多彩なエロス、SFから児童文学まで縦横無尽な世界観織りなす作家、森奈津子さん。ツイッター上ではM君支援を宣言してくださり、そのためか、しばき隊から現在も集中攻撃を受け続けている方でもある。大好評だった前回までのインタビュー記事に続き、特別取材班は再び森さんに電話でインタビュー。「表現の自由」をはじめ様々な問題についてご意見を伺った。今回はその最終回。

 

森奈津子さんのツイッターより

◆男性差別をする人はフェミニストとは呼べないし、集団でネットリンチしている人たちはリベラルと呼んではいけない

── 自由な言論を交わす人たちではなくて、独善的に高圧的な物言いをする人たちと言う意味に変わってしまいつつありそうな勢いです。

森  元来の定義からすると、男性差別をする人はフェミニストとは呼べないし、他の人を陰湿に叩いて集団でネットリンチしている人たちはリベラルではないですよね。本当はリベラルとは呼んではいけない人たちが、リベラルを名乗っていて、それに対する批判意見もあるけれども、いつの間にかリベラルというのは心の狭い人達だという認識が定着。彼ら、多様性多様性と口では言いつつも他人を叩いてばかりだというのに。

── 前回LGBTについて教えていただいたことで相当理解も深まりました。

森  ありがとうございます。

◆議論を重ねることで新しいことにも気付けます

── 特にLGBTという概念自体が限られたものであるという最後の森さんのご意見には、なるほどと頷かされるところが大でした。こういうダイアローグ(対話)の大切さですよね。お尋ねしたかった最後のことは、議論の大切さがもっと認識されてもいいのではないかということです。

森  議論を重ねることで新しいことにも気付けますし、考えが変わることもありますし、それは好ましいことではないかと私は思います。彼らはいきなり叩きリプで寄ってたかって潰そうとする、暴言を吐く、中傷する、デマを流す、嘘をつく。私や周りの人たちが「それは違うのではないですか」と、彼らの事実誤認であったり、デマであったり、悪意を含んだ解釈であったりを指摘しても、すっとぼけてまた別のネタでいちゃもんをつけてくるわけです。議論にならないのですよ。彼らのやりたいのは議論をして新しい考えに触れたり、どちらが正しいのか見極めようとするとか、そういうことではなく、異なる意見の人をとりあえず集団で叩いて潰すというそれだけなんですよね。相手にするだけ無駄だということは感じています。私は彼らがこういう人ですよということを広めるためにお相手しているだけで。

森奈津子さんを批判するツイッター事例1

◆私はLGBT当事者です

── 今や森さんが彼らのおかしさをPRする広報パーソンに就任された感もあります。

森  私はLGBT当事者です。LGBT差別反対と言っている人たちが、当事者を叩くというおもしろいサンプルを私は日々ゲットしているわけです。それはもう喜んで広めさせていただきますよね。彼らのやり口を皆さんに把握していただけるいい機会だと思いますし。

── インターネットから離れて、実社会を眺めた時に、彼らの様な傾向は、限定的だと考えてよさそうですか。あるいは実社会にもそれに似たような片鱗はあるとお考えですか。

森  これまで、LGBTの運動家と交流の機会はありましたが、あそこまで極端な人達は他にいないです。ですからどこかでまたトラブルになるなと感じています。

── ということは、ネット空間で限定的に行われている現象で、今まで森さんがご存知の方の中にはそういう言論傾向の人はいない。

森  あんなチンピラ運動家は見たことがないです。なのでリアルでもやらかすでしょうし、どこかでトラブルになるでしょう。で、私は自分の役目と考えて、「彼らがこういうことをしています」とツイッターで拡散しているわけですが。そこから何も学ばなかった、あるいは何も対処しなかった……仮にそんなLGBT運動家やイベント主催者がいたとして、その後にしばき隊界隈の人達がLGBTの運動の現場で何かをやらかすとしたら、もう、何もしてこなかったLGBT運動家が悪いと思います。

森奈津子さんを批判するツイッター事例2

◆LGBT運動家は「心の狭い嫌な奴」かのような言動を流布するしばき隊の人たち

── これだけ予防的に危険性を発信していただいているのに、それを無警戒に入れてしまうのであれば、そちらの団体の方にも負われるべき責めはあると。

森  危機管理ができないというのは、運動家として致命的だと思いますし、そういう脇の甘さというのは、しばき隊が介入してこなくても、どこかで出てしまうものだと思います。もし今後大きい問題が起きて現場が滅茶苦茶になったら、私や他の第三者がどうこうしてあげようという段階ではないですよね。彼らを受け入れるかどうか、受け入れるとしたらどのように受け入れるのかというのは、現場の運動家の人達の判断ですので。私がとやかく言うことではなく。

── でも森さんもその中のお一人でしょ。

森  私は運動の現場から離れていますので。もしそういう団体にまだ入っていましたら、団体の人たちやイベント主催者に「このような人達を受け入れていいのですか」と意見を申し上げていたところだと思いますけれど。今の私にはそこまでやってあげる義理はないというか。

── その代り発信は続けていらっしゃるということですね。

森  発信はします。そこから何か汲み取った人は行動していただければいいと思いますし、あれを見てもしばき隊の人達は大丈夫、一緒に戦えると思う人達は一緒に戦ってよろしいかと思いますよ。その後に何が起きるかは、私は見物しますし、ウォッチャーの人達も楽しくウォッチングするんじゃないでしょうかね。すでにしばき隊の人達のあれこれの言動で、LGBTの運動家というのは心の狭い嫌な奴だみたいな解釈が広まっていますし。ツイッターの方をちらちら見ていますと。

── 一部でね。

森  悪い印象が広まっていますね。そこで毅然とした態度が取れないのであれば、それはLGBTの運動家の責任ではないかと思いますね。そもそも、運動の現場の人達がしばき隊を受け入れるのなら、受け入れてそのまま続けてくださっても、私は何の損をするわけではないので、大いに結構でございますよというのが本音です。ただ、知っていることなので忠告はしますよということです。しばき隊は自分達に批判的な在日の人達をものすごく侮辱しているじゃないですか。あれを見て、私はこの人達は駄目だなと、当事者のためにならないなと前から感じていましたので。今の状況を危機的だと感じない活動家の方が多数であれば、それはそれでいいのではと思います。私の知ったことではないので。(了)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

◎今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー(全6回)

〈1〉2018年8月29日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27255
〈2〉2018年9月5日公開  http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27341
〈3〉2018年9月17日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27573
〈4〉2018年10月24日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28034
〈5〉2018年10月30日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28042
〈6〉2018年11月8日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28069

(鹿砦社特別取材班)

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

月刊『紙の爆弾』12月号 来夏参院選敗北で政権崩壊 安倍「全員地雷内閣」

以下は対李信恵訴訟(第2訴訟。原告李信恵、被告株式会社鹿砦社)において、9月12日に提出した陳述書を、その後の展開を加味し一般用に平たく書き換えたものです。訴訟用の原告・被告という言葉も用いず「原告」を「李信恵さん」と表記し、また被害者も陳述書では本名を用いましたがここでは「M君」と表記しました。この文章は、私がなぜM君リンチ事件支援と真相究明に関わり持続して来たのかという〈原点〉を想起するために書き綴ったといってもいいでしょう。
 
はじめに

私は長年、兵庫県西宮市において「株式会社鹿砦社(ろくさいしゃ。以下当社と表記します)」という出版社を営んで来ている者です。創業は1969年(昭和44年)、1972年(昭和47年)に株式会社化し、1988年(昭和63年)に私が代表取締役に就任し現在に至っております。当社は現在、定期発行雑誌3点(月刊2点、季刊1点)はじめ毎年100点近い新刊雑誌・書籍を発行し、年間売上は直近の決算で約3億円、業界では中堅の位置にあります。東京に支社があります。

私は1951年(昭和26年)生まれ、今年で67歳になりました。本来なら現役を退いてもいい歳ですが、本件集団リンチ問題を知り、この2年半ほど、この問題の真相究明と被害者救済・支援に関わっています。

1 当社の出版物や「デジタル鹿砦社通信」の記事はすべて事実であり、真に「名誉を毀損」され「精神的苦痛」を与えられたのはリンチ被害者のM君であり、李信恵さんの主張は失当です

本件訴訟は、「カウンター」と称される「反差別」運動の、李信恵さんら主要メンバーによる、その一員だった大学院生・M君への集団リンチ事件について、当社が出版した書籍と、当社のホームページ上に掲載している「デジタル鹿砦社通信」の記事に対して、これら書籍の販売差し止めと記事の削除、そしてこれらによって李信恵さんの「名誉を毀損」され「精神的苦痛」を与えたから賠償せよ、というものです。

李信恵さんが挙げている箇所を、あらためていちいちチェックしましたが、記事化されているものはすべて事実ですし、私は真実であると確信いたしました。もともとこれらの書籍や「デジタル鹿砦社通信」において記述する際には、事実関係については入念にチェックしており、万が一誤りなどがあった場合、指摘してもらえれば、いつでも訂正することは常々申し述べているところです。李信恵さん側からきちんとした具体的な誤りの指摘など、これまでありません。

さらには、本件訴訟の以前、このリンチ事件について取材を開始した頃に李信恵さんに電話取材を申し込んだところ拒絶されました。これはみずからが関与したとされるリンチ事件についての申し開きや反論・抗弁を拒否したものと私たちは認識しています。

また、当社の出版物や「デジタル鹿砦社通信」の記述が李信恵さんの「名誉を毀損」し「精神的苦痛」を与えたという主張は、なにをかいわんやです。リンチの被害者のM君は、一方的に殴られ続けましたが、この暴力こそM君の「名誉を毀損」する最たるもので、この肉体的苦痛はもちろん「精神的苦痛」を李信恵さんはいかに思っているのでしょうか。さらに被害者M君は事件後も、李信恵さん、及び彼女の仲間らからネットリンチ、セカンドリンチを加えられることによってさらに「名誉を毀損」され、リンチの後遺症と悪夢に苦しみ、この「精神的苦痛」は、原告が与えられたとする「精神的苦痛」を遙かに上回るものです。

そして、当社が主にマスコミ出版関係者、ジャーナリスト、当社支援者、そしてリンチ事件とこの隠蔽に陰に陽に関係した人たちに献本送付したことに原告は「強い精神的苦痛を受けた」としていますが、当社では、本件に限らず月刊誌や書籍を発行するごとに、各方面にそれ相当の献本送付を行い、意見や批評、批判などを求めています。それが対象となった人に都合の良い記事もあるでしょうし逆もあるでしょう。献本送付は本件に限ったことではありません。献本行為を批判するのは、憲法21条で保障されている「表現の自由」を不当に制限する主張でしかありえません。当社に限らず出版社にとって、献本はごく当たり前であることをライターである李信恵さんが知らないはずはないでしょう。

よって、李信恵さんの主張は失当です。

2 私が本件リンチ事件を知った経緯と、被害者M君を支援する理由

ここで、被告とされた当社、及びこの代表である私が、この問題、つまり本件リンチ事件を知った経緯、被害者M君を支援する理由などを申し述べたいと思います。

一昨年(2016年)2月28日、偶然に時折当社主催の講演会などに参加していた知人から神戸大学大学院博士課程に学ぶM君が、李信恵さんら「反差別」を謳う「カウンター」、あるいは「しばき隊」と称するメンバー5人から受けた集団リンチ事件のことを知り大変驚きました。特にリンチ直後の被害者M君の顔写真とリンチの最中の録音データには声も出ませんでした。今回審理される裁判官含め血の通った人間の感覚を持つ者であればみな、そうではないでしょうか。

そのあまりにも酷い内容からM君への同情と本件リンチ事件への義憤により爾来M君への支援を行なっています。リンチ事件が起きた2014年師走から1年2カ月余り経っていましたが、それまでこのリンチ事件のことを知りませんでした。なぜか一般に報道されなかったからです。いわば“マスコミ・タブー”になっているようです。

そうしたことから、半殺し(M君がラクビーをやっていて頑強な体格でなければ、おそらく死んでいたでしょう)と言っても過言ではない被害を受けたM君への同情とリンチへの義憤により、被害者M君の正当な救済を求めると共に、リンチ事件の真相究明を開始することにいたしました。

