自己撞着的ではなはだ恐縮であるが本日8月18日は、お読みいただいている「デジタル鹿砦社通信」がリニューアルをして3周年にあたる。読者の皆様にはあまり関係のないことだけれども、日ごろよりご愛読いただいている皆様に、執筆者一同、まずは深く感謝を申し上げたい。

3年前の2014年をかえりみると、たった3年の間に社会、とりわけこの島国ではずいぶん急速な変化生じていた。本コラムの再出発は3年前の8月18日だが、2014年1年間にスパンを広げると、以下のことが起きている。以下2014年からこれまでの主だった出来事をふりかえってみる。
  

▼2014年
・2月 舛添要一が東京と知事に当選
・3月 自ら辞職した橋下徹が大阪市長に再当選
・3月 48年前に逮捕され死刑が確定していた袴田さんに再審の開始を認め刑の執行停止釈放
・4月 消費税が5%から8%に引き上げられる
・5月 福井地裁大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決
・6月 日本維新の会、分党を正式決定、2012年9月の結党から1年9カ月で解散
・7月 集団的自衛権を認める解釈改憲を閣議決定
・11月 沖縄知事選で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
・12月 特定秘密保護法施行
・12月 総選挙、自公が326議席を獲得し与党勝利

▼2015年
・1月 岡田克也が民主党代表に選ばれる
・4月 高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分命令を福井地裁が関西電力に下す
・5月 SEALDs発足
・5月 大阪都構想を問う住民投票。反対多数で否決。橋下徹は政治家引退を宣言
・7月 安保法案成立
・8月 川内原発1号機が再稼働
・10月 防衛装備庁設置
・10月 維新の党を離党した大阪市の橋下市長・大阪府の松井知事らは、大阪市で国会議員19人が参加する新党「おおさか維新の会」の結党大会を開催

▼2016年
・3月 民主・維新の両党などが合併した新党『民進党』結党大会が行われる
・4月 熊本地震
・6月 沖縄県議会議員選挙。県政与党が改選前の24議席から27議席に伸ばし、過半数を獲得
・6月 舛添要一知事が辞表を議長に提出
・6月 18歳選挙権に関連する改正公職選挙法が施行
・7月 参議院選挙、自民・公明の連立与党は合計70議席を獲得し勝利
・7月 都知事選で小池百合子当選
・9月 民進党代表に蓮舫選出
・12月 統合型リゾート推進法案修正案(カジノ法)成立

▼2017年
・1月 ドナルド・トランプ米国大統領就任 
・1月 森友学園問題報道が始まる
・3月 韓国大統領朴槿恵罷免
・7月 都議選で自民史上最低の獲得議席23で惨敗
・7月 安倍内閣の支持率低下、報道機関によっては20%台を記録

自然災害や、国際ニュースを織り交ぜればこれほど単純な抽出では収まらないが、この3年間の初頭は2013年に強行採決された特定秘密保護法をはじめとし、安倍政権のやりたい放題からはじまった印象が強い。マスメディアは安倍政権と並走した。今年の6月まで、一部の新聞を除いて大手新聞、テレビは安倍政権への「忖度」にいそしみ、「権力監視」などほったらかしにしていた。

でも、もう遠い昔の人のように感じられる舛添要一が都知事に当選したのはわずか3年前、失脚したのは昨年のことだ。消費税が5%から8%に引き上げられ、直前には「駆け込みみ需要」で業種を問わず大わらわであったようだが、その後1年すると中小企業は軒並み減収減益を記録する。

逆に株式市場や大手企業の業績は好調維持し、労働組合ではなく首相安倍が「給与の引き上げ」を企業に求める、という非常に不健全なやり取りが行われた。「TPP絶対反対」を掲げていた自民党は政権に戻ると、一転して「TPP積極推進」に180度態度を翻したが、米国大統領にドナルド・トランプ就任し「TPPなんかやらないよ」と言い出すと、急いで安倍はトランプに会いに行き「TPPやりましょうよ……」と依頼するという、予想外の展開となった。

もう新聞紙面で「TPP」の文字を見ることすらほとんどなくなったが、自民党のあの馬鹿げた熱中はいったい何に依拠していたものなのだろうか。甘利経産大臣のあの暗躍はいったいどこに収斂されたのだろう。

この3年間で私たちは「特定秘密保護法」-「集団的自衛権容認」(解釈改憲)-「安保法制」(戦争推進法)-「共謀罪」と川上から川下へ水が流れるように、治安立法と戦争準備の法制を許してきた。この先には水平線の見えない治安弾圧と、戦争の大海が待ち受けている。もう河口が見えて、いよいよ河川から海洋へと流れが解け行く、段階が現在、2017年8月18日だろう。

「多勢に無勢」、「時代という強迫」、「信じるに値するのか、そうでないのかが不明な市民」……。そういった悲観的な言葉に支配されがちであるが、どの時代でも人間は生きてきたのであり、飢えのひどい飢餓の国で、きょうも新生児は生まれている。いい加減濁った河川を何十年も眺めていると、諦めや絶望、疲れた気持ちに支配されがちの日々、それでも私たちはこれからも「ごまめの歯ぎしり」を続けていこうと思う。

デジタル鹿砦社通信はこの時代にあって、真に自由で闊達、タブーのない言論をさらに志向し実践してゆきたいと、自省しながら、再度思いを引き締めようと思う。「希望がなければ、私たちが造り出す」くらいの身の丈を超えた気持ちで。

今後もデジタル鹿砦社通信をよろしくお願いいたします。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

 

 

  
「ちなみに『♯鶴橋安寧』、昨日手に入ったので読みました。……。これを出してしまった、編集者の罪深さについて考えてしまいました……。褒めそやしている皆さんも、本当に残酷だなあと思います。でも私も性格悪いので、本人に会ったらおそらく褒めそやすと思います。とはいえもう、彼女に会う機会もそうそうない気がします」(フリーライター朴順梨から、元鹿砦社社員藤井正美へのメール2015年1月21日のメールより抜粋)。

「男前のネットストーカーなら歓迎しますが、粘着ブス女なら見つけ次第、しばき倒します。で、昨日やっと『♯鶴橋安寧』を購入しました。レジに行くまでに数ページめくって立ち読みしましたが、『これで出すか』と。数ページだけでも目に付くのはtwitterと同じようなイラつく文体、全体の構成の散漫さと、雑誌のコラムならまだしも、書籍としてはチラ見しただけで厳しいものがありました」(元鹿砦社社員藤井正美からフリーライター朴順梨への2015年1月22日のメールより抜粋)

オイオイ君たちは仲間じゃなかったのかい、と両氏に再度確認したくなるようなひどい表現だ。取材班はこれまで何度も述べてきたように、「M君リンチ事件」を追っている。重ね重ね強調するが李信恵の「M君リンチ事件」への態度には大いなる不信感を抱いているが、それと『♯鶴橋安寧』は別である(もっとも薄給で超多忙な取材班には『♯鶴橋安寧』を読んでいる暇はなく、また李信恵著作の揚げ足をとるような姑息なことをするつもりは毛頭ない)。

しかし、先日来、鹿砦社代表松岡がお伝えしてきているように(ここ数日は止まっているが)李信恵のTwitterでの書き込みには看過できない虚偽と名誉毀損が山積していた。そして朴順梨と藤井正美から罵倒された「影書房」も李信恵の書き込みに、リツイート並びに「いいね」をしている。

鹿砦社は「ややこしい出版社」と思われるかもしれないが、出版物ほか、ネット上の発信も自らが原則とする域を出ることがないように、最大限の努力をしている。しかし下記をご覧いただこう。

李信恵ツイッターより

  
下段の右端にははっきりと丸い枠で「影」の文字が確認できる。さらに
  

李信恵ツイッターより

 

 

 
李信恵が書き込んだ「鹿砦社はクソ」とまで罵倒された書き込みにも丸い「影」のマークが確認できる。小なりとはいえ出版業を営む同業者として、同業者への誹謗中傷に加担する場合、それなりの覚悟があってのことだろうと思慮し、その本意を確かめたく、7月28日影書房に電話で見解を聞いた。

  影書房です。

佐野 おじゃまいたします。私鹿砦社取材班の佐野と申します。お世話になります。そちらのツイッターを担当していらっしゃる方はいらっしゃいますでしょうか。

  ツイッターを担当……どういうことですか。

佐野 影書房様のツイッターのアカウントがあろうかと思うのですが、それをご担当なさっている方はいらっしゃいますでしょうか。

  こちら2人しか会社におりませんので、そのたんびに適当にやってるだけなんですけれど。

佐野 なるほど。恐れ入ります、ちょっと教えていただきたいのですけれども。昨夜に李信恵さんが書き込みをされまして、私共鹿砦社の誹謗中傷、事実無根のことを書かれたものにリツイートをされているのですが。

  誰がですか?

佐野 影書房様がです。

  何のツイートですか?

佐野 李信恵さんが昨夜いくつか書き込みをなさってるのをご覧いただいたらわかると思うのですが(取材班注:上記を中心とする李信恵が書き込んだものを指す)。

  そんな、うちしてます?

佐野 例えば、「鹿砦社と名乗らずに自宅に電話を掛けてきた田所敏夫は、辛淑玉オンニの友人だと最初に云った。そして、知り合いの名前を出してきたけどなんかこいつおかしいよなあと思って聞いたら、信用させようとしたのか共通の知人の」云云かんぬんというものにリツイートされてますね。

  してないでしょう、もう一度見てください、うちのを(取材班注:再度ここに示す通り明確に影書房のアイコンが確認できる)。

李信恵ツイッターより

佐野 いや今、私見ています。

  そんなものはしてないです。

佐野 出てますよ。画面上に。

  してないです。映ってないです、そんなもの。

佐野 映ってない。「いいね」もされてませんか?

