キックボクシング、2025年を振り返る

堀田春樹

今年も選手各々にとって目標達成した者。届かなかった者。陥落した者。目立った活躍出来なかった者。引退した者。それぞれの明暗でもそれぞれの成長がありました。ごく一部の選抜ですが、活躍と苦戦の振り返りです。

◆各々の運命

大田拓真は2025年2月2日、金子貴幸にノックアウト勝利しNJKFフェザー級王座初防衛。6月8日、WBCムエタイ世界フェザー級タイトルマッチでチャンピオン、アントニオ・オルデンにKO勝利で世界王座奪取とNJKFのエース格を証明。

大田拓真はWBCムエタイ世界王座を奪取。今後もトップは安泰か(2025年6月8日)

吉田凜汰朗も2月2日に、健太に僅差2-0判定勝利でNJKFスーパーライト級王座初防衛。この後、健太とオープンフィンガーグローブで決着戦。無判定による引分けも流血の激闘を戦い、11月30日には切詰大貴に判定2-1勝利ながらIBFムエタイ日本スーパーライト級王座も獲得。IBF版の先陣を切り、より知名度が高まりました。

健太vs吉田凜汰朗の新旧対決は壮絶だった。吉田凜汰朗にとってはいい経験となった(2025年6月8日)

小林亜維二は体格も成長し減量苦の苦戦も、2025年9月28日に宗方888に第1ラウンド完封TKO勝利し、王座防衛による“認定”から“正規”チャンピオンと言える存在感に成長。吉田凜汰朗と並ぶ若きエース格は健在。しかし11月30日にも計量ギリギリパスながらウェイトが苦しい事態を曝け出し、肩脱臼によるTKO負けは残念な結果となったが、次なる上位王座への期待感を見せました。

壱・センチャイジム(=与那覇壱世)は2025年10月12日にKNOCK OUTイベントにてWBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座獲得。MuayThaiOpen興行がホームリングながら、他の団体、イベントでも参加し、トップクラスを維持し続ける実績を残しています。

睦雅の2025年は4勝2敗、その内ONE Championshipで2勝1敗。WMO世界王座奪取成らなかったが、ジャパンキックボクシング協会でのメインイベンター格は不動でした。

瀧澤博人は2024年に2-1惜敗で世界王座奪取成らなかったが、2025年11月30日には再挑戦でヒジ打ちによる完封勝利で念願のWMO世界王座感動の奪取。諦めず努力を続ければ夢は叶うことを実践。

瀧澤博人は念願のWMO世界王座奪取で号泣。夢は叶ったが更なる上を目指す(2025年11月23日)

令和の全日本キックボクシング協会では瀬川琉が健在。まだ大手ビッグイベント出場には至っていませんが、2026年はアジアエリアでの主導権を握る存在感が期待されます。

坂本嵐は2025年6月8日にWBCムエタイ日本バンタム級王座は獲得成らず、11月30日にはNJKFバンタム級王座も初防衛成らず陥落。いずれもボディーを攻められた敗戦。厳しい試練から復活成るか。そこに注目が集まる存在感があります。

健太(山田健太)がついに引退。全126戦は平成以降では最多の偉業でした。
各団体のチャンピオン、政斗(黒澤政斗/治政館)、匡志YAMATO(福田匡志/大和)、剱田昌弘(テツ)もリングを去りました。

木下竜輔が2025年3月2日にジョニー・オリベイラを倒し、日本スーパーフェザー級王座奪取。前年の王座決定戦で敗れた雪辱を果たしました。新日本キックボクシング協会の団体エース格となったが下半期の出場は無し。勿体無い隆盛期の時間であったが、2026年3月には復帰予定である。

新日本キックボクシング協会のトップ争い、ジョニー・オリベイラvs木下竜輔戦は再度戦うか(2025年3月2日)