まずは被害者M君への聴取と、彼が持ってきた主だった資料の解析です。何よりも驚いたのは、前記したリンチ事件直後の酷い顔写真と、リンチの最中の録音です。暴力団でもあるまいし、今の社会にまだこういう野蛮なことがあるのか――M君の話と資料には信憑性を感じ嘘はないと思いました。私は、この若い大学院生が必死に訴えることを信じることにしました。僭越ながら私も、それなりの年月を生き、また出版の世界でやって来て、何が真実か嘘かの区別ぐらい経験的動物的な勘で判ります。

私の生業は出版業ですので、その内容が公共性、公益性があるものと判断、世に問うことにし、取材に取材を重ね、その具体的成果として、これまで5冊の出版物にまとめ刊行し世に送り出しました。

これまでどれも発行直後から大きな反響を呼び、「こんな酷いリンチ事件があったのか」「言葉に出ない」等々の声が寄せられています。私もリンチ事件を知った直後に感じたことで当然です。

私は、私の呼びかけに共感してくれた人たちと、被害者M君が、李信恵さんら加害者5人によって受けたリンチ事件の内容と経緯を私たちなりに一所懸命に調査・取材し編集いたしました。李信恵さんには取材を拒絶され、加害者の周辺にも少なからず取材を試みましたが、なぜかほとんどの方が全くと言っていいほど答えてくれませんでした。そうした困難な取材の中でも、心ある多くの方々が情報提供などに協力してくださいました。

これまで刊行した5冊の本(本件訴訟で問題とされているのは、そのうちの4冊。5冊目は本件提訴の後に発行したので対象外)で、少なくとも事実関係の概要は明らかにし得たと、私たちは自信を持っています。

取材を開始して間もない第1弾書籍『ヘイトと暴力の連鎖』の頃はまだ事情に精通していないところもあり不十分だったかもしれませんが、第2弾、3弾と出す内に内容の密度も濃くなっていったと思います。特に第4弾、第5弾は外部(加害者周辺の人たちも含め)から高い評価を受けています。しかし、加害者やこの周辺の人たちからは、反論本の1冊もなく、具体的な反論どころかネット上で、ただ「デマ本」「クソ記事」といった悪罵が投げられるのみです。

加害者のひとり李信恵さんと本件訴訟代理人のひとり上瀧浩子弁護士は最近、共著で『黙らない女たち』という書籍を出版されましたが、リンチ事件についての謝罪や反省、あるいは上記5冊の本への言及や反論はありませんでした。「黙らない」でリンチに謝罪や反省の言葉を、また私たちの本への言及や反論を行ってください。
加害者らがあれこれ三百代言を弄し弁明しようとも、この5冊の本で示した内容を越えるものでない以上、社会的に説得力はないと思います。

3 M君への集団リンチ事件について私が思うこと

ところで、事件当日(正確には前日から)リンチに至るまでに、李信恵さん本人自ら供述しているように、あろうことか、キャバクラをはじめとして5軒の飲食店を回り、日本酒に換算して1升ほどの酒を飲み酩酊状態だったということです。全く理解できません。李信恵さん本人が言うのですから間違いないでしょう。

事件の詳細は5冊の本に譲るとして、私が特に申し述べたい概要を記載してみます。――

① これは集団リンチですから、関わった全員に連帯責任があることは言うまでもありません。李信恵さんだけが免れえることはありえません。

② その中でも中心的首謀的立場の李信恵さんの責任は他の誰よりも重いでしょう。首謀者は、他の4人の誰でもなく、あくまでも李信恵さんの他に考えられません。

③ M君が、呼び出されて李信恵さんらが待つワインバーに到着するや否や、李信恵さんは「なんやねん、お前! おら」と胸倉を摑み一発殴り(このことはエル金も認めています)、のち約1時間に及ぶリンチの口火を切りました。胸倉を摑んだことは一審判決でも認め、突然のことで混乱したM君が平手なのか拳骨なのかの記憶が曖昧なことで、遺憾ながら大阪地裁はM君の主張を信用できないとしました。

④ 主にエル金による連続的暴行を傍目に悠然とワインを飲んでいた神経が理解できません。

⑤ リンチの途中で、これは有名になっていますが、「まぁ、殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」と言い放っています。普通だったらリンチを止め介抱するのではないでしょうか。酩酊してまともな感覚が失せていたのかもしれませんが、一方的に殴り続けられているM君が死ぬことも想定していての言葉としか思えません。

⑥ 約1時間に及ぶリンチののち、師走の寒空の下に重傷を負ったM君を放置し立ち去っていますが、人間としての良心の欠片も見えません。

こうしたことだけを見ても李信恵さんの刑事、民事上の責任は免れません。

また、これだけの凄惨な集団リンチの現場に居合わせ関与していながら、李信恵さんは刑事、民事共に罪も責任も課せられてはいません。本件集団リンチ事件の中心にあったのが李信恵さんだと思慮されることを想起するに不可解と言う他ありません。かつて日本中を震撼させた、いわゆる「連合赤軍リンチ事件」において首謀者永田洋子は、みずから手を下さず輩下に殴らせ多数の死者を出し死刑判決を受けています。事件の規模は違いますが、リンチの現場の空気を支配し、誰が見ても中心人物、主犯と見なされる李信恵さんが、なんらの罪や責任を問われないのは到底理解できるものではありません。実際に殴られ血を流した被害者M君は尚更でしょう。

裁判所におかれましても、私たちがみずから足で回り額に汗して取材してまとめた、この5冊の本に記述された事実と内容も踏まえた審理をされることを強く望み、裁判所の良心を信じ妥当な判断が下されるものと信じています。

4 被害者M君が心身共に受けた傷を蔑ろにし開き直る、集団リンチの加害者で中心人物の李信恵さんの言動は許せません

被害者M君が心身共に受けた傷は、リンチ直後の顔写真に象徴されています。裁判官も、この写真をご覧になったら驚かれるでしょうし、逆に何も感じないとしたら、もはや人間ではないと断じます。人間として失格です。さらにリンチの最中の音声、聴くに耐えず、言葉を失います。ぜひお聴きください。

被害者M君は、リンチ以降、この悪夢に苦しみPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩んでいるといいます。本人にしかわからない苦しみでしょうが、私たちにも一定程度は察することができます。しかし、あろうことか、これだけの傷を受けていながら未だ1円の治療費、慰謝料も受け取っていませんし、事件後も引き続きネットリンチ、セカンドリンチを受けてきました。酷い被害写真のコラージュまで作られ回されています。

また、李信恵さんは、いったんは「謝罪文」を寄越し(たとえ形式的、ヌエ的ではあれ)反省の意思を表わしていながら、突然それを覆し「リンチはなかった」「無実」と開き直り、これに異議を唱えると、後述しますように、「鹿砦社はクソ」とか誹謗中傷を行っています。これは私たちに対しだけでなく、李信恵さんに異議を唱える者すべてに対してです。

李信恵さんの、人間として到底考えられない言動に真摯な反省を求め、そして、これだけの酷いリンチと、その後の事件隠蔽やセカンドリンチ、ネットリンチを受けているM君の名誉回復がなされなければなりません。常識的に考えて、リンチ直後の写真やリンチの最中の録音を目の当たりにしたら、「リンチはなかった」とか、加害者で中心的首謀的立場にあった李信恵さんが「無実」とは考えられず、まともな人間としての感覚があるならば、非人間的で酷いと感じるはずです。そうではないでしょうか?

裁判所が「人権の砦」であり、裁判官も血の通った人間ならば、そうしたことは当然理解されるものと信じています。

5 李信恵さんによる相次いだ「鹿砦社はクソ」発言に対して、やむなく民事訴訟を起こしました

前述しましたように、李信恵さんら加害者らは、彼らと繋がる者たちと連携し、被害者M君や、彼を支援する人たちに対して、あらん限りの罵詈雑言、誹謗中傷を続けています。

例えば、M君の後輩の同大大学院生は母子家庭で、先輩が酷いリンチにあったということで支援していたところ、名前や住所をネット上にアップされたり執拗に攻撃され、お母様に累が及ぶことを懸念し表立った支援を差し控えたといいます。

また、四国で自動車販売会社を経営しM君支援を行っておられる合田夏樹社長に対しては、国会議員の宣伝カーで自宅まで押し掛けられたり、娘さんが東京の大学に進学し一人暮らしを始めたところ、近くのコンビニなどから住所を突き止め暴くぞと恐怖を与えたりしています。

さらに、やはりM君を支援する作家の森奈津子さんには、「森奈津子にネットでいやがらせして鬱病に追い込もう」とか「こんな奴は潰さんとダメだろ」とか「森奈津子さん大便垂れ流していますよ」とか、さらには、森さんは乳がんで片方の胸を摘出されていますが、「正気かどうかも保証されてない病人」と揶揄してみたり、とても「反差別」や「人権」を語る者がやることとは思えません。

M君を支援する当社に対しても、「鹿砦社はクソ」「クソ鹿砦社」とか「鹿砦社、潰れたらええな」「下衆」「害悪」「ネトウヨ御用達」などと李信恵さんや彼女の仲間らはこぞって誹謗中傷を行ってきました。遺憾なことです。

あまりにエスカレートしつつあり、当社としても取引先に悪影響を与える具体的な懸念が生じたため、そうした誹謗中傷を抑止する目的もあって、株式会社鹿砦社を原告として李信恵さんに対して民事訴訟(大阪地裁第13民事部 平成29年(ワ)第9470号。第1訴訟と記します)を起こし損害賠償金300万円と謝罪を求め現在係争中です。本件第2訴訟は、本件原告の李信恵さんが当初上記第1訴訟の反訴として起こし、それを取り下げ、その後別訴として併合審理を求め提訴したものが却下されたものです。

さて、李信恵さんのツイッターの一部を引用してみましょう。――

2017年7月27日 「鹿砦社はクソですね。」

同年8月17日 「しかし鹿砦社ってほんまクソやなあって改めて思った。」

同年8月23日 「鹿砦社の件で、まあ大丈夫かなあと思ったけどなんか傷ついてたのかな。土曜日から目が痛くて、イベントの最中からここに嫌がらせが来たらと思ったら瞬きが出来なくなった。」

同日  「鹿砦社の人は何が面白いのか、お金目当てなのか、ネタなのかわかんないけど。ほんまに嫌がらせやめて下さい。(中略)私が死んだらいいのかな。死にたくないし死なないけど。」

同日  「クソ鹿砦社の対立を煽る芸風には乗りたくないな あ。あんなクソに、(以下略)」

同日  「鹿砦社からの嫌がらせのおかげで、講演会などの  告知もSNSで出来なくなった。講演会をした時も、問い合わせや妨害が来ると聞いた。普通に威力業務妨害だし。」

同月24日  「この1週間で4キロ痩せた!鹿砦社の嫌がらせで、しんどくて食べても食べても吐いてたら、ダイエットになるみたい。」

李信恵さんの発言に頻繁に見られる「クソ」という言葉が、対象を侮蔑する際に用いられることの多い、公的な場面では用いられることのない、品性を欠く表現であることは一般常識です。李信恵さんは「クソ」という言葉を「論評」などと評価しているようですが、「クソ」だけを用いた「論評」など目にしたことがありません。「差別」に反対し「人権」を守ると公言し、多数の人たちの支援を受けている人間が使うべき言葉ではなく、品性に欠けることはもちろん、当社に対する強い悪意を持ってなされたものであることが明瞭です。

しかも、2018年9月1日現在で1万3,818ものフォロワー数を持ち(ちなみに当社の「デジタル鹿砦社通信」ツイッター版は3分の1の3,412にすぎません)、マスメディアによって「反差別」運動における一定の社会的評価を得ている李信恵さんがかかる表現を用いたということ自体、影響力は大きく、当社に対する刑事、民事上の各名誉毀損行為に該当すると言わざるを得ません。

私や当社、あるいは当社関係者が、李信恵さんに対して「嫌がらせ」や「(威力業務)妨害」など行った事実などありませんし、また当社やこの関係者の「嫌がらせのおかげ」で「講演会などの告知もSNSで出来なくなった。」とか「しんどくて食べても食べても吐いてたら、ダイエットになる」とか「イベントの最中からここに嫌がらせが来たらと思ったら瞬きが出来なくなった。」などの発言は、いずれも李信恵さんの一方的な言い掛かりであり、根拠のない牽強付会なものです。当社に対する名誉毀損の程度は、マスメディアで持て囃される「差別と闘う旗手」によってもたらされた「お墨付き」の言葉として大きな影響力を持って拡散されました。甚だしく遺憾です。

