著名なメディア研究者による法的措置拡大へ、浅野健一氏による言論への法的対抗は妥当か

黒薮哲哉

ジャーナリストで元同志社大学教授の浅野健一氏が、『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』(辻井彩子著、あけび書房)の出版差し止めの仮処分を裁判所に申し立てた件で、新しい動きがあった。浅野氏が、20日、みずからのフェイスブックで、この件についてSNSなどで意見を述べた人々に対して、「法的、道義的責任」を問うと投稿したのだ。筆者も含まれている。次の箇所である。

「辻井氏本の出版差し止め仮処分申し立てに続き、東京地裁へ、岡林、辻井両氏のSNS名誉毀損・侮辱投稿の削除を求める仮処分申し立て、私への岡林氏による45余万円請求事案での東京簡裁への調停申し立てを行います。代理人は山下幸夫弁護士です。
 また、捜査当局への告訴。さらに、法務局人権擁護部、千葉弁護士会にも人権救済を申し立てます。
 三つの裁判で、出版妨害をしたのは、私か岡林、辻井両氏かが、解明されます。
 これから、私に一度も取材せず、公然と、岡林・辻井氏側に立って、私を非難してきた松岡利康、鈴木エイト、黒藪哲也(ママ)各氏らの法的、道義的責任も問います。」

この件について筆者が書いた記事は、メディア黒書に執筆した記事、「ジャーナリスト浅野健一氏による出版差し止めは妥当か? 『石ころの慟哭』をめぐる論争」(4月17日付け)のみである。そこでわたしは、浅野氏のFBの書きこみ欄に次のようなコメントを投稿した。

「URLを貼りつけた次の記事が、貴殿について書いた唯一の記事です。この記事のどこが名誉を毀損していますか。https://www.kokusyo.jp/oshigami_c/19353/ 貴殿は長年にわたって新聞やジャーナリズムの研究をされてきたわけですから、回答できるでしょう。具体的にどの表現が問題なのですか?」

根拠がないようであれば、Facebook上で謝罪するように求めます。

これに先立って、筆者は浅野氏に、仮処分の申立書をFBで公開するように求めた。これに対して、浅野氏は、「山下弁護士から入手し、個人情報をマスキングして公表します。少しお待ちください。」と回答した。

しかし、申立書は現時点では公表されない。そこで筆者は催促した。これに対して浅野氏は次のように回答した。

「私も忙しいので、なかなかブログの更新ができません。まとめて発表します。あけび書房とは、簡裁での調停もあるので、その関係で、公表時期を決めます。」

つまり近い将来に公表になるようだ。それを待って、あけび書房サイドも取材したい。

この事件の重要な着目点な、ジャーナリストであり著名なメディア研究者が、自分とは対立する言論に対して、司法の判断を求めている点である。その意味では、読売新聞社が、2008年から2009年にかけて、喜田村洋一自由人権協会・代表理事を代理人に立て、わたしに対して起こした3件の裁判と性質が似ている。本来、新聞人やジャーナリストは自分のペンで主張を展開するのが原則であるはずなのだが。

言論人以外がメディア関係者に対して裁判を多発した例としては、サラ金の武富士や化粧品のDHCの例がある。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年04月21日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

4月25日(土)14時より大阪・大国町にて菅野みずえ×飛田晋秀講演会「原子力災害 終わりの見えない3・11」にお集りを!

尾﨑美代子

4・25「原子力災害 終わりの見えない3・11」まで、あと5日となりました。

講演会に向け、個人的な思いを書いてみました。ちょっと陰謀論っぽい題名ですが、まじめに考えたことです。題して「闘いは新たなフェーズに入った」と「大国町から国際原子力マフィアとの闘いに挑む」──。ちょっと長いが、是非、ご一読を!

◆闘いは新たなフェーズに入った

福島第一原発事故から15年経った。3・11は、原発に関心のなかった人たちも、原発の危険性を知り、反原発の声をあげるきっかけとなった。原発は、このうえなく危険なうえに、安くないこともわかってきた。政府の言ってきたことは全て嘘だとわかった。

そして事故から、10年目経った2021年、私は編集で関わる反原発誌「季節」(鹿砦社)で、井戸謙一弁護士にインタビューしていた。

── 3・11から10年、今後反原発運動はどのように展開していく必要があるでしょうか?

井戸 原発のほうは、もうコストが高いとうことも隠せず認めなくてはならなくなっています。未だに2030年に23%を維持しているが、もう建て替えや新設は言えないし、先細るのは明らかで、もう終焉が近づいていると思います。問題は被ばくのほうです。ICRPが言っていたことを遥かに超えて、高い被ばくを福島の人たちなどに強いているので、汚染水にしろ、汚染土を全国にばらまく問題にしろ、全く今までどこもやったことのないことをどんどんやろうとしている。そこにどういう力が働いているかはなかなか外からは見えないのでわかりませんが、世界の原子力マフィアの先頭を日本が行っているのは間違いないです。(2021年「季節」春号より)

しかし、その後、日本は再び「原発回帰」へ大きく舵を切ることとなった。きっかけは、2023年、岸田政権が打ち出した「GX法」だ。名前からして一見原発推進とは関係ないように思われる「GX法」、産業革命以来の化石燃料中心の経済、社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すべく、エネルギーの安定供給・経済成長・二酸化炭素排出削減の同時実現を目指す「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」を推進するとしている。 