  してないでしょう。

佐野 影書房様のアイコンは丸くて影という字で、プロフィールは東京豊島区の出版社・(株)影書房(かげしょぼう)の公式アカウントです。新刊・重版案内、既刊書情報(たまにbot)など、云云かんぬん、でフォロワーが2,085名いらっしゃるのがアカウントですよね。

 

 

  
  してないと思いますよ、どう考えても(取材班注:ここで「していない」から「していないと思いますよ」とトーンダウンする)。

佐野 おふたりしかいらっしゃらないのに、ではどうしてここに出てるんですか?

  ええ、どこに? 見た限りはないですよ、そういうものは。

佐野 ではなぜ私に見えるのですか?

  いや、わかんないですけど、真面目にないです。ほんとに。

佐野 ではですね、もう一つ別のことをお尋ねしますね。

  すみません、なんでそういうことをおっしゃるんですか? 何のためにそういうことをお電話されてきてるのか。

佐野 事実無根のこと李信恵さんが書かれてるからです。

  それは李信恵さんに追及されればいいだけで、我々のことではないでしょう。そして我々はリツイートしてません(取材班注:明確な虚偽だ。「鹿砦社はクソ」と李信恵が書き込んだものにも、リツイートもしくは「いいね」をしていることが画面上から確認できる)。

佐野 リツイートしてないけど名前が出てるんですね。

  名前が出てるってどういう意味ですか?

佐野 リツイートしたところに何人いて、そこをクリックするとリツイートした人のアカウントが出てくるわけですよね。

  ああ。とにかく映ってないですよ。今見てますけれども。すみませんもう一度お名前をおっしゃっていただけます?

佐野 鹿砦社の佐野と申します。

  佐野さんですね。

佐野 それからごめんなさい、ちょっと前の話になるのですが(取材班注:佐野の話を遮って)。

  すみません、その前にリツイートしてません。リツイートしてなくって、なおかつ何だか言われてる意味がよく分からないんですけれども。

佐野 これ、他の人からも指摘があって、皆さんが見れるところでそうなってるんですけれども。

  私たちがそれをリツイートしてないですし。

佐野 他の方に乗っ取られたというか、アカウント利用された、勝手にやられたということでしょうか。

  今自分のアカウントで何をリツイートしたり何をツイートしたかというのを見てますけれども、リツイートしてないです。「オイラも寄稿しました。みんな読んでね。」というのが最近の李信恵さんのツイートのリツイートであって、その鹿砦社について李信恵さんがツイートしたことをリツイートもしてませんし、その内容について承知もしてないです。

佐野 影書房さんのマークは丸ですか、四角ですか?

  丸ですけれども

佐野 四角の時もあります?

  昔は四角でしたけどツイッター社が丸にしちゃったんじゃないですか? 今現在私も見てますけど、してないです。そして何か事実無根のこと、自分に対して何か事実じゃないことをどなたかがされているのであれば、いろいろ言われてるのであれば、言ってる相手にきちんと追及したりとかしていただきたいんですけど。

佐野 もちろんします。ただし影書房さんは本年5月28日に野間易通氏が敗訴をした時に書き込んだツイート、これ被害者の本名が晒されてますけれども、そのツイートにリツイートかけてますよね。

  それもちょっとわかんないです。そんなこと言われても。してないと思います(取材班注:多数の書き込みの中から誠実に過去のリツイートや「いいね」を探すのであれば、相応の時間と手間がかかろうに、この女性は一切検証をせずに「していないと思います」と断言している)。

佐野 思うじゃなくて、こちらスクリーンショット取ってありますよ。動かぬ証拠ありますよ。
 

 

 

  
  ですから、何ですか? 覚えはないです。申し訳ないですが覚えはないですし、それをしたかどうかわかんないですけど、一つ一つについて事実じゃないっていうことについて何か問題があるのであれば、それはやった人に対して言うべきでしょ。

佐野 もちろん言いますよ。言いますけれども、あなた方こういう前科があるからお尋ねしている。

  前科って何ですか。今すぐ5月何日の自分たちが何をリツイートしたかなんてすぐちょっとわかんないですけれども(取材班注:分からなければ調べて再度連絡をさせればよいだけのことだ)、申し訳ないですけど、しかもリツイートしてるっていうことが全部それに対して、学術研究書じゃないんですから、それについて「その通りだー」っていうふうに我々がコメントしてるんですか? 我々がそれを支持するようなコメントしてるんですか?

佐野 野間易通氏が書いている内容の中に書かれてはならない(取材班注:影は佐野に全てを言わさずに遮り)

  それを全面的に支持していつも賛同してるからリツイートしてるとも限らないんですよ、申し訳ないですけどツイッターの場合は。なんか論文を書いたりとか何か意見書を書いてるっていうのであればそういうことはあるかもしれないですけど、しかも自分の言葉で書いてるわけじゃないんですから。

佐野 「いいね」をしてますよ、しかもこれを。「いいね」ってことは。

  読んだってことでしょう。そういうことを読んだっていうこととリツイートしてそれに賛同してそれを承認しているっていうこととは意味が違いますし(取材班注:確かに批判的にリツイートで書き込みを取り上げることはあろう。しかし、影書房は李信恵の『♯鶴橋安寧』を出版し、そのツイッターを見ても、李信恵やそれに連なる人びとを批判的には「リツイート」あるはい「いいね」していないので、この「読んだってことでしょう」は全く説得力を持たない)。

佐野 「いいね」というのは賛同じゃないんですか。

  ツイートについてはそこまでは、ごめんなさい悪いんですけれども、こちらもその……。

佐野 書き込み自体が名誉毀損のものに、あなた方は「いいね」としいてるからお尋ねしてるんですよ。書き込みの中に本来書かれてはならない被害者の氏名が書かれてるにも関わらず、それに「いいね」をなさっているんです。四角い影の時に。

  誤解されていて、それを読んだということについて読んだこと自体も何か犯罪だってことなんですか?(取材班注:そんな質問は全くしていない)

佐野 違います。さっきおっしゃたようにリツイートにはいろいろ解釈があるかもしれませんね。だけどこれはリツイートじゃない。「いいね」をしてるんです。

  「いいね」という時には、私なんかもそうですけども、誰がそれをリツイートしたのか「いいね」を押したのか覚えがないんで申し訳ないんですけれども、「いいね」という時にはそれに賛同をという意味ではなくて、「読んだ」とか「そういうこともあるんだね」というぐらいのことで、軽い形で押してることは多々あります(取材班注:そんな話を聞いたことがあるだろうか)。

佐野 出版社としてはそんな(取材班注:またも佐野をさえぎって)

  ですから何かしらの我々の見解を求めるのであれば、これについてどうどう思うのかってことを言っていたのと、リツイートしただろう、「いいね」押しただろうということだけで我々がその内容について犯罪に加担してるみたいなことを言われるのもちょっと腑に落ちないんですけど。しかも電話でいきなり。

佐野 具体的に申し上げてますよね、リンチ被害者が野間易通氏を訴えて(取材班注:またも佐野をさえぎって)

  電話でそういうことを言ってくるのはちょっとおかしいと思います、はっきり言って。

佐野 なぜおかしいんですか。

  何がおかしいんですかではなくて。

佐野 あなたさっき明確におっしゃいましたね、リツイートしてないと。

  なんで我々に電話してくるんですか? なぜ我々に対してそういうことを求めてくるんですか?
  

 

 

  
佐野 あなた方は我々と同じ社会的使命を持った出版社だからです。個人じゃないからですよ。

  電話で、しかもあなたが今電話されてきたのは、まず最初に昨夜李信恵さんが書いたツイートをリツイートしたかどうかということを確認されてきましたよね。してません。今確認する限りはしてないです。

佐野 してないけど出てくると。

  してないっていうことと、もうしたとかしてないとかいうことと、それと何かいろいろと関連付けていろんなことを言われても困ります。話が。何ですかその、最終的に何が言いたくて言われてるのか。小出しにいろんなことを言われても困ります、ほんとに(取材班注:論理が破綻すると相当に興奮してこちらの話をほとんど聞かなくなった)。

佐野 小出しに言ってるんじゃなくて、あなた方が「いいね」とかリツイートとかしている内容には多く名誉毀損とか事実無根のことが含まれるものをリツイートしたり「いいね」されているので。

  そういうことについては、じゃあそれはあるかもしれないですねということで認めておきます。

佐野 1回2回だったら、別にわざわざお電話差し上げませんが

  それは名誉毀損であるかどうかってことについてももっと確認しなきゃいけないですよね。

佐野 明らかに名誉毀損ですよ、「クソ」って言われてるんですから。

  なぜ電話でそんなことを言われなくちゃいけないんですか?

佐野 我々西宮ですから。わざわざ出かけて行かれない。東京でしょ、影書房さんって。

  何ですか、あなたが今電話してきた目的っていうのは、何かあなたに対して名誉毀損を起こされていることがあって……。
 
佐野 鹿砦社に対してです。

  それについて我々が何か名誉毀損について加担したりとか承認してるんじゃないかってことを問いただしたいってことで電話してきてるんですか?

