筆者も候補者として当事者になった 参院選広島再選挙2021​(2021年4月8日告示、25日執行)の告示から2024年4月で3年が経ちました。あの選挙は、大買収事件で有罪が確定した河井案里さんの当選無効に伴い行われました。結果としては、野党第一党の立憲民主党の候補が当選し、「野党共闘の勝利」とされました。しかし、あれから3年、日本の政治、広島の政治は良くなったのでしょうか?むしろあの時より悪化しているのではないでしょうか?

裏金問題に象徴される与党の腐敗は相変わらず。さりとて野党も敵失を活かせぬ状況が続いています。政治に庶民ほどおきざりにされている状況が続いています。

こうした状況から、「あなたの手に政治を取り戻し広島とあなたを守るヒロシマ庶民革命」を広島瀬戸内新聞と筆者は呼びかけ続けている次第です。

 

楾大樹(はんどう たいき)『茶番選挙 仁義なき候補者選考』(あけび書房)1320円(1200円+税)

この参院選広島再選挙2021については、実は、事前に立憲民主党から声がかかっていたにも関わらず、いわば、立憲民主党にはしごを外された方がおられます。

筆者の地元でもある広島市安佐南区在住の弁護士・楾大樹(はんどう たいき)先生です。その楾先生が、参院選広島再選挙2021の舞台裏をすっぱ抜いた「問題作」がこのほど出版されました。

『茶番選挙 仁義なき候補者選考』(あけび書房)です。

はしがき
1 私の来た道~弁護士から社会活動家へ
2 初めての立候補打診
3 2回目の立候補打診
4 2022年参院選
5 だまっとれん
6 候補者選考のあり方
あとがき

楾先生はわたしと同じ1975年広島県生まれ。中央大学法学部法律学科ご卒業後、2004年広島弁護士会登録。著書に『檻の中のライオン 憲法がわかる46のおはなし』『けんぽう絵本 おりとライオン』『憲法紙芝居 檻の中のライオン』『檻を壊すライオン 時事問題で学ぶ憲法』(いずれも、かもがわ出版)があります。

本書でも紹介されている通り、2016年以降、『檻の中のライオン』憲法講演活動を全都道府県で展開中です。広島瀬戸内新聞でも2023年に二度、楾先生の講演会を開催しております。

楾先生は2013年に96条改憲を目指す安倍政権の暴走を目の当たりにして危機感を抱くようになります。そして、為政者をライオンに、憲法を為政者が好き勝手しないように規制する檻に喩えた、『檻の中のライオン』という本に思いをまとめ、全国で講演されています。

 

『檻の中のライオン』憲法講演活動(広島瀬戸内新聞2023年10月号より)

◆声をかけてきたのは立憲民主党だったのに

そうした楾先生に立憲民主党が目を付けたのはあの河井事件が起きた2019年の参院選を控えた時期でした。この参院選2019の広島県選挙区では国民民主党所属の無所属現職で、立憲民主党推薦の森本しんじさん、そして、自民党新人の河井案里さんが、自民党現職の溝手顕正さんらを破って当選したのです。

国民民主党所属の森本さんでは自民党に2議席独占を許しかねない、と考えた旧立憲民主党が楾先生に立候補を打診したのです。しかし、その話は楾先生がご自身の講演活動を優先し、断られて立ち消えになりました。

その後、案里さんが逮捕され、再選挙が想定されるようになってから再び旧立憲民主党サイドから楾先生に声がかかったのです。

◆はしごを外された楾先生

だが、2020年秋に立憲民主党が国民民主党と合流。その後、楾先生に全く連絡がない状態が続いたのです。仕事をなるべく入れないようにしてきた楾先生。案里さんが2021年2月に当選無効になってからもなかなか連絡はなかったのです。

ようやく、再選挙の告示も近い時期に面接が行われた。しかし、雰囲気は良いものではなく、その後3月中旬になって突如、宮口治子さんという、失礼ながら当時の広島県内では「誰?」という方が候補者になられたのです。そして、その宮口さんが実は候補者選考を主導した森本しんじ参院議員の秘書の配偶者でいらっしゃったのです。

森本議員と、再選挙で選ばれた議員は、2025年の参院選でバッティングします。従って、コントロールが効かない人が候補になっては困るという動機が森本議員には存在します。利害関係者が、候補者選考を主導する。

「政党による国会議員の候補者選考自体が茶番」であればデモクラシーなど存在しないも同然ではないでしょうか?そのことを鋭く問題提起していると感じました。
そして、2022年の参院選を前に、楾先生は候補者の公募に応募しますが、もちろん、不合格となります。

◆密室ではない候補者選考のあり方を

一部の現職議員が密室で決めるのでは、結局、マトリョ-シカのように、自分の地位を脅かさない小粒な議員ばかりを選ぶようになっていく。予備選挙をやって白黒つける。人を大切にする。そして、誰が議員にふさわしいか、選ぶ持つ目を持てるような「主権者教育」をきちんとやる。こうしたことを、楾先生は最後に提起されています。

◆野党も庶民革命で「政治を県民によって取りもどされる対象」だ!

筆者自身もこの選挙に立候補するに際して、とある野党第一党党員から「選挙に出るなら縁を切る。俺の地域に二度と出入りするな!!」などとまるで戦国大名か何かのような罵詈雑言のお電話をいただきました。しかし、その方のご自宅がある地区が選挙後に大洪水になった際、わたしはボランティアに伺いました。その方はバツの悪そうな顔をしておられました。

また、野党第一党候補の方に対してわたしは、ギリギリまで1本化を模索はしていました。その条件として「伊方原発即時廃炉」含む「即時原発ゼロ」を同候補側に提示。しかし、同候補陣営幹部の野党第一党地方議員は「候補者は具体的な政策がわかる人じゃないから」との返答。自分たちでバカにしている人を候補に担ぐ。これこそ、女性蔑視も良いところです。

それはともかく、自公の国政与党だけでなく、野党第一党である立憲民主党さんも「県民の手に政治を取り戻す」庶民革命において、「県民により政治を取り戻される」対象物であるということだと思います。