なんだか、いいことが一気に進む……みたいに見える。グリーンもそうだし、CO2( 二酸化炭素)排出削減は、世界中で喫緊の課題になっている「気候変動」問題と相まってとても重要な問題だ。「2050年カーボンニュートラル」(地球温暖化の原因になっている『CO2などの温室効果ガスの排出量』を『全体としてゼロ』にすること)にむけて、「国際的にみて日本は遅れているよね。もっと頑張るべきね」……とか。

とくに「CO2排出削減」と言われると「そうだ!そうだ!」と言いたくなるが、原発推進で本当にそうなるの? 今年の『季節』春号で再び井戸弁護士にインタビューした。

── 岸田政権が打ち出した「GX法」は、CO2排出削減のためとか、AIの需要が増えるから原発が必要としてますが、立法事実になってないと思うのです。井戸弁護士も(樋口英明元裁判長との)対談でCO2排出削減は嘘と話されてますし、末田さん(反げんぱつしんぶん編集長)も、AIの需要が増えても電力は足りていると説明されてます。

井戸 原発がCO2を排出しないのは運転中だけで燃料となるウランの採掘、運搬、原発建設、廃炉や使用済み核燃料の保管・処理に至るまで、大量のCO2を排出している。また原発を運転すると排出される冷却水が海水温度を高めるため海水中のCO2が大気中にでていく。どこがCO2排出削減かという話です。政府サイドは「原発を動かさないとAIの需要が増えて電力が足りない」という事実を根拠にしています。これ自体怪しい話で、大げさに言われていますが、AIの話が急にでてきたことは、政府にとっては恰好のタイミングだったと思いますよ。

『季節』2026年春号[表紙]福島県双葉町役場の野外時計。大地震が起きた直後の14時47分で止まったままの時針分針(飛田晋秀2016年7月22日撮影)※『季節』は当日会場でも販売します。

ほら、やっぱりね。政府の言うことは一事が万事、うそだらけ。騙されてはいけない。というか、政府は実に巧妙に原発回帰を進めている。汚染水は「処理水」、汚染土は「福土」だって。

だから、反対する側も変わっていかないといけない。そう、菅野みずえさんがどっと吐いてくれた「毒」のように、これまでのように「原発事故を忘れない」「FUKUSHIMAを忘れない」「原発バイバイ」だけでは闘えない。みずえさんのいうように、まさに「隣の家が燃えて鎮火もしていないのに、忘れないって 言ってるようなものだって気づかない」

そして「だって悪気ないつもり 善意のつもりの便利な言葉 忘れないは終わったこと 死んでしまった人に 別れていなくなった人に使う言葉と 私は思ってきた 哀しいなぁ」

そしてそして「毎日が反原発の日みたいに、肩の力を抜いて自分たちの暮らしを守るために どう生きるかって考えたい 3月だけ思い出さないで 毎日お天気考えるみたいに 『原発いらないよね』って考えるようになったら、世の中変わるかもしれない」

『季節』2026年春号[グラビア]わたしはこれから毒を吐く(文◎菅野みずえ/写真◎飛田晋秀)
『季節』2026年春号[グラビア]わたしはこれから毒を吐く(文◎菅野みずえ/写真◎飛田晋秀)

◆大国町から国際原子力マフィアとの闘いに挑む

大げさのようだが、私は3・11からずっと気になっていることから考えたのだ。3・11以降、全国的に盛り上がった反原発運動の中心になった「首都圏反原発連合」は、なぜ反原発、再稼働反対は掲げたが、被ばく問題をいわなかったか?もちろん現場に集まった人たちのなかには被ばく問題に関心をもっている人もいた。しかし「反原連」のコアなメンバーはちょっと違っていた。福島の木田節子さんが、妊娠した自分の娘が、その後「けいりゅう流産」で中絶、周辺の妊婦さんにも同じ症状で中絶した人が多かったと、それを反原連の集会で話したら、「デリケートな問題だからやめて」と言われた。実際、反原連のレッドウルフ・ミサオさんの超長いロングインタビューで、彼女は反原発は主張していたが、被ばくの「ひ」の字が一回もでてこなかった。被ばくをひとことも口にしないで反原発を語るとは、それはそれで凄い芸当だと思うが。あげく反原連は、事故から10年目に、カンパが集まりにくくなったとの「財政的理由」などで活動を休止した。えっ反原発運動って、カンパが集まらないとやれないの?私は心底たまげた。

しかし、問題はそこではない。311以降あれだけ盛り上がり、10年目で休止となった反原発運動とは何だったの?被ばく問題はなぜおきざり、タブーにされたのか?

そして2021年「季節」夏号のインタビューで井戸弁護士が国際原子力マフィアについて、こう語っていた。

── 今後ますます反被ばくの闘い、意義を広めていかなくてはなりませんね。

井戸 そうしなければいけません。国際的な原子力マフィアは、チェルノブイリの事故では、住民を避難させ過ぎたという反省から、次に原発事故が起こった場合は、住民を可能な限り避難させず、事故の影響を小さく見せたいと準備していた。そこに福島の事故が起き、福島ではそのことに成功している。このままでは、この「成功体験」が今後世界で原発事故が起きた場合のモデルケースにされてしまいます。日本に住む私たちは、世界の人に責任があるのです。

「国際的な原子力マフィアは、チェルノブイリの事故では、住民を避難させ過ぎたという反省から、次に原発事故が起こった場合は、住民を可能な限り避難させず、事故の影響を小さく見せたいと準備していた。そこに福島の事故が起き、福島ではそのことに成功している。」