◆団体の方向性

各団体にとっても諸々の動きがありましたが、計画性が明確な団体と、低迷から脱せないところもあります。タイトル乱立も増し、その曖昧さも存在します。

全日本キックボクシング協会は2024年の初陣興行から満2年となります。今後も続くのは韓国勢との対抗戦。中国との交渉は一時難航した様子でしたが現在進展中。香港とは栗芝貴代表の現役時代以来の交流も復活する予定です。

今後、アジアトーナメントを計画しているという中、10月25日にはタイ・バンコクに於いてWPMTA日本代表に栗芝氏が就任。突然現れたようなWorld Pro MuayThai Associationは以前から存在するものの、これまで大きな活動は無かった模様。今後の活動によってはかつてのタイ発祥の代表的世界機構WPMFなどや、現在の主流にあるWBCムエタイに迫るか、今後の活動に注目です。

全日本キックボクシング協会栗芝貴代表が語るプランは2026年どこまで進むか(2024年12月28日)

ジャパンキックボクシング協会では7月以降、WMO世界戦が3試合行われましたが、馬渡亮太のWMO世界スーパーフェザー級王座挑戦は勝ちか引分けか、王座はどうなのか。結果の保留状態が続きました。それがメディアから問題視されるほどの話題に取り上げられないのもキックボクシングのマイナー感。それでも問題点を見直し改善へ進み、11月23日には睦雅と瀧澤博人がWMO世界王座挑戦を実現。睦雅は獲得成らなかったが、二つのタイトルマッチは滞りなく終了しました。

疑惑の判定となったオーウェン・ギリスvs馬渡亮太。再戦はどこでやるか(2025年7月12日)

新日本キックボクシング協会から最初の分裂が起こったのが2019年春。2023年春にも離脱があり、この協会型三派という流れの三団体は、もう一度集まれば大きな団体となるのに惜しいことではあります。

ニュージャパンキックボクシング連盟は2023年11月より武田幸三氏が率いるようになって11度の興行を開催されました。2025年8月24日、WBCムエタイ日本タイトルの活性化が発表された後、IBFムエタイ日本タイトルも活動開始を発表。

「えっ、マジ?」といったNJKF含めて「タイトル多過ぎ!」という声は多い中、他団体でもタイトルマッチは行なわれるにしても全て活発にタイトルマッチ開催出来るのか疑問は残ります。

毎度過激な檄を飛ばす武田幸三プロモーター。NJKFを日本一の団体にするのは何時か(2025年11月30日)

◆NKB傘下の日本キックボクシング連盟

連盟エース格、NKBフェザー級チャンピオンの勇志の出番少な過ぎだった。他の階級のチャンピオンでも引退や脱退が相次ぐ。スターが居ない中、他団体を抜く勢いの浮上は難しい存在でも今後、新世代の運営が強化されれば虎視眈々と狙う飛躍も考えられます。

◆2026年はどんな変化が起こるか

ある大手企業の支配人がキックボクシング好きで、各団体を纏めようと考えている動きもあるという噂も聞くことがあります。そんな噂や信憑性高い情報もいつの間にか立ち消えるパターンは多いものです。個人の力より群衆の力とならないと改革は難しいでしょう。

地上波テレビなどの大手メディアに扱われなければ全国区への知名度は上がらないのは過去から変わりません。ここまで毎度取り上げる範疇の各団体や選手だけでしたが、これらの名前や活動がどこまで世間に浸透するかの各団体の挑戦は続きます。イベントの盛り上げより競技としての確立を目指して追って行きたいところです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

NKB爆発シリーズFINALはスターのいない最終戦!