6 李信恵さんはリンチ事件の中心人物として適正に刑事・民事責任を問われるべきです

考えてもみましょう、真に差別に反対し人権を守るという崇高な目的をなさんとするならば、まずは脚下照顧、率先垂範でみずからが犯した過ちを真摯に反省し、集団リンチ被害者のM君に心から謝罪することから始めるべきではないでしょうか。人間として当然です。それなしには、いくら「反差別」だとか「人権を守る」とか公言しても空語、空虚ですし、「反差別」を錦の御旗にすれば何をやっても許されると考えている節もあり遺憾です。

特に加害者のリーダー的存在の李信恵さんは、在特会らネット右翼に対する2件の差別事件訴訟の原告となり勝訴しマスメディアによって大々的に報道もされていますが、裏ではこのような集団リンチ事件に関わっているのです。在特会らネット右翼の差別行為を批判する前に、まずはみずからを律すべきではないでしょうか。

これだけの厳然たる事実が明らかになりながら、リンチ直後に出した「謝罪文」を覆し、未だに開き直っていることは驚きです。加害者で中心的首謀的立場の李信恵さんがまずなすべきことは、血の通った人間として被害者M君への真摯な謝罪ではないでしょうか。このためにも、李信恵さんの「不起訴」と、被害者M君が李信恵さんら加害者5人を大阪地裁に提訴し李信恵さんに責任を課さなかった民事訴訟判決は、一般人の感覚、世間の常識からは著しく乖離しています。刑事責任も民事責任も当然あるというのが一般人の感覚、世間の常識でしょう。M君は民事、刑事ともに判決・決定を不服として、民事については大阪高等裁判所に控訴しましたが、賠償金はアップしたものの内容に不満の残る判決でした(直ちに最高裁に上告しました)。また刑事については、大阪第四検察審査会に不起訴不当の申立てを行いましたが、遺憾ながら不起訴相当の議決でした。刑事、民事共に検察、検察審査会や裁判所の判断は、将来に禍根を残すことを強く懸念いたします。

7 安易に出版や販売の差止めを求めるべきではありません

李信恵さんは鹿砦社が出版した出版物に対し、販売の差止めを求めています。また、当社のホームページで日々展開している「デジタル鹿砦社通信」の一部記事の削除も求めています。

周知のように日本国憲法21条は「表現の自由」「言論・出版の自由」を高らかに謳っています。民主主義社会にとって「表現の自由」「言論・出版の自由」は必要不可欠なものです。万が一差止めがなされるのは、その出版物や表現物に高度の違法性があり、差止めなければ名誉毀損やプライバシー侵害等の被害が拡大するという強度の緊急性がなければならないことは言うまでもありません。

李信恵さんは、みずからにとって不都合な表現や言論、出版に対しては妨害したり隠蔽したりする傾向にあるようです。

「言論には言論で」という言葉があります。李信恵さんは、出版物の販売の差止めを求めたりするのではなく言論で対抗、反論すべきです。李信恵さんも、代理人のお二人の先生も著書を出されていますので、出版物を出せる環境にありますし、実際に出せると思います。李信恵さんらは出版物で堂々と反論することを強く望みます。

8「人間の尊厳」や「人権」に反するM君リンチ事件の〈真実〉を知れば、言葉に表わせないほど酷いと感じるでしょうし、裁判所の公平、公正な判断に期待いたします

ところで私事に渡りますが、私は、縁あって2015年4月から2年間にわたり関西大学で「人間の尊厳のために~人権と出版」というテーマで教壇に立たせていただきました。このリンチ事件と、その後の加害者李信恵さんらの言動、また被害者M君への不当な扱い(=ネットリンチやセカンドリンチ)は、まさに「人間の尊厳」も「人権」も蔑ろにしたものと断じます。

私は学生に「人間の尊厳」や「人権」を教える時、普段いくら机上で立派なことを言っても、「人間の尊厳」や「人権」に関わる現実に遭遇した場合、みずからが、いかに対処するかで、あなた方一人ひとりの人間性が問われると話しました。「人間の尊厳」や「人権」は、「死んだ教条」ではなく、まさに〈生きた現実〉だからです。

普段立派なことを言っている人たちが、このリンチ事件の現実から逃げ、語ることさえやめ、ほとんどが沈黙しています。こういう人を私は〈偽善者〉と言います。くだんの5冊の本に、リンチ事件(と、その後の隠蔽)に陰に陽に、大なり小なり、直接的間接的に関わっている人たちの名が挙げられ、質問状や取材依頼を再三送りましたが、全くと言っていいほどナシの礫(つぶて)です。その多くは、この国を代表するような、その分野で著名な人たちです。公人中の公人たる国会議員もいます。良心に恥じないのでしょうか?

私も偶然に、このリンチ事件に遭遇しましたが、学生に「人間の尊厳」や「人権」を話したのに、実際に「人間の尊厳」や「人権」を蔑ろにする事件を前にして、みずからが日和見主義的、傍観者的な態度を取ることは決して許されないものと考え、このリンチ事件の真相究明や、被害者M君の救済・支援に関わっています。

このように、「人間の尊厳」や「人権」について学生に教えた私にとっては、それが言葉の上でのことではなく、その内実を問う、まさに〈試金石〉だったのです。

おわりに

「反差別」を謳う「カウンター」といわれる運動内部で、その中心的なメンバーである李信恵さんらによって起こされた、M君に対する悲惨な集団リンチ事件について私の率直な意見を申し述べさせていただきました。

李信恵さんが今まずなすべきことは、みずからが関与した集団リンチ事件についての真摯な反省であり、かつ被害者M君への心からの謝罪であり、そう考えると、李信恵さんによる本件第2訴訟は、そうしたことが垣間見れず、まさに〈開き直り〉としか思えません。

李信恵さんらによる集団リンチ事件は、私たちが取材、調査、編集、出版した5冊の出版物で多くの方々に〈公知の事実〉として知られるに至っています。特に、第4弾『カウンターと暴力の病理』に付けられたリンチの最中の音声(CD)と巻頭グラビアのリンチ直後のM君の顔写真は強い衝撃を与え、多くの方々がM君に同情と救済の声を寄せてくださっています。

このように多くの方々が多大の関心を持って2つの対李信恵訴訟の審理の推移と結果に注目されています。多くの方々がリンチ事件の内容を知り注目しているのです。裁判所が公正、公平な判断をなされなかったら、リンチ事件を知る多くの人は「人権の砦」という看板に疑問を持ち信頼が揺らぐでしょう。

裁判所は、当然ながら軽々な審理を排し、公正、公平なご判断をなされるよう強く要望してやみません。

李信恵さんの請求は当然のことながら棄却となることを信じてやみません。

これまで申し述べた内容を盛り込み私の「陳述書」として提出させていただきます。

【追記】

9月12日の本件訴訟の準備手続きにおいて、私は急病で出席できませんでしたが、私方が準備したリンチ本5冊の提出が「邪魔」だとして拒絶されました。証拠資料の原本の提出が「邪魔」だとして拒絶されるなど聞いたことがありません。多くの元裁判官や弁護士の方々も首を傾げておられました。私も「おかしいな」と思っていたところ、この担当裁判官が、李信恵さんが訴えた在特会らに対する民事訴訟で李信恵さん勝訴の判決を下した裁判長だったことが判明しました。フェアではないですよね? 幸いに突然京都地裁に異動になりましたが、そのままこの訴訟の裁判長としてあり続けていたら、どのような結果になったかは言わずもがなでしょう(この件、11月2日付け「デジタル鹿砦社通信」参照)。なお、対李信恵第2訴訟(第24民事部)の次回弁論期日は11月14日(水)午前11時30分からです。

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7日発売!月刊『紙の爆弾』12月号 来夏参院選敗北で政権崩壊 安倍「全員地雷内閣」

松岡 お疲れ様です。M君裁判の高裁判決からまだ日も浅いですが、本日はこのかんの動きについて話し合ってみましょうか。

◆M君リンチ事件控訴審判決以後の動き

A  M君控訴審判決は複雑ですね。でも、はっきりしておかなきゃいけないのは、M君が勝訴したという事実ですね。もちろん、判決内容に不満はあるにせよ、賠償金額が113万円超に増額されました。このことはキッチリしておくべきでしょう。

B  しかし判決直後から、判決文にも目を通さないで、東京新聞の佐藤圭記者や、中沢けい、例によって香山リカなどが素っ頓狂な発信をしてましたね。

C  あれは非常に無責任で、知識人(仮にあの人たちがそうだとすれば)には、考えられない行為ですね。

D  彼ら得意の「印象操作」だね。ここ数年もう嫌というほど見せられてきた。嘘を平気で発信する。中学生や子供じゃないんだから、最低限言論のルールは守るべきなんだけど、そのあたりの常識がもはや通用しないのが、彼ら・彼女らだと見ています。

A  判決の日にM君は上告を決めましたね。あの判断は早かったですね。弁護団や支援会の中で議論はなかったんですか?

松岡 それは明かせません。けれど「1%でも可能性があるのであれば最後まで闘おう」と最後は全員一致で決まりました。もちろんM君の意思が最優先されたことは、言うまでもありません。

D  一つ紹介しておきたいんだけど、判決後の報告集会に、凛七星さんが来て発言されたんだ。泣いてたよ。「デジタル鹿砦社通信」でも紹介したけど、そのときに「凜さん、今の心境を短歌に詠んでくれませんか」とお願いしたんだ。凜さんから3首頂いたから紹介します。

過ちも 愚かさもなお 繰り返す 世と縁切れず 酒酌むわれは

情熱と 幻滅の間で 灰色の 街に正義は きょうも闊歩す

十三夜 おもいもよらぬ 声を聴き 月の曇れる 空を眺めり

A  奥深いですね。

B  凜さんには感謝ですね。

◆鹿砦社元社員・藤井正美に「通告書」送付、神原弁護士を代理人として無味乾燥な回答

D  ところで社長、もうあの件は公表してもいいんじゃないですか?

松岡 そうですね。『カウンターと暴力の病理』は事件音声のCD付きで販売して、それが注目を集めましたが、鹿砦社にとっては重大な“事件”についても詳細なレポートを掲載していました。

A  あ、鹿砦社元社員の藤井正美ですね! 業務中にツイッターや私的メールに励み、企業・団体恫喝もしていた…。

松岡 藤井正美さんは、仕事をさぼって膨大な時間、ツイッターをやっていたり、企業・団体恫喝をしていたことは証拠があります。ツイッターに膨大な時間を費やしていたことはわかっていましたが、企業・団体恫喝や、「M君リンチ事件」隠蔽の中心的役割を業務時間中にやっていたことなどは、わからなかったんです。ですから、退職金やボーナスまで支給して会社を辞めてもらいましたが、会社が被った損害が並大抵ではないことがわかりましたので、損害賠償として3千万円支払うように、弁護士を通じて「通告書」を出しました。

B  藤井は誠意ある回答をしてきたんですか? あそこまで証拠が挙げられていたんじゃ、なんの抗弁もできないでしょ?

松岡 ところが、返答の締め切り期間近くになって、ある弁護士から連絡がありました。

A  ある弁護士って、まさか神原弁護士じゃないですよね?

松岡 その通りです。

A、B、C  えっ!!

松岡 神原弁護士から、喧嘩を売るような誠意のない回答が鹿砦社の弁護士に届きました。

A  もし、ですよ。もし俺が藤井の立場なら、絶対に神原弁護士にだけは依頼しませんよ。だって「いまだにしばき隊です!」って再宣言しているようなもんじゃないですか。

松岡 私もびっくりしました。こちらとしては、企業恐喝もどきのことが明らかになった以上黙っているわけにはいきませんよね。でも、血の通った人間らしく、ちゃんとした対応をしてくれれば、穏便に済まそうと思っていましたが、神原弁護士が送ってきた文面には、奇妙な決めつけもあり(弁護士法に抵触する可能性あり)、再度弁護士を通じて藤井さんには通告書を送り回答を待っているところです。

B  腰抜かしかけたよ。なに考えてるんだろうね。

C  藤井の行状の数々には「証拠」が山ほどあるんだけどなぁ。

D  まあ、様子見ですかね。でも、いつまでも「好々爺」が続くとは思えないんだよね、俺には。社長「棺桶に半分足突っ込んだ」(藤井にそう評された)身としてはどうします?