ここ、私はずっと気になっていたこと。福島県三春町のお寺の僧侶で、作家でもある玄侑宗久さんが、事故直後の村の様子を認めていた日記を、何かの雑誌に掲載していた。事故直後、テレビ番組ではお笑い番組が多かったとあった。あと、現在関西の反原発運動、裁判闘争の中心的人物である森松明希子さんは、5月の連休に関西の実家に来た際、テレビで原発問題やっていることに驚いたと。つまり福島内ではこのような番組は見れなかったということ。これには、御用学者であれ、連日テレビに出演し、放射性物質だの、半減期だの、アルファ線、ガンマ線だのしゃべっていた関西の報道とはまるで違っていたのだった。関西のテレビでは、朝なんか、売れない吉本芸人が「でも身体によい放射能もあるよね。ラジウム温泉とかラドン温泉とかさ」とにこやかに話していたのを覚えている。いずれにしても放射能はじめ原発関連のことは日常茶飯事に話していたのに。

あと当時私が気になっていたのはもう一つ。確か事故から1年目の2012年正月の福島民友か福島民報どちらかの社説に「今後、福島で集められたデータは世界中の科学者が喉から手がでるほど欲しくなるにちがいない」と書いていたこと。数年後思い出し検索したがわからなかった。同じことを「福島市も郡山市もとてもじゃないが避難させられん。将来奴ら(福島市、郡山市の人たち)は集団訴訟とかするんやろな」とのたまった上昌広(医療ガバナンス研究所理事長)は、「浜通りの被ばくデータは世界が喉から手がでるほど貴重なものとなる。これらを蓄積して世界に発信する。この地域を廃墟にするも聖地にするもやり方しだい」とものたまった。この時点で、国際的な何かが動いている、と私は考えた。当然といえば当然。広島に原爆が落とされたあと、アメリカのABCCも被爆者のデータだけは欲しがったが、治療はしてくれなかった。先日観たドキュメンタリー映画「医の倫理と戦争」でも、731部隊が実施した人体実験のデータを、戦後アメリカに渡す代わりに非人道的な実験に加わった医師らは罰せられることなく、大学教授や有名大学病院の院長に戻った。

井戸弁護士が述べたように、チェルノブイリでは避難させすぎた、だから、次の福島では避難っせないようにした。さて、次に原発事故がおきたら……。今度は絶対やつらの好きなようにはさせない。

4月25日、ぜひ講演会にお集りを!

事故後カンパを集め出した私たち「西成青い空カンパ」は、なるべく皆様の前で被災者にカンパを手渡した。写真は長谷川健一さんにカンパを手渡した写真
毎年311前後に何らかの催しを企画した。三角公園前の「ふるさとの家」でやった際には場所がわからないだろうと仲間がプラカード持って案内してくれた
震災と原発事故から6年目の2017年、国は避難指示を解除し、被災者に故郷に帰れと指示した。果たして帰れるのか?

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

〈原発なき社会〉を求めて集う不屈の〈脱原発〉情報誌『季節』2026年春号
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GGX7H2DR/

3・11の彼方から―『季節』セレクション集 Vol.1
https://www.amazon.co.jp/dp/4846315878/

ジャーナリスト浅野健一氏による出版差し止めは妥当か? 『石ころの慟哭』をめぐる論争

黒薮哲哉

4月20日、あけび書房(岡林信一代表)が出版を予定している『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』について、ジャーナリストで元同志社大学教授の浅野健一氏が、出版差し止めの仮処分を裁判所に申し立てたことが分かった。申し立ての正確な理由は現時点では不明だが、浅野氏はFacebook上で、「あけび書房に提出した原稿(4回分)の盗用や、新聞・テレビの電子版記事、Facebook、noteなどに掲載された傍聴記を無断転載している」と主張している。

筆者は正確な事実関係を確認するため、浅野氏に対し、Facebook上で申立書を公開するよう要請した。これに対し浅野氏は、

「山下弁護士から入手し、個人情報をマスキングして公表します。少しお待ちください。」

と回答した。

一方、あけび書房の岡林代表は、Facebook上で次のように反論している。

「小社での本書の出版は浅野氏とはまったく無関係であり、同氏が出版取りやめや不買を呼びかける理由は何らありません。」

今後、筆者は浅野氏が申立書を公開した後、事件の詳細について検証を進める予定である。現時点では、双方から正確な事実関係が公開されていない。

◆書籍流通コード(ISBN)

なお、浅野氏は、あけび書房の事務所がバーチャルであるため、書籍出版社にとって命に等しい書籍流通コード(ISBN)の取得対象外であるとも述べている。この点についても今後検証する予定だが、少なくともISBN/日本図書コード使用規約には、そのような規定は確認されていない。言うまでもなく、あけび書房は実態のある出版社である。

また、ジャーナリストや研究者が司法判断を求める行為についても考えておきたい。筆力を持たない者が裁判に訴えるのであれば理解できるが、執筆を職業とする者が裁判に判断を委ねることの是非は議論の余地がある。読売新聞社の前例はあるものの、推奨できる方法ではない。少なくとも本人訴訟にすべきではないか?

