁護士の大川伸郎弁護士が代理人就任)、私が長大な「控訴理由書」を書きました。これは早晩公開しますが、日本の中小企業の経営者を代表する想いで書き上げました。藤井のような腐った社員が会社に入り込めば中小企業はやっていけません。勤務時間中にスマホで株取引をやって退職に追い込まれた大阪国税局の職員がいるように、今後こうしたケースは続出するでしょう。本件一審判決が確定すれば大変なことになります。

街宣する藤井。これを見て私は驚き、「ここまでやっているのか」と思いました

鹿砦社の控訴に対して、藤井側も神原元弁護士を代理人として附帯控訴してきました。私は裁判は公に報告すべきだという考えからこのように適宜報告していますが、これをも「一審原告(鹿砦社)の誹謗中傷は極めて執拗であり、一審判決後も同様の名誉毀損行為が続いていることから、一審判決によってその被害は回復されておらず、さらに慰謝料の増額が認められるべきである」と主張しています。

私たちがM君リンチ事件を知り、地を這うような調査・取材に基づき出版活動を開始、持続して以来、藤井の周囲の者らから、あらん限りの誹謗中傷がなされました。「鹿砦社、潰れたらいいな」「反社出版社」「企業ゴロ」「クズ」「ゴミ」「アホデマ野郎」等々、神原弁護士も「私怨と妄想にとりつかれた極左の悪事」とか「魑魅魍魎だね、こいつら」、大川弁護士らM君弁護団に対しても「300万円の弁護士報酬をカンパで集める『弁護士の新しいビジネスモデル』。この『不道徳極まりない』ビジネスモデル」と非難しています。

当初は激しい集団リンチを浴びながらも孤立無援状態にあったリンチ被害者M君への同情から始まり、すっかり深入りしてしまいましたが、対カウンター/しばき隊関係の訴訟も本件を残すのみとなりました。対李信恵訴訟では、控訴審で李信恵のリンチへの連座が認められ押し返すことができました。本件でも不本意な一審判決を必ずや打ち破ることができるものと信じています。

関西近郊にお住まいの方で時間があれば、ぜひ傍聴お願いいたします。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

【更に続報!】鹿砦社を「反社出版社」とか「極左崩れの企業ゴロ」と再三誹謗中傷したツイッターアカウント「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧!(@LenyIza)」が鈴木伸哉本人だという動かぬ証拠を実名で証言! 大学院生リンチ事件の隠蔽-被害者M君へのセカンド・リンチを続けた、しばき隊最悪質人物=鈴木伸哉の醜い言い逃れを許さない! 鹿砦社特別取材班

前回本通信で鈴木伸哉との会話を公表した。鈴木は重ねて「自分とは関係ない」、「この書き込みが自分のものであると証明しろ」と繰り返した。取材班キャップ田所は、情報の出所がリンチ被害者M君であり、それ故、鈴木の会社だけではなく、携帯電話の番号や自宅住所も知りえたし、アカウントについても同様であると「証明」した。それでも鈴木はひたすら「証明しろ」、「証明しろ」を繰り返したので、本日は「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」が鈴木のアカウントであることを、言葉ではなく過去の関係人物とのやり取りを示すことにより、誰の目にもわかるように再度「証明」する(本来このような無益な作業は不要と考えるが、鈴木が要求するので仕方なく時間を割く)。

以下はかつてカウンターであったが、リンチ事件を契機にカウンターの手法に疑問を持ち、現在は距離を置いている三輪吾郎さんからご提供いただいた情報である。実名で勇気ある「証明」を行っていただいた三輪さんに感謝したい。

まず紹介するのは、あるイベントで作成したチラシが余ったため、大阪市内居住の三輪さんが鈴木の会社まで残部を送付した際のやり取りだ。

三輪さんの自宅から鈴木の会社へ宅急便を送る相談がなされていることがわかる。この時期2人の間には、何のわだかまりもなく、むしろ一定の信頼関係があったと、このやり取りからは推認される。ところがM君リンチ事件後、鈴木の態度は一変し、三輪さんとも以下のやり取りを残している。

三輪さんと鈴木がこの時点ではもう決裂しており、鈴木が「神戸の時に俺の電話番号教えたよな?」と凄んでいる。が、実はそれ以前に鈴木は三輪さんに自分の名刺を渡し、会社の住所などを教えていたのだ。でなければ、最初に紹介した荷物の送付を行えない。

さて、鈴木は自らと自らの勤務先を限りなく特定させる書き込みをいくつも残している。

鈴木の勤務する会社はホームページによれば、1996年の設立であり、この書き込みと符合する。

そして今は敢えて名前は出さないが、鈴木は自身の勤務する会社の名前が判明する書き込みを複数行っている。

ここで鈴木が名前を挙げている会社と鈴木が勤務する会社が隣接していることは、Googleストリートビューではっきり目視できるので、関心がおありの方はご確認を。

ちなみに、これら書き込みは鈴木自身の手によるもの(誰でも見ることができる公開情報)であり、それを取材班のサイバー班が保存したものである。そして、

と鈴木は前職が大和証券であることを明かしている。土井定包氏は大和証券の会長を務めた人物である。

さらに、リンチ被害者M君ともかなり懇意な時期があり、以下の書き込みが残っている。

写っているのは、リンチ被害者M君で、「普段、硬派っぽい人ほど甘いものが好きな気がする。まっ、自分も好きやけど…*それにしても、めっちゃ嬉しそうな」とまるで恋人同士かと勘違いしそうなコメントを添えている。

その後、李信恵らによる集団リンチ事件によって鈴木と被害者M君の仲が決裂した後、この写真をコラージュした卑劣かつ非人間的が画像も何者かから発信されている(リンチ関連本第5弾『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアに掲載)。これが鈴木によるものとの噂があり、このことについても「警告書」では真偽のほどを鈴木に求めている。回答がないが、「関係ない」と言うのなら、そう回答すればいいではないか?

もうこれ以上の言葉は必要あるまい。鈴木伸哉がツイッターアカウント「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」の発信者であることに争いはないだろう。

鹿砦社は金銭保証を求めているわけではない。前回警告した通り、鈴木が、「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」というアカウントがみずからのものと潔く認め、誠実な謝罪をすれば、これ以上の追及や、鈴木が電話で自ら求めた「裁判所」などに持ち込むつもりはない。

だが、本日が最終期限である。本日23:59までに、鹿砦社代表・松岡宛メール(matsuoka@rokusaisha.com)、あるいは書面(ファックス0798-49-5309)、そのほか形のある方法で鹿砦社に謝罪の意を明らかにするように要求する。これは本当の最後通告である。

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【続報! しばき隊最悪質分子・鈴木伸哉追及】鹿砦社に詭弁は通用しない! [実録]逃げまくる鈴木伸哉と取材班のやり取り 鹿砦社特別取材班

前回(6月7日)、鹿砦社代表・松岡の怒りの記事でご紹介した通り、「警告書」を送り回答を求めた鈴木伸哉からは回答期限を過ぎても返信がなかった。そこで仕方なく取材班は鈴木に電話で意向を聞くことにした。ことは鹿砦社の名誉毀損に関わることだけに、曖昧にすることはできない。

6月1日正午過ぎ(一般的な企業の昼休み時間)鈴木の携帯電話に電話をかけたが鈴木は出なかったので、仕方なく同日午後鈴木が勤務する会社に電話をかけた。

◆自分と関係なければ「関係ありませんよ」と回答すればよいものを、やましさ故に逃げまくる鈴木

田所敏夫(以下、田所) お世話になっております私株式会社エスエル出版の田所と申しますが、鈴木様いらっしゃいますでしょうか。

電話受けた社員 今電話中なんですけれども。

田所 よろしかったらこのまま待たせていただいてよろしいでしょうか。

電話受けた社員 それではこのまま少々お待ちください。

(1分半ほど保留音)

鈴木伸哉(以下、鈴木) はい。お電話変わりました鈴木です。

田所 お世話になります。私、株式会社エスエル出版の田所と申しますが、お世話になっております。

鈴木 はい。

田所 恐れ入ります。鈴木様宛に5月6日付けで、株式会社鹿砦社から「警告書」を送付させていただいたのですが。

鈴木 それがどうしました。はい。

田所 私は取材班の田所と申しますが

(遮って)

鈴木 そういうのはお断りしているんで。

田所 「警告書」をお受け取りいただいたという記録がこちらの手元にあるのですが。

鈴木 それはもう弁護士の方に送っていますので。

田所 一点だけお尋ねしたいのですけれども、鈴木様は「企業ゴロ」という言葉でですね

鈴木 ちょっと営業中なんですけれども。そういうのは書面で送っていただけますか?

田所 ですから「警告書」をお送りしたんですね。

鈴木 あなたの名前で送ってきてないでしょ?

田所 ですから鹿砦社の代表取締役松岡の名前でお送りしております。

鈴木 いや、それはあなたが送ったんですか?

