「われわれの出版の目的は、一、二年で忘れ去られることのない本を作ることである」(クラウゼヴィッツ) われわれの出版の〈原点〉に立ち帰り、わが出版人生最終コーナーに差し掛かるにあたって

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

鹿砦社の言論・出版活動を支持される皆様!

週明けに『紙の爆弾』最新号をお届けいたしますが、このかん少なからずの方々より、同誌がレベルアップしたとのお声をいただいております。これは創刊号以来編集長を任せた中川志大の経験と力によるものです。

実際、完成した同誌を見て、レベルアップしたとの過分な評価を喜びつつも、老婆心ながら、さらなる飛躍の余地はないか、昨年4月に創刊20周年を迎え東京と関西で皆様方に祝っていただき次の10年に向かって歩み始めましたが果たして創刊30周年は大丈夫か(その頃、おそらく私はいないか活動不能になっているでしょうから)、等々と日々思慮しているところです。

また、主に私が担当する分野の書籍についても、出版人生最終コーナー(9月で後期高齢者に。泣)に達した中で、のちのちに残るような本をどう作るか、考えあぐんでいます。

これまで何度か述べていますが、私が10年間のサラリーマン生活を辞め(直接的には会社整理のため)、みずからの資質、能力、経験などを一顧だにせず、まさに“清水の舞台”から飛び降りる覚悟で本格的に出版の世界に飛び込む際に、歴史家の小山弘健先生に教えていただいた、冒頭に挙げた、『戦争論』という畢生の書を著したクラウゼヴィッツの言葉をたびたび想起しています。「果たして私は、どれほど一、二年で忘れ去られることのない本を作ってきたのだろうか?」と。『戦争論』ほどの名著ではないにしても、のちのちに残る本を作りたい! と願いつつも、先が見えているので焦燥感に苛まれています。もっと早く小山先生に教えていただいたクラウゼヴィッツの言葉を真剣に、かつ真摯に考えて実行に移していればよかったな、と悔いが残ります。

今回、時々定期購読者や会員の皆様方にご提案している「特別セット直販」を新たにご提案させていただいています。このリストの本は、これまで私たちが出版してきた本の一部ですが、このほとんどは私が企画・編集したもので、果たして「一、二年で忘れ去られることのない本」があるのか、皆様、いかがでしょうか? 古い本も新しい本もあり、また左右硬軟雑多に渡りますが、お目に留まった本がございましたら、この機会にぜひ(何冊でも)ご購読お願いいたします。(詳しくは『紙の爆弾』8月号に同封している案内をご覧ください)

予想される猛暑を乗り越え、清々しい気分で秋を迎えましょう!

(7月2日記。別掲写真は小山弘健先生と遺稿『戦前日本マルクス主義と軍事科学』。『紙の爆弾』8月号に同封している文章から)

『紙の爆弾』2026年8月号
A5判 130頁 定価880円(税込み)
2026年7月7日発売

護憲のための理論武装「自衛隊明記」改憲で現実に起きること 伊藤真
選挙違反の政権が憲法を壊す 戦後最悪の宰相を生んだ日本政治の根本欠陥 門脇翔平
防衛費倍増で防衛産業は衰退する 日本の「防衛強化」は机上の空論 清谷信一
検察官が関与する政府案 再審法改正は「誰のため」か 足立昌勝
誰もが知っていて、語らない 米AI企業に主権を明け渡した日本 昼間たかし
巨人・阿部慎之助逮捕事件に見た児童相談所「虐待対応」の現実 たかさん
自民党議員が「中傷動画問題」に沈黙する理由 片岡亮
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」前編 警察はなぜ冤罪を創作できるのか
世界を牛耳る超富裕層を倒す11の方法 エマニュエル・パストリッチ
米国新植民地主義を超克する極東の安全保障を確立せよ 木村三浩
LGBT問題の現在 転向療法禁止政策が抱える「観点差別」三浦俊彦
米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件 早見慶子
成年後見制度という宿痾 高齢者よ高貴たれ、後期高齢者よ不屈たれ! 鈴木愼哉
痛快伝奇説話 吏犯之太子(りぼんのたいし) 本折竿長

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0H6W3YJ7D/

『紙の爆弾』8月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

高市早苗首相の中傷動画と、一連の本丸とみられるサナエトークンという問題について、世論・国会で炎上が続いています。サナエトークンが本来「自民コイン」を目指してモデルがつくられたこと、それがなぜ「サナエトークン」として失敗したのか、さらに「中傷動画」とサナエトークンの関係について、自民党関係者の証言をもとに解説した本誌7月号の片岡亮氏記事は、SNSで数十万のインプレッションを稼ぐほど注目されました。