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年04月17日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

「供述弱者」── 今市事件が冤罪であることが非常に良くわかるひとえんちゃんねる動画

尾﨑美代子

ひとえんちゃんねるの動画、今市事件が冤罪であることが非常に良くわかる内容となっております。

冤罪被害者勝又拓哉さんとはお母さんらと服役中の千葉刑務所で一度お会いしました。その時は本当にお元気そうで、中で勉学に励んでいるとお話されてました。が、動画で弁護団泉澤弁護士が話されてますように、拓哉さんは台湾産まれで、日本で働いていた台湾出身のお母さんを頼って日本に来たため、日本語に不慣れな状況で突然逮捕されました。その取り調べ時の録音録画が法廷で流され、それを見た裁判員が「それを見て犯人と確信した」と一審で有罪となりました。この録音録画については2審で証拠にならないとされるのですが、私が言いたいのは、勝又拓哉さんは逮捕時台湾の方で、日本語も不慣れな、いわゆる「供述弱者」だったということです。この点をもっと強調すべきといつも思ってます。

だから、栃木県警は事件後8年も犯人逮捕に至らなかったこの事件について、「あいつなら落とせそうやな」と勝又さんに目をつけたのです。そして商標法違反という別件逮捕でしょっぴいた……。

西山美香さんの湖東記念病院事件の国賠で、井戸弁護士が強く主張してますが、この「供述弱者」について、日本の司法制度の中でもっと真剣に考えなければ、いつまでも弱い者が冤罪の被害者にされてしまうと危惧致します。朝から長々とすみません。非常にわかりやすい動画です。後編も公開されましたのでぜひご覧ください。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

イラン戦争 背景に石油のドル決済から人民元決済への流れ、イランの反政府「市民運動」には、全米民主主義基金(NED)が関与

黒薮哲哉

米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を批判する世論が広がる中で、この戦争の原因をトランプ大統領の個人的思想に求める見方が広がっている。なかには「狂気」の結果と評する声もある。

イランの国旗。緑(イスラム教)、白(平和)、赤(勇気・殉教)の水平三色旗。中央に赤い国章(4つの三日月と剣)があり、白帯の上下には「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」という文字が計22回記され、1979年の革命の日(11月22日)を象徴している。

そうした側面を完全に否定することはできないが、わたしはより経済的で個人の意思とは無関係な客観的要因が存在すると考えている。

結論から言えば、それはこれまで西側諸国が主導してきたドル中心の国際金融体制に対し、中国などが影響力を強めつつある中で、その流れを抑えたいという思惑が背景にある。イランによる核開発の阻止は、あくまでも表面上の建前である。

◆ペトロダラー体制

現在の国際金融システムは、いわゆる「ペトロダラー体制」と呼ばれる構造に一定程度依存している。

この体制は、1970年代にアメリカとサウジアラビアの間で成立した安全保障と石油取引に関する合意を背景に形成されたとされる。米国が軍事支援するみかえりに、石油の採り決済を採用する合意である。確証はないが、一部の報道によると、この取り決めの有効期間は、秘密裡に50年程度とされているという。従って現在が失効する時期である。

この仕組みにより、アメリカはドルの基軸通貨としての地位を維持し、国際金融において大きな影響力を持ってきた。石油は、全世界の国々が必要とするので、影響力も大きいのだ。しかも、石油を通じて生まれた利益が、そのままドル建ての投資へ投入される現象を生む。さらに燃料として現在の工場に極めて甚大な影響を及ぼす力を持っている。そのことはイランがホルムズ海峡を閉鎖した後の世界経済を見れば明らかである。

仮に石油取引がドル以外の通貨で広く行われるようになれば、ドル需要の低下を通じてアメリカの経済的影響力に決定的な変化が生じる可能性がある。米国としては、イラン石油を手中に収めなければ、これまでの経済上の秩序が崩壊する危機に直面しかねない。

というのも、ドル以外の石油取引を模索する動きは、すでに始まっているからだ。その先陣を切っているのが、中国、ロシア、それにBRICSである。中国とロシアはBRICSのメンバーでもある。そのブリックスにイランは2024年に加盟した。サウジアラビアもBRICSに接近している。

米国にとっては、イランの政権を根本的に変える必要はなく、「親米政権」になれば、それで十分なのだ。が、その思惑は外れて、戦争に巻き込まれてしまった。

◆ベネズエラに対する軍事介入

実は、米国によるベネズエラに対する軍事介入(2026年1月3日)の背景にも、同じ事情がある。ベネズエラは、米国による経済制裁の下で、苦境に立たされていたが、最近、中国やロシアへ急接近している。

仮にベネズエラの石油がドル以外の決済になれば、世界経済の中で米国の衰退に拍車がかかる。それを防止するために、米国はベネズエラに対して軍事侵攻して、石油を「管理」せざるを得なくなったのである。

このように、トランプによるベネズエラやイランへの軍事介入は、トランプ大統領の個人的な極右思想が引き起こしたものではない。おそらくは財界の要求である。逆説的にいえば、財界にとっては、トランプのような人物が必要だったからこそ、大統領になれたのである。

◆全米民主主義基金(NED)

なお、イランの反政府「市民運動」についても、報じられていないことがある。それは「市民運動」の活動資金が米国の全米民主主義基金(NED)から提供されている事実である。この事実は、NEDのウエブサイトで確認できる。支援額は、2025年度は200万ドル(約3億円)。

1979年のイラン・イスラム革命は、市民権と経済的繁栄という公約を果たすことができなかった。今日、選挙で選ばれていない個人や抑圧的な機関が権力を握り、治安部隊や司法機関が異議を唱える声を弾圧し、基本的な自由を制限している。宗教団体やイスラム革命防衛隊によって大部分が支配されている経済は、増加する人口、とりわけ若者のニーズを満たすのに苦慮している。近年、続く危機が広範な抗議運動を煽っているが、政権は有意義な改革を行う代わりに、弾圧を強化することで国民の不満に対応している。さらに、イランが地域内の国家および非国家の反民主主義勢力への支援を行っていることや、国内の優先課題を犠牲にして対外紛争に注力する政権に対する国民の不満が高まっていることは、国内の民主主義勢力を強化する必要性を浮き彫りにしている。

