小池百合子東京都知事オフィシャルウェブサイトより

選挙直前に小池百合子東京都知事が立ち上げた「希望の党」は、一瞬話題になったが、選挙戦に入って急速に失速しているようだ。

あらためて、中心人物である小池氏が過去にどのような発言をしてきたかを、新聞、雑誌、国会議事録からたどり、人物像を探ってみたい。

◆支配層にとって痛くもかゆくもない第三極

その前に、新党とか第三極と言われる集団について考える必要があるだろう。自民・公明の与党を第一極、それを真っ向から批判する政治勢力を第二極、その中間を第三極と一応定義しておく。

政権交代とは、上記の第一から第二へ移ることを言うが、本格的政権交代を阻止するための政治勢力が第三極という見方もできる。これまでの新党、第三極としては、古くは新自由クラブ、日本新党。比較的新しいところでは、維新、みんなの党などがある。公示直前になって結成された立憲民主党は、いくつもの重要政策で与党と対立しているから、いちおう第二極としてもいいだろう。

今回の希望の党をはじめ、これまでに生まれては消えた政党に政権が移っても、抜本的な社会の変革はないので、日本の支配層にとっては痛くもかゆくもない、形だけの政権交代となる。

それどころか、与党の勝利にさえつながる“効果”がある。意図したかは分からないが、結果として希望の党は、政権交代防止ないし与党敗北阻止の役目になっている。

東京都知事選、都議選、希望の党結党と、旋風を巻き起こしたかに見えた小池氏は、どのような人物か記録しておく意義はあると思う。

◆日本会議との親和性

小池百合子東京都知事は、日本最大の右派組織と指摘される日本会議の国会議員懇談会に所属し、同懇談会の幹事長や副会長を歴任していた。その創立10周年には、「誇りある国づくりのため、皆様の叡智を結集していただけますよう祈念しています。貴会議の今後益々のご発展と、ご参集の皆様の尚一層のご健勝をお祈り申し上げます」(2007年9月13日)と挨拶文を送っている。

もっとも、自身が選挙で当選を重ねて上昇していくために、様々な人物や団体と関係を構築するのが政治家だろうから、社交儀礼的な側面もあるかもしれない。

1992年に日本新党から参院選に立候補して当選して以降、細川護煕元首相を皮切りに、小沢一郎自由党代表、小泉純一郎元首相、安倍晋三首相と、その時々の権力者に近づき、所属政党も、日本新党→新進党→自由党→自民党→離党→希望の党、と変えて階段を昇ってきた。その意味では、小池氏にとって日本会議も、政治家として階段を昇っていくため素材のひとつにすぎないとの見方もある。

だが、過去の言動を検証すると、日本会議の理念と一致点が非常に多く“日本会議度”は相当に高いと見なければならない。日本会議は、1997年に「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が合同して設立された。

前身の「日本を守る会」は1974年に明治神宮など宗教団体出身者らによって設立された。日本会議の役員の3分の1以上が宗教団体関係者であり、その理念は、皇室中心主義、憲法改正、愛国心教育、国防力強化、伝統的価値観の家庭づくりなどである。

日本会議は、復古的政治の下支えをする教育や家庭も重視している。教育基本法改正を訴えたり、夫婦別姓や男女共同参画反対運動を展開してきた。「親学」もその流れにあると言えるだろう。

「親学」とは、日本会議役員が関わってきた「新しい歴史教科書をつくる会」の元副会長・髙橋史郎明星大学教授が提唱する児童教育の概念だ。提唱者の髙橋氏は、親の育て方と発達障害をむすびつける非科学的な論理をたてている。

安倍首相が会長で下村博文元文科相が事務局長として「家庭教育支援議員連盟」(「親学推進議連)は発足。親学に基づく子育てを推進するために立法しようという運動を行ってきたのである。小池氏は、「親学推進議連」のメンバーでもあり勉強会にも参加し、自身の公式サイトにも掲示していたが後に削除した。

◆憲法改正ではなく「壊憲」を主張する小池氏

その右派的言動として分かりやすいのは、2000年11月30に開かれた衆院憲法調査会での発言である。この時は、石原慎太郎氏やジャーナリストの櫻井よしこらが参考人として出席していた。石原氏の日本国憲法破棄論を踏まえたうえで、小池氏はこう述べている。

「結論から申し上げれば、一たん現行の憲法を停止する、廃止する、その上で新しいものをつくっていく、私はその方が、逆に、今のしがらみとか既得権とか、今のものをどのようにどの部分をてにおはを変えるというような議論では、本来もう間に合わないのではないかというふうに思っておりますので、基本的に賛同するところでございます」