民主的な候補者選び、予備選なり候補者同士の公開討論会など、オープンな選挙にしていかないと、政治は一部の「えらい人」のもののままです。

もう一つ疑問は日本最古の左派野党=日本共産党さんも簡単に野党第一党候補に乗ってしまったことです。結局、同党も庶民の味方と言いながら実際には一部幹部の意向で政党本来の政策とかけ離れた人を推したのではないか?無理が通れば道理が引っ込む。こうした無理が同党内部での矛盾の増大、また、それを押さえつけようとする田村智子委員長による党所属県議らへのパワハラ問題にもつながっているのではないでしょうか? 4月7日執行の福山市議選で共産党は惨敗(議席数3→2、得票数10828→7476)しましたが、不思議な結果ではありません。

もちろん、従前どおり、広島瀬戸内新聞とさとうしゅういちは、県民を無視し、新自由主義路線を暴走する広島県知事・湯崎英彦さんを打倒するとともに、湯崎英彦知事から広島を県民の手に取りもどす「ヒロシマ庶民革命」を呼びかけて参ります。

与野党の支持者の方も当然、一県民、一個人として「広島を県民の手に取りもどす」という庶民革命の趣旨にご賛同いただける方とはご一緒させていただく方針に揺るぎはありません。筆者は、上記の方向性を共有する方であれば、政党支持なしの方はもちろん、れいわ、立憲、共産、社民と言った野党の支持者の皆様、そして、自民や維新系でも湯崎英彦知事に批判的、あるいは是々非々の皆様とも懇意にさせていただいています。

しかし、それはそれとして、特に現行選挙制度では事実上100%政党選挙である国政選挙の政党の候補者選考過程にも厳しくチェックをしていく目を持っていただきたいと、県民の皆様に呼びかけるものです。

◇     ◇     ◇      ◇     ◇

広島瀬戸内新聞とさとうしゅういちは「あなたの手に広島を取り戻し広島とあなたを守るヒロシマ庶民革命」を呼び掛けています。 「我こそは庶民派の政治家に!」(首長、地方議員、国会議員)、また庶民派の政治家とともに広島を取り戻したいというあなたからのご連絡や記事のご投稿をお待ちしております。

電話番号: 090-3171-4437メール hiroseto2004@yahoo.co.jp

また、さとうしゅういちの政治活動としてのヒロシマ庶民革命に対するご寄付もお待ちしております(政治資金規正法の規定により日本国籍の方に限る)。

・郵便振替口座 01330-0-49219 さとうしゅういちネット・広島銀行 本店営業部 普通 3783741 さとうしゅういちネット

★オンラインおしゃべり会さとうしゅういちと広島の政治にガツンと物申す へのご参加をお待ちしております。
毎週金曜 21時15分~zoom meeting IDとパスコードは以下です。 ガツンとご意見をお待ちしております。
ミーティングID: 411 718 3285 パスコード: 5N6b38

★広島瀬戸内新聞公式YouTubeへのご登録もお待ちしております。
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▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

竹中労の『タレント帝国』(1968年)は、わが国芸能界の暗部を抉ったとして伝説の書です。

しかし、長らく絶版状態でした。昨年ジャニーズ問題が起きたことで、臭覚の強い編集者が関心を持ち、このたび復刻出版を行いました。私がやりたかったぐらいです。うっかりしてました。

これを見ると、初代ジャニーズが渡辺プロに所属していたことが記載され(知らなかったです。以前に読んだ際に読み飛ばし記憶していませんでした)、本書旧版が出された頃にすでに未成年性虐待問題が起きています。

竹中労の著書としては『芸能人別帳』『ルポライター事始』(竹中労の著書は現在、ほとんど入手困難ですが、これら2書はなんとか入手できます)などと共に必読の書です。

故・竹中さんの著作権を引き継いでいらっしゃる夢幻工房の会が本書に寄せた解題を転載いたします。(松岡利康)

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50年以上の年月を経ても変わらない「芸能の論理」から現代を考える

 

竹中 労(たけなか ろう)1930年生まれ。91年死去。フリーのルポライターとして活躍。政治から芸能まで広い分野をテーマに、権威とは無縁な時代の心性を掘り起こす文章は、竹中節として多くの読者を魅了した。父親は画家の竹中英太郎。主な著書に『黒旗水滸伝』『山谷・都市反乱の原点』『琉球共和国』『世界赤軍』『ビートルズ・レポート』『にっぽん情哥行』等多数(写真は紙の爆弾2019年11月号増刊『一九六九年 混沌と狂騒の時代』より)

本書は1968年(昭和43年)に刊行され、復刻の要望も多かったものの、なかなか実現しませんでした。

その原因として、具体的な芸能プロの内幕やタレントのギャラについて、こと細かに書かれている点があります。

それについて、実に下世話な内容だと思う方もいるかも知れません。

ただ当時は、皆がこうした芸能プロの仕組みを知らず、ここまでデータを明らかにしなくては、当時の渡辺プロダクションおよびその関連企業の実情を理解しにくいと考えたことがあるのではと思われます。「今回の復刻にあたりましては、刊行時から相当時間が経過していることもあり、あくまで当時のデータとして、当時のことを知っている方は懐かしく、知らない方は当時の状況に思いを馳せながら読み進めていただければと思っております。

そんな中、2023年になってイギリスBBCのドキュメンタリー放送をきっかけとして、ジャニー喜多川氏の所属タレントに対しての行動が問題視され、思わぬところから当時の「ジャニーズ」に対する彼の行為を記録したこの本が注目されることになりました。

その内容は当時の記録として貴重ですが、本来この本で著者が訴えたかったことは「芸能における搾取の実態」と「スターという虚像の本質」が何であるか? ということにあることも、忘れないでいただきたいと思います。

この本が世に出てから55年という歳月が経過しているわけですが、今でも個人タレントの力が弱いという現状はそのままです。さらには、大手所属のタレントが不祥事を起こしてもマスコミは一切報じないとか、大手事務所がテレビ局に自前のタレントをねじ込み、他社所属タレントのキャスティングに文句を付け、それに反発すると、反発した人や対抗するタレント自体にも圧力をかけるような事例は、今でもあまり変わっていません。