これに対し、イランの活動家たちは民主的な変革を求めて一層強く働きかけている。NEDのプログラムは、市民社会や政治活動家の能力を強化し、権威主義に対抗して民主的な未来を推進することに焦点を当てている。主な優先事項には、人権の擁護、説明責任の促進、そしてイランの活動家間の連携強化が含まれる。NEDのイラン・プログラムは、より広範な地域プログラムと統合され、民主主義の抑圧に対抗し、地域全体に及ぶイラン政権の権威主義的な影響力に対処することを目指している。

米国は、イランを空爆した後、イランの市民運動が政権を掌握すると期待していたようだが、思惑どうりにはいかなかった。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年03月23日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

参院選広島再選挙2021告示から5年 ── 不透明な候補者選びと政治の劣化を超えて、市民の手に政治を取り戻すために

河井案里さんの当選無効に伴う2021年の参院選広島再選挙から、5年が経過しました。

立憲民主党の宮口治子さんが当選。筆者も完全無所属で立候補し、20848票で6人中3位という結果でした。

しかし、あの選挙は、「単なる補選」ではありませんでした。政党の候補者選びの不透明さ、政策協議の欠如、そして「政党の都合」が市民の政治参加を押しつぶす構造が、あからさまに露呈した選挙でした。

◆不透明な候補者選びが象徴した「政党の劣化」

当初、立憲民主党は楾大樹弁護士を候補に内定していました。 しかし、党内の力学によって宮口治子氏に差し替えられ、楾氏は“はしごを外された”形となりました。いわゆる「仁義なき候補者選考・楾─宮口事件」です。(この事件の経過については、『改訂版 茶番選挙 仁義なき候補者選考』[楾大樹著 1540円 あけび書房]に詳述されています。)

さらに、野党系候補者の一本化をめざして政策協議を打診した筆者・佐藤周一に対し、立憲陣営幹部はこう答えました。

「宮口さんは具体的な政策が分かる人じゃないから」

政党が自らの候補者をそう評する異常さ。そして、他の既存野党も立憲に追随するだけで、政策協議の場はついに開かれませんでした。この時点で、既存野党の劣化は始まっていました。

◆5年後の今、与野党ともに「劣化競争」に陥ったのではないか

あれから5年。既存の野党は、2021年再選挙で宮口氏が勝ったことを“最後の栄光”としてしまったかのように、後退の一途をたどりました。2021年衆院選では、立憲民主党は大敗し、日本共産党も立憲と同列とみられ後退しました。2022年参院選では、自民党の前に手も足も出なかったのです。

2024衆院選、2025参院選では、自民党が過半数割れしたものの、立憲民主党、日本共産党となども既存野党も得票数や得票率では後退を続けています。

勝ったのは「新勢力」であり、野党第一党ではありませんでした。

2026衆院選では、高市総理が「初の女性」「反グローバリズムっぽい」という“雰囲気”で支持を集め、自民が圧勝しました。いわば、庶民家庭出身の女性が始めて総理になったことである種の「革命の熱狂」が若い女性や反グローバリズム層を中心に起きました。立憲と公明が合併してできた「中道」は古臭いとみられて壊滅しました。日本共産党も、2023年の県議選を前に一部支持者が行った佐藤周一への誹謗中傷で佐藤に裁判で敗北的和解したことへの反省や、執行部の気に入らない言動をしただけで党員を排除してきたことへの反省は見られませんでした。

一方、参政党やれいわ新選組といった新興野党も独自性を強調しすぎた結果、政策実現力が見えず埋没しました。参政党は2025参院選から票を伸ばせず、れいわ新選組は大敗しました。ともに、新しさが故のガバナンスの不十分さという課題に直面しています。

しかし、大勝したはずの自民党・高市総理のもとで、日本政府の「統治の空白」が目立っています。

米国・イスラエルによるイラン攻撃では、トランプ大統領への過剰な忖度でせっかくのこれまでのイラン外交を活かせず、石油の確保に不安を抱かせています。れいわ新選組の伊勢崎氏や共産党の田村氏、自民党の岸田氏など超党派の役付きでない議員が水面下で動き、その空白を埋めている実情はあります。

陸自青年将校の中国大使館侵入事件では半月経っても村田被疑者への厳しい処分の方針や再発防止策を中国側に示せていません。

結局のところ、この5年間で、与野党ともに、政治の質が上がらない。むしろ「劣化競争」に陥っているのではないでしょうか。

◆広島の政治・行政の劣化はさらに深刻だ

2021年再選挙で「お灸をすえた感」が県民に広がりました。しかし、裏金問題を中心とする「政治とカネ」の問題も、「企業団体献金」を梃子にした「強者による政策買収」も、何一つ変わっていません。

さらに、河井事件後に地方行政の監視能力がある保守系議員が失脚したことで、広島市政・県政の監視機能は著しく弱まっています。

その結果──

●虚偽公文書作成と公益通報つぶし
●情報公開請求に対して存在するかどうかも明らかにしないブラックホール体質
●産業廃棄物汚染水の垂れ流し
●強引な県病院つぶしと巨大病院構想
●県民の意見を聞かない高校統廃合原案
●前教育長の官製談合事件への甘すぎる対応
●不透明な県外企業優遇