つまり、基本的人権・平和主義・国民主権という憲法の三大原則を踏まえたうえでの改憲とか改正ではなく“壊憲”するという考えだ。

国防力強化にも熱心だ。14年7月、安倍内閣は集団的自衛権行使の容認を閣議決定した。外国のために自衛隊を海外に派遣して実力行動の道を開くのだから憲法改正が必要だが、その手続きを経ずに閣議で決めてしまったのは、事実上の無血クーデターともいえる。

この時点から遡ること11年、小池氏は月刊誌『Voice』(03年4月号)で、こう発言している。

「集団的自衛権の解釈変更は、国会の審議の場において、時の総理が『解釈を変えました』と叫べばよい」

まさに安倍内閣の閣議決定を先取りしている。さらに、15年に安保関連法性が争点になっていた国会審議でも「ホルムズ(海峡)のみならず、イエメン側の方での機雷掃海だって十分考えられる」と自衛隊の海外活動を政府に迫る、意気軒昂ぶりである。

スパイ防止法制の必要性を強く訴えてもいる。渡部昇一・上智大学名誉教授の対談本「渡部昇一、『女子会』に挑む!」(ワック)に収録された渡部氏との対談に、こんなことが書いてあった。

尖閣列島問題や日本人会社員が中国で拘束されたことに談を進める中で「日本にはスパイ罪がない。これが非常に問題です」「これまでスパイ防止法を作らなかったのは、『どうぞスパイ活動をおやりください』とうサインを送っていたに等しい」と強調している。

かつて自民党は、国家秘密法の名称で成立をはかったが、権力に恣意的に運用される恐れや基本的人権を著しく侵害するとして大きな反対運動でつぶれた。それを小池氏は必要だと強調してやまない。

◆核武装容認、非核都市宣言拒否

きわめつきは、核武装論だろう。月刊誌『Voice』03年3月号で、後に日本会議会長になる田久保忠衛・杏林大学教授(当時)と現代コリア研究所の西岡力との鼎談で核武装発言は飛び出した。

「軍事上、外交上の判断において、核武装の選択肢は十分ありうるのですが、それを明言した国会議員は、西村真悟氏だけです。わずかでも核武装のニュアンスが漂うような発言をしただけで、安倍晋三官房副長官も言論封殺に遭ってしまった」

さらに衆議院選挙に際して毎日新聞が実施した「日本の核武装について」のアンケートに「国際情勢によっては検討すべきだ」(毎日新聞03年11月1日付)と答えている。

都知事選でも核武装発言について対立候補の鳥越俊太郎との論戦で、鳥越候補が非核都市宣言すると述べたことに対し「賛成をいたしません。明確に申し上げます」と、自身の考えを明らかにした。

軍事関係では、11年11月26日の衆院本会議の代表質問で、11年度予算案で防衛費が削られていることを批判し、「国防の手段を確保し、必要な防衛関係予算を増額すべきだ」と防衛費増額を主張。武器輸出三原則見直しの検討などについて、「すべて自民党政権時代に議論しその方向を出してきたものばかり」と武器輸出三原則の撤廃も主張していた。

◆「安倍と小池は同じ」を示す過去の記事

以上、国会議事録、新聞記事、雑誌記事など公の媒体に掲載された小池氏の発言を整理してきた。こうした小池氏の足跡を見れば、彼女の理念は日本会議や安倍晋三首相とかなり共通しているのは間違いない。

憲法改正、安保法制支持など、重要な理念や重要政策で安倍自民党と同じ希望の党は、自民党の派閥のようである。本記事冒頭でのべたように政権交代防止、与党敗北阻止の結果を生む可能性が高い。

10月22日、総選挙の結果で今後が見えてくるだろう。

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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今治市郊外に建設中の岡山理科大学獣医学部建設地に向けて抗議するデモ隊。建設中の建物は獣医学部(9月23日)

安倍首相が衆院解散の意向を表明した翌9月26日、大阪府豊中市で、安倍首相が最も恐れる2人の男、木村真氏(大阪府豊中市議会議員・森友学園問題を考える会)と黒川敦彦氏(今治加計獣医学部問題を考える会共同代表)が、安倍首相らを刑事告発する共同プロジェクト立ち上げの記者会見を行った。

10月10日公示・10月22日投票の「モリカケ隠し総選挙」への反撃措置としての記者会見と言えるだろう。

憲法53条の規定に則り野党は臨時国会の召集を要求していたが、3か月以上も放置したあげく、召集するなり冒頭解散をするということだから、憲法違反の解散になる。

憲法53条では、国会議員の4分の1以上の賛成で国会召集を要求した場合に内閣は国会の召集を決定しなければならない。それにもかかわらず解散総選挙に安倍首相は踏み切った。国会で審議すれば、安倍政権にとっての2大アキレス腱、森友学園疑惑と加計学園疑惑の追及に耐えられなくなるのは必至だ。
明らかな“モリカケ隠し解散”と言えるだろう。

