昨日に続き、松岡の「陳述書」を分載します。

◆7 安易に出版や販売の差止めを求めるべきではありません

 原告(注:李信恵氏)は被告会社(注:鹿砦社)が出版した出版物に対し、販売の差止めを求めています。また、当社のホームページで日々展開している「デジタル鹿砦社通信」の一部記事の削除も求めています。
 周知のように日本国憲法21条は「表現の自由」「言論・出版の自由」を高らかに謳っています。民主主義社会にとって「表現の自由」「言論・出版の自由」は必要不可欠なものです。万が一差止めがなされるのは、その出版物や表現物に高度の違法性があり、差止めなければ名誉毀損やプライバシー侵害等の被害が拡大するという強度の緊急性がなければならないことは言うまでもありません。
 原告は、みずからにとって不都合な表現や言論、出版に対しては妨害したり隠蔽したりする傾向にあるようです。
「言論には言論で」という言葉があります。原告は、出版物の販売の差止めを求めたりするのではなく言論で対抗、反論すべきです。原告も、代理人のお二人の先生も著書を出されていますので、出版物を出せる環境にありますし、実際に出せると思います。原告らは出版物で堂々と反論することを強く望みます。

◆8「人間の尊厳」や「人権」に反するM君リンチ事件の〈真実〉を知れば、言葉に表わせないほど酷いと感じるでしょうし、裁判所の公平、公正な判断に期待いたします

 ところで私事に渡りますが、私は、縁あって2015年4月から2年間にわたり関西大学で「人間の尊厳のために~人権と出版」というテーマで教壇に立たせていただきました。このリンチ事件と、その後の加害者李信恵氏らの言動、また被害者M君への不当な扱い(=ネットリンチやセカンドリンチ)は、まさに「人間の尊厳」も「人権」も蔑ろにしたものと断じます。
 私は学生に「人間の尊厳」や「人権」を教える時、普段いくら机上で立派なことを言っても、「人間の尊厳」や「人権」に関わる現実に遭遇した場合、みずからが、いかに対処するかで、あなた方一人ひとりの人間性が問われると話しました。「人間の尊厳」や「人権」は、「死んだ教条」ではなく、まさに〈生きた現実〉だからです。
 普段立派なことを言っている人たちが、このリンチ事件の現実から逃げ、語ることさえやめ、ほとんどが沈黙しています。こういう人を私は〈偽善者〉と言います。くだんの5冊の本に、リンチ事件(と、その後の隠蔽)に陰に陽に、大なり小なり、直接的間接的に関わっている人たちの名が挙げられ、質問状や取材依頼を再三送りましたが、全くと言っていいほどナシの礫(つぶて)です。その多くは、この国を代表するような、その分野で著名な人たちです。公人中の公人たる国会議員もいます。良心に恥じないのでしょうか。
 私も偶然に、このリンチ事件に遭遇しましたが、学生に「人間の尊厳」や「人権」を話したのに、実際に「人間の尊厳」や「人権」を蔑ろにする事件を前にして、みずからが日和見主義的、傍観者的な態度を取ることは決して許されないものと考え、このリンチ事件の真相究明や、被害者M君の救済・支援に関わっています。
このように、「人間の尊厳」や「人権」について学生に教えた私にとっては、それが言葉の上でのことではなく、その内実を問う、まさに〈試金石〉だったのです。
 
◆ おわりに

「反差別」を謳う「カウンター」といわれる運動内部で、その中心的なメンバーである原告李信恵氏らによって起こされた、M君に対する悲惨な集団リンチ事件について私の率直な意見を申し述べさせていただきました。
 原告が今まずなすべきことは、みずからが関与した集団リンチ事件についての真摯な反省であり、かつ被害者M君への心からの謝罪であり、そう考えると、原告李信恵氏による本件訴訟は、そうしたことが垣間見れず、まさに〈開き直り〉としか思えません。
 原告李信恵氏らによる集団リンチ事件は、私たちが取材、調査、編集、出版した5冊の出版物で多くの方々に〈公知の事実〉として知られるに至っています。特に、第4弾『カウンターと暴力の病理』に付けられたリンチの最中の音声(CD)と巻頭グラビアのリンチ直後のM君の顔写真は強い衝撃を与え、多くの方々がM君に同情と救済の声を寄せてくださっています。
 このように多くの方々が多大の関心を持って本件訴訟の審理の推移と結果に注目されています。多くの方々がリンチ事件の内容を知り注目しているのです。裁判所が公正、公平な判断をなされなかったら、リンチ事件を知る多くの人は「人権の砦」という看板に疑問を持ち信頼が揺らぐでしょう。
 裁判所は、当然ながら軽々な審理を排し、公正、公平なご判断をなされるよう強く要望してやみません。
 原告の請求は当然のことながら棄却となることを信じてやみません。

これまで申し述べた内容を盛り込み私の「陳述書」として提出させていただきます。
以上

────────────────────────────────────────────────────

【付記】
 この「陳述書」を提出したあとでも相変わらず、作家・森奈津子さんに対する誹謗中傷はやむことはなく、ますます酷くなっているようです。
 いわく、「森奈津子さん大便垂れ流してますよ」。
 かつて「しばき隊」と真正面からやり合った人たち(「世に倦む日日」田中宏和氏、高島章弁護士、金剛医師ら)は後景に退き、今や森奈津子さんが女ひとり堂々と渡り合っています。
「反差別」運動とは、こんなに汚い言葉を遣うのでしょうか? 差別に反対するとは崇高な営みのことだと思ってきましたが、李信恵氏の言葉遣いといい、M君リンチ事件の真相究明と救済に関わって2年半あまり──疑問になってきました。李信恵氏に連なる「反差別」運動=汚い言葉のオンパレードです。これで普通の人々の支持を得ることができるでしょうか? 
 加えて、彼らは「左翼」「リベラル」だと自称他称されています。私は学生時代の一時期、ノンセクトの新左翼運動に関わったことがありますが、私が見てきた「左翼」「リベラル」は、もっと違いました。
 私にとって「左翼」とは、そう「湯川秀樹、朝永振一郎の後継者」とまで言われた山本義隆東大全共闘議長や、安田講堂攻防戦の最後の伝説的演説をし、その後僻地医療の魁となった今井澄元参議院議員(旧社会党!)らのイメージが強く、「リベラル」とは、機動隊導入に身を挺して抗議した鶴見俊輔元同志社大学教授(故人)や作家・高橋和巳さん(故人)らのイメージが強いですね。
 私に言わせれば、「しばき隊」界隈の人たちが「左翼」だとか「リベラル」などおこがましく、「左翼」の面汚し、「リベラル」の面汚しです。懲戒請求した右派系の人たちのリストを権力に渡すと嘯く神原元弁護士など自称「正しい左翼」らしいですが、とんでもありません。こんな権力に親和的な「左翼」など、う~む、世も変わったとしか言いようがありません。
 私たちが若い頃から見てきて頭の中にこびりついている「反差別」「左翼」「リベラル」などのイメージががらっと変わりました。
 汚い言葉と、これを恥ずかしげもなく常用する「反差別」「左翼」「リベラル」に対するイメージ・チェンジ……訳が分からなくなりました。
 さらには、ここでは詳述しませんが、今の時代に一流大学で暴力を振るいながらも、地位を失くすことなくのうのうとしている金明秀関西学院大学教授、「人権派弁護士」らしくない言動が暴露された師岡康子弁護士らについても、現代日本の知識人のレベルを象徴するものといわざるをえません。
 こういう人たちに比べれば、たとえば大学を中退し大阪・西成に住みつき、小さな食堂を営みながら、冤罪、反原発、女医不審死問題などに積極的に取り組んでいる尾崎美代子さんらのほうが、草の根の、言葉の真の意味で〈知識人〉と言えるでしょう(持ち上げすぎか!? 笑)。

 このように、「カウンター大学院生リンチ事件」(しばき隊リンチ事件)に関わる中で、考えることも多い、この2年半でした。

【画像説明】「反差別」運動の旗手と持て囃される方の素晴らしい言葉の数々(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)

◎私たちはなぜ、「カウンター大学院生リンチ事件」(俗にいう「しばき隊リンチ事件」)に関わるのか?(全3回) 鹿砦社代表・松岡利康

〈1〉2018年9月20日掲載 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27578
〈2〉2018年9月21日掲載 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27596
〈3〉2018年9月22日掲載 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27645

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

 昨日に続き、松岡の「陳述書」を分載します。

◆4 被害者M君が心身共に受けた傷を蔑ろにし開き直る、集団リンチの加害者で中心人物の原告李信恵氏の言動は許せません

 被害者M君が心身共に受けた傷は、リンチ直後の顔写真に象徴されています。裁判官も、この写真をご覧になったら驚かれるでしょうし、逆に何も感じないとしたら、もはや人間ではないと断じます。人間として失格です。さらにリンチの最中の音声、聴くに耐えず、言葉を失います。ぜひお聴きください。
 被害者M君は、リンチ以降、この悪夢に苦しみPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩んでいるといいます。本人にしかわからない苦しみでしょうが、私たちにも一定程度は察することができます。しかし、あろうことか、これだけの傷を受けていながら未だ1円の治療費、慰謝料も受け取っていませんし、事件後も引き続きネットリンチ、セカンドリンチを受けてきました。酷い被害写真のコラージュまで作られ回されています。
 また、原告李信恵氏は、いったんは「謝罪文」を寄越し(たとえ形式的、ヌエ的ではあれ)反省の意思を表わしていながら、突然それを覆し「リンチはなかった」「無実」と開き直り、これに異議を唱えると、後述しますように、「鹿砦社はクソ」とか誹謗中傷を行なっています。これは私たちに対しだけでなく、原告李信恵氏に異議を唱える者すべてに対してです。
 原告李信恵氏の、人間として到底考えられない言動に真摯な反省を求め、そして、これだけの酷いリンチと、その後の事件隠蔽やセカンドリンチ、ネットリンチを受けているM君の名誉回復がなされなければなりません。常識的に考えて、リンチ直後の写真やリンチの最中の録音を目の当たりにしたら、「リンチはなかった」とか、加害者で中心的首謀的立場にあった李信恵氏が「無実」とは考えられず、まともな人間としての感覚があるならば、非人間的で酷いと感じるはずです。そうではないでしょうか?
 裁判所が「人権の砦」であり、裁判官も血の通った人間ならば、そうしたことは当然理解されるものと信じています。