松岡 さあ、粛々と処理するだけですね。

A  あえて左翼用語を使うか、黙んまりが常の社長が「粛々と処理」って、かえって怖いな…。

B  いやはやまた注目事件が破裂しそうですね。

◆鹿砦社対李信恵訴訟の1つ(大阪地裁第13民事部)に李信恵さんの出廷が決定! しかし逃げを打とうと画策か!?

松岡 藤井さんの件はさておき、鹿砦社が李信恵さんを訴えた裁判、10月31日の弁論で、てっきり結審になると思っていたら12月12日に、私と李信恵さんの証人調べが行われることが決まったのもニュースですね。このことを当日(31日)夕方、早速ツイートしたところ、当日出廷した上瀧浩子弁護士や李信恵さん自身からは何のリアクションもなく、2日夜になって当日出廷しなかった神原元弁護士から「緊急訂正」として「鹿砦社と李信恵さんの訴訟について、12月12日の法廷に李信恵さんが出廷するということはありません」とのツイートがありました。おかしいですね、裁判所も、3人の裁判官がわざわざ退席し法廷外に出て合議、双方の意見を聞いて期日と尋問の時間配分を設定したにも関わらず、今さら出廷しないなどと言うことに驚きます。出廷しないということなら李信恵さんは不利になるだけですし、李信恵さんもここは堂々と法廷で「鹿砦社はクソ」と主張したらいいでしょう。

D  でもね、これに関してはちょっと気になる部分があるんです。こちら側は証人申請していたでしょ。被告側は上瀧浩子弁護士が「原告の尋問が行われるのであれば、こちらも申請します」と、たしか発言してました。当日神原弁護士は来ていなかったからね。あとになって「証人の申請をしない」という手で逃げる可能性はないか、と。

松岡 もしそうであれば、いったんは法廷で申請すると言ったことの撤回ですし、裁判所もわざわざ尋問するということで期日を入れたわけですから、法的にどうのこうのではなく「逃げた」と見なされて仕方ないでしょう。

D  そう。法解釈はともかく、素人には「逃げた」としか見えないね。

B  社長、被告で尋問されることはたくさんあっても、原告の本人尋問って初めてじゃないですか?

松岡 失礼なこと言わないで下さい。私はこれまでも原告で何度も本人尋問の経験があります。銀行を訴えた、ある裁判では、「(郷里の熊本弁で)なんば言いよっとか!?」と資料を放って大声を出したこともありました。

B  そうでしたか、失礼しました。

C  いずれにしても12月12日は注目ですね。

A  李信恵出廷となると、連中はまた全国動員かけてくる可能性ありますね。50代のネット荒らしや、どうかしちゃった会社役員、その筋の人みたいな外見のあの人も来るかもしれない。

松岡 法廷闘争では今年最後の大舞台になりますね。

D  この裁判は12月12日で結審、来年3月までには判決でしょう。

◆もうひとつの対李信恵訴訟(第24民事部)をめぐる奇妙な転回と今後の方向性

A  それから、もう一つの対李信恵訴訟で、こちらが提出しようとしたリンチ本の原本5冊を裁判長が「邪魔」と言って拒絶し持ち帰らされた一件はひどかったですね。

松岡 私はその数日前に急病が発症し、当日は行けなかったのですが、悔しさとともに、「なにか変だな」と思っていたんですね。その裁判長、実は李信恵さんが在特会らを訴えた訴訟で李信恵勝訴の判決を下した人だということが判明して、「ああ、そうだったんだ」と“得心”がいきました。そのままではまた李信恵勝訴の判決を下すことは火を見るよりも明らかですが、幸いと言おうか、その担当裁判官、増森珠美裁判長は、年度末でもなく、また月の途中(10月22日付け)で京都地裁に異動になりました。100人以上もいるとされる大阪地裁の裁判官の中で、なにか"動き”があるのでしょうか。

D  それはそうと、社長、"あの件“はどうされるつもりですか?

松岡 どの件ですか?

D  ほら、例のいったん“沈没”したあの人の…。

松岡 その公表は、まだ先にしましょう。

A  「まだ弾は残ってる」ってこの間社長書いてましたけど、どれだけ残っているんですか? 

D  秘密に決まってるだろ。俺が代わりに答えよう。こっちが弾を撃って弾倉が空になりかけると、どこからともなく次々に新しい弾倉が持ち込まれるんだ。「弾は尽きない」ってことだよ。李信恵さんにしろ野間にしろしばき隊の連中にしろ、社長を見くびっていたかもしれないけど、このところすっかり相手にしないじゃない(笑)。俺は関係してなかったけど、昔の話とはいえ、一時は「暴露本出版社」として世にその名をとどろかせた鹿砦社。やはりここは「暴露本出版社」として昔の勢いを取り戻してほしいところですね(笑)。

松岡 ノーコメントです(苦笑)。「ペンのテロリスト」などと嘯いていた、あの頃の元気はありませんよ。私はあくまでも、この事件がひどすぎて、人間として許せないということでやってきただけです。私は一貫して言っているように、李信恵さんらがM君に公に心から謝罪して、それ相応の金銭的な償いなどをやってくれるのであれば、和解に向け汗を流させてもらいますよ。それどころか、最近エル金などは、左翼体験者は私しかいないのでおそらく私に向けて言っているものと思いますが、「極左ゴロ」などと詰(なじ)って、この期に及んでも喧嘩売っていますよね。若い頃だったら、「誰に向かってもの言うてんねん!」てなもんですが、もう「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」ですからね(苦笑)。

ついでなので、最後に一言。M君リンチ事件は、この国の反差別運動にとっても社会運動全体にとっても最大の汚点です。今のまま反省もなく開き直っていれば、将来陰に陽に悪影響を与えます。今はマスコミタブーとして、また李信恵さん周辺の国会議員やジャーナリスト・大学教員・知識人らによって隠蔽されていても、必ず将来的には歪みが出てきます。それでは遅いんです。私たちの力は微力で、私たちの力では、この5冊の本ぐらいしか出せませんでしたが、それでも理解してくださる方はおられました。

比較の対象として適格かどうかはともかく、ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を始めた時、その後のソ連崩壊やベルリンの壁崩壊につながるとは誰も想像しませんでした。蟻の一穴からダムが崩壊することもあるんです。昔風に言えば、「小さな火花も荒野を焼き尽くす」と言おうか、私たちは今は「小さな火花」にすぎませんが、やがては「荒野を焼き尽くす」ことができると信じています。ちょっとアジ調になりましたが…。

C  特別取材班のメンバーが数人入れ替わって、前以上に意思統一が簡単になりましたね。

D  「原則的に行く」と。差別問題でも言論戦でも。おっちょこちょいや、付和雷同はそぎ落としたからね。まあ引き続き頑張りましょう。

松岡 皆さんよろしくお願いします。

(鹿砦社特別取材班)

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10月31日は、鹿砦社や私に対する、李信恵さんによる度重なる「鹿砦社はクソ」誹謗中傷発言に対して、株式会社鹿砦社を原告とし李信恵さんを被告とする民事訴訟(大阪地裁第13民事部。以下便宜上「第1訴訟」とします)の弁論期日でした。

本件と無関係の山口の部落解放同盟幹部の陳述書を提出したり訳の分からない動きはあっても、被告からの反論らしい反論もなく、事実関係はハッキリしているので今回で結審かと思っていたところ、次回12月12日に被告・李信恵さんと、原告鹿砦社の代表の私に対する証人尋問が行われることが決まりました。私は原告会社の代表ですし陳述書も提出していますが、李信恵さんは被告として訴えられているにも関わらず1度も出廷せず陳述書も出さないとなると、裁判所が李信恵さんを尋問することは当然だといえます。

12月12日は、昨年12月のM君が李信恵さんらリンチの加害者5人を訴えた訴訟の尋問同様、対李信恵第1訴訟においても大きな山場となります。予想外の展開です。李信恵さんと法廷で直接対決ができます。畏れ多くも神原弁護士との応酬も楽しみです。

多くの皆様方が傍聴に足を運ばれることをお願いいたします。おそらく李信恵支持者らも多く蝟集するでしょうが、これを圧倒的な結集で凌駕しようではありませんか!

◆ 李信恵対在特会訴訟で李信恵勝訴判決を下した裁判長が、李信恵対鹿砦社訴訟(第2訴訟)の担当裁判官に就任、不公平な言動も異動 ◆

もうひとつ、上記第1訴訟において途中から李信恵側が反訴し、それを取り下げ、新たに別訴となった訴訟(大阪地裁第24民事部。以下「第2訴訟」とします)ですが、こちらも重大な事実が判明しました。李信恵側はとうに周知だったと思われますが、私方は迂闊にも今頃になって気づきました。おかしいなとは思っていたのですが……。

第2訴訟は、鹿砦社がこのかん出版した4冊のリンチ関連本(本年5月に発行した第5弾『真実と暴力の隠蔽』は提訴後の出版なので対象外)中の李信恵さんについて記述した部分に対して李信恵さんが原告となり鹿砦社を被告として訴えたわけです。ところが原告李信恵側からは、書籍の原本ではなく一部だけをコピーして証拠として訴状に付け裁判所に提出されていました。

名誉毀損の裁判ですし相手方に大金や販売差止めを求めていることから、本来ならば当然原本を提出すべきなことは常識中の常識です。そこで私方のほうで原本を用意し9月12日の準備手続きに証拠資料として提出しようとしました。ところが担当裁判官は「必要ない」「邪魔だ」として、あろうことか却下し突き返して当方代理人は持ち帰させられました。こんなことがあるでしょうか!? 私は急病で当日欠席せざるをえませんでしたが、私がいたなら押し付けてでも受け取らせたでしょう。あとから聞き悔しかったことは言うまでもありません。「這ってでも裁判所に行くべきだった」と。

そこで、多くの元裁判官や弁護士の意見も聞き、裁判官忌避申立てをしようと思い、申立書を提出しようとした、その日(10月22日)にその裁判官は京都地裁に異動となりました。年度変わりであるまいし思案していたところ、思わぬ事実が判明しました。まずは次の記事をご覧ください。──

増森珠美=大阪地裁裁判長

「ネット上の民族差別発言で精神的苦痛を受けたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と、元会長の桜井誠(本名・高田誠)氏に対し、フリーライターで在日韓国人の李信恵(リ・シネ)さん(45)が計550万円の損害賠償を求めていた裁判で、一審・大阪地裁の増森珠美裁判長(太字:筆者)は9月27日、人格権の侵害を認め、在特会側に計77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。」(2016年9月27日付け産経WEST)

つまり李信恵勝訴判決を下した「増森珠美裁判長」こそ、原本提出を「邪魔だ」として拒絶した担当裁判官だったのです。驚きました。みなさんはどう思われますか? はたして偶然でしょうか? 公平でしょうか?

もし、このまま増森珠美裁判長が本件訴訟(第2訴訟)の担当裁判官(長)を務めていたならば、不公平、不公正ですし、おそらく〈李信恵勝訴=鹿砦社敗訴〉は必至だったでしょう。

今回、裁判所内でどのような動きがあったのか分かりませんが、幸いにも増森裁判長は異動になりましたので本件第2訴訟から外れました。裁判所は、こうした公平性を欠く担当裁判官の配置ははじめからやめるべきでしょう。そうではありませんか?