◆灰色ではなく、限りなく黒に近い森友・加計疑惑
 
9月26日午後6時から、大阪府豊中市の元「瑞穂の國記念小学院」隣にある野田中央公園で、2人の記者会見は始まった。二つの疑獄事件は、かなり疑惑が明確になりつつある。

まず、森友学園事件。

第一に、国有地8億円値引きの根拠とされたゴミはなかったことが判明している。
第二に、財務省が上記のことをわかっていた。
第三に、1億3000万円程度という売却金額に合わせて、ゴミ撤去処理費を見積もっていた。
第四に、超格安の売却金額や異例の10年分納などのレールを財務省側が敷いていた。

加計学園事件はどうか。

第一に、行政がゆがめられたと指摘される異常な設立認可(正式認可は審議中)
第二に、建築費見積もりも内容もみないまま今治市が補助金支出決定。および建築費大幅水増しによる補助金詐取疑惑。
第三に、ずさんな設計によってバイオハザード(病原体や細菌の実験や研究で生じる危険)が100%起きると専門家が建築図面を見て指摘。

ここまで材料がそろえば、「知らぬ存ぜぬ」「記録は破棄しました」「記憶にございません」などの国会猿芝居は通用しなくなるはずだった。

黒川氏と木村氏は、臨時国会召集とともに、疑惑追及を一層強める予定だったのである。しかも、森友関連ではすでに告発が受理されている段階。そのタイミングでの解散選挙は、「あまりに露骨な“モリカケ隠し解散”だ」と2人は強く批判している。

◆獣医学部建築費水増し疑惑とは何か

「モリカケ隠しを許さない」とう国民世論を目に見える形にするために、加計問題に関して安倍晋三総理大臣を含む関係者への刑事告発運動を展開するとともに、総選挙の結果にかかわらず全国市民集会を年内に実施することを記者会件で明らかにした。

告発の内容は、獣医学部建設をめぐる建築費水増し疑惑だ。施設費148億1587万円を面積3万2528平方メートルで割って算出すると坪単価は約150万円となり、通常の鉄骨造の建物の倍近くになる。

これだけでも疑問だが、建築関係者からの内部告発の形で黒川氏は建物の設計図面を入手。それを専門家に見せると、「倉庫に毛が生えたような建物」「民間なら坪70万円」などという評価を得た。疑問に思った黒川氏はさらに調査を続け、E-statというインターネットで政府統計を閲覧できるサイトを閲覧し、疑惑を深めたという。

この中にある「建築着工統計調査」に愛媛県の教育施設が7件あるうち6件は加計学園のものだと確認できた。そこに加計学園側から提出された面積等のデータから割り出すと、坪単価は約88万1600円となる。

通常このようなアンケートでは、やや高めの数字を提出するという。坪単価80万円台ならば、納得を得られる数値だろう。

他の大学と比較しても加計獣医学部の建築費の高さが目立つ。「今治加計獣医学部問題を考える会」がまとめたところ、同じ国家戦略特区の事業として認可された千葉県成田市の国際医療福祉大学医学部は坪単価88万5200円、同じく成田市にある同大学成田看護学部(同学部は特区事業ではないが建築仕様が医学部に近い)の坪単価は76万円である。

では、いったい150万円という数字は何なのか。黒川氏が図面をもとに建築費水増し疑惑を指摘したことに対し、加計学園は、建築費は道路などの外構費や設計監理費等をのぞけば約126万2000円だとファックスで回答してきた。しかし、設計監理費は建築費に含まれるものである。

さらに、黒川氏が愛媛県知事に情報公開請求したところ加計学園が県に提出した「建築工事届」が9月12日に公開された。すべての建物の面積が記載されており、金額はすべて墨塗りされている。

しかし面積がわかるため、計算すると坪85・6万円。面積が前述のE-statと若干のずれがあるため坪単価にも違いがあるが、どちらも加計学園側が提出したものであり、坪単価は80万円台だと自分たちが書類を提出しているのだ。

「(建築費水増しを)自白しているも同然です」と黒川氏は指摘する。

今治市内で”モリカケ隠し解散”を批判するデモの先頭に立つ黒川敦彦氏(9月23日)

◆安倍首相告発1万人運動へ

今年3月3日、愛媛県今治市議会は、獣医学部設置と補助金96億円を支出すると議決している。水増した建築費をもと加計学園は補助金を申請したことになるため、「補助金詐取にあたるのではないか」(黒川氏)という重大な疑惑が湧いてくるのだ。