◆5 李信恵氏による相次いだ「鹿砦社はクソ」発言に対して、やむなく民事訴訟を起こしました

 前述しましたように、原告李信恵氏ら加害者らは、彼らと繋がる者たちと連携し、被害者M君や、彼を支援する人たちに対して、あらん限りの罵詈雑言、誹謗中傷を続けています。
 例えば、M君の後輩の同大大学院生は母子家庭で、先輩が酷いリンチにあったということで支援していたところ、名前や住所をネット上にアップされたり執拗に攻撃され、お母様に累が及ぶことを懸念し表立った支援を差し控えたといいます。
 また、四国で自動車販売会社を経営しM君支援を行なっておられる合田夏樹社長に対しては、国会議員の宣伝カーで自宅まで押し掛けられたり、娘さんが東京の大学に進学し一人暮らしを始めたところ、近くのコンビニなどから住所を突き止め暴くぞと恐怖を与えたりしています。
 さらに、やはりM君を支援する作家の森奈津子さんには、「森奈津子にネットでいやがらせして鬱病に追い込もう」とか「こんな奴は潰さんとダメだろ」とか、さらには、森さんは乳がんで片方の胸を摘出されていますが、「正気かどうかも保証されてない病人」と揶揄してみたり、とても「反差別」や「人権」を語る者がやることとは思えません。
 M君を支援する当社に対しても、「鹿砦社はクソ」「クソ鹿砦社」とか「鹿砦社、潰れたらええな」「下衆」「害悪」「ネトウヨ御用達」などと李信恵氏や彼女の仲間らはこぞって誹謗中傷を行なってきました。遺憾なことです。
 あまりにエスカレートしつつあり、当社としても取引引先に悪影響を与える具体的な懸念が生じたため、そうした誹謗中傷を抑止する目的もあって、株式会社鹿砦社を原告として李信恵氏に対して民事訴訟(大阪地裁第13民事部 平成29年(ワ)第9470号)を起こし損害賠償金300万円と謝罪を求め現在係争中です。本件訴訟も、本件原告は当初上記訴訟の反訴として起こし、それを取り下げ、その後別訴として併合審理を求め提訴したものが却下されたものです。

 さて、李信恵氏のツイッターの一部を引用してみましょう。──
 2017年7月27日 「鹿砦社はクソですね。」
 同年8月17日  「しかし鹿砦社ってほんまクソやなあって改めて思った。」
 同年8月23日  「鹿砦社の件で、まあ大丈夫かなあと思ったけどなんか傷ついてたのかな。土曜日から目が痛くて、イベントの最中からここに嫌がらせが来たらと思ったら瞬きが出来なくなった。」
 同日 「鹿砦社の人は何が面白いのか、お金目当てなのか、ネタなのかわかんないけど。ほんまに嫌がらせやめて下さい。(中略)私が死んだらいいのかな。死にたくないし死なないけど。」
 同日 「クソ鹿砦社の対立を煽る芸風には乗りたくないなあ。あんなクソに、(以下略)」
 同日 「鹿砦社からの嫌がらせのおかげで、講演会などの告知もSNSで出来なくなった。講演会をした時も、問い合わせや妨害が来ると聞いた。普通に威力業務妨害だし。」
 同月24日 「この1週間で4キロ痩せた!鹿砦社の嫌がらせで、しんどくて食べても食べても吐いてたら、ダイエットになるみたい。」

 李信恵氏の発言に頻繁に見られる「クソ」という言葉が、対象を侮蔑する際に用いられることの多い、公的な場面では用いられることのない、品性を欠く表現であることは一般常識です。原告は「クソ」という言葉を「論評」などと評価しているようですが、「クソ」だけを用いた「論評」など目にしたことがありません。「差別」に反対し「人権」を守ると公言し、多数の人たちの支援を受けている人間が使うべき言葉ではなく、品性に欠けることはもちろん、当社に対する強い悪意を持ってなされたものであることが明瞭です。
 しかも、2018年9月1日現在で1万3,818ものフォロワー数を持ち(ちなみに当社の「デジタル鹿砦社通信」ツイッター版は3分の1の3,412にすぎません)、マスメディアによって「反差別」運動における一定の社会的評価を得ている李信恵氏がかかる表現を用いたということ自体、影響力は大きく、当社に対する刑事、民事上の各名誉毀損行為に該当すると言わざるを得ません。
 私や当社、あるいは当社関係者が、李信恵氏に対して「嫌がらせ」や「(威力業務)妨害」など行なった事実などありませんし、また当社やこの関係者の「嫌がらせのおかげ」で「講演会などの告知もSNSで出来なくなった。」とか「しんどくて食べても食べても吐いてたら、ダイエットになる」とか「イベントの最中からここに嫌がらせが来たらと思ったら瞬きが出来なくなった。」などの発言は、いずれも李信恵氏の一方的な言い掛かりであり、根拠のない牽強付会なものです。当社に対する名誉毀損の程度は、マスメディアで持て囃される「差別と闘う旗手」によってもたらされた「お墨付き」の言葉として大きな影響力を持って拡散されました。甚だしく遺憾です。

◆6 原告李信恵氏はリンチ事件の中心人物として適正に刑事・民事責任を問われるべきです

 考えてもみましょう、真に差別に反対し人権を守るという崇高な目的をなさんとするならば、まずは脚下照顧、率先垂範でみずからが犯した過ちを真摯に反省し、集団リンチ被害者のM君に心から謝罪することから始めるべきではないでしょうか。人間として当然です。それなしには、いくら「反差別」だとか「人権を守る」とか公言しても空語、空虚ですし、「反差別」を錦の御旗にすれば何をやっても許されると考えている節もあり遺憾です。
 特に加害者のリーダー的存在の原告李信恵氏は、在特会らネット右翼に対する2件の差別事件訴訟の原告となり勝訴しマスメディアによって大々的に報道もされていますが、裏ではこのような集団リンチ事件に関わっているのです。在特会らネット右翼の差別行為を批判する前に、まずはみずからを律すべきではないでしょうか。
 これだけの厳然たる事実が明らかになりながら、リンチ直後に出した「謝罪文」を覆し、未だに開き直っていることは驚きです。加害者で中心的首謀的立場の原告李信恵氏がまずなすべきことは、血の通った人間として被害者M君への真摯な謝罪ではないでしょうか。このためにも、李信恵氏の「不起訴」と、被害者M君が李信恵氏ら加害者5人を御庁に提訴し李信恵氏に責任を課さなかった民事訴訟判決(御庁第3民事部平成29年(ワ)第6564号)は、一般人の感覚、世間の常識からは著しく乖離しています。刑事責任も民事責任も当然あるというのが一般人の感覚、世間の常識でしょう。M君は民事、刑事ともに判決・決定を不服として現在、民事については大阪高等裁判所(第12民事部平成30年(ネ)1029号)に控訴し判決を待ち、また刑事については、大阪第四検察審査会に不起訴不当の申立てを行い審理の結果を待っているところです。(つづく)

【画像説明】①ありもしないことを、さもあったかのようにツイート(by 李信恵氏)。どこの喫茶店か言ってみろ!

【画像説明】②あたかも鹿砦社関係者が李信恵氏の講演を妨害したかのように裁判所にイメージづけるために出したと思われる「証拠資料」。意味不明! 念のために調べたところ鹿砦社関係者で、この講演を妨害した者はいませんでした(当たり前だ!)。悪質極まりない作為! 李信恵氏に限らず、平気でありもしないことを、さもあったかのように言う人たちのようです。

【画像説明】③同上

◎私たちはなぜ、「カウンター大学院生リンチ事件」(俗にいう「しばき隊リンチ事件」)に関わるのか? 鹿砦社代表・松岡利康

〈1〉2018年9月20日掲載 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27578
〈2〉2018年9月21日掲載 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27596

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

「カウンター」(あるいは「しばき隊」)中心メンバー5人による大学院生M君リンチ事件に対して、被害者M君が、その加害者5人を訴えた民事訴訟の控訴審の判決が10月19日に迫ってきました。結果はどうあれ、これが終われば、いろんな意味でひとつの区切りとなります。

また、リンチ加害者のひとり李信恵氏の「鹿砦社クソ」発言に対し名誉毀損で訴えた民事訴訟も、おそらく次回期日で結審を迎えるものと思われます。さらに、この反訴として起こされながら独立した別件訴訟となった民事訴訟は、これから本番に入ります。

私たちが、この事件を知りM君と出会ってから、義憤に感じかかわり始めてから2年半余りが経ちました。このかんに5冊の本を編纂し世に送り出しました。われながらよくやったと思います。

ここで、私(たち)がM君リンチ事件に関わってきた〈原点〉のようなものを整理したいと思っていたところ、「陳述書」を提出する機会を得たのでまとめてみました。ぜひご一読いただきたいと思います。

なお、ここでは原告・李信恵氏、被告・鹿砦社です。また、「M君」は原文では本名を表記しています。

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◆ はじめに

 私は長年、兵庫県西宮市において「株式会社鹿砦社(ろくさいしゃ。以下当社と表記します)」という出版社を営んで来ている者です。創業は1969年(昭和44年)、1972年(昭和47年)に株式会社化し、1988年(昭和63年)に私が代表取締役に就任し現在に至っております。当社は現在、定期発行雑誌3点(月刊2点、季刊1点)はじめ毎年100点近い新刊雑誌・書籍を発行し、年間売上は直近の決算で約3億4千万円、業界では中堅の位置にあります。東京に支社があります。
 私は1951年(昭和26年)生まれ、今年で67歳になります。本来なら現役を退いてもいい歳ですが、本件集団リンチ問題を知り、この2年半ほど、この問題の真相究明と被害者救済・支援に関わっています。