一方、今月号の本誌記事が指摘しているように、これを大衆のガス抜きにしてはならない、という警戒心を持ち続ける必要を感じます。中傷動画問題は、なにより選挙違反に関わる問題であり、選挙違反でつくられた政権に正統性はない、まして憲法改正を議論する資格などない、というのがまず一点。さらに、そんな政権がなぜ生まれたのかを考える必要があります。「高市首相を見れば、小泉進次郎防衛大臣がましに見える。防衛大臣に据えたこと自体、保守層へのイメージ戦略の一環ではないか」という推測は、あながち外れていないのではないでしょうか。

同時に、憲法を変えさせないために、私たち自身が情報と理論を得る必要があります。護憲のための「理論武装」の方法を、伊藤塾塾長・伊藤真弁護士が解説。また防衛予算を倍増させても、まったく日本の産業に寄与しないどころか、かえって弱体化させてしまうことを、軍事ジャーナリストの清谷信一氏が解説しています。いずれの記事も、多くの方に読んでいただき、共有してほしい内容です。

もはや高市政権は駄目だ、というのは自明の事実といえます。なぜ、そんな首相が誕生したのかというのは、7月号で孫崎享氏が詳細に解説しているところですが、私たちは、そもそもルールを権力側に握られていることを認識することから、スタートする必要があります。それが、辺野古基地建設が止まらず、原発がなくならない理由でもあります。さらに、戦争と戦争煽りで海外の軍事企業が、感染症騒ぎで製薬会社が、個人情報を掌握してテック企業が設ける仕組みがあります。その仕組みに加担しないことを提言しているのが、本誌執筆者の共通項です。

さらに「超富裕層を倒す」と言い切った今月号のパストリッチ氏の指摘に、学ぶところは多いです。それはとても大変な作業で、かつ不祥事追及のように、わかりやすいものではなくとも、門脇翔平氏は、選挙制度を通して変革のために実際に動いている。植草一秀氏は、あるべき社会を提案しています。パストリッチ氏とは、あらためて議論を深めたいと思っています。

ほか8月号では、アメリカのAI企業に「デジタル主権」を明け渡した日本の現状、再審法改正が冤罪防止につながらない原因、加えて植草氏が実体験をひきつつ「警察はなぜ冤罪をつくるのか」に迫ります。マスコミ報道では触れられない児童相談所の実態、成年後見制度の法改正がスルーする同制度の根本的問題、米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件など今月号も独自の視点からのレポートをお届けします。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年8月号
A5判 130頁 定価880円(税込み)
2026年7月7日発売

護憲のための理論武装「自衛隊明記」改憲で現実に起きること 伊藤真
選挙違反の政権が憲法を壊す 戦後最悪の宰相を生んだ日本政治の根本欠陥 門脇翔平
防衛費倍増で防衛産業は衰退する 日本の「防衛強化」は机上の空論 清谷信一
検察官が関与する政府案 再審法改正は「誰のため」か 足立昌勝
誰もが知っていて、語らない 米AI企業に主権を明け渡した日本 昼間たかし
巨人・阿部慎之助逮捕事件に見た児童相談所「虐待対応」の現実 たかさん
自民党議員が「中傷動画問題」に沈黙する理由 片岡亮
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」前編 警察はなぜ冤罪を創作できるのか
世界を牛耳る超富裕層を倒す11の方法 エマニュエル・パストリッチ
米国新植民地主義を超克する極東の安全保障を確立せよ 木村三浩
LGBT問題の現在 転向療法禁止政策が抱える「観点差別」三浦俊彦
米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件 早見慶子
成年後見制度という宿痾 高齢者よ高貴たれ、後期高齢者よ不屈たれ! 鈴木愼哉
痛快伝奇説話 吏犯之太子(りぼんのたいし) 本折竿長

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

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高市早苗首相の最大の嘘

孫崎享(紙の爆弾2026年7月号掲載)

「高市早苗首相は嘘つきである」ということが、にわかに大きな話題となっています。筆頭は、本人が語ってきた「米国連邦議会立法調査官」という経歴が事実ではなく、コングレッショナル・フェロー(研修生)どころかインターンにすぎなかったことでしょう。過去の雑誌のインタビューで、アメリカの下院議員の事務所に入る時に、「自分は軍事問題の権威だって嘘を書いたの」と自慢げに告白したことも明らかになっています。

政治家としても、総務相時代の放送法解釈変更問題をめぐる行政文書について「もし捏造でなければ大臣も議員も辞職する」と国会で発言しながら辞めなかったことや、旧統一教会との関係についても論理矛盾が指摘されています。