佐野 そういうことです。

  そしたら最初からそういうふうにおっしゃればいいじゃないですか。全然全体像が見えなくてわかんないですよ。こんな電話でそんなこと言われて。

佐野 それは一つ一つ具体的に確認をしていかなければわからないじゃないですか。

  なんで急にそんな取り調べみたいなことされなきゃいけないんですか、電話で。

佐野 あなた方がリツイートなさってるからですよ。

  リツイートしただけではそういう内容にならないでしょってことを申し上げてます。そんな大きなことを言うんであれば、きちんともっとちゃんと全体像について論理的に一つ一つちゃんとやってくださいよ。電話でそういうことを言ってくるのはおかしいんじゃないですか、いきなり。

佐野 おかしくないです。全くおかしくないです。取材ですから、これは。

  取材! 取材なら取材としてきちんとしてくださいよ、申し込みを。

佐野 申し込みをするしないじゃない、あなた(取材班注:またしても遮り)

  これ取材なんですね、取材ならちゃんと申し込みをしてくださって、ちゃんとこういうことがあってこういう前提でそれについて聞きたいってことをちゃんと説明されるのが筋ってもんじゃないですか? 電話の仕方がおかしいんじゃないですか? 取材の申し込みの仕方がおかしいんじゃないですか?

佐野 あなた方の勝手な理屈です、それは。

  いやいや、おかしいです。そんななんかそういうふうな言い方するなんて。

佐野 被害者側が被害を問いただして(取材班注:またしても遮り)

  被害者! その事件の全体像についてもきちんとおっしゃってくださらないのに誰が被害者なのか。今鹿砦社がっていうふうにおっしゃいましたよね。

 

 

    
佐野 そうですよ。

  鹿砦社が被害者の話なんでしょ。

佐野 そうですよ。

  それについて全然分かんないですよ。

佐野 分からないじゃないじゃない。

  いったい誰が何をしたのかっていうことが全然分からないんですから。

佐野 少なくも影書房さんの(取材班注:とにかく佐野に話す間隙を与えない)

  そういう説明を何にもしてないじゃないですか、電話の中で。

佐野 あなた黙って聞きなさい、人の言うことを、いい加減に。

  すみませけど一方的に取材だとか言いつつ、きちんと全体の説明もして下さらないのにお答えしようがないでしょう。

佐野 あなた聞かないからじゃない。

  聞かないからじゃなくて、あなたの説明の仕方がおかしいって言ってるんですよ。

佐野 違います、あなたが聞かないからです。私の言葉を遮るばかりで。

  違いますよ。なんか騙し討ちみたいな感じでいろいろ引っ掛けようとしてるように聞こえたので、あなたの言い分には乗らない方がいいなと途中で判断したんですよ。

佐野 言い分に乗らない方がいいんじゃ、じゃあこの今出ている(取材班注:重ねて遮られ)

  悪いんですけど、取材なら取材だっていうことできちんと申し込みをしてください。こんなふうに電話で最初にリツイートしただろうしてないだろうみたいな言い方とか、「いいね」をしただろうしてないだろうという言い方されるような形で話を引っ張ろうとするのは非常に不愉快ですし、正確に答えられません! 失礼します!

威勢よく電話を切った女性社員であった。上記に掲載した通り取材時点では確かに紹介した李信恵の最初の書き込みの末尾に「影」の文字が確認できる。ところが(事前に複数の証拠は確保していたが)取材後にさらにその様子を保存しようとツイッタ―を覗きこんだら、「影」の印が消えているではないか!

李信恵ツイッターより

電話取材終了後、半時間もたたずに、影書房はリツイートを削除したのだ。そうでなければ電話対応した女性が述べた通り、「リツイート」もしていないのだから、これもアカウント乗っ取りで「削除」されたのだろうか。

影書房の電話での回答が全く的外れであり、かつ猛烈な興奮状態でいい加減なことを発言しているのは、多くの読者にもご理解いただけるであろう。われわれは「クソ」と言われようが、それが市井の方であればいちいちこのように見解を糾しはしない。影書房はわれわれ同様、社会的存在の出版社ではないのか。あまりにも理不尽な回答にわれわれは、決して納得していない。何よりも李信恵の「鹿砦社はクソ」発言への「いいね」をいまだに残す出版社。それなりの覚悟ありと受け取める。
 

(鹿砦社特別取材班)

 

 

 
◎[参考記事]私はなぜ「カウンター」-「しばき隊」による大学院生リンチ事件の真相究明に関わり、被害者M君を支援するのか[松岡利康=鹿砦社代表]
 

最新刊『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)

AmazonでKindle版販売開始!『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)

重版出来!『ヘイトと暴力の連鎖 反原連―SEALDs―しばき隊―カウンター 』(紙の爆弾2016年7月号増刊)

体験しないと痛みは分からないのか、いや、体験をしなくとも想像力(イマジネーション)で痛みや恐怖を原型通りではないにしても、自分のものとして感じ、考えることは可能だろうか。私は後者でありたいと願っている。世界は無限だ。物理的な世界だけではなく、時間軸の世界も無限の広がりを持つ。実感に近づくために、日々暮らす世界から、未知の世界へ旅をしたり、調査・取材にでかければ、毎回発見はある。何度も通ううちに思わぬ見落としをしていたことに、気づくこともある。

一人の生涯が有限である以上、無限の世界をくまなく旅することが無理なのは自明だ。けれども、物理的な旅や調査に体を委ねなくとも、例えば書物で、あるいは映画や芸術作品を手掛かりに、または人から話を聞くことにより、未知の世界を旅することは読者の皆さんも無意識にご経験がおありだろう。

体や心が疲れ切って、現実逃避をするのだって、ちょっとした心の小旅行と言えなくもない。きょうは皆さんと、少しだけ、厳しい旅をしてみたいと思う。時間を今から70数年前に戻す。

◆あの日、なぜか親元から無理やりに連れ去られた

最初の景色は街である。私や皆さんは小学生に入学したてくらいの年齢で、なぜか親元から無理やりに連れ去られるところから、疑似体験は始まる。その「連れ去り」の意味など私たちには、もちろん誰もわかりはしない。でも親も「先生たちの言うことを聞いてちゃんと頑張るのよ」と言って私たちを送り出す。何人いるかわからない私たちは列車やトラックの荷台に乗せられて、山間部へと連れてゆかれる。

ぎゅうぎゅうに詰め込まれた列車のあちこちからは、いきなり、親元から連れ去られた子供たちの鳴き声が聞こえる。「黙れ!」とそれを抑えつける先生の大声が時々響きわたる。

どこかわからない山間部に到着すると、「鉄策の中に入れ」と言われる。順番に学校名と名前を言うと番号をもらう。それからようやく寝屋に案内された。山での生活は思い出したくない位に厳しかった。そして何より寂しかった。泣き止まず言うことを聞かない子の中には、林の奥に連れていかれたままで帰ってこない子もいた。

何カ月山にいたのか分からない。ある日「街に帰るから準備をしなさい」と先生が言った。また列車とトラックを乗り継いで街にもどった。そうしたら家(うち)がなかった。火事があったみたいで、家(うち)だけでなく町内全体が無くなっていた。お母さんはどこに行ったの。お父さんはどこにいるの。大人は知らない人ばかりで顔見知りの町内の人はだれもいない……。

◆学童疎開は「人道的配慮に基づく子供の保護」ではなかった

このあたりで、2017年に戻っていただこう。お気づきの読者も多いと思うが、これは「学童疎開」を体験したある子供の視点から見た1944~45年にかけての数カ月の出来事の大枠だ。

「学童疎開」は都市部には空襲の恐れがあるので、児童を空襲の危険が少ない山間部などに集団で避難させるためにとられた策だと、単純に考えていた。ところが先日あるお寺の方から「学童疎開は天皇の赤子を残すこと(次の戦闘員を確保すること)を目的に行われ、無料ではなく月に10円を親は払っていました」とのお話を伺った。この方ご自身も年齢的には、自分が親として子供を学童疎開に出した世代ではなく、あくまで「複数の人から聞いた話」との断りのうえであるが、だとしたら私が抱いていた「人道的配慮に基づく子供の保護」が「学童疎開」だったというあいまいな印象は改めなければならない。

◆星野光世さんの新刊で知った凄まじい「学童疎開」体験談

星野光世『もしも魔法が使えたら 戦争孤児11人の記録』(講談社)

そして、また聞きではなく、ご自身たちが「学童疎開」を経験し、その凄まじい体験を絵と文章で綴った、まさに「学童疎開」を経験された方の体験談が出版された。星野光世さんの『もしも魔法が使えたら 戦争孤児11人の記録』(講談社)だ。

「学童疎開」が結果として戦争孤児を産出し、彼らは家もなく路上生活者として生きるほかなかった。そしてその経験は後年まで彼らの心を苦しめ。星野さんが「学童疎開」の絵を描き始めたのも80歳を超えてからだったという。

戦争は国家意思による、壮大なバラィエティーの殺戮と、強制、略奪と非道理の集合体だ。「戦争はいけない」、「戦争反対」と言葉にすることはたやすいけれども(近年は言葉にすることはたやすい、とすら気軽に言えなくなってきているが)、この総体を理解するためには、細部を徹底して凝視して、そこから周辺の景色に思いを巡らせるような思索が有意義ではないだろうか。

戦争の全体像は教科書や映画で描き切れるものでは到底なく、被害を受けた個人個人にそれぞれのストーリーがあり、また加害側の人間の姿を探っていけば、驚くような浪費や贅沢放蕩の極みも見つけることもできる。

与えられた大雑把な印象から、細部を凝視することにより、あるいは自分がそこにいたらどう振る舞っただろうか、まで思考を広げ考察してみれば(かなりくたびれる作業ではあるが)戦争は遠い昔や、関係のない話ではなくなる。

それはこの島国の政府が愚かにも朝鮮のミサイルが明日にでも飛んできそうな、悪質な流言を広め、ミサイルが飛んで来たら「窓から離れてください」、「なるべく頑丈な建物の中に入ってください」、「頭を保護して下さい」と広報する内容の全くの無効性(仮にミサイルが飛んで来たら前記のどの手段を講じたって全くの無意味だ)と真逆に位置する、すぐれて「反戦」を指向する営為だ。

なんだかすべてが分かり切った、解決したような言葉で「敗戦記念日」が埋め尽くされそうであるならば、せめて個の内面で「未解決は未解決」だと問い直したい。

◎[参考動画]星野光世さんが語る「兄弟3人で集団疎開」(MEMORO 記憶の銀行 2010年8月5日Takashi Aihara 投稿)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!8月7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

灘中学校・灘高等学校の和田孫博校長が、歴史教科書採択をめぐって、「謂れのない圧力」を受けていることを示し、8月2日にインターネット上などで注目を集めた(http://toi.oups.ac.jp/16-2wada.pdf)。そんな現在、前回までに引き続き映画ネタとはいえ、「戦争のつくり方」についてともに考えていただくこととしたい。

◆「戦争は過去の連続線上にあるとするアナロジー(類推)は思考を阻害する」(四方田犬彦さん)

▽金子遊(かねこ・ゆう) 映像作家、批評家。ドキュメンタリーマガジンneoneo編集委員。著書に『辺境のフォークロア』『異境の文学』『映像の境域』、編著に『フィルムメーカーズ』『吉本隆明論集』『クリス・マルケル』『国境を超える現代ヨーロッパ映画250』『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』『アピチャッポン・ウィーラセタクン』など。共訳書にマイケル・タウシグ著『ヴァルター・ベンヤミンの墓標』。劇場公開映画に『ベオグラード1999』『ムネオイズム』『インペリアル』がある。

『インペリアル 戦争のつくり方』より

7月29日、『映像の領域』(森話社)刊行を記念し、本書の著者の映像作品を特集した「映像個展 レトロスペクティブ 映像作家 金子遊」が開催。トルストイ『イワン・イリッチの死』を本案とした16mmフィルムの劇映画『でろり』、詩人の吉増剛増、文化人類学者の今福龍太などが国内外を「疾走」するアートシネマ『ぬばたまの宇宙の闇に』、自殺した元恋人と一水会を追った『ベオグラード1999』、鈴木宗男の選挙活動に密着した『ムネオイズム 愛と狂騒の12日間』などが上映された。わたしは落ち着いたら『映像の領域』を拝読しようと思っており、金子さんの映像作品は『ムネオイズム』しか拝見していなかったが、この日は最後に上映された『インペリアル 戦争のつくり方』を観た。

『インペリアル』は、憲法改正後、国防軍が置かれ、徴兵制が復活した2045年という近未来を舞台に展開する。朝鮮半島で紛争が勃発し、アメリカの要請を受けて日本が軍事介入。第3次世界大戦を生き残った主人公ラサは、発電所跡地で旧式のコンピュータを用い、これら悲劇の映像を編集する。金子さんは60年代フランスのクリス・マルケル監督によるSF『ラ・ジュテ』を志向したそうで、近未来SFの中に著名人のトーク、15年に亡くなったあの福島菊次郎さんの写真、デモなどの映像が差し込まれている。そして、戦後100年目から過去を振り返るわけだ。

上映終了後、金子さんと、映像史家・四方田犬彦さんとのトークがおこなわれた。四方田さんは、「先行する映像の出自やコンテクスト(文脈)が落ちてしまい、その『歴史』は誰のイデオロギーかがわからなくなる。また、戦争は過去の連続線上に戦前のようにあるとニーチェの永劫回帰のように考えることは『鈍磨される』ことにつながるから、そのようなアナロジー(類推)はむしろ思考を阻害する」と語った。

◆「戦争への道」の可能性と「格差のつくり方」

たしかに、特定秘密保護法・安全保障関連法・改正通信傍受法、7月11日に施行された共謀罪新設の改正組織的犯罪処罰法の流れを受け、現在の政治情勢や社会状況を治安維持法や戦前になぞらえる意見は多くある。言論や活動は自由を奪われて自粛を余儀なくされ、意志を貫けば法で裁かれるのだ。安倍は今秋の臨時国会に自民党の憲法改正案を提出する方針を変えていない。だが、改憲以前に、「戦争づくり」は着々と進んでしまった。

そして戦争は冒頭の灘校長のような人に圧力を加えながら以前のようにつくられていく。ただし個人的には、経済的徴兵制はすでに始まっており、集団的自衛権の行使も進めようとされるものと考えているが、基本的には朝鮮半島の南北は互いを同じ民族と考えていて親戚同士離ればなれの人も多いうえに文在寅(ムン・ジェイン)さんが大統領に就任したために朝鮮半島で紛争が勃発する可能性は低いとも思う。朝鮮が先制攻撃をすることもないだろう。それよりも、危機を煽り続けて軍事ビジネスや保守的な政治をアメリカや日本が進め、今以上に民主主義は後退し、格差が拡大するということのほうが現実的な問題としてここにあるように感じる。その結果どうなるかは、中東が参考になるかもしれない。

『インペリアル 戦争のつくり方』より

『インペリアル』では、実は福島瑞穂さんが、四方田さん同様、姿・形を変えた戦争への道について口にしている。また、トークの場で金子さんは、「観る人は完成した作品を、そこにあるものとして観る。イギリスの文化人類学者・ティム・インゴルドの『ラインズ 線の文化史』(左右社)では、つくることは〈線〉に沿って進行し、事前にデザインされたものであり、ビッグピクチャーがあるという。僕はもともと『ラ・ジュテ』のような映画をつくりたいと考えていて、そこに出演希望者が現れ、福島菊次郎さんに写真の使用許可をいただき、ミュージシャンとの出会いもあった。政治思想が先にあったわけではない」と語った。

その前後にも興味深いお話はさまざまにあったが、ここからは「映像作家・批評家・民族学者などを横断し、アイデンティティの揺らぐおかしなわかりづらい人といわれる」という金子さんに対する、わたしなりの理解(誤解?)を書いてみたい。

◆現象、思考、感覚などの記録と表現

『インペリアル』の感想としては、「これはまさに金子さんの『ホレタの寄せ集め』だな」というもの。わたしは金子さんが編集委員を務めるドキュメンタリーカルチャーマガジン『neoneo』(#09 完全保存版「いのちの記録 障がい・難病・介護・福祉」全国大型書店、ミニシアター、ミュージアムショップ等で発売中)とそのサイトのお手伝いを時々させていただいており、他の仲間から「『neoneo』は記録を残したいという彼の意志の反映」と聞いている。金子さんは日常的にカメラをまわし続け、それが本作の素材にもなっている。ちなみに『インペリアル』は、12月に上映の予定もあるそうだ。

そして、60~70年代の邦画とドキュメンタリーを好むわたしは、テイストとしても本作を好ましく感じた。なかにはあまり共感できない意見も登場はするし、ヘイトスピーチともなれば彼らの登場直後に会議で「単なる弱い者いじめ」と確認しあって基本的には批判的な原稿を書いたこともあるわたしだが、それも記録と捉えれば理解はできる。別の映像製作者の知人は、「日常からしか作品は生まれない」という。

70年代安保世代などにも現在でも映像に携わったり社会運動から作品を生み出す人はもちろんいるが、格差や貧困の問題に注目が集まり、運動に参加する人が増え始めた2000年代後半頃からデモなどの現場でもムービーカメラをまわす人が増えた。また、映像機器の価格が手頃になって扱いやすくなり、ソフトも一般に普及し始めて、周囲の紙媒体の現場からも映像に携わる人が増加。映像のインパクトや要素の広さ、新たな表現などに引かれる人が増え、才能が移っていったのだろう。

現場に向かう彼らは「メディアアクティビスト」と呼ばれたり名乗ったりするようになり、カルチャーの世界にも政治の季節がやってきた。そしてわたしも彼らを真似ようとして「アクティビストライター」と名乗ってみたり、仲間や友人との雑談の際にもICレコーダーをまわしたこともあった。いろいろ面倒ですぐにやめたが、現在でも、日常の「感覚」など過ぎゆくものの一部をどこかに記すように心がけている。

金子遊さんの新刊『映像の領域』(森話社2017年6月)

では、人のさまざまな記録や作品は、どこにつながっていくのか。それはたぶん、それぞれの好む、それぞれの望むところであって、多くが好み、望み、行動を始めるなら、未来は変わる。本作を観てきっと誰もが思うことは、好んだり望んだりしていない戦争に、勝手に巻き込まれるなんて真っ平御免、ということだろう。嗚呼、よかった……。

そして新刊『映像の領域』では、映像メディアがアートと接触する領域と、映像批評と他者の文化研究が重なる領域について触れているそうだ。『neoneo』をある人は「ドキュメンタリーとアート」を評する媒体であるといい、またある人は「ドキュメンタリーと史実をもとにした劇映画」を取り上げる媒体だという。アートは気質のようなものであり、文化が背景と無関係ではいられないからこそのカルチュラルスタディーズだというのがわたしの感覚だが、不勉強なので後日また機会があれば本書を読んだうえでここに触れてみたい。そして、いいたいことを直接的にいうことやきれいにまとめたい気持ちをぐっとこらえて、「揺らぎまくるアイデンティティ」「おかしさ」「わかりづらさ」で突きぬけたような次回作を、わたしは(勝手に)心待ちにする。