先のM君が李信恵さんらを訴えた大阪地裁―高裁判決は、いずれも、賠償金は一部勝ち取ったとはいえ内容的には不満の残るものでした。高裁判決では賠償金の増額はあったものの、司法による被害者救済には程遠いものでした。

ジャーナリストの黒藪哲哉さんは、
〈この裁判は、「報告事件」ではないかと推測している。大阪高裁の元判事で現在は弁護士の生田暉雄氏が著した『最高裁に「安保法」違憲判決を出させる方法』(三五館)によると、裁判所の内輪で「報告事件」と呼ばれている事件が存在するらしい。これは最高裁事務総局が暗黙のうちに判決の方向付けをする事件のことで、提訴しても最初から勝ち目がない。いわば原告をペテンにかけている裁判のことである〉
と推測されています。当初、「そんなアホな」と思っていましたが、あながち否定できないものがあるようです。何しろ大阪高裁の元裁判官が実名で告白しているわけですから――。

裁判所が「ファシズムの出先機関」(トロツキー)といえるような事例は数多くあります。原発再稼働反対訴訟や行政訴訟は、よほど心ある裁判官でない限り、まず勝つことはありません。権力の意志を体現し「報告事件」とされる訴訟は、遺憾ながら勝てるはずはありません。私たちは裁判所の前でうなだれている住民の姿を数限りなく見て来ています。裁判所は、まさに“権力の番犬”だと思わざるをえません。

鹿砦社vs李信恵訴訟2件については、先の「報告事件」説を聞き、正直のところデスペレート感を覚えていましたが、第13民事部係属の第1訴訟で李信恵尋問が決定し、第24民事部係属の第2訴訟は不公平な言動を行った担当裁判官が異動になり、少しは私たちに期待感を持たせるようになりました。あまりに不公平感があることに裁判所内の良識派が動き、今回の事態になったのかどうかは知る由がありませんが、裁判所には、あらためて公平、公正な審理に努められることを心より望むものです。

この2件をめぐる動きで、何としてでも私たちのほうに潮目を変えなくてはなりません。

尚、次回期日ですが、第1訴訟は12月12日午後2時から、第2訴訟は11月14日午前11時30分からです。ご注目いただき、ぜひ傍聴をお願いいたします。

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あきれる。あなたは新聞記者なのか? 人権を守る弁護士なのか? 教養をそなえた大学教員なのか? 10月19日大阪高裁で言い渡されたM君が李信恵ら5名を訴えた控訴審判決が大阪高裁で言い渡された。その後ネット上で上記の人々の発信には、その不埒さにおいて唖然とするしかない。「伊藤さん、李さん、神原さん、おめでとうございます!」、「正義は勝つ!!」、「(誰に対して?)よく耐えたね」……。あなたたちの神経はどうなっているのか?

それら侘しい人たちの発信を吟味する前に、この裁判がとてつもない〈闇の力〉に支配されているのではないか、を判決当日われわれは、またしても体感することとなった。その報告をせねばなるまい。

◆被告席には誰の姿もない。神原、上瀧弁護士らの姿もない

14時からの判決言い渡しは、予定時刻通り行われた。原告側はM君、大川弁護士、瀬川弁護士が出廷。被告席には誰の姿もない。神原、上瀧弁護士らの姿もない。カウンター側の支援者は誰一人来ていない。

傍聴席には15名ほどであろうか。開廷後稲葉重子裁判長は、判決の主文を読み上げる。「ああ、こう来たか」と取材班は判決を聞き、瞬時に評価を頭の中では整理できなかった。主文はどうあれ、高裁がどのような根拠で判断したのか、判決文の全文を読まない限り、軽率に判断はできない。

閉廷後、大川弁護士ら数名は書記官室に、判決文を受け取りに向かった。そして事件はそこで起こった。判決言い渡しのあとに、原告、被告が判決文を入手するのは、極めて常識的なプロセスである。ところが書記官室に判決文を受け取りに行ったところ、職員が「できればきょうではなく後日お渡ししたいんですけれども」、「すぐにはお渡しできないので……」と耳を疑うような言葉を平然と述べた。

「どうして判決言い渡しがあったのに判決文がもらえないのですか」、「ちょっと待て。M君が原告の裁判では、1人も記者が来てはいなかったが、司法記者クラブが記者会見を用意していたら、裁判所は記者たちに判決の要旨を配布するではないか」の問いに職員は「それはそうなんですけど……」とおかしな反応を示す。

「今すぐ判決文を受け取る権利がある。出してください」と要請すると「検討します」と逃げるので「検討ではない、原告の正当な権利として判決文を渡しなさい」とやり取り後、原告側はいったん、廊下で待たされ、約10分後にようやく判決文が原告側に渡された。

◆神原元弁護士はなぜ14時33分に「勝利宣言」をツイートできたのか?

主文は掌握していたが、裁判所の判断などを原告側が初めて目にしたのは、14時17分から14時20分の間だ。

ところが、のちに明らかになったのであるが、神原元弁護士は14時33分に「勝利宣言」をツイートしている。彼はおそらく電話で判決の主文を問い合わせたのであろう(原告、被告の代理人が遠隔地の場合電話で判決主文を問い合わせることは行われているそうだ)。

しかし大川弁護士をはじめとするわれわれは「少し廊下で待ってくれ」と言われ、仕方なく待機を余儀なくされた。判決全文を読まないことには評価が下せないが、神原元弁護士はどうやら、電話での確認だけで、「勝利宣言」を発信したようである。

仮に職員の申し出に「ああそうですか」と引き下がっていたらM君は判決当日判決文を入手できなかったのだ。どなたさんたちとは違い、慎重なM君や弁護団は主文を聞いただけで、判決の総合的な評価は下さないから、当然発信もしない。ネット上では勝手に被告支持者の「勝った! 勝った!」、「おめでとう」という言説が流布される。

東京新聞東京社会部佐藤圭記者の10月19日付けツイート

香山リカの10月19日付けツイート

◆「リンチは判決によって否定され、原告M君が敗訴した」かのような印象操作や鹿砦社攻撃に余念がない人たち

「こんな経験はありません」。廊下で待たされる間に大川弁護士は次から次へと起こる”摩訶不思議”な出来事に、あっけにとられていた。通常の裁判所の事務手続きでは考えられない「翌日に判決文を取りに来い」との物言いに、「裁判所は完全にあちら側に懐柔されているのではないか」と何度も複数の人々が主張した”何らかの力・意志”の存在を認識せずにはいられなかった。

度重なる記者会見申し入れの拒否、一審判決の著しい偏向、そして控訴審判決直後の不自然な対応……。挙げればきりがないが、後日、判決文と周辺事態の感想を複数の弁護士、法律の専門家に尋ねたところ、「最高裁の意を受けたり、政治的な力学で判決が左右されることは常識といってよいほどにある。原発再稼働容認の判断などを見ればわかりやすいだろう」との意見が多数であった。

市民が合法的に民事の争いを持ち込む場所は、裁判所をおいてほかにない。しかし裁判所が「中立」であったり「真摯に事実に向き合う」機関ではないことは、過去あまたの冤罪事件(民事も刑事も)や、「これはおかしいだろう」との判決が山積している事実を見ればわかる。「裁判所に過剰な期待や信頼を置くのは危険だ」と取材班は、もはや断言せざるをえない。そして「M君リンチ事件」の裏には“何らかの思惑”が確実に働いている。

そんな裁判所、大阪高裁判決に対して、東京新聞の佐藤圭記者、法政大学中沢けい教授、そして香山リカ氏……。彼らはそろいもそろって、あたかも「リンチは判決によって否定され、原告M君が敗訴した」かのような印象操作や鹿砦社攻撃に余念がないが、それは全く間違っている。

10月26日付け伊藤大介フェイスブックでの中沢けい(法政大学教授)とのやり取り

東京新聞東京社会部佐藤圭記者の10月26日付けツイート

◆「集団暴行」による賠償は一審に引き続き認定されているにもかかわらず……

そもそも彼らは「リンチ」の定義を勝手に「組織的な集団暴行」と決めつけているように窺えるが、その前提がまず間違いだ。「リンチ」は「私刑」を意味するのであり、法律や条例により定められた刑罰ではない、「私的な制裁」が元の意味である。「リンチ」=「集団暴行」ではなく、正確には「リンチ」の概念の中に「集団暴行」が包含されるというべきである。それでも彼らが主張するように「集団暴行」を「リンチ」と解釈する前提に立てば、高裁判決は「リンチ」を否定したのか? してはいない!

伊藤大介の「幇助」を認定しなかったものの、高裁判決はエル金と凡にそれぞれ損害賠償を命じている。2名の責任を認定しているのだから「個人間」の「暴行」ではなく「集団暴行」による賠償は一審に引き続き認定されており、その額も一審判決よりも増額されている(一審判決79万9,740円から113万7,640円へ)。

そして重要なことは、この裁判は事実を争うことのみが主眼ではなく、M君が受けた心身の被害に対する、当然受け取る権利のある、損害賠償請求が争点の中心であったことである。「集団暴行」が間違いない事実であったことは、本訴訟を待つまでもなく、既にエル金と、凡が罰金刑に処されたことにより確定しており、両者にはこの刑事罰についての異議はないようである。法廷でもエル金、凡は自己の責任を認め、M君に対する謝罪の意思を証言している。また当然のことながら、判決文のどこにも「集団暴行はなかった」旨断定する記載はない。

そしてあまり重視されていないが、伊藤大介が提起した反訴が一審に続き、棄却されている。

この総体をどう解釈すれば、どこかM君に非があったり、「リンチはなかった」、「正義は勝つ」などと判断できるのか。いい歳をして社会的にも地位があり、知識人として名前の売れている方々であまりにも不用意な発信を続けている人々には、上記の事実に真っ当な反論をしていただきたいものだ。「印象操作」は嘘と同等にネット社会では罪深い。それくらいは、だれでも理解できるだろう。(本文中敬称略)

(鹿砦社特別取材班)

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多彩なエロス、SFから児童文学まで縦横無尽な世界観織りなす作家、森奈津子さん。ツイッター上ではM君支援を宣言してくださり、そのためか、しばき隊から現在も集中攻撃を受け続けている方でもある。大好評だった前回までのインタビュー記事に続き、特別取材班は再び森さんに電話でインタビュー。「表現の自由」をはじめ様々な問題についてご意見を伺った。

◆反権力を気取っている人が、治安維持法みたいな法律を作ろうとしている

 

森奈津子さんのツイッターより

── (反差別という点で)その点、われわれは原理主義的にあらゆる差別に反対です。ただしわれわれはあらゆる差別をしていないつもりでも、知らないが故に言葉遣いとか振る舞いで差別を犯しているということがあるかもしれませんので、あらゆる差別を否定するではなくて反対するという表現でいつも統一しているつもりです。今新たにご示唆いただいた議論をするということですよね。何かコードを作ってしまって、レイシストだからとか、差別主義者だからとか、右翼だから左翼だから、とあるカテゴリーにはめて、だからどうのこうのということは非常に短絡的だと感じます。短絡的な人は実際にたくさんいます。それを助長する一つの要因が、適切にツイッターとかSNSを使えない人たちではないかと思います。

森  そうですね。合田夏樹さんが「彼らは反差別というよりは、反差別を言い訳にしていじめをしたいだけのいい歳をした大人だ」と仰っていましたけれども、おそらくその通りでしょう。やはり、叩いてそれで終わりでいいの? というの思いは常にあります。今、LGBT差別解消法という、アウンティングを禁じるとかLGBTに対する差別をなくすための法律を作ろうという動きがありますよね。あれだって「ホモ・レズ・オカマは差別用語です」という主張をする人が出てくる中で、そんな法律作って大丈夫なのかと。それこそLGBTが自分たちの首を絞めることになりかねないし、そんな治安維持法みたいなものを作るために、LGBTを利用しないでくれとも思います。でも賛成している当事者もいて、ちょっと驚きますね。何が差別かどうかという線引きを体制側に任せて、それで大丈夫なのかと。普段は反安倍とか言ってる人が何を言っているのかと思いますよ。反権力を気取っている人が、治安維持法みたいな法律を作ろうとしていて、体制側を信用しているのかと驚きます。

◆左翼リベラルの凋落

── 既にヘイトスピーチ対策法という法律は、理念法ですけれども成立をしています。その成立に関してはしばき隊の人達は非常に熱心に活動されたようです。ところで本来知識人の中に入れてはいけない人が、新たに知識人の中に入ってしまっている。かつて知識人であった人たちがどんどん堕落している。ある意味ではあたっていると思いますが、左翼リベラルというものが凋落している。一面では事実だと思います。それを森さんはどのようにお感じになりますか。

森  本来だったらリベラルと名乗ってはいけない人がリベラルを名乗っているのは驚きですし、多様性多様性と言っている人が何であんなに一生懸命自分と意見の異なる人を中傷して叩いているのか、本当に疑問に思います。なんであのような人達がリベラルと名乗っているのでしょうね。私は自分のことをリベラルだと思っていましたけれども、リベラルと名乗れなくなりました。あのような不寛容がリベラルだなんて、いつの間に言葉の意味が変わったのだろうと疑問に思っています。

── 明らかに変わりましたね。リベラルというのは大雑把にですけど、良い語感でしたものね。

森  そうですね。それが攻撃的で印象の悪い不寛容な人達を指す言葉になりつつあるようです。あの人達が自称しているから言葉の意味が駄目になったのでしょうかね。

◆香山リカは何でリベラルを名乗るのか?