本来、タレントとは才能ある人のことであり、そうした才能を持つ人が脚光を浴びるようになることがショービジネスの世界で当たり前でなくては、見る側も最高のエンターテイメントを楽しむことができなくなります。

イギリスでは有名なオーディション番組において、ポール・ポッツ氏やスーザン・ボイル氏が世界的な話題となりましたが、日本では同じフォーマットを使っても彼らのような才能を世に送り出すことは難しいのではないでしょうか。

明らかに才能を持っていてもそんな人を世に埋もれさせてしまうことなく、きちんと世の中に出してあげるためにはどうすればいいのか。イギリスと日本との「差」はどこにあるのか、本書を読んだ方ならきっと十分に理解していただけるのではないでしょうか。

また、本書の内容は、芸能の世界だけにとどまるものではありません。芸能人も私たちも同じように働き、賃金を得ているわけですが、それが中抜きされたり、きちんと払われなかったりした場合は同じように異議申し立てをする権利があります。それは一般の社会と変わることはありません。

さらに言うと、昔も今も政治家の力を利用して各方面に圧力を掛けてくるのは芸能プロだけではありません。当時の芸能マスコミを含め、関わった人たちが未だ口をつぐんでいる現状について、今も竹中労さんの問いかけが続いているからこそ、当時と同じような理不尽なことがあちこちで起こり続けているのではないでしょうか。
目の前の不正にどう対処するか、一人ひとりの考えが問われているのが今の時代ではないかと思うのです。

著者の竹中労さんはアナキストと称し、左翼として発言してきました。

今ではこうした「左」という言葉自体に反発を覚える方もいるかも知れませんが、才能のある人を世に出したり、労働者が法に則った賃金を要求することは思想とは関係なく、至極まっとうな話であることに異論を挟む余地はないはずです。

本書には言葉遣いなど、現代の判断において時代的に合わない部分もあるかと思いますが、著者がこの本で何を言いたかったのかを考えながら読んでいただければ幸いです。

夢幻工房の会

竹中労『復刻版 タレント帝国 芸能プロの内幕』(あけび書房)

復刻版 タレント帝国 芸能プロの内幕
著者・編者:竹中労

ジャニーズ性加害事件をいち早く告発した幻の作品。
政界とメディアと癒着した「芸能における搾取の実態」と
「スターという虚像の本質」へ迫る筆致は今もなお色あせない筆致で、56年ぶりに復刊。

発売日 2024年4月3日 四六判 248ページ
定価1980円(税込み) 版元 あけび書房

目次
芸能プロとは何か
ナベ・プロの戦後史
芸能界の「聖域」
繁栄の裏側
虚像を斬る
〈解題〉50年以上の年月を経ても変わらない「芸能の論理」から現代を考える

あけび書房 https://akebishobo.com/products/talent
amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4871542629

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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年5月号

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHF1Y6S1/

全国の同人誌の中でもハイレベルな雑誌として有名な文学雑誌『北方文学』。編集発行元は新潟県柏崎市の玄文社だ。

『アントニオ猪木・最後の真実』(1985年)、『三島由紀夫と全共闘の時代』(2013年)など鹿砦社から多数の書籍を上梓している板坂剛さんは、平成初頭から20本を超える小説作品を同誌に寄稿している。そこには商業誌に背を向けて純文学に専念する姿勢が表れている。

今回の作品『偏帰行』は、70年代の新左翼の内ゲバを文学の世界で表現したことで、注目を集めている。

鹿砦社の松岡代表も絶賛する内容で、今後も各界に波紋を呼びそうだ。

(編集部)

『北方文学』第88号(2023年12月)編集:北方文学編集委員会 発行:玄文社 A5判 235ページ 価格 1,364円+税

紀伊国屋書店ウェブストア
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784906645428
版元ドットコム
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906645428 

本年1月1日夕刻、石川県能登地方を中心に強い地震が発生、本稿執筆時点で死者240名を超え、避難者は1万4000名以上。またしても地震による大きな被害が生じています。1995年の阪神大震災以降、日本は地震の頻発期に突入し北海道から九州まで広範囲で震度7が記録されています。震災列島です。各地で大地震に被災された方々は言い尽くせぬ苦難に直面されてきました。

それでもわれわれは、2011年3月11日を特別な日として記憶すべきです。地震や津波により甚大な被害が生じたのみならず、国・電力会社が「絶対に苛酷事故は起こさない」と言い張っていた原発で、4機が爆発する人類史上未体験の大事故が発生した日だからです。

地震を含め自然界には「想定外」の事態が起こり得るし、自然の力を「想定する」力など人間には「ない」ことが証明された。そのことこそが教訓化されるべきでした。しかし、東日本大震災から13年、阪神大震災から29年を経ても、真っ当な教訓化は不充分です。

能登地方に生じている被災状況を鑑みれば、大地震発生後の救助・救援対策に限っても日本政府の対応が進歩しているのか、大きな疑問です。地震発生後1月以上経過しても、高齢者が極寒の中、学校の体育館の床に段ボールを敷いただけで寝起きしています。

阪神大震災以降、数々大地震の経験から、何を学んだのか。東日本壊滅=日本の終焉を、偶然により回避した福島第一原発事故は「地震国日本に原発を建てることができる場所はない」事実を示しました。ところが日本政府・電力会社は厚顔無恥にも詭弁を重ね、原発運転期間を40年から60年に引き延ばしたのみならず、新しい原発の増設にまで言及しはじめました。

本誌は繰り返し原発の根源的危険性を指摘してきましたが、本年1月1日に発生した能登地方の地震では、なんと地盤が最大4メートル隆起して、海が陸地化した地域が広大に生れました。「地盤が隆起し海が陸になる」場所に住宅は言うに及ばず、高層ビル・地下鉄・いわんや原発を建設しようと考える人がいるでしょうか。