すでに告発状は作成されており、加筆修正のうえ公開し、告発者を募り、状況を見計らって提出するという。今治市の菅良二市長を背任容疑で、加計孝太郎理事長を補助金詐欺容疑で、安倍晋三総理を詐欺ほう助で告発する予定だ。

政権の爆弾である二大疑獄追及の当事者である木村真・黒川敦彦両氏による1万人告発運動は、“モリカケ疑惑隠し解散”に対する痛烈で実務的な批判である。総選挙にも影響するだろう。

森友学園問題のパイオニア木村真豊中市議が疑惑の現場、今治市の獣医学部建設地にやってきた(9月23日)

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

戦後培ってきた民主主義を否定し、基本的人権を保障した憲法を壊そうと安倍政権は暴走し続けているが、それにつれて政権打倒、政権交代の声も高まっている。

野党共闘を推進しようという声もあるなかで、市民が明確な政策をかかげ、政策の一致で市民レベルがまとまろうというイベントが本日9月16日(土)夕方6時から、東京都渋谷区の穏田区民会館で行われる(後述)。

◆森友・加計問題で安倍政権は窮地に

このところ、北朝鮮のミサイル問題が騒がれて報道量は減っているものの、森友学園・加計学園問題で安倍政権は窮地に陥っている。安倍政権の「お友達政治」の実態は、どんどん明らかになっている。怒涛のような北朝鮮ミサイル報道で隠されているだけだ。

とりわけ加計学園獣医学部問題では、安倍首相の関与は深く、放置できない問題である。8月末に、地元の今治加計獣医学部問題を考える会の共同代表・黒川敦彦氏が、獣医学部の建築図面を公表してますます疑惑が強まった。建築費水増し問題である。

公表された資料から計算すると建設坪単価は約150万円にものぼる。黒川氏らが専門家に意見をもとめたところ、「倉庫に毛が生えた程度の建物で、民間どうしの発注だったら、坪70万円くらい」との回答が来た。

政府統計の「建築着工統計調査」のうち、愛媛県内の学校建築7件中6件は加計学園のものと判明した。そこに記載されている数値をもとに建築費坪単価を割り出すと約88万円。どうみても150万円は高額すぎる。

これに対して加計学園側は、立て続けに4通のファックスで反論してきた。それよると、「校舎の建築費は136億円で1期工事が約80億円と認めました。2期工事は1945㎡(平米)しかないのに建設費56億円ということになるので、坪単価は、なんと962万円! ひとつ嘘をつくと辻褄があわないことがどんどん出てきます」(黒川氏)という状況だ。

さらに黒川氏は続ける。
「森友学園の籠池前理事長夫妻は、補助金約5600万円を詐取した容疑で逮捕されましたが、加計学園の疑惑は50億円以上の建設費水増しです。加計孝太郎理事長と安倍晋三首相を刑事告発する全国運動を展開したい」

こうした動きが実際に起きれば、相応のインパクトがあるだろう。このような森友・加計学園隠しをはかる安倍政権に対し批判はますます強まるに違いない。

◆キーワードは「受け皿」「消費税廃止」「原発廃止」

8月29日の院内集会。安倍打倒の声は急速に高まっている

このような動きの中で、政権交代に向けて様々な人やグループが動き始めている。そうした人々が9月16日(土)渋谷区の穏田区民会館集会室に集まる予定だ。

ひとつには、従来から言われている、民進党・共産党・社民党・自由党による野党共闘がある。また、①消費税廃止、③原発廃止、③悪法一括廃止(共謀罪法・秘密保護法・安保関連法・盗聴法新刑事訴訟法)、の三つの政策で一致して一大勢力を築けないかという試みもある。

いずれにせよ、安倍政権、自公政権に批判的な人たちを受け入れる“受け皿”が必要だということだ。都議会議員選挙における、都民ファーストの圧勝を見ても、現状に批判的な人のための“受け皿”があれば事態が大きく変わるのは間違いない。

「不公平な税制をただす会」の財源試算によれば、2017年度のデータで企業優遇税制などを廃止すれば38兆円の税収増が見込める(『福祉と税金』第29号より)

同上

この場合、どの政党が、どの政治家が……というよりも、争点となる重要政策を市民・有権者の側が明確に設定し、その政策に賛同する政党・政治家・市民が結集すればいいのではないか。まずは明確な政策を提示し、少なくとも市民レベルの共通認識にできないか、というのが16日のイベントの趣旨である。

最近、自民党の一部が消費税10パーセントへの増税を強調し始めているので、「消費税」を最大の争点にすべきだという意見が急速に増えている。そもそも、1989年4月1日に消費税が導入される以前の日本経済は、基本的に右肩上がりだった。