◎『インペリアル 戦争のつくり方』(予告編) “Imperial : How They Create a War” Trailer

▼小林蓮実(こばやし・はすみ)[文]
1972年、千葉県生まれ。フリーライター、エディター。『紙の爆弾』『現代用語の基礎知識』『週刊金曜日』『現代の理論』『neoneo』『救援』『労働情報』などに寄稿。労働や女性などに関する社会運動に携わる。『教育と文化』88(2017 Summer)号に竹信三恵子さん『正社員消滅』(朝日新書)の書評掲載(一般財団法人 教育文化総合研究所

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

〈東京都の小池百合子知事(65)の側近、若狭勝衆院議員(60)=無所属=が7日、国会内で会見し、政治団体「日本ファーストの会」と、政治塾「輝照(きしょう)塾」を設立したと発表した。政治塾は9月16日に都内で開き、講師は小池氏が務める。同塾には現職の国会議員らの参加も認めるとし、年内の新党結成と次期衆院選を見据え、活動を本格化させる。小池氏と安倍晋三首相(62)との関係は良好だが、将来的な2大政党制を目指すため、小池首相誕生の“受け皿”が出来上がった形だ。〉
「スポーツ報知」2017年8月8日付

若狭勝「日本第一党」代表の自民党離党前HPより

若狭勝同上HPより

「将来的な2大政党制を目指すため、小池首相誕生の“受け皿”が出来上がった形だ」といった能天気な記事は出典がスポーツ報知だから仕方ないか。しかし、若狭らの言語感覚には驚かされた。せいぜい「国民ファースト」くらいで、我慢するかと思いきや、そのものズバリ「日本ファースト」だそうだ。「国民の生活が第一」がキャッチフレーズの小沢一郎を意識したのかもしれないが、それにしても「都民ファースト」が東京都民第一と解説していたのだから「日本ファースト」は「日本第一主義」と党名から解釈されても仕方あるまい。おそらく政策の云々以前に諸外国からは警戒の声が上がるだろう。

外国の反応を待つまでもなく、私はこの名前の響きに強い嫌悪感と不快感を覚える。出自が現代の極右政党自民党からの離脱組のこと、関西では古臭い「維新」を持ち出し、名古屋ではすっとんきょうな「減税日本」が生まれ、いよいよ東京では「日本ファースト」こと「日本第一党」が誕生したというわけである。

◆公明党=創価学会の影響力

遅すぎた支持率低下に直面している極右自民党の安倍政権と、宗教政党である公明党の連立与党は、公明党支持者≒創価学会の意向を受けた投票行動により自民党議員の当選を支え、公明党が提唱する些細な政策に一応の配慮を払い「マニフェスト実現率100%」などと公明党が宣伝できる環境を自民党が用意できる関係性がすべてだ。

そのために創価学会信者の間では国政選挙や都議選などの複数人区では投票日直前まで、状況分析が行われ、1日あれば連絡網でだれに投票せよとの指示が行き渡るネットワークが構築されている。国政選挙で公明党が得る票の総数は毎回おおよそ700万票の後半から850万票の間だから、自民党としては絶対に公明党、いや正確に言えば創価学会との関係は断ち切りたくはない。

しかし公明党もなかなかの策士であり、都議会ではいち早く自民に見切りをつて、小池知事支持に回り、その結果史上空前の23議席という大惨敗を自民は喫することとなった。痛いほど公明党の力を実感させられたことだろう。

そして「日本ファースト」こと「日本第一党」の発足である。はっきり申し上げておくが、こんな政党が大きくなり、万が一政権交代が行われたところで、自民党から民主党へ政権交代が行われた10分の1も変化は生まれない。なぜなばら、彼らは枝葉で自民党との差異を強調していても、経済、福祉、外交、憲法などについての根本政策は自民党となに変わることない団体だからだ。

一縷の期待や望みを「日本ファースト」こと「日本第一党」にかけるのは全くの誤りであり、それは間接的に現体制から、やがてやってくる右派政党の統一(かつての大政翼賛会の21世紀版)を利するに過ぎない。ご覧いただきたい。自民党と、維新と、日本ファーストの政策。どこに大きな違いがあるというのだ。

◆「日本第一党」代表の若狭勝は元東京地検特捜副本部長の要注意人物

若狭勝同上HPより

若狭勝同上HPより

若狭勝同上HPより

「日本ファースト」こと「日本第一党」の代表に就任した元検事、若狭勝は、自民離党前から怪しい動きをしていた。まるで検察時代に国策操作を行うように。若狭は東京地検の特捜副部長や公安部長を務めたことのある人間だ。

東京地検特捜時代に政治がらみの大きな仕事をした形跡はないが、逆にもう廃刊されたが『噂の真相』名誉棄損事件を指揮し、『噂の真相』発行人の岡留安則とデスクが有罪判決を受けている(この東京地検特捜による『噂の真相』名誉棄損事件がのちの『鹿砦社』弾圧に、勢いをつけたのではないかと指摘する声もある)。

若狭は2013年の参議院選挙に比例区から出馬していたが、陣営の人間は全くといていいほどやる気がなかった。忘れもしない、北千住駅前で街頭宣伝の準備に通りかかっていた運動員たちは、猛暑もあってではあろうが、動きが鈍く日焼けした顔で「ああ、もうやめたい」と声を上げていた。

話を聞くと頼まれれば応援に赴く「選挙屋さん」ともいうべき人たちが世の中には結構いるようだが、彼もその一人で知人を介して若狭の選挙活動応援を依頼されたらしい。「だめでしょう。比例でこの様子だと。東京での反応もさっぱりですもん」と、勝負が決まる前から運動員がこんな言葉を吐いていいのか、というやる気のなさだった。若狭は「国会議員には法律の専門家がいない。私は元検察官として、弁護士として法律の専門家だから、国会議員になって法律の専門家の立場から法律を作りたい」と、抑揚のない演説をしていた。果たしてこの選挙では運動員の読み通り若狭は落選の憂き目を見る。

しかし、侮ってはならない。「日本ファースト」こと「日本第一党」の代表には強烈な個性よりも、少しぼんやりしている人間がふさわしい。そうでないと党名の、過激さと相まって、攻撃の標的になる恐れがあるからだ。そこへいくと、東京地検特捜副本部長を職歴は強みを発揮するだろう。

細胞分裂のように、一度は別の個体として分かれても成長すればやがて同じ組織体や有機体の器官を構成する。維新も、日本ファーストも果たす役割は同じだ。いずれ自民党という「お里」に帰ることを予言しておく。


《参考動画》【録画】若狭勝氏が「日本ファーストの会」立ち上げへ(THE PAGE 2017年8月7日にライブ配信)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!8月7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

『NO NUKES voice』12号【特集】暗い時代の脱原発──知事抹殺、不当逮捕、共謀罪 ファシズムの足音が聞こえる!

 

 

 
ついに、本物の知性と勇気による本格的な「M君リンチ事件」への骨太の論評が発表された。8月10日発売の『救援』(救援連絡センター発行)紙上で、東京造形大学教授、前田朗氏が「反差別運動における暴力」を論じている。われわれ取材班は前田朗氏に書籍を送ってはいるが、直接に見解を伺おうと、尋ねたことはない。本論はあくまで前田氏が自身の発意によって執筆され発表されたものである。

◆〈知識人〉としてまっとうな前田朗氏の態度

鹿砦社より出版した『ヘイトと暴力の連鎖』『反差別と暴力の正体』『人権と暴力の深層』をお読みいただいたようで(取材班注:前田氏は以上3冊をまとめて「本書」と呼んでいる)、

「本書のモチーフは単純明快である。反差別の運動内部において暴力事件が発生した。反省と謝罪が必要であるにもかかわらず実行犯は反省していない。周辺の人物が事件の容認・隠蔽に加担している。被害者Mは孤独な闘いを強いられてきた。このような不正義を許してはならない」

「反差別と反ヘイトの思想と運動は差別にも暴力にも反対しなければならない」

「筆者は当時、事件関係者に知り合いはなく、事件発生を知らなかった。しかし、後にCの反ヘイト裁判支援のため裁判所に意見書を提出した。その後に事件があったようだと知った」

「SEALDs及びしばき隊とは、安保法制反対闘争の中で、運動方針の違いから対立する局面を体験してきた。筆者は救援連絡センターの運営委員であり、刑事司法に関する認識が異なるからだ」

「他方、筆者はのりこえねっとの共同代表の一人である。のりこえねっとには22人の共同代表がいる。そのうち辛淑玉、中沢けい、鈴木邦男、宇都宮健児の4人が本書の批判対象である。共同代表は一堂に会したことも、運動方針について全体で討論したこともない。反ヘイトのためのもっともゆるやかなネットワークであり、それぞれの立場で発言している」

「いずれにしろ暴力は許されない」

「特にCの反ヘイト裁判が焦点となる。Cをヘイト団体やネット右翼から守るために、本件を隠蔽するという判断は正しくない」

「Cが重要な反ヘイト裁判の闘いを懸命に続けていることは高く評価すべきだし、支援するべきだが、同時にC本件においてはCも非難に値する」

「反差別・反ヘイトの闘いと本件においてCを擁護することは矛盾する」

「しかし、仲間だからと言って暴力を容認することは、反差別・反ヘイト運動の自壊につながりかねない。本書が指摘するように、今からでも遅くない。背筋を正して事実と責任に向きあうべきである」