◆1 当社の出版物や「デジタル鹿砦社通信」の記事はすべて事実であり、真に「名誉を毀損」され「精神的苦痛」を与えられたのはリンチ被害者のM君であり、原告の主張は失当です

 本件訴訟は、「カウンター」と称される「反差別」運動の、原告李信恵氏ら主要メンバーによる、その一員だった大学院生・M君への集団リンチ事件について、当社が出版した書籍と、当社のホームページ上に掲載している「デジタル鹿砦社通信」の記事に対して、これら書籍の販売差し止めと記事の削除、そしてこれらによって原告の「名誉を毀損」され「精神的苦痛」を与えたから賠償せよ、というものです。
 原告が挙げている箇所を、あらためていちいちチェックしましたが、記事化されているものはすべて事実ですし、私は真実であると確信いたしました。もともとこれらの書籍や「デジタル鹿砦社通信」において記述する際には、事実関係には入念にチェックしており、万が一誤りなどがあった場合、指摘してもらえれば、いつでも訂正することは常々申し述べているところです。原告側からきちんとした具体的な誤りの指摘など、これまでありません。
 また、当社の出版物や「デジタル鹿砦社通信」の記述が原告の「名誉を毀損」し「精神的苦痛」を与えたという主張は、なにをかいわんやです。リンチの被害者のM君は、一方的に殴られ続けましたが、この暴力こそM君の「名誉を毀損」する最たるもので、この肉体的苦痛はもちろん「精神的苦痛」を原告はいかに思っているのでしょうか。さらに被害者M君は事件後も、原告、及び彼女の仲間らからネットリンチ、セカンドリンチを加えられることによってさらに「名誉を毀損」され、リンチの後遺症と悪夢に苦しみ、この「精神的苦痛」は、原告が与えられたとする「精神的苦痛」を遙かに上回るものです。
 そして、当社が主にマスコミ出版関係者、ジャーナリスト、当社支援者、そしてリンチ事件とこの隠蔽に陰に陽に関係した人たちに献本送付したことに原告は「強い精神的苦痛を受けた」としていますが、当社では、本件に限らず月刊誌や書籍を発行するごとに、各方面にそれ相当の献本送付を行い、意見や批評、批判などを求めています。それが対象となった人に都合の良い記事もあるでしょうし逆もあるでしょう。献本送付は本件に限ったことではありません。献本行為を批判するのは、憲法21条で保障されている「表現の自由」を不当に制限する主張でしかありえません。当社に限らず出版社にとって、献本はごく当たり前であることをライターである原告がしらないはずはないでしょう。
よって、原告の主張は失当です。

◆2 私が本件リンチ事件を知った経緯と、被害者M君を支援する理由

 ここで、被告とされた当社、及びこの代表である私が、この問題、つまり本件リンチ事件を知った経緯、被害者M君を支援する理由などを申し述べたいと思います。
 一昨年(2016年)2月28日、偶然に時折当社主催の講演会などに参加していた知人からK大学大学院博士課程に学ぶM君が、本件原告李信恵氏ら「反差別」を謳う「カウンター」、あるいは「しばき隊」と称するメンバー5人から受けた集団リンチ事件のことを知り大変驚きました。特にリンチ直後の被害者の顔写真とリンチの最中の録音データには声も出ませんでした。今回審理される裁判官含め血の通った人間の感覚を持つ者であればみな、そうではないでしょうか。
 そのあまりにも酷い内容からM君への同情と本件リンチ事件への義憤により爾来M君への支援を行なっています。リンチ事件が起きた2014年師走から1年2カ月余り経っていましたが、それまでこのリンチ事件のことを知りませんでした。なぜか一般に報道されなかったからです。いわば“マスコミ・タブー”になっているようです。
 そうしたことから、半殺し(M君がラグビーをやっていて頑強な体格でなければ、おそらく死んでいたでしょう)と言っても過言ではない被害を受けたM君への同情とリンチへの義憤により、被害者M君の正当な救済を求めると共に、リンチ事件の真相究明を開始することにいたしました。
 まずは被害者M君への聴取と、彼が持ってきた主だった資料の解析です。何よりも驚いたのは、前記したリンチ事件直後の酷い顔写真と、リンチの最中の録音です。暴力団でもあるまいし、今の社会にまだこういう野蛮なことがあるのか──M君の話と資料には信憑性を感じ嘘はないと思いました。私は、この若い大学院生が必死に訴えることを信じることにしました。僭越ながら私も、それなりの年月を生き、また出版の世界でやって来て、何が真実か嘘かの区別ぐらい経験的動物的な勘で判ります。
 私の生業は出版業ですので、その内容が公共性、公益性があるものと判断、世に問うことにし、取材に取材を重ね、その具体的成果として、これまで5冊の出版物にまとめ刊行し世に送り出しました。
 これまでどれも発行直後から大きな反響を呼び、「こんな酷いリンチ事件があったのか」「言葉に出ない」等々の声が寄せられています。私もリンチ事件を知った直後に感じたことで当然です。
 私は、私の呼びかけに共感してくれた人たちと、被害者M君が、本件原告李信恵氏ら加害者5人によって受けたリンチ事件の内容と経緯を私たちなりに一所懸命に調査・取材し編集いたしました。加害者の周辺にも少なからず取材を試みましたが、なぜかほとんどの方が全くと言っていいほど答えてくれませんでした。そうした困難な取材の中でも、心ある多くの方々が情報提供などに協力してくださいました。
 これまで刊行した5冊の本(本件で問題とされているのは、そのうちの4冊。5冊目は本件提訴の後に発行なので訴外)で事実関係の概要は明らかにし得たと、私たちは自信を持っています。
 取材を開始して間もない第1弾書籍『ヘイトと暴力の連鎖』の頃はまだ事情に精通していないところもあり不十分だったかもしれませんが、第2弾、3弾と出す内に内容の密度も濃くなっていったと思います。特に第4弾、第5弾は外部(加害者周辺の人たちも含め)から高い評価を受けています。しかし、加害者やこの周辺の人たちからは、反論本の1冊もなく、具体的な反論どころかネット上で、ただ「デマ本」「クソ記事」といった悪罵が投げられるのみです。
 原告李信恵氏と本件代理人の一人上瀧浩子弁護士は最近、共著で『黙らない女たち』という書籍を出版されましたが、リンチ事件についての謝罪や反省、あるいは上記5冊の本への言及や反論はありませんでした。「黙らない」でリンチに謝罪や反省の言葉を、また私たちの本への言及や反論を行なってください。
 加害者らがあれこれ三百代言を弄し弁明しようとも、この5冊の本で示した内容を越えるものでない以上、社会的に説得力はないと思います。

◆3 M君への集団リンチ事件について私が思うこと

 ところで、事件当日(正確には前日から)リンチに至るまでに、李信恵氏本人自ら供述しているように、あろうことか、キャバクラをはじめとして5軒の飲食店を回り、日本酒に換算して1升ほどの酒を飲み酩酊状態だったということです。全く理解できません。原告李信恵氏本人が言うのですから間違いないでしょう。
 事件の詳細は5冊の本に譲るとして、私が特に申し述べたい概要を記載してみます。──
①これは集団リンチですから、関わった全員に連帯責任があることは言うまでもありません。李信恵氏だけが免れえることはありえません。
②その中でも中心的首謀的立場の李信恵氏の責任は他の誰よりも重いでしょう。首謀者は、他の4人の誰でもなく、あくまでも李信恵氏の他に考えられません。
③M君が李信恵氏らが待つワインバーに到着するや否や、李信恵氏は「なんやねん、お前! おら」と胸倉を摑み一発殴り、のち約1時間に及ぶリンチの口火を切りました。
④主に「エル金」こと金良平氏による連続的暴行を傍目に悠然とワインを飲んでいた神経が理解できません。
⑤リンチの途中で、これは有名になっていますが、「まぁ、殺されるんやったら店の中入ったらいいんちゃう?」と言い放っています。普通だったらリンチを止め介抱するのではないでしょうか。酩酊してまともな感覚が失せていたのかもしれませんが、一方的に殴り続けられているM君が死ぬことも想定していての言葉としか思えません。
⑥約1時間に及ぶリンチののち、師走の寒空の下に重傷を負ったM君を放置し立ち去っていますが、人間としての良心の欠片も見えません。

 こうしたことだけを見ても李信恵氏の刑事、民事上の責任は免れません。
 また、これだけの凄惨な集団リンチの現場に居合わせ関与していながら、李信恵氏は刑事、民事共に罪も責任も課せられてはいません。本件集団リンチ事件の中心にあったのが李信恵氏だと思慮されることを想起するに不可解と言う他ありません。かつて日本中を震撼させた、いわゆる「連合赤軍リンチ事件」において首謀者永田洋子は、みずから手を下さずに輩下に殴らせ多数の死者を出し死刑判決を受けています。事件の規模は違いますが、リンチの現場の空気を支配し、誰が見ても中心人物、主犯と見なされる李信恵氏が、なんらの罪や責任を問われないのは到底理解できるものではありません。実際に殴られ血を流した被害者M君は尚更でしょう。
 裁判所におかれましても、私たちがみずから足で回り額に汗して取材してまとめた、この5冊の本に記述された事実と内容も踏まえた審理をされることを強く望み、御庁の良心を信じ妥当な判断が下されるものと信じています。(つづく)

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森奈津子さんのツイッターより

◆レインボーフラッグ上下問題と野間氏の印象操作

── ところで先ほど野間氏のツイッターを見たらレインボーフラッグの上下は問題がない、と印象操作をしているように見受けられるのですが。

森  そう思うのであれば、まともなひとたちと区別するために、これからもずっと紫を上にしてほしいですね。紫を上にするのは反同性愛のグループが用いる手段、もしくはトランプ大統領支持者であるオルタナ右翼LGBTの掲げ方だと、色々な人が指摘しているのに、自己正当化のために「紫が上で大丈夫だ」と繰り返す。日本のLGBTの運動家に恥をかかせるつもりなのか?たしかに、レインボーフラッグが成立した頃には、旗の上下はどちらもOKという感じだった時期もあると思います。