── それもありますが、たとえば80年代頃の香山リカはリベラルの範疇だったと思うんです。かつてリベラルだった人達がどんどん堕落してしまった。書籍はあまり読まれない。本来は書物から得られる多様なものの考え方というところの回路が、通じなくなっているのではないのかなという気もするのですが、どうでしょう。

森  はっきり言って、この人が何でリベラルを名乗ってるの? と思いますけれども、皆さんリベラルと認識しているようですし。また、ツイッター上ではフェミニストを名乗る人たちが平気で男性差別発言をしてるため、フェミニストが男性を差別する差別主義者だと見なされつつあります。それと同じような現象でしょうか。

── 穏健ではない偏狭な人達の意見が目立つから、フェミニズムというのはそういうものだとある意味では実態化しつつあるでしょ。

森  本来は、フェミニズムって人権を基礎とした理論じゃないですか。そして、人権というのは全ての人が持つものですよね。なのに、フェミニストを名乗っている人が男性の人権を侵害したら、フェミニズム自体が崩壊するはずなのに、わかっていない人たちがそれを信じてしまうのか。ああいう人達はフェミニストとは言えないのだ、というちゃんとした反論よりも、「フェミニストって男性差別をする人なんだね」「ミサンドリストのことをフェミニストと呼ぶんだね」という認識の方が主流になってしまって、「フェミニストを名乗る人は差別主義者」みたいなところまで行っていますよね。リベラルに関しても同じかなと思います。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

◎今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー(全6回)

〈1〉2018年8月29日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27255
〈2〉2018年9月5日公開  http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27341
〈3〉2018年9月17日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27573
〈4〉2018年10月24日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28034
〈5〉2018年10月30日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28042
〈6〉2018年11月8日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28069

(鹿砦社特別取材班)

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

多彩なエロス、SFから児童文学まで縦横無尽な世界観織りなす作家の森奈津子さん。ツイッター上ではM君支援を宣言してくださり、そのためか、しばき隊から現在も集中攻撃を受け続けている方でもある。大好評だった前回までのインタビュー記事に続き、特別取材班は再び森さんに電話インタビュー。「表現の自由」をはじめ様々な問題についてご意見を伺った。

 

森奈津子さんのツイッターより

◆差別用語と自主規制

── 今日は大きなテーマですけれども「表現の自由」をどう考えたらいいのかをお伺いしたいと思います。森さんのご見解を教えていただければと思います。まず、森さんは作家のお仕事をなさっています。しかもその中で性的な表現をお使いになる作風の作品もたくさんお書きになっています。これまでお仕事をなさっている中で、ご自身の作品を世に出すにあたって、何らかの不具合や作品の中で表現について困ったり、トラブルになったことはあったでしょうか。

森  表現で一番問題になるのは、差別用語ですよね。私は小説家としてデビューしたのが1991年ですけれども、当時から同性愛テーマは扱ってました。ゲイやレズビアン、バイセクシャルの少年少女が出てくるような話を書いてきました。その頃に編集者から突然「このような文書が来たので気を付けてほしい」と言われました。あるゲイリブ団体から「ホモ、オカマ、レズは差別用語なので出版物に使用するな」というような手紙が送られて来たそうで、おそらく、あっちこっちの出版社に手当たり次第に送ったものだろうと思われました。ホモ、レズ、オカマ、どれも当事者がニュートラルに使ったり、おふざけ的に使ったりすることもある言葉ですね。当事者同士がふざけて「このオカマ」とお互いに言ったりする。洋画では黒人同士が「ヘイ、ニガー」と言い合うシーンがあるじゃないですか。そういう感じですよね。「このオカマ」「このレズ」と。お互いに当事者がふざけ合って言ったり、自称する人もいます。自分はホモを名乗りたい、レズを名乗りたい、オカマを名乗りたいという当事者もいます。そういったニュートラルな使い方すらできなくなるのか。それはおかしいのではないのかということと、そういう差別用語を禁止するということは、表現の中でそのような差別用語を投げ付けられて悔しい思いをしたというシーンが書けなくなるではないかと。

そのことを担当編集者に言ったところ、たぶん編集長とか部長クラスの方と話し合ったと思うんですね。その後、そういうことでしたら使ってもいいですよと言われました。ただ、それで自主規制した出版社は他にあったかもしれないですね。そんなことが90年代前半にありました。それから、本当にこれどういうことかと思ったのが、90年代半ばに、「『人種』という言葉は人種差別に繋がるので使わないでほしい」と編集者に言われたことです。人種という考え自体が差別になるので使わないでくれと言われて(笑)、しかたなく直したんです。酷い自主規制だと思います。

── speciesの人種ですね。英語でいうところの。

森  はい、そうです。人種という言葉が人種差別を生み出すので、人種という言葉を使わないでください。「おかしいじゃないですか」と言ったんです。編集者の言い分は「森さんはまともだからそうおっしゃるでしょうけど、中にはまともじゃない人がいて抗議をしてくるんです」でした。「そんなまともじゃない人はあなたの脳内にしかいないんじゃない?」と私は思ったんですけれども、自主規制というのはそうやって進んで行くのですね。

◆「美人」は差別表現で「天才」は差別表現ではない?

森  他にも90年代後半に、「美人」という言葉を使ったところ、編集者に「美人という言葉は、美人じゃない人に対する差別に繋がるので、美人という言葉を使わないでくれ」と言われました。私は「人の美点をたたえるような表現は、みんな差別ですか。そうじゃない人に対する差別ですか」と聞いたのです。「誰々さん天才」と言ったら、天才ではない人に対する差別なのですか。誰かを褒めたたえる言葉が使えなくなるじゃないですか、とも言ったのですが、やはりその編集者は「森さんはまともだからそうおっしゃるでしょうけれど、中にはまともじゃない人がいて抗議をしてくるのです」と。そのときも「そんな人はあんたの脳内にしかいないんじゃない?」と私は思いました。

こちらは、過激なフェミニストを想定しての自主規制だと思いますね。ミスコンに反対するフェミニストがいたじゃないですか。そういうのを見て、美人を褒めたたえたらああいう怖い人達が乗り込んでくるという発想です。担当編集者自身は作家に「あの表現やめろ、この表現やめろ」と言ったところで、痛くも痒くもないわけです。自分が怖い人達から抗議を受けて社内での立場が危うくなるということ。それが一番怖いのであって、それが避けられればどうでもいいという編集者が、世の中にはいるわけですよ。

── 編集者というよりは会社員であるという自分の立場が優先するということでしょうか。

森  そうですね。

◆「コンプライアンス(法令遵守)」をめぐる議論の不在

── 今教えていただいたご経験のように、広く世間で合意がなくても、過剰に言葉について反応してしまったり、場合によってはあるそういう団体から抗議が実体的にあったりして、それが議論になったりということで、その言葉がどうなのかという議論が交わされるということはあり得ると思うのですが。

森  議論はいいことだと思います。

── 最近コンプライアンスという言葉を世の中でよく聞くようになりました。ところがコンプライアンスという言葉は、なにもわざわざカタカナで使わなくても「法令遵守」という四文字の漢字で全く同義に置き換えられます。置き換えられる以上に、コンプライアンスという言葉は、単なる法令遵守ではなくて、忖度してしまって、あるいは自己防衛的になっている。表現にかかわる人たちは、本来は表現のみずみずしさとか新鮮さを活かすことに傾注しなくてはいけないのに、そうではなくて自分の給与所得者としての地位の方を優先している。

森  そうですね。

── そういう現象は今ご紹介したことだけでなくて、私達もこの取材をする中で、痛切に感じました。

森  弱腰になっている感じがありますね、皆さん。

◆自称「反差別」の人たちによるレッテル張り

――「人種」という言葉が槍玉にあげられて問題になったご経験をなさった。この20年ぐらいで、青少年健全育成条例とか、児童ポルノ禁止法ができました。そういうものの影響もあるのでしょうが、それ以上に現場に関わる人たちが勝手に先走って規制をしてしまうことが、表現の幅を狭めているのではないかと懸念を感じますがいかがでしょうか。

森  それは大いにあると思います。何か抗議を受けたら、その後に議論すればいいのに、「おまえはレイシストだ、もう黙れ」「おまえはネトウヨだから黙れ」みたいな論調で叩いてくる自称反差別の人も多いですね。

── レッテル張りして終わりということですね。

森  そうですね。ぎゃあぎゃあ喚いて叩いて終わり。議論が発展しない。最初から罵詈雑言で何も話す気はないし、平気で嘘をつくし、平気でデマを流す。叩ければそれでいいのかと。批判が生まれた後にそこから議論し、どちらが本当に良い考えなのか、結論を導くべきものなのに、相手を叩いておしまい。潰そうとするのです。私もやられていますけども、そういうことやられたら、こちらはそれを拡散するだけですよ。「こんなことされてますが、皆さんどう思いますか」と。

自称反差別の皆さんは、そういうことを繰り返しているから、支持を失っているわけで。反差別と言えば私も反差別ですし、鹿砦社の皆さんももちろん反差別で、差別は許さないという点ではみんな共通だと思います。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

◎今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー(全6回)

〈1〉2018年8月29日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27255
〈2〉2018年9月5日公開  http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27341
〈3〉2018年9月17日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27573
〈4〉2018年10月24日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28034
〈5〉2018年10月30日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28042
〈6〉2018年11月8日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28069

(鹿砦社特別取材班)

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

「やや日刊カルト新聞」の「総裁」にして、業界ではカルト問題取材では、超有名人である藤倉善郎さんにお話を伺った。直接的にはオウム真理教関連集会での香山リカ氏による、取材妨害が話題になったことがきっかけであったが、「カルト」や「表現の自由」についての最新の情報をお伝えいただけた。カルト取材専門家が見る「しばき隊」の問題とは? 今回が4回連載の最終回。

◆ツイッター凍結と幸福の科学によるDMCA申し立て

 

藤倉善郎さんのツイッター

── ところでちょうど藤倉さんのツイッターは凍結されているんでしたっけ?

藤倉 今日(取材当時)解除されました。(※その後、再び凍結され、現在は別アカウントで活動中)

── 凍結の理由はおわかりになりましたか。

藤倉 理由は分かりました。幸福の科学がアメリカのデジタルミレニアム著作権法(以下、DMCA)というのを使って、削除を申し立ててきたのです。略称でDMCAの申し立てが来るとツイッターは複数の申し立てが来たら機械的に凍結する、と決めています。DMCAの情報を自分で調べないと、幸福の科学が何について申して立てたか知る術がありません。ツイッターは教えてくれません。そこで自分で調べたら、幸福の科学が34件もの大量のDMCA申立を行っていました。
 たとえば、幸福実現党が選挙違反で家宅捜索をうけたことがあって、その直後に大川隆法は誰かの霊言を降ろして、3日くらいでスピード出版したんです。それをいち早く僕は入手して、表紙とスカスカの中身という1頁だけ撮影した画像をアップしたんですが、それが著作権侵害だという主張なんです。時事の事件そのものを伝える写真が著作権侵害でダメだ、という無茶苦茶な理由でした。それを受けてツイッターが機械的に凍結というものでした。差別を想定した表現規制はこれからですが、著作権を使った表現規制は既に完成されているんです。

◆著作権法違反容疑で家宅捜索されてしまう社会

藤倉 報道とか評論の範囲のものであっても、著作権侵害だと申し立てることによって潰せるシステムがもう出来上がっています。DMCAやツイッター社の問題は日本だけではなくむしろアメリカの制度の問題ですが、日本でも著作権法は名誉毀損と違い「公共性・公益目的により」許すという条文が一切ないんです。これを出すことがが社会的にどれほど有益であろうとも、著作権法の手順を踏まえていないものは全部ダメという法律です。僕が2011年で著作権法で家宅捜索を受けた頃から、僕は著作権法はやばいと言い続けています。

── 著作権法違反容疑で家宅捜索までされたのですか。

藤倉 はい。ある宗教団体から刑事告訴をされ、不起訴で終わりました。それと同じことが差別、ヘイトスピーチでも出来上がっていこうとしているところだと思います。それから著作権法はとても難しいです。著作権法の実務をちゃんとやっている人であれば、評論のために必要な最低限の引用と言えるから問題ないだろうとか、微妙だとか、アウトだとかとすぐに言ってくれますが、ツイッター社とかはそういうことは分からないでしょう。申し立てが行われた、という事実で全てクロ判定して凍結してしまいます。僕もそのへんの絡みで弁護士と話をしているうちに見極めができるようになってきましたが、たぶん弁護士でも著作権法の実務をやっていない人間が目にしたら、わからない人は多いのではないかと思います。