本号では3・11前、2006年に金沢地裁で志賀原発運転停止命令の判決を下した元裁判官(現弁護士)の井戸謙1氏と3・11後、福井地裁で大飯原発運転停止を命じる判決を下した元裁判官、樋口英明氏、そして小出裕章氏にご寄稿いただきました。

きょうと同じ明日がくる保証はありません。猶予はない、と考えるべきです。原発を廃絶しなければ、この国の破滅は必至です。

2024年3月
季節編集委員会

3月11日発売 〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年春号 能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2024年春号(NO NUKES voice 改題)

能登大震災と13年後の福島 地震列島に原発は不適切

《グラビア》能登半島地震・被災と原発(写真=北野 進

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 能登半島地震から学ぶべきこと

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 地雷原の上で踊る日本

《報告》井戸謙一(弁護士・元裁判官)
 能登半島地震が原発問題に与えた衝撃

《報告》小木曽茂子(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
 珠洲・志賀の原発反対運動の足跡を辿る

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 「大地動乱」と原発の危険な関係

《講演》後藤秀典(ジャーナリスト)
 最高裁と原子力ムラの人脈癒着

《報告》山田 真(小児科医)
 国による健康調査を求めて

《報告》竹沢尚一郎(国立民族学博物館名誉教授)
 原発事故避難者の精神的苦痛の大きさ

《インタビュー》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表
 命を守る方法は国任せにしない

《報告》大泉実成(作家)
 理不尽で残酷な東海村JCO臨界事故を語り継ぐ

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《検証》日本の原子力政策 何が間違っているのか《2》廃炉はどのような道を模索すべきか

《報告》森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
すべての被災者の人権と尊厳が守られますように

《報告》平宮康広(元技術者)
放射能汚染水の海洋投棄に反対する理由〈後編〉

《報告》漆原牧久(脱被ばく実現ネット ボランティア)
「愛も結婚も出産も、自分には縁のないもの」311子ども甲状腺がん裁判第八回口頭弁論期日報告

《報告》三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
本当に原発は大丈夫なのか

《報告》佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
日本轟沈!! 砂上の“老核”が液状化で沈むとき……

《報告》板坂 剛(作家/舞踊家)
松本人志はやっぱり宇宙人だったのか?

《報告》山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈23〉
甲山事件五〇年目を迎えるにあたり誰にでも起きうる予期せぬ災禍にどう立ち向かうか〈中〉

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
能登半島地震と日本の原発事故リスク 稼働中の原発は即時廃止を!
《老朽原発》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《志賀原発》藤岡彰弘(志賀原発に反対する「命のネットワーク」)
《六ヶ所村》中道雅史(「原発なくそう!核燃いらない!あおもり金曜日行動」実行委員会代表)
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
《東海第二》久保清隆(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
《地方自治》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)

《反原発川柳》乱 鬼龍

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWTPSB9F/

龍一郎揮毫

私たちは唯一の脱原発雑誌『季節』を応援しています!

拙著『日本の冤罪』が出版されてから数か月、この本がご縁で素晴らしい方々と出会うことができた。

昨年12月24日、出版記念の集まりではないですが、Swing MASAさん(サックス奏者)と冤罪関連の集まりをもった。MASAさんらの演奏、井戸謙一弁護士の貴重な講演、そして4組の冤罪犠牲者の家族、関係者のお話など非常に貴重な時間を過ごせた。終了後の親睦会で「国賠ネットワーク」の方から、2月24日東京での集まりに来てお話してとお誘いを受けた。

2月24日『日本の冤罪』の編集をお手伝い頂いた鹿野健一さんと約1時間対談をさせて頂いた。終了後の親睦会で会員の土屋さんが「3月3日大阪に行くので店に寄ります」と言われた。3月3日は金聖雄監督の新作「アリランラプソディー」の大阪試写会に招待されていたので、店はやってませんとお断りさせていただいた(この映画については、またきちんと書きます)。

だが、その際、数日前ピースクラブのかじさんが話していたことを思い出した。

「3日は大事なパーティーがあるのよ。甲山事件の支援をされていた方々の……」

私はその男性に「もしかして3日来られるのは大国町ピースクラブですか?」

「えっ、なぜ知っているの。だったら、そこへ来れば」と言われた。

が、私は多分あいまいな返事をしていた。

3日日曜日、試写会会場の「いくのパーク」にカオリンズと向かった、ていうか、連れてって貰った。会場は体育館でフラットなので、背の低い私は前の席に座った。入口から金洪仙(キムホンソン)さんがさっそうと入ってきて、隣に座る。

そして、「昨日は4つも行きたいイベントがあったけどどこにも行けなかった」みたいな話をして「今日はこのあとピースクラブに行くの」というので、「えっ?」とどんな集まりなのか説明してもらう。

長く続いている、濃いつながりの仲間の寄りあいのようだ。私はホンソンさんに「東京でお会いした冤罪関係の方に『来れば』と言われてけど」と話し、たぶん辞めておくわと言ったと思う。

私は「アリランラプソディー」を見たあと、どうしてもキムチが食べたくて、鶴橋に寄ったら必ず寄る韓国料理の店で味噌チゲを食べ、「アリランラプソディー」のパンフを見ながらまったりビールを飲んでいた。

するとパーティーの準備などで早めにピースクラブに行っていたホンソンさんから「参加者名簿に『尾﨑美代子』とあるよ」と連絡がきた。「えっ? どうしよう」。

しばらく思案したのち、家に帰れば、東京にもっていった『日本の冤罪』20冊の残り6冊があるはず……急いで帰れば間に合うか。本を売りたい、いや、紹介したいと思ってしまい、急いで帰ってピースクラブに行く。いや、行った目的は本を売りたいためだけではないですが。その日の様子は金洪仙さんのFacebookの投稿を読んでください。

結果、素晴らしい人たちと出会うことが出来た。更に早めに帰るつもりが23時までいてしまった。私が余り知らなかった甲山事件について、甲山事件の弁護人の一人であり、私が大尊敬していた故・片見冨士夫弁護士のお話をたくさんお聞きすることができた。

なお、この寄りあいでは、もうひとつ、驚くような出会いというか、再会場面があったが、それはまた別の日に……。

連絡をくれ、繋げてくれた金洪仙さんに大感謝です!!