── まず旗が出来たのですよね。それにはっきり意味付けされたのは少し後ではないかと記憶します。

森  そうですね。今では赤が上ですし、自然の虹も赤が上ですよね。運動の現場ではそのような認識が形成されています。

── 80年代半ばにサンフランシスコを訪れたことがあります。一角にレインボーフラッグをアパートから多数掲げている地域がありました。その時点で全て旗は赤が上でした。

森  そうですか。そのように共通認識を持っているのに、あとから入り込んできて間違えて、それを隠すために「紫が上でも大丈夫」だと。レインボーフラッグが生まれた頃はそうだったとしても、シンボルの意味は変わってくるものだし、あとから紫を上に掲げるのが「反同性愛」「オルタナ右翼LGBT」と意味づけられたら、紫を上にしないのが普通ですよね。そのあたり、やはり異性愛者である野間さんにとって「他人事」なんだろうと思いました。

── 異性愛者というよりも彼は、人間愛者ではありませんから。

森  実際に彼に会ったひとによると、「普通のひとだよ」と…。

◆LGBとTの間の差

── そうですね。ところでLGBTについて伺います。わたしはTの方10人ほどとお話したことがありますが、大変に深刻でした。性転換手術を希望されたり、日常生活上の苦労が並大抵ではないと実感しました。わたしにはLGBとTのあいだには差があるのではないかと感じます。LGBTと括って性的少数者と言われますが、この言葉の使われ方に問題はないでしょうか。

森  LGBTとの呼び名には当事者からも批判が出ていますLGBの人たちがT(トランスジェンダー・トランスセクシュアル)の人たちを「彼らは自分たちとは違うだろう」と発言しているのを聞いたことがあります。つまり「異性を愛するか、同性を愛するかという点で語れるものではないから彼ら(T)とは別々に闘うべきではないのか」という主張です。またトランスジェンダー・トランスセクシュアルの側からも「自分たちは病気であり性別適合手術を受ければ治る。体を変えてしまえばLGBと共闘する必要はない」というひともいれば、中には個人的な感想だと思いますが「異性愛者として暮らせるようになったのに、なんでいまさらLGBと一緒に闘わなければいけないのか」というひともいます。

他にわたしが把握しているのでは「LGBT以外のセクシュアリティーがあるのに、そのひとたちは置いてきぼりにされるのか」という議論もあります。たとえばXジェンダーという性自認が男でも女でもないひとたちや、Aセクシュアルという男性にも女性にも誰にも恋愛感情や欲望を感じないひとや、パンセクシュアルというどの性にも反応できるひとたち、またペドフィリア(ロリコン)の人たちは置いてきぼりにされるのかと。特に誤解されやすいペドフィリア自体は別に犯罪を犯したわけでもなく、予備軍でもないのに、彼らの人権をLGBTは無視するのか、という議論もあります。つまり「LGBTだけ保護してどうするのだ」という意見がありますね。性とはもっと多様であるものなのに、他のセクシュアリティーは置いてきぼりにするのかという。

そこから、LGBTQ、つまりLGBTとクィア(Queer)という呼称も生まれています。クィアは元々、日本語で言うと「変態」に相当する蔑称でしたが、今ではセクシュアル・マイノリティ自身が肯定的に使うという動きがあります。あるいは、このQはクエスチョニング(Questioning)を意味するという説もあります。クエスチョニングとは、「性自認や性的指向が定まっていない人」を指します。だけど、どちらにしろ、LGBTQには「LGBTとその他」というニュアンスが残りますので、私は抵抗を感じています。

なぜLGBTという呼び名が定着したかといえば、それ以前に「性的マイノリティー」とか「性的少数派」という言葉で、異性愛者以外の人たちを括ることばがあったのに「性的」という言葉をマスコミ(あるいは当事者)や研究者が忌避したからだ、「性的」なものに対する忌避から「LGBT」に言い換えたのではないかという指摘もあります。わたしはですから「LGBT」という言葉には抵抗がありますね。その言葉では救われないひとたちがいる。取りこぼされてしまうひとたちがいると考えます。

── 疑問に感じていたことを教えて頂きました。ありがとうございます。森さんも「LGBT」という言葉自体を完全によしとしているわけではないですね。「LGBT」を差別問題ととらえるのか、セクシュアリティーとかジェンダー(人間に顕著にあらわれる現象)という観点から考察するのか、議論をしていると事柄の多面性や重層性に突き当たるのではないかと感じます。ところが森さんを攻撃しているひとたちにはそれが感じられません。あのひとたちはトピックに本当に感心や知識があるのではなく、その時に彼らが旬と見た話題を、イナゴの集団のように食べつくそうとします。でもすべてについて底が浅いので、その分野の専門家にかかると、ことごとく論破されます。

森  そうですよね(笑)

── また続きをよろしくお願いいたします。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

◎今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー
〈1〉(2018年8月29日公開) http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27255
〈2〉(2018年9月5日公開) http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27341
〈3〉(2018年9月17日公開) http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27573

(鹿砦社特別取材班)

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前回森奈津子さんに電話インタビューをした直後、しばき隊のNO.1野間易通から森さんへの「しばき隊認定」がなされた。ふざけた話ではあるが、ちょうどのタイミングでもあったので森さんに感想を伺った。

◆野間さん、焦っていらっしゃるんでしょうか

── 前回お話を伺ったあと、森さんは野間易通氏から「しばき隊認定」をされましたが、今のご心境はいかがでしょうか。

森  心境(笑)。野間さん、焦っていらっしゃるんでしょうか。ふざけて答えてよいのであれば「光栄に思います」とか言いましょうか(笑)。全然面白くないし、これには色々な方が失笑気味のコメントをつけていますね。

野間易通氏のツイッターより

── 今までなかった新たな「抱き込み」戦術かとも思いましたが。

 

森奈津子さんのツイッターより

森  あれは、とあるトランスジェンダーの運動家の方が、しばき隊シンパらしくて、しばき隊界隈の「レイシスト認定」を鵜呑みにして、叩き行為に加わってきてたんです。わたしはその方の言動がしばき隊界隈そっくりだと指摘しました。それ以前に、レインボーフラッグを逆に掲げてしまった森川暁夫さんという方と、仲間のしばき隊界隈の方々の暴言を、わたしが批判したところ、「しばき隊と関係のないひとをしばき隊とみなした。森奈津子、お前は謝れ!」と大合唱で。

なので、わたしは、「しばき隊に同調して騒いでいるひとたちもしばき隊として批判しています」と自分の見解をツイートしました。その理由は「リンチ事件」など未解決の問題をスルーして、なお加害者に寄り添っているからです。そのような人たちを批判すると、たちまち「自分はしばき隊ではない。しばき隊扱いするな」と言ってきますが、こちらかすればネットでの集団リンチに加わっている時点で、充分「しばき隊界隈」なんですよ。

「広義のしばき隊」という言葉がありますよね。ツイッター上でしばき隊の「叩き行為」に同調しているひとたちは「広義のしばき隊」だと、私は認識しています。彼らは路上とツイッター、両方を「闘争の場」としていますから。けれど、都合が悪くなると、すぐに「私は/あの人はしばき隊とは無関係」と主張してきます。なので、このやり取りはもうずいぶん繰り返してきました。そこに、「とあるトランスジェンダーの運動家(ツイッター上ではハンドルネーム)まで森奈津子さんにしばき隊認定されましたね」と誰かが書き込んだのを引用して、野間さんが「森先輩もしばき隊認定します」と言い出したわけです。ですから、野間さんとしては皮肉、嫌がらせのつもりでしょう。

── なるほど。そういう背景だったのですね。でもせっかく認定されたのですから「しばき隊」を正しい方向に誘導するために幹部になられてはいかがでしょうか。

森  そうですね。「リンチ事件」や「セクハラ事件」など解決されていない、被害者が救済されていない問題が山積みですので、被害者救済に力を注いでいきたいですね(笑)。

── 尊師と呼ばれるNO.1の方から、ご本人(森さん)の意向を確かめることなく、しばき隊認定をしていただく。極めて珍しいケースです。加入承諾が出たのですから、それを活かすのも方法ではないかと思います。

森  自分たちには自浄作用がないから、「内部に指摘してくれる人がいれば」という野間さんの想いが現れたツイートではないでしょうか。

── そんな上等なもんじゃないでしょ。

森  ハハハ

── 嫌がらせですね。彼もこれまで様々な手法で「嫌がらせ」をしてきて、そろそろ旧来の手が古くなった。面白くないから新しい技を編み出したのかもしれません。

森  なのに、漫画家の山本夜羽音さんから「そもそも面白くない、ということにまで考えが及ばない野間易通さん(52)」ってつっこまれ、ろくでなし子さんからは「ろくでなし子はしばき隊」というタグを作ってくれとツイートされ、いじられまくりですね(笑)。

◆しばき隊のひとたちがLGBTの運動に入ってきて、自浄作用など望めなくなるという懸念

── さきほどお話に出ましたが、しばき隊であるのか、広義のしばき隊なのか、もっと微妙な立場なのか、いろんな方がいらっしゃいます。厳密に見定めることの意味よりも、こういうことをして喜んでいるのがいい年をした大人たちであることが、どうかなと思います。そしてその中には給与所得者も含まれています。決まった時間中は仕事をしなければならない方々です。仕事中にそういうことに精を出すのはいかがなものかと思います。仕事を失ってしまうひともいます。この行為はいったい何なのでしょうか。

森  先ほど話題に出したトランスジェンダーの運動家などもしばき隊に傾倒されているようです。そういう方でも検索すれば「リンチ事件」とか「ぱよちん騒動」とかは知ることができますよね。なのに、調べていないのか、見て見ぬふりなのか。数日前に、わたしの知人がその方に、しばき隊の暴力性をお教えしていましたが、あいまいな返事しかなく……。つまりその方はしばき隊のいろいろな問題を知っていて繋がっているのではないかと疑いました。