こうした行政の腐敗が連鎖しています。そして、「広島は古臭い」というイメージが全国に広がり、人口流出や移住者減少につながっています。

◆必要なのは「政策・政治姿勢本位」の政治への転換だ

いま必要なのは、政党の都合ではなく、政策と政治姿勢で候補者を選ぶ政治文化である。

そのためには──

●選管主催の公開討論会を軸とした選挙制度への移行
 お金や組織力に左右されず、候補者の政策や政治姿勢を市民が直接判断できる制度が必要です。

●小選挙区比例代表並立制(1994年政治改革)の見直し
二大政党の“エライ人”の目にかなわなければ立候補すら難しい現行制度は、市民政治を阻害しています。

●政策・政治姿勢本位の候補者選び
 党派ではなく、個人の倫理・覚悟・能力で選ぶべきです。

●高すぎる供託金の廃止・大幅引き下げ
  被選挙権の制限は憲法違反です。

◆市民・県民の手に政治を取り戻すために

2021年再選挙から5年。あの時の不透明な候補者選びは、「政党の都合が市民の政治参加を奪う」という構造の象徴だった。だからこそ今、市民・県民の手に政治を取り戻すという原点に立ち返る必要がある。

広島でも、全国でも、政治を変えるのは政党ではない。市民ひとりひとりであり、候補者の覚悟である。

この5年を教訓に、政策と政治姿勢を軸にした政治を、私たち自身の手でつくり直していきたい。「庶民革命ひろしま」では、2027年広島市長選挙・市議会議員選挙・県議会議員選挙に向けて候補者を公募しています。

庶民革命ひろしま 候補者公募要項(案)

(2027年4月執行予定:広島市長選挙/広島市議会議員選挙/広島県議会議員選挙)

庶民革命ひろしまは、2027年4月に予定されている広島市長選挙、広島市議会議員選挙、広島県議会議員選挙に向け、広く市民から候補者を公募します。

私たちは、庶民とともに広島の未来をつくる意思を持ち、法令順守と人権尊重を基礎とした健全な政治活動を行うことのできる方を求めています。

1.募集する選挙区・職種

広島市長選挙(広島市全域)
広島市議会議員選挙(広島市内各区)
広島県議会議員選挙(広島県内各選挙区)

2.応募資格

以下のすべてを満たす方。

25歳以上
庶民とともに広島の未来をつくる覚悟がある方

選挙区要件
広島市長選挙:日本国籍を有し、広島市長の被選挙権を持つ方
広島市議会議員選挙:広島市民
広島県議会議員選挙:広島県民
法令順守の姿勢を持ち、学ぶ意欲がある方
(憲法の基本原則、公職選挙法、行政の中立性など)
ハラスメントを行わず、人権を尊重できる方
団体の行動規範に従い、組織と協力して活動できる方

3.求める人物像

市民の声を丁寧に聞き、対話を重視できる方
行政との適切な距離感を理解し、政治的中立性を尊重できる方
批判や逆風に対して冷静に対応できる精神的安定性を持つ方
SNSを含む情報発信において節度と責任を持てる方
自己中心的ではなく、公共性を優先できる方
忠告や助言を受け入れ、改善できる柔軟性を持つ方

4.選考プロセス(3段階方式)

【第1段階:エントリーシート提出】

以下の書類を提出していただきます。

履歴書
志望動機書
行政・市民活動の経験(任意)
SNSアカウント一覧
法令順守に関する自己評価(簡易フォーム)
※この段階では「知識の量」ではなく「姿勢」を重視します。

【第2段階:記述式審査(ハラスメント・行政倫理)】

民間企業レベルの基準を参考に、以下のテーマについて記述していただきます。
被害者から相談があった場合の対応
行政機関との距離感に関する理解
候補者として避けるべき行動
自己の誤りにどう向き合うか
ボランティア・市民・職員への配慮
※社労士・外部専門家の意見を取り入れた設問を使用します。

【第3段階:面接(複数名)】

忠告を受け入れる姿勢
精神的安定性
市民との対話能力
団体方針への理解
ハラスメント・法令順守に関する価値観
行政との距離感
必要に応じて、外部の広島市民による面接協力を依頼する場合があります。

5.行動規範(コンプライアンス誓約)

候補者には、以下の行動規範への署名を求めます。
ハラスメントを行わない
行政機関の政治的中立性を侵害しない
出納責任者に不当要求を行わない
SNSでの不適切行為を行わない
団体の名誉を損なう行為を行わない
法令順守を最優先とする

6.合格者ゼロの可能性について

基準に満たない場合は、該当者なしとします。
代表者を含め、誰であっても同じ基準で評価します。

7.応募方法・締切

(※ここは毎週土曜日21:15-オンラインで開催される庶民革命ひろしま総会で決定後に追記)

8.問い合わせ先

庶民革命ひろしま 佐藤 09031714437 hiroseto2004@yahoo.co.jp

庶民革命ひろしまでは、毎週土曜日21:15― オンラインおしゃべり会=総会を開催しています。

どなたでもご参加いただけます。入退室自由。お待ちしております。

ミーティングID:4117183285
パスコード:5N6b38

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎X @hiroseto https://x.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/
★広島瀬戸内新聞公式YouTubeへのご登録もお待ちしております。

鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/

「法律は国会だけで国会だけが作成できる。」再審法改正問題、今が正念場!!