堀田春樹

メインイベンターに起用された大月慎也、あっけなく敗退!
安河内秀哉はアグレッシブに攻めるも倒し切れない圧勝。

◎NKB爆発シリーズvol.6 最終戦 / 12月13日(土)後楽園ホール17:15~20:15
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています。

◆第10試合 65.5kg契約 5回戦

セーンダオレック・スターライトジム(元・タイ国イサーン地方覇者/2003.1.24タイ・サコンナコーン出身/ 65.25kg)204戦162勝(58KO)37敗5分(推定)
        VS
大月慎也(Team arco iris/1986.6.20埼玉県出身/ 65.3kg)28戦11勝(9KO)13敗4分
勝者:セーンダオレック / TKO 1ラウンド 2分5秒
主審:前田仁

セーンダオレックは2024年4月に重森陽太に判定負け。6月に大谷翔司にTKO勝利も12月に大谷と再戦もTKO負け。大月慎也は前戦の10月18日、小磯哲史(テッサイ)にTKO負け。再起を期して今回は初のメインイベンターとして出場。

両者、軽い蹴りで距離を計る様子見はセーンダーオレックの間合いの取り方が上手い。大月慎也の蹴り終わりを狙った左ストレートで後退させるとパンチヒジ打ちの連打で追い込む。大月は左眉尻を切られた様子で、セーンダーオレックは組み付いてのヒザ蹴り、左フックが当たったか、大月は崩れ落ちノックダウンとなった。

セーンダーオレックが大月慎也を追い詰め、これかは微妙だがヒジ打ちがヒット

勢いづくセーンダーオレックは大月を追い回し、パンチヒザ蹴りを使い分け、ロープ際に追い込んで左ミドルキックからヒジ打ちパンチと対しに掛かるとレフェリーが割って入り試合をストップ。大月はTKO負けとなった。

大月慎也は試合後、「セーンダーオレックはメチャクチャ強いですね。パンチは見えているので行けると思った矢先、首相撲の展開になった瞬間にヒジ打ちが来たんです。全然見えなかったです!」と語り、このカットがあった為、連打受けた際、レフェリーに止められた模様である。

セーンダーオレックが連打で仕留めに掛かるが、レフェリーが止めに入る直前

◆第9試合 フェザー級3回戦

ホワッチャイ・スガ・スターライトジム(2004.1.20タイ・サコンナコーン出身/ 56.6kg)
101戦90勝7敗4分(推定)
      VS
安河内秀哉(RIKIX/2003.10.7東京都出身/ 56.95kg)16戦11勝(5KO)4敗1分
勝者:安河内秀哉 / 判定0-3
主審:笹谷淳
副審:PIRIKA 29-30. 関勝28-30. 前田28-30

ホワッチャイは初来日。安河内は8月3日、大阪でNKBバンタム級2位 雄希(テツ)と対戦して引分け。

初回、少々のローキックで様子見の後、前進し始めた安河内秀哉。ホワッチャイの蹴りに動じず距離を詰めて蹴っていく。顔面前蹴りからパンチ連打、ホワッチャイの下がり気味、ロープを背にする展開は変わらずも、クリーンヒットを許さずしっかり蹴り返す技はムエタイ熟練者の技である。

第2ラウンド以降も安河内が蹴りからパンチで追うも、接近戦ではホワッチャイのヒジ打ちを警戒してか、強引に打ち合う展開には至らない。終始追い回しても仕留めるには程遠い展開となったが安河内が攻勢を維持した順当な判定勝利。

セコンドの石井宏樹氏は「追い詰めた時にどう仕留められるかがこれからの課題です。タイ選手はこういう逃げの体勢は上手いですから!」と語った。

安河内秀哉が追い詰めても、躱してしっかり蹴り返すホワッチャイ
安河内秀哉がホワッチャイをコーナーに追い込むも倒すには至らないもどかしさ

◆第8試合 フェザー級3回戦

NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.15kg)
36戦11勝(4KO)20敗5分
        VS
堀井幸輝(ケーアクティブ/1996.11.7福岡県出身/ 56.8kg)8戦5勝(1KO)2敗1分
勝者:堀井幸輝 / KO 1ラウンド 2分27秒
主審:PIRIKA

蹴りとパンチの様子見から堀井幸輝の右ストレートで半澤信也が脆くもノックダウン。再開後、飛びヒザ蹴りで牽制。更にローキック。距離が縮まると右ストレート。半澤は脚が効いている様子があり、堀井の内股ローキックでスリップダウンする半澤。更にパンチで圧し、攻勢を続けた堀井が立て続けに右ストレートでノックダウンを奪い、3ノックダウンとなって堀井のノックアウト勝利となった。

