知名定男さん

宇崎竜童さん

宮沢和史さん

前川真悟さん(かりゆし58)

いよいよ24日(日)、第8回を迎える「琉球の風」の開催が近づいてきた。週間予報によると当日、熊本の天気は曇りとなっているが、今年もきっと晴れるに違いない。もし1週間台風が遅れていたら開催は無理だったろうが、台風は去り、実行委員の方々は最後の準備に追われていることだろう。

鹿砦社代表の松岡と同級生だった東濱弘憲さんがご自身のルーツを探る中から企画をはじめた「琉球の風」は東濱さんが亡くなって以降も有志実行委員会による開催をつづけている。このイベントの特徴は、今年の出演者が宇崎竜童、宮沢和史、島袋優(BEGIN)、かりゆし58、ネーネーズといった常連、ベテランの大御所から、MONGOL800のキヨサク、HYの新里英之、仲宗根泉といった初登場の大物たちによりステージが展開される豪華さだろう。サンデーwith新良幸人、下地イサム、金城安紀、比嘉真優子などが脇を固める。

これだけの顔ぶれながら、「琉球の風実行委員会2017」の中にはいわゆる企画屋さんやプロの興行師は一人もいない。委員会は皆このイベント以外に仕事をもっていたり、普段は芸能とは無関係な生活をしている「一般人」の方ばかりだ。つまり「琉球の風」は全く営利目的イベントではない。だから頭が下がるのだ。半年ほど前に実行委員会委員長に「何かお手伝いできることがあれば」と申し出たことがある。委員長ははっきりと言葉にはしなかったけれども「ありがとうございます。お気持ちはありがたいですが、私たち熊本人でこのイベントはやり遂げますよ」と笑顔を返してくださり、「当日来て下さるだけで大感謝です」とだけ仰った。

私は東濱さんを知らないし、熊本も一昨年初めて訪れた。鹿砦社が協賛していることは知っていたが、熊本は足を運ぶまで関西からは実際の距離以上になんとなく遠く感じていた。でも新大阪から新幹線に乗ると熊本まではわずか3時間ほど。なんだ東京に行くのと変わらないじゃないか、と遅まきながら知った。沖縄には何度も足を運んでいたけども、初めて訪れた熊本で東濱さんの名前が時々「あがりはま」と呼ばれていて、はてなと思い、知人に聞いたら「琉球では東をあがり、西をいりと呼ぶのさー」と教えてもらった。なるほど陽が昇る東が「あがり」で沈む西が「いり」。西表島を何の不思議もなく「いりおもてじま」と呼んでいたけど、情緒のある言葉を学ばせてもらったのも熊本でだった。

去年は大変な震災があった熊本。街のあちこちの「危険立ち入り禁止」のシールが印象的で今も余震は続いている。でも24日の熊本の空はきっと晴れ上がり、フードパル熊本(「琉球の風」会場)には夏のような陽光が降り注ぐだろう。今年から各ミュージシャンの演奏時間がこれまでよりも長くなり、昨年までとはまた違った味わいを満喫できるに違いない。

九州や中国地方の方だけではなく、全国の皆さん!週末は熊本に出かけてみませんか。

宮沢和史さんの「島唄」で会場が最高潮に盛り上がった昨年の「琉球の風」

9月24日(日)熊本で琉球の風~島から島へ~2017!

【日時】9月24日(日) 12:00開場 13:00開演 (19:00終了予定)
【会場】フードパル熊本 イベント広場
《熊本交通センター⇔上熊本駅⇔会場までの臨時バス運行》

【プロデューサー】知名定男
【出演】 新良幸人withサンデー、下地イサム、宮沢和史、
島袋優(BEGIN)、金城安紀、かりゆし58、UKULELE GYPSY(キヨサク from MONGOL800)、
新里英之&仲宗根泉(HY)、ネーネーズ、比嘉真優子、琉球國祭り太鼓 九州各支部、
(演奏)ネーネーズバンドDIG(嘉手聡、KOZ、前濱YOSHIRO、名嘉太一郎)、
(MC)ミーチュウ、岩清水愛、
(友情出演)宇崎竜童
※出演者が追加・変更になる場合があります。
【出店】飲食店・物産品販売店等、20店舗程度を予定

大人  前売6,000円(当日6,500円)
中高生 前売3,000円(当日3,500)
✱当日は学生証をご持参ください。
小学生 前売500円(当日¥1,000)
小学生未満 無料

☆先着1000名様に「琉球の風2017」ロゴ入りエコバッグを贈呈、
また抽選で100名様に『島唄よ、風になれ!』(通常版)をプレゼントします。
いずれも鹿砦社提供です。


【イベント詳細】Facebook 琉球の風~島から島へ~2017

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』特別限定保存版(「琉球の風」実行委員会=編)

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』通常版(「琉球の風」実行委員会=編)

9月15日朝鮮が長距離弾道弾(ICBM)と思われるミサイルを発射した。報道によればミサイルは北海道上空を飛んで北海道から2000キロあまり東の太平洋に落ちたという。朝鮮の中長距離ミサイルの試験的発射は、もう日常的な感すらある。私はこのような朝鮮のミサイル発射実験を好感しない。


◎[参考動画]【ニコニコ実況付】北朝鮮がミサイル発射 Jアラート発表時のNHKニュースダイジェスト(sk5417さん2017年9月15日公開)

2017年9月15日付け産経新聞

それにもまして「対話と圧力」で朝鮮との二国間関係に臨むと宣言した、安倍政権及び、それに追従する中央省庁、さらには地方公共団体の、過剰かつ全く無意味な反応に気持ち悪さと怒りを禁じ得ない。9月15日のミサイルは日本の上空700キロを飛んだと米国当局は想定を発表している。上空700キロとはどんな場所か? 一言で言えば「宇宙」だ。静止衛星は高度35万キロ以上の上空に打ち上げられるが、用途が限定される人工衛星は高度600-700キロにいくらでも飛んでいる。

今回打ち上げられたミサイルの飛行した弾道を各種報道で見る限り、日本上空を通過した時は上空700キロ程度で飛んで行った可能性が高い。この高度で飛ぶミサイルが弾道に高性能爆薬や核兵器を仮に搭載していたとして、この島国はどのような対策を取るのが最も適切だろうか。

それは「放置」することだ。

隠された技術があるのかもしれないが、現在公表されている地対空ミサイルの最大迎撃距離は地上から500キロだ。これでも本当かな? と思うが日米は「実験」で何度か上空500キロの「標的」迎撃に成功しているというから、そこまで飛んでいく性能はあるのだろう。しかし、朝鮮が実験で打ち上げたミサイルを万が一にも日本が迎撃ミサイルで撃ち落としたら、朝鮮や国際社会はこの島国をどのようにとらえるだろうか。それは仮に日本が種子島宇宙センターから「ロケット」を打ち上げた際に、中国、ロシアや朝鮮から「撃ち落とされた」事態を考えてみれば、想像の助けとなるだろう。

「メルカトルの呪い? 地図のおはなし」(2013年3月2日付けNonrealさん海国防衛ジャーナルより)http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50695367.html

「メルカトルの呪い? 地図のおはなし」(2013年3月2日付けNonrealさん海国防衛ジャーナルより)http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50695367.html

「メルカトルの呪い? 地図のおはなし」(2013年3月2日付けNonrealさん海国防衛ジャーナルより)http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/archives/50695367.html

◆「全く無意味」な訓練が大きな反対もなく行われている

「民生」ロケットを撃ち落とされたら(そうでなくとも、日本のロケットはしばしば打ち上げに失敗するが)、重大な国益棄損と場合によっては、軍事的攻撃として対象国は非難の的になるだろう。J-アラートがバカ騒ぎして待機していたようなタイミングで早朝官房長官が会見を行う。地下鉄が止まり、多くの市町村のHPには「ミサイル飛来の際には」との穏当ではない見出しが躍り、義務教育の現場で「全く無意味」な訓練が大きな反対もなく行われている。

万が一弾道を搭載したミサイルが人のいる場所に着弾すれば、「丈夫な建物」に入っても、「頭を何かで覆っても」、「窓際から離れても」全く無意味である。中程度の地震対策と同じように「何の効果もないミサイル対策」を無責任に流布する政府、地方自治体のありさまは、あえてきつい言葉で言えば「愚の骨頂」である。


◎[参考動画]北朝鮮ミサイル発射 J アラート情報 在京キー局報道の5分間(J-POP遺産さん2017年9月15日公開)

◆どうして朝鮮と「対話」を行おうとしないのか?