しかし消費税導入以後、じり貧状況が続いており、97年4月1日に消費税が3%から5%に増税されたときからデフレがはじまり、「失われた20年」が続いている。

その一方で、大企業減税、高額所得者や大資産家への減税は続いてきた。消費税導入の1989年から2015年までに法人税の減税累計は、262兆円。消費税の累計は294兆円。貧乏人から金持ちまで一律に支払う消費税で大企業減税の穴埋めをしている事実に注目すべきだろう。

さらに、いまは原発反対が多数派になっているのだから、原発廃止も加えて総選挙の争点づくりをしたらどうかという意見もある。

今回は、政権交代を目指して活動している方々に集まってもらい、その方法と展望を語ってもらう。イベントの詳細は下記のとおり。

第99回草の実アカデミー 「“受け皿”は、消費税廃止・原発廃止・悪法廃止で」

講師:小林哲雄氏(市民と野党をつなぐ会@東京事務局長)
田中正道氏(森友・加計告発プロジェクト共同代表)
黒川敦彦氏(今治加計獣医学部問題を考える会共同代表)
斎藤まさし氏(選挙ボランティア)

日時:9月16日(土)17:40開場 18:00開演 20:40終了
場所:渋谷区穏田区民会館1階集会室  渋谷区神宮前 6-31-5
交通:JR東京メトロ千代田線明治神宮前駅徒歩2分

※会場への問い合わせはしないでください。連絡は下記まで
資料代:500円
主催:草の実アカデミー(公益社団法人マスコミ世論研究所)
E-mail kusanomi@notnet.jp

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』10月号!【特集】安倍政権とは何だったのか

7月29日、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」が行われた。各地で同趣旨の活動が行われたが、この日は横浜市長選最終日だったので、横浜駅前の行動に行ってみた。

森友・加計問題、自衛隊のPKO日報隠蔽問題にからむ相次ぐ稲田朋美防衛大臣の失態、何よりも都知事選最終日の7月1日の「こんな人たちに負けられません」発言で支持率急落の安倍内閣に総辞職をもとめよう、という主旨である。

呼びかけたのは、共謀罪施行日の7月11日に安倍晋三首相を公選法違反で東京地検に刑事告発した「森友告発プロジェクト」、共謀罪に反対するイベントを街頭で繰り返している「共謀際」実行委員会有志、「ぶっ飛ばせ!共謀罪百人委員会」関東有志や個人などだ。つまり、安倍首相から指弾された「こんな人たち」による総辞職を求める街頭行動である。

7月2日投開票の東京都議会議員選挙で、自民党が史上最低の獲得議席で大打撃を受けたのに続いて、7月23日、仙台市長選挙で民進・共産・社民の野党連合のサポート受けた郡和子氏が当選した。この横浜市長選で自民・公明・連合神奈川が推す現職の林文子氏が落選すれば、安倍政権は決定的打撃をこうむるはずだった。

そのため、今回の緊急行動も横浜駅頭を選んだのだった。

「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードを掲げる市民たち

◆さびしい選挙最終日──三分裂の民進党系

開始時効前に横浜駅へ向かった。緊急行動が予定されていた相鉄口を探したが見つからない。周囲を歩いていると、高島屋前の広場で、林文子陣営が選挙キャンペーンをやっていた。

そろいのユニフォームを来た選挙スタッフだけは目立つものの、一般の聴取はものすごく少ない。スタッフがいなければ選挙運動最終日とはとても思えない静けさだ。

ちょうど、ステージに椅子を用意し、林文子候補と応援する国会議員の対談が始まろうかというタイミングだったのに、まるで静かである。

今回盛り上がらなかった背景には、民進党系が分裂していたことがある。る現職の林候補は、自民・公明・連合神奈川が支援した一方、対抗馬の長島一由候補も林伊藤大貴候補も民進党は支援できなかった。

カギになるはずの民進党が候補を一本化できずに分裂。さらに選挙戦の終盤になって、共謀罪の問題点を追及していた民進党の山尾志桜里衆院議員が林陣営の応援演説をするありさまたった。実質的に民進党が三分裂していたことになる。

結果は周知のとおり、林文子氏が当選した。

◆野党第一党に任せられない

場所を間違えて、林文子陣営の選挙キャンペーンの場に間違えて行った後、緊急市民街頭行動の場所を探した。そこからビルの中を抜けると小さな広場にたどり着き、長細い白地の厚紙に、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」と墨守されているのを見つけた。

その前には「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードが掲げられている。

思い思いのプラカードを持ってきた市民約30人がスタンディングをしていた。ミュージシャンも参加している。

始まる前から道ゆく人々が、めずらしそうにスマホで撮影したり、プラカードの文字を読む姿が見受けられる。無視されるのが普通だが、関心を持つ人の割合が高いことは、実際に通行人の様子を見るとよくわかる。

第一声は、経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた。

また、消費税によって生活も商売も悪くなっていることを指摘し、「現行の消費税8%をまずは5%に戻せと主張すべき」と強調した。

次いでマイクを握ったのは、40年近く無所属候補の選挙ボランティアとして活動し、ここ十数年は野党系候補の応援ボランティアをしてきた斎藤まさし氏は「安倍政権はひどい。野党に期待できないこともわかりました!」と語りかけた。

全くその通りで、残念ながら、従来の野党に頼るだけでは、真の改革も政権交代もできないだろう。

経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた

◆消費税廃止と原発即禁止で総選挙を闘え
 
私もマイクを握れと言われたので、率直にいま考えていることを話した。およそ次のような内容だった。

今日の安倍内閣総辞職を要求する全国緊急市民街頭行動は、安倍首相に「こんな人たち」と言われた人たちが主体だ。私からいわせれば、私たち政権を批判する市民が「こんな人たち」で、加計・森友で不正を行い特権階級を守ろうとする人たちこそが「あんな人たち」だ。

「あんな人たち」には負けられない。

野党に頼るのは無理、選挙新党を立ち上げて政権交代を目指すべきではないだろうか。その選挙戦では、第一に消費税廃止、第二に原発即禁止。この二大スローガンを、生活が苦しいと感じる6割の人に訴えていこうではないか。

1989年にはじめて3%の消費税が導入されて以降、日本経済も生活もおかしくなってきた。とくに3%から5%に消費税が増税された97年ころからデフレが始まり、格差が広がり、貧困が増大する一方だ。

消費税を廃止して、巨大企業や高額所得者、大資産家に対する大減税を止めてきちんと課税すれば、消費税よりはるかに巨額な税収を得られることは、様々な人が数字を挙げて指摘している。

……とこんな具合である。

格差が拡大して分断している今の日本では、中間層や一部保守層にも配慮した政策は、百害あって一利なし。差別され苦しい生活を押しつけられている6割の人々(非正規労働者、零細事業者、ひとり親、奨学金返済に苦しむひと、低賃金労働者など)のための政策を徹底的に訴えるのだ。

8月3日、安倍首相は内閣を改造してお茶を濁している。いま安倍首相がやるべきことは、総辞職である。

▼林 克明(はやし・まさあき)[撮影・文]
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

愚直に直球 タブーなし!7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

◆すでに治安維持法より広範囲な共謀罪の犯罪対象

6月15日に成立し7月11日施行された共謀罪だが、北から南まで日本全国で同法廃止へ向けての取り組みがなされている。

犯罪を実行していなくても計画段階で逮捕したり家宅捜査できるのが共謀罪だ。犯罪を「計画した」「合意した」と判定する権限を100パーセント持つのは、警察などの捜査機関だから、警察全権委任法といっていい。

反対者を弾圧した戦前戦中の治安維持法ですら、当初は共産主義者取締などに対象が限定されており、しだいに拡大されて、絵を描く人や俳句の会まで弾圧された。それに対して共謀罪は、277(数え方によっては316)の犯罪に共謀罪がつくので、最初から広範囲の市民に網をかけるものだ。

◆とんでもない危機に、とんでもなくフザけた演劇

すでに法律は施行され、監視が始まっている。戦後日本の最大の危機と言っても過言ではない状況なのだが、このとんでもない危機に、とんでもなくフザけた演劇が上映される。

社会派ブラックコメディを世に放ち続けてきた劇団チャリT企画の『キョーボーですよ!』(作・演出、楢原拓)がそれだ。実は、強行採決直前の6月9日~6月13日に、東京都新宿区の「新宿眼下画廊 スペース地下」で上演されたので筆者は初日に観に行った。

共謀罪をめぐる国会内での与野党の攻防や反対運動がピークに達する時期と上演期間がぴったりと一致してしまったので、リアルな感覚が迫ってきた。この作品が、入場料無料で7月18日に再上演される。

7月18日早稲田大で無料再演決定!『キョーボーですよ!』 

『キョーボーですよ!』上映会のチラシ

今回は、劇団「チャリT企画]と[早大有志の会]のコラボ企画だ。

7月18日(火)18:30開演(18:00開場)
18:30~早大・梅森直之教授 講演「キョーボーですか?」
19:10~劇団チャリT企画 公演「キョーボーですよ!」
早稲田大学小野記念講堂
入場無料(全席自由200席)
詳細は http://www.chari-t.com/pc/information.html
劇団ホームページ http://chari-t.com/kyobodesuyo/