私が懸念するのは、しばき隊のひとたちがLGBTの運動に入ってきて、自浄作用など望めなくなるということです。対レイシストの闘争でも、しばき隊関係者のひとが何人も身バレして不幸になっていますね。仕事を失ったり。自業自得の人もいますが、あんな状態でしばき隊がLGBTの運動に入ってくれば、不幸になる当事者が出るでしょう。それでいいのか?と私は思いますが、いいと思っているひとがいると知って驚きました。

すでに言論でもなんでもない罵詈雑言や嘘。あるいは相手の言葉を悪意にとらえたうえでの叩き行為。わたしは「しばき隊しぐさ」と呼んでいますが、それを進んでやるLGBTのひとが出てきています。

── さすが、作家先生ですね「しばき隊しぐさ」。綺麗な言葉です。

森  以前から問題となってる「江戸しぐさ」みたいな感じで(笑)。たとえば、大勢でひとを口汚く罵るとか、ひとを叩くためにデマを流すとか、「謝れ、謝れ」の大合唱とか、特に女性対し居丈高とか、批判者に対してはすぐに「レイシスト」「ネトウヨ」のレッテルを貼ってネットリンチとか。

── なるほど。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー〈1〉(2018年8月29日公開)

(鹿砦社特別取材班)

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多彩なエロス、SFから児童文学まで縦横無尽な世界観織りなす作家、森奈津子さん。ツイッター上ではM君支援を宣言してくださり、そのためか、しばき隊から現在も集中攻撃を受け続けている方である。このたび森さんには話を伺うことができた。しばき隊問題だけではなく、ジェンダーや、社会問題にも造詣の深い森さんから数回に分けご意見を伺ったインタビューをご紹介してゆく。

◆「ぱよぱよちーん」を検索してみたら、心底馬鹿馬鹿しくなりました

 

森奈津子さんのツイッターより

── しばき隊の存在はいつ頃お知りになりましたか。

森  ネットで見たのは、発足からそれほど経っていない頃だと思います。野間さんが釘バットを持ってポーズをとる写真を見ました。当時は在特会やネット右翼があまりにも卑劣でしたので、しばき隊を「こういう人たちも、乱暴そうだけども必要悪かな」くらいに思っていました。ところが去年の9月頃に「ちょっと違う」ということを呟いたら、野間さんから直々に叩かれました。

それ以前からわたしは文筆業、つまり同業者のひとたちから「叩きリプ」が来たときには、「こちらからも機会があれば批判させていただきます」と宣言していました。自分から「叩きリプ」はしないようにしていますが、「同業者から叩かれたら執拗に批判させていただきます」と宣言しているところに野間さんが来たので、それ以来公約通り批判させていただいています(笑)。

その頃、ろくでなし子さんが「ぱよぱよちーん」で叩かれているのを目にしました。わたしは「ぱよちん」騒動をしらなかったんです。なので「ぱよぱよちーん」とはどんなに恐ろしい差別用語なのだろうかと検索してみたら、男女の恋愛事からはじまった言葉だとわかり、心底馬鹿馬鹿しくなりました。「こんなことでろくでなし子さんは叩かれていたんだ」、呆れて、わたしも毎朝「ぱよぱよちーん」とツイートするようになったら、一斉に「叩きリプ」がきました。2か月くらいでしょうか、来るたびにおちょくっていたら来なくなりました(笑)。

その程度なんですよ。気持ちよく自分たちが「叩ける」相手なら、精神的オナニーのように叩くけれども、相手に反撃される、相手におちょくられる、周囲から嘲笑されると、もう叩きに来ないんですね。こんなひとたちが運動家であるわけはない。本当の運動家であれば、相手が黙るまで食いつきますよね。でも相手が黙る前に自分たちが尻込みしてしまう。弱い相手にしか強くなれない。チキンじゃないかと思いますね。

リンチ事件も表ざたになった時、チラッと目にしていたと思います。その時には「よくある内ゲバかな、やりそうな人たちだな」くらいにしか思わなかったんです。あまり記憶にも留めていなかったのですが、「ぱよちん」騒動を知ったあとに、「しばき隊リンチ事件」を検索してみたら、文化人や政治家まで隠蔽工作や被害者攻撃にかかわった。「ネットリンチ」もあったと知って、本当にまた心底呆れました。そこで鹿砦社さんのムックを買い揃えました。

── ありがとうございます。

◆あんな界隈にいて何かメリットあるんでしょうか?

森  わたしが読み始めたのは去年の12月ですね。こんなことがあったんだとびっくりさせられました。

── 「M君リンチ事件」は象徴的な事件ですが、かれらは日常的にネット上で似たようなことを行っていますね。

森  そうですね。こたつぬこ(木下ちがや)さんもやられてましたよね。

── あのひとはダメです。

森  ええ、弱い(笑)。

── こちらが腹立ちましたよ。

森  そうですか。

── あの対談、実は2時間以上あるんです。文字起こしを見てわたしは慄然としました。「彼のしばき隊の中での地位は終わったな」と実感したからです。それは彼が、われわれも気が付かないような「正しい」視点で話してくれていたからです。だけれどもこれを表に出したらこの人はしばき隊から「確実に潰される」のがわかりました。示唆に富むしアドバイスに満ちたお話でしたが、しばき隊に矢を向けるような内容でしたので。どこまで持ちこたえるかな、と見ていたら数日でこけましたね。

森  原稿はやばいところはカットしてあげるんじゃなくて、本当にやばいところを出したんですね。

── いいえ、むしろ逆です。「男組」について、また『真実と暴力の隠蔽』出版と同じ時期に逝去が明らかになった、高橋直輝さんへの批判も相当程度開陳されていました。しかし、その箇所は出版意図とは直接関係ないので、掲載していません。もし、あの時期に「男組」についての対談内容を掲載していたら、木下氏はさらに追い込まれていたでしょう。

森  そうですか。口が軽いんでしょうか、それとも気が大きくなっちゃって……。

── どうでしょうか。ただ対談以前に出版していた関連書籍3冊は木下氏にお送りして、質問書もお送りしていました。常識的に考えれば、われわれの立場を理解したうえで、対談に出てこられたと考えますよね。対談の中で「コリアNGOセンターよりも李信恵が上だ」と慧眼で語っていただいた通りのことを、身をもって証明してくださったということかもしれません。

森  なるほど。あんな界隈にいて何かメリットあるんでしょうか。自分が情けなくなりそう。

── 精神的に病むと思います。

森  支持者のレベルでおかしいというか、おかしい人を呼び寄せるのでしょうか。

── ただし、いまだに共産党の地方議員とかくっついている人もいます。以前は彼らが主催する集会には野党の議員が喜んで出てきて、一定の影響力を持っていた時期はありました。

森  吉良よし子さんと池内さおりさんが一緒に行動しているのを見ました。吉良よし子さんは、それまではわりといいなと思っていたのですが、すごく軽蔑してしまいました。

── 一番近いのは有田芳生氏ですね。

森  もう呆れましたよ。

── 悪質です。彼は。

森  お金の流れとかあるのかなとか疑いましたけど。

── お金についてはわかりませんが、有田氏が目立つためには便利な界隈なのではないでしょうか。それから最近華々しいのが香山リカ氏ですね。

森  おかしいですよね。

◆「差別反対」といいながら気に入らない女性には「おばさん」と揶揄する野間易通氏の差別意識

── いまちょうど彼らから集中攻撃受けている森さんにお伺いしたいのですが、彼らがあのようなメンタリティーで行動するのは、いったい何が原因で行動のもとになっているとお考えですか。

森  人間観が薄いですね。何もかも白か黒かで決着できて、自分たちが“善”であるかのような世界観が垣間見えますよね。とにかく議論はしない。「叩き」行為だけです。全然健全ではないし、社会運動を勘違いされているのかなという気もします。運動というものは、過去に「山岳ベース事件」、「浅間山荘事件」などでの失敗経験があるわけじゃないですか。解放同盟の朝田理論だってもう使われていないし。もしかしたら勉強不足なのかなというところもありますね。

わたし、野間易通さんに「おばさん」と呼ばれました。別に友達でもない、一面識もない女性を揶揄する意味で「おばさん」と呼ぶのは、ルッキズムであり、セクシズムであり、エイジズムでありますよと。フェミニズムでは当たり前のことですよね。それを申し上げたのですけども、全然ご理解いただけなくて、彼は「女性の味方」というポーズをとっているけれども、フェミニズムの理論も頭には入っていない方だとわかりましたね。

「おばさん」といってしまえば女性が傷つく、女性にダメージを与えられる、効果的に侮蔑できると信じておられるようです。でもじゃあ同じ年(取材班注:森さんと野間氏は同年齢)の貴方は何なの?って思いますよね。「差別反対」といいながら気に入らない女性には「おばさん」と揶揄する。その一言に差別意識がにじみ出ている。なのにそんなことすら気づいていない。指摘されても理解できない。理論武装していないんだと思いましたね。

── ただ彼は長く「ネット荒らし」をやっていたようですので、言葉でひとを傷つけることについては超一流ですね。

森  そうですか。「おばさん」と言われたくらいでは傷つかないだけではなく、こちらは「いつまでもネチネチ絡むネタが拾えたわ」くらいに思っています。女性に「おばさん」といったら尻尾をつかまれるという危機感がないんですね。

── 『真実と暴力の隠蔽』に彼の過去の酷い書き込みや、日の丸をリュックサックにさしている写真などを掲載しました。所詮思想も何もない人間なんです。

森  そうですよ。本当にちゃんとした思想家なら総括しますよね。「あの時の自分はこうだったので、その後自分は転向しました」とか。それもやらない(笑)。単なるネット荒らしですよね。

── ただ、そんな人間が朝日新聞や東京新聞で識者談話のように取り上げられて、一方われわれは取材をしようと思ったら、常習クレーマーのように、電話も取っていただけない現実もあります。もう1つの特徴は印象操作というか、平気でうそをつきますね。

森  そうそう。平気でうそをつくというのはありますね。うそをついた後で、ツイートやアカウントを消して。本当に「馬鹿じゃないの」と思うことを何度もやられています。あとから消したってスクショ取っている人はいるんだから、消しきれないのは分かると思うのですが。バレないと思うのか、恫喝すればみんな、黙るとでも思っているのでしょうか。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