── 私も引用記事で原稿を書く際に編集者から、「著作権でやばいです」と言われたことがありました。

藤倉 そこが難しいところなのですが、引用は引用部分の長短が問題ではないんです。僕が家宅捜索されたのはあるカルト宗教が、学生を騙して勧誘する時に使っているパンフレット数十頁すべて掲載した事が理由でした。それを「著作権侵害」だと言われたのです。どうして全部掲載したのかと聞かれて、「全部引用だ」と主張しました。「偽装勧誘するにあたって、その冊子の中で一言たりとも、教団名を記していないですよ」ということを主張するために、全文になっただけで、必要最低限の部分しか引用していないですよと言い張って、不起訴になりました。「必要最低限しか引用してはいけない」という基準があるので、長文の引用はダメだと思いがちですが、条件さえ満たしていれば全文引用でもいいんです(※個別の事情次第なので、常に問題ないとは限りません)。

── なるほど。著作権法についてはもっと関心を払う必要がありそうですね。ところで、差別についても同様の規制がおこなわれたら、妥当な判断ができるのか、と疑問があります。SNS上での差別表現が申告数でだけで判断されるのであれば、機械的に対応は可能でしょうが、文脈・文意を読み解くことまでは無理でしょう。そうすると「民─民規制」がますます進行しますね。

藤倉 表現の自由については、既に行った表現についての責任を取らせることに特化すべきで、前もって表現を行わせないようにするのは、どう考えてもダメなんじゃないかと思います。

── 行った表現について責任を取らせるのは、現行法の損害賠償で可能ですね。でも表現規制法は、「考えている」ことを規制するわけではないけれども、かなりそれに近くありませんか。

藤倉 近いのと、これは人間を規制するんです。フェイスブックで差別反対の趣旨で差別表現を引用したら、アカウント丸ごと使えなくさせられた人がいました。差別表現を引用して批判することもできないというだけでもおかしいのに、アカウントごと使えなくするというのは「こいつはヘイトスピーチをやる人間だから、ヘイトスピーチじゃない発言もさせない」ということです。それはまずい。個々の発言であれば、申し立てがあれば消して「ちゃんとして」と。内容を訂正すれば復活させてあげるよ、というのであればそれでも良いのかもしれないです。でもアカウントを丸ごと凍結するのは、SNSがライフラインになっている今の時代ですから(災害時には命にもかかわる)これは相当異常なことだと思いますね。

藤倉善郎(ふじくら・よしろう)さん/1974年、東京生まれ。北海道大学在学中に北海道大学新聞会で自己啓発セミナー問題についてのルポを連載。中退後、2004年からフリーライター。日刊ゲンダイ等で記者活動を行なう傍ら自己啓発セミナー、宗教、スピリチュアルの問題、チベット問題、原発事故等も取材。2009年にニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(所属記者9名)を創刊し、現在、同紙の「被告人兼総裁」。2012年に週刊新潮で幸福の科学学園の実態に関するルポを執筆し、1億円の損害賠償を求めて提訴されるも完全勝訴。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社)

◆世の中を良くしたい人たちが、自分たちの首を絞めることを権力にやらせようとしている社会

── SNS上のことだけではなく、実際の発言も対象になりますよね。

藤倉 発言をした場所に仮に、規制を担当する人がいれば現行犯逮捕されることだってあるかもしれません。

── そのような表現規制は「差別反対」を纏っていても、必ず政治家や権力者への批判封じに拡大してゆくでしょう。政治家の人格とか出自とか。いまある「ヘイトスピーチ対策法」は対象を明示していますが、解釈改憲をやる政権ですから。書かれている文言が拡大解釈される可能性はありますね。

藤倉 ヘイトスピーチ対策法は外国人の話だけですが、あれだと被差別部落差別に対応できないので、差別を規制したい側は、規制を拡大しろという訳です。でも被差別部落差別は出身地や職業が直接の判断基準にされていて、人種でいえば一切違いのない人たちなわけです。このあいだ大相撲で負けた力士に「青森に帰れ」と言ったら「ヘイトスピーチ」だと問題にされていましたけれども、ああいうことになってくるわけです。

── 規制したい人たち(法務省・警察など)が望んでいることはわかりますが、他方、人権のことを当事者としては一生懸命考えていらっしゃいながら、人権を守らんがために規制立法をつくることが差別解消のためによいことだとお考えの方にはどのように提示したらわかりやすく理解していただけるでしょうか。

藤倉 無理だと思います。そこが今の世の中の病理の根本だと思います。世の中を良くしようとしている人たちが、自分たちの首を絞めることを権力にやらせようとしている。そのことに気づいていればそうはならないし、方向転換するはずですが、表現規制を危惧する意見の人が「表現の自由の方が差別問題より大事な連中」であるかのように言われ、表現の自由を守る人たちは「オタク、ネトウヨだ」のように陣営化して捉えられてしまう。それはおかしいことだから、ちょっとやり方を変えた方がいいよね、とは一向にになっていく気配がない。これそこカルト問題の真髄だと思います。いいことをしているつもりで人の人権を踏みにじる。救済のためにサリンを撒いたのと同じ構図です。しばき隊が自分たちが暴力的だと自覚してレイシストに暴力を振るうのよりも、さらにやっかいな現象だと思います。「俺たちは良いことをやっているから、その信念は絶対に揺るがない」と。

── この時代の一番大きな問題はそれかも知れませんね。(了)

(鹿砦社特別取材班)

◎カルト取材専門家が見る「しばき隊」の問題とは?「やや日刊カルト新聞」藤倉善郎総裁に聞く!(全4回)
〈1〉2018年10月11日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27899
〈2〉2018年10月16日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27942
〈3〉2018年10月18日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27952
〈4〉2018年10月22日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27991

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

10月19日14時から大阪高裁でM君が李信恵ら5名を訴えた控訴審の判決言い渡しが行われた。判決の詳細などはここではスペースがないので、閉廷後、大阪弁護士会館で行われた「M君控訴審判決報告集会」の様子をご報告する。

大川伸郎弁護士

◆どうしてこんな判決になったのか?

冒頭に大川伸郎弁護士から判決について以下の通り解説があった。

「判決の主文では金良平さんに対する賠償額は113万7,640円に上がっていますが、一審で認められていた伊藤大介さんに対する請求は棄却されています。残りの李信恵さん、松本英一さんに対する請求も棄却。李普鉉さんに対する1万円は維持されました。どうしてこんな判決になったのか。判決文を見たところ、事実認定において1審の事実認定を引用したに等しい。全くわれわれの控訴理由書でつぶさに書いた点を検討した形跡が見られない。驚いています。
 伊藤さんの『話が終わっていないのなら、店の外に行った方がいいんじゃない』李さんの『殺されるんやったら店の中におったら』といった発言を『暴行を容認する言葉を用いている点で適切さを欠くとはいえるものの、金の暴行を客観的に容認し、社会的相当を逸脱するものであったとはいえない』という判断です。
 実は、事前にこういう判決があるのではないか、と恐れていました。裁判官からすれば、金良平以外の請求を棄却する方が、判決文を書きやすいからです。明確にそうです。
 伊藤大介だけ責任を認め、李信恵の責任を問わない(1審判決)方が理論的整合性を保ちにくいんです。危惧はしていましたがまさかそういう判決が出るとは驚いています。結論から言えば高裁も平凡な裁判のレベルで、都合よく事実関係を切り取り、それに法律を当てはめたに過ぎない。
 本来民事裁判は各種事情、法廷での発言だけではなく、様々な事情、場所、時刻、暴行が続いていた時間、どういう形態であったか、しつこさ、人間など、われわれはコミュニケーションをとって社会生活を営んでいますから、そういったものを総合して初めて判断を下すわけです。そこがすっぽり抜けています。
 控訴理由書でもそこを主張しましたが、高裁は触れず紋切り型で表層通りの判決です。がっかりであり驚きでありいろいろな思いがあります。こちらの問題提起には全く答えていません。納得がとてもいかない判決です」

法廷画家・桜真澄さんによる判決言い渡しの様子。ほんの数分で終わったので1枚しか描けませんでした。(桜さんご自身の承諾を得て掲載しています)

裁判とその周辺への感想を述べるM君

◆M君の総括

続いてM君が発言した。

「きょうはお越しいただいた皆様にまずはお礼を申し上げます。ここまで来れましたのは、何よりも支援者の皆様あってのことですので支援者の皆様にもお礼を申し上げます。残念な判決となりましたが、総括を述べさせていただきます。まず彼らの『歴史修正・歴史の捏造』を許すものではなかったということです。今回の事件を司法に問う、社会に問うことができました。30年後、50年後『しばき隊』などと呼ばれている連中が、2010年代の反差別運動だと書かれることはなくなりました。これは大きな成果ではないかと思います。
 そして裁判とその周辺への感想ですが、2つのものが、みずからその信用を損ねたのではないかと思います。それは報道機関と裁判所です。報道機関についてはどういう訳か彼らに対しての忖度が働いているとしか思えない、奇怪な行動をされていることは皆さんご存知だと思います。裁判所は大川先生のお話にもありましたが、虚心坦懐に当事者の話を聞こうとしない。かつて戒能通孝という偉い先生がいました。50歳を過ぎてから弁護士になり、裁判闘争を重ねる中で晩年このような言葉を残しています。『実は日本において、裁判所こそが司法制度の破壊者なのではないか』と。その一端を自分の裁判闘争を通じて垣間見たような気がします。戒能先生は『戒能は間違っていた、とのちの世の人に証明してほしい』とも述べておられます。それに対する道のりはいまだ遠いと感じます。
 おそらくこれで神原さんや伊藤さん李信恵さんは祝杯を挙げるのではないかと思います。しかし、裁判所がどういう経緯でこの判断に至ったのかわかりませんが、どれほど報道機関や裁判所が彼らに対し甘い態度をとっても、彼らがあのような横暴を繰り返す限りにおいて、歴史的評価・社会的評価は変わるものではない、と考えます。きょうで裁判は一区切りで今後の対応は支援会と相談しますが、ここまでのご支援に深く感謝いたします。ありがとうございました」

◆「〈ファシズムの出先機関〉としての裁判所が、今や弱者の味方ではなく、〈人権の砦〉でもないことを顕著に示した判決です」(松岡利康=鹿砦社社長)

続いて鹿砦社松岡社長が支援者代表として感想を述べた。当日の松岡の発言はここでは割愛するが、現在、彼の考えは松岡のフェイスブック(https://www.facebook.com/toshiyasu.matsuoka.7)で表明されているので下記の通り転載する。

松岡利康=鹿砦社社長の2018年10月20日付けFacebookより

松岡利康=鹿砦社社長の2018年10月20日付けFacebookより

松岡利康=鹿砦社社長の2018年10月20日付けFacebookより

ふだん穏健で鷹揚としている松岡も相当怒っている。裁判所に、李信恵らカウンター/しばき隊の連中に、そして彼らを支える神原、上瀧弁護士らに。松岡は「江戸の敵(かたき)を長崎で討つ」と言っている。つまりM君の悔しさを、これからは鹿砦社が主な舞台となる裁判闘争や言論活動で晴らすということだろう。どんな〈爆弾〉を落とすことやら。

◆胸を打たれた凛七星さんの発言

その後参加者からの質問発言に移った。何人もの人が様々意見を述べたが、この日最も印象的であったのは凛七星さんの発言だった。

涙ながらに語る凛七星さん

「私としてはこの事件のもとになった『カウンター』という運動を起こした一人として、大変忸怩たる思いです。このようなことが起こる原因であったのは私ですし、それを止められなかったのも私の責任だと思っています。
 今回の結果に残念な思いです。いっときの勢いはなくなったとはいえコアなメンバーは残っていて、それを続けているので何も知らない人の中に影響を受ける人が出てくると思います。私はM君の事件をきっかけとして、現勢力中心の野間だとか李信恵だとかに、できればトドメをさせるような結果になってほしかったのですが、そうならなかったのは非常に残念です。
 また彼らの言葉に踊らされて、被害にあう人が出てくる。エル金なんて言うのは狂言回しのようなもので、本丸に手が届かなかったのはすごく残念です。今後何もないことを願っていますが、たぶんまた起こすでしょう。なんていうんでしょうかね……(涙)
 その思いはM君や大川先生が強く思っておられることだと思うのでここまでにしておきます。私たちはちょっと心が痛い思いでいます」