◆「びっくりするほど簡単にあなたも今日から犯罪者」

いったいどのような内容なのか。

《平凡な市民サークルが突然わけもわからずテロ集団と認定され、テロの実行を共謀したとしてメンバーが逮捕されてしまう。そして、ものすごく不当な扱いを受けたあげく、しまいにはメンバー全員に「処分」が下される。

知らなかったでは逃げられない異常な事態。
果たして彼らの運命や如何に?
“今日もあなたを誰かが見ている”》
(以上、同劇団のチラシより)

“今日もあなたを誰かが見ている”

このあらすじは、共謀罪法案の核心を突いている。本人には、犯罪を計画した覚えもなければ、合意・賛同した覚えがまったくなくても、あるいはそう主張しても通用しない。

仮に犯罪計画に一度でも合意(暗黙の合意、目配せでも合意したとされる可能性あり)してしまったら、あとになって「そんなの危ないから止めた」と思って実際に何もしなくても、罪は成立してしまう、ということになっている。

だれかが警察に通報して「こんなことが話されていました」と言えば、犯罪の計画や合意があったとされかねない。そして通報した密告者は、罪を免じられる。したがって、疑いを掛けられた者が助かる方法は密告しかないのである。

本作は、以上のような共謀罪の本質がしっかりと盛り込まれている。人の弱みに付け込んで供述させる警察のやり方、取調べ方法など、おそらくこんなことになるだろうな、と思わせる内容がちりばめられているのだ。
 
もちろんコメディだから笑いっぱなしなのだけれど、笑いながら胃の辺りに不快感を覚えた。夜遅めの食事を採り、朝起きたときに胃がもたれる、あの感覚である。

へたをすると、この演劇はブラックコメディとは言えなくなってしまうのではないか。あたかも近未来の現実をそのまま演じているように思えてしまうからだ。

◆安倍政権こそがブラックコメディ

チラシには小さな文字で「※料理番組ではありません」と笑いを誘うような文言が書いてある。「キョーボーですよ!」のタイトルは、料理番組の「チューボーですよ!」をもじってあるからだ。

だが、公式WEBサイトに掲載された出演者の内山奈々さんのインタビューがアップされている(インタビュアーは小劇場舞台制作団体BMGの長谷川雅也氏)のを見ると、やっぱり料理番組的ともいえる。

「チラシには『料理番組ではありません』と書かれてますが、料理番組と思っていただいてかまいません。どこにでもいる普通のおばちゃんが、『お前、包丁研いだだろ』と言われて捕まるような話です」

その言葉どおりの内容だと言っておこう。

今回の作品を制作した劇団チャリT企画は1998年に結成され、時事ネタや社会問題などの思いテーマをコメディとして世に送り出してきた。「ふざけた社会派」「バンカラ・ポップ」と彼ら自ら称する異色の劇団だ。

過去には、特定秘密保護法をテーマにした『それは秘密です』などを手掛けて注目された。特定秘密の内容はもちろん公開されず、「秘密は秘密」という法律そのものが「秘密は秘密」で一般人にはまったくわからないというマンガ的状況がよくわかる作品だった。

共謀罪でも、森友・加計学園疑獄でも、政府や自民党の対応を見ていると、国会内でブラックコメディを演じているかのようだ。それも、へたなシナリオ、ひどい演技である。

ろくでもない“永田町芝居”を見せられた後に、プロが演じる面白い芝居を観て、共謀罪廃止へ向けてのエネルギーとしていただきたい。


◎[参考動画]チャリT企画『キョーボーですよ!』ゲネプロダイジェスト(2017年6月9日公開)

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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5月28日、新宿駅西口で行われた共謀祭の様子

7月11日、ついに「共謀罪(テロ等準備罪)法」が施行される。これに反対して廃止を求める行動が全国各地で一斉に開催される予定だ。

数あるイベントの中で、歌や音楽・スピーチでアピールする「全国一斉共謀祭」とプラカードなどを街頭で掲げる「全国一斉スタンディング」を紹介したいが、その前に共謀罪について改めて基本を確認しておこう。

◆明日、監視・密告社会が到来する

日本の刑法では、基本的に犯罪の既遂(実際に行う)があって初めて処罰される。しかし殺人罪など重要な犯罪については、実際に人を殺す行為をしていなくても「未遂罪」などが適用されるわけだ。

ところが共謀罪は、未遂の段階よりはるか前の、計画や合意があったと警察が認定した段階で強制捜査に着手できる。しかも、その合意とは黙示的な合意も含まれ、形にあらわしたり言葉で賛意を表さなくても成立してしまう。