(鹿砦社特別取材班)

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◆「人事を尽くして天命を待つ」

リンチの被害者M君は、リンチの現場に居てリンチに加担した李信恵氏の不起訴処分に対して、大阪第四検察審査会に7月20日の不起訴不当の申立てに続いて、8月20日「申立て理由書」と、証拠を提出した。鹿砦社・松岡も力の入った「意見書」を提出した。今後検察審査会から追加資料の要請があるやもしれぬが、これでM君としては「人事を尽くして天命を待つ」状態にひとまず至った。

検察審査会への申立ては、当初から視野に入ってはいたが、対野間裁判、対5人裁判の進行状況を見極めながら、最終的にこのタイミングとなった。李信恵氏は大阪地裁の尋問で、みずからが「M君に掴みかかろうとした。誰かが止めてくれると思った」などと証言している。その他加害者サイドから「李信恵さんが1発殴った」ことを発信する証拠はあまた存在する。ここではどのような証拠が提出されたのか明かすことはできないが、M君は全力で準備にあたった。

検察審査会で審議にあたるのは、一般市民だ。裁判官は自らの出世を考え、最高裁の顔色ばかり窺い、市民感覚と著しく乖離した判断をすることが少なくないから、一般市民の感覚にこそむしろ期待が持てるかもしれない。

◆M君に対する救済なくして「人権」も「反差別」も空語

ところで、少なくはなったが、相変わらず勘違いしておられる方がおられるようである。われわれ、そして鹿砦社は原則的に「あらゆる差別」に反対し真に人権を守ろうとするが故に、M君の支援に踏み込んでいるのだ。「あらゆる差別」を根絶し人権を守ることは大変に困難だろう。人間という生物の複雑さ、質の悪さを考えるとき、「差別根絶」は途方もない大命題に違いない。だからといって問題に直面することから逃げてしまっては歴史が前には進まないし、人類の進歩もない。時に「どうしてそこまでこの事件にこだわるのか?」との質問を、鹿砦社や取材班、支援会は受けることがあるが、回答は「差別問題から逃げずに直面しているから」「真に人権を守りたいから」である。

生身の人間の尊厳を暴力で毀損するリンチが許せないことは言うまでもない。人ひとりの人権を守れなくて、やれ「人権だ」、やれ「差別に反対だ」と言っても空語だ。身近にM君というリンチの被害者が居て、彼に対する救済なくして「人権」も「反差別」もない。このリンチ事件に対する態度こそ、あなた自身の「人権」や「反差別」についてのスタンスそのものだ。

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◆差別は人間の尊厳と深くかかわり、人間の尊厳を踏みにじるものが暴力である

M君が集団暴行を受けたのは暴行・傷害事件である。しかしその事件に至る道筋には明確に「差別問題」が横たわっており、それがなければ「M君リンチ事件」は発生しなかった。「差別問題」とかかわるとはどのようなことなのか?「差別」とは本質的に何なのか? 差別―被差別の関係性は絶対的なものなのか? 差別を法で定めることはできるけれども、法により差別を低減、もしくは根絶することはできるのか? 宗教により異なる価値観と差別の問題は…?

少し考察するだけでも、差別問題は可視的、短視眼的、または時流に乗ったテーマだけではない。むしろ深く人間の根本に根差す、哲学とも無縁ではないといっても過言でもない深淵な問題であることに、賢明な読者であれば思い至るだろう。

そして差別問題については世界に、日本に歴史的な蓄積がある。われわれは目の前で乱暴狼藉を叫ぶ徒党を目にしたとき、まずはこれまでの「反差別運動」の蓄積(成功体験・失敗体験)を振り返り、学ぶところから出発すべきではないか、と考える。少し差別について勉強してみると、差別は人間の尊厳と深くかかわった問題であることに行き当たる。

そして人間の尊厳を究極的に踏みにじるものが「暴力」であり、その究極が「戦争」であることが理解される(その延長線上に「死刑」を想定することもできよう)。そうであれば、あらゆる「反差別運動」と運動内の「暴力」は、絶対的に相容れない。

「反差別運動内」で暴力が行使された瞬間、それは「反差別運動」ではなくなる(念のため付言するがここでの「暴力」は、権力者が権力を持たない人間に振るう、あるいは同等の力関係のものが仲間に振るう「暴力」を指す。力関係が弱いものが、防衛的に実力行使することを「暴力」とは想定しない)。

◆「M君リンチ事件」を無きものにしてでも「ヘイトスピーチ対策法」成立に夢中であった師岡康子弁護士

そのように考えるとき、今日の「反差別」と自称する運動の中には、首を傾げざるをいないような人びとが散見される。「ヘイトスピーチ対策法」なる言論弾圧法案を進んで成立させた人びともまた、人間の尊厳や、権力の本質がいかなるものであるかを深く考察したとは、到底考えられない。

国家に言論内容についての嘴を突っ込む(今のところは「ヘイトスピーチ対策法」は理念法であるが、やがて拡大解釈されるだろう)口実を与えるなど、市民の側からは決してなされてはならない、言論の自殺行為に匹敵する行為であると、言論の末席を濁すわれわれ、鹿砦社、取材班、支援会は深く危惧している。

そしてその危惧は、不幸なことにおそらく外れてはいまい。その最たる証左は、「ヘイトスピーチ対策法」成立に深くかかわった、師岡康子弁護士が「M君リンチ事件」を無きものにしてでも(それだけではなく被害者M君を、あろうことか加害者に置き換えてまで!!)同法の成立に夢中であった事実が示している。

そこには法律家以前に、人間として最低限の知識も良識も見識もない。あるのは自己の目的達成のために、ひたすら〝障害物〟となる可能性がある「M君リンチ事件」を専門知識で闇に葬ろうとする、どす黒い私欲だけだ(師岡康子弁護士については近日中にあらためて詳述する)。

われわれは、私利私欲にもとづいて〝自己達成〟の手段として「差別」問題にかかわるものを、一切信用しない。むしろ最大限の軽蔑で、本質的な差別問題の敵であると断じる。われわれがM君を支援し、差別問題に向き合う基本的姿勢は上記したとおりである。

(鹿砦社特別取材班)

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例年にない猛暑のこの夏、例年になくいろいろなことが相次いで起きます。しかし、どれも私たちにとっては悪いものではなく、むしろ快哉を上げるようなもので、一つ起きるごとに勢いが増していくように感じます。例えば直近のものから挙げれば、――

8月6日、13年前に鹿砦社を地獄に落としたパチンコ・パチスロ・ゲーム機大手の旧「アルゼ」(現「ユニバーサルエンターテインメント」)創業者(元)オーナーの岡田和生氏が香港で逮捕されました。これについては本通信8月9日号を参照。

関西カウンターの理論的支柱で、最近も著書を出版した金明秀関西学院大学教授による同僚教授暴行事件について、ようやく大学当局も解決に乗り出し夏休み明けまでに調査委員会を設置することを約束しました。入試が近づき〝第二の日大〟化を懸念する関学はきっと前向きな解決策を取ることでしょう。こちらも本通信でたびたび採り上げていますので繰り返しませんが、関心は大きいですね。

また、金明秀教授が関西カウンターの理論的支柱なら、東京の理論的支柱といえる師岡康子弁護士による、いわゆる「師岡メール」が、これを受け取った金展克氏によって公にされ、「人権派弁護士」によるM君リンチ事件の一端が明らかになりました。こちらも本通信6月7日号をご覧ください。なお、師岡弁護士には質問状を送っていますが、回答期限を過ぎてもなんの回答もありません。「人権派弁護士」ならきちんと答えよ!

ところで、M君が李信恵氏らリンチの現場にいた5人を訴えた民事訴訟の一審判決後しばらく事態は静かに推移していましたが、騒がしくなったのはリンチ事件関係書籍第5弾『真実と暴力の隠蔽』発売直後からです。

特に木下ちがや氏(ハンドルネーム「こたつぬこ」)、清義明氏、そして私の座談会の記事が予想以上の反響で、木下氏は、かつての仲間からも非難轟轟、雨霰の攻撃を受けています。日本共産党に所属するといわれる木下氏、共産党特有の厳しい〝査問〟もあったものと推察されますが、あっけなく屈してしまいました。

 

挙句の果てに何を勘違いしたのか私たちに「家族ならび関係者への謝罪を要求します」とまでの、訳の分からない要求には失笑するしかありません。私たちは一度も木下氏の家族に言及すらしていないのに、どうして家族に「謝罪」しなければならない理由があるというのでしょうか。

また、李信恵氏の側も、これ以上ことを荒げることのできない事情もあったと思慮され、双方の利害や打算で「正式和解」になったものと思われます。〝大人の事情〟かどうか、外部から眺めるとすっきりしない「和解」です。

同書に掲載した座談会は、全体の3分の1ほどで、全体のテープリライトも終えていますし音声データも手元にありますので、場合によったら公開してもなんら構わないと思っています。両氏や周囲がこれ以上ああだこうだ屁理屈をこねるのであれば、いつでも公開する用意があります。

 

それにしても、木下ちがや氏ともあろう研究者――著書もあり、一時は「しばき隊No.3」ともいわれシールズを指揮・指導した人が、こんた体たらくでは、研究者としても社会運動家としても、また人間としても信用されないでしょう。無量光(ハンドルネーム)がいみじくも言うように「終わったな」ということでしょうか。

木下氏は、これから一生涯、このままでは李信恵氏にバカにされながら過ごさなければならないでしょうし、「しばき隊No.3」どころか「No.100(以下)」の地位に甘んじなければならなくなるでしょうが、それでもいいのでしょうか? 木下さん、屈辱を感じないですか?

座談会記事を読まれたならば、私がみずからの都合の良い方向に話を「誘導」(伊藤大介氏)していったのではなく、清義明氏の司会で、木下氏自身が清氏や私に意気揚々と、自説を能弁に語られたものであることはご理解いただけるでしょう。木下氏がそれを〝否定〟するのであれば、あの一連の発言は一体何だったのでしょうか!? 口から出まかせでしょうか? 木下氏は、これまでの様々な発言を、都合が悪くなれば、〝あれは「事実無根」だった〟と仰るのでしょうか?