堀井幸輝が狙った右ストレートで半澤信也を追い詰めていく
堀井幸輝KO勝利。立て続けに右ストレートで半澤慎也を倒し切った

◆第7試合 バンタム級3回戦

シャーク・ハタ(=秦文也/テツ/1987.10.20大阪府出身/ 52.75kg)11戦4勝4敗3分
      VS
磯貝雅則(STRUGGLE/1986.11.29東京都出身/ 53.4kg)8戦2勝5敗1分
引分け 0-1
主審:関勝
副審:笹谷29-29. 前田29-29. PIRIKA 29-30

両者、牽制のローキックからパンチの展開。磯貝雅則は接近戦ではヒザ蹴りを入れるがシャーク・ハタもバックハンドブローも使い、アグレッシブな前進が目立った。第2ラウンド以降も多彩に攻め合うが、差は付き難い展開が続いた。各ラウンドで磯貝のヒザ蹴りはやや攻勢のインパクトあったが勝利に導くには至らず。

シャーク・ハタのバックハンドブローはヒットせずも、互いの技を出し切った

◆第6試合 ウェルター級3回戦

安田学登(クボ/1995.9.14群馬県出身/ 66.65kg)12戦7勝4敗1分
      VS
ソムプラユン・ヒロキ(DANGER/1997.3.25茨城県出身/ 65.8kg)11戦3勝(1KO)8敗
勝者:ソムプラユン・ヒロキ / TKO 2ラウンド 1分40秒
主審:鈴木義和

初回は安田学登が前蹴り左ミドルキックでリズム掴みパンチを加えて主導権支配。第2ラウンドも安田の勢いは衰えずも、ソムブラユン・ヒロキもローキックで前進。やや劣勢もパンチの距離に入った中、右フックのクロスカウンター一発で倒したソムブラユン・ヒロキ。カウント中のレフェリーストップとなり、意外な逆転TKO勝利となった。

画像は位置が悪いが、ソムブラユン・ヒロキが右フック一発で安田学登を倒し切った

◆第5試合 フライ級3回戦

滑飛シオン(テツ/2007.6.28岡山県出身/ 50.65kg)4戦2勝(1KO)2敗
      VS
緒方愁次(ケーアクティブ/2004.1.6東京都出身/ 50.7kg)5戦3勝2敗
勝者:滑飛シオン / 判定3-0
主審:PIRIKA
副審:前田30-26. 関勝30-26. 鈴木30-27

初回のパンチとローキックで先にリズム掴んだのは滑飛シオン。第2ラウンドには緒方愁次の飛びヒザ蹴りに右ストレートカウンターでノックダウンを奪った。ダメージは小さいがスリップ気味で身体が流れた尻餅ダウンではあった。第3ラウンドもシオンの優勢維持。展開は変わらずシオンが判定勝利。

緒方愁次の飛びヒザ蹴りと滑飛シオンのバックハンドブローの交錯

◆第4試合 63.0kg契約3回戦

菅野登生(テツ/2005.11.2兵庫県出身/ 62.4kg)2戦2勝(1KO)
      VS
清水和也(アルン/2003.9.22新潟県出身/ 62.9kg)6戦2勝3敗1分
勝者:菅野登生 / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:関勝30-28. 前田30-29. PIRIKA 30-29

蹴りとパンチの探り合いのアグレッシブな攻防が続く。前進してパンチラッシュする清水和也と下がりながらも左ストレートカウンターとミドルキック、ハイキックのリズムが攻勢を維持して菅野登生が判定勝利。

◆第3試合 フェザー級3回戦

鈴木ゲン(拳心館/1973.6.5新潟県出身/ 56.65kg)16戦6勝(4KO)9敗1分
      VS
加藤宙(神武館/2008.11.26埼玉県出身/ 56.75kg)2戦2勝(2KO)
勝者:加藤宙 / TKO 3ラウンド 1分5秒
主審:鈴木義和