ミサイルが飛んで来たら「何をしても無駄」なことは、シリアや中東紛争地帯のニュース映像が伝えるとおりだ。

であるから、仮にこの島国の国土にミサイルが飛来しようが、「放置」するのが現状では最善の策であると私は考える。ただし、それには条件がある。朝鮮がこのかん何回中距離長距離ミサイルの発射実験を行ったか、正直興味がない(調べれば簡単に判明するが、その回数は本質的な問題ではない)。

もっと注視されるべきは、この島国の政府が本当にこの島国に住む(あるは滞在する)人々(日本国籍保持者に限らず、特別永住者を含む)の安全、安寧を第一に考えるのであれば、「圧力」ばかりでなく、どうして朝鮮と「対話」を行おうとしないのか、という基本的な問題だ。

「そんな昔の話とミサイルは別問題だ」とおっしゃる向きが多いかもしれないが、この島国は朝鮮半島の南半分を統治する「大韓民国」とは不充分ながらも占領時代の保障を含んだ、「日韓条約」を締結している。一方日本占領時代には2つの国に分かれてはいなかった片方の国、「朝鮮民主主義人民共和国」との間では、なんら植民地支配、戦後補償の話が行われていない。

つまり直近の状況がどうであれ、この島国が行った「植民地支配」に対する最低限の保障も行っていない中で、「拉致問題」を先頭に「北朝鮮=悪の国」との政府を先頭としたマスコミも同調する広報により、私たちは重要な歴史的過去の債務を忘却しかけており、それゆえ「圧力と対話」などと、はなから朝鮮を敵国視した歪な態度にすら、批判の声は小さく、「対話」を行おうとする態度は、われわれが知る限り、「皆無」だといっていいのが今日の姿である。

そして、マスメディアは歴史を全くと言ってよいほど無視し、何かにつけて容疑者を常時監視している警察のように、朝鮮中央放送がニュースで流す日常的な独特の派手な言い回しをとらえては、明日にでも朝鮮が暴発するかの如き報道を何十年も続けてきた。

◆金日成以来「天皇制」を模して作られた「独裁」体制

国力や外交力、何よりも自国民の福祉に対して現在の朝鮮独裁政権は、評価に値しないと私は考える。その根拠は朝鮮における金日成以来の「独裁」体制が、この島国の「天皇制」を模して作られたものであり、実際に世襲3代目の昭和天皇の時代にこの島国は、途方もない他国への侵略と自滅を経験している事実から導かれる。

この島国は何故あの様な暴虐を成しえたのか。そしてありもしない神話に依拠した「天皇制」に多くの人々が洗脳され、殺し、殺されたのか。独裁三代目の朝鮮に私は危機感を感じる。100年弱前のこの島国の自滅とどこかが似ている。そしてその過ちを加害的に起こした日本国安倍政権は「対話」を一切行わず「経済制裁」という名の「虐め」に専念している。歴史に学ぶということが、この島国の権力者には不可能なのだろうか。


◎[参考動画]ドキュメント北朝鮮①個人崇拝への道(60min)(アナログチャンネルさん2017年1月16日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

最新刊『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

本日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

 
『NO NUKES voice』が本日15日全国書店で発売された。季刊誌ながら発刊3年、13号を迎えることができたものの、財政的にも、紙面づくりでも予想を超える困難があったことは今号の巻頭で発行人の松岡がお伝えしている。たしかに鹿砦社という小さな出版社にとって「脱・反原発」に特化した雑誌の発行は、身の丈を考えればかなりの「冒険」で、けっして収益的に楽観できるものでは当初からなかった。

だからといって、福島第一原発事故で起きたあの大事故から目を逸らすことが、われわれには出来なかった。人間が何世代も生きてすら「収束」することはできない大惨事などそうそうあるものではない。地域紛争だって、戦争だって、被害を受けたひとびとの心の傷はいやされずとも、数十年で町や国は外見上復興する。しかし原発事故はそうはいかない。人間がコントロールできない自然災害と似たような性質も有するが、決定的な違いは自然災害から人間は逃げおおせないが、原発事故は人間が決断すれば簡単に防ぐことができる、ということである。

にもかかわらず、福島第一原発で大事故を起こした東京電力の柏崎刈羽原発にまで再稼働の適合性を原子力規制委員会は認めようといている。原子力規制委員会の役割は「原発の安全を審査」することではなく「審査基準に適合しているか」を審査する場所であるそうなので、「安全を保証するものではない」と田中俊一委員長が繰り返し「正直に」述べているとおり、原発に限れば「安全の保証」などはできえないのである。

◆この国は何を考えているのか?

経産省前テントひろば共同代表の渕上太郎さん

72年前、非戦闘地域に2つの原爆を落とされ、6年前に4基の原発を爆発させた国は、世界広しといえども、この国をおいてない。そしてこの国は「核兵器禁止条約」には参加しないという。

どういう頭の構造をしているのか。何を考えているのか。なぜそんなに死に急ぐのか。私にはまったく彼らの考えていることが理解できないし、その弁明に微塵の合理性も感じることができない。下手くそな言い逃れと、詭弁、迂遠なモノ言いながら簡潔化すれば小学生程度の論理性も保持しない稚拙な言い訳。こういった「欺き」を生業にしている人に判断を委任していたら、再度(いや最後)の事故が起きることは必至だ。

そして、その可能性は残念ながらどんどん高まっている。反対の声を押し殺して徐々に進む再稼働。それと歩調を合わせるかのように全国で頻発する中規模の地震。1995年阪神大震災以来、この島は地震の活動期に入った。さらに太平洋プレートの向こうの端、チリ、ペルー、ニュージーランド、台湾などでも大地震が起きた。北海道、新潟、岩手、鳥取、熊本、鹿児島、沖縄など全国各地で中規模から大規模の地震が毎年起きている。スーパーマーケットへ行けば「○○災害支援募金箱」が置いてあるが、近年のゲリラ豪雨の被害と相まって、募金箱の名称が長続きすることはない。年から年中自然災害だらけである。

せめて、人間の判断と手で、止めることができる災害であれば、止めよう。

◆私たちの希望と要求はシンプルにして簡潔だ

私たちの希望と要求は実にシンプルにして簡潔だ。筆舌に尽くしがたい原爆・原発事故による被害者の方々の苦難の「現在進行形」と隣り合わせで生きているわれわれは、見て見ぬふりが許されるのだろうか。あれは「他人事」なのか。厚労省の国会答弁(2017年4月14日参議院・東日本大震災復興特別委員会での山本太郎議員の質疑)によれば1082人(2011-15年までの5年間での福島県内9病院集計)を超えたとされる福島県での甲状腺がんの手術を受けたひとびとは、私たちと「無縁」の人なのか。ほおっておけばまた明日の朝が必ずやってくる保証は、本当にあるのか。毎朝、毎夕の東京の満員電車は自然な光景なのか。

これは編集長以下が協議して作成した見解ではない。しかし私たちは(おそらくあなたも)細部が異なることはあれ、原発が「在る」こと、「再稼働」されることに、どこか私と重なる気持ちをお持ちではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
[写真=大宮浩平および本誌編集部]

『NO NUKES voice』vol.13
創刊三周年記念総力特集
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

[グラビア]我に撃つ用意あり/強制撤去から一年 闘い続ける「経産省前テントひろば」他
[インタビュー]望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)
森加計・原発・武器輸出 〈タブーなき記者〉の軌跡
[インタビュー]寺脇研さん(元文部官僚、京都造形芸術大学教授)
原子力村と宇宙村 省庁再編が壊した教育の未来
[インタビュー]中島岳志さん(政治学者、東京工業大学教授)
脱原発こそ「保守」の論理である 安倍内閣終焉後の対抗軸
[インタビュー]鵜飼哲さん(フランス文学・思想研究、一橋大学教授)
反原発と反五輪 復興五輪が福島を殺す
[講演]水戸喜世子さん(「救援連絡センター」元事務局長)
原発は滅びゆく恐竜である
[講演]笹口孝明さん(元新潟県巻町町長)×村上達也さん(元茨城県東海村村長)
巻町「住民投票」の教訓と東海村「脱原発」の挑戦
脱原発をめざす首長会議・原子力市民委員会共催シンポ「原発に依存しない地域社会のために」より
[インタビュー]温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会共同代表)
被曝測定・国のウソ