尾﨑美代子

「法律は国会だけで国会だけが作成できる。」

まさにその通り。3月末自民党の会合に呼ばれた東住吉事件の青木恵子さんと今日店で話しました。青木さんはネットなどを見ないので、青木さんが自民党で意見したこともあって、法制審への批判が強まってるよ、と伝えた。青木さん、「えー、ママはそれは私も(自民党の会合に)行って良かったと思うけど、これからどうなるの? いい方に動くの? 法制審の案で決まったら最悪じゃない?」と。それは青木さんの言う通り。

青木さんの近くに座った、この問題に関心あるお客さんが、「そうだよな。ママ(私)が言うようにあの稲田が法制審案に反対と強く言ってくれてるが、大丈夫かな?まだまだ国民の世論は高まってないだろう」と心配してる。それもわかる。

だが、法律は国会が作るのだ。だから国会議員をこっち側につけないとどうにもならん。今日も青木さんと話したが、刑訴法内の再審法についてはもう70年何も変わってない。以前書いたが、例えば建設労働者を守る法律の中で、高所作業の労働者を守る法律なんか、その都度何回も変わっている。それは高所作業に従事する労働者の転落、死亡事故などを少しでも減らすためだ。

もちろん、法改正が改正にならず、改悪になったケースもある。しかし、今回、再審法改正しなくてはならないよねと世論が動いたのは、毎年のように次々と犯人とされ囚われていた人が、再審で無罪となったからだ。そんななか、私は見れてないが、テレビ番組、映画などでも冤罪が取り上げられるようになった。極めつけは、国が「死刑判決」を出した死刑囚袴田巌さんが無罪となったことだ。オイオイ、警察、検察、それから裁判所は何やってんだ、という話だ。で、超党派の議員たちが、再審法を70年ぶりに改正しましょうと動きたした。

するといきなり法務省管轄の「法制審」が、「いや、再審法のことなら私たち専門家が……」と出張ってきた。しかし、その委員をみたら、誰ひとり、それまで再審法や再審云々言ってなかった人間ばかりやんか? 何故こんなことになった? これ、私の著者「日本の冤罪」の冒頭、桜井昌司さんと対談した中で桜井さんが話してるが、超党派の議連案が通ったら、今再審請求してる多くの人に再審無罪が出るよと言う話。つまり、この70年、警察、検察、裁判所は無実の人を長年犯人として不当に獄中に繋いできたよね、ということがバレてしまう。これに奴らは耐えられなかったんだろうね。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

「成年後見制度」について皆様の体験、ご意見などを求めます!

鹿砦社代表 松岡利康

4月4日の朝日新聞朝刊は、1面、2面を使い「成年後見制度」の問題について大きく採り上げ、さらに4月7日の社説でも改善を求めています。恥ずかしながら私たちもさほど知りませんでしたが、各地各所でいろいろトラブルが起きていることを知りました。

2026年4月4日朝日新聞

それは、これにより被害を被り、ご本人の願望に反し認知症の奥様に会えない方がご相談され問題の深刻度を認識し、私たちも遅ればせながら、この問題に本格的に取り組むことにいたしました。すでに『紙の爆弾』でも2度ほど被害者の方が寄稿され、これから断続的に採り上げていく予定です。一冊にまとめる企画も進行中です。

月刊『紙の爆弾』5月号(最新号。発売中)の誌面の一部

つきましては、「成年後見制度」についての体験やご意見などを広く求めることにしました。

どしどし下記の所にお寄せください。

専用メールアドレス: mt.rokusaisha@gmail.com
ファックス: 0798-49-5309
郵送: 〒663-8178 兵庫県西宮市甲子園八番町2-1-301

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GVDQJ364/

冤罪を作ってきた警察、検察、裁判所。それらを仕切る法務省が、なぜ再審法改正に出張ってきたのか

尾﨑美代子

再審法改正問題について、もうひとつ「スクープ」がでたようで。法制審メンバーを検察が主導で選んでいたということ。

◎[参照記事]「やはり検察がメンバーを選んでいた」再審見直しに批判相次ぐ法制審、開示文書から浮かぶ“出来レース”の構図 (2026年04月06日弁護士ドットコム 一宮俊介)

でもこれ、スクープかな? 誰もがそう思ってたでしょ? 鴨志田さん、村山さんなど、再審法を本当に改正したいメンバーはごくわずか。多数決取ったら負けるじゃない。法制審と、先日の自民党の会に出席した青木恵子さんも、ふたつは全く違ってたといっていた。法制審の時はごく一部の人しか関心示さなかったから、自民党に呼ばれても断ろうと思ったくらいだと。でも自民党の皆さん、熱心に聞いてくれて「行って良かった」と。

法制審に関しては井戸弁護士が訴えていたように、これまで冤罪を作ってきた警察、検察、裁判所を仕切る法務省は「加害者」の立場で、決して「改正」を主導する立場になかったのに。なのに突然出張ってきた。その時、なぜ、「お前らの出る幕じゃないぞ」と「空き巣働いてた連中が、『さて空き巣被害を防ぐにはどうしたら良いか考えましょう』って」。コラ、どの口がいうんだ!と徹底的に非難し、解散に追い込めなかったのか。

この手の審議会は全てそう。ガス抜き、アリバイ作り。釜ヶ崎で行われた維新の会勧める「西成特区構想」の町作り会議、それまで行政のやり方に反対してきた団体、個人も呼ばれて会に入った。「(維新が悪さしないように)中でガツンと言ってやりますわ」って、どこで「ガツン」があったの。滅茶苦茶スムーズに維新の言いなりに進んでますやん。えっ? どこが反権力なの? どこが反差別なの?

