今興行タイトル「フェザー級の至宝が揃い踏み、甦る老舗の底力」に際し、前回に続いてのメインイベンターは、無くてはならない存在となった瀬戸口勝也。ベテランのガン・エスジムにはテクニックで敗れるも強打は優った。

ジョニー・オリベイラの王座戴冠後の初戦はムエタイテクニシャンに惜敗。

NJKFからやって来たTAKAYUKIと庄司理玖斗ともにインパクトあるTKO勝利。

◎TITANS NEOS.34 / 5月12日(日)後楽園ホール17:15~20:03 
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

(戦績は興行部データより、この日の結果を加えています。第4試合以降はプロ試合。)

◆第12試合 58.0kg契約3回戦

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/ 57.85kg)43戦31勝(14KO)9敗3分
        VS
ガン・エスジム(元・ラジャダムナン系フェザー級5位/タイ/ 58.0kg)107戦78勝26敗3分
勝者:ガン・エスジム / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:勝本29-30. 宮沢28-29. 中山28-29

ガンエスジムは2022年9月、馬渡亮太にはヒジ打ち相打ちでKO負けしているが、2022年7月、ジャパンキック協会の睦雅に判定勝利、2023年6月、NJKFスーパーフェザー級の龍旺に判定勝利、2023年8月、NKBライト級の棚橋賢二郎にTKO勝利しているベテランムエタイ戦士。

初回早々は両者ともローキックで牽制、徐々にミドル、前蹴りなど高めの蹴りからパンチの距離に移る。ガンエスジムは重いパンチで牽制。ジャブを幾らか瀬戸口にヒット。瀬戸口勝也も得意の強打でボディーから顔面へ打ち返す。

蹴りはガン・エスジムが優る。ヒジ打ちで斬られた瀬戸口勝也は苦戦

第2ラウンド、瀬戸口はパンチ、ガンエスジムは重いミドルキック、接近した際にガンエスジムは左ヒジ打ちで瀬戸口の眉間をカットし、そのまま組み合ってヒザ蹴りで攻勢を強める。一旦ドクターチェックに移るもすぐ再開。ガンエスジムは余裕が出てきた流れ。

パンチは瀬戸口勝也が優る。しかし凌ぐのが上手いガン・エスジム

第3ラウンド、瀬戸口のパンチを蹴りと首相撲へ導いて凌ぐガンエスジム。瀬戸口はガンエスジムのテクニックに躱されるまま終了。

駆引き勝負はガンエスジムが優った勝利、無念の瀬戸口勝也

◆第11試合 60.0㎏契約3回戦

日本スーパーフェザー級チャンピオン.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ 59.8kg)
62戦16勝(1KO)28敗18分
       VS
ペットボーライ・チュワタナ(タイ/ 59.6kg)129戦86勝38敗5分
勝者:ペットボーライ / 判定0-3
主審:少白竜
副審:椎名28-30. 宮沢28-30. 中山29-30

チャンピオンに成ればやって来るムエタイ路線。3月に王座に就いたジョニー・オリベイラも然り。今回の対戦相手はペットボーライ。タイではペッチンチャイというリングネームらしい。文字をカタカナ読みすれば“ペットチンチャイ”。パンチとローキックが強いテクニシャンという情報だった。

ペットボーライのローキック、頑丈なジョニー・オリベイラは崩れない

パワーで優るジョニー・オリベイラのパンチの攻勢

ペットボーライの体幹良いミドルキック。パンチで行きそうなジョニーは重心が前足に掛かるスタイル。テクニックでは敵わずもパンチのパワーで圧し優りたいジョニーと、ムエタイテクニック発揮のペットボーライ。危機感あったジョニーの劣勢感は無く、ペットボーライのテクニックを凌ぎ切った。

ジョニーは「ペットボーライは上手かったです。」と一言。

セコンド陣営の中川卓氏は「ペットボーライはテクニック有りましたけど、大差を付けられることは無いと思っていて、ジョニーはリーチあるのでもっとジャブも出せればいいけど、練習では出るのに試合では力んでしまって出さないから勿体無かったです。離れ際にハイキックも出せればよかったですね。」と語った。

体幹、テクニック優って勝利のペットボーライ、無念のジョニー・オリベイラ

◆第10試合 フェザー級3回戦

NJKFフェザー級2位.TAKAYUKI(金子貴幸/K crony/ 57.05kg)
29戦16勝(1KO)12敗1分
        VS
KAZUNORI(元・DEEP KICK 53㎏級3位/REAL/ 56.9kg)40戦14勝26敗
勝者:TAKAYUKI / TKO 3ラウンド46秒
主審:勝本剛司

序盤は互角も次第に的確に隙を見て空いたところを打ち込む金子貴幸のリズムが上回って行き、ローキックでバランス崩させたり、パンチ蹴りでも攻勢を強め、ノックダウンへ繋いだ。KAZUNORIはノックダウンを喫した後、そのままドクターチェックに移り、ヒジ打ちによるカットと見られたが、そのままドクターの勧告を受け入れたレフェリーストップとなった。

TAKAYUKIが組み合ってのヒザ蹴り、徐々にベテランの技で圧倒した

◆第9試合 56.0kg契約3回戦

NJKFスーパーバンタム級6位.庄司理玖斗(拳之会/ 55.9kg)12戦8勝(5KO)3敗1分
        VS
玉城慧(真樹ジム沖縄/ 56.35→56.3→55.95kg)9戦5勝4敗
勝者:庄司理玖斗 / TKO 3ラウンド44秒 / カウント中のレフェリーストップ
主審:椎名利一

第1ラウンドはアグレッシブに蹴りがヒットしていた玉城慧だが、徐々に庄司が調子を上げ、ヒジとパンチで逆転していくと玉城慧は後退気味。第3ラウンドにはラッシュをかけた庄司がパンチからヒジ打ちを玉城の頭部へ落としてノックダウンを奪った。蹲った玉城はそのまま横たわり、テンカウント間近ではあったが、カウント中のレフェリーストップで庄司理玖斗がTKO勝利した。

庄司理玖斗が多彩な攻めで成長を見せた巻き返しの勝利

◆第8試合 70.0kg契約2回戦 義人欠場につき磯村真言に変更

ヴェジー・チョル(伊原/ 68.9kg)1戦1分
    VS
磯村真言(グラップリングSB名古屋/ 68.95kg)6戦5敗1分
引分け 0-1 (19-19. 19-20. 19-19)

ヴェジーは蹴りが速く、重くヒットするインパクトを与えた初回。磯村真言も対抗し、打ち合い蹴り合って巻き返しに掛かるとヴェジーのパワーがやや失速、磯村が巻き返した第2ラウンドによって、取って取られた採点の0-1ではあるが引分けとなった。

中国出身のヴェジー・チョルとシュートボクシングから出場の磯村真言の意地の攻防

◆第7試合 63.5kg契約2回戦

宇野澤京佑(伊原/ 63.3kg)2戦1勝1敗
    VS
今野龍太(笹羅/ 62.5kg)5戦1勝3敗1分
勝者:宇野澤京佑 / 判定3-0 (20-17. 20-18. 20-17)

パンチの交錯はやや打ち優った宇野澤京佑が判定勝利。

宇野澤京佑がパンチの攻防を優って判定勝利を導いた

◆第6試合 OVER FORTYFIGHT 60.0㎏契約2回戦(2分制)

長友亮二(KING/ 59.5kg)3戦2勝1敗
      VS
伊興田翔(Team lmmortaL/ 59.6kg)3戦3勝(1KO)
勝者:伊興田翔 / TKO 2ラウンド52秒 /

伊興田翔がパンチでラッシュ掛け、長友亮二はスタンディングダウンを奪われるが、更に打たれながらもカウンターの右ストレート数発繰り出し、伊興田翔をグラつかせるも一発のみで、伊興田翔の勢いが優り左ストレートでノックダウンを喫した長友亮二。立ち上がるもしっかりファイティングポーズをとれず、カウント9でレフェリーストップとなった。

◆第5試合 女子(ミネルヴァ)44.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級11位.UveR∞miyU(T-KIX/ 43.85kg)8戦3勝4敗1分
       VS
友菜(Team lmmortaL/ 44.0kg)6戦1勝3敗2分
引分け 0-1 (29-29. 29-29. 29-30)

◆第4試合 女子(ミネルヴァ)55.0kg契約3回戦(2分制)

三宅美優(拳之会/ 54.2kg)vsMIO LaReyna(TEAM REY DE REYES/ 54.05kg)
松田沙和奈欠場、三宅美優に変更
勝者:三宅美優 / KO 1ラウンド1分8秒 / 2ノックダウン
主審:中山宏美

◆第3試合 アマチュア男女混合 37.0㎏契約2回戦(2分制)

西田永愛(伊原越谷/ 36.8kg)vs永井りい(VALLEY/ 36.3kg)
勝者:西田永愛 / 判定2-0 (19-19. 20-19. 20-19)

◆第2試合 アマチュア 43.0㎏契約2回戦(2分制)

西田蓮斗(伊原越谷/ 42.7kg)vs渡部翔太(KING/ 43.0kg)
勝者:西田蓮斗 / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-18)

◆第1試合 アマチュア 34.0㎏契約2回戦(2分制)

武田竜之介(伊原越谷/ 33.45kg)vsヨムトュノーイ・ロークパークデーン(タイ/ 33.8kg)
勝者:武田竜之介 / TKO 1ラウンド40秒 / カウント中のレフェリーストップ

《取材戦記》

主力選手が少ない中、どうやって甦っていくかが注目され続ける新日本キックボクシング協会。閑散とした会場の静けさは、キックボクシングが最も低迷していた昭和57年頃の会場のようだった。各選手の応援団の歓声が幾らか騒めく役割を果たしたが、試合によっては歓声よりセコンド陣営の声が響く会場内。

2興行連続でメインイベンターとなった瀬戸口勝也。前回、木下竜輔との王座決定戦を制し、チャンピオンロードを歩むことになったジョニー・オリベイラの二人は今後もメインイベンタークラスとして起用されそうな流れである。

昨年10月、脳腫瘍の大病から復活宣言した江幡塁は、未だ完全復活の目途は立っていないが、仮に復活が叶うならば、新日本キックボクシング協会の「甦る老舗の底力」がより期待出来る存在である。コーチとして指導に当たる現在だが、新たな復活の展開も見えて来そうな江幡塁である(私の予想はすぐ外れるので御容赦ください)。

次回、新日本キックボクシング協会興行は7月7日(日)後楽園ホールに於いてMAGNUM.60が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年6月号

◆NJKFの新エース、嵐とは

嵐(坂本嵐/2005年4月26日、東京都出身)は、今年2月11日にNJKFバンタム級王座決定戦で、甲斐元太郎(理心塾)を第2ラウンドにヒザ蹴りをボディーに炸裂させ倒し切るTKO勝利で王座獲得。興行MVPでNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)のエース格へ頭角を現した。

チャンピオンとなって最高のチームと並ぶ(2024.2.11)

その評価で4月7日は初のメインイベンターとなったが、前日計量記者会見で語ったのは「そのうち全てのチャンピオンを倒していく。その最初の相手は桂英慈選手になる!」と宣言したが、その桂英慈に主導権を奪えない苦戦の引分け。早速壁にぶち当たった感のある中で、11月のNJKF祭り(総決算)に向けて、今年のエース格は担い続けなければならない。

桂英慈に苦戦の引分け、再戦があれば雪辱したい相手(2024.4.7)

3年前だが16歳の嵐。2戦目、悠戦(2021.6.27)

絆興行での5戦目、玉城海優に2ラウンドKO勝利(2022.4.24)

9戦目、倒れた相手に挑発、KAZUNORIに判定勝利(2023.6.4)

◆凶暴性ある心優しい子

嵐が5歳の時に入門したキングジムでは7人目のチャンピオン誕生となった中、3月17日に江戸川区のタワーホール船堀で嵐のNJKF王座獲得祝賀会が行われました。

嵐は御挨拶で「2月11日にはNJKFバンタム級チャンピオンと成っても全然こんなところで満足していないし、俺はNJKFをトップ団体に連れて行って、必ず最終目標である世界制覇を成し遂げ、キングジムという最高のチームと自分を応援してくれる最高の応援団に必ず日本のトップの景色を見せようと思っているので、御支援応援宜しくお願い致します。」と力強い宣言。

更にステージ上ではお母様に「生まれてから18年、非行に走ったり、格闘技をやりたいと言い出した時に、真剣に向き合って話し合って、見捨てることなくここまで育ててくれて有難う。」と感謝の言葉を述べた。

嵐のお母様は「チャンピオンベルト獲った時もそうなんですけど、想像も出来ないことやってくれるので、いつも胸が熱い想いをさせられています。とても心優しい子なんですけど、キックボクシングをやると決めて、今迄ずっと頑張って来てくれたので、これからも応援宜しくお願い致します。」と息子への想いを語った。

昨年11月12日のNJKF興行のセレモニーでは、今年2月11日興行の東西対決で対戦する甲斐元太郎(理心塾)と対峙し乱闘寸前の罵り合いを起こした。その東西対決の前日計量では「あいつを殺します!」と物騒なアピールをして一人先に退席する悪役っぷりを発揮。しかし試合はクリーンファイトで技量を見せ付け、「チャンピオンは俺を産んだ母!」と母の腰にチャンピオンベルトを巻いた親孝行ぶりを見せたのは、すでに試合レポートで述べたとおりである。

ここまで13戦11勝(5KO)2分……(不戦敗は加えません)

嵐と甲斐元太郎の舌戦(2023.11.12)

 

甲斐元太郎の心臓にヒザ蹴り炸裂(2024.2.11)

◆カオマンガイ嵐としてデビュー?