この上なく簡潔かつ的確にわれわれの取材意図を要約してくれている。ここまで書いてもらえば、取材班はなにも付け足すことはない。出版意図を正確に読み解いていただき、そして理解し自らの見解を公にしてくれた前田氏の〈知識人〉としてのまっとうな態度に、深い敬意を覚えるものである(もちろん公的な場面での意見表明はなさらずとも「本書」をお買い上げ頂いた方々、「M君」の裁判支援をして下さる方々へも、取材班は感謝の念に堪えない)。

前田朗氏の論評「反差別運動における暴力」(2017年8月10日付『救援』より)

 

 

 
◆他の「のりこえねっと」共同代表の人たちに願うこと

なぜならば、同評論の中で前田氏自身が述べている通り、前田氏は「のりこえねっと」の共同代表の一人であり、同評論でCと記載されている李信恵の裁判支援にもかかわっている方でもあるからだ。「救援」紙上に長く寄稿されている前田氏のことであるので、少々の圧力や嫌がらせに屈することはあり得ないが、取材班が大枠で「敵性認定」をするに至った「のりこえねっと」の共同代表でありながら、事実を正確に読み解き、真実に迫る判断を開示してくれた、前田氏の姿にこそ、腹を据えて持論を展開することのできる、真の言論人の矜持を見る。

前述したとおり、この論評は取材班が依頼したものではなく、前田氏が自発的に発表されたものである。その内容に取材班は深い敬意を禁じ得ないとともに、100%同意するわけでもないことを述べておく必要があろう。それは前田氏が正直に、

「本書が批判する野間易通、有田芳生、辛淑玉、中沢けい、上瀧浩子とは面識があり、いずれも敬愛する運動仲間である」

とまで前田氏の見解を明らかにしてくれている部分があるからだ。しかし、だからといってわれわれは前田氏に「認識不足だ。本書を読めば連中の悪行は明らかじゃないか」と、さらにわれわれの立場や、見解に同意するよう求めたりはしない。事実を一つづつ見ることの大切さと、「反差別裁判と、暴力事件を混同してはならない」との、きわめて重要な原則を前田氏は開陳しているのであり、その総論を度外視して、部分的な批判を展開することは、なんら積極的な議論を生まないと、われわれは考える。譲ってはならない、許してはならない。「暴力は許されない」という大前提に立脚すれば、前田氏の論はたとえ友好関係がどのようなものであれ、高く評価に値するのであり、「M君リンチ事件」には諸相が複雑に入りくんではいるが、根本は前田氏が提示する原則と問題点に収斂されるからである。

すでにご承知のように、われわれ取材班のひとり田所敏夫は、「のりこえねっと」共同代表で、この団体を起ち上げた辛淑玉氏と訣別し、決別状をこの「通信」、及び『反差別と暴力の正体』に掲載している。また、鹿砦社代表の松岡は、やはり「のりこえねっと」の共同代表・鈴木邦男氏と、本「通信」6月27日号で、実に30数年の関係を義絶している。それほどまでして取り組む「M君リンチ事件」について、前田氏は、われわれの本気度と、事件の反差別運動のみならず社会運動全般における悪しき影響を感じられたからこそ、本記事を書かれたものと推察する。前田氏以外の「のりこえねっと」共同代表の方々、また関係者が、前田氏の真摯な意見を真正面から受け止めていただくことを心より願うものだ。

可能な限り多くの人びとに前田氏の論評をお読みいただきたいと切に願う。そして最後に繰り返す。われわれ取材班は「差別」にも「暴力」にも反対の立場を崩したことはないと。

(鹿砦社特別取材班)

◎[参考記事]私はなぜ「カウンター」-「しばき隊」による大学院生リンチ事件の真相究明に関わり、被害者M君を支援するのか[松岡利康=鹿砦社代表]
 

最新刊『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)

AmazonでKindle版販売開始!『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)

重版出来!『ヘイトと暴力の連鎖 反原連―SEALDs―しばき隊―カウンター 』(紙の爆弾2016年7月号増刊)

下記は今年6月17日付けの毎日新聞の記事だ。ここでの放影研の丹羽太貫(にわ・おおつら)理事長の発言は、一見殊勝にも見間違いかねないほど、悪意に基づいた「ごまかし・欺瞞」に溢れている。

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)が、(著者注:6月)19日に被爆者を招いて広島市で開く設立70周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪することが分かった。放影研トップが公の場で直接謝罪するのは初めてとみられる。丹羽理事長は「人を対象に研究する場合は対象との関係を築くのが鉄則だが、20世紀にはその概念がなかった。我々も被爆者との関係を良くしていかなければいけない」としている。

ABCCでは被爆者への治療は原則行わず、多くの被爆者の検査データを集めた。被爆者たちは「強制的に連れてこられ、裸にして写真を撮られた」などと証言。「モルモット扱いされ、人権を侵害された」と反発心を抱く人が少なくなく、「調査はするが治療はしない」と長く批判を浴びてきた。 (中略)

一方、被爆者を裸にして検査をしたり遺体の献体を求めたりしたことについて、丹羽理事長は「米国側が日本の習慣などを十分理解しておらず、文化摩擦があった。だがサイエンスとしては必要だった」との見方も示した。

放影研歴史資料管理委員会委員の宇吹暁・元広島女学院大教授(被爆史)は謝罪について「放影研は被爆2世、3世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」とみている。

丹羽太貫放(にわ・おおつら)放影研理事長の略歴

◆広島・長崎・福島を繋ぐ「放射線マフィア」本流

放影研もしかし、こんな経歴の男に「謝罪の真似」をさせるのだから、逆効果が出てもしかたはあるまい。放影研理事長、丹羽太貫の経歴を見て頂こう。

京都大学医学部 1975-1984年 放射線基礎医学教室助手
広島大学原爆放射能医学研究所
 1984-1991年 病理学教室助教授
 1991-1997年 病理学教室教授(1994年の改組により分子病理分野と改名)
京都大学放射線生物研究センター
 1997-2007年 教授
 1999-2003年 センター長
(独)放射線医学総合研究所重粒子医科学センター 2007-2009年 副センター長
バイオメディクス株式会社 2009-2012年 代表取締役社長
福島県立医科大学 2012-2015年 特命教授
放射線影響研究所 2015-現在 理事長

丹羽太貫放影研理事長は一貫して「放射線マフィア」の中心街道を歩んでき来た人間であり、ことに2012年に福島県立医大の特命教授に就任したあと、2015年から現職にあることが、この男の素性すべてを物語る。そして、京都新聞の8月6日朝刊では、丹羽は6月、「批判を重く受け止め、心苦しく思う」と放影研の「設立70周年式典」で被爆者に「謝罪」したと報道されている。「心苦しく思う」のどこが、謝罪なのだ。

「『調べるだけで治療せず』非難なお根強く」との見出しの通り、放影研はその前身のABCC(Atomic Bomb Casualty Commissionは「原爆傷害調査委員会」と)発足時より被爆者の調査を行い、そのデータを収集するという明確な目的はあったが、他方被爆者への治療などは「まったく」眼中になかった。その歴史は長くにわたり批判の対象となっていたけれども、丹羽はあたかもその過去を「反省」したかのような「雰囲気づくり」に一芝居うっただけであり、丹羽の言葉のどこにも「治療しなかったことが誤りであり、申し訳なかった」という趣旨の言葉は見つからない。

◆福島で表れた丹羽太貫の本性

それどころか、下の映像をご覧いただきたい。これが丹羽の本性を現すのには最も適格な材料だろう。


◎[参考動画]委員と傍聴者が怒鳴り合い~環境省専門家会議(OPTV2014年11月27 日公開)

福島第一原発事故後の環境省専門家会議で、出席者の一人である丹羽は傍聴席に向かって、罵声を飛ばし、威嚇までしている。詳細な説明は不要だろう。この男の本性をしっかりご覧いただこう。ちなみにこの専門家委員会の委員長は長瀧重信(ながたきしげのぶ)で、丹羽以上に「放射線マフィア」界隈では大物だ。長瀧は長崎大学医学部長や、放影研理事長を歴任している。こういった連中が環境省専門家委員会で事故後に至るも平然と大きな顔でのさばり、あろうことか、丹羽は傍聴者を威嚇までしている。

毎日のように、このような場面が多数の人々の目に触れれば、彼らがどのような魂胆の持ち主かが何も知らない人びとにも伝わりやすいのだろうが、なかなかそうはいかない。一言も謝罪をしていない不思議な「謝罪」を行った丹羽が理事長に君臨する放影研は、3年前から福島第一原発事故作業員約2万名を対象にした「調査」を行っている。作業員に体調不良者や白血病が見つかっても、放影研は当然治療をしてはくれない。

原爆による被害者が調査資料を得るための「モルモット」であったのと同様に、福島第一原発事故収束のために働いた人びとも、被爆影響がどのように現れるかの「人体実験」サンプルとして調査の対象にされるだけであることは間違いない。

◆広島、長崎、福島の犠牲者を「モルモット」扱いする放影研の閉鎖廃止を求める

放影研の評議員一覧

放影研の運営(評議員)には今でもあやしい米国人の名前が複数、目につく。

丹羽は「われわれは科学を介して原爆の影響を世界に発信していきたい。そうすることが協力してくれた被爆者への恩返しになる」と述べているが、被爆者は核推進論者により捻じ曲げられ発信される「原爆の影響」などを望んではいまい。

いっそうのこと、広島市と長崎市は原爆の負の遺産である放影研の立ち退き、あるいは閉鎖を要請してはどうだろうか。犠牲者を追悼する方法には様々な手段があっていい。祈る人は祈り、精霊流しをする人はそれに思いを込め、犠牲者を「モルモット」扱いした非人道的組織、放影研の閉鎖を求める声がそのバリエーションの中にあってもよいのではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