写真[左]石橋義之さんが長年作ってきた「ばじとうふう」に執筆してきた仲間の皆さんの寄り合いに参加することが出来た/[中央]3月3日の素晴らしい寄り合いに誘って下さった「国賠ネットワーク」の土屋翼(つちやたすく)さん/[右]3月3日午後から生野区「いくのパーク」で開催された「アリランラプソディ」試写会後あいさつする金聖雄(キムソンウン)監督

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

尾﨑美代子著『日本の冤罪』

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

◎鹿砦社HP https://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000733

自民党裏金事件をめぐり逮捕・起訴に至った議員は池田佳隆・大野泰正・谷川弥一の3氏のみ、安倍派幹部7人は「嫌疑なし」として不起訴。「なぜ?」の声が上がるのは当然で、そこに政治資金規正法の“大穴”があると指摘するのは元検事の郷原信郎弁護士。今月号では郷原弁護士が法の“大穴”とともに、東京地検特捜部の捜査の“大穴”についても、わかりやすく説明しています。さらにいえば、検察リークを主体とする大手メディアの問題も、そこに絡んできます。記事では「マスコミは検察の従軍記者」と喝破する郷原弁護士が、裏金議員を正しく追及する方法を解説します。

岸田内閣の支持率が擁護メディアですら危険水域を超えて下落を続け、退場へのカウントダウンが始まっています。しかし、この期に及んでも、政権交代より“ポスト岸田”が先行。自民党は不滅というのがマスコミの一貫した姿勢です。そのポスト岸田の面々に、まだ“派閥”の影響がみてとれます。そうなれば、派閥は「旧××派」となるのか、何か別の言葉に言い換えられるのか。言い換えといえば、「防犯カメラ」になった「監視カメラ」、「マイナンバー」になった「国民総背番号制」。後者はよく見ると、「政府が国民に割り当てる番号」が、いつのまにか「私の番号」となっていることに気づきます。

今月号では「食」と「農業」に関する話題についても重点的に採り上げました。その際に焦点が当たるのが「世界経済フォーラム年次総会」(ダボス会議)の存在です。今年1月の会議では、農薬世界最王手の独バイエルCEOが温室効果ガスの原因として、「水田稲作」によるメタン発生を槍玉に挙げたことが話題になりました。そこには、稲作の乾田化によって除草対策が必要になり、同社の除草剤「グリホサート(ラウンドアップ。人体に有害)」の需要を高める目論見もあるようです。またメタン発生では、長らく「牛のゲップ」が大きな要因であると批判されてきました。ドイツをはじめヨーロッパ各地で起きている農民デモの訴えに、日本の多くのマスコミはほとんど言及しませんが、農業を「悪」として、生産への規制や補助金停止の政策を進める各国政府への反発が、その背景にあります。

本誌では、グリホサートの危険性とともに、パンの残留農薬についても採り上げています。加えて、国産・輸入小麦にかかわらず、日本のパンの安全性についてしばしば注目されるのが、添加物の「臭素酸カリウム」。パンの膨らみや食感を良くするとされるものの、EUや中国では使用禁止、日本では完成品に残留が検出されなければ(検出限界以下なら)使用可、とされています。日本の食品基準の緩さはここにもあります。前号などでレポートした「ゲノム食品」もそうですが、問題は使用される成分だけでなく「表示義務」にもあります。安全性を求めるには、自ら信頼できる情報を探すしかありません。巻頭ページでデータを参照した「農民連食品分析センター」の活動は重要です。

その他、日テレ「セクシー田中さん」事件に表れたテレビドラマ制作現場の実情、そして「漫画原作ドラマが増える理由」。朝鮮半島情勢では、韓国・北朝鮮のファーストレディに同時勃発した「ディオール・スキャンダル」。東京五輪汚職と酷似する「2027年横浜花博」の電通癒着など、今月号も濃度の高いレポートをお届けします。全国書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

3月7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年4月号

『紙の爆弾』2024年4月号

郷原信郎弁護士が問う自民裏金事件 検察捜査の穴
自民党派閥解散の茶番 所得税法から見た裏金「脱税」事件
欧州農民デモの訴え EUのエコロジー政策が農業を潰す
鈴木宣弘東大大学院教授が警告 残留農薬・人工肉・農業基本法改悪で「日本の農と食」が崩壊する
浮かび上がる“巨大地震”の実態 なぜ能登半島地震の名称は「大震災」でないのか
政権交代に向け本格始動 泉房穂前明石市長の「救民内閣」構想
どの道を行っても「解散」か「総辞職」岸田“低空飛行”内閣の八方塞がり政局
アメリカの日本支配機関「日米合同委員会」廃止デモ
日テレドラマ「セクシー田中さん」問題 漫画原作者自殺事件を生んだテレビ界の権力構造
マスコミが報じない朝鮮半島情勢 核ミサイル開発よりも危うい「白頭山大噴火」の現実味
BBCジャニーズ報道から一年 相次ぐ「性加害」報道に垣間見える危うさ
東京五輪汚職と酷似「異次元の無法地帯」と化した横浜市の電通癒着
「入管法」不備を放置する日本政府の問題だ 川口市「クルド人問題」の本質
大逆心中〜夢洲万引博打
戦争報道・対米報道・対日報道 中国は世界をどう報じているか
シリーズ 日本の冤罪48 仙台筋弛緩剤事件

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
【新連載】The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
【最終回】キラメキ★東京漂流記:村田らむ
SDGsという宗教:西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵
◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CWTWN75P/

政治評論家の本澤二郎さんがご自身のブログ「日本の風景」(2024年02月09日)で月刊『紙の爆弾』を紹介してくれました。以下、同記事を転載させていただきます。(編集部)

◆鹿砦社『紙の爆弾』はタブーなしの国民向けの月刊誌

「ろくさいしゃ」と読むそうだが、現物を見るまではよく分からなかった。その本物の雑誌が自宅に郵送されてきた。さっそく日刊ゲンダイでも「コメントが出た時は知らせてほしい」という、なんともうれしいファンに電話した。心が美しく優しい女性であるT君に、年に一度は電話して無事を確かめ合っている仲だ。先日電話に出なかったので、気になっていた。昨日はつかまえてほっとした。

彼女には、関西で生活していた、彼女にも似た優しい妹思いの兄が一人いた。2年前にコロナを心配して妹の様子を確かめようとして上京した。当時、彼女はコロナに感染していて自宅で寝込んでいた。念のため兄も診断するため病院に行った。これが兄妹の最期の別れとなってしまった。コロナ利権で笑いが止まらない製薬メーカーや医師会、関係行政官僚と打て打てと発破をかけてきた議会人の責任が問われている。それにしてもこんな悲劇も珍しい。兄はそこで入院し、妹の住む実家に戻ることができなかった。コロナワクチンが人を殺すことなど、多くの庶民はいまだに知らない。

悲劇は誰にでもどこにでも起きる。自分もそんな人間の一人だが、T君もまた運命の人だったのか。寂しくてカルト教団に引きずり込まれていないか、今も心配ではある。

念のため鹿砦社の電話番号を教え、よかったら買って読んで、と頼んでみた。こんなことは初めてのことだが、この『紙の爆弾』は、国内で発行されている雑誌の中ではぴか一ではないかと判断したからである。推薦してくれた青木泰さんに感謝したい。130ページの紙面には、詐欺まがいの広告が全くない。それに言論の自由を放棄したような新聞雑誌の日本だというのに、タブーがないのが最大の特徴であろう。この国の言論界は、編集者泣かせのタブーがいっぱい詰まっている。この雑誌にはそれがないのだ。編集人にとって最高の出版社といえる。

思い出した。以前、鹿砦社の責任者から「本を書け」とボールを投げてきてくれたことがあった。当時は日中友好の旅や中国人学生の講義を引き受けたり、日本の若者を南京や盧溝橋に案内したりしていて時間が取れなかった。多忙を口実に失礼してしまった。猛省しきりである。

◆『紙の爆弾』3月号は国民の知るべき内容がびっしり

国際ジャーナリストの藤原肇さんも『紙の爆弾』に書いたという知らせを受けたこともあったのだが。振り返る必要もない事実だが、国民のための読売新聞や日本テレビなどを乗っ取った渡辺恒雄は、もういないといっていい。彼が読売新聞を制圧するや、誰も見たことも聞いたこともない改憲論を公開したり、中曽根内閣が誕生すると、まるで自身が天下を取ったかのようにはしゃぎまわって「中曽根新聞」に変身させた。

そのナベツネの時代も終わったと繰り返したい。糧道を断たれた筆者も元気に生きている。パソコンに「本澤二郎の日本の風景」を毎日打っているではないか。恩師である宇都宮徳馬さんを裏切って「忘恩の徒」と断罪されたツネはいなくなった。

日本新聞協会・日本記者クラブも変わるだろう。変わらねばならない。NHKにも、もはや「岩田明子」のような○○記者は生まれない。公共放送に変わらなければ、解体されるだろう。

A級戦犯の岸内閣は、読売の正力松太郎と連携して危険すぎる原子力発電所を、巨大地震国の狭い列島にハリネズミのように建設した。それを中曽根康弘が継承した。財閥のための経済政策は、利権そのもので、岸の孫の安倍・清和会を通じて、日本を亡国の淵に追い込んでしまった。宏池会の岸田文雄も、この軍事経済に傾斜した安倍・軍拡に背乗りしたもので、第二の3.11に怯える日本国民も哀れすぎよう。

『紙の爆弾』3月号では、日米言論界が強引に「泡沫候補」にしているロバート・ケネディJrの躍進ぶりを書いている。彼の台頭に多くの国々の人々は拍手喝采している。アメリカンリベラリストと無党派層・若者を結集するであろうから、ワシントンは行儀がよくなるに違いない。彼が政権を担当すれば、いずれ沖縄の米軍基地も消えるだろう。

安倍や高市らの「台湾有事」は、改憲軍拡のための危険すぎる策略であるが、そのことも表紙の見出しから記事化されている。大阪万博は安倍の東京五輪利権に代わる、安倍の維新向けの利権行事に過ぎない。直ちに中止すべきであるが、このことも遠慮なく言及している。

◆「能登半島の志賀原発が危ない」に共鳴する核汚染ごみで泣く房総半島の市民

表紙をめくると、脱原発専門の季刊雑誌を発行している。すごい。国民の目線にぴったりと合っているのではないか。原子力マフィアに鉄槌を加えるのであろう。

人間が操作できない原子力発電所は、作ってはならない。それを建設する輩は、まさに「今だけ自分だけカネだけ」の利権屋でしかない。国民は誰でも知っている。日本国民と憲法の名において、原発は有害無益である。筆者は日頃から「帆船日本丸」を説いているのだが。

次ページのグラビアも見事な編集に拍手したい。能登半島の志賀原発は、あやうく第二のフクシマになるところだった。原子力マフィアの規制委が再稼働に踏み切る寸前だったという。

全然知らなかったことだが、今回の能登半島地震で陸地が隆起し、高波に表れて住宅が倒壊した「珠洲原発」が、地元の住民の反対で2003年に凍結されていた! 関西・中部・北陸の利権にまみれる電力会社が強行していたら、間違いなくここも第二のフクシマを再現したであろう。

珠洲市など能登半島の理性の反対運動に、この機会に心から敬意を表したい。原発推進者の正力松太郎は、確か北陸の人間だと記憶している。日本に原発を持ち込んだ岸信介にほれ込んだ人物、政界では「サメの脳みそ」と俗称されてきた利権屋のドンである森喜朗その人である。市民は手の届かない高級老人施設に入って、分厚い高級ビフテキを平らげる森も、ナベツネ同様に車いす生活。

悪党の天下を終わらせる正義の言論『紙の爆弾』に栄光あれ、である。核汚染ごみと足尾の鉱毒に羽交い絞めにされている房総半島から、連帯の声援を送ろうと思う。

出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない。青木本から学んだ教訓である。

2024年2月9日記(日本記者クラブ会員・反骨ジャーナリスト・政治評論家)

◎本澤二郎の「日本の風景」(5069)より転載

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年3月号

『紙の爆弾』2024年3月号

電通・靖国・笹川財団・CIA 安倍派とは何か
「首相は自分のことしか考えていない」岸田派解散の舞台裏
躍進するロバート・ケネディ・ジュニア アメリカ大統領選挙の実相
民進党勝利で改めて問う 米国仕込みの虚構の台湾有事
東京五輪は東日本復興を遅らせた 能登半島地震でも維新「万博固執」の大愚
「司法の偏向」で形骸化する「三権分立」辺野古代執行訴訟が孕む三つの大問題
重信房子氏が語るパレスチナ・ハマース「決起」の理由
3回接種で特定のがんが多発 ワクチン問題研究会が明かす「メッセンジャーRNA」の真実
企業が学問・教育を崩壊させる第二の日本学術会議問題 国立大学法人法改正
権力による教育内容への管理統制強化 加速する「教育デジタル化」の陥穽
問われる「こども家庭庁」委員の関与「ベビーライフ事件」と国際養子縁組の闇
高GABAトマト、マッスル・マダイ、ウイルス耐性ブタ……「ゲノム編集」は生態系も人類も損壊する
「松本人志」「旧ジャニーズ」で見えた変わらぬ大手メディアの忖度体質
米国マスコミが自主検閲で隠してきた2023年の重大ニュースTop25
シリーズ 日本の冤罪47 鶴見事件

連載
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
ニュースノワール 岡本萬尋
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
キラメキ★東京漂流記 村田らむ
裏から世界を見てみよう マッド・アマノ
権力者たちのバトルロイヤル 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTMNC4ZD/

昨年10月に出版した、梓加依・著『広島の追憶 ── 原爆投下後、子どもたちのそれからの物語』の書評が、地元・広島の『中國新聞』(2024年2月4日付け)に掲載されました。ご一読ください。

書評 郷土の本 子ども時代に体験 被爆後の広島描く(評者=森田裕美)

【著者略歴】梓 加依(あずさ・かえ)。児童文学・子どもの生活文化研究家。1944年長崎生まれ、小学校から高校まで広島市内に在住。公共図書館司書、大学非常勤講師、家庭裁判所調停委員などの仕事を経て、現在は物語を書く会「梓の木の会」主宰。

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315258/

医師や専門家を中心に昨年設立された「ワクチン問題研究会」が1月11日に開いた会見を取材しました。会見では明快かつ具体的に、いわゆるmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンについて警鐘を鳴らしています。本誌レポートはさらに噛み砕いた解説を試みたものです。現在もコロナウイルスについて、“第10波”や新たな変異株「JN.1」は感染力が強い、といった報道がなされています。しかし会見で村上康文理事(東京理科大学名誉教授)は、「コロナはリスクが非常に低かったと私は思っています。亡くなった人にPCR検査をして、陽性であればコロナによる死としている」と指摘。また新規陽性者とワクチン接種に関する厚生労働省のデータでは、ほとんどの年齢層でワクチン接種者の方が陽性率が高かったという事実が示されています。

厚労省の予防接種健康被害救済制度に基づく申請受理数は1万90件で、認定件数は5965件、うち死者数は423件(1月26日)。約3000件は未審査のため、審査されたうち85%以上が認定されています。もちろんこれは氷山の一角であり、本誌で何度も指摘しているとおり、日本以外の世界中で追加接種はストップしています。感染を防げず危険だと厚労省が認めるワクチンの接種がなぜ続けられているのか。そしてコロナワクチンを「成功」であるとして、mRNAワクチンは、がんやインフルエンザへの応用が目指されています。もはや問題は「コロナワクチン」ではありません。その危険性を解説した本誌レポートは、すべての人々に読んでいただきたい内容です。

自民党裏金事件を契機として解散した安倍派について、本誌に寄稿した政治評論家の本澤二郎氏は「検察と官邸の国民を欺く策略」と指摘。本澤氏は1月8日に自宅が火災に見舞われた故・田中角栄元首相との関係を起点に“安倍・清和会”とは何かに迫ります。裏金事件では、その役割を果たさない検察組織にも、追及を向けるべきです。

能登半島で起きた地震被害に対する岸田政権の対応の遅さが、東日本大震災・熊本地震における発生直後の復旧スピードと比較され、「岸田政権は菅(直人)政権、安倍政権以下」との指摘がなされています。これに対し、地形の条件が加味されていないといった反論がなされているものの、そうであればこそ、愛媛県の伊方原発をはじめ「半島の原発」の巨大リスクが注目されるところです。ただし、「半島」を加味しても今回の対応は遅すぎるようです。

国の意向を大学運営に直接反映させる国立大学法人法改悪。「稼げる大学」というと、以前は企業に好都合な人材を輩出するイメージだったと思うのですが、すでに大学自体、それも国立大学が稼ぐことを考えるような事態です。大学教員・学生らが猛反発する中、日経新聞昨年12月18日付記事は「稼げる大学はだめなのか 科学研究に『楽園』なく」。高学歴層の多くがこの問題に無関心なのはいったいなぜなのか。自分たちが取り組んだ「学問」が国や企業に売られてしまうことになぜ危機感を持たないのかが疑問です。

その他今月号では、前号に続き「ゲノム編集食品」の危険性を専門家の意見をふまえレポート。1月の台湾総統選や、アメリカ大統領選についても、他メディアで報じられない事実をお伝えしています。全国書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2024年3月号