田所 私は株式会社鹿砦社特別取材班キャップの田所と申します。

鈴木 いや、それね、はっきりいって文書以外で受け付けしていないんで。

田所 それは鈴木様のご事情ですけれども

(遮って)

鈴木 あなたが取材したいんでしたら、取材したいと連絡するのが社会常識でしょ?

田所 取材をしたいのではありません。取材ではなく「10日以内に書面で明確な説明をお願いいたします」とお願いしたんです。お願いをしたのですがお答えを頂けないので

(遮って)

鈴木 はい、お断りします。

田所 お答えは頂けないということでしょうか。

鈴木 そうです。

田所 お答えは頂けないわけですね。

◆自分が書き込んだ証拠を「裁判所で出せ」と発言する鈴木は民事提訴を望むのか?

鈴木 はい。はっきり言って因果関係もわからないことにお答えできませんよ。

田所 鈴木様が書き込まれたものに……。

(遮って)

鈴木 私が書きこんだと、どういう根拠でおっしゃっているんですか。

田所 鈴木様がLenyというアカウントを使っていらっしゃる……。

鈴木 その根拠をお示しください。

田所 鈴木様の複数のお知り合いの方から、これは鈴木様のアカウントであると確認を取っております。

鈴木 いや、あのね、僕、複数の友人て知らないんですよ。まず根拠をちゃんと示して、それからお問い合わせください。

田所 はい。かつては李信恵さんも認めていらっしゃいました。

眼鏡はかけていないが鈴木伸哉と金良平、李信恵。李信恵のツイッター(2015年12月27日)に掲載されたもの

鈴木 いや、そういう話は聞いてません。ですからそれも書面で何月何日に……

田所 すいません、お尋ねしているのはこちらなんです。

鈴木 こちらは根拠を示しなさいと言っているんです。

田所 ですから鈴木様が「芸能プロダクションに寄生して小銭稼ぎをしている極左崩れの企業ゴロ」などと……。

(遮って)

鈴木 ですからそのように私が書きこんだという根拠を示しなさい、と言っているんですよ。

田所 それはあなたが勝手に求めているだけのことです。

鈴木 違います。あなたが私に聞くんでしたら、まず根拠を示してから聞きなさいと。

田所 根拠は、あなたの情報をリンチ被害者のM君から聞いたからです。

鈴木 関係ないです。ちゃんと書き込んだという根拠を、法的にちゃんと示しなさい。

田所 その必要はないです。なぜならば、あなたがたくさん違法な行為を書いているからです。

鈴木 関係ないです、まず示しなさいと言っているの。

田所 「反社出版社」とは「反社会的出版社」を示す言葉ですね。

鈴木 あのね、社会常識なさすぎです。まずその書き込みを私が書いたっていう根拠を示しなさいと言ってるの。裁判所を通してちゃんとそれを私が書いたと示せばいいんですよ。

田所 裁判所を通して示す? そんなことはどうやってやるんですか?

鈴木 なんでもいいですけど法的に示しなさいと言ってるんですよ。

田所 ということは、「訴訟を起こしてくれ」ということですか?

鈴木 そんなことを言ってるんじゃない。

田所 あなた、今「裁判所を通して」とおっしゃったじゃないですか。

鈴木 まずね、その書き込みを私がしたっていう証拠を示してから話が進むんですよ。

田所 では、なぜ私があなたの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それはうちの電話番号は警察署にも届けていますから。

田所 今は会社にお電話をかけているわけです。

鈴木 私の名前は会社のホームページにも書いてありますからね。

田所 違います。私は鈴木さんの携帯電話の番号を知っているわけです。なぜ私が鈴木さんの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それは知りませんよ。

田所 あなたのことを知っている人が教えてくださったから、私は知っているのです。

鈴木 だからその人が、誰がいつ私の書き込みが関係あると、証明したのか、まず示せと言っているんですよ。

田所 ですからリンチ被害者のM君がまだあなたと仲が良かった頃に、あなたがLenyというアカウントを使って書き込みを行っていた時代から、知っているわけです。これで充分でしょ!