この件については、M君リンチ事件の現場にもいて、大阪地裁で一番多い賠償金を課せられた伊藤大介氏が私をくどくどと非難されています。

 

 

「諸悪の根源は鹿砦社の松岡」だって!? 言うに事欠いていい加減なことを仰らないでください。伊藤さん、あなたはアレコレ御託を並べるよりもM君リンチ事件について、リンチの現場にいた最年長者としての責任を感じないんですか!? あなたが止めればリンチにはならなかったんじゃないんですか!? 血の通った人間としての対応をすることが先決ではないんですか!? 

今からでも、くだんの座談会で意見が一致した李信恵氏、エル金、凡3人の「謝罪文」に立ち返り、真摯に謝罪することから始めるべきではないでしょうか? 伊藤さん、男だったら、屁理屈を並べて醜く開き直るのではなく潔くなろうじゃありませんか!?

また、池田幸代という、社民党・福島みずほ参議院議員の元秘書だった人も、鹿砦社を非難しています。

 

「鹿砦社のやり方は本当にロクでもない」だって!? だったら、集団で凄惨なリンチをやった人たちはどうなんですか?「本当にロクでもない」のは、李信恵氏や上記伊藤大介氏らリンチの加害者らではないんですか?「わざと社会運動内の仲間割れをするような方向に持っていこうとするのは言語道断」だって!? じゃあ、集団リンチは許されるの? 集団リンチこそ「社会運動内の仲間割れ」ではないんですか? 池田さん、ぜひお答えください。

池田さんは「しばき隊」の活動に深入りし過ぎて福島議員の秘書をクビになったといわれますが、本当はどうなんですか? 沖縄で検挙され家宅捜索も受けたという噂も聞きますが、こちらも事実ですか? お答えいただきたく存じます。

私は木下氏らと座談会を行い(会場は清氏が手配し同氏が司会)、その後、食事し(こちらも高級な日本料理屋を清氏が手配。ちょっと高かったな〔苦笑〕)、さらにはラウンジにまで行き終電近くまで話し込んで、想像した以上に柔軟で話が分かる人だと感じ好感を持ちました。

話の内容もほぼ事実のようで、かつ本質を衝いていて、こういう人が話し合いに出てくればM君リンチ事件も解決の途に就くのではないか、と思った次第です。誤解を恐れず申し述べれば、座談会の後書きでも書いているように、私たちは好意を持って座談会をまとめ、よかれと思って掲載したのです。木下氏には「武士に二言はない」ぐらいの気持ちを持ってほしいものです。

李信恵・木下ちがや両氏が「正式和解」したって、あの時の木下氏の発言からして、どのように「正式和解」したのか、不可解で信じることができません。木下氏も〝あっちの世界〟でしか生きられないと悟られたのでしょうか? 木下氏は、大学の非常勤講師だけでは食っていけなくて、病院の職員をもされているということですが、この病院は共産党系の病院でしょうか? だったら、こちらを辞めたら明日の食い扶持にも困りますよね? 実はそんな卑近な理由かもしれませんが、それだったらあまり自信の持てないことを言わないことですね。

木下氏の発言には、聞くべきところも多々あり、簡単に「謝罪」してほしくありませんでした。

李信恵氏との「正式和解」という名の茶番劇――M君リンチ事件の解決は、また本質から遠くなったと感じざるをえません。いや、大きく逆戻りしたと思います。

本件とは関係ありませんが、冒頭に挙げた岡田和生氏逮捕に至るまで(最初の書籍『アルゼ王国の崩壊』を出版してから)15年もの月日がかかりました。4冊の告発書籍(その後、総括本を2冊出しているので計6冊。最初の本から6冊目まで6年掛かりました)での内容がようやく証明されたと言えますが、これまでリンチ事件関係では5冊の書籍を出版し、ここに来て事件や、その後の隠蔽工作の全貌がはっきりと見えてきました。

まだ2年半です。しかし活字にして残しておけば、例えばロイター通信が岡田の賄賂疑惑を取材するのに鹿砦社の本を読み、ここから私たちに連絡してこられ、私たちも協力しスクープになり、今回の逮捕劇に繋がったように、必ずや心ある方々の目に止まり、将来的に「あそこが日本の社会運動が解体していくターニング・ポイントだったんやな」と評価される時が来るものと信じています。

隠蔽に陰に陽に関わった著名人やカウンター/しばき隊のメンバーらは、口では「反差別」や「人権」を語りますが、裏ではその実態の醜悪さ、偽善者ぶりが明らかになってきました。君たちよ、少しは恥を知れ!「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」にも意地があるぞ!

『真実と暴力の隠蔽』 定価800円(税込)

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8月2日13時から15時まで、大阪梅田の梅田アブローズタワー会議室で、関西学院大学と、金明秀教授による暴行被害者A先生が加盟する新世紀ユニオンとの団体交渉が行われた。関西学院大学からは柳屋孝安副学長(法学部教授・労働法専門)をはじめ、人事部部長や社会学部事務長ら6名が出席した。組合側からはA先生とご伴侶はじめ7名が参加した。

双方が自己紹介を終え、団交に入るとまず角野新世紀ユニオン委員長が関学に対して、就業規則の開示、パワハラ等の相談窓口の規則・内規等の開示を求め、大学側は開示を約束した。同時に両者間で和解が成立しているからといって、大学には「使用者責任」(民法715条)「安全配慮義務」(労働契約法第5条)があり、それが果たされているかを検証する質疑がなされた。

関学側の回答者は主として柳屋副学長であったが、社会学部事務長によると、A先生が金明秀教授により暴行を受けたと知ったのが2013年5月20日。同月の後半に当時の学部長から金明秀教授に「口頭注意」があったことが明かされた。ただし社会学部事務長はその詳細についての資料を持参しておらず、「口頭注意」がいつ、どのような内容で行われたかが不明であったので、組合側はその記録を後日開示するよう求め、柳屋副学長は「検討する」と回答した。ただし「口頭注意」は同学の規定上「処分ではない」ことを柳屋副学長は明言した。

大学側はこの事件にかんして、「いろいろやっている」と語ったが、その内容はA先生の研究室を別の建物に移動した(A先生の希望ではない)、大学に届いたA先生宛の荷物を研究室に運ぶ、試験監督の日が金明秀教授と重ならないように配慮しているなどであった。たしかに「A先生に対して全く何もしていない」わけではないことはわかったが、本来研究室を移動すべきは、加害者である金明秀教授ではないのか。さらに、A先生は金明秀教授が教授会に出席しているために、教授会に出席することができていない。大学教員にとって教授会に出席できないことは大きなマイナスであるが、この現実への対応や配慮は大学側から、全くなされていない。

そして驚いたのは、2013年5月後半に当時の学部長が金明秀教授を「口頭注意」したのち、大学は調査委員会を設けることはおろか、金明秀教授になんらの処罰も行っていないことが明らかになったことである。柳屋副学長は「当時双方が代理人を立てて、和解の可能性もあったので大学が口を挟むことは控えた」と語ったが、これは全く失当な発言である。結果として同年8月に和解が成立したものの、当初金明秀教授の代理人は、金明秀教授の非を全く認めておらず、仕方なくA先生は警察に告訴をし、受理されているのだ。刑事告訴を金明秀教授側に伝えたところ、急に態度が一変し和解へと向けた交渉へと方向性が変わっているのが事実だ。だいたい「代理人を立てた」ら「大学は口を挟まない」理由の合理性はどこにも見当たらず、まさに「使用者責任」(民法715条)、「安全配慮義務」(労働契約法第5条)違反は明らかだ。

そして柳屋副学長は「A先生が13発殴られ、声帯が破損していたのが事実であれば酷いと思う」と言いながらも、A先生が持参した金明秀教授代理人から暴行を認める内容の文書を柳屋副学長に示し、読み上げるも「どこにも13回殴ったと書かれていませんね」と回数に拘泥し、A先生はこの発言を受け、精神状態に悪化をきたしはじめた。殴った回数が問題なのか?

その後驚くべきことに柳屋副学長はA先生を「金先生」と(!)被害者を加害者の名前で呼んだ。いくらなんでも被害者を目の前にした団交の席で被害者の名前を加害者で呼ぶのは、過ちであったにしろ取り返しのつかない重大な無礼だ。この行為が仮に金明秀教授に対して行われていれば、彼は「劣悪なレイシャルハラスメントだ!」と激怒したことであろう。

◆「次なる暴行事件」が起きるまで「待つ」というか?

さらに金明秀教授からはもう1件暴行を行ったことを聞いていると柳屋副学長は発言したが、その暴行は木下ちがや氏に向けてのものであることが、2週間前の聞き取りで判明したことを認めた。2週間前には組合が既に団交を申し入れており、団交の申し入れがなければ関学は木下ちがや氏に対する金明秀教授の暴行事実も知り得なかったと考えるのが妥当だろう。そして木下ちがや氏への暴行も「口頭注意」で済まされている。

そして柳屋副学長はA先生への暴力事件で「口頭注意」をし、木下ちがや氏の件で「口頭注意」をしたので「次は懲戒処分になると思う」と発言した。ということはもう1件の「暴力事件」がなければ金明秀教授には、何のお咎めもなしということか。2件の暴行事件を確認している関西学院大学は「次なる暴行事件」まで「待つ」というのだろうか。

しかし、ここに柳屋副学長が見落としている重大な事実がある。金明秀教授についての「口頭注意」は、われわれが知りうる限りでも、これで3度目である。2016年8月23日、取材班が金明秀教授に電話取材を行った際、M君に関する下記の書き込みを行ったことについて「口頭注意」を受けたことを金明秀教授は自ら認めている(『反差別と暴力の正体』77頁)

金明秀(キム・ミョンス)関西学院大学社会学部教授が2016年5月19日、ツイッター上でM君に向けて行った書き込み

また、A先生が大学に訴えている別件のハラスメントの申立てについて、驚くべき事実が明かされた。関西学院大学では「療養規定」(体調不良などで仕事を休む制度。正規の給与と賞与が支払われる)の教員が、別の大学で非常勤講師を勤めることを「例外的」に認める場合があるというのだ。病気や体調不良で本来の仕事ができなくて、休んでいる教員がよその大学で仕事をすることが認められる場合があると柳屋副学長は断言した。

このような行為は社会通念上許されるであろうか。これまでこのような行為を是認する大学や企業を、取材班は耳にしたことがない。さらに金明秀教授には「サバティカル」不正問題も明らかになっている(団交ではこれを論じる時間はなかった)。

◆関西学院という大学は、暴力と不正にまみれたブラック大学なのか!?