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
東電再建計画『新々・総特』は瓦解する
[報告]三上治さん(経産省前テントひろばスタッフ)
言い残したきことを抱えての日々
[報告]本間龍さん(著述家)
原発プロパガンダとはなにか〈11〉電力会社のHPにおける原発PRの現状
[報告]「くまさん」須藤光郎さん(脱原発川内テント・蓬莱塾スタッフ)
八月六日の脱原発川内テント・蓬莱塾から
[報告]安部川てつ子さん(子どもたちを放射能から守る伊豆の会代表)
まずは大人から正しい福島の現実を知ってもらいたい
[報告]板坂剛さん(作家・舞踊家)
ある夏の体験
[報告]納谷正基さん(高校生進路情報番組『ラジオ・キャンパス』パーソナリティー)
反原発に向けた思いを次世代に継いでいきたい〈12〉
文部科学省は誰を守り、誰のために存在しているのか?
[報告]田村八洲夫さん(大飯原発稼働差止訴訟原告団サポーター)
大飯原発における「反射断面」による地下構造評価(関電提出)について
[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
「日米原子力協定」来夏“満期”を迎え撃つ

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
夏~冬の焦点──東海第二、大飯、玄海、伊方 四つの原発再稼働に反対する闘い
《東京》柳田 真さん(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
《高浜》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
《伊方》名出真一さん(脱原発アクションin香川)
《福島》佐々木慶子さん(原発いらない福島の女たち)
《避難》鴨下祐也さん(ひなん生活をまもる会代表)
《刈羽》清水 寛さん(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
《六ケ所》中道雅史さん(なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク)
《東海第二》相沢一正さん(脱原発とうかい塾)
《大洗》山田和秋さん(たんぽぽ舎ボランティア)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《若狭》けしば誠一さん(杉並区議会議員)
《読書案内》天野惠一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

9月15日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

前川喜平さんと寺脇研さん

明日15日『NO NUKES voice』13号が発売される。今号は創刊3周年の特別号。多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて、これまで以上に多彩な人たちに登場していただいた。

◆我に撃つ用意あり──野に下った文科官僚二人の覚悟

巻頭グラビアトップは、加計学園問題をめぐり国家戦略特区という利権行政の闇を証言した前川喜平さんとゆとり教育のエヴァンジェリストの寺脇研さんの元文科省官僚のツーショット。残念ながら前川さんへの本誌原発インタビューは丁重にお断りされたものの、寺脇さんが文科行政の歪みの起源を存分に語ってくれた。

◆望月衣塑子記者、3・11からの軌跡を語る

特集冒頭では東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登場する。官邸記者クラブで菅官房長官を問い詰めたことで一気にその名が知れ渡った望月記者は目下、官邸と御用メディアから陰に陽に不当な恫喝を受けているが、庶民の疑問を直球で権力に投げつける望月記者の姿勢こそ正しく真っ当なのは明かだ。〈タブーなき記者〉として森友・加計問題、詩織さん問題、原発、武器輸出に至るまで3・11以後、取材し報じてきた自身の軌跡を語っていただいた。

次いで登場は寺脇研さんの「原子力村と宇宙村 省庁再編が壊した教育の未来」だ。本コラムで常々文科省の「犯罪性」と「文科省不要論」並びに「宇宙開発の危険性」を指摘している私にとっては、強き味方を得た気分だったが、後段で語られる3・11後の映画批評がむしろ寺脇節全開で面白い。こういう個性的な人が多くいれば「文科省」もここまで馬鹿にはならなかったであろう(現実にはそんな「個性」を認めはしまいが)と感じさせられた。

寺脇研さんと望月衣塑子さん

中島岳志さん

鵜飼哲さん

◆脱原発こそ保守の論理である──中島岳志さんが語る安倍内閣終焉後の対抗軸

中島岳志さん(政治学者、東京工業大学教授)は「脱原発こそ保守の論理である」で持論を展開してくださっている。「保守」、「脱原発」、「安倍内閣終焉後の対抗軸」と興味深い言葉が並ぶが、果たしてそれらはどのように編み上げられていくのか。「保守」、「リベラル」の語意が著しい変化を見せている今日、「リベラル保守」の論客、中島さんのお話には要注目だ。

◆反原発は反五輪に向かう──鵜飼哲さんのラディカルなアクティビズム

鵜飼哲さん(一橋大学教授)は前出の中島さんと異なり、脱原発を志向する方々にはわかりやすいだろう。福島原発事故がもたらした諸矛盾と2020年東京五輪とがどう関係しているか。これまた非常に興味深い論考である。ジャック・デリダに師事した鵜飼さんらしくフランス現代哲学の香りも時々漂う。多くの読者が首肯されながら鵜飼さんのお話を読まれることであろう。

水戸喜世子さん

村上達也さんと笹口孝明さん

◆原発は滅びゆく恐竜である──水戸喜世子さんが語る夫・巌さんの思想と行動

水戸喜世子さんの講演記事「原発は滅びゆく恐竜である」はかつてのお連れ合い水戸巌さんの書名でもある。巌さんと学生時代から学問や社会運動に恐ろしいほどのエネルギーでかかわってきた水戸さんのお話は、明確にして高貴にラディカル。可能であれば読者に活字ではなく音声でお伝えしたかった。

◆虚妄の原発立地・成長神話──巻町・住民投票の教訓と東海村・脱原発の挑戦

「巻町・住民投票の教訓と東海村・脱原発の挑戦」は7月中旬新潟市で行われた脱原発を目指す首長会議と原子力市民委員会の共催シンポジウムにおける、元・新潟県巻町町長の笹口孝明さんと元・茨城県東海村村長の村上達也さんの対談録だ。司会は元国立市長の上原公子さんが務めている。なぜ全国の原発立地自治体は原発を受け入れてしまうのか? 原発に反対する首長にはどのような仕打ちがおこなわれるのか。厳しくも示唆に富んだ元首長お二人の体験談は、原発立地地元の現状と、地域変革のための方向性を示唆している。

◆被ばく測定・国のウソ──闘う元・東大助教、温品惇一さん

温品惇一さん

温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会共同代表)の「被ばく測定・国のウソ」は東大助教時代に公害問題に取り組んで以来、「闘う東大助教」の異名をとった温品さんが福島原発事故後に政府が制定した被ばく基準や、ガラスバッジ測定のウソを温品さんの闘いの歴史の中で再び位置付ける。公害から原発(被ばく)へと長年の取り組みは私たちに何を教えてくれるだろうか。

◆言いがかりで市民を逮捕している暇があれば、東京電力幹部を即刻逮捕せよ!

特集に続き、常連執筆陣も常に熱い。山崎久隆さんの「東電再建計画『新々総持』は瓦解する」、三上治さんの「言い残したきことを抱えての日々」は経産省前テントひろばや闘いの現場からの骨太報告だ。

9月11日夕刻、経産省前テントひろばの共同代表であるFさんが抗議集会の最中に「無届けデモの指揮を行った」という口実で不当逮捕された。本日14日夕刻6時から緊急抗議行動が警視庁前で行われる。本誌は3年前の創刊当初から経産省前テントひろばと連携しているが、今号の表紙とグラビアは経産省前テントひろばで闘う人たちの姿を掲載した。

経産省前テントひろば共同代表の渕上太郎さん

経産省前テントひろば9月11日付けテント日誌より

多くの方々が見守る中での不当逮捕は、物理的に経産省前テントを撤去しても、強い意志で集まり続ける人々への〈国側の焦り〉が表出したとも理解できる。しかしながら、このような不当逮捕は断じて許されてはならず、当局は被逮捕者の一刻も早い身柄の解放と、不当逮捕に対する謝罪を明らかにするべきだ。官憲は言いがかりで市民を逮捕している暇があれば、国土やあまたの人々の生活を奪った東京電力幹部を即刻逮捕せよ!