そのような中で、国民に対する「最大の嘘」といえるのが、「安倍晋三元首相の継承者である」という、彼女が掲げる根本的な政治理念です。

◆安倍外交と高市外交

高市首相は常々、安倍首相を「政治の師」と語り、仕事始めの1月5日に伊勢神宮を参拝した時には、遺影を胸に抱えた姿も話題になりました。ただ、その遺影が安っぽいクリアファイルに入れられていたことが物議をかもしています。

それでも、彼女は〝安倍後継〞を自身の軸としたことによって非常に明確な政治的立場を示し、自民党内で信頼を得て、国民からも支持を得る基盤となりました。
 しかし、実際に高市首相が行なってきた政治を見ると、疑問に思わざるをえません。

安倍元首相が2020年8月に辞任するまで、もっとも重視していた政治テーマの一つが外交です。中でも対ロシアに力を入れていたことは、首相として27回もプーチン大統領と直接会談を行なったことから明らかです。

辞任後の2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まりました。その時にまず安倍氏が何を言ったかということから、分析を始めてみたいと思います。

日本では、このウクライナ戦争は「ロシアが悪い」の一辺倒であるためにあまり注目されなかったのですが、開戦3日後の2月27日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した安倍氏は、次のように述べています。

「プーチンの意図はNATO(北大西洋条約機構)の拡大、それがウクライナに拡大するということは絶対に許さない、東部2州の論理でいえば、かつてボスニア・ヘルツェゴビナやコソボが分離・独立した際には西側が擁護したではないか。その西側の論理をプーチンが使おうとしているではないか」

「米ロ関係を語る時に(プーチン大統領は)基本的に米国に不信感を持っている。NATOを拡大しないことになっているのにどんどん拡大している。ポーランドにTHAADミサイルまで配備した。プーチンとしては領土的野心ということではなくて、ロシアの防衛、安全の確保という観点から行動を起こしていることと思います」

もちろん、安倍元首相を再評価しようというのではありません。しかし、彼がどう思っていたかを正確に把握する必要があると思います。

さらに興味深いことに、英「エコノミスト」が同年5月に安倍氏のインタビュー記事を掲載し、7月8日の安倍氏暗殺直後にも再掲しました。その中で安倍氏はこう述べました。

「侵略前、彼ら(ロシア)がウクライナを包囲していたとき、戦争を回避することは可能だったかもしれません。ゼレンスキー(ウクライナ大統領)が、彼の国がNATOに加盟しないことを約束し、東部の2州に高度な自治権を与えることは可能でした」

つまり、安倍氏は一方的にロシアを糾弾するのではなく、ロシアの言い分も我々は理解すべきだというポジションをとったわけです。

一方、高市首相はどうだったか。当時、自民党の政調会長だった彼女は、安倍氏が2月27日にフジテレビで発言した翌日の自民党役員会で、次のように発言しています。

「ロシアによるウクライナ侵攻に関し、今回の暴挙が高い代償を伴うことを国際社会と結束して示すことが必要です。昨日、(岸田文雄)総理が発表した制裁措置は大きな一歩です。あわせて、ウクライナに対する支援も表明していただき感謝申し上げます」

さらに、関連会合でも「国際社会と連携して対露制裁をとことん強めるべき」と強調しました。

したがって、「私は安倍元首相の一番の継承者」と自称する高市首相が、安倍氏の主張を完全否定するような、真逆の立場をとったのです。

いったいなぜなのか。ことは安倍氏の存命中です。高市氏に対し、安倍氏以上に影響を与える者がいたのかという疑問がわきます。ところが当時を見渡すと、安倍氏以上に力を持っている政治家は日本にいません。では、安倍氏が言ったことを覆せる政治家が、どこかにいたのか。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nea422070d5da

月刊「紙の爆弾」4月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価800円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

元自民党議員秘書が明かした「中傷動画」と「サナエトークン」の本当の目的

片岡亮(紙の爆弾2026年7月号掲載)

4月末から「週刊文春」が連続して報じた高市早苗首相の陣営による「中傷動画」拡散問題が、政界とネット社会に大きな衝撃を与えている。

高市首相は国会答弁で「一切行なっておりません」「週刊誌の記事を信じるか秘書を信じるかというと、私は秘書を信じます」と関与を否定したが、この問題は決して突如として降って湧いたものではない。高市首相に関しては、何年も前からSNS上やヤフーニュースのコメント欄で、異様といえる讃美アカウントが急増しては消える現象が指摘されてきた。

もっといえば、6年ほど前に明らかになった「Dappi」事件が、その源流といえる。Dappiという匿名アカウントが、平日の日中に、国会中継の動画を切り抜き、野党批判を驚異的なスピードで投稿し続けていた。一方で自民党(特に安倍政権)を大絶賛し、自民党の有力政治家たちもこのアカウントをフォローして、投稿をリツイート(拡散)。まさに日本のネット選挙における組織的な世論誘導の実態が明らかになった象徴的な事件だった。