凛七星さんの発言には胸を打たれた。

◆負けた部分はひた隠しにし、「勝った、勝った」と狂喜する者たちよ

さて、それまでの発言にもあったが、取材班も裁判所に対しての期待値は極めて低く、この日の判決は「控訴棄却」ではないかと予想していた。実はM君が李信恵を検察審査会に申し立てた審査結果が数日前にM君へ届いていた。「不起訴相当」だ。検察審査会は本当に審査を行ったのか、そのこと自体が疑わしい。

開廷後、稲葉重子裁判長の口から「双方の控訴を棄却する」の言葉ではなく、賠償金額の増額と伊藤大介への請求を棄却する主文が読み上げられた。賠償金額の増額は喜ぶべきことであるが、あの最低レベルの一審の合議体ですらが認定せざるを得なかった、伊藤大介の幇助までを認めない判決は、大川弁護士が述べた通り「裁判官にとって書きやすい」判決文であったからだろう。

多くの支援者の方々から心あるカンパを賜り皆様に支えていただいた裁判の高裁判決が、「事実認定」をもとにしたものではなく「裁判官が書きやすい」ことを中心に構成されていたら、原告はたまったものではない。しかも、40頁を超える精緻な「控訴理由書」を原告側は提出したが、その中で指摘した問題には一切言及されていない。山のようにある一審判決の問題に向かい合うのであれば、審理ナシの即日結審自体が国民をなめ切っている。裁判所は自分を何様だと思っているのだ! 諸君のほとんどは最高裁の指示ばかりを気にしている「ヒラメ裁判官」であり、法曹人ではなく給与所得者に成り下がっているではないか!? われわれは「M君リンチ事件」の取材を続ける中で、マスコミの途方もない姿に直面し、一部知識人・大学教員の恐るべき知的劣化を知った。そしてしばき隊・在特会の本質も理解した。

その正体は、これらの人々はいずれもファシズムを形作るピースに過ぎないことである。裁判所も電力会社も自公政権は言うに及ばず、エセ野党も、マスコミも、自称リベラル・左翼の知識人のほとんど、そしてしばき隊・カウンター・在特会をはじめとした右翼団体、あるいは過度のSNS依存者はすべて、この時代の権力により直接・間接に役割分担をになわされた、あるいは無自覚なファシズムへの貢献者なのである。

その証左は「M君リンチ事件」でついぞ後追い報道がなく、数名の著名学者やジャーナリストが賛同の声を上げてくださったものの、見事に社会が「黙殺」を決め込もうとしたことである。われわれは個別事件として「M君リンチ事件」追おう中で、奇しくも時代の本質に突き当たったのだ。

ファシズムは鹿砦社にとって敵である。またファシストにとって鹿砦社は目障りに違いない。しばき隊関係の係争は続く。裁判所が「ファシズムの出先機関」であるとわかっていても、現行法下民事訴訟は裁判所に持ち込むほかないのだから。

報告集会後支援会メンバーが協議し、上告を決定した。大きな期待は持てないかもしれないが、1%の可能性がある限り最後まで闘い抜くことをM君はじめ全員一致で決定した。ファシズムに彩られた裁判所の中での判断だけで、われわれは一喜一憂しない。時代の基軸がそこにあろうがなかろうが、われわれは自らが信じる価値観に照らし、ことの真偽、正邪を判断する。取材班はM君控訴審判決を機に、この時代の底流がファシズムであることを確認し、それに対すべく闘いを構築することを宣言する。「反差別」に名を借りたファシストへの「最後のトドメ」はわれわれが刺す! それは決して法廷内だけではない。

なお、18日の判決で伊藤大介が反訴原告として控訴していた訴えは棄却された。つまりM君が目標としていた勝利ラインには届かなかったが、賠償金の増額も踏まえ考えるならば、原告M君は一審以上に勝訴したのであり、被告側にとっては勝訴では決してないことを付言しておく。負けた部分はひた隠しにし、「勝った、勝った」と狂喜する者たちよ、「弾は、まだ残っとるぞ」と警告しておく。

(鹿砦社特別取材班)

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

M君の裁判(主水裁判)を支援する会 ツイッター

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「やや日刊カルト新聞」の「総裁」にして、業界ではカルト問題取材では、超有名人である藤倉善郎さんにお話を伺った。直接的にはオウム真理教関連集会での香山リカ氏による、取材妨害が話題になったことがきっかけであったが、「カルト」や「表現の自由」についての最新の情報をお伝えいただけた。カルト取材専門家が見る「しばき隊」の問題とは? 前回に続き第3回を公開する(全4回)。

 

『カウンターと暴力の病理』グラビアより

◆リンチで一線を超えた

── カルト性の濃淡で言えば(しばき隊は)かなり濃いところに位置しているということですね。

藤倉 外向けだけであれば、僕はそこまでは言わなかったんです。たとえばレイシストの側だってかなり攻撃的な奴ら、粗暴な奴らだったりするわけですね。そいつらとのやりあいの中で過激化していくのは、たとえば幸福の科学が過激な取材妨害をすれば、こっちだってオラオラってなるわけで、そこは差っ引いて見なきゃいけないとは思っていました。
 でもリンチまで行ってしまうと一線を超えましたよね。あれが起こったことで、濃淡のかなり濃い方に入ったんじゃないかと思います。左翼の組織にもみられますが、組織防衛上のカルト性はどうにも治らないんですよ。
 それ以外の部分ではカルト的ではない団体であっても。組織を守らなければいけない時にどこまでやっていいのか。組織を守るためだって、「ここは改めなきゃダメだろう」という判断だってできるようには基本的にはならない。言っても多分わからない、「そんなことをしたら運動が出来なくなる」と本人の中で正当化してしまうわけですから。

◆「ヘイトスピーチ規制」と称して、表現規制を強いる人たち

 

2018年9月15日付け「やや日刊カルト新聞」より

── 関係者に取材すると「どうして運動に分断を持ち込むことに興味を持つんだ?」、「なぜレイシストが喜ぶようなことを取材するんだ?」と複数のジャーナリストや知識人から異口同音に言われました。

藤倉 でも、そこをちゃんとしないと運動が欺瞞になってしまうんですよね。とくに人権に関する運動ならなおのことですね。自分たちが人権を侵害する側に回る場面は、1回たりともあってはいけないと思います。間違ってやっちゃうのは仕方ないけれども、やってしまった時にははちゃんと筋を通すことをやっていかないと。単に人権を口実にして右翼を叩きたいんでしょという話になってしまう。そう言われたときに、なんの反論もできないですよね。
 僕が今怖いのはヘイトスピーチ規制と称して、表現規制を有田芳生議員などがやらせようとしているんです。有田議員は欧州に倣った基準を日本で作れと主張しています。でも欧州はナチスのトラウマがあるので、完全に表現の自由とか思想の自由を無視してナチっぽいものには自由や人権を与えません。歴史修正的な発言をするとその発言自体が犯罪になります。SNSについても「ヘイトスピーチ」だと通報があれば24時間以内に削除しないと、SNSの運営会社が巨額な罰金を払わないといけない。24時間でとなると「藤倉による批判はヘイトスピーチだ」と通報したら、24時間でどちらが正しいかなど判断できるはずはないので、批判言論を潰したい側のやりたい放題になることは分かりきっていることです。
 それをやられるとヘイトスピーチの巻き添えが大量に発生するんです。そういう規制をやれと有田議員は主張していますが、大きな動きになってくるとまずいと思います。有田議員はやしばき隊の人たちも気が付いていないのは、あのような法律で規制されるのはレイシストだけだと思い込んでいるんですね。実際にはそんなことはない。
 東京都の迷惑防止条例が改正されてだいぶ厳しくなりました。一般市民のデモも規制できるような条文になってしまったので、非常にまずいんです。これは左翼の人たちが怒りました。ネトウヨたちが「ザマーみろ」と言いましたが、右翼のデモも左翼のデモもいくらでも規制できるわけです。結局規制される法律は「どちらも規制される」ということをわかっていない。従来の左翼運動などには、そういう部分の見定めをやっていた積み重ねがあったと思います。理論武装的な話です。でも新興の運動ではそういう基盤のない人達が上の方にのっかってきているのがよくないと思います。

大学院生リンチ加害者と隠蔽に加担する懲りない面々(『カウンターと暴力の病理』グラビアより)

── 旧来の左翼は国家権力に警戒心を持っていた。間違いもたくさんあったでしょうが、それを前提に色々考えていたと思います。しばき隊をリベラル・左翼と呼ぶ人がいますが、それは違うんじゃないかと思います。ごく基本的なことですが先ほどのお話であったように「人権を守る運動が人権を蹂躙したら存在意義がなくなる」とか「権力は必ず不都合なことは、それ自身ではなく別のところから弾圧をはじめる」のはいわば歴史的事実がありますね。

藤倉 その中でも迷惑防止条例やヘイトスピーチ関連の法律は、かなり直接的な内容だと思います。特定秘密保護法でフリーのジャーナリストがモノを書けなくなる状態はないんです。得られるべき情報が得られなくはなりますが。自分が考えていることが表現できなくなるわけではない。ヘイトスピーチ関連の規制は、誰かが「ヘイトスピーチだ」と言えば、消されてしまうんですよね。神奈川県の条例も「ヘイトスピーチ団体認定」を受けたらもう集会もさせてもらえない。昔の共産党とかだったら、大騒ぎして反対していた管理社会・警察国家への歩みを着々と歩んでるだけだと思います。

 

藤倉善郎(ふじくら・よしろう)さん/1974年、東京生まれ。北海道大学在学中に北海道大学新聞会で自己啓発セミナー問題についてのルポを連載。中退後、2004年からフリーライター。日刊ゲンダイなどで記者活動を行なう傍ら、自己啓発セミナー、宗教、スピリチュアルの問題、チベット問題、原発事故等も取材。2009年ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(所属記者9名)を創刊し、現在同紙の「被告人兼総裁」。2012年に週刊新潮で幸福の科学学園の実態に関するルポを執筆し1億円の損害賠償を求めて提訴されるも完全勝訴。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社)

◆「民-民」の表現規制への危機感

── 東京五輪に目が向いている間に規制立法、規制条例を矢継ぎ早に進めようとしているのでしょうか。

藤倉 しばき隊との絡みで怖いのが、いわゆるしばき隊と呼ばれる陣営に立つ人たちは、直接人種差別をしていない人に対しても、自分たちが批判されると「お前レイシストだ」と決めつけがちな点です。差別の中には人種差別だけではなく宗教による差別もありますから、宗教についての批判が差別だとされると、有害なものにつての批判が出来なくなる。実際僕を訴えてきた裁判の中で、幸福の科学が「藤倉が書いた記事はヘイトスピーチだ」と主張した裁判がありました。ただその時点ではヘイトスピーチ規制法もなかったので、裁判所も相手にせず判決文にですら無視されていましたが、実際に幸福の科学がヘイトスピーチという主張を裁判所でやったというケースが既に出ていること。
 それから有田議員の主張するネット規制は、警察が直接摘発するのではない、というとこが怖いんです。SNSに関しては、民間業者を萎縮させることでヘイトスピーチを無くそうとする仕組みなのです。そうしたら「クレームが来たら取り敢えず消しとけ」という社会になります。かつて表現の自由は、官憲との間の話だったのですが、「民-民」の表現規制の構図が既に作られているんです。たぶんそこが分かっていない人たちが、表現の自由の重視する人の中にもいるんですよ。しばき隊にネットリンチされると表現の自由の危機を感じるけれども、民間の業者がルールと称してやっている変なことへの危機感がない人がいます。繰り返し口に出していかないと、いざとなった時、みんな理解できないのではないかと思います。(つづく)

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

(鹿砦社特別取材班)

◎カルト取材専門家が見る「しばき隊」の問題とは?「やや日刊カルト新聞」藤倉善郎総裁に聞く!(全4回)
〈1〉2018年10月11日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27899
〈2〉2018年10月16日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27942
〈3〉2018年10月18日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27952
〈4〉近日公開

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

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