◎[参考動画]脱原発テントひろば7年目→9・11経産省前へ!【後半・丸の内警察署まで】
三輪祐児さん2017年9月11日公開 ※不当逮捕に関する模様は動画22:30頃~

◆〈流浪の聖者〉くまさんによる脱原発川内テント・蓬莱塾レポート

現場からの報告はまだ続く。今号では脱原発の集会ではだれもが知る〈流浪の聖者〉「くまさん」こと須藤光郎さんに脱原発川内テント・蓬莱塾からの現地報告をいただいた。また、子どもたちを放射能から守る伊豆の会代表の安倍川てつ子さんからは2012年から続けている保養プロジェクトの歩みを寄稿いただいた。

大飯原発の地層の危うさを科学的に論証した田村八洲夫さん(大飯原発稼働差止訴訟団サポーター)の論考、来夏に満期をむかえる「日米原子力協定」の継続阻止をめぐる佐藤雅彦さんの論考は精緻かつ実証的な強力レポートだ。

◆本間龍さん、板坂剛さん、納谷正基さんの好評連載

全国的に「どの面下げて」と思わずにはいられない電力会社の広告の大々的な再登場を目にするが、今号も本間龍さんの連載「原発プロパガンダとは何か?」では電力会社のHPにおける原発PRの現状分析が紹介される。

板坂剛さんの「ある夏の体験」は板坂さんのこれまでの原稿の中で、突出して出色だと著者は感じた。

納谷正基さんの連載「反原発に向けた想いを次世代に継いでいきたい」、今回は「文科省は誰を守り、誰のために存在しているのか?」だ。過日、納谷さんとお会いした。ニコニコ笑顔を絶やさない趣味豊かな温厚な人格と、絶対に欺瞞や嘘を許さない、鋼鉄のような意思の同居した方だった。納谷さんの文章は語り言葉のようだ。だがいったん、その語り言葉が紙から飛び出して議論の場に躍り出ると納谷さんは熱の塊と化す。そんな人物像を想像しながらお読みいただくとさらに趣が深いだろう。

◆今年下半期の行動指針を示す再稼働阻止全国ネットワーク報告12本

再稼働阻止全国ネットワーク―夏~冬の焦点―東海第二、大飯、玄海、伊方四つの原発再稼働に反対する闘いが、柳田真さん、木原莊林さん、名出真一さん、佐々木慶子さん、鴨下祐也さん、清水寛さん、中道雅史さん、相沢一正さん、山田和秋さん、木村雅英さん、けしば誠一さん、天野惠一さんが各種報告を寄せてくださっている。

巻末には「よいしょ」ではない読者からのある意味厳しい投稿も掲載された。

発刊後3年、13号にして、『NO NUKES voice』はまだまだ、未完であるが、毎号着実に試行錯誤の中から「新しいなにか」を獲得できていると実感する。本誌の目指すものはさしあたり日本における脱原発ではあるが、その視線お先には世界からの原発・核兵器の廃絶も当然視野に入る。

まだまだ足りないところだらけではあるが、読者と共に「脱原発」に向け小さくとも、着実な歩みを続けていきたいと思う。仮にそれが身の丈を超えるものであっても──。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
[写真=大宮浩平および本誌編集部]

9月15日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

添付のチラシが拙宅に入っていた。どうも内容が怪しい。そこで8月18日関西電力のコールセンターに電話をして質問をした。なお、対応いただいた方は関西電力の正社員ではなく(電力会社や原子力規制委員会は正社員や正職員を使わずに、非正規労働者を質問や批判の矢面に立たせている。卑怯な態度だ)誠実にご対応いただけた。会話の終盤に本音が聞けた。前回に続き今回はその後編を公開する。

「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシ

関電 ええ。あと一つだけ申し上げておきたいことがございまして、先程27年6月の原油価格の水準というふうにおっしゃっていただいていたんですけれども、原油価格の算定につきましては、例えば今8月ですので8月分の燃料費調整単価の適応期間というのがありまして、今月分は今年の3、4、5月の平均をしたものが当たるようでして、ですので8月分と言っても8月の市場価格とは異なるのですね。

田所 それは調整でお返し頂いたりするものですよね。ですから今話題にしている「基準燃料価格」とは別の問題ですね。お尋ねしたいことは極めてシンプルです。40,700円がなぜ、1月で20,500円まで下がるかということです。その理由は文章で書かれているわけです。「原発を動かしたから値下げができたと」。だけれども「燃料調達費」が「基準燃料価格」に反映するというご説明と、関係のない説明じゃないですか? 原発が動けばウラン燃料が新たに必要になりませんか?

関電 そのあたりになるとこちらではわからないですよね。

田所 コールセンターの方にお尋ねをするのは酷かとは思うのですが。「基準燃料価格」にウラン燃料が入っていない。高浜でしたらMOX燃料を使っていますから、高浜原発が動き出したということは、その分の燃料を新しく買って燃やしているはずですよ。ですからこれまでの火力発電の燃料以外に原発の燃料が追加されていなければおかしいですよね。

関電 はあはあはあ。

田所 と、素人ながらに感じるのですが。

関電 私もそのあたりはかなり技術的なところで……。

田所 いえいえ極めてシンプルですよ。水力発電、水はタダですから。燃料費はいりませんよね。しかし、火力発電や原子力発電は、なにかを燃やすので燃料費がかかってくる。燃料費の「基準価格」になぜウラン燃料が含まれていないのか?

関電 私もウランが燃料と言われれば、そう言えばそうだなと今思たんですけど。確かにそういわれてみれば、そのあたりはちょっとどう答えていいかわからなくて……申し訳ないです。

田所 丁寧にご対応いただいていますので結構ですよ。ただ「基準燃料価格」の算出基準が怪しいなと感じざるを得ないです。

関電 お客様は「基準燃料価格」にウラン燃料も普通であれば含まれているんであろうという考え方でしょうか。

田所 それが1つですね。原発の燃料はウラン燃料ですからウラン燃料の価格が含まれていなければおかしいとなりますし、含まずに現在算定されているものが高浜原発が動いたら半額近くに下がるのは、いったいどういうからくりなのかと。原油も天然ガスも石炭もこの数カ月で下落しているという事実はありません。逆に平成27年6月の段階で、40,700円/キロリットルという高い値段で買わなければならなかった理由がわかりませんし、料金体系の基準は原発が止まっている時はとても高い設定をしていて、原発が動き出すと途端に半額近くに下げてしまう。

関電 ただ一応手元の使用にある分では2016年の9月が最も安い時期でして、この時の平均燃料価格が21,500円ですね。

田所 そうでしょ。ですからいずれにしても40,700円は高すぎる設定なんですよ。40,700円を超えたことはないんでしょ?

関電 そうですね。27年6月1日以降は41,100円。

田所 41,100円!ほー。

関電 それ以降は下がっていますね。

田所 暫時下がってきているということですね。27年の6月、7月は原子力規制委員会などで原発を動かそうと関電が苦戦していた時期なんですね。感想だけで結構ですが「基準燃料価格」に入っているのは火力発電所で燃やす燃料費ですね。

関電 そうですね。先ほどお客様がおっしゃったように、原発でも燃料を燃やすというのは、私も見取り図でタービンとかあるのは見たことがありましたので、何かしら燃料は燃やしているのではないかと思いますけれども。

田所 燃やさないことにはお湯を沸かせませんから。ウラン燃料をお使いになるわけですよね。一部の報道ですが燃料1本あたり、1億円すると言われているんですね。これを数百本入れて燃やしている。ということは数百億円燃料費がオンされなければおかしいですね。

関電 ウランを燃料という基準で考えるのであればということですね。

田所 高浜の3号機はプルサーマルといってプルトニウムを混ぜて燃やしていますが、基本的にはウラン燃料を燃やすわけですよね。その費用はなぜ加算されないのでしょう?

関電 うーん

田所 原発が動き出せば当然そこで燃料が要るわけですよね?

関電 はい。

田所 その燃料費がどうして計算されず値下げされるのか。値下げしていただくことはあいがたいんですよ。でも、火力発電を止めた分原発を動かすのであれば、原発の燃料費が生じなければおかしいですね。「基準燃料価格」にも入っていないですね?

関電 そうですね。先ほど確認したら3つ以外入っていないと聞いていますので。

田所 この算定はちょっと「変だな」とは思われませんか?

関電 いやー。そうですね。そこまでシビアにこれが、燃料がいくらでと私自身が追い求めてなかった部分もありまして。

田所 市場原理によって燃料調達にかかるお金が高くなれば、電気料金が高くなる、ということはわれわれに分かるわけです。ですが、頂いているチラシでは「大飯発電所3、4号機の本格運転が実現しましたら、さらに電気料金の値下げを実施し」と書かれているわけです。いまご説明頂いた「基準燃料価格」云々関係ないわけですよ。「原発が動けば値下げします」と明言しているわけです。これは理に合わない説明ではないでしょうか?

関電 すいません私ピンとこなくて、ちょっと申し訳ないんですけれども。

田所 燃料価格やその他の経費とは全く関係なしに、「とにかく原発が動けば電位料金は下げますよ」と書かれているわけです。そうであるならば「基準燃料価格」は全く意味をなさないとなるわけですよ。例えば原油や天然ガスが高騰する可能性はありますね?

関電 ありますね。

田所 そんなことは関係なしに「大飯原発が動けばさらに値下げをする」と言っているわけですから。「原発が動けば値下げしてやる」と。それ以外に理解の仕方があるのであればご教示賜わりたいと思います。

関電 すいません。大飯原発について値下げがどの部分になるのかの落とし込みはされていないんですけど、ただ「検討はしてまいりたい」とご案内はしていましたので。

田所 どういう根拠でですか?

関電 それと燃料価格の因果関係はなくですね。

田所 そう! 今おっしゃったとおり、ないんですよ。燃料費と電気代関係ないんですよ。燃料が上がろうが下がろうが、原発を動かしたら電気料金は下げますよと、仰っているわけですよね。それがおかしい、と申し上げているわけです。逆に言えば原発を動かさないと、本当はそれほどかかっていない料金でも取るよと。原発を動かさてくれたら、値段は下げてやるよとしか読めないですね。

関電 はー。私の方でお答えできる範囲ではないので申し訳ございませんが。今のことはなるべく私も理解しようとしているんですけど。たしかにここまでシビアに考えてみると、ちょっと私の方でも説明できない部分がありますので。

田所 原発を動かせば燃料費がかかるはずですが、そのことについての言及がどこにもないんですね。それは合理性を欠いていますね。またドイさんもお調べいただいて検証いただければと思います。

関電 この分はご意見としてまとめさせていただければと思います。

田所 長時間ありがとうございました。 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7日発売!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

添付のチラシが拙宅に入っていた。どうも内容が怪しい。そこで8月18日関西電力のコールセンターに電話をして質問をした。なお、対応いただいた方は関西電力の正社員ではなく(電力会社や原子力規制委員会は正社員や正職員を使わずに、非正規労働者を質問や批判の矢面に立たせている。卑怯な態度だ)誠実にご対応いただけた。会話の終盤に本音が聞けた。その質疑応答を2回に分けて公開する。

「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシ

関電 お電話ありがとうございます。担当のドイでございます。

田所 恐れいります。「関西電力はお客様の電気料金を8月1日から値下げいたしました」というチラシを入れて頂いておりまして、そこにこの番号があったので教えて頂きたくお電話を差し上げたのですけれども。

関電 はい、どうぞ。

田所 その文章の2行目に「弊社はこのたび、高浜発電所3、4号機の本格運転の再開を受け、平成29年8月1日から、関西のすべてのお客さまの電気料金を、平均4.29%値下げすることといたしました。」とご説明をしていただいています。ちょっと馬鹿な質問で恐縮なんですが、原発が本格運転をするとどうして値下げをしていただけるということになったんでしょうか。

関電 平成25年(2013年)に原発を全て停止して、それから原発が稼働するまでの間どのように発電してたかというと、火力発電とかそういったものに頼ってたんです。今回原発を再稼働させていただくに伴って、火力発電で必要だった燃料をある程度抑える形にできましたので、その分をお客様に値下げをするという形で還元させていただくというような形になるんでございます。ただ完全に火力が止まったというわけではないんですけれども、元々10基動いていた原発のうち、今高浜の3、4号機の2基だけで賄っている状態ですので、まだ値下げ幅としてまださほど大きな下げ幅はない。平均でご家庭であれば3%前後にはなるんですけど、そちらの値下げをさせて頂きましたという内容になりますね。

田所 ということは、火力発電の方が原子力発電よりも燃料が高いという理解で。

関電 もちろん燃やす燃料に応じて発電させて頂いてますんで。原発が動くことによって原油を使う量が大幅に削減できるといった解釈でいいかと思いますね。

田所 原油ですか? 最近の火力発電所の7割以上が原油ではなくて天然ガスで発電をしていると。
(関西電力保有火力発電所(12箇所)の出力合計は1941.94kw。そのうち停止中の発電所もあるが、原油を燃料としない発電所の総発電能力は1,119kw)

関電 ちょっと詳しい内容に関しては私も存じ上げないんですけれども。

田所 お電話に出て頂いている方は関西電力の社員の方でいらっしゃいますか?

関電 こちらの方でコールセンターはさせて頂いてますけれども。

田所 社員の方ではいらっしゃらないということですね。

関電 そうですね。ただ、一応値下げに関しては、値下げ幅に関するお問い合わせは受けさせていただくようになってます。

田所 (値下げ)幅についてはお答えいただけるけれども詳しい内容については厳しいということでしょうか?

関電 そうです、申し訳ない、その辺りの知識不足はありますけれども、わかる範囲では原発の再稼働に伴って使う燃料に関しては大幅に削減できた分が今回の値下げになってるという説明はこちらの方でさせて頂いております。

田所 それ事実に反しますね。

関電 と言いますと。

田所 関西電力も公表してますけれども、先程申し上げたように今大雑把に言って、全国では7割強天然ガスを燃やしてるんですね。ですから原油の値段が上がろうが下がろうが天然ガスの値段はずっと下げ止まりしています。原油よりずっと安い天然ガスを燃やしていらっしゃるんですね。これは関西電力さんだけではなくて全国の電力会社のもう主流になってる。天然ガスです。安くて原油よりもエネルギー効率よく発電できますから。そうなりますと冒頭にご説明いただいた、燃料費が安くなったから値下げができるというそもそもの根拠が崩れてしまうんではないかと思うんですけれども。

関電 その辺りになってくると、こちらでご説明させていただく範疇はちょっと超えてしまいますので。

田所 ちょっと難しいですね。

関電 すいません。

田所 例えばですが、火力発電、水力発電それから原子力発電と発電方法はいろいろありますが、1kwあるいは1Wあたりを発電するにあたって、それぞれの発電に費用がどのくらいかかるかということはそちらに資料お持ちでいらっしゃいますでしょうか?

関電 そちらの計算式というのは頂いてますけれども、例えば7月31日までの値下げ前の基準の燃料価格というのは、40,700円を基に料金単価を算定しているものとお聞きしています。

田所 40,700円は、どれだけの料の値段ですか?

関電 こちらは1キロリットル当たりの基準燃料価格ですね。この中には先程申し上げて頂いた天然ガス、原油、石炭、こちらの分をキロリットルに直した分をまとめての金額と聞いてます。

田所 つまり1000キロリットル当たり40,700円ですね。それが値下げ後は?

関電 値下げ後は25,500円。

田所 ここに含まれるのは、天然ガスと原油と石炭ですね。

関電 それをキロリットルに直したものになるようです。

田所 どうして原発を動かすことによって、原油などの市場価格は変わらないのに燃料価格はそのように安くなるのですか?

関電 値下げ前に関しましては、毎月々平均燃料価格という形で金額を出させていただいてるんです。そのため毎月々のご請求の中に燃料調整費と言った形で、7月31日まではマイナス請求がずっと続いてたかと思うんです。一応その分が、例えば40,700円の時に例えば先程申し上げた25,500円で買えてる様な状態だと、それだけ燃料が安くなってる、関西電力ではお金が浮く状態になりますので、そちらの分を燃料調整費として毎月々返させて頂いていたのがずっと続いていたかと思うんです、ここ最近なんですけれども。それが8月1日以降、25,500円といった形で基準燃料を出させていただいてますので、今までみたいに燃料調整費でマイナス分、結構多かったと思うんですが、これが出にくくなるといった感じになりますね。

田所 ということは「石油・石炭・天然ガス」を調達される時の、買われる時の価格が前よりも安くなったと。

関電 この辺りは、毎月々変動費になってはいるので……。

田所 いやいや、ものすごい減額でしょ。40,700円から25,000円。そんなに原油とか天然ガスとか石炭が市場で下落しているということは、価格を見ている限り無いのですけれども。ご説明いただいた通り「高浜発電所の3、4号機の本格運転の再開を受け」と書いてあるわけですよね。高浜原発が動いたから燃料の調達費が40,700円から25,000円に落ちてるということなんでしょうか?

関電 ま、そうですね。ただ8月にいたってはこちらの燃料価格が1キロリットルあたり25,900円になってますので400円高くなりますよね、その分の燃料調整費はプラスで請求されて、8月分は1kwあたり0.08円をプラス請求させていただくような形になってますね。

田所 値下げしたけど上がるわけですか?

関電 これは燃料調整費の分でプラス請求されるといった内容になっています。

田所 恐れ入ります、先程ご説明いただいた「基準価格」とおっしゃいましたか?

関電 基準価格は今回料金改定に伴って25,500円そのままでずっと行くんですけれども……。

田所 その前は25,500円じゃなかったわけですよね。

関電 その前は40,700円でした。

田所 そこなんです。私が今お尋ねしてるのは。40,700円から25,500円、なんでこんな急激に4割ぐらい安くなるのですか? 調達先の値段はそんなに下落してないと思いますけれども。

関電 一応こちらの方で聞いているのは、原油価格の大幅な下落と聞いているのですけれども。元々市場価格で取引されているのが、1バーレルあたり100ドルを超えてたものが、今では50ドルを切るような状態になってるというふうには聞いてるのですが。

田所 それは別にここ数か月ではなくて去年からずっと40ドル台ですよ。

関電 そうです、ですから去年も含めて燃料調整費をマイナス請求させていただいてたかと思うんです。

田所 だけども基準の燃料価格は40,700円だったんでしょ。

関電 基準燃料価格ですね。おそらく今、お手元にある資料に、こちらの価格が書いてあると思うんですが、多分同じものを見てると思うんですけれども。

田所 これ拝見しますと、1ページ目は電気料金水準のイメージという図表が出ていまして、開くとお得な料金メニューでのご案内ということでこれはあまり値下げ値上げとは関係なしに宣伝と言いますかサービスの案内が出てるんですね。最後のページに値下げ額例というのが出ていまして……。

関電 そうですね、それの半分よりちょっと下あたりに書いてあるのを私読み上げたのですけれども。

田所 なるほど。「基準燃料価格」と「基準単価」というものの定義をもう一度教えて頂けますか。

関電 こちらは毎月々燃料調整費として今までお返しさせていただいていた燃料調整費の1kwhあたりの単価を計算する上で、こちらの基準単価というのが必要になってくるのですけれども。

田所 いえいえ、私は「基準単価」がどういうものなのかということをまず教えて頂きたいということでお尋ねしているのです。そもそもその前に「基準燃料価格」の正しいところを教えて頂けますでしょうか。

関電 基準燃料価格はですね、こちらのホームページ上に詳しい内容が載っているのですけれども、今もう更新されて25,500円を基準にした内容になっているのですが、毎月々の燃料調整費を計算する上で25,500円から高かったのか安かったのかによってマイナス請求する分のkwhあたりの……。

田所 現状のプラスかマイナスかということを今ご説明いただいているのですが、それがいくらかっていうことではなくて、「基準燃料価格」というのはどういった性質の金額なのか、これは /キロリットルになってますよね、だから1000リットルあたりいくらかということなんだろうなと推測はするわけなんですけれども、これはどのように決められて、どのようなものは含まれて、どのようなものは含まれないのか。そういったことを教えて頂けないかということでお尋ねをしてるのです。

関電 まず含まれるものについて説明しますと、先程申し上げた原油と天然ガスと石炭ですね。この三つが含まれています。

田所 では、ウラン燃料は含まれていない。

関電 ウランですか? 原発のウランですか。これは私の見る限りでは書いていないんですけれども、これはお答えするのはちょっと確認させていただければと思うんですが。少々お待ちいただけますか(相談に数分)。お客様、お待たせいたしました。こちらウランは含まれていないということです。

田所 ウラン燃料は含まれていない。ほお。では含まれているのは原油、天然ガス、石炭の三つですね。

関電 この三つになります。

田所 そうするとですね、これは再度同じ質問で恐縮なのですけれども、値下げ前というのは7月のことですよね、7月40,700円であったものが、8月なぜ半額近く25,500円まで下がるのでしょうか?

関電 元々この基準燃料価格というのは、過去に2回目の値上げをさせて頂いた時があったと思うんですけれども、平成27年の6月に決めさせていただいたこの基準燃料価格40,700円というのは7月31日までずっと変わらずそのまま続いたんです。

田所 ずっと40,700円だったわけですね。

関電 40,700円に対して安くなってる分を毎月々燃料調整費としてお返しさせて頂いてたものになるんです。

田所 マイナスになってる分は返していただいてたという訳ですね。それが先月、今月あるいは去年から今年、先物取引の値段を見ても原油にしろ天然ガスにしろ大幅な下落の傾向は見られないのですが、なぜ基準額がこれ程極端にさがることになったのでしょうか?

関電 これはまず40,700円という基準価格が平成27年6月に決めさせていただいた値段で、その後この基準燃料価格に対して実際いくらの燃料価格だったかというのが、今手元にあるのが28年になって申し訳ないんですが、28年1月にいたっては33,200円になってました。ですのでこの時に1kwhあたりマイナス1.58円というマイナス請求をさせて頂いてたということになります。それが2月になったら31,900円、3月が30,500円、4月が28,700円といった形で、なんか見た感じだと毎月々コンスタントに下がっていってる傾向にありまして。

田所 そうなんです、それが実勢価格だからですよ。つまり前に定められた40,700円という数字は市場価格からすると破格に高い額で設定されていたわけですよね(著者注:2015年原油価格は1バーレルあたり48ドル)。私の疑問は、なぜこの平成27年6月に市場価格はそんなに高くもないのに40,700円という基準価格を設定したかということです。

関電 ちょっとその辺りはちょっと詳しく……。

田所 その答えはここに書いてあるんですよ。次のところに「弊社といたしましては、引き続き、高浜発電所3、4号機の安全・安定運転に努めるとともに、大飯発電所3、4号機をはじめ、安全性が確認された原子力プラントの再稼動に、安全最優先で取り組んでまいります」と。これを読むと、要するに「原子力発電所が止まってしまったから基準燃料価格を上げた」んだと。だけども実勢価格はそれより低いから私たちにお返しいただいていて、8月1日から何かと言ったら、高浜原発が営業運転始めて発電始めてるわけですよね。それで25,500円に下げていると私たちは理解してしまうんですけれども、それは誤りでしょうか?

関電 これは、ちょっと私の方では……。

田所 難しいですね。私の申し上げてる疑問についてお分かりいただけますでしょうか?

(つづく)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

7日発売!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

毎日新聞2017年8月25日付記事

〈小池百合子東京都知事の側近で、政治団体「日本ファーストの会」を設立した若狭勝衆院議員は8月25日、民進党を離党した長島昭久元副防衛相、松沢成文参院議員(いずれも無所属)と東京都内で会談し、新党結成を視野に政策協議を進めることで一致した。(略)
 若狭氏は年内の新党結成に向け、民進党を離れた細野豪志元環境相とも協議を続けている。今後、この日の3氏に細野氏を交えた協議を行うことも検討する。〉
(毎日新聞2017年8月25日付記事)

まあそんなところでしょう。自民党離党で一度「リフレッシュ」したイメージ作りを狙う連中と、本来野党にいるのが不思議だった長島昭久。これにネオコンの松沢成文と、頭空っぽの細野豪志。彼らは基本政策ですでに「改憲」、「非自民、非民進」で一致しているという。

ところが本コラムでも指摘した通り、「日本ファースト」との名称に方々からクレームがついているという。

(東京スポーツ2017年8月12日付記事)

東京スポーツ2017年8月12日付記事

元在特会会長の桜井からは公開質問状を送り付けられるし、ドクター中松は今年4月に「日本ファースト党」を商標登録していたという(さすが発明家は目の付け所が違う)。

◆小池都知事の本音は違う

こんな乱暴な名前、とは思うが彼らの目指すところを嘘偽りなく冠した名前ではあるので、このまま「日本ファースト(日本第一)」を名乗り続けてほしいものだ。そう確信させるに十分なニュースが伝わってきた。

〈東京都の小池百合子知事は25日の定例記者会見で、関東大震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者を慰霊する9月1日の式典への追悼文送付を今年はやめたことについて、「3月に(都慰霊協会主催の)大法要に出席し、関東大震災で犠牲となられたすべての方々への追悼の意を表した」「特別な形での追悼文を提出することは控えさせていただいた」と説明した。
 虐殺の背景には民族差別があり、特別に追悼の辞を述べる意義を見いだせないか、との質問には「民族差別という観点というよりは、災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべきだと思っている」と述べた。
 これに対し、インターネット上では「虐殺は大震災で生き残った人々に対してなされた。震災死と同列に置ける訳がない」「災害にひっくるめるのは、殺害事件をなかったことにすることだ」などと批判する書き込みが相次いだ。〉

(毎日新聞2017年8月25日付記事)

毎日新聞2017年8月25日付記事

要するにこういうことなのだ。追悼文は1970年代から出しているとみられ、主催者によると確かなのは2006年以降、「あの」石原慎太郎でさえ送っていたのだ。小池は関東大震災による朝鮮人虐殺被害者追悼へのメッセージを断った。理由は「民族差別という観点というよりは、災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべきだと思っている」そうだが、本音は違うだろ。