初回早々からパンチで猛攻掛ける加藤宙だが、鈴木ゲンがロープに詰まりながらも凌いで蹴って体勢を立て直していく。スピードある加藤のヒジ打ちで鈴木ゲンは額を切られるが、ミドルキックやヒザ蹴りで立て直す頑張りは見せた。

第2ラウンドも加藤は我武者羅なパンチとヒジ打ちで鈴木は流血と右目辺りが腫れだす。第3ラウンドには鈴木ゲンの左目が腫れて塞がり、左頬もコブが出来るなど出血もありドクターの勧告を受入れレフェリーストップとなった。35歳差対決はスピードある加藤とテクニックは無いが、ジワジワ蹴りとヒザ蹴りで巻き返そうとする鈴木のアグレッシブな頑張りを見せた。

鈴木ゲンが若い加藤宙をヒザ蹴りで追うも、流血と腫れが酷くレフェリーストップが掛かる

◆第2試合 53.75kg契約3回戦

風間 祐哉(WSR三ノ輪/1997.7.17石川県出身/ 53.4kg)7戦1勝4敗2分
        VS
早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 53.0kg)4戦2勝1敗1分
勝者:早川曜平 / 判定0-3
主審:関勝
副審:笹谷29-30. PIRIKA28-30. 鈴木29-30

◆プロ第1試合 62.0kg契約3回戦

大利一真(テツ/1991.7.1大阪府出身/1981.5.30大阪府出身/ 61.35kg)3戦1勝1敗1分
        VS
藏田浩二(SRK/1981.5.50大阪府出身/ 61.75kg)1戦1敗
勝者:大利一真 / 判定3-0
主審:前田仁     
副審:笹谷29-28. PIRIKA29-28. 鈴木29-28

◆アマチュア第3試合 問答無用 東西対抗戦50.0kg級2回戦(2分制)

関東推薦選手.齋藤日吉(MAX FIGHTING SPORTS/2010.6.16福島県出身/ 49.4kg)
        VS
関西王者.小西谷琉(ROYALKINGS/2010.12.3 兵庫県出身/ 49.25kg)
勝者:齋藤日吉 / 3R三者三様 延長2-1(19-19.10-9 / 20-19.10-9 / 19-20.9-10)

◆アマチュア第2試合 問答無用 東西対抗戦47.0kg契約2回戦(2分制)

45kg級関東王者.宮城壮一朗(FREEDOM@OZ/2012.2.17埼玉県出身/ 46.5kg)
        VS
45kg級中四国王者.山本椅央(武魂會/2011.9.17岡山県出身/ 45.7kg)
勝者:宮城壮一朗 / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-19)

◆アマチュア第1試合 問答無用・関東33kg級キッズタイトルマッチ2回戦(2分制)

関東33kg級王者.山川樹(マスターズピット/2013.4.20千葉県出身/ 32.5kg)
      VS
挑戦者.YU-NA(キング/2012.8.21東京都出身/ 31.7kg)
勝者:YU-NA / 判定0-2 (19-19. 18-20. 19-20)

《取材戦記》

予定されていましたバンタム級3回戦、杉山海瑠(HEAT)は高熱による体調不良で欠場。試合は中止。対戦者、雄希(テツ/53.1kg)は計量をパスし形式上勝者扱い(発表は不戦勝)。

センダーオレックと対戦したい選手は他にも居たようでしたが、今月や来月に試合を控えた選手の為、スケジュールが合わず、今回は大月慎也が出場となった模様です。

今回、NKB史上初の女性レフェリーが起用。PIRIKAさんの最近はMuayThaiOpenでレフェリーを務めていました。画像にある堀井幸輝KO勝利の瞬間はレフェリーの良い見本。すぐ勝者の手を上げるのではなく、まず敗者を保護することが優先。これがしっかり出来るのはプロボクