軍事政権が『民主化』の道を歩み始めて2年7カ月。ヤンゴンなどミャンマー(ビルマ)の一部都市は、流入する外国資本の影響で、急速に変化を遂げている。
ではミャンマーの人々が、万人の平等を目指す民主主義を理解し始めたのか。今のところ、答えは否、である。
彼らは、ミャンマー政府主導の市場開放路線と、限定的な『民主化』政策に沿って、柔軟に仕事の仕方などを変えている段階だ。民族平等、貧困撲滅、賄賂のない商業環境などを実現するには、長い時間をかけて人々の意識が変わっていくことが必要だろう。

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東京電力は6月26日、実質国有化された“新生東電”として初めての株主総会を、国立代々木競技場第一体育館で開いた。脱原発派の株主から柏崎刈羽原発(新潟県)など所有する原発の廃止を求める提案を受けたが、広瀬直己社長は「運転再開に向け、一層の安全性向上の対策を確実に実施したい」と早期再稼働を目指す方針に固執した。
株主提案は、脱原発を求める内容など過去最高となる15件が事前に寄せられたが、東電側は全てに反対し、総会でも否決された。

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昼に会社を出たものの、中途半端に時間が余ったので、渋谷の家電量販店をブラブラする。掃除機の調子が悪いことを思い出す。売り場見てみるか。でも収入の当てがなくなったし、買い物は控えるべきか。

掃除機売り場に自動掃除機なるものが置いてある。丸くて、フライパンの円形部分だけみたいなのが、床中を自動で動き回って掃除するものだ。以前、社長が突然購入して会社の床清掃に使い始めたことがあった。大して広いオフィスでもないのに。値段を見たら8万円と書いてあり、腹が立って店を出る。

最近は家に帰っても気持ちが閉じこもりがちだ。帰る気分になれず、ボンヤリと歩いているうちに宮下公園に入る。昨年だかに改修されて、大分綺麗になっている。以前はホームレスやら、食い詰めていそうなアーティストがパフォーマンスをしていたが、今は静かだ。平日の昼間だからかもしれないけれど。彼らはここを追われてどこへ行ったんだろう。なんて思っていたら、いた。髪も髭も伸ばし放題で、顔が赤茶けた色で汚れているホームレスが、ベンチに座ってパンくずのようなものを撒いている。そのためハトが多数、彼の周りに集まっている。

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お堂へ向かうために起ち上がると、「お経はそんなに長くやりませんから」と住職は言って笑った。
さすが、ビジネス坊主。よく分かっている。遺骨を墓に入れるための立て前として行うだけだから、お経などはいらないのだ。元市役所勤めの、俗人坊主のお経など長く聞きたくはない。
その後に行う「偲ぶ会」のほうが意味があるので、早く終わらせてもらうに越したことはない。

親戚縁者がお堂に入り、読経が始まる。父親の遺骨は、高い壇に乗せられている。
父の人生とはなんだったのだろう。
小さな建築会社を倒産させた父は、経営者として敗北者である。
地道にコツコツと仕事をしていても、行き詰まる人はいるだろう。
父はそうではなかった。経営が上手く行っていない時でも、毎日のように小料理屋で呑み、噺家や役者のタニマチになり金を遣っていた。まったくの、放漫経営だ。
資金繰りに困ると、私たち子供から金を借りた。高校生だった時の弟から100万を借りて、返していない。
母の弟が建てた祖父母のための家を担保に入れさせる形で金を借り、半分ほどしか返していない。叔父は、家を手放すことになった。
まったく、同情の余地はない。

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まず、榛野氏にメールを送ってみた。榛野氏は芳川氏からどの程度、私の情報を聞いているのだろう。私のイメージの芳川氏は神経質な部分もあるように感じる。個人情報などで揉めたくないと思い、作品だけしか送っていないような気がする。その思いも含め、初めてのメールを送るうえで、簡単な自己紹介文と電子書籍の出版をしてくれるということに対してのお礼のメールを丁寧に送った。

この時点では、まだkindleについて良く知らない。
不信感を抱いている芳川氏の紹介ということで、豊穣株式会社と榛野氏についてのリサーチに気をとられkindleについてのリサーチを行っていなかったのだ。今から思えば、kindleについても調べておく必要があった。Kindle Direct Publishing(KDP)は『個人出版』である。個人出版というのは、環境と知識さえ揃っていれば、誰でも気軽に無料出版できる……そのことさえ気付いていなかった。手続きや表紙制作の手間などもかかるが、どれも個人でできるものであり、わざわざ会社を通して行うものではないということも知らなかった……個人出版という言葉の意味さえ分かっていなかったため、Y.Nコミュニケーション、豊穣株式会社の2社で行うというのも含め、大掛かりな事業だと思い込んだ。
そのため『商業出版』の一種だと思い込み、個人出版を代行するというだけであるのに、大変、丁寧なお礼のメール榛野氏に送ってしまった。今思えばこのメールによって、榛野氏は私がまだkindleや個人出版について詳しくないと気付いてしまったのだと思う。多分、榛野氏はそういった人物を求めていたのだろう。

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ラジオで田原総一朗氏と上祐史浩氏(ひかりの輪・代表)が対談していた。タイトルは「終わらないオウム」(文化放送)。上祐史浩氏が、田原氏に「なぜロシアに言ったのか」と聞かれたとき、「ちょうどロシアではソ連が崩壊して宗教が自由化、人々が宗教的なものに飢えている、欲している状態であったので、信者は爆発的に増えた。数千人信者はいたと思います」と答えていたのには驚いた。ロシアの国粋主義者と摩擦を起したりするので、元KGBの人たちを雇い、警備会社を作ったりしなければならなかったとまで語っていた。

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日本野球機構(NPB)がプロ野球の1軍公式戦で使っている統一球について、今季開幕から従来より「飛びやすい仕様」にしていた事実が波紋を呼んでいる。
「昨シーズンは交流戦終了時点(6月20日)で331本だった本塁打が、今季は交流戦終盤の6月11日で512本と昨シーズンの約1.5倍となっている。
「今年は飛ぶと思っていた選手は多いが、NPBがボールを発注しているミズノに『表向きはなにもしていないことにしておこう』と口を含ませていたことも判明している。これは由々しき問題で、投手の生殺与奪をボールが握っているとしたら、投手たちは労働条件を変更されたわけで、黙っているべきではないだろう」(プロ野球関係者)
なにしろ飛びやすい仕様にしていた事情は、日本プロ野球選手会(楽天・嶋基宏会長)との事務折衝でしぶしぶ認めたというあり様だ。

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ミャンマー(ビルマ)の少数民族武装勢力で子ども兵として生きてきた男性は、ミャンマーからタイの難民キャンプに逃れ、その後、アメリカに移住した。
アメリカでは、難民同士の付き合いで、私の夫の義弟Tと知り合う。Tは彼に、教会で受講できる英語レッスンを紹介するなど、彼のアメリカでの自立生活を支えた。
そのお礼として、彼は独身のTの家に来て、料理を作るようになる。やがて、彼はTが経営するアジア食品店で働くようになり、1つの店舗を任されるようにまでなった。

ミャンマーでは過去数十年間、少数民族とミャンマー政府間の武装闘争問題などで多くの難民が発生し、祖国でも逃れた国でもない、第三国に移り住む「第三国定住」を行った人々が大勢いる。しかし、第三国定住後に、異国に移り住んだミャンマー人がみな、幸福な人生を送っているかというと、決してそうではない。
アメリカでは、ミャンマー人難民が、アメリカの生活になじめず、飲酒運転など軽犯罪を犯すこともある。難民キャンプにいた人々は、ほんのわずかな教育しか受けないまま成人する。毎日の労働や外国語の修得は、子どもの頃、教育を受けてこなかった人々にとって、まったくなじみのない経験だ。結局、移住先の法律や習慣に適応できず、最後は、
「難民キャンプに帰りたい」
と言い出す人が出てくる。こうした難民は、ただ単に被害を受けない場所に移住したからといって、問題が解決するわけではない。根本の解決には、難民を生み出した国の平穏を取り戻し、彼らがいずれ祖国に戻って自活できる環境を作り出す必要がある。

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この老人は、自分が敗訴した件をデタラメ裁判であると怒り、それから毎日のように霞ヶ関の裁判所前に居座ってハンドマイクで怒鳴り続けた。そして門前で何度も警備員と揉めては逮捕を繰り返し、ついに実刑判決を受け収監されたのだった。
もちろん、裁判が不公正であることは常識と言っていいし、それについて執拗に批判した者を「転び攻防」のようにして逮捕のうえ実刑というのは、報復的といわざるを得ないだろう。

しかし、自らが裁判の当事者となって裁判所に通っていた者たちの多くは、この老人が叫んできたことのほうがデタラメであることを知っている。この老人は、かつて当事者となった裁判の一二審が誤認判決であるとして上告したが、最高裁に門前払いされたと非難していたのだ。憲法違反でも、判例違反でも、採証法則違反でもない。はねられて当然だ。しかしこの老人は、その意味がまるで理解できなかった。
そのうえ、弁護士は頼りにならないから解任して自分で再審請求したと言うが、なんと「判例違反」だから再審請求したそうだ。それなら最高裁に上告するさいに持ち出すべきことだが、「俺はそんな判例があることを知らなかった。それで知ってから規定の期日内に再審請求した。だから再審開始されるべきだ。なのに、されなかったから裁判所の不正だ」と言う。

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「社員各位へ この度はこのような結果になり、残念に思います。自分としては限界まで精神的に追い詰められ、自殺も考えましたがネットで弁護士を探し、相談してこうなりました。会社と個人で自己破産手続きに向けて動いています。今後の社員各位についてはこちらのサイトを参考にしてください。また、どなたか直近の売掛と買掛のリストを作ってもらえるとありがたいです。戸次さんが担当していたので出来ればお願いしたいです」

一体この文章を読んで、私達社員に有益な情報はあっただろうか。また、何か救いになるようなものはあっただろうか。何もない。何もなさ過ぎて、余計に苛立ちが募っただけだ。

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