◆たちが悪い小池都知事の物言い

この追悼式は関東大震災の被災者の中でもとりわけ、「流言飛語により虐殺された朝鮮人」の方々を追悼する集会だ。「特別な形での追悼文を提出することは控えさせていただいた」との物言いは、取り立てて乱暴な行為を想起させるものではないが、それだけにたちが悪い。知事が民間行事で挨拶したり、メッセージを送ることは、ごく日常的なことだ。この知事の代替わりをしても、何年も続いていた「虐殺被害者へのメッセージ」を取りやめる経緯は、

〈追悼式が行われる横網町公園内には、73年に民間団体が建立した朝鮮人犠牲者追悼碑があり、現在は都が所有している。そこには「あやまった策動と流言蜚語(ひご)のため6千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われた」と刻まれている。
 追悼碑を巡っては、今年三月の都議会一般質問で、古賀俊昭議員(自民)が、碑文にある六千余名という数を「根拠が希薄」とした上で、追悼式の案内状にも「六千余名、虐殺の文言がある」と指摘。「知事が歴史をゆがめる行為に加担することになりかねず、追悼の辞の発信を再考すべきだ」と求めた。
 これに対し、小池知事は「追悼文は毎年、慣例的に送付してきた。今後については私自身がよく目を通した上で適切に判断する」と答弁しており、都側はこの質疑が「方針を見直すきっかけの一つになった」と認めた。また、都側は虐殺者数について「六千人が正しいのか、正しくないのか特定できないというのが都の立場」としている。〉
(東京新聞2017年8月24日付記事)

東京新聞2017年8月24日付記事

歴史修正主義者のお決まりの論法だ。「被害者の人数が正確ではない」から「それほどひどいものではなかった」、「本当は少数しか被害はなかった」、「いやいやそもそもそんな虐殺はなかった」という「数」を盾に取った「史実抹殺策動」だ。

加害者として、被害者の数を少なく見積もる、あるいはなかったものにしようとする意図は、南京大虐殺、沖縄戦における自決の強要などで顕著だ。また被害側としては原爆被害が挙げられよう。広島原爆30-40万人、長崎原爆18-20万人というのが爆発から今日までの犠牲者の総数とされているが、一部の米国人や対立関係にある国の中には犠牲者数を半数程度にしか認めない国がある。さすがに「原爆がなかった」とは言えないけれども、昭和天皇ヒロヒトのように「遺憾なことではあったが戦争中のことであり、やむを得なかった」などという加害者は少なくない。

小池の「民族差別という観点というよりは、災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべきだと思っている」という物言いは、「災害の被害、さまざまな被害によって亡くなられた方々に対しての慰霊をしていくべきだと思っている。民族差別という観点は重要ではない」との判断にも基づくと理解される。上記のような都議会でのやり取りを受けているので間違いないだろう。

このような「日本ファースト」の本音は今後も続くだろう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

8月25日にラジオを聴いていると、「きょうから京都市内の小中学校は2学期が始まり……」というニュースの声が聞こえてきた。あれ、夏休みは8月31日まで(私の頭の中では児童・生徒の揺るぎない「権利」として)あったんじゃないか、と思いながら続きのアナウンスを聞いていると、「ゆとり教育解消による、授業時間確保のため、また、教師の業務負担軽減などを狙い」と夏休み短縮の理由が説明されている。

小中学生が大人には太刀打ちできないとわかっていて、こどもの「権利」たる夏休みを10日も奪ってしまうのは、ひどい仕打ちじゃないか!学校嫌いだった自分が児童や生徒の頃にこの「夏休み10日強奪」が行われたら、生徒会に呼び掛けて全学ストライキを打つか(子供にそんなことは現実的ではないですね)、あるいは泣き出していたかもしれない。

産経新聞2017年6月22日付記事

それで驚いてはいけない。2017年6月、静岡県の吉田町は「小学校の夏休みを16日間程度に短縮することを検討している」と発表した。(産経新聞2017年6月22日付記事)やはり理由は京都市の小中学校と同じようらしいが、「16日間の夏休み」は極端にもほどがある。

そもそも「ゆとり教育解消による授業時間確保のため」は現実的な課題ではあろうが、納得のできる理由ではない。なぜならば「ゆとり教育」が導入される前に夏休みは、寒冷地などを除き、おおよそ7月20日から8月31日までの40日が標準だったからである。「ゆとり教育」導入と週休2日制(土曜日も休み)により、授業時間が一時減ったことは間違いない。しかし、週休2日制は学校に限らず、多くの企業、役所ではすでに定着した勤務形態であり、週40時間労働の原則からすれば当然導かれる休日数だ。「ゆとり教育」が見直されたからといって、そのつけを「夏休み短縮」に持ってこられたのでは児童・生徒はたまったものではない。

小中学校の教師だって「労働者」だ。こう言うと「いや、教師は聖職者だ!」と昔から噛みつく人がいるが、それは職務が子供を教育する、という極めて人間形成に深くかかわる重大性を拡大解釈しているだけのことであって、教師を聖職者だと決めつけ、だから基準労働時間以上も無償奉仕に献身的に当たるべきだという論は無茶が過ぎる。さすがに、近年の教師の激務ぶりを見た人の中からそのような声は上がらなくなったけれども、実は教師に過剰労働を強いているのは外ならぬ、文科省や教育委員会である。

私の記憶にある限り、戦後史の中で旧文部省、文科省が担ってきた役割は、戦後10年ほどを除き、ほとんど「害悪」でしかない。小学校から大学に通うお子さんや親戚、お知り合いのいる方であれば分かりだろうけれども、学校の先生の忙しさは尋常ではない。「ゆとり教育」が導入されるときだって、カリキュラムの大きな変更と同時に文部省(当時)から押し付けられる、授業とは直接関係のない雑務の増加により、先生たちの業務量は増加の一途だった。そしてこの国のお役所十八番の「朝令暮改」を地で行く「ゆとり教育」廃止により、振り子は元よりもさらに大きな振幅をはじめ、児童・生徒、教師へかかる負担はさらに荷重になる。

つまり、初等教育(否、中高等教育も)における「教育理念」がこの島国にはないのだ。いつでも行き当たりばかり。世界でも例を見ないほど英語教育に時間をかけていても、大学生のほとんどが英会話を苦手にしている現状。嘘か本当か分からない大昔の歴史(そこで教えられる内容だってコロコロ変わる)には必要以上に時間を割くくせに、近現代史を軽視する歴史教育。論理立てて考え、議論する、批判的に物事を見る科学的姿勢を軽視して、ひたすら「暗記」を前提としたカリキュラム。知識が身につくことはあっても知恵や生き抜く力を支える力が身につくことのない陳腐な教育。一言で言ってしまえばこの島国は戦後の一時期を除き、また、一部の特色のある学校や私立学校を除き、一貫してそのような哲学の「貧しい」教育に終始してきたのである。

そして、その最大の犯人は現文科省、旧文部省だ。連中は現場の教師がどれだけ忙しいか熟知している。ほとんどの公立学校で授業後のクラブ活動の指導にあたる教師は残業手当をもらっておらず、無償奉仕をするという現象は当たり前のようになっているし、夏休み短縮の原因とされる教師の業務過多は、あれこれと押し付けられる「報告書」や「調査」の類の作成に、膨大な時間を割かれるためだ。こういった「報告書」や「調査」の類が教育現場や教育内容の改善につながった例は、私の知る限り「皆無」であり、役所特有の「本来は不要」な本質的(学校であれば「授業」)業務になんら有意義ではない、「無駄な業務」が学校に強いられている結果だ。

そして、学校を企業のように妄想し「学校運営」を「学校経営」とまで言い換えているのが文科省だ。義務教育は営利目的ではないだろうが。違うか。

教師の業務負担軽減は、不要な事務作業を徹底して現場から排除すること。これまでの英語教育の非効率性が証明されているのに、小学校でも英語教育を行うという愚策を止めること。ITCだのなんだのといって、小中学校でもパソコン関係の教育を益々進めようとしているが、パソコンの操作方法などこの時代子供は勝手に覚える。教えるべきは、主としてインターネットという電子世界を扱い、参加するにあたっての危険性や留意事項と有益な使用方法などであろう。

小中学校では「朝礼」があるが、文科省にはそれに加え「暮改」必ず付随する。何の一貫した思想も将来像もない。

「夏休みの短縮」といった愚策は、その象徴であり、矛盾を解決するものでは全くない。考えてみよう。毎年猛暑日が続くこの時期に、近年はエアコンが整備されているとはいえ、小中学校で授業を増やしたら、どうして教師の業務負担軽減になるというのか。子供たちだけではなく、先生にも正当な夏休みを!