『紙の爆弾』2024年3月号

電通・靖国・笹川財団・CIA 安倍派とは何か
「首相は自分のことしか考えていない」岸田派解散の舞台裏
躍進するロバート・ケネディ・ジュニア アメリカ大統領選挙の実相
民進党勝利で改めて問う 米国仕込みの虚構の台湾有事
東京五輪は東日本復興を遅らせた 能登半島地震でも維新「万博固執」の大愚
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3回接種で特定のがんが多発 ワクチン問題研究会が明かす「メッセンジャーRNA」の真実
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米国マスコミが自主検閲で隠してきた2023年の重大ニュースTop25
シリーズ 日本の冤罪47 鶴見事件

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コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
ニュースノワール 岡本萬尋
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
キラメキ★東京漂流記 村田らむ
裏から世界を見てみよう マッド・アマノ
権力者たちのバトルロイヤル 西本頑司
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◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
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昨年3月7日の”黒船”襲来(つまり英公共放送BBCによるドキュメント放映)以来、わが国の芸能界のみならず社会全体が震撼させられている。言うまでもなく、これまでわが国芸能界を支配してきたジャニーズ帝国の崩壊である。これはその後、宝塚歌劇団の若き劇団員の自死、さらにダウンタウン松本による「性上納」問題へと拡がった。どれもまだ現在進行形で終わりが見えない。

 

『ジャニーズ帝国 60年の興亡』鹿砦社編集部=編

1995年、ジャニーズ事務所による理不尽な出版差し止めによって惹起されたスキャンダル暴露攻勢を始めた際には、まさかここまで来るとは想像だにしなかった。かつてベルリンの壁崩壊が東欧の民主化、そうして巨大なソ連崩壊へと繋がったことを想起する。何度も繰り返して言ってきたが、蟻が象を倒すこともありえ、また針の一穴がダムを崩壊させることもありえるということだ。

四半世紀余りも前からジャニー喜多川による未成年性虐待(当時の言葉で言えば「ホモ・セクハラ」)やジャニーズ事務所による理不尽な芸能界支配を批判、告発してきたわれわれとしては、やはりその〈集大成〉、あるいは〈総決算〉を行う必要がある。

しばらくは事態の推移を眺め、マスメディアからの取材協力要請に協力しつつも、途中からそれに違和感を覚え、『文春』よりも以前から立て続けにスキャンダル暴露に務めてきた立場は、これだけでも自負できることで、今夏から急遽集大成的な書籍をまとめる作業に集中した。

私は長年の不摂生が祟り目の疾患で編集実務が十分にできなくなり編集者としては役立たずになっているが、そうも言ってはおれず執念でことに当たった。

そうして世に送ったのが『ジャニーズ帝国60年の興亡』だ。A5判、2段組み、320ページの大部の本になった。東京新聞紙上で斉藤美奈子さんが「労作」と正当に評価してくれた。他にも幾つか正当に評価してくれた記事を見た。

『東京新聞』2023年11月22日付け

ところで、鹿砦社に対して斉藤美奈子さんにしても栗原裕一郎氏にしても「イエロージャーナリズム」といったイメージで見てきたようだ。2人ともみずからそう言っている。「イエロージャーナリズム」の対極に立派な本来の「ジャーナリズム」なるものがあるのかわからないが、立派な本来の「ジャーナリズム」がこれまでジャニー喜多川による未成年性虐待を放置し隠蔽してきたことに比べればマシだと思う。

また、栗原氏は「小出版社の孤独な奮闘が見直されることにもなった」と評価する一方で、「夥しく出版されたジャニーズ関連本にも怪しげなものが多い」とも詰る。これらジャニーズ関連本、とりわけスキャンダル系、告発系のものには直接私がすべてにわたり精魂込めて編集に関わったので、一冊たりとも「怪しげなもの」はないと自認する。

『週刊読書人』2024年1月5日号

思い返せば、ジャニーズ関連本にも、パチスロ界の雄・アルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)に対する本(4点)でも、さらに大学院生リンチ事件(しばき隊リンチ事件)に対する本(6点)でも、力を抜いたものはなく、生来鈍愚な田舎者である私は精魂込めて「奮闘」した。

その〈返り血〉は、決して小さくはなかった。逮捕・勾留(192日)もされ有罪判決も受けた(このことにより新規の銀行口座も作れなくなった。複数の金融機関を提訴し争ったがすべて敗訴)し巨額な賠償金も支払った。賠償金含め訴訟費用は1億円を越す。安全圏から、あれこれ講釈を垂れるのではなく、みずからが当事者となり身銭を切って「奮闘」してからものを言って欲しいものだ。

鹿砦社のアルゼ告発書籍

いわゆる「イエロージャーナリズム」には「イエロージャーナリズム」の意地がある。元々「芸能人にはプライバシーはない」とする私(たち)にとって、芸能人のプライバシーを時に侵害するのもやむをえない。芸能人たる者、みずからそういう職業を選んだのだから──。

最近、同世代の死が相次いでいる。齢72、もうわれわれの時代ではない。『ジャニーズ帝国60年の興亡』は、私の拙い出版人生の〈集大成〉の一つである。

今、まことしやかで、きれいな言論が増え、「怪しげな」「イエロージャーナリズム」はほとんど見当たらなくなった。そうした中で「孤独な奮闘」をするのもおつなものだ。われながら特異な出版人生だったな(苦笑)。

(松岡利康)

鹿砦社編集部編『ジャニーズ帝国 60年の興亡』A5判 320ページ 定価1980円(税込み)

【主な内容】
Ⅰ 苦境に立たされるジャニーズ
  2023年はジャニーズ帝国崩壊の歴史的一年となった!
  文春以前(1990年代後半)の鹿砦社のジャニーズ告発出版
  文春vsジャニーズ裁判の記録(当時の記事復刻)
 [資料 国会議事録]国会で論議されたジャニーズの児童虐待

Ⅱ ジャニーズ60年史 その誕生、栄華、そして……
1 ジャニーズ・フォーリーブス時代 1958-1978
2 たのきん・少年隊・光GENJI時代 1979-1992
3 SMAP時代前期 1993-2003
4 SMAP時代後期 2004-2008
5 嵐・SMAPツートップ時代 2009-2014
6 世代交代、そしてジュリー時代へ 2015-2019
7 揺らぎ始めたジャニーズ 2020-2023

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315290/

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