8月6日広島・世界のゆがみ──安倍晋三首相に問う「大いなる背理」(田所敏夫)
 

愚直に直球 タブーなし!8月7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

先に大学院生リンチ事件加害者・李信恵氏による「鹿砦社はクソ」発言に対して、日々一所懸命に働いてくれている社員や、支えていただいている取引先、ライターさんらのためにも決して看過できず、私なりの意見を表明させていただきました。これに対して李信恵氏からのリアクションは今のところありません。

◆「反原連」imai tko氏によるSNS上での誹謗中傷の数々

ところが、李信恵氏ら「しばき隊」-「カウンター」につながる「反原連」(首都圏反原発連合)の中心メンバーである、ハンドルネームimai tko氏(現時点では本名はあえて秘す)が、同様な誹謗中傷を行っていることを知らされました。普段、ツイッターやSNSの類を業務で用いることは、最小限にとどめているため、ネットパトロールが不徹底で、最近に至るまでこの事実は判りませんでした。

主なものを以下挙げますと、
○「実名出したりプライバシー暴いて挑発するっていうのは、鹿砦社が以前から確信的にやってる手口」(7月29日)
○「ネトウヨ御用達アカウント、鹿砦社」(同日)
○「鹿砦社アカウントに連なるネトウヨ、レイシストの群れを見れば、鹿砦社の本性がよく分かる」(6月10日)
○「『特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している』アカウントとして通報しました。→@digital_rokusaiデジタル鹿砦社通信」(6月9日)
○「こういう風に個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力で、それを見て見ぬふりする浅野健一氏などの取り巻きも本当酷い」(6月8日)
○「鹿砦社のアカウント見れば分かるけど、RTされているのは殆どネトウヨという、ネトウヨ御用達アカウントと化している」(6月2日)
などです。

◆いわゆる「阪神案件」での実名表記について、これは事実と全く異なります

さらには、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件の、いわゆる「阪神案件」での実名表記について、不審な亡くなり方をした阪神スカウトの長女が松岡に罪を押し付けるために陳述した箇所を探し出してきて歪曲し、「“松岡社長からは、『いっそのこと、お父さんを殺した犯人だと思う人を実名で本に掲載し、阪神球団関係者らに挑発してみてはどうでしょうか。相手が訴訟を起こしてくると、おもしろい展開になるかもしれませんよ』と…”と鹿砦社・松岡氏の常套手段」(7月29日)と書き込んでいます。

これは事実と全く異なります。実名表記については長女が主唱し、当社及び松岡は反対したものの、その強い意思と態度のためにやむなく応じたものにすぎません。事実、実名表記長女主唱については一審判決において認定され、長女が控訴しなかったためにすでに確定しています。それにもかかわらず充分な調査もせず(あるいは事実を知っていながら)事実と全く異なることを殊更にあげつらうimai tko氏の行為には、強烈な悪意があるとしかおよそ考えられません。なお、前科に関わる事項に関し、悪意をもって事実と異なる内容を公にする場合、刑事上の責任を負う可能性があることは言うまでもありません。

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書1/3頁

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書2/3頁

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書3/3頁

◆imai tko氏が誹謗中傷をくり返す2つの要因

私は李信恵氏同様imai tko氏にも一面識もありません(ひょっとしたら、反原連との短い蜜月期間〔1年半〕に1度だけ開いた懇親会で顔を合わせているやもしれませんが、名刺交換をしているわけでもなく記憶にありません)。なのに、なんでここまで誹謗中傷と名誉毀損をなされなければならないのでしょうか。

思い当たる要因は、次の2点です。

ひとつは、反原連からの絶縁声明を出された(2015年12月)後に『NO NUKES voice』で3号にわたり反論を掲載していますが、ここで「ミサオの同居人」と記したことに過大な不快感を露わにし「たんぽぽ舎」の方々に当たり散らしていたということです。imai tko氏は、反原連の女帝=ミサオ・レッドウルフ氏と同棲していますが、正確には、ミサオ氏がimai tko氏の自宅に転がり込んできたようで、「ミサオの同居人」という表現は不適切だということのようです。それならそれと、たんぽぽ舎の善意の方々に当たり散らすのではなく、なぜ直接私に言わないのでしょうか? 

ふたつ目は、この「通信」でもご報告していますように、4月15日に私はたんぽぽ舎主催の講演会で、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件について話させていただきました。これには90名ほどの方々にお集まりいただき大盛況でした。これに最後まで執拗に反対したのがimai tko氏でした。最終的には打ち合わせの会議に私も出席し(imai tko氏は欠席)全員一致で開催されることが決定いたしました。

imai tko氏はこの時まではたんぽぽ舎の運営委員だったということですが、私の講演の直後、みずからたんぽぽ舎を去られました。長年、たんぽぽ舎で活動されていたということですが、そうした2つの理由でたんぽぽ舎を去られるに至ったことには忸怩たる想いがあります。

◆具体的な事例を挙げていただきたい

私たちが「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」? 「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」? 「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」? 「ネトウヨ御用達アカウントと化している」? …… 具体的な事例を挙げていただきたい。

私たちは一般市民の「実名出したりプライバシー暴いて挑発」したり「個人情報を晒して嫌がらせ」をした覚えはありません。あくまでも(準)公人やみなし公人に的を絞っています。『NO NUKES voice』や、3・11直後に出した『タブーなき原発事故調書』などで原発事故のA級戦犯らのプライバシーは暴いたことはありますし今後も必要に応じてやるつもりです。

◆「はすみリスト」公開や高島章弁護士への暴言攻撃はどうなんですか? 

ところで、「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする」といえば、すぐに思い出すのは、imai tko氏らにつながる「しばき隊」のメンバーで「闇のあざらし隊」を名乗る男が、勤務するセキュリティ会社のデータを取り出し暴露した「はすみとしこしばき事件」があります。はすみとしこのイラストにフェイスブックで「いいね!」した人の名前や住所、勤務先などをリスト(「はすみリスト」という)にして公にし「個人情報を晒して嫌がらせを」し大騒ぎになったことを思い出します。imai tkoさん、これはどうなんですか? 

また、これもimai tko氏らとつながる新潟日報の報道部長(のちに退職)による、高島章弁護士(大学院生リンチ事件の被害者M君の代理人の1人でもあります)に対して「弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。クソ馬鹿ハゲ野郎!」という暴言攻撃、右派系女性に対する「お前の赤ん坊を豚のえさにしてやる!」攻撃は? はっきり答えてください。

さらに挙げれば、私が反原連やSEALDsに疑問を持った大きなきっかけとなった、韓国からの京都大学研修生・鄭玹汀(チョン ヒョンジョン)さんに対して、imai tko氏につながる者らによってなされた、人権侵害ともいえるネットリンチについても、imai tko氏はどうお考えなのか? それらこそ「ペンの暴力」ならぬ「ネットの暴力」ではないのか? 私たちに対して「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」とか誹謗中傷するimai tko氏には答える義務があります。

◆imai tko氏には8月4日付けで「警告書」を送りました

ともあれ、imai tko氏による誹謗中傷と名誉毀損は、黙っていれば繰り返されると思われ、断固抗議し、謝罪と今後繰り返さないことの誓約を求めて、8月4日付けで「警告書」を内容証明郵便にて送りました。回答期限は、「警告書」到着後7日以内です。この件につきましては、今後、事の成り行きをご報告いたします。
 

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

◆世界のゆがみを体現した核兵器禁止条約──その中に日本はいない

1945年の核兵器数(朝日新聞2016年5月26日公開「世界の核兵器、これだけある」より)

1955年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1965年の核兵器数(朝日新聞同上より)

なんたることであろうか。「核兵器禁止条約」の交渉会議には124ヵ国が参加して122ヵ国が賛成(反対はオランダ、シンガポールは棄権)し、100ヵ国以上が署名する見込みだというのに、その中に「日本」は入っていない。下記記事にある通り「米国の同盟国である」からがその理由なのだそうだ。史上初めて原子爆弾を実戦で使い、数十万の人々を殺戮した米国に対して、殺戮された側のこの島国が「同調」したのだ。

〈核兵器の使用や保有などを法的に禁止する国際条約。核兵器は非人道的で違法なものであると明示し、加盟国に核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、核兵器を使用すると威嚇する行為も禁じている。2017年3月から米ニューヨークの国連本部で制定に向けた交渉が行われ、同年7月、交渉会議に出席した124カ国中122カ国という圧倒的多数の賛成により採択された。条約は同年9月から署名手続きが開始され、批准国数が50カ国に達してから90日後に発効する。100カ国以上が加盟する見通しだが、条約交渉に参加しなかった核保有国の米英仏は署名の意思がないことを表明し、米国の同盟国である日本も同調する姿勢を示している。〉
(出典=朝日新聞2017年7月11日)
※[参考インフォマップ]世界の核兵器、これだけある(朝日新聞2016年5月26日公開)

まことに不思議な精神構造だなぁ、と毎度のことながら呆れかえる。たしかにあらゆる側面でこの島国は米国の属国のように、主体なき振る舞いを国際社会で何の恥も感じずに続けてきた。戦後の歴史を振り返るにつけ、1945年の敗戦と、戦後が果たして断絶しているのか、あるいは表面上異なるように見えながらも精神性は連続しているのかが大いに気にかかる。この現象については政治学や社会学、さらには精神医学の立場からも多くの研究があり、また文学界においても、大きなテーマであり続けた。

◆「鬼畜米英」の狂信が敗戦と共に「米国追従」に反転した

1975年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1985年の核兵器数(朝日新聞同上より)