ハンセン病元患者さんの家族の皆さんを補償する法を制定する際には、当事者が審議の中にどんどん入ってたではないか? 今回もなぜ冤罪犠牲者の当事者を呼ばないのか?話が上手いとか、あまり上手くないとかではない。当事者の声を必死で聞かないで、どうして改正できるの? 苦しんだのは、当事者とその家族だぞ。なんか、イライラするわ。

一番苦しんだ人たちの声、訴えをきけよ? おい!

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

再び浅野健一さんによる出版差し止め(=発禁)仮処分問題について

鹿砦社代表 松岡利康

先日、四半世紀にわたる知人に会いに奈良・大和西大寺に行ってきました。行き交う人の多い駅でしたが、地方都市らしい雰囲気のする、どこか牧歌的に感じられました。

「ここで山上徹也が安倍晋三を銃撃したのか」──このあたりの牧歌的な空気とは相いれないものを感じました。

さて、先の私の文章は、5度の出版差し止め(発禁)をされた私なりに危機感を持って書いたつもりですが、あまり反響がなかったようです。ふ~む、出版差し止め(発禁)ということに対する、浅野さんはじめフォロワーのみなさん方、私の文章を目にされたみなさん方の危機意識のなさに危機感を持ちました。

浅野さんは、今度はあけび書房本の帯を書かれた鈴木エイトさんと大喧嘩をされています。帯を書くにあたってゲラを読むわけですが、だからと言って「共犯者」呼ばわりされたら誰だって怒るでしょう。

仮に理が浅野さんにあったにしても出版差し止め(発禁)はやめるべきです。出版差し止めということは、権力(~者)や大企業が、みずからの不祥事や知られたくないことを隠蔽するために行うものです。いやしくもジャーナリストが出版社やその著者に対して出版差し止めを行おうとしたことなど聞いたことがありません。浅野さんの本の出版を引き受けた三一書房も代理人の山下幸夫弁護士も、表現の自由や言論・出版の自由を殊更大事にする出版社であり法曹人だと思うので、今からでも浅野さんをたしなめるべきです。

私のFBや「デジタル鹿砦社通信」にも浅野さんのFBや著書などと共通の読者がおられますが、なぜ浅野さんをたしなめないのか不思議です。本当にそれでいいんですか? 

先の私の文章で、浅野さんとの古い付き合いについて述べましたが、今回はあけび書房の経営を受け継いだ岡林信一さんとの付き合いについても簡単に述べておきます。

私は、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧事件で会社も私個人も壊滅的打撃を受け、その後、多くの皆様方のご支援にて再興することができ、2010年から地元西宮で市民向けのゼミを企画し開催いたしました。隔月で3人の方を中心に5期5年間やりました。故・鈴木邦男さん3年、浅野さん1年、前田日明さん1年の5年です。計30回で、前田さんの分を除いて記録として残しています。

ここに、当時神戸の社会保険協会に勤めながら「市民社会フォーラム」という自由に意見を述べ合うネット上の場や講演会などをやっておられた岡林さんが、自らの集まりの宣伝兼ねて、ほぼ全回来られました。これで知り合ったのですが、彼はその後、旅行会社を経てあけび書房の経営を引き受けられ現在に至っています。岡林さんがあけび書房の代表に就かれた時に、ささやかながら置時計をプレゼントし、この出版事業が厳しい時代に、あえて出版社の経営を引き受ける蛮勇に対する私なりのエールでした。彼が本格的に出版の仕事を開始するや、一人で毎月複数点数の新刊を出して来たのは驚きでした。「岡林という人は本当に本が好きだったんだな」と思った次第です。思想・信条や出版についての考え方、取り組みなどは異なるところは少なからずありますが、多種、多様に自由に本を出せるのが、出版という世界のいいところだし、頑張れるだけ頑張ってほしいと思っています。

ところで浅野さんはブログで「私(注:浅野さん)は、2025年4月、『紙の爆弾』からも排除され~」と述べられていますが、これは違います。先の文章でも触れましたが、同誌昨年5月号(2025年4月7日発売)に掲載の浅野さんの記事についての抗議に対して真摯な態度を取られず、自説を固持し、対応を鹿砦社に押し付け逃げられたというのが事実です。それまで、懇意にしていた故・山口正紀さんに対する浅野さんの度を過ぎた誹謗中傷があっても、『紙の爆弾』には浅野さんの寄稿を受け入れてきましたが、これも私が逮捕された際に真っ先に駆け付けてくれたことのお礼の一つでした。恩着せがましく言うつもりはありませんが、私たちからの特段の配慮でした。

今、浅野さんが書ける場は、『救援』や社民党や新社会党の機関誌など、いわば特殊で限定的なものだけになっていますが、ものごと何につけても原因と結果があるもので、度を過ぎて唯我独尊的な態度があったのではないかと察します。

どうやら浅野さんは、浅野さんのfacebook、ブログなどを見る限り、本気で出版差し止め仮処分を申し立てられるようです。振り上げた手を下すのは恥でも何でもありません。今からでも“勇気ある撤退”をされるべきです。前回も述べましたように、ジャーナリストとして自殺行為だからです。

極めて深刻で重要な問題ですので、他にやる仕事が山積していますが、あえて時間を割いて上記文章を書き連投します。皆様方にありましては、出版差し止め(発禁)という行為に対する、私の危機感をご理解いただきたいと思います。

画像は、左・浅野本(三一書房)と右・あけび書房本