この日の団交では、結果的に金明秀教授の暴行事件を調査する委員会の設置が、新学期が始まる9月22日までになされることが関学側によって確認された。調査委員会の中には大学とは関係のない「第三者」を入れることを組合は要求し、柳屋副学長はこれを了承した。一定の成果があったとはいえる団交ではあったが、これまでの関西学院大学の対応のまずさと、関西学院大学に宿る「非常識」の一面が浮き彫りになる団交であった。

対日大とのアメフト問題では、暴力を非難し爽やかなイメージを醸し出した関学が、これまで金明秀教授による暴力と不正を放置していたことは、常識的に考えて大問題だろう。ことは、単なる同僚教授間の対立や口論などではない。この間に<暴力>が介在していたことが問題なのは言うまでもない。関学側はこのことを基本的に押さえておくべきだ。

これから、大学にとって大きな行事である入試が近づく。関学の対応次第では、爽やなイメージが急落し受験者も急減するかもしれない。問題をしかと見据え、真摯な対応をしなければ、〝第二の日大〟と化すこともリアリティとしてありえることを関学側は肝に命じなければならない。

本件は今後も漸次報告していく――。

(鹿砦社特別取材班)

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注目のM君リンチ事件控訴審ですが、去る7月23日(月)午後2時30分から大阪高裁にて開かれ、1回の審理で結審となりました。この間、わずか10分ほど。えっ、これで十分な審理ができるの!? 日本の裁判制度が、一部を除いて〝事実上の一審制〟といわれる所以です。判決は10月19日午後2時です。

こちらが結審したことで、M君もしばらくは、先般不起訴不当の審理を申し立てた検察審査会への準備に着手します。私たちも、これまで同様、全力で支援します。

◆リンチ事件裁判、控訴審結審に際して――

ところで、控訴審結審まで来て、私は法廷で、ひとつの感慨にひたりました。一昨年(2016年)の初めに、このリンチ事件の存在を聞いて以来、私(たち)は素朴、単純に酷いと感じ、失礼な言い方かもしれませんが、社会的にはほとんど力のない一部少数の人たち以外にリンチ被害者M君の味方はおらず、事件から1年以上も経ち、報道されることもなく(マスコミは社会の木鐸ではなかったのか!?)、このままでは世の人々に知られずに隠蔽されて終わりそうでした。「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」(鹿砦社元社員の藤井正美のツイート)にも意地があります。私なりに義憤を覚えました。実は私は今年67歳、65歳で引退し後進に道を譲るつもりでしたが、延期し最後の仕事として本件に関わることにしました。この判断は、今でも間違いなかったと思っています。爾来、私たちは社内外の有志で「特別取材班」を、そして民事訴訟の準備が整ったところで「M君の裁判を支援する会」を結成し、被害者救済と真相究明の途に就きました。

この少し前、脱原雑誌『NO NUKES voice』を創刊し、その中で1年間に300万円余りの経済的支援をしつつも(少しは感謝しろ!)、加害者らと人脈的に繋がりのある「反原連」(首都圏反原発連合)から一方的に絶縁され、さらに鹿砦社社内に潜り込んでいたカウンターの中心メンバー・藤井正美が業務時間内に業務と無関係(つまりカウンター関係)のツイッターに勤しみ私のことを「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」などと揶揄していたり、いつ仕事をしているかわからないほどの量のツイートが出てきて、やむなく解雇に至りました。反原連絶縁については『NO NUKES voice』に長文の反論を掲載し、また藤井解雇についても、膿を出しせいせいしていたところで、この時点では後腐れもありませんでした。こうしたことへの「意趣返し」(安田浩一氏の言)で、私たちが本件に関わり始めたわけではありません。運動を「分断」させるというような意図もありませんでした。

 

『カウンターと暴力の病理』グラビアより

リンチ被害者M君が提供した主だった資料、特にリンチ直後の顔写真とリンチの最中の音声データは衝撃的でした。こんな凄惨なリンチ事件を、発生から1年以上も知りませんでした。あとで判ったことですが、元社員の藤井正美の会社所有のパソコンから事件直後からの情報がたくさん出てきて、カウンター内部では大騒ぎだったようでした。にもかかわらず、お人好しの私は、藤井が会社のために真面目に働いていたと誤認していました。

「反差別」を金看板にした「カウンター」といわれる社会運動について、さほどの知識もなく徒手空拳で取材・調査を始めました。M君の話を聞き、彼が持ってきた資料などで、事件の概要が見えてきました。取材からしばらくして、私たちはM君の述べることを大方信じ、M君の支援を開始することにしました。

私たちが2010年9月から隔月ペースで始めていた、いわゆる「西宮ゼミ」にちょくちょく来ていた「ヲ茶会」(ハンドルネーム)さんが本件の話を持ってきたのは2016年2月28日のことでした。当初は「今の社会でこんな暴力沙汰があるのか」と半信半疑でした。それもマスメディアに「反差別」運動の旗手のように持ち上げられる李信恵さんがリンチの現場に居て関わっていることを知り、驚くと共に愕然としました。しかも深夜に日本酒に換算して一升ほどの酒を飲んで呼び出し5人でリンチをやったということにも驚きました。マスメディアで、いわば現代の英雄のような扱いを受ける者が、裏ではこんなことをやっていたのか!? 世の中には、こうした輩が少なくありませんが、差別と闘うとは、本来なら崇高な営為なのに、その旗手のような者が、こんなことに関わっていたのかと思うとやりきれない気持ちになりました。


◎[参考音声]M君リンチ事件の音声記録(『カウンターと暴力の病理』付録音声記録CDより)

◆リンチ事件の隠蔽に加担する著名人、常識とかけ離れた人々に驚きました

ところで、このリンチ事件の被害者救済と真相究明に関わっていく過程で感じたことに、著名な知識人やジャーナリストらが隠蔽に積極的に加担していることでした。取材や確認をしようと電話してもシラを切ったり、電話にさえ出ない者も少なからずいました。思い出すだに名を出せば、中沢けい、香山リカ、西岡研介、安田浩一、有田芳生、辛淑玉、鈴木邦男、佐高信、津田大介、佐藤圭、中川敬、岸政彦……の各氏。今まで何を学んできたのか!? 

特に鈴木邦男氏は、私と30数年来の関係があり、それも決して浅くはありません。隔月ペースで著名なゲストを招いて行った「西宮ゼミ」も3年間やりました。鈴木氏は、かつて組織内でリンチ殺人、死体遺棄事件が発生し、これを機に対話路線に転じました。その頃からの付き合いでした。他の方々とは違い、暴力の問題には一家言があるはずで、こういう時にこそ鈴木氏の出番だと思っていましたが、とんだ思い違いでした。残念ながら、このリンチ事件への対応で30数年に及ぶ関係を義絶しました。

また、世間の常識とかけ離れた変な人も少なくありませんでした。一日中ツイッターなどSNSに狂っていると、感性も狂ってしまうようです。

世間の常識とはかけ離れていると言えば、李信恵さんら加害者がM君に出した「謝罪文」と、この撤回、辛淑玉さんが出した、いわゆる「辛淑玉文書」とのちの転向文書、あたかも味方のように近づいて資料やM君周囲の情報を入手し、突如掌を返した趙博氏(私たちは直接裏切られたので趙氏をスパイと断じます)等々。本当に常識外れの掌返しや寝返りが多いです。言葉も共通して汚いです。

最近表に出た「師岡康子メール」なども非常識の極みで、著名な弁護士がリンチの被害者に対して、刑事告訴をして、もしヘイトスピーチ規正法がおじゃんになれば、あろうことか被害者のほうが「反レイシズム運動の破壊者」として「重い十字架を背負う」とまで常識では考えられない倒錯したことを言っています(詳しくは6月7日付け本通信参照)。

◆「反差別」運動の一大汚点に私たちなりに全力で取り組みました!

一昨年2月28日以来、私たちは私たちなりに、「反差別」運動、いや日本の社会運動の一大汚点といえる、このリンチ事件について、取材と調査に邁進してきました。多くの資料や情報が発掘できました。多くの関係者に話を聞くこともできました。

これまでこのリンチ事件については5冊の本を出版してきましたが、これらに収録してきました。控訴審の結果がどうあれ、私たちは持てる力を尽くしM君リンチ事件について被害者救済と真相究明に関わってきました。毎回〝目玉〟記事もあり、事件関係者周辺にインパクトを与えてきたことは事実でしょう。「デマ本」「クソ記事」などと言うだけで反論らしい反論もありませんので、私たちは事実だと考えています。「デマ本」「クソ記事」と言うのなら、どこがどう「デマ」なのかを指摘し反論本の1冊でも出版してみたらどうですか!? 

◆ジャーナリスト・山口正紀さんの声を聴け!

私たちの5冊の本が、どれだけ多くの方々の目に触れたかわかりませんが、少ないながらも心ある方々には伝わっていると思います。この通信でも採り上げている前田朗東京造詣大学教授、ジャーナリストの黒藪哲哉さん……。

とりわけ、私たちの本でこのリンチ事件を知られた、元読売新聞記者で良心的ジャーナリストの山口正紀さんは控訴審に意見書まで書いてくださいました。長文ですが、本人の了解を得て全文を公開いたします。全面的に賛同いたします。これがまともな感覚を持った人の意見だと思います。ぜひともご一読ください。

ジャーナリスト、山口正紀さんによる意見書(01P/全11P)

02P

03P

04P

05P

06P

07P

08P

09P

10P

11P

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

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