多彩な分析や研究にあたると、「なるほど」とこれまで気づかなかった視点を与えられることは多々あるが、直前まで「一億火の玉、本土決戦」、「鬼畜米英」と竹やりで重武装軍隊に対抗しようという、常軌を逸した狂信が、敗戦とともに「うそだ!」と言わんばかりに反転する。「生きて虜囚の辱めを受けず」など、とにかく戦場では「死ね」と言明していた指導者たちで、戦犯認定を受けて死刑になった人以外の、生き残った人びとは、戦後、まったく万歳をしてしまった米国追従と米国文化への憧憬(それはもちろん意図して煽られたものではあった)をどのように感じていたことだろうか。この質問は可能であれば、昭和天皇と岸信介にぶつけたかった。

一問一答の準備された「やらせ」の会見ではなく、会話形式でである。しかしもうこの世を去った二人に質問することはかなわないから、役者としてはかなり格が落ちるけども、安倍晋三に聞いてみたい。

◆8月6日、岸信介の孫である安倍晋三に問う

1986年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1995年の核兵器数(朝日新聞同上より)

「あなたのお爺さん、岸信介は太平洋戦争開戦前は満州で辣腕を振るい(中国の人々や資源を搾取し)、第二次大戦中には商工大臣を務めていた。戦争を遂行する最高責任者の一人であったが、そのことをどう思うか?」

「あそこまで、米英をはじめとする連合国と徹底抗戦していた戦争の責任者が、敗戦後はどうして180度態度が変わり、米国追従主義者になったのか。そして孫であるあなたもどうして、それに輪をかけた米国追従に最大価値をおくのか?」

「あなたたちのような為政者により、この島国で300万人、アジアでは3000万人が殺された。この島国は原爆の被害国ではあるが、15年戦争では加害国の役割が大きい。そのことについての本心を、秘書や作家に書いてもらった準備原稿を読み上げるのではなく、あなたの言葉で語ってくれないか。それが祖父を敬愛してやまないと明言するあなたの責務だ。不幸にも二人ともにこの島国の最高責任者に就任したのだから」

「あなたは日米同盟至上主義者のようだが、米国は決して日本を対等な存在であるとは認識してない。そのことは『日米合同委員会』の存在と暗躍で明らかである。それでも米国にしっぽを振り続けるあなたは、どうしてそれと矛盾する国家神道の残滓である靖国神社を訪問したがるのか。米国からの指導の中に『神道への崇拝』まで含まれているのか?」

「毎年8月6日に広島を訪れるとき、8月9日に長崎を訪れるときのあなたの顔には、『めんどくさいな』と書いてあるように見えるのは私の錯覚か。過去には広島でのスピーチとほぼ同じ内容を長崎でも使ってしまい、批判を浴びたことがあるけれども、安倍晋三さん、あなたの本心は『こんなところに来たくはない』ではないのか?」

◆「核兵器禁止条約」に背を向けた安倍晋三が「広島平和記念式典」に出席するという背理

2005年の核兵器数(朝日新聞同上より)

2014年の核兵器数(朝日新聞同上より)

100を超える国が「核兵器禁止条約」に署名しようとしている中で、人類史上初の兵器としての原爆により数十万人が殺戮された日に、「核兵器禁止条約」に背を向ける安倍晋三が「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に参加することは、大いなる背理である。

「核兵器禁止条約」がいかに力を持つかどうかはともかく、この条約が成立過程にある現実は、同条約に賛成しないことは「核兵器の保有・使用を容認する」ことと同義である。そもそも「核兵器禁止条約」交渉会議に「核兵器保有五国」(米、英、仏、露、中)は参加していない。

「朝鮮のミサイル実験」により、明日にでも戦争が始まるかのような頓珍漢な雰囲気を醸成しようと、「Jアラート」がどうの、「ミサイルが飛んで来たら」と台風対策のような、まったく実効性も意味もない「デマ」が国の扇動で行われている。「核兵器禁止条約」に核保有国が参加せず、彼らが核兵器を持つことが正当化される「核拡散防止条約」があたかもまっとうな知性を持ち合わせた条約のように「不平等」に世界を支配している。

世界のゆがみと、この島国のゆがみを黙って体現しているのが「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」ではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

7月29日、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」が行われた。各地で同趣旨の活動が行われたが、この日は横浜市長選最終日だったので、横浜駅前の行動に行ってみた。

森友・加計問題、自衛隊のPKO日報隠蔽問題にからむ相次ぐ稲田朋美防衛大臣の失態、何よりも都知事選最終日の7月1日の「こんな人たちに負けられません」発言で支持率急落の安倍内閣に総辞職をもとめよう、という主旨である。

呼びかけたのは、共謀罪施行日の7月11日に安倍晋三首相を公選法違反で東京地検に刑事告発した「森友告発プロジェクト」、共謀罪に反対するイベントを街頭で繰り返している「共謀際」実行委員会有志、「ぶっ飛ばせ!共謀罪百人委員会」関東有志や個人などだ。つまり、安倍首相から指弾された「こんな人たち」による総辞職を求める街頭行動である。

7月2日投開票の東京都議会議員選挙で、自民党が史上最低の獲得議席で大打撃を受けたのに続いて、7月23日、仙台市長選挙で民進・共産・社民の野党連合のサポート受けた郡和子氏が当選した。この横浜市長選で自民・公明・連合神奈川が推す現職の林文子氏が落選すれば、安倍政権は決定的打撃をこうむるはずだった。

そのため、今回の緊急行動も横浜駅頭を選んだのだった。

「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードを掲げる市民たち

◆さびしい選挙最終日──三分裂の民進党系

開始時効前に横浜駅へ向かった。緊急行動が予定されていた相鉄口を探したが見つからない。周囲を歩いていると、高島屋前の広場で、林文子陣営が選挙キャンペーンをやっていた。

そろいのユニフォームを来た選挙スタッフだけは目立つものの、一般の聴取はものすごく少ない。スタッフがいなければ選挙運動最終日とはとても思えない静けさだ。

ちょうど、ステージに椅子を用意し、林文子候補と応援する国会議員の対談が始まろうかというタイミングだったのに、まるで静かである。

今回盛り上がらなかった背景には、民進党系が分裂していたことがある。る現職の林候補は、自民・公明・連合神奈川が支援した一方、対抗馬の長島一由候補も林伊藤大貴候補も民進党は支援できなかった。

カギになるはずの民進党が候補を一本化できずに分裂。さらに選挙戦の終盤になって、共謀罪の問題点を追及していた民進党の山尾志桜里衆院議員が林陣営の応援演説をするありさまたった。実質的に民進党が三分裂していたことになる。

結果は周知のとおり、林文子氏が当選した。

◆野党第一党に任せられない

場所を間違えて、林文子陣営の選挙キャンペーンの場に間違えて行った後、緊急市民街頭行動の場所を探した。そこからビルの中を抜けると小さな広場にたどり着き、長細い白地の厚紙に、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」と墨守されているのを見つけた。

その前には「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードが掲げられている。

思い思いのプラカードを持ってきた市民約30人がスタンディングをしていた。ミュージシャンも参加している。

始まる前から道ゆく人々が、めずらしそうにスマホで撮影したり、プラカードの文字を読む姿が見受けられる。無視されるのが普通だが、関心を持つ人の割合が高いことは、実際に通行人の様子を見るとよくわかる。

第一声は、経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた。

また、消費税によって生活も商売も悪くなっていることを指摘し、「現行の消費税8%をまずは5%に戻せと主張すべき」と強調した。

次いでマイクを握ったのは、40年近く無所属候補の選挙ボランティアとして活動し、ここ十数年は野党系候補の応援ボランティアをしてきた斎藤まさし氏は「安倍政権はひどい。野党に期待できないこともわかりました!」と語りかけた。

全くその通りで、残念ながら、従来の野党に頼るだけでは、真の改革も政権交代もできないだろう。

経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた

◆消費税廃止と原発即禁止で総選挙を闘え
 
私もマイクを握れと言われたので、率直にいま考えていることを話した。およそ次のような内容だった。

今日の安倍内閣総辞職を要求する全国緊急市民街頭行動は、安倍首相に「こんな人たち」と言われた人たちが主体だ。私からいわせれば、私たち政権を批判する市民が「こんな人たち」で、加計・森友で不正を行い特権階級を守ろうとする人たちこそが「あんな人たち」だ。

「あんな人たち」には負けられない。

野党に頼るのは無理、選挙新党を立ち上げて政権交代を目指すべきではないだろうか。その選挙戦では、第一に消費税廃止、第二に原発即禁止。この二大スローガンを、生活が苦しいと感じる6割の人に訴えていこうではないか。

1989年にはじめて3%の消費税が導入されて以降、日本経済も生活もおかしくなってきた。とくに3%から5%に消費税が増税された97年ころからデフレが始まり、格差が広がり、貧困が増大する一方だ。

消費税を廃止して、巨大企業や高額所得者、大資産家に対する大減税を止めてきちんと課税すれば、消費税よりはるかに巨額な税収を得られることは、様々な人が数字を挙げて指摘している。

……とこんな具合である。

格差が拡大して分断している今の日本では、中間層や一部保守層にも配慮した政策は、百害あって一利なし。差別され苦しい生活を押しつけられている6割の人々(非正規労働者、零細事業者、ひとり親、奨学金返済に苦しむひと、低賃金労働者など)のための政策を徹底的に訴えるのだ。

8月3日、安倍首相は内閣を改造してお茶を濁している。いま安倍首相がやるべきことは、総辞職である。

▼林 克明(はやし・まさあき)[撮影・文]
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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