鈴木 だったらM君がそれをちゃんと示して……。

田所 必要ありません。この際私はM君のことを問題にしているのではありません。

鈴木 関係ありません、あなたはまずね……。

田所 逃げていますね。

鈴木 あなたがちゃんと証明してからじゃないと話が進まないんですよ。

田所 M君はあなたの電話番号も自宅の住所も知っていますよ。

鈴木 M君は関係ないでしょ。あなたが示さないといけない。

田所 このアカウントが鈴木さんのものであるとわかればはっきりするじゃないですか。

鈴木 証明したらいいじゃないですか。

田所 すでにしていますよ。M君はあなたの会社を知っていたし、あなたのアカウントも住所も自宅の電話番号も知っているということですよ。あなたが散々誹謗中傷している被害者が知っているわけです。

鈴木 関係ないんじゃないですか。

田所 関係ありますよ。あなたの論理は全く破綻しています。破綻している以上におたくは会社ですよ。一般の学生さんなどと鈴木さんは違いますよ。鈴木さんはB(会社名。今回はあえて名を秘す)という立派な会社の取締役をなさっているわけでしょ。

鈴木 それと書き込みと何の関係もないじゃないですか。

田所 そういった立場の方が特定の出版社を「不法に小銭稼ぎをしている極左崩れが社長の反社出版社」という書き込み方をされると、これは明らかに名誉毀損ですよ。

鈴木 だから、まずそれを書いたのが私だということを証明しなさい、と言っているの。

田所 それは出来ていると言っているんです。

鈴木 出来ているんであればそれをまず示したらいいじゃん。

田所 今、言葉で示したでしょ。M君が私にあなたの携帯電話を教えてくれたから、私はあなたの携帯電話もあなたの住所も知っているわけですよ。

鈴木 それ脅しですか。

田所 は? この書き込みとあなたの関連性がどうあるかを示せとあなたが言うから、それを証明しただけですよ。

鈴木 あの、営業妨害なんですけど。

田所 あなたの求めに応じて証拠を申し上げたのです。

鈴木 あの、10分以上かかわっているんですけどね、営業妨害ですよ。

田所 こちらにとっては名誉毀損なんですけど。

鈴木 何で業務中にこんな関係のない電話してくるんですか。

田所 こちらの業務にかかわることで「反社出版社」と書かれ業務に関わりますから。

鈴木 関係ないです。まず示しなさいと言っているでしょ。関係ない所に電話してきて。

田所 関係、大ありですよ。

鈴木 業務妨害で、えーっとエスエルの田所さんですか。電話番号は何番です?

田所 鹿砦社特別取材班キャップの田所です。

鈴木 電話番号は?

田所 私の携帯番号表示されていませんか?

鈴木 いや、言ってください。

田所 それこそお調べいただいたら結構ですよ。鹿砦社の電話番号はオープンにしていますから。

鈴木 じゃあ株式会社エスエルっていう所の電話番号は?

田所 株式会社鹿砦社。

鈴木 関係ないでしょ。

田所 関係は鹿砦社とエスエル出版は親会社─子会社の関係なんです。

鈴木 どちらが親会社なんですか?

田所 調べなさい、そんなことくらい。

鈴木 あなたは自分のことをまず……。

田所 私は田所敏夫と言います。知っているでしょ。しばき隊の中心人物で私の名前知らない人間一人もいませんから。

鈴木 俺は知らないです。

田所 M君の裁判の時、傍聴券抽選前にあなたの隣にいたのが私ですよ。眼鏡かけて来られていましたね。私はあなたの顔も知っています。

鈴木 とりあえず営業妨害なんで御社の方に連絡行くと思いますけども。

田所 はい結構です。

鈴木 もうこれで切りますんで。

◆鈴木への最後通告

身に覚えのある悪行の数々が世間に披歴してしまったら……。鈴木の恐怖感は手に取るように分かった。そして繰り返し根拠を説明しても、話を逸らす鈴木。

だが読者には勘違いしないでほしい。取材班は鈴木への民事提訴も視野に数年間、鈴木の発信を観察、証拠を保存し続けてきた。何もなければ忙しい中このようなつまらぬ人物に時間を割きたくはなかったが、ここへ来て鈴木の発信がまたしてもエスカレートしているので、仕方なくアクションを起こさざるを得なかったのである。

そして、鈴木は前述のとおり「書き込みと自分の関係」に拘っていた。そこで、続報では誰の目にも明らかな証拠をお伝えする。すでに複数の協力者から公開をご快諾頂いている。

鈴木よ、われわれは「企業ゴロ」ではないから、われわれが求めているのは金銭ではない。鹿砦社やリンチ被害者M君を誹謗中傷したことへの真摯な謝罪があれば、これ以上の追撃は行わない。しかし、書面で尋ねた事項への公然たる「無視」、ならびに「営業妨害」を持ち出しての卑怯な逃げを続けるのであれば、われわれは、追及を続けなければならない。

有り余る証拠と複数の対処手段はすでに検討済みである。鹿砦社に公式に謝罪する最後のチャンスは次回、この原稿が掲載された日の23:59までだ。

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