2020年、森友事件で公文書改竄を強いられ自殺した財務省近畿財務局職員について、Dappiが「近財職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に自殺」などとデマを投稿。名指しされた杉尾・小西両立憲民主党参院議員が発信者情報開示請求を行なって、運営元の特定に至った。

運営元は東京都内のウェブコンサルティング会社「ワンズクエスト」で、自民党本部や議員、東京都連などから、ホームページ制作やSNS分析などの名目で報酬を受け取っていた。さらに、同社の役員に自民党の「金庫番」と呼ばれる人物の親族が含まれていた。

杉尾・小西両議員が同社を相手に裁判を起こし、2023年に東京地裁が110万円の賠償を命じる判決を下す。それでも自民党側は「党として関与した事実は一切ない」と否定し、会社との取引についても「一般的なホームページ制作の発注」と白々しく言い逃れた。

これが放置されたからこそ、自民党の潤沢な資金を背景とするネット工作が野放しになり、さらに悪質化を遂げた。求人サイト上で堂々と、高市氏を礼賛するネット工作員が募集されていたことも判明しており、これこそが、不自然な「サナ活」の正体だ。

2024年の総裁選後、オンライン求人大手「クラウドワークス」上で、「高市早苗氏などの解説動画」や「日本称賛・中国批判系」の動画作成、SNS上での称賛ポストを有償で依頼する案件が複数確認されており、実際にX上では、同一の文面で同時刻に「#早苗あれば憂いなし」といったハッシュタグを伴う投稿が大量拡散された。

高市首相の政治資金収支報告書には、過去の総裁選でも8000万円を超える「宣伝費」が計上されていたが、その資金がどのようなルートでネット上の「インフルエンサー」や「工作業者」に流れていたのかの検証には至っていない。

結果、今年2月の衆院選で、自民党が公示前にユーチューブに投稿した高市首相のメッセージ動画が、わずか数日で1億回再生という、世界的大ヒット曲をも凌ぐ数字を記録。専門家からは「2億~7億円規模の広告費が投じられた結果」と算出されている。

公職選挙法では候補者個人の有料ネット広告を禁じているが、政党名義であれば選挙運動用サイトへのリンク付き広告が認められている。

つまり、潤沢な政党交付金(原資は国民の税金)を持つ与党がデジタル空間をジャックし、合法的に「圧倒的優勢」のムードを捏造することを可能にさせているのだ。

文春報道で公開された、昨年の総裁選後、高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏が動画の作成者であるIT起業家の松井健氏に宛てたSNSメッセージでは、総選挙における野党候補を「害獣」と呼んで「駆除した」と報告していた。昨年9月の自民党総裁選の対立候補だった小泉進次郎氏や林芳正氏を「無能」「論外」などと貶めた動画とともに、これまで噂されていた自民党・高市陣営の工作の実態をより明確に示したものだった。

ネット上の熱狂が巨額資金とAI、顔の見えない工作員によって「買収」されたものであるならば、それは民主主義の死を意味する。国会が首相の白々しい答弁で終わらせず、第三者委員会によるログの解析や資金流転の徹底調査に踏み切れるかどうかが、今まさに問われている。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/n579345e15e12

月刊「紙の爆弾」6月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価800円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。

『紙の爆弾』https://kaminobakudan.com/

《7月のことば》限界を越えろ

鹿砦社代表 松岡利康

《7月のことば》限界を越えろ(鹿砦社カレンダー2026より。龍一郎揮毫)

7月になりました ── 今年も半分が過ぎた恰好です。
本当に月日の経つのは速いです。
うかうかしていると木枯らしの季節になりかねません。

さてさて、「限界」とは何でしょうか。
勝手に自分で決めてしまっているかもしれません。
限界を、どう越えるか?

というよりか、限界がどうのこうのというよりも、がむしゃらに直面する一つ一つ難関を越えていき、結果、気づいたら限界を越えていたということではないでしょうか。

今年の夏も、例年通り猛暑のようです。まずはこの暑さを越えないといけません。

この夏、新しい挑戦として「成年後見制度」の悪弊といかに闘い、これをいかに突破するか ── があります。世の中にこんな酷い制度があるとは思ってもいませんでした。みずからの不明を恥じるばかりです。発行されたばかりの鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』をぜひお読みください。

鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』
A5判 本文118ページ 定価800円(税込み)
紙の爆弾8月号増刊  6月29日発売

緊急出版!! 社会問題化する成年後見制度の深刻な現実を、
被害者が満身の怒りを込めて喝破!
バブル崩壊後、士業(弁護士、司法書士)救済の目的で制定された制度の問題点、
食い物にされる被後見人、「改正」法案の問題点、
後見人の言いなりで人の人生を台無しにする裁判官……
25万被後見人の埋もれた声を聴け!