現・キングジム、羅紗陀会長が語る嵐について、ジムに入った5歳の頃、当時はまだ現役で、コーチでもあった羅紗陀氏に後方からカンチョーしたり、股間を殴って来たりの腕白坊主。でもキックボクシングの才能はピカイチで、同時に学校の成績も良かったが、キックボクシングに専念したいということで勉強しなくなった様子も、何をやるにも意志の強い子だったという。

NJKFで始まったアマチュア大会「EXPLOSION」で嵐は2015年の第一回から出場。大会実行委員長の米田貴志氏は、「この頃からすでに嵐選手は強くて上手いと思っていました。」と語る。

しかしアマチュア時代はトントン拍子で来た訳ではなく、小学校高学年になると、アマチュアのタイトルマッチで連敗喫して、次のタイトルマッチで負けたら辞めるという中、最後の最後でアマチュアのベルト獲った時には、嵐本人やお母さん、周囲の仲間らが皆泣いたという感動も懐かしいという羅紗陀会長。

(2018年2月4日、EXPLOSION第5代37kg級王座。2019年12月15日、第8代50㎏級王座獲得)

そしてプロに上がって試合を重ねていく毎に、キックボクシング、ムエタイ、ボクシング、それを融合したハイブリットな嵐に成長していった。

王座獲得祝賀会で貼られた4月7日興行ポスター、18歳がメインイベンター(2024.3.17)

プロデビューは2021年(令和3年)3月7日、3回戦で判定勝ち。リングネームは名前だけの“嵐”。

向山鉄也名誉会長(前会長)は、「嵐がデビューする前に、リングネームをどうするか、どうしたら名前が売れるかなと、『嵐、お前タイ料理で何が好きだ?』と聞いたら、『カオマンガイ』と言うから「カオマンガイ嵐」にしようと決めてエントリーしたのに、試合当日のプログラム見ると名前が替わっていて、この会長差し置いて連盟に直訴して“嵐”に替えていた」という。

キングジムは向山会長の趣味で、歴代からヘンなリングネームを付けられる慣習があった為、これを回避しようと先回りしたなら、嵐は試合のような相手の作戦を読んで先手を打つ才能を持ったキックボクサーであろう。

◆今後のストーリー

向山鉄也氏は続けて、

「嵐はこれからが本当の勝負で、世界平和? いや、世界制覇か、この最高峰を目指しているということで今、軽量級で世界一になっている奴、それが吉成名高(ムエタイ二大殿堂同時制覇、二階級制覇)。それがめっぽう強い奴なので、これに勝てば嵐の夢も達成出来ると思います。今はまだ早いんですけど、2~3年もすれば名高もバンタム級に上がって来るだろうと思うので、そこで名高との試合を観たいなと思いますね。そこで嵐が勝てば一番ですけど、そこまで行くのにこれから一日一日、本当に血の出るような努力が必要。まあこれから嵐は今からどんどん新たなストーリーが始まっていくので、皆さんもこいつの生き様を最後まで見届けてやって、後楽園ホールに応援に来て頂ければと思います。」

と実現可能ながらも険しい日々となるストーリーを語っていた。

キングジム前会長の向山鉄也氏とツーショット、孫の世代の歳の差(2024.3.17)

先日4月7日の桂英慈戦は格下相手かと思われる中、首相撲が強く、相手の持ち味を殺してしまう上手さがある選手だった。嵐はテクニックや圧倒的な攻撃力があるが、スタミナ的な不安が指摘された。今後はタイトルマッチを含め、ノンタイトル戦でも5回戦が増えて来る可能性も大いにあり、スター性も充分あるので我武者羅に練習して今後に繋げて貰いたいものです。

格闘群雄伝で現役選手を扱うのはプロアマ含め、嵐で二人目でした。現役選手という存在は今後の運命が全く分かりませんが、嵐はここから大きく飛躍すると見据えての御登場でした。

世界制覇にもいろいろな道程がある中、向山鉄也氏が期待する吉成名高戦の実現まで“チャンピオンの終わりなきトーナメント”を現役最後まで見届けたいものです。

祝会で披露したミット蹴りでコーチを圧倒(2024.3.17)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

ラストファイトと引退式、訣別のリング。

海老原竜二は2021年12月11日に王座決定戦で龍太郎(真門)を左ハイキックで倒し、10月からの4人トーナメントを制しての初戴冠。2022年10月29日、初防衛戦で森井翼(テツ)に敗れ陥落したが、パンチが得意の“生粋の喧嘩屋”の異名を持ってNKBエースの一角を務めて来ました。

有終の美は飾れずも、ラストファイトに相応しい完全燃焼のノックアウト(TKO)負けは清々しい姿であった。

◎冠鷲シリーズ vol.2 / 4月20日(土)後楽園ホール17:30~20:53
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

(戦績はこの日のプログラムを参照し、この日の結果を加えています。石川直樹は絆興行より参照)

◆第12試合 55.0kg契約 5回戦

 

勢い付いて来た石川直樹の飛びヒザ蹴り、更にヒザ蹴りの攻勢は続く

NKBバンタム級1位.海老原竜二(第9代Champ/神武館/1991.3.6埼玉県出身/ 54.9kg)
27戦14勝(6KO)13敗
       VS
石川直樹(元・日本フライ級Champ /Kickful/1986.8.18埼玉県出身/ 54.85kg)
47戦27勝(13KO)10敗10分
勝者:石川直樹 / TKO 3ラウンド 1分46秒
主審:鈴木義和

パンチの海老原竜二とヒザ蹴りの石川直樹。どちらが主導権を握るかが見所の攻防は、両者のローキックと前蹴りでの様子見から、次第に距離が縮まると石川直樹が首相撲から崩し転ばす流れに移っていく。海老原は蹴りからパンチを狙うが、石川はハイキックも使う蹴りでしっかり対応。

第2ラウンドには更に石川直樹の首相撲の展開に移っていくが、組み合うとすぐブレイクが掛かり、組んでジワジワ攻めるヒザ蹴りがやり難い展開に陥った。次第に苛立ち、レフェリーに「ブレイクが早い!」と訴えるも聞き入れられず、それでも至近距離でヒザ蹴りを入れ、素早く組み付いて崩し転ばす技は光った。

ボディーが効いている海老原は転ばされてからの立ち上がりも次第に遅くなり石川の飛びヒザ蹴りでロープ際に追い込まれ、更にヒザ蹴りを受け2度のノックダウンを奪われてしまう。それでも懸命に立ち上がり諦めない姿で逆転を狙う。

第3ラウンドには、石川の伸びあり突き刺す意味を持つヒザ蹴り“テンカオ”が再び海老原のボディーを捕らえると、立ち上がるもファイティングポーズを構えるに至らず、レフェリーストップが掛かった。

海老原竜二の右ミドルキック。持っている技は出し尽くした

首相撲からのヒザ蹴りや転ばしは石川直樹の技、組まれる方は苦しい

 

試合後、引退セレモニーに臨んだ海老原竜二、家族やジム関係者に感謝を述べた

試合後、ボディーのダメージは回復し、グローブとバンテージを外され、無事に引退セレモニーに移り、海老原竜二の挨拶に入った。話すことは何も用意してなかったという中、4分程の熱い語り口。

「引退試合だったんですけど、しょっぱい試合しちゃって、最後、派手に散っちゃって申し訳ないです。」と応援団が居る北側に向かって語り続けた。「16歳の時、親父死んじゃって、オカン一人で育ててくれて、ここまでやって来れたんですけど、ちょっとは親孝行出来たかなと思います。オカン有難う!」

今後、活躍する選手の皆には「やるかやられるかの試合を体現して欲しいと思います。」と想いを告げ、最後は「今迄最高の格闘技人生でした。NKB最高!」と締め括ってテンカウントゴングに送られた。

リングを下りた後は「蹴られてもアバラを折られても勝ちたかったので、もうちょっと打ち合えればと思いましたが、まあ全部出し切ったので悔いは無いです。」と語った後、石川直樹の控室を訪れた。海老原竜二のヒジ打ちも石川直樹の額を掠めており、その互いの狙った技の感想を言い合ったり、石川直樹は「引退試合に選んでくれて有難う。」といった戦った者同士の爽やかさが広がっていた。

◆第11試合 66.7kg契約3回戦

石川直樹に「前回3月31日の絆興行から2週間(実際は20日間)の間隔でしたけど、調子はどうでしたか?」と問うと、「調子は良かったです。脛はちょっと痛かったですけど、試合となれば関係無くて、また2週間程度で試合やれと言われても全然出来ますし、何なら明日にでも出来ます」と意欲的。海老原竜二を倒した、いずれのノックダウンもヒザ蹴りで実力発揮。組み合うとすぐブレイクが掛かることには納得していない様子だった。

NKBウェルター級チャンピオン.CAZ JANJIRA(JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.35kg)
43戦20勝(4KO)16敗7分
          VS
テーパプット・新興ムエタイ(元・BBTV 7chスーパーフェザー級Champ/タイ/ 64.8kg)
引分け 0-0
主審:高谷秀幸
副審:加賀見30-30. 前田30-30. 鈴木30-30

ムエタイテクニシャンのテーパプットに対し、蹴られても蹴り返すカズ・ジャンジラ。組み技やヒザ蹴りで優るテーパプットの上手さは発揮されつつ、カズ・ジャンジラはパンチの圧力で優ったが、採点は全く差が付かずの引分け。もう少し振り分けるならば29-29になりそうな展開ではあった。

カズ・ジャンジラも果敢に攻めたテーパプットとの攻防、ムエタイ路線は続くか

最終ラウンドはカズ・ジャンジラがテーパプットを追い込んだパンチヒット

◆第10試合 63.0kg契約3回戦

NJKFライト級3位.TAKUYA(K-CRONY/1993.12.31茨城県出身/ 62.85kg)
16戦7勝(1KO)8敗1分
        VS
NKBライト級3位.蘭賀大介(ケーアクティブ/1995.2.9岩手県出身/ 63.0kg)
9戦6勝(3KO)2敗1NC
勝者:蘭賀大介 / 判定0-3
主審:笹谷淳
副審:鈴木28-29. 前田28-30. 高谷28-29

蹴り技で圧力掛けたTAKUYAは組み技でのヒザ蹴りも優った。蘭賀大介はパンチの圧力で優り、下がるTAKUYAを追いかける展開に大振りになりながらもパワフルなパンチで追い続けて判定勝利。

蘭賀は試合後、「勝ったんですけど倒しに行こうとし過ぎて大振りになって、かなり雑になったことが多くなって反省しています。次は6月も出場予定なので頑張ります。」と応えた。

蘭賀大介の右ストレートがTAKUYAにヒット、勢いが増して行った

KO出来ず、マットを叩いて悔しがる蘭賀大介

勝利した蘭賀大介、アグレッシブな試合は好感度上昇中

 

後藤啓太のヒザ蹴りが大月慎也にヒット、新潟から期待のスター誕生

◆第9試合 ウェルター級3回戦

大月慎也(TEAM Artemis/1986.6.19埼玉県出身/ 66.6kg)23戦9勝(4KO)10敗4分
      VS
後藤啓太(拳心館/1997.8.29新潟県出身/ 66.55kg)4戦4勝(2KO)
勝者:後藤啓太 / 判定0-3
主審:加賀見淳
副審:鈴木27-30. 前田28-30. 笹谷26-30

上背で優る後藤啓太の伸び有る蹴りが大月慎也に圧力を掛け、第2ラウンドには右ミドルキックでロープ際に追い込んで右ストレートヒットからヒザ蹴り連打でグロッギー気味の大月にパンチを浴びせたところでスタンディングダウンを奪った。更に離れてハイキックやミドルキック、組み付けばヒザ蹴りで攻勢を維持し判定勝利した。

◆第8試合 ミドル級3回戦

土屋忍(kunisnipe旭/1986.12.11千葉県出身/ 72.25kg)18戦9勝6敗3分
      VS
夏空(NK/1999.7.24大阪府出身/ 72.45kg)5戦4勝(2KO)1分
引分け 0-1
主審:高谷秀幸
副審:鈴木29-29. 前田29-29. 笹谷28-29

アグレッシブにパンチと蹴りの互角の攻防も、第3ラウンドには疲れ果てたような攻防で最後までせめぎ合った。第2ラウンドは土屋忍がやや優勢。第3ラウンドには夏空がロープに詰めてのパンチ連打が優勢を保った流れで引分け。

◆第7試合 バンタム級3回戦

シャーク・ハタ(秦文也/テツ/1987.10.20大阪府出身/ 52.45kg)10戦4勝4敗2分
      VS
ベンツ飯田(TEAM Aimhigh/1997.4.17群馬県出身/ 53.35kg)16戦3勝(1KO)9敗4分
引分け 1-0
主審:加賀見淳
副審:鈴木29-29. 前田30-29. 高谷30-30

両者の蹴りがアグレッシブな攻防を見せたが、的確な有効打は無く、差が出難い展開で終わった。

◆第6試合 ライト級3回戦

KEIGO(BIG MOOSE/1984.4.10千葉県出身/ 60.75kg)23戦7勝10敗6分
      VS
山本太一(ケーアクティブ/199512.28千葉県出身/ 61.0kg)16戦6勝(4KO)7敗3分
勝者:山本太一 / 判定0-3
主審:笹谷淳
副審:高谷29-30. 前田29-30. 加賀見28-30

両者のアグレッシブな攻防も、やや消極的なKEIGOの動きに対し先手を打つ山本太一の攻勢で判定勝利。

◆第5試合 52.5kg契約3回戦

田嶋真虎(Realiser STUDIO/2002.6.28埼玉県出身/ 52.35kg)5戦3敗2分
      VS
荒谷壮太(アント/2006.2.3千葉県出身/ 52.3kg)4戦1勝2敗1分
勝者:荒谷壮太 / 判定0-3 (27-30. 28-30. 28-30)

◆第4試合 57.50kg契約3回戦

KATSUHIKO(KAGAYAKI/1975.11.13新潟県出身/ 57.3kg)6戦2勝(2KO)3敗1分
      VS
堀井幸輝(ケーアクティブ/1996.11.7福岡県出身/ 57.1kg)5戦3勝1敗1分
勝者:堀井幸輝 / 判定0-3 (28-30. 28-30. 28-30)

◆第3試合 ウェルター級3回戦

健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 66.35kg)4戦3勝(1KO)1敗
      VS
皓太(TEAM Aimhigh/1997.9.21栃木県出身/ 68.6→68.4kg=1.72kg超/減点3)2戦2敗
勝者:健吾 / KO 2ラウンド 2分56秒

健吾が徹底したヒザ蹴り連打で皓太を倒し3ノックダウンによるノックアウト勝ち。

◆第2試合 バンタム級3回戦

磯貝雅則(STRUGGLE/1986.11.29東京都出身/ 53.35 kg)4戦2勝2敗
      VS
杉山海瑠(HEAT/2009.6.5静岡県出身/ 52.9 kg)1戦1勝(1KO)
勝者:杉山海瑠 / TKO 2ラウンド2分13秒 /

杉山海瑠のヒジ打ちによる磯貝雅則の左目瞼をカット、ドクターのチェックの後、パンチによるものか、負傷箇所の悪化で、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。

◆第1試合 ライト級3回戦

龍志(テツ/1995.12.12大阪府出身/ 60.95kg)5戦2勝3敗
      VS
樋口雄生(ケーアクティブ/1995.4.14東京都出身/ 60.9kg)1戦1敗
勝者:龍志 / 判定3-0 (29-27. 28-27. 29-27)

《取材戦記》

「勝って引退は許さない。引退する奴は負けて行けばいいので、これで良かったです。」と言う興行関係者も居て、華やかさより完膚なきまで倒されて燃え尽きた方が、去り際の感動や格闘技の厳しさが表れるという考え方だろう。過去のテーマでも触れていますが、引退試合(即引退式)も、倒されて現役生活を終える選手は多かった。担架で運ばれるほどのダメージを負ったら引退式どころではなくなりますが、公式戦直後の引退式は感動が強く残るものでしょう。

勝って華々しい引退式は、「まだまだ出来るじゃないか!」と言われるのも仕方無いところで、チャンピオンのまま引退や無敗のまま引退も「惜しい!」と言われることを理想に想う選手はいるかもしれません。

今回の引退セレモニーは海老原竜二の御挨拶とテンカウントゴングだけという簡潔なものでした。セレモニーは終了した後に、家族がリングに上がって花束を贈り記念撮影、ジム関係者が上がって記念撮影とスケジュールに無い自由な振る舞い。これはセレモニーの一環としてやるべきだった。更に渡邊信久代表と興行部担当の竹村哲氏の贈る言葉があれば引退式としてのグレードも上がったでしょう。或いは会場の事情で21時を越えたくなかったのかもしれませんが。

次回、日本キックボクシング連盟「冠鷲シリーズ」は6月29日(土)に後楽園ホールに於いて開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

前半にノックアウト(TKO)が集中、女子だけでも活気ある興行となったが、計量失格が三名、欠場一名、王座決定戦はチャンピオン誕生成らずで、プロモーターにとっては悔しい興行。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅱ / 4月14日(日)GENスポーツパレス16:30~19:55
主催:エスジム、ミネルヴァ実行委員会 / 認定:NJKF / 前日計量12:00

(戦績はプログラムより今回の結果を加えています。試合順は中止カードを省いています。生年月日は割愛します。)

◆第13試合 女子(ミネルヴァ)スーパーフライ級王座決定戦3回戦

1位.NA☆NA(元・Champ 2022.6.5~11.13防衛無/エス/ 53.46→53.3kg=1.14kg超、計量失格/減点2、8オンス)18戦11勝5敗2分
        vs
2位.上野hippo宣子(ナックルズ/ 52.05kg/6オンス)22戦4勝15敗3分
勝者:NA☆NA / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:児島28-27. 中山28-27. 少白竜28-27 

上野hippo宣子が勝利した場合のみ王座認定となる試合。

パンチの攻防から組み合うとNANAのヒザ蹴りと崩しが発揮され、上野宣子は転ばされる。離れてもNANAが先手を打つパンチと蹴りが優る。中盤以降も組み合うとNANAのヒザ蹴りと崩しで圧力を掛ける。

余裕無い上野はパンチ中心に攻めるが、NANAは打ち合いに応じ蹴りを加え主導権を支配し実質フルマークの判定勝利も王座は空位のままとなった。

NANAが上野hippo宣子を振り落とした首相撲の技

NANAの右ミドルキック。終始圧倒して減点を巻き返した

◆第12試合 女子46.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX/ 45.9kg)6戦6勝(2KO)
        vs
ミネルヴァ・ピン級5位.上真(ROAD MMA/ 45.5kg)13戦4勝9敗
勝者:Nao / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:児島30-28. 中山30-27. 岡田30-27 

ローキックから前蹴りなどNaoが上手さを見せ、更にハイキックと組んでのヒザ蹴りで優り、ヒザ蹴りに行く体勢から振り回して転ばせる。力の差は明らかだが、上真も諦めず蹴りを返していき、Naoはノックアウトには至らないが、テクニックで上回って大差判定勝利となった。

チャンピオンの上手さが光ったNaoの左ミドルキック

Naoの蹴り足をキャッチした上真だが、Naoの勢いを止められず

◆第11試合 女子48.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ライトフライ級5位.青木繭(take1/ 48.0kg)9戦5勝(1KO)4敗
        vs
ミネルヴァ・アトム級5位.Marina(健心塾47.4kg)8戦3勝(1KO)5敗
勝者:青木繭 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:児島30-29. 椎名30-28. 岡田30-28 

Marinaはパンチで出るも、蹴りから組み合ってのヒザ蹴りは青木繭が優る。離れた距離ではMarinaの蹴りも活きるが、次第に青木の圧力が増していき判定勝利。

33歳対17歳の戦い、青木繭の連打でMarinaを突き放す

◆第10試合 女子46.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級2位.祥子JSK(治政館/ 45.15kg)25戦7勝17敗1分
        vs
ミネルヴァ・ピン級1位.斎藤千種(白山/ 45.9kg)8戦4勝4敗
勝者:斎藤千種 / 判定0-3
主審:中山宏美        
副審:少白竜29-30. 椎名29-30. 岡田28-30 

パンチと蹴りから組み合う両者。離れてパンチと蹴りの斎藤千種が徐々に圧力掛けて出る。蹴りが少ない祥子。パンチのヒットと積極性で斎藤千種が上回り判定勝利。

斎藤千種の左ストレートが祥子JSKにヒット、我慢比べは斎藤千種が優った

◆第9試合 女子ピン級超3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級6位.世莉JSK(治政館/49.1→48.81kg=3.45kg超/減点2、8オンス)10戦3勝5敗2分
        vs
AZU(DANGER/46.1→45.61kg=250グラム超/減点1、6オンス)10戦2勝7敗1分
引分け 0-1
主審:児島真人
副審:少白竜28-29. 椎名28-29. 中山28-28 

ウェイトオーバー同士は的確なヒットは少なく引分けに終わる

◆第8試合 女子43.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級4位.AIKO(AX/ 43.0kg)15戦7勝7敗1分
      vs
町屋杏(Bushi-Doo~武士道~/ 42.8kg)6戦3勝(1KO)3敗
勝者:AIKO / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:少白竜30-28. 児島30-28. 中山30-28 

◆女子スーパーフライ級3回戦(2分制) 珠璃が体調不良により中止

ミネルヴァ・スーパーフライ級6位.珠璃(闘神塾)vs YURIKO・SHOBUKAI(尚武会) 

◆第7試合 女子44.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ピン級10位.UveR∞miyU(T-KIX/ 44.0kg)8戦3勝5敗
      vs
Honoka(健心塾/43.5kg)6戦3勝1敗2分
勝者:Honoka / 判定0-3
主審:少白竜
副審:岡田28-30. 児島28-30. 椎名28-30 

◆第6試合 女子スーパーフライ級3回戦(2分制)

響子JSK(治政館/ 51.9kg)7戦1勝5敗1分
      vs
鈴木咲耶(チーム鈴桜/ 51.5kg)1戦1勝
勝者:鈴木咲耶 / 判定0-2
主審:中山宏美
副審:岡田29-30. 少白竜29-30. 椎名29-29 

◆第5試合 女子ピン級3回戦(2分制)

aimi-(DANGER/ 44.8kg)7戦1勝3敗3分
       vs
友菜(Team ImmortaL/ 45.36kg)5戦1勝3敗1分
勝者:友菜 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:中山26-30. 少白竜26-30. 椎名26-30 

◆第4試合 女子(ミネルヴァ・アマチュア特別ルール)50.0kg契約2回戦(2分制)

堀田優月(闘神塾/ 49.4kg)
      vs
QueenBee夏美(拳伸/ 49.8kg) プロ3戦3勝(1KO)
勝者:堀田優月 / 判定3-0
主審:岡田敦子
副審:中山20-18. 少白竜20-18. 児島20-18 

アマチュアながら堀田優月が先手を打つスピードとテクニカルな技で優って判定勝利。

◆第3試合 女子スーパーフライ級3回戦(2分制)

松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/ 52.16kg)4戦2勝2敗
        vs
Muuparまどかポンムエタイジム(ポン/ 51.55kg)1戦1敗
勝者:松藤麻衣 / TKO 3ラウンド56秒 /

初回からヒザ蹴り中心で攻め、ラストラウンドでほぼ一方的な中、スタンディングダウンを奪った松藤麻衣。更にヒザ蹴りからパンチ蹴りに繋いで2度目のスタンディングダウンとなるレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、松藤麻衣がヒザ蹴りで圧倒して勝利を導く

◆第2試合 女子フライ級3回戦(2分制)

二ノ峰香奈子(KFG URAWA50.45kg)2戦1勝1敗
        vs
DJナックルハンマーyokko(team Almerrick/ 50.65kg)2戦2敗
勝者:二ノ峰香奈子 / TKO 1ラウンド46秒 /
主審:少白竜

蹴りから右ストレート、更に圧倒したところに右ストレートでレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、短い時間ながら二ノ峰香奈子がyokkoを連打で勝利を導く

◆プロ第1試合 女子48.0kg契約3回戦(2分制)

小日向未結(空手道禅道会駒ヶ根道場/ 48.0kg)3戦3敗
      vs
杉田風夏(谷山・小田原道場/ 47.95kg)1戦1勝
勝者:杉田風夏 / TKO 1ラウンド1分31秒 /
主審:中山宏美

ヒザ蹴りでノックダウンを奪った杉田風夏。更にヒザ蹴りから顔面前蹴りで2度目のノックダウンを奪ったところでノーカウントのレフェリーストップ。

TKO勝利の一人、顔面ヒザ蹴りを浴びせた杉田風夏、女子としては過激だった

オープニングファイト アマチュア「EXPLOSION.40」 5試合  

◆第5試合 44.5kg契約2回戦(90秒制)

中西瀬彩(健心塾/ 43.4kg)vs 池田想夏(MIYABI/ 43.9kg)
判定:池田想夏 / 判定

◆アマチュア第4試合 40.0kg契約2回戦(90秒制)

瀬川柚子心(寝屋川TEAMBADASS/ 38.0kg)vs 野中あいら(HIDE/ 39.0kg)
勝者:瀬川柚子心 / 判定

◆アマチュア第3試合 37.0kg契約2回戦(90秒制)

菊池柚葉(笹羅/ 37.0kg)vs 西田永愛(伊原越谷/ 36.9kg)
引分け

◆アマチュア第2試合 32.0kg契約2回戦(90秒制)

SARA(Team S.R.K/ 28.9kg)vs 夢々(KANALOA/ 30.0kg)
勝者:夢々 / 判定

◆アマチュア第1試合 55.0kg契約2回戦(2分制)

松田沙和奈(拳之会/ 55.0kg)vs 安東美弥(OGUNI/ 55.0kg)
勝者:安東美弥 / 判定

《取材戦記》

世莉JSK vs AZU戦は実質、ライトフライ級vs ミニフライ級の戦い。両者ともに計量失格は珍しい。減点は相殺すれば世莉がマイナス1点だが、ペナルティーの影響を残す形で、それぞれの減点が明記。

更に第1ラウンド序盤に世莉の左グローブがスッポ抜けるアクシデントがあった。腕か脚のサポーターが落ちたかと思ったらグローブとは。誰からも抗議も正式な警告も無かったが、当然しっかり縛れば手首で固定され、紐をテーピングすれば抜け落ちることは無いだろう。世莉はウェイト差によるペナルティーの8オンスグローブだったが、軽量の女子だから手首が細くて8オンスでは大き過ぎたかという考え方もあるが、プロボクシング関係者に聞くと「規定どおりならそんなことは有り得ない。」という回答でした。しっかり縛っていなかったことに加え、チェックが成されていなかったかと思われます。

プロ第1試合から3試合はKO(TKO)決着。アクシデントはあったにせよ、他は判定結果でも活気ある試合が続きました。

その興行の印象を、ツルザップ放送局の鶴谷剛氏は、「前半は神興行、後半は熱くテクニカルな試合。首相撲有り、活気あったのは顔面ヒザ蹴り有りのミネルヴァだからでしょう!」と回答。

ミネルヴァ実行本部長の竹越義晃氏は、「今回は計量オーバーや日が迫っての欠場が有って困惑しています。上野hippo宣子選手にはチャンピオンベルト獲って欲しかったですね。テクニック的に足りなかったところは、前に出ているだけだったので、もっと蹴って欲しかったですね。」という回答には、せっかくのタイトルマッチを正規に戦い、どちらかがチャンピオンベルトを巻く姿を披露して盛り上げて興行を締め括りたかったことでしょう。

王座は獲れなかったが勝利したNANAは「取り敢えずポイント取れて良かったです。どこかで落としていたらと思うと怖かったです!」と言うように実戦的にはフルマークで行かなければ勝利とならない中の勝ちに行った展開は見事だった。

今後、タイトルマッチについては先行きは解らない様子で、「運営側とお話していくだけですね!」と漠然としながらも上を目指す意気込みがある回答でした。

上野hippo宣子は「相手は強かったです。足りなかったものは…そうですね…気持ちでしょうか。また前向きに頑張ります!」と負けて悔しい涙ながらの状態からサッと切り替えて落ち着いた回答をしてくれました。

帰り際、たまたま声を拾わせて頂いた祥子JSKは、「練習して来たことがもうちょっと出したかったのですし、用意してきたものまだいっぱいあったんですけど、なかなか出し切れなかったです。次戦はまだ確定はしていないんですけど次の試合に向けて頑張ります。1年ちょっと休んでいたんですけど、これからはコンスタントにまた試合たくさんしたいと思っているので頑張ります!」

タイトルについては遠慮がちながら「狙いたいと思います!」と語った。

負け越している選手は多いが、発展途上の女子競技。まだまだ未知の部分は多くも選手人口も増えつつある中、女子だけの興行も増えていくでしょう。

NJKF興行は5月26日(日)にGENスポーツバレスに於いてDUEL.30と、6月2日(日)には後楽園ホールに於いてNJKF本興行、CHALLENGER2024.3rdが開催予定です。 

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

メインイベンターに求められるものは何か?
ダブルメインと銘打たれた交流戦2試合は、密度濃い展開ながら引分けに終わる。

◎NJKF CHALLENGER 2024 / 4月7日(日)後楽園ホール/17:20~20:26
主催:ニュージャパンキックボクシング連盟 /

(戦績は過去データを基にこの日の結果を加えています。)

◆第9試合 54.0㎏契約3回戦

 

嵐は桂英慈を調子付かせてしまった左ハイキックを受けてしまう

NJKFバンタム級チャンピオン.嵐(KING/2005.4.26東京都出身/53.85kg)
14戦11勝(5KO)1敗2分
        VS
スックワンキントーン・バンタム級チャンピオン.桂英慈(クレイン/20歳/53.45kg)
10戦8勝1敗1分
引分け 0-0
主審:多賀谷敏朗
副審:少白竜29-29. 児島29-29. 中山29-29

試合前、「桂英慈は首相撲は強く、パンチの対応も出来るから、嵐は苦戦するかな。桂英慈が判定で勝つ可能性が高いよ」という関係者の話を聞くことが出来た。桂英慈はジュニアキックから始まったキャリア豊富な選手で、獲得したタイトルも多いという経験値も注目だった。

試合は初回、桂英慈は牽制のハイキック、嵐は勢いあるローキックとボディブローで返す。更に桂英慈は左ミドルキックのインパクトを残し、嵐はパンチ、ローキック、ハイキックで多彩に出るも、桂英慈は下がらない。

第2ラウンドも大きな変化は無いが、互いに積極的に攻めながら主導権を支配するには至らない攻防が続く。

最終第3ラウンド、桂英慈はヒザ蹴りも何度か繰り出して来る。嵐のパンチや蹴りが効かないからか、桂英慈の勢いも衰えず、アグレッシブに攻める両者。持っている技は出し切っている中、相手を一発で倒す可能性は低く、展開は変わらずの我慢比べ。嵐は焦りが出て来たか、ムキになって打って出る。桂英慈に大きなダメージを与えることなく終わった嵐にとっては敗北感が残るような不完全燃焼となった。

嵐の強烈な右ハイキック、しかし動じなかった桂英慈

試合後の嵐は「相手は上手かったです。それだけです!」と短めの回答。キングジム羅紗陀会長は「桂英慈はミドルキックのタイミングよくパワーあったので、対処が足りなかった。嵐は調子は良かったですけどね!」と応えた。陣営の向山鉄也前会長は、「練習不足。スタミナ無いもん!」と一喝。

桂英慈は「自分はダメでした。嵐選手は上手でした。練習どおりにはいきませんでした。」とこちらも反省を述べるだけだった。

結果は引分け、涙を浮かべて四方に詫びた嵐、桂英慈も残念そうな表情

◆第8試合 スーパーバンタム級3回戦

NJKFスーパーバンタム級4位.繁那(R.S/2004.1.28京都府出身/55.34kg)
12戦10勝(4KO)1敗1分
        VS
鈴木貫太(ONE‘S GOAL/1996.2.9千葉県出身/55.3kg)17戦6勝9敗2分 
引分け 0-1
主審:椎名利一
副審:少白竜29-30. 児島29-29. 中山29-29

観衆は徐々に少なくなっていっても応援団の声援が満員のように響いた。初回のやや離れた距離での上下蹴りとパンチの交錯は次第に距離は近くなり首相撲の攻防が増えるが、第2ラウンドも蹴り中心にアグレッシブな展開が続く中、鈴木寛太のミドルキックとハイキックがやや攻勢を維持したが、第3ラウンドは繁那のヒザ蹴りが鈴木寛太のアゴにヒットしてややグラついた様子。

これで鈴木寛太の勢いが弱まった感があり、最後は打ち合う激しさを見せたが、ダブルメインと言われた実質セミファイナルは繁那が盛り返して引分けに終わった。

鈴木寛太の強烈な右ハイキック、このペースなら良かったが……

目まぐるしい展開の中、繁那の左ハイキックがヒット

 

リッチデートのヒジ打ちで鼻を砕かれた波賀だが、攻める気力は衰えず

◆第7試合 57.0㎏契約3回戦

波賀宙也(元・IBFムエタイ世界Jrフェザー級Champ/1989.11.20東京都出身/立川KBA/ 56.85kg)
48戦27勝(4KO)16敗5分 
       VS
リッチデート・ゲッソンリット(元・ラジャダムナン系ミニマム級Champ/タイ/ 56.6kg)

勝者:リッチデート / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗      
副審:椎名27-30. 児島27-30. 少白竜28-30

初回、ローキックで様子見。接近戦で組み合ってのヒザ蹴り、更に離れるとミドルキックの攻防の中、リッチデートの体幹バランスが良い。

第2ラウンドに入ると、波賀宙也が前進強め、パンチ強く打って出るが、リッチデートは冷静。波賀の前進する蹴りをいなし、蹴り返す。
 
接近戦で当て勘が鋭いヒジ打ち打つリッチデート。波賀の眉間辺りが斬れた様子。

第3ラウンドにはリッチデートの更なるヒジ打ちか、波賀が鼻血を流し、鼻が曲がっている様子が窺えた。

波賀がムキになって出てもリッチデートの距離に合わせた蹴りや首相撲の駆引き、強いヒットは無いが主導権を支配したリッチデートの判定勝利となった。

リッチデートは適材適所的確上手かった。波賀宙也はムエタイを攻略出来ず

◆第6試合 NJKFライト級王座戦出場権争奪戦3回戦 

NJKFライト級1位.岩橋伸太郎(エス/1987.6.4神奈川県出身/60.85kg)20戦7勝11敗2分
        VS
NJKFライト級2位.HIRO YAMATO(大和/2000.6.25愛知県出身/61.0kg)
29戦14勝(5KO)12敗3分
勝者:HIRO YAMATO / KO 2ラウンド2分47秒 / 3ノックダウン
主審:児島真人

トーナメントとは謳っていないが、2月11日にTAKUYA(K-CRONY)に判定勝利した祖父江泰司(理心塾)が王座決定戦出場権を奪っている。

ローキックとミドルキックでの様子見から徐々に距離を縮め、パンチやヒザ蹴りも加えていく両者。よりヒザ蹴りが増して行くのはHIRO。第2ラウンドに入ってもHIROのペースは変わらず、パンチとヒザ蹴りが優る。更にヒジ打ちで岩橋伸太郎の鼻辺りをカットし、コーナーに追い込んでパンチやローキック、ヒジ打ちでノックダウンを奪う。

更にヒザ蹴り猛攻でスタンディングダウンを奪ったHIRO。再開後もHIROの猛攻が続き、コーナーに追い込んでヒザ蹴りが入ったところでレフェリーが止めるノックアウトとなった。HIROは次期、祖父江泰司と王座決定戦を争うことが決定。

HIROがスピードと的確差で岩橋伸太郎を下した

◆第5試合 NJKFフライ級挑戦者決定戦3回戦(チャンピオンは優心)

NJKFフライ級2位.TOMO(K-CRONY/1982.10.30茨城県出身/50.7kg)
22戦7勝(5KO)13敗2分
        VS
NJKFフライ級4位.西田光汰(西田/2001.2.13愛知県出身/50.8kg)7戦5勝2敗 
勝者:西田光汰 / 判定0-2
主審:少白竜
副審:児島29-29. 多賀谷28-29. 中山28-30

ローキックとパンチで様子見から徐々に勢い増したのは西田光汰。第2ラウンドに入っても同様ながらTOMOも下がらず蹴りで衰えない反撃。第3ラウンドには西田がヒジ打ちでTOMOの眉間辺りをカットし、攻勢を強めた西田光汰が僅差ながら判定勝利を掴んだ。

西田光汰が僅差ながらTOMOを上回っていった

◆第4試合 フライ級3回戦

NJKFフライ級8位.愁斗(Bombo Freely/ 50.35kg)7戦5勝(4KO)2分
        VS
NJKFフライ級9位.悠(VALLELY/ 50.8kg)10戦4勝5敗1分 
勝者:愁斗 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:児島30-28. 少白竜30-29. 多賀谷30-29

ランキング入りしたばかりの悠が一歩先を行く愁斗に挑むランカー対決。スピードで優る愁斗とアグレッシブに多彩に攻める悠の攻防は愁斗のヒザ蹴りが次第に優勢を維持。小気味いい攻防だったが、経験値が優る愁斗が僅差判定勝利で上位を維持した。

ランカー対決、愁斗のハイキックが悠を襲う、経験値が上回った

◆第3試合 女子(ミネルヴァ)60.0kg契約3回戦(2分制)

日立(GRABS/ 59.75kg)
        VS
ミネルヴァ・スーパーバンタム級8位.小倉えりか(DAIKEN THREE TREE/ 59.95kg) 
勝者:小倉えりか / 判定0-3(28-30. 28-30. 28-30)
パンチと上下の蹴りと多彩にアグレッシブに戦う両者。やや調子上がっていく小倉エリカがバックハンドブローも使って日立にプレッシャーを与え判定勝利。

◆第2試合 フライ級3回戦

高橋大輝(エス/ 50.65kg)vs 永井雷智(VALLELY/ 50.75kg)
勝者:永井雷智 / TKO 1ラウンド33秒 /
主審:少白竜

永井雷智が蹴りから右ストレートで高橋大輝からノックダウンを奪った後、パンチ連打から飛びヒザ蹴りで二度目のノックダウンを奪うとノーカウントのレフェリーストップとなった。

◆プロ第1試合 フェザー級3回戦

藤井昴(KING/ 56.4kg)vs 阿部惇(アント/ 56.95kg)
勝者:藤井昴 / TKO 1ラウンド2分26秒 /
主審:多賀谷敏朗

藤井昴が飛びヒザ蹴りで阿部惇からノックダウンを奪った後、パンチで攻勢を続け連打で二度目のノックダウンを奪ってノーカウントのレフェリーストップとなった。

◆61.0㎏契約3回戦 

龍旺(Bombo Freely)vs コンゲンチャイ・エスジム(タイ)は龍旺がインフルエンザによる体調不良で中止。

◆アマチュアEXPLOSION 55kg級2回戦(1分30秒制)

加藤晴斗(新興ムエタイ/ 53.6kg)vs 晝間陽採(TAKEDA/ 54.4kg)
勝者:晝間陽採 / 判定0-3(18-20. 18-20. 18-20)

◆アマチュアEXPLOSION 37kg級2回戦(1分30秒制)

菊池柚葉(笹羅/ 36.9kg)vs 永井りい(VALLELY/ 36.35kg)
勝者:永井りい / 判定0-3(18-19. 18-19. 18-19)

《取材戦記》

プロモーターを務める興行3回目となった武田幸三氏は、「メインイベンターとして求められるものがデカく、普通の選手じゃない宿命を背負っている。その自覚が嵐選手らメインイベンターの課題ですね」と語る。

2月11日の「NJKF CHALLENGER 東西対決」で甲斐元太郎をヒザ蹴りで倒し、NJKFバンタム級王座決定戦を制した新チャンピオン嵐はその興行MVPも獲得。この評価で今回のメインイベンターとなった。先日の3月17日には王座獲得祝賀会も行なわれている嵐選手。2021年3月デビューで、今年19歳のチャンピオンに圧し掛かる期待と責任は、若くして今後も背負わねばならない。

興行を最後まで観戦した業界関係者の中では、「どの試合も選手の特徴が無いですね。“こいつのこれ(技)を気を付けろ!”というのが無い。皆上手い。パンチやヒジ打ち、ヒザ蹴り、何でも出来るけどスリルが無いね。勝つにしても当たり障りなく勝てる内容。逆転KOが無い。ちょっとつまらないですね」と言った意見が有りました。

確かに “これが当たれば絶対倒れる”といった昭和時代に多くの選手に存在した注目される技が無いなあという感じはします。昔はパンチの強い選手は多い中、特徴ある一発KOや、ローキックの申し子、ヒジ打ちの名手と言われる選手が居たり、タイの選手では、天を突くヒザ蹴り、切り裂き魔、といった驚異の選手もいました。
現在はカーフキックという脹脛狙った蹴りが流行っていますが、もしこれだけで倒せたらまた警戒される選手となるでしょう。

前回のメインイベンター大田拓真は今回、海外遠征も有って出場無し。今後もメインイベンター争いは階級も年齢も関係無く、何らかの技を以って“内容で魅せる” 闘いが続きそうです。

NJKF関連次回興行は4月14日(日)に女子だけのマッチメイク。昨年に続き二度目となる「GODDESS OF VICTORY Ⅱ」がGENスポーツパレスに於いて16時30分よりプロ全14試合が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

15回目の絆興行、前会長の松永嘉之氏から代わって大月謙会長が率いる絆興行としては2回目になります。

メインイベンター石川直樹は、昨年のような圧倒の大差判定勝利とまではいかずとも、首相撲からのいなしとヒザ蹴りは健在だった。

◎絆 XV / 2024年3月31日(日)ふれあいキューブ 16:00~18:54
主催:PITジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

(戦績は興行プログラムよりこの日の結果を加えています。他、経歴は不詳)

◆第8試合 54.0kg契約 5回戦 

石川直樹(元・日本フライ級Champ/Kick Ful/1986.8.18春日部市出身/ 53.1kg)
46戦26勝(12KO)10敗10分
      vs
山川敏弘(京都野口/ 53.85kg)19戦8勝(4KO)9敗2分 
勝者:石川直樹 / 判定3-0
主審:多賀谷敏朗
副審:松田50-47. 中山49-48. 児島49-47

初回の両者は距離を置いて様子見。パンチで前進する山川敏弘に対し、石川直樹は前蹴りやハイキックも牽制で繰り出す。

第2ラウンドから石川は徐々に距離を縮め、首相撲に移る展開も見られたが、ヒザ蹴りには至らない。

中盤には石川の組んでの崩し転ばせること四度と自分のリズムを作り出し、数は少ないがヒザ蹴りに持ち込む主導権を奪う流れを作り出して攻勢を維持。

接近戦では石川直樹のヒザ蹴りが活かされるヒット

首相撲からの崩しでヒザ蹴りを入れる石川直樹

最終回には勝負に出る両者。山川敏弘はパンチで勝負も石川に躱されヒットに至らない。石川直樹の主導権を奪った展開は変わらず判定勝利となった。

石川直樹はリング上で、「メインイベントを任せて頂いているのにKO出来なくてすみません。また一から練習して次こそ倒せるように頑張ります。次、4月20日なんですけど、NKBの元チャンピオンの引退試合の相手務めることになりまして、ぜひ観に来てください。今度はKO出来ると思います!」と海老原竜二戦をノックアウト宣言した。

主導権を支配し判定勝利を飾った石川直樹、KO出来なかったことを詫びていた

◆第7試合 女子(ミネルヴァ)フライ級3回戦(2分制)

MIKU(K・CRONY/ 50.8kg)6戦2勝3敗1分
      vs
RUI・JANJIRA(JANJIRA/ 50.8kg)5戦2勝3敗
勝者:RUI・JANJIRA / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:松田28-30. 多賀谷27-30. 児島29-30

初回からローキックでアグレッシブに蹴りからパンチを加えRUIが主導権を支配。長身のMIKUも蹴りはあるがRUIの圧力に下がり気味。ヒットが優ったRUIが失点の無い判定勝利。

MIKU(左)に蹴られても前進の圧力優ったRUI(右)

アグレッシブに攻めたRUIが判定勝利

◆第6試合 71.0㎏契約3回戦

クワン・サンライズジム(元・タイ国イサーン地方ライト級Champ/タイ/ 70.95kg)約150戦 
       vs
聖域統一ウェルター級チャンピオン.佐藤界聖(PCK連闘会/ 70.35kg)
16戦12勝(4KO)3敗1分
勝者:佐藤界聖 / TKO 3ラウンド1分44秒 /
主審:松田利彦

戦歴的には150戦を越えるとされるクワンのプログラムにある写真は若く引き締まった肉体だったが、リングに上がった姿は明らかに本場ムエタイ第一線級ではない身体つきだった。だがテクニックは侮れない技を持つのがムエタイボクサー。

佐藤界聖との攻防も鋭い蹴りと当て勘が優るが、わずか15戦の佐藤が前進する蹴りはクワンに劣らない勢いがあった。第2ラウンド半ばには接近戦でのヒジ打ちでクワンの額をカット。傷は深くドクターの勧告を受け入れたレフェリーストップとなった。

クワンのヒジ打ちと佐藤界聖の右フックが交錯

佐藤界聖のヒジ打ちで額をカットされたクワンはこれで試合ストップとなった

◆第5試合 フェザー級3回戦

遠山哲也(エス/ 57.05kg)4戦2勝1敗1分
     vs
柳田竜弥(北真館/ 56.55kg)3戦3敗
勝者:遠山哲也 / 判定3-0
主審:児島真人
副審:松田30-28. 多賀谷30-28. 中山29-28

初回、柳田竜弥が先手のパンチと蹴りの勢いが増すが、第2ラウンド中盤辺りから遠山哲也のハイキックや組んでのヒザ蹴りが徐々に活きて来ると流れは逆転し、攻勢を維持して判定勝利した。

遠山哲也のヒザ蹴りが柳田竜弥にヒット、序盤の圧され気味から徐々に巻き返した

◆第4試合 フライ級3回戦

明夢(新興ムエタイ/ 50.7kg)9戦3勝5敗1分
      vs
田嶋真虎(Realiser/ 50.75kg)8戦6敗2分
勝者:明夢 / 判定3-0
主審:松田利彦
副審:児島30-29. 多賀谷29-28. 中山30-29

明夢(左)と田嶋真虎の蹴りの交錯、手数と的確差で明夢が優っていった

◆第3試合 フライ級3回戦

Lil-悠(PIT/ 49.45kg)1戦1敗
     vs
手塚瑠唯(VERTEX/ 50.25kg)1戦1勝(1KO)
勝者:手塚瑠唯 / KO 1ラウンド2分21秒 /
主審:中山宏美

蹴りとパンチの攻防は徐々に手塚のリズムが優り、右ストレートで二度のノックダウンを奪ってカウント中にダメージを見たレフェリーが試合をストップした。

手塚瑠唯の右ストレートがLil悠にヒットし、この後ノックダウンとなり試合ストップとなった

◆第2試合 アマチュア75.0kg契約2回戦(2分制)

染谷和彦(PIT/ 74.15kg)vs 小田島DAREDEVIL武志(中平道場/ 74.85kg)
勝者:小田島DAREDEVIL武志 / 判定0-3 (17-20. 18-20. 17-20)

◆第1試合 アマチュア ウェルター級2回戦(2分制)

増田康介(Realiser/ 66.1kg)vs 内田大樹(BELIEF/ 65.6kg)
勝者:内田大樹 / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

《取材戦記》

昨年8月11日の絆XIVにおいて、石川直樹は庄司理玖斗(拳之会)に大差判定勝利した後、リング上で国崇(=藤原国崇/拳之会)が「庄司理玖斗は僕の弟子ですけど、やられたのは悔しいので、来年のこの絆興行でやりましょう!」と対戦を希望し、石川直樹とツーショットに収まる両者だったが、国崇が岡山での拳之会興行スケジュールの都合で今回は出場せず、次回に持ち越された模様。こういったマッチメイクは選手がリング上でマイクアピールして決定するものではなく、スポーツ競技としてプロモーターやジム会長の意向次第であることが窺えます。ただ、この石川直樹vs 国崇は興味深いカードで、いずれ実現するでしょう。

4月20日には日本キックボクシング連盟(NKB実行委員会認定)興行に於いて、海老原竜二の引退試合の対戦相手としてKO宣言している石川直樹。ヒザ蹴り地獄で海老原竜二にテンカウントを聞かせて更に引退テンカウントゴングを聞かせるのか、これも興味深いカードとなっています。

NJKF興行は4月7日(日)に後楽園ホールに於いて「NJKF CHALLENGER(2nd)」が開催。国崇が出場する「NJKF 2024 west 2nd」は4月21日(日)に岡山コンベンションセンターに於いて拳之会主催興行として開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

大トリを務めた睦雅はKO勝利、内容を競い合った瀧澤博人はヒジ打ちで斬るTKO勝利。
タイトル戦では大地フォージャーが打ち合いに沈み王座陥落、政斗が念願の王座奪取。
皆川裕哉も右フック炸裂での完封TKO勝利で初戴冠。
西原茉生は王座の前で立ちはだかる則武知宏に鋭いパンチでKO勝利。

第1試合開始前に2023年の年間表彰式が行われ、活躍した6名の表彰が行われました。
優秀選手賞:睦雅(ビクトリー)
精鋭賞:内田雅之(KICKBOX)
協会特別賞:モトヤスック(治政館)
KO賞:大地フォージャー(誠真)
技能賞:西原茉生(治政館)
新人賞:勇成(formd)

◎KICK Insist18 / 3月24日(日)17:15(表彰式)~20:48
主催:VICTORY SPIRITS、ビクトリージム / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

戦績はプログラムより、この日の結果を含んでいます(タイ選手を省きます)。

◆第11試合 63.0kg契約3回戦

ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー/ 62.9kg)
21戦15勝(9KO)4敗2分
        VS
パランラック・フェロージム(元・MAX MUAYTHAI 61.5kg級覇者/タイ/ 61.7kg)約65戦
勝者:睦雅 / KO 2ラウンド40秒
主審:椎名利一

睦雅はチャンピオンになって早一年。昨年11月26日にはNJKFの健太にTKO勝利して成長著しい存在感を見せつけた。

初回、睦雅はパンチやローキックの手合わせから前蹴り、ヒザ蹴り加えて多彩に圧力を掛けて行く。第2ラウンドも同様に前進しながらKO狙ったパンチの距離で攻勢を維持し、ボディブロー連打でテンカウントを聞かせる危なげないノックアウト勝利を飾った。

睦雅は試合後、「次はビッグマッチを控えており、試合まで1ヶ月しかないので、怪我しないようにヒジで倒そうかなと思いましたが、ボディブローでいけると見て連打。最後のヒットは左でした。」と語った。

睦雅はボディブローでプレッシャーを与えていく効果的ヒット

◆第10試合 57.5kg契約3回戦

WMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/ 57.4kg)
39戦26勝(14KO)9敗4分
        VS
コッチャサーン・フェロージム
(元・ルンピニー系スーパーバンタム級7位/タイ/ 56.9kg)約150戦超
勝者:瀧澤博人 / TKO 2ラウンド1分19秒
主審:勝本剛司

初回、瀧澤博人は距離をコントロールし、上下打ち分け、ローキック、ミドルキック、接近してヒジ打ちも繰り出し、積極的に前進。第2ラウンドには一瞬の隙を突いたヒジ打ちがヒット。コッチャサーンの額から鮮血が流れ、ドクターチェックで傷が深そうな様相が窺え、ドクター勧告を受け入れたレフェリーが試合をストップした。

7月のKICK Insist.19では世界と名の付くタイトルへの挑戦をアピール。大トリの睦雅とも試合内容で競い合うというメインイベントを盛り上げる要因ともなった。

瀧澤博人は多彩な技で勝負、強さ見せる中の隙を突いたハイキックも強くヒット

◆第9試合 ジャパンキック協会ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

選手権者初防衛戦.大地・フォージャー(誠真/ 66.678kg)20戦9勝(7KO)10敗1分
        VS
同級2位.政斗(治政館/ 66.678kg)33戦18勝(5KO)12敗3分
勝者:政斗 / TKO 2ラウンド2分10秒
主審:西村洋

両者は2年前の3月20日に3回戦で対戦した際は、政斗が二度のノックダウンを奪って大差判定勝利しているが、終盤の大地が巻き返す踏ん張りも見られた展開だった。

今回は初回からパンチの激しい打ち合いとなる中、時折、政斗のタイミングいい左ジャブのヒットが目立つ。大地がスリップダウンした際もすでに効いている様子が窺え、大地は脚が揃ってしまう中、打ち合いを避けることなくパンチ勝負に出る。蹴りも加えた政斗のジャブから右ストレートで大地はノックダウンを喫する。立ち上がったところで1ラウンド終了。

左ジャブの突き合いは政斗が優り、大地のリズムを狂わせた

第2ラウンドも流れは変わらず、逆転狙う大地もパンチで出るが、政斗の右ストレートでノックダウンを喫し、玉砕戦法で出る大地は再び政斗の右ストレートで倒されるとノーカウントのレフェリーストップとなった。

政斗は「僕、もうジャパンキックボクシング協会の顔なので、これからどんどん盛り上げていこうと思っています。パンチでも蹴りでもどちらでも倒せるように頑張っていきます!」とハキハキと応える元気なコメントだった。

大地は帰り際、周囲の仲間内では笑顔を見せつつ、涙が浮かんだ表情が印象的。無念さが滲み出ていた。「すみませんでした。今後のことは休んで考えます!」と語った。

陣営と抱き合って喜ぶ政斗、4年待った念願の王座奪取へ

◆第8試合 ジャパンキック協会フェザー級王座決定戦 5回戦

1位.櫓木淳平(ビクトリー/ 56.9kg)25戦11勝(3KO)11敗3分
       VS
2位.皆川裕哉(KICK BOX/ 57.0kg)25戦13勝(2KO)10敗2分
勝者:皆川裕哉 / TKO 2ラウンド1分43秒
主審:少白竜

初回、両者、ローキックの様子見からパンチの距離となると皆川裕哉が攻勢に出る流れ。第2ラウンドも蹴りからパンチに繋ぐ流れは皆川裕哉のヒットが目立つ。更に皆川は櫓木淳平をロープ際に詰めた後、右フックを打ち抜くと崩れ落ちた櫓木。レフェリーは様子を見ながらカウント中のレフェリーストップとなった。

皆川裕哉の右ストレートで徐々に追い詰めていくヒット

皆川裕哉は2秒前まで号泣、小泉猛代表に促がされて瞬時の笑顔は周囲を笑わせた

◆第7試合 ジャパンキック協会フライ級王座認定試合 5回戦

(西原茉生が勝利した場合のみ認定)
ジャパンキックボクシング協会フライ級1位.西原茉生(治政館/ 50.8kg)
13戦8勝(3KO)4敗1分
VS
NKBフライ級1位.則武知宏(テツ/ 50.65kg)20戦8勝(4KO)8敗4分
勝者:西原茉生 / KO 4ラウンド1分38秒
主審:中山宏美

初回、ローキックで様子見の両者。次第にミドルキックや接近してのパンチの交錯に移り、第2ラウンドにはタイミングで西原茉生の右ジャブで則武知宏がノックダウン。

則武知宏がやや巻き返しに出て来るが、第4ラウンドには、西原の右のパンチで則武が3度ノックダウンしたところで西原のノックアウト勝利となった。則武はノックダウンの度に立ち上がり、しぶとく喰らい付いて来る感じだったが、見えなかったという西原の右のパンチを躱し切ることは出来なかった。

則武知宏も底力を見せる中、西原茉生が徐々に攻勢を強めていく中でのパンチの交錯

変則的なタイトル戦ながらKOで王座獲得した西原茉生、真のチャンピオンへ防衛戦は成さねばならない

◆第6試合 51.5kg契約3回戦 

ジャパンキックボクシング協会フライ級2位.細田昇吾(ビクトリー/ 51.4kg)
20戦12勝(2KO)6敗2分
        VS
モート・エイワスポーツジム(タイ/ 50.05kg)約180戦超
勝者:細田昇吾 / KO 2ラウンド56秒
主審:椎名利一

細田昇吾が先手を打つパンチとローキックで前進。モートはスロースターターで受け身の下がり気味。第2ラウンドに細田が右ローキックを蹴り込みと、モートがあっさり倒れ込んで立ち上がれずテンカウントを聞いてしまった。

◆第5試合 ウェルター級3回戦  

ジャパンキックボクシング協会ウェルター級1位.正哉(誠真/ 66.4kg)10戦6勝(2KO)4敗
        VS
同級3位.細見直生(KICK BOX/ 66.0kg)3戦3勝(1KO)
勝者:細見直生 / TKO 1ラウンド2分17秒
主審:勝本剛司

細見直生が正哉を上回る勢い有る蹴りとパンチで攻勢を保つ中、右フックが正哉のアゴにヒットさせ、ノックダウンを奪うと正哉は何とか立ち上がるも俯き気味でカウント中にレフェリーがストップした。

◆第4試合 ライト級3回戦

ジャパンキックボクシング協会ライト級4位.林瑞紀(治政館/ 61.1kg)
14戦7勝(1KO)6敗1分
        VS
岡田彬宏(ラジャサクレック/ 61.0kg)8戦4勝(1KO)4敗
勝者:林瑞紀 / 判定3-0
主審:西村洋
副審:椎名29-28. 中山30-27. 勝本30-29

◆第3試合 53.0㎏契約3回戦 

花澤一成(市原/ 53.0kg)7戦1勝(1KO)4敗2分
     VS
徹平(ZERO/ 52.9kg)5戦3勝2敗
勝者:徹平 / 判定0-3
主審:少白竜 / 判定0-3
副審:椎名27-30. 西村27-30. 勝本27-30

◆第2試合 ライト級3回戦  

菊地拓人(市原/ 60.9kg)3戦1勝2敗
     VS
尾形春樹(チームタイガーホーク/ 60.9kg)1戦1敗
勝者:菊地拓人 / 判定2-0 (29-29. 30-29. 30-28)

◆第1試合 フェザー級3回戦 

JOE(誠真/ 56.65kg)1戦1敗
     VS
松岡優太(チームタイガーホーク/ 56.7kg)2戦1勝1分
勝者:松岡優太 / 判定0-3 (29-30. 28-30. 28-30)

 

政斗は応援団へ感謝のアピール、多くの想いが甦って涙のアピールとなった

《取材戦記》

KICKBOXジムの鴇稔之会長は「皆川裕哉もやっと目黒一門のチャンピオンに成りましたが、先代目黒ジム会長の名言どおり、防衛しないと真のチャンピオンとして認めて貰えないので、初防衛したら先代が認める真のチャンピオン認定ですね。」と語るとおり、皆川裕哉も「次の目標は防衛です。今日のこの嬉しさを誰にも渡したくないです!」とこの快感は誰にも味わわせない覚悟と、目黒ジムの掟、防衛してこそ真のチャンピオンを果たす意気込みを語った。

大地フォージャーは勿体無い戦い方だった。ジャブの付き合いは政斗が先に当てて主導権を握った。効いてしまいノックダウンした大地に「打ち合いを避けて第3ラウンドまでフットワーク使って休め!」と言いたくなる大ピンチ。「ドン臭い試合してでも初防衛はしておいた方がいい」とは前日計量時に声掛けたが、そんな5回戦を有効に使う戦い方を出来なかったものか。厳しい現実の中、また出直しである。

勝者で新チャンピオンと成った政斗は、2020年1月5日にモトヤスックと同門対決で初代王座決定戦を争い、ヒジ打ちにより敗れ去って以来の二度目の挑戦での戴冠。政斗にとっても意地があっただろう。ジャパンキックボクシング協会の顔としての自覚もすでにあり、こちらもまた戴冠の義務、初防衛を目指して貰いたい。

次回、ジャパンキックボクシング協会興行は5月19日(日)に市原臨海体育館に於いて市原ジム興行が行われます。昨年の興行タイトルはコロナ明けからの「Road to KING」今年はPart.2となるでしょう。

7月28日(日)は後楽園ホールに於いてビクトリージム興行「KICK Insist.19」が開催予定です。

2023年の表彰された6名の選手は前列に並び、後方は役員(とラウンドガール)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

全13試合中、デビュー戦が18名の初陣興行。ノックアウト勝利は一つだけだったが、3ラウンドを戦い切り、俺達がこの団体を引っ張るという自覚を持ったアグレッシブな戦いが連なった。

加盟ジム会長と並び、栗芝貴協会代表が初陣の御挨拶

◎原点回帰 初陣 / 3月16日(土)後楽園ホール 17:15~21:29
主催:全日本キックボクシング協会 /

(戦績は興行パンフレットより、この日の結果を加えています)

◆第13試合 スーパーフライ級3回戦

羽田翔太(キックスターズジャパン/ 51.8kg)11戦3勝8敗
      VS
広翔(稲城/ 51.9kg)1戦1勝
勝者:広翔 / 判定0-3
主審:少白竜
副審:和田29-30. 勝本剛司28-30. 竜矢29-30

初回、ローキックから上下の蹴り中心の攻防は広翔のローキックの鋭さがインパクトを与えていく。第2ラウンドも蹴りの攻防の中、広翔のハイキックが羽田翔太の顔面を掠める軽いヒットが目立った。激しい蹴り合いの中に、主導権を奪いに行く姿勢は広翔が優っている印象で、僅差ながら広翔が勝利を飾った。

広翔の左ハイキックが羽田翔太の顔面を掠めた

勝者コールされた瞬間、雄叫びをあげる広翔

◆第12試合 56.0kg契約3回戦

鬼澤佑輔(MIYABI/ 55.5kg)7戦2勝3敗2分
      VS
中村健甚(稲城/ 55.75kg)1戦1敗
引分け 0-1
主審:椎名利一
副審:和田29-30. 少白竜29-29. 竜矢29-29 

蹴り合いから接近し、組み合う距離からヒジ打ちを繰り出す両者。崩しやヒザ蹴りも加わり、鬼澤佑輔がやや攻勢も第3ラウンドには中村健甚のヒザ蹴り、飛びヒザ蹴りでアグレッシブな印象を与えたこのラストラウンドだけジャッジ三者揃って中村が支持されたが勝利には届かず。

上手な戦い方ではないが、アグレッシブに戦った中村健甚と鬼澤佑輔

◆第11試合 スーパーフェザー級3回戦

仁琉丸(ウルブズスクワッド/ 58.45kg)21戦12勝(8KO)9敗
      VS
幸島秀之(大匠塾/ 58.45kg)1戦1敗
勝者:仁琉丸 / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名30-27. 少白竜30-27. 竜矢30-27

蹴り合う中でも前進する圧力と当て勘優る仁琉丸。プロ実績で大きく上回る仁琉丸だが、予想されたノックアウトに繋げるには至らずも大差判定勝利。

35歳以上のアマチュア版ナイスミドルで活躍する幸島秀之も仁琉丸の圧力を凌いでパンチで攻めるアグレッシブな展開を見せたが、プロの壁には撥ね返された。

いずれ瀬川琉とフェザー級タイトルを争うことになるであろう仁琉丸は、更に調子を上げて行きたいところだろう。

戦歴で上回る仁琉丸(右)が圧倒していく展開を見せた

◆第10試合 スーパーライト級3回戦

勇生(ウルブズスクワッド/ 63.0kg)3戦2勝(1KO)1敗
      VS
Naoki(ウィラサクレック西川口/ 62.85kg)1戦1敗
勝者:勇生 / 判定3-0
主審:和田良覚
副審:椎名29-28. 少白竜30-29. 勝本剛司29-28

初回から激しく蹴り合う両者。接近してのパンチの交錯で倒しに行く姿勢が表れていた。徐々に勇生のパンチが当たりだし、鼻血を流すNaoki。

第2ラウンドには勇生のパンチでNaokiの左頬が大きく腫れてきた。Naokiが反撃に移り、正にキレイな攻めではないが倒しに行く姿勢で我武者羅に出て来る。

第3ラウンドには更に激しく打ち合う中、Naokiは左側頭部からも出血が見られた。打ち合うとややNaokiが圧すも、上下の蹴りと接近戦でのヒザ蹴りが目立った勇生だった。

勇生のパンチで左頬が腫れ流血もあったNaokiだったが、最後まで諦めなかった

◆第9試合 フェザー級3回戦

白井嶺虎(バンゲリングベイ/ 56.55kg)4戦3勝(1KO)1敗
      VS
エモ(ジーニアス/ 57.05kg)1戦1敗
勝者:白井嶺虎 / KO 2ラウンド2分42秒 /
主審:竜矢

初回から打ち合い、ハイキックも交じるローキックとパンチの攻防。第2ラウンドには打ち合いながらハイキックも繰り出した白井嶺虎の左ハイキックがエモのアゴにヒットすると、あっさりノックダウン。カウント中にタオルが投げ込まれ、レフェリーストップとなった。

白井嶺虎の左ハイキックが何度かエモを襲った。これはフィニッシュブローではないが、最後もこんなヒットだった

白井嶺虎の左ハイキックでエモがノックダウン。レフェリー目線はタオルが投げられる方向

◆第8試合 ライト級3回戦

杉浦昂志(キックスターズジャパン/ 61.1kg)1戦1勝
      VS
むらけん(=村松健太/ジーニアス/ 61.1kg)1戦1敗
勝者:杉浦昂志 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:竜矢30-29. 和田29-28. 勝本剛司30-29

むらけんの長身と手足の長さを利した前蹴り、組んでもヒザ蹴りがインパクトを与える。杉浦昂志はローキック狙いでむらけんを徐々に追い詰めるも大きなダメージを与えるには至らない。攻撃力はむらけんが優ったように見えたが、杉浦がヒジ打ちも加えたヒットもあってか僅差判定勝利となった。

むらけんは、元・全日本ライト級チャンピオンの須藤信充氏の御子息です。

知名度はこの日一番だったむらけん。手足の長さが効果的だったが、杉浦昴志のローキックに圧されたむらけん

◆第7試合 ウェルター級3回戦

成瀬晴規(無所属/ 66.7→66.65 kg)3戦1勝1敗1分
      VS
滝口遥輝(中島/ 64.85kg)1戦1分
引分け 0-0
主審:椎名利一
副審:少白竜29-29. 和田29-29. 竜矢29-29

◆第6試合 ウェルター級3回戦

山本哲男(KICKBOXING-SQUARE/ 66.45kg)2戦2勝
      VS
カトリーヌ・マサトシ(中島/ 65.25kg)1戦1敗
勝者:山本哲男 / 判定2-0
主審:勝本剛司
副審:少白竜29-28. 椎名28-28. 竜矢30-28

◆第5試合 ライト級3回戦

山田旬(アウルスポーツ/ 61.15kg)1戦1勝
      VS
ザイ・ウズハンカーン(中島/ 61.15kg)1戦1敗
勝者:山田旬 / 判定3-0
主審:和田良覚
副審:少白竜30-27. 椎名30-27. 勝本剛司30-28

◆第4試合 フェザー級3回戦

高橋邑俉(SQUARE-UP/ 56.7kg)1戦1敗
      VS
勇人(NUMBER NINE/ 56.4kg)1戦1勝
勝者:勇人 / 判定0-3
主審:竜矢
副審:和田28-29. 椎名25-29. 勝本剛司25-30 

◆第3試合 バンタム級3回戦

藪祥基(SQUARE-UP/ 53.45kg)1戦1敗
      VS
吉田鋭輝(team彩/ 53.45kg)1戦1勝
勝者:吉田鋭輝 / 判定0-3
主審:竜矢(勝本竜矢)
副審:少白竜28-29. 椎名28-29. 勝本剛司28-29

◆第2試合 71.0kg契約3回戦

英坊(MIYABI/ 70.65kg)3戦2敗1分
      VS
義斗(Kickboxing fplus/計量はリミット内パス)1戦1勝
勝者:義斗 / 判定0-3
主審:少白竜27-30. 椎名28-30. 竜矢27-30
副審:

◆第1試合 フライ級3回戦

ペニコ(MONKEY☆MAGIC KBS/ 50.9→50.8kg)1戦1敗
        VS
HIROKI(AKIRA?budo school?/48.65kg)1戦1勝
勝者:HIROKI / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:和田27-30. 椎名26-30. 竜矢28-30

《取材戦記》

デビュー戦ばかりの正に原点回帰の初陣興行。全ての選手のアグレッシブな展開が素晴らしかった。

ド派手な演出は無くても、インパクトある演出はレジェンド達の御登壇。第7試合後にセレモニーが行われ、加盟ジムと会長の御紹介、旗揚げ興行として栗芝貴協会代表の御挨拶、特別ゲストで藤原敏男氏、富山勝治氏、増沢潔氏、飛鳥信也氏など、かつての名チャンピオンが御挨拶。富山さんは「久々に後楽園ホールへやって来ました。50年前を思い出します……!」と想いを語り、飛鳥信也さんが「私と富山さんはキックボクシング発祥の目黒ジム出身です……!」と語った御挨拶後、富山さんが再びマイクを持つ意地のアピール。沢村忠さんの名前を出しておかねばという想いもあったでしょう。「沢村忠様有っての今のキックボクシング……!」と、「今後ともキックボクシング発展の為に皆様の力をお借りしたいと思います。今後とも宜しくお願い致します!」と締めるかつてのエース格の存在感が目立った。

この全日本キックボクシング協会は、かつての昭和時代に石原慎太郎氏がコミッショナーを務めた団体の復興ではなく、同名の新団体ではあるが、初陣と言いながらレジェンドが御登壇となれば、キックボクシング生誕60周年を思わせる還暦興行の印象もあり、懐かしさが蘇える興行だった。

前日計量は14時より稲城ジムで行なわれ、計量後に選手全員残ってルールミーティングが行われました。そのミーティングにおいて、審判長の勝本剛司氏との質疑応答が始まった。時間の都合上5名だけだったが、計量に来て質疑応答となっては選手も戸惑っただろう。

「この新団体としての初陣興行。歴史に残らなければならない。ここに居る選手一人一人が実力を出し切って、まずは自分達が目立ってカッコ良く、逞しい姿を見せてくれることが一番大切な部分となってくることを肝に銘じているということを前提に話を進めていきます。」という質疑応答となった。

勝本剛司審判長は「この大会(興行)に於いて、プロとして何を見せてくれるのか、抱負と目指している選手が居れば教えて貰っていいですか?」という質問。急に振られると応えることに戸惑ったであろう。最初に当てられた第1試合のペニコ選手とHIROKI選手。試合に向けての抱負をHIROKIは少し考えて「ヒザで決めます!」。目標とする選手は「AKIRA選手です!」と応えた。ペニコは「KOします!」目標とする選手は「小野瀬邦英さんです!」と計量立会いに来ていた小野瀬氏を戸惑わすインパクトを残した。

最終試合に出場する羽田翔太は「この二人がメインで良かったなと言われるような新団体の立ち上げに相応しい熱量を広翔選手と二人で盛り上げたいと思います!」

広翔は「デビュー戦でメインを組んで頂いたので、期待に応えられるようにKO勝ちで初陣興行、最初のメインを締めたいと思います!」と二人がカッコ良く締めた。

「この大会を想い出出場している人はいますか?」という問いかけには誰も手を挙げなかった。この一戦のみで辞めるつもりなど無いということである。

「この大会を踏み台にして次の試合に備えたいと思っている人はどれぐらい居ますか?」という質問にはパラパラと手が挙がった。

「全日本キックボクシング協会でチャンピオン獲りたいと思っている人は?」には見渡せた限りでは全員が手を挙げた。

「高嶺を目指して目立ってカッコ良く、上手な戦い方はこれから先。今回のデビュー戦で観たいのは“最後までリングに立ち続けるぞ”、“倒すぞ”という闘志をお客さんに見せてください。観衆は絶対心打たれるので、“あいつの試合見たい”となれば“次の大会も来たい”となります!」と期待を込めて前日に選手へ気合いを入れた勝本剛司審判長だった。

原点回帰で新人戦から始まった初陣興行。かつての新団体設立興行はチャンピオンが存在するメインイベンターが出場していたが、この新団体の全日本キックボクシング協会は新人から始まる原点に立ち返ったスタートだった。そこで選手に自覚を持たせる働きかけは昨年の8月から始まっていた。前日計量では、「この先どうなるかは正直分からない」と言っていた栗芝貴代表。我々一般ファンやマスコミから見ても、厳しい意見が出そうなスタートであった。

興行終了後の栗芝貴代表は、
「想像以上に選手の頑張り、前半戦からデビュー戦とは思えないぐらい、やっぱり何回も選手達に“君達が輝ける舞台を作ってくれ”と言ってきた中で、本当に腹くくって来たなという姿見てちょっとね、中盤辺りでなんか涙出そうになっちゃって。このメンバーで一年経ったら、凄いことになると思う。みんな切磋琢磨して、この夏頑張れば冬も来年も盛り上がっていける。この選手達、やってくれていると思って、それに我々も応えなきゃと思っています!」

藤原敏男さん、富山勝治さんらが来られたことについては「元・ゴング誌編集長の舟木昭太郎先生の御陰です。知ってる方が見ればやっぱり感動しますよね。今のお客さんはなかなか御存知無い方も多いかもしれないけど、我々キックボクシング関係者としたら原点回帰であの方々がリング上に上がってくれたというのはもう感無量ですね!」と多くの感動で今後に手応えを感じていた栗芝貴代表だった。

次回、全日本キックボクシング協会第二回興行は、6月13日、平日木曜日に後楽園ホールに於いて開催予定です。土日を取るのは難しい今年は仕方無いところでしょう。この日勝ち上がった選手によって試合順も上位枠へ上がっていきます。

レジェンド集結。前列に増沢潔氏、藤原敏男氏、富山勝治氏、飛鳥信也氏が並ぶ

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年4月号

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWTWN75P/

◆セコンドの基本編

古代ボクシングでは、次に出場する選手が、その時戦っている選手の補佐役を務めた為に付いた文字どおりのセコンド、2番目を意味することがインターネットで調べればそんな由来が出て来るとおりと言えそうです。

現在のプロボクシングに於けるセコンドの役割は多く解説されており、試合中に観衆の目に映る範囲でも解るかと思いますが、誤解され易い部分も含めて、理解を深めて頂ければと思います。更にキックボクシングとの比較についても述べたいと思います。

セコンドの人数はプロボクシングの場合、三名まで認められていますが、インターバル中、リング内に入れるのは一名。他二名はロープの外側からの補助役となります。

控室の準備は割愛しますが、キックボクシングやムエタイの場合、「ムエタイの隠し味!」編で述べたようなタイオイルを塗るのもセコンドや側近の仕事となります。

選手のリング入場時から試合での三名のセコンドがやるべきことは多く、入退場の補佐や各ラウンド終了ゴングが鳴ったら、次のラウンドへ向けて1分間のセコンドの重要な任務に入ります。選手がコーナーに戻って来るまでにコーナーに椅子を入れ込み、選手のマウスピースを取り出して水で洗い、うがいさせてマウスピースを口に嵌めさせて次のラウンドへ送り出す。他にも汗を拭き取り、腫れた部分を腫れ止め金具で抑えたり、ワセリンを塗ったり、揉んだり、その間にアドバイスも送ります。その小道具を機転を利かせて手際よく手渡しするのもセコンド陣営のチームワーク。

選手が出血した場合、プロボクシングではセコンドに代わってカットマンという止血のプロが処置に入る場合もあります。正味50秒ほどで傷の具合を見て的確に止血するのも腕の見せ所でしょう。セコンドアウトのホイッスルやブザーが鳴ったら、すみやかに椅子や水の入ったボトル、漏斗なども撤去してリング下へ移動します。

中川栄二に着く千葉ジム陣営、戸高今朝明氏のセコンド姿、昭和の雰囲気抜群(1983.9.18)

 

飛鳥信也に着く陣営は目黒ジムの雰囲気抜群(1995年頃)

◆あまり意識されない規則

ドクターチェックの際はタイムストップされていてもラウンド中なので、リング内に入ることは出来ません。レフェリーにドクターの方へ呼ばれた場合はロープの外側やリング下から回らねばいけません。

選手がダメージを負い、これ以上の続行は棄権と判断した場合、リング内にタオル投入し、レフェリーに棄権を伝える行為がありましたが、プロボクシングではJBCが2019年6月にタオル投入ルールを変更し、チーフセコンドがコーナーからタオルを振って棄権を知らせるウェイビングに変更した模様です。

タオル投入はレフェリーの背後に落ちた場合、気付くのが遅れる場合があることが要因でしょう。

しかし、キックボクシングでの棄権はタオル投入が続いていますが、まだ昭和の時代にウェイビングを行なったセコンドが居たことも事実です。このウェイビングは今後も影響を受けそうで徐々に改善されていくことでしょう。

他に、プロボクシングの場合、風を送る為にタオルで扇ぐのは禁止です。おそらく棄権を意味するウェイビングと紛らわしい点があるかと思います。紛らわしくなくても似た行為による禁止でしょう。団扇(うちわ)で扇ぐのは可能で、これらは昔からあるルールです。

キックボクシングにおいて、最近はタオルで扇ぐ行為はあまり見られなくなりましたね。

セコンドは試合中に大声でアドバイスを送るのは厳密にはルール違反です。声をあげてアドバイスを送るのは黙認されているのが現状でも、特に相手側に罵声を浴びせることは厳重注意となるでしょう。

「セコンドはラウンド中、リング下の椅子に座って、リングマット、コーナーポスト等に手を触れてはならず静粛にしていること」というルールがあります。

この静粛ルール、私(堀田)が初めて知ったのは平成初期に立嶋篤史さんから聞いた話でした。

その後(1990年代)、プロボクシングの試合でレフェリーがタイムストップし、セコンドに簡潔な注意を与えたのを見たことがあります。レフェリーは熊崎広大さんで、素早く的確に処置後、すぐ再開させていました。

[左]赤土公彦のランシットスタジアムでの試合、足下に有るのが水受け皿(1989.1.9)/[中央]佐藤正男に着く渡邊ジム陣営 渋さ抜群(1992.4)/[右]小野瀬邦英のセコンドに着いた戦友、ガルーダ・テツ(2002.12.14)

◆緩やかな任務

キックボクシングを観ていると、リング内に椅子の入れ方もまごつく姿を見ることがあります。後楽園ホールのリングの場合、ロープの最下段から椅子を寝かせて先端を、くの字を描くようにリング内に入れて立てればOKだが(やったことある人は解ります)、なかなか入らなくて、ロープとロープの間から入れようとしても上手く開かずまごついたり、ロープ最上段から入れる為にロープ際に上がって余計手間が掛かって「遅い!」とチーフセコンドに怒られたり、近くで見ていて笑いたくなるほどでしたが、セコンドをやったこと無い者がたまたまお手伝いでやらされると、こんな連携不足にも出くわします。プロボクシングでは役割分担も綿密に組み込まれ、そのライセンスされた者がセコンドを務めるので、多くのセコンドチームワークはしっかりしているでしょう。

よく疎かになりがちなのが濡れたマットを拭くこと。ボクシングでは水を吹き掛けることは禁止されていますが、キックボクシングやムエタイでは頭から浴びるように水を掛けたことがありました。

過去のキックボクシングはリング上に大きい水受け皿を上げて使われていた時期もありましたが、最近は使われていない模様。後楽園ホールではプロボクシングでもリング下の水受け用鉄板(皿)が置かれていましたが、最近は置かれていません。水を使ったらリング下の受け皿が無いので多量に水を使わせない工夫かと思います(うがいした水は漏斗によってリング下のバケツに溜まるようになっています)。

キックボクシングにおいて、他のジムのセコンドに着く例では、元・日本フェザー級チャンピオン、葛城昇さんは平成初期頃、習志野ジム、小国ジム、キングジム。一つの興行で三つのジムのセコンドに着いていたかな。過去所属したジム仲間の縁から友情セコンドとなった例で、キックボクシングだから可能だったことでしょう。現在も団体が分かれている為、厳格なライセンス制度が無く、ジムは違うが友人のセコンドに着くという例はたまにあるようです。

過去の例では小野瀬邦英氏の引退試合に宿敵、ガルーダ・テツ氏がセコンドに着いた話題の試合もありました。ライバルだからこそ知り得た癖。どこまで活かされたかは二人だけが知ることかもしれません。

雄希ワセリンを塗るガルーダ・テツ会長、まだ最近(2024.2.17)

◆セコンドのマナー向上

キックボクシングにおいて、最近のセコンド陣営はマナーがいいと言われます。リング中央で相手側セコンドとも握手し、ラウンド中は椅子に座ってのアドバイス。判定に不服があっても騒がない。血の気の多い会長やセコンド陣営が居た昭和世代とは大きな違いでしょう。こういう正しい行為がキックボクシングの品格を上げることに繋がるので、多くの陣営の力で続けていって欲しいものです。

そんなセコンド風景も撮影すること多い私ですが、選手同様、撮影しておけば後で役立つこと多いので、人生でリング上に立っている時間はわずかしかない、この瞬間を記録させて頂きたいと思います。

今回はキレイに纏め過ぎたか、セコンドに纏わる過激なエピソード、あるにはありますが、また時期を見て披露したいと思います。

先日のタイトル戦、ジョニー・オリベイラのセコンドに着くトーエルジム陣営、ワセリンを塗るのは現代の紅闘志也(2024.3.3)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年4月号

新たなチャンピオン誕生。デビュー20年のジョニー・オリベイラ戴冠。
木下竜輔は大抜擢ながらチャンスを活かせずも、まだエース格へ成長の力あり。
ベテラン瀬戸口勝也はNJKFの山浦俊一をノックダウン奪って判定勝利、存在感示す。

◎MAGNUM.59 / 3月3日(日)後楽園ホール17:15~21:16
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

(戦績は当日プログラムより、この日の結果を加えています)

◆第12試合 59.0kg契約3回戦(6oz)

日本フェザー級チャンピオン.瀬戸口勝也(横須賀太賀/ 58.8kg)42戦31勝(14KO)8敗3分
       VS
山浦俊一(前・WBCM日本SFe級Champ/新興ムエタイ/ 59.95→59.9kg=計量失格、減点2、グローブ8oz使用)33戦17勝(3KO)14敗2分

勝者:瀬戸口勝也
主審:少白竜
副審:宮沢30-25. 勝本30-24. 中山28-25 (山浦に減点2含む)

初回、山浦俊一が蹴りで仕掛けるが、瀬戸口が距離を詰めて来てボディーブローを狙う。パンチの勢いは瀬戸口が攻勢だが、ヒジ打ちを合わせるタイミングや組み合ったら崩すのは山浦が上手く、ヒジで瀬戸口の右瞼をカットしたが、第2ラウンドには瀬戸口がヒジ打ち返しで山浦の眉間をカットした。

最終第3ラウンドの開始早々に瀬戸口が強打で出て来た。ロープ際に詰まった山浦に右ストレートがヒットし、ノックダウンを奪う。すぐ立ち上がりダメージは小さいが勝利は大きく瀬戸口に傾いた。更に打ち合った中、瀬戸口の連打で山浦は2度目のノックダウン。更に倒しに行った瀬戸口だったが、打ち合いに耐え凌ぎ、組み合ったら崩し転ばす山浦。ハイキックも見せた山浦は意地を見せて打ち合いに応じた中、瀬戸口も最後のヒットを見せることが出来ず判定に縺れ込んだ。

ラストラウンド、瀬戸口勝也の右ストレートで山浦俊一がノックダウン

山浦は前日計量ではうつむいた暗い表情も、試合では瀬戸口の強打と打ち合うアグレッシブな展開が見られた。瀬戸口の強打を貰ってしまったが、ムエタイ技の上手さを活かせた山浦だった。

山浦は「瀬戸口さんのパンチは重いとは感じなかったです。これなら耐えられるな、というパンチでしたけど、結果ダウンしているんでダメですけど。減量は完全に自分のミスだと思います。」と反省していた。

最後の打ち合い、瀬戸口が強打で山浦を攻めるが倒し切れず

◆第11試合 日本スーパーフェザー級王座決定戦 5回戦

日本スーパーフェザー級2位.木下竜輔(伊原/ 58.65kg)11戦4勝(2KO)7敗
      VS
同級4位.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ 58.9kg)61戦16勝(1KO)27敗18分
勝者:ジョニー・オリベイラ / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:宮沢48-50. 少白竜49-50. 中山48-50

 

チャンピオンに上り詰めたジョニーはこのベルトの価値を上げられるか

木下竜輔は2021年4月デビュー。一昨年5月15日にはベテランの王座挑戦経験を持つジョニー・オリベイラを第1ラウンドに右ストレートで失神TKO勝利して一気に注目を浴びる存在となった。

初回、両者のローキック中心の蹴りで様子見から距離を詰めてパンチに繋ぐ展開も、前回のように木下竜輔が強打の右ストレート狙うも、ジョニーも警戒し主導権支配には至らない探り合いが終盤まで続く。

第4ラウンドにはジョニーが組み付くシーンが増え、消極的展開にレフェリーが両者へ注意を与える。

第5ラウンドもジョニーの組み付くシーンが続いてレフェリーの注意を受けたが、少ない残り時間を支配しようとアグレッシブさが増したジョニー。木下は攻め倦む中、積極性を失い、ジョニーが攻勢で終わる流れとなった。試合終了後も延長の可能性を賭けてか、木下陣営はアドバイスを続けていた。判定は第3ラウンド以降、ジョニーが優勢に傾くも、ジャッジ三者揃ってジョニー・オリベイラに付けたのは最終ラウンドだけだったが、勝利を得るに至った。

木下竜輔は「僕はジョニーさんとの初戦からいろいろ始まったのですが、連敗している僕は試合できる身分ではない中でチャンスを頂いたことと、対戦したジョニーさんに感謝しています。」と語った。

ジョニー・オリベイラは、「木下さんのパンチは重かったし効きました。でも我慢して練習して来たテクニック出して頑張りました。試合はとても良い感じで勉強になりました。」と語り、ジョニーのチーフセコンドを務めた中川卓さんは、「1月に王座決定戦が決まってからジョニーと100ラウンドぐらいスパーリングしましたよ。ジョニーは試合はちょっと力んでしまいましたけど、練習の調子良さが出せれば勝てると思いました。」と語った。

練習量と経験値で優ったジョニー・オリベイラ

◆第10試合 69.0kg契約3回戦(8oz)

佐藤界聖(聖域統一ウェルター級Champ/ PCK連闘会/ 70.9→70.3kg=計量失格、減点2)
15戦11勝(3KO)3敗1分
      VS
大谷真弘(BRAVE FIGHT CLUB/ 68.9kg)7戦5勝(2KO)1敗1分
引分け 0-1
主審:勝本剛司
副審:椎名28-29. 28-28. 中山28-28 (佐藤の減点2含む)

初回はスピーディーな展開でパンチ中心に出て来る大谷真弘だったが、佐藤界聖がローキック、主にカーフキックを連発していくと大谷の攻撃力が弱まり、佐藤が完全に主導権を奪って攻勢を維持したが、減点が響いて引分け。ウェイト差が出た展開かは分からない。

[左]佐藤界聖に攻められながら耐えた大谷真弘/[右]佐藤界聖(右)が優勢ながら計量資格の減点響いて引分けとなった

◆第9試合 78.0kg契約3回戦

マルコ(伊原/ 78.05→77.9kg) 7戦4勝(1KO)3敗
      VS
雄也(新興ムエタイ/ 77.55kg)10戦2勝7敗1分
勝者:マルコ / 判定3-0
主審:宮沢誠
副審:椎名30-25. 少白竜30-25. 勝本30-25(三者とも各ラウンド同一採点)

初回、マルコはパンチから強烈な右ローキックを連発して主導権を奪う。パンチとローキック中心の流れはマルコが優勢のまま最終第3ラウンド、マルコのパンチ連打で雄也がノックダウン。立ち上がった雄也は打ち合って前に出てヒザ蹴りを出すとローブローに近かったか、逆にマルコのヒザ蹴り仕返しで二度目のノックダウン。立ち上がって反撃するも巻き返せず終了。

マルコの蹴りと重いパンチに雄也が後退

 

Nao(右)が常に挑戦者の気持ちで戦う不屈の闘志でRUIを攻める

◆第8試合 女子(ミネルヴァ)48.5kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX/ 48.2kg)5戦5勝(2KO)
        VS
RUI・JANJIRA(JANJIRA/ 48.05kg)4戦1勝3敗
勝者:Nao / 判定2-0
主審:中山宏美
副審:椎名30-29. 宮沢29-29. 勝本30-29

NJKFで2023年の女子部門優秀選手賞を受賞したNaoが5戦目を迎えた。

手数と攻防は互角の展開を見せるが、ヒザ蹴りのヒット、パンチや前蹴りのヒットとインパクトがやや優ったNao。ジャッジ三者が揃う明確な差のラウンドは無かったが、僅差判定勝利を飾った。

◆第7試合 51.8kg契約2回戦

渡邊匠成(伊原/ 51.4kg)3戦1勝1敗1分
      VS
大久保貴広(京都野口/ 51.65kg)2戦2勝(1KO)
勝者:大久保貴広 / 判定0-3
主審:少白竜
副審:椎名19-20. 中山19-20. 勝本18-20

◆第6試合 ウェルター級2回戦

宇野澤京佑(伊原/ 66.35kg)1戦1敗
      VS
崚登(新興ムエタイ/ 66.4kg)3戦2勝(2KO)1分
勝者:崚登 / TKO 2ラウンド2分35秒
主審:宮沢誠

初回、崚登のパンチ連打の後、ヒザ蹴りから右ストレートが宇野澤京佑の顎にヒットでノックダウン。

第2ラウンドには崚登がパンチから右ヒザ蹴りを宇野澤のボディーへヒットさせ、右ミドルキックを腕の上から蹴ったが、ボディーが効いていてノックダウン。立ち上がったがカウント中のレフェリーストップとなった。

崚登の右ストレートヒット、KOへ繋いでいく

◆第5試合 アマチュア女子37.0kg契約2回戦(2分制)

西田永愛(Queen’s Fight 全国トーナメント初代35kg級覇者/伊原越谷/ 36.9kg)
        VS
渡邊梨央(Queen’s Fight準優勝/MtF MUGEN/ 36.4kg)
勝者:西田永愛 / 判定2-0 (19-19. 20-19. 20-19)

◆第4試合 女子(ミネルヴァ)女子49.0kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ライトフライ級2位.佐藤”魔王”応紀(PCK連闘会/ 47.6kg)
22戦11勝(6KO)9敗2分
          VS
同級3位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM/ 49.35→49.25→49.0kg)
14戦5勝(1KO)8敗1分
勝者:佐藤”魔王”応紀 / TKO 2ラウンド1分14秒
主審:中山宏美

初回早々、10秒あまりで佐藤はローキックから右ストレートで紗耶香からノックダウンを奪う。第2ラウンドも佐藤が蹴りから右ストレートでノックダウンを奪い、少々の首相撲の後、再度右ストレートで紗耶香からノックダウンを奪うとレフェリーがノーカウントで試合を終了した。紗耶香は試合前から右膝にテーピングされており、試合でもローキックを貰ってフットワークに影響あったかもしれない。

紗耶香の右膝へカーフキックを決める佐藤魔王応紀

◆第3試合 ミネルヴァ公式戦 女子49.0kg契約3回戦(2分制)

ナディア・ブロン・バビルス(伊原/アルゼンチン/48.05kg)7戦3勝1敗3分
          VS
ミネルヴァ・ライトフライ級チャンピオン.Yuka★(SHINE沖縄/48.75kg)11戦5勝4敗1分
引分け 三者三様 (29-29. 29-30. 30-29)

◆第2試合 アマチュア45.0㎏契約2回戦(2分制)

西田蓮斗(伊原越谷/ 44.7 kg)vs龍翔(TRASH/ 44.55kg)
勝者:龍翔(青コーナー) / 判定0-2 (19-19. 19-20. 19-20)

◆第1試合 アマチュア31.0㎏契約2回戦(2分制)

武田竜之介(伊原越谷/ 30.9kg)vs米田賢吾(VALLEY/ 29.85kg)
勝者:武田竜之介(赤コーナー) / 判定3-0 (20-18. 20-19. 20-19)

《取材戦記》

今回の興行、伊原ジムに於ける前日計量で4名のウェイトオーバーがありました。そのうちの一人はマルコ。余裕の計量に臨みながら、わずか50グラムのオーバーで減量失敗ではなく、少々の運動で数分後にクリアー。

紗耶香は350グラムオーバー(コスチューム分を除く)だったが、スウェットジャケットを着てシャドウボクシングを続けて規定の2時間以内に3回目の計量でクリアー。佐藤界聖は1回目の計量で1.9kgオーバー。地下の伊原ジムで縄跳び等を経ても1.3kgオーバーで諦めた様子。当人と陣営は相手陣営に平謝り。

プロモーター関係者からは「だらしない試合するのが一番ダメで、良い試合して勝って謝りなさい!」と檄を飛ばされていた。

山浦俊一は950グラムオーバーで、再計量でも900グラムオーバー。こちらも諦めざるを得ない状況でした。本人は試合後、「自分の不甲斐無さです!」と自分を責めたが、加工食品の添加物などは疎くて気にしていないという。

近年、よく聞く大幅な計量失格。昔は飲まず食わずの過酷ながらもジャケット着てしっかり動けば、ウェイトは何とか落ちたもので、リミットクリアーするのが殆どだったが、古き昭和時代の経験者は「今時の選手は我慢が足らない。我々の時代は1週間、水一滴も飲まずに落としたもんだよ!」と言う元・選手もいます。

現在は食物のカロリーなど計算された中で、水分と栄養を摂りながらウェイトを落とす時代でもありますが、普段からいろいろな添加物の食生活になっているのが我々現代人で、昔と比べより増えたホルモン剤による食肉加工品(特に外国産)を食べていれば人間の健康にも影響が出ない訳が無いと言われます。あくまで仮説ですが、そんな食生活で身に付いた筋肉や脂肪は、プロボクサー等の計量に向けた短期で落とす減量には思うように落ちない現象もあるのかもしれません。

新日本キックボクシング協会に新たなタイトルが誕生しました。現状の興行体制で賛否両論はある中、新王座の成り行きを見て行くしかないでしょう。

ジョニー・オリベイラは在日ブラジル人で、2004年デビューから20年となるベテランは46歳という。タイトル挑戦が決まったのは1月中頃で、最後のチャンスとなるタイトル戦へ向けた日々が始まりました。

過去の王座挑戦は2012年12月9日に日本ライト級で、石井達也(藤本)に挑戦は判定負け。2016年12月11日には勝次(藤本)に挑戦もノックアウトで敗れていました。まだまだ戦い続ける意欲あるジョニー・オリベイラ。練習量が豊富で体脂肪率も低いという。今後も注目してみましょう。

新日本キックボクシング協会次回興行は、5月12日に後楽園ホールに於いてTITANS NEOS.34が開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

前の記事を読む »