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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TBS系バラエティー番組『マツコの知らない世界』(毎週火曜 後8:57)の公式サイトは、番組出演者から預かった資料を紛失したことを報告するとともに、資料の情報提供を呼びかけている。サイトに7月9日までに掲載された「お知らせ」では「2016年10月18日放送の『号外の世界』で、出演者の小林宗之氏からお預かりしていた貴重な資料の一部を、番組の不注意で紛失してしまいました」と報告。

小林近現代資料文庫HPより

すでに、小林氏とは和解しているといい「番組では引き続き、紛失した号外を捜しています」とし、紛失した資料として「明治17年8月30日付東京日日新聞号外(葉書号外)裏表1点ずつ『清佛要件の電報を特に御報申上候』」「昭和16年12月8日付 大阪毎日新聞号外 『ハワイ等奇襲奏功』」「昭和16年12月8日付 名古屋新聞第2号外『ホノルルを大空襲』」など計8点の資料写真を添え、捜索への協力を呼びかけている。

小林氏も自身のサイトで「TBS側に貸出した資料のうち、8点を紛失されるという事件が発生しました」と記し「TBS側により警視庁赤坂署に16年12月5日付で紛失届を提出済ですが、現在に至るまで、資料の返還を受けられておらず、資料も発見されておりません。もし、どこかで発見された場合は、是非ともご一報くださいますようお願いいたします」と呼びかけている。

小林氏とは5月頃に別件で情報提供をも求め、電話をかけた際に上記事件が発生したことは知らされていた。当時はまだ和解には至っておらず、TBSはずいぶんいい加減なことをするものだなと、しばし話し込んだ。

小林氏はこれまでも関西テレビの「ウラマヨ」や、CBCテレビの「ノブナガ」 に出演したことがあり、新聞や雑誌にも多数掲載されている。小林氏の所有する三陸沖地震の新聞資料は極めて貴重で、京都新聞の一面、社会面、28面に一挙に掲載されたこともある。新聞研究家あり、とりわけ号外研究・収集にかける小林氏の熱意は凄まじいいの一言に尽きる。小林氏に電話をかけて「また、珍しいもんを見つけましてねー」と嬉しそうな声が聞こえるときは、新しいコレクションが加わった時だ。国内新聞の資料・号外だけでなく、世界中の新聞の号外を時には人的繋がりで、あるいはオークションで落札することにより、地道に所蔵物を増やしている。

今回貴重な資料を紛失された事件については、TBS側と和解が成立しているものの、感想を聞くと「和解はしましたが、そりゃあ腹が立ちますよ。お金でいくらというものではないですから」と腹の虫がおさまらない様子だ。

それにしても、新聞資料収集・号外収集特集で番組に出演させておいて、その資料を失ってしまうなどということは、全国ネットのテレビ局としては、断じてあってはならないことだ。しかも、8点も行方不明にしてしまったというのだから、番組制作は下請け会社に丸投げしているのだろうが、TBSの信用の根本にかかわる問題だ。研究者・収集家にとってコレクションは何にも代えがたい貴重な分身のようなもので、「失くしてしまってごめんなさい」で済む話ではない。

TBSのガタツキぶりが感じられる事件でもある。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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自己撞着的ではなはだ恐縮であるが本日8月18日は、お読みいただいている「デジタル鹿砦社通信」がリニューアルをして3周年にあたる。読者の皆様にはあまり関係のないことだけれども、日ごろよりご愛読いただいている皆様に、執筆者一同、まずは深く感謝を申し上げたい。
3年前の2014年をかえりみると、たった3年の間に社会、とりわけこの島国ではずいぶん急速な変化生じていた。本コラムの再出発は3年前の8月18日だが、2014年1年間にスパンを広げると、以下のことが起きている。以下2014年からこれまでの主だった出来事をふりかえってみる。

▼2014年
・2月 舛添要一が東京と知事に当選
・3月 自ら辞職した橋下徹が大阪市長に再当選
・3月 48年前に逮捕され死刑が確定していた袴田さんに再審の開始を認め刑の執行停止釈放
・4月 消費税が5%から8%に引き上げられる
・5月 福井地裁大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決
・6月 日本維新の会、分党を正式決定、2012年9月の結党から1年9カ月で解散
・7月 集団的自衛権を認める解釈改憲を閣議決定
・11月 沖縄知事選で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
・12月 特定秘密保護法施行
・12月 総選挙、自公が326議席を獲得し与党勝利
▼2015年
・1月 岡田克也が民主党代表に選ばれる
・4月 高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分命令を福井地裁が関西電力に下す
・5月 SEALDs発足
・5月 大阪都構想を問う住民投票。反対多数で否決。橋下徹は政治家引退を宣言
・7月 安保法案成立
・8月 川内原発1号機が再稼働
・10月 防衛装備庁設置
・10月 維新の党を離党した大阪市の橋下市長・大阪府の松井知事らは、大阪市で国会議員19人が参加する新党「おおさか維新の会」の結党大会を開催
▼2016年
・3月 民主・維新の両党などが合併した新党『民進党』結党大会が行われる
・4月 熊本地震
・6月 沖縄県議会議員選挙。県政与党が改選前の24議席から27議席に伸ばし、過半数を獲得
・6月 舛添要一知事が辞表を議長に提出
・6月 18歳選挙権に関連する改正公職選挙法が施行
・7月 参議院選挙、自民・公明の連立与党は合計70議席を獲得し勝利
・7月 都知事選で小池百合子当選
・9月 民進党代表に蓮舫選出
・12月 統合型リゾート推進法案修正案(カジノ法)成立
▼2017年
・1月 ドナルド・トランプ米国大統領就任
・1月 森友学園問題報道が始まる
・3月 韓国大統領朴槿恵罷免
・7月 都議選で自民史上最低の獲得議席23で惨敗
・7月 安倍内閣の支持率低下、報道機関によっては20%台を記録
自然災害や、国際ニュースを織り交ぜればこれほど単純な抽出では収まらないが、この3年間の初頭は2013年に強行採決された特定秘密保護法をはじめとし、安倍政権のやりたい放題からはじまった印象が強い。マスメディアは安倍政権と並走した。今年の6月まで、一部の新聞を除いて大手新聞、テレビは安倍政権への「忖度」にいそしみ、「権力監視」などほったらかしにしていた。
でも、もう遠い昔の人のように感じられる舛添要一が都知事に当選したのはわずか3年前、失脚したのは昨年のことだ。消費税が5%から8%に引き上げられ、直前には「駆け込みみ需要」で業種を問わず大わらわであったようだが、その後1年すると中小企業は軒並み減収減益を記録する。
逆に株式市場や大手企業の業績は好調維持し、労働組合ではなく首相安倍が「給与の引き上げ」を企業に求める、という非常に不健全なやり取りが行われた。「TPP絶対反対」を掲げていた自民党は政権に戻ると、一転して「TPP積極推進」に180度態度を翻したが、米国大統領にドナルド・トランプ就任し「TPPなんかやらないよ」と言い出すと、急いで安倍はトランプに会いに行き「TPPやりましょうよ……」と依頼するという、予想外の展開となった。
もう新聞紙面で「TPP」の文字を見ることすらほとんどなくなったが、自民党のあの馬鹿げた熱中はいったい何に依拠していたものなのだろうか。甘利経産大臣のあの暗躍はいったいどこに収斂されたのだろう。
この3年間で私たちは「特定秘密保護法」-「集団的自衛権容認」(解釈改憲)-「安保法制」(戦争推進法)-「共謀罪」と川上から川下へ水が流れるように、治安立法と戦争準備の法制を許してきた。この先には水平線の見えない治安弾圧と、戦争の大海が待ち受けている。もう河口が見えて、いよいよ河川から海洋へと流れが解け行く、段階が現在、2017年8月18日だろう。
「多勢に無勢」、「時代という強迫」、「信じるに値するのか、そうでないのかが不明な市民」……。そういった悲観的な言葉に支配されがちであるが、どの時代でも人間は生きてきたのであり、飢えのひどい飢餓の国で、きょうも新生児は生まれている。いい加減濁った河川を何十年も眺めていると、諦めや絶望、疲れた気持ちに支配されがちの日々、それでも私たちはこれからも「ごまめの歯ぎしり」を続けていこうと思う。
デジタル鹿砦社通信はこの時代にあって、真に自由で闊達、タブーのない言論をさらに志向し実践してゆきたいと、自省しながら、再度思いを引き締めようと思う。「希望がなければ、私たちが造り出す」くらいの身の丈を超えた気持ちで。
今後もデジタル鹿砦社通信をよろしくお願いいたします。
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

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