【内容】

三上道恵 
おてんとうさまは見ている ── 制度の中で見えなくなった夫婦の時間
はったり半蔵 
後見制度脱出から見えた対抗策
さくら 
成年後見制度の改正に関する要望書
尾﨑美代子 
成年後見制度の悲劇 ── 冤罪事件の視点から
鈴木愼哉 
「成年後見制度」という宿痾
鈴木愼哉 
成年後見制度に狂わされた私と妻の晩年 ── 怒り、悲しみ、想うことあれこれ

https://www.amazon.co.jp/dp/B0H2CGNX2L/

鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』出版にあたって

鹿砦社代表 松岡利康

このたび鹿砦社では鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』(紙の爆弾8月号増刊)を出版する運びになりました。書店発売は週明け6月29日(月)です。

ご承知の方もおありかと察しますが、「成年後見制度」の悪弊が多発し、2022年に国連が「意思決定を代行する制度を廃止する観点から」「民法を改正すること」を勧告し、政府としても「改正」を余儀なくされ、再審法などに隠れて議論の内容が伝わってこず、ひっそりと去る6月17日に参議院で可決→成立いたしました。とはいっても、これで本当に「改正」になるのかはなはだ疑問です。なぜなら、統轄審理する家庭裁判所(裁判官)が変わらなければ何も「改正」にはならないからです。家庭裁判所(裁判官)が変わることはありえるでしょうか? 現在の家庭裁判所の仕事量の膨大さ、裁判官の意識の低さなどから、こちらもはなはだ疑問です。

本書は、編著者みずからが成年後見制度の被害者の立場から、同じ被害者同士が切実に日々語り合い、本書の企画となり実現いたしました。実際に、編著者の鈴木さんは長年連れ添った夫婦間の絆を断ち切られ、これを嚆矢として第二弾、三弾……と世に問うていく所存です。

鈴木さんはこれまで奥様奪還のために訴訟を起こしたり諸々手を尽くされながらも、ことごとくうまくいかず、偶然に鹿砦社が刊行したジャニーズ追及30年の軌跡をまとめた『ジャニーズ帝国 60年の興亡』をご覧になり感銘を受けられ鹿砦社に連絡されました。私たちとしても、鈴木さんのお話を聞くにつけ黙っておれず、多くの方々を絶望に陥れている「成年後見制度」の実態に迫っていくことにいたしました。

これが第一歩ですが、この制度を悪用し私腹を肥やしている者らを弾劾しなければならないとの考えから、鈴木さんやお仲間(=被害者)の方々と共に制度の悪弊を糾弾し、何よりも意に反し長年断絶を強いられている奥様を奪還することに協力することにいたしました。

鈴木さんはかつて現役時代、経営コンサルタントとして日本を代表する数々の大手企業の社外役員を務めたり、著書も多く、さらにメディアにも頻繁に登場されていたそうです。本書巻末にまとめてみましたので参考にしてください。

きょうも、この制度によって絶望を味わっておられる方々も多いかと推察いたします。わが国のメディアは、ジャニーズ問題(未成年性的虐待)では、メディアタブーとして長年報じることを怠りました。手前味噌ながら、1990年代半ば、私たちがジャニーズ問題を採り上げ始めた頃、まさに「蟻の一穴」で、冷笑さえ受けました。その頃、マスメディアが私たちに共鳴し後に続いてくれたら被害はもっと少なかったでしょう。

この成年後見制度の問題もそのようで、日々悲劇が拡大しています。本書における鈴木さんらの悲痛な叫びに留意され、今からでも遅くはありません、この問題を追及いただきたく切望する次第です。   

株式会社鹿砦社 松岡利康

◆     ◆     ◆     ◆

鈴木愼哉・編著『悪法「成年後見制度」は法に非ず』
A5判 本文118ページ 定価800円(税込み)
紙の爆弾8月号増刊  6月29日発売

緊急出版!! 社会問題化する成年後見制度の深刻な現実を、
被害者が満身の怒りを込めて喝破!
バブル崩壊後、士業(弁護士、司法書士)救済の目的で制定された制度の問題点、
食い物にされる被後見人、「改正」法案の問題点、
後見人の言いなりで人の人生を台無しにする裁判官……
25万被後見人の埋もれた声を聴け!

【内容】

三上道恵 
おてんとうさまは見ている ── 制度の中で見えなくなった夫婦の時間
はったり半蔵 
後見制度脱出から見えた対抗策
さくら 
成年後見制度の改正に関する要望書
尾﨑美代子 
成年後見制度の悲劇 ── 冤罪事件の視点から
鈴木愼哉 
「成年後見制度」という宿痾
鈴木愼哉 
成年後見制度に狂わされた私と妻の晩年 ── 怒り、悲しみ、想うことあれこれ

悪法「成年後見制度」は法に非ず(月刊紙の爆弾増刊2026年8月号増刊)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0H2CGNX2L/

《書評》歴史は山上徹也をどう裁くのか、鈴木エイトの『アンビバレント』を読む

黒薮哲哉

ルポルタージュを読んでいて時々お目にかかるのが、まるで詳しい年表を読んでいるように味気ない作品である。とにかく情報が詰まっている。しかも、同じ密度で記述されているので、読み物としては単調になりがちである。

鈴木エイトの『アンビバレント』(講談社)は、その対極にある作品である。巧みな構成により、ひとつの書籍の中で二つのドラマが並行して展開する。ひとつは、山上徹也被告の十五回にわたる公判から判決を経て、著者が拘置所で被告と接見するに至るドキュメンタリーである。単に裁判記録を紹介しているだけではなく、恐らく調書には残らない生の声も記録されている。たとえば、山上被告の母親が証言台に立った時の次の場面である。

「徹也には本当に申し訳ないことをしたと思っています」
「尋問は終わりにしますので、しばらく待機していてください」
裁判長の注意を無視して、母親は再び被告人席に向かって呼び掛けた。
「てっちゃん、ごめんね」
「ここはあなたが発言する場ではない。黙ってください」
 と、裁判長から厳しく注意を受ける母親。

この時、山上被告は涙を浮かべていたという。第十三回公判では、安倍晋三元首相の妻・安倍昭恵が入廷する。そして本書のクライマックスで、著者の鈴木エイトは拘置所で山上被告と向き合い、安倍元首相殺害とは何だったのかを問い直す。それは裁判や既存メディアの報道から浮かび上がる人物像とは異なる側面を示していた。

これら一連のエピソードと同時進行するもうひとつのドラマが、山上被告がどのような境遇で育ち、どのようにして安倍元首相殺害に至ったのかの事実検証である。山上被告の半生が、関係者の証言を通して再構成されている。そこでは宗教二世の悲劇が具体的なエピソードによって語られる。

本書は、単に事件を忠実に記録したという域を超えて、複雑な事件を整理し、意味づけし、秩序立てて読者の前に提示した。ジャーナリズムの手本にほかならない。それを可能にしたのは、長い歳月を費やした取材と対象への執念ではないだろうか。

私的な話になるが、中米のニカラグアにも山上被告と同じようにテロに走った青年がいる。リゴベルタ・ロペスという詩人である。ロペスは一九五六年、上流階級の豪勢な宴会に紛れ込み、至近距離から独裁者アナスタシオ・ソモサを銃殺した。ソモサは当時、長期独裁体制を築き、ニカラグアの政治から、軍事、産業までを一族で支配していた人物である。米国の強い支援を受けながら統治を続け、貧しい人々の血を吸いとる売国奴と見なされていた。

リゴベルタ・ロペスは事件後、即座に射殺された。その後、一九七九年にソモサ独裁政権が革命によって崩壊すると、リゴベルタ・ロペスの名はよみがえった。国民的英雄となったのである。

詩人という肩書が付されているので、私は彼の詩作を調べてみた。しかし、後世に残るような作品は見当たらなかった。なぜ「詩人」なのか。この答えをニカラグアの人に尋ねてみると、詩人という言葉の意味が日本とは異なることが分かった。詩人とは、純粋な魂を持ち、不正を容認せず、真実に忠実な人のことなのだという。

テロという行為そのものが正当化されることはない。しかし、その背景や動機についての歴史的評価は、時代とともに変化する可能性がある。本書『アンビバレント』は、そのことを考えるための重要な材料を提供している。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月21日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

尾﨑美代子

お願いがあります。鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

『季節』2026年夏号が発売となり、執筆者や関係者様に届いていることと思います。さて、私はこの『季節』の編集委員をさせて戴いております。『季節』が発刊以来ずっと赤字であることは、鹿砦社代表の松岡氏がなんども訴えています。

「何故、赤字続きなのか?」と私なりに考えてみました。もちろん内容の問題もあるかもしれません。本書は発行が3ケ月に一度ですが、毎号編集会議では、なるべくその期間内でタイムリーな内容、あるいは小さな事件だはどうしても見逃せない問題、全体的には原発問題に関して多面的な内容を提供したいと考え、意見を出し合い、制限された紙面の中で、それをどう伝えていくかと必死で討議しています。

そんななか、赤字の原因として、私が考えることが1点あります。それは「定期購読者」の不足、逆にいえば「献本数」が非常に多いのではないかということです。それはひとえに鹿砦社代表の松岡氏と、『季節』編集長の小島氏の「人の良さ」(決して褒めてない)ではないかと、編集委員の一人として考えています。というのも、執筆者には当然「献本」させていただきますが、松岡氏にお聞きしたところ、それだけではなく、過去の執筆者、あるいは別件で知り合った方々の多くにも献本させて頂いているとのことでした。さらに松岡氏が言うには「とくに福島の人にはずっと読んで欲しいと思ってね」とのこと。その気持ちは私も同じです。しかし、そうした献本が増えたまま、一方で定期購読あるいは購入部数が増えないことには、赤字は一向に解消できず、そのうち『季節』は廃刊になるかもしれません。

じつは私は編集委員としての報酬は十分には頂いておりません。「それはあんたの勝手だろう」とお叱りを受けるかもしれませんが、でも少しだけその訳を聞いてください。私は、『季節』発行まで、取材、リライト、構成、編集、校正などの作業をこなしてますが、受け取るのは最低限の取材にかかる交通費のみで、ほかの報酬は辞退しております。時には本来の仕事を休んで取材に行くこともあります。もちろん鹿砦社・松岡氏、『季節』編集長小島氏は「報酬を受け取って」といいますが、私が得た報酬分がさらに赤字を増やすことになるから、それは私にはできません。私はなによりこの『季節』の発行を継続させたいのです。毎回『季節』を編集する際、「ああ。この本を一人でも多くの人に読んで欲しい。日本から原発を一刻も早くとめないと大変なことになる。だから、どんな活動でもいい、反(脱)原発の闘いに関わる人たちにとって、この『季節』をそのきっかけ、一助にして欲しい」とそう願って頑張っております。また、次の号の編集会議では、「今、何を人々に伝えていくべきか」と、編集委員で喧々諤々の討議を何度も重ねております。

どうぞ、一人でも多くの皆様にお伝えしたい。『季節』は次号より定価が880円となります。それでも発行は3ケ月に一度です。ひと月に換算したら、月300円です。どうぞ、月300円を『季節』購入費に充ててください。 赤字が解消されましたら、私はもちろん報酬を頂きます。そしてもっともっと多くの方々に読んでいただける紙面作りのために使っていきます。将来、日本の原発が全て止まる日が来た際には、「ああ、この日のために、『季節』にはずいぶん世話になったな」と思われたい。それが私の命を掛けた夢。 

この件について、松岡氏にはかなり前から進言させて頂いております。今回聞いたところ、これまでの献本していた方の何人かは献本を取りやめたとのこと。これまで献本が届いていたが止まってしまった方、どうぞこの投稿を読まれまして、新たに購入をお願いしたく存じます。

最後のお願いになります。どうぞ、みなさま、『季節』の定期購読にご協力を宜しくお願いいたします。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊

2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰)

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)
《報告》関電株主代表訴訟の闘い
 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

復興へ16年目に入った福島、もうすぐ創刊12年を迎える本誌『季節』 明日への道は決して楽ではないが、共に歩き続けよう!

季節編集委員会

福島で原発事故が発生して本年3・11で15年を迎えました。その日に本誌を発行し、次のステップに歩み始めました。

また、本誌も、すでに一昨年創刊10周年を迎え、今年12年を迎えようとしています。なんとか10年を越えたことで、本来なら部数ももっと多くならなくてはなりませんが、私たちの非力で、そうはならず、逆に減りつつあります。

福島の現況も、事情あって故郷を離れた方々の実情も、本誌の現状も、また総体的な将来への展望も、厳しいものがあります。

福島の現況は、わが国の現況です。すなわち厄介者は切り捨てるという棄民政策が跋扈しています。15年経っても政府は脱原発への道筋を提起しえないでいます。むしろ、なし崩し的に原発回帰、そしてこれに対する諦めの気持ちが支配しているかのようです。

今夏も厳しい暑さが予想されますが、古くはオイルショック(1973年)後や3・11後のような節電の呼びかけもなされず、私たちもその気持ちを忘れたかのように思えます。

この国では、大地震はじめ多くの天災が毎年起きます。そのたびごとに節電、節約が叫ばれますが、いつか忘れられ今に至っています。

原発も老朽化が進み、このままでは大事故がいつ起きても不思議ではありません。

福島のこれまでの歩みや現況を顧みるに、原発は百害あるだけです。決して危機感を煽るわけではありませんが、いつ爆発するかわからない老朽原発は、爆弾を抱えているようなもので、即停止→廃炉にすべきです。

本誌に継続的にかかわってこられている小出裕章さん、今中哲二さん、また元裁判官で原発を止める判決を出された樋口英明さん、井戸謙一さんらが、私利私欲を棄て、なぜここまで反(脱)原発に奔走されるのか、非常に学ぶことが多々あり、私たちが本誌を継続しているエネルギーになっています。ありていに言えば、すべてはこの国、この社会、ここで生きる子や孫のためということでしょうが、やはりチェルノブイリや福島のような原発事故を繰り返してはならないという想いが残っています。この想いが残っている限り、困難は承知のうえで、唯一の反(脱)原発雑誌を継続していく決意ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

昨年同様酷暑が予想される今夏、気持ちを強く持って共に頑張りましょう!