当然のことながら、客観的な証拠がないから、計画・合意の事実を示すものとして盗聴(電話、ファックス、メール、SNS、話し合いの現場)が必要になる。また、計画に参加したとする者の自首・密告、あるいは捜査官が潜入して計画と合意があったと主張しなければならない。

まさに監視社会・密告社会が到来することになる。合意のあとの「準備行為」が必要だと政府は説明しているが、花見に地図や双眼鏡をもっていけば準備行為、キノコ狩りにいけばテロ資金獲得のための準備行為、などと国会でも答弁されているとおり、準備行為が構成要件を厳しくするのではなく、逆に何でもありという事態になりかねない。

2017年5月23日、衆議院で「共謀罪」法案可決。賛成議員と反対・棄権・欠席議員(東京新聞2017年5月24日付)

2017年6月15日、参議院で「共謀罪」法案可決。賛成議員と反対・棄権・欠席議員(東京新聞2017年6月16日付)

しかし、些細なことをでっち上げて、権力に都合の悪い人や組織を弾圧することはこれまでもなされてきた。だから、共謀罪は必要ない。では、なぜ共謀罪法案を強行採決させたのか。

それは、活動家や団体だけでなく、一般人・全国民に監視・弾圧の対象を拡大させるためである。この法律は廃止するしかない。

だからこそ、共謀罪法施行第1日目に、どれだけ廃止の声をあげるかが重要になってくる。

◆新宿ジャック・全国一斉共謀祭

まず、「全国一斉 共謀際」が行われる。

東京では、新宿駅西口の小田急百貨店前で、一般人有志の会主催の「新宿ジャック・全国一斉共謀祭」が開催される。ミュージシャンらに加えて、評論家の鈴木邦男氏や経済学者の植草一秀氏らが登壇する。

午後4時スタートで夜9時までの5時間という長丁場だが、法施行1日目という重要な局面なので頑張るという。この間に5時30分から6時30分までは、「ブッ飛ばせ!共謀罪」百人委員会が呼び掛けるリレートークもある。

全国主要都市でも連帯の「共謀祭」が行われる。7月7日現在の情報では、北海道、大阪、愛知、愛媛、千葉、静岡などから、参加の声が上がっているという。共謀祭に関する情報はフェイスブックページで確認していただきたい。

◆共謀罪をぶっ飛ばせ!全国スタンディング

一方、「ブッ飛ばせ!共謀罪」百人委員会は、「共謀祭」と同日に全国一斉のスタンディングを呼び掛けている。やり方は参加者にまかせるが、可能ならば施行日である7月11日を象徴するため、17年7月11日午後7時11分前後にプラカードを一斉に掲げ、共謀罪法廃止をアピールしよう、というのが呼びかけの趣旨だ。

東京での行動は、前述の「新宿ジャック共謀祭」と連動することになる。まず、午後四時に新宿駅西口の小田急百貨店前で「新宿ジャック共謀祭」開始。夕方5時30分から6時30分までの1時間は、百人委員会呼びかけのリレートークとなる。
・「ブッ飛ばせ! 共謀罪」百人委員会 フェイスブック
ブログ ・HP

7.11全国「共謀」の日 福岡第4弾 共謀罪法葬送・街頭アピール(主催=福岡市民救援会)

◆福岡では喪服で共謀罪葬送デモ

工夫を凝らしたイベントとしては、福岡で実施される福岡市民救援会主催の葬送デモがあげられる。実は6月25日にも同様のアピール活動があり、次回が第2弾になる。萎縮など一切せずに、共謀罪法を「葬り去ろう」というのがその趣旨だ。

葬送デモというからには、もちろんドレスコードは、喪服(黒い喪章、黒ネクタイ、モーニングベールなど)である。そして葬式では個人の遺影がはいるパネルに共謀罪法と墨守し、黒いリボンをかけるなどのパフォーマンスも行われるだろう。

施行日の「711」にかけて、午後7時11分には、お経風シュプレヒコールで声をあげます。が、どんなシュプレヒコールなるかは、参加するかネットの動画で見られるだろう。

主催者は、「共謀罪法の遺影や位牌を用意します。みなさんも、是非黒い服を着て、マイ木魚、マイ鈴、マイ棺桶を持参して街頭アピールに参加しませんか?」と呼びかけている。なお、「その御気持ちあるのに参加できない人は、共謀罪法葬儀への弔電やお香典も受け付けます?」ということだ。

場所は福岡パルコ前。毎週第2火曜日18時30分~19時30分に定例で行われている「福岡辺野古アクション」とのコラボ企画になる。

全国的に展開される各地のイベントを過去最大規模に盛り上げることが、廃止につながるだろう。

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

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