2026年6月 季節編集委員会

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊
2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)

《報告》関電株主代表訴訟の闘い 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

『紙の爆弾』7月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

「高市早苗首相のウソ」がにわかに話題となっています。その大きなきっかけとなったのが、ラジオ番組での適菜収氏による指摘だったわけですが、同番組で適菜氏は、「高市のウソ」を調べたきっかけとして、「なんで(電波停止発言や旧統一教会関連疑惑など問題ばかりの)こんな人間が政治家になって、ついには総理大臣になってしまったわけですよね。これがちょっと不思議で」と最初に話しています。この問い自体が重要で、本誌で特集した「ガーベラの風」イベント(5月16日)に登壇した孫崎享氏も、同じ問いを投げかけています。その答えが孫崎氏の記事にあります。

5月22日、ロシアが掌握するドンバス地方のルハンシク州スタロビルスクにある大学寮をウクライナ軍のドローンが攻撃。ロシア側の発表によれば21人が死亡、負傷者も多数。現場でロシア人権担当委員が英BBCや米CNNに加え、日本の記者が取材しないことを指摘し、ザハロワ報道官は「日ロ関係」を質問したNHK記者に「スタロビルスクをなぜ取材しないのか」と“逆質問”。記者が「上司から『取材をするな』といった命令があったわけではない」「単に時間がなかった」と弁明するシーンがSNSで注目を集めています。以前から報道官は、「日本の記者はモスクワで何をしているのか?」とたびたび問いかけていました。加えていえば、プーチン大統領は「我々はウクライナの背後にいるアメリカやヨーロッパとは対立しても、日本と対立しているような覚えはない」といった主旨を発言しています。なぜ無関係の日本がやたらと反ロシアにこだわるのか、という疑問が報道官の“逆質問”の背景にあるのでしょう。

西側諸国に従い人命・人権に関わる戦争の現場を取材せず、隣国ロシアとあえて対立することで、日本にどのようなメリットがあるのか、首を傾げるほかありません。そして、このことは、今月号の巻頭記事「高市首相の最大の嘘」とも関わります。「最大の嘘」が何であるかはぜひ本誌をお読みいただくとして、高市首相が「ナフサは足りている」と言わざるをえないことには理由が存在します。そして、冒頭の適菜氏の「なんでこんな人間が総理大臣になったのか」にもつながります。

ほか7月号では、2月総選挙における中道改革連合の敗北をはじめ日本政治を語った鳩山友紀夫元首相の講演を収録。政治経済学者の植草一秀氏が高市内閣の「究極の売国経済政策」を解説。「新・新党」も取り沙汰される中道については小川敏夫・元立憲民主党参院議員の“直言”も掲載しました。さらに、南極行きのクルーズ船で“集団感染”が報じられたハンタウイルスと旧日本陸軍731部隊の関係、「保守派」が「男系」にこだわる理由、国家情報会議やスパイ防止法の実態、高市首相が関与を否定した「サナエトークン」の本来の目的など、今月号も独自の視点からのレポートをお届けします。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年7月号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
2026年6月6日発売

「現実」が高市政権を終わらせる 高市首相の最大の嘘 孫崎享
日本政治の対米隷属を打破するために 鳩山友紀夫
高市内閣デタラメノミクス 究極の売国政策 植草一秀
制約なき国家諜報体制「国家情報局」の実態 足立昌勝
スマホの中で起きている新しい戦争 デジタル主権戦争 昼間たかし
元自民党議員秘書が明かした「中傷動画」と「サナエトークン」の本当の目的 片岡亮
「保守派」が強調する「歴史と伝統」の欺瞞 皇室典範改正めぐる策謀 宮古諄三郎
成年後見制度改正 法制審議会にもの申す 鈴木慎哉
「中道改革連合」はどこに向かうのか 参院立憲の「中道」合流はない 小川敏夫
WHO総会直前の「集団感染」ハンタウイルス騒動と「パンデミック」の正体 早見慶子
日本よ自主外交を取り戻せ ロシア暴言王の遺訓 木村三浩
LGBT問題の現在 リベラルという陶酔 西園寺あかり
沖縄をなめるな!「最強の沖縄」に続く第三の道 下地幹郎
嘘つきサーニャの今週のハイライト! 佐藤雅彦

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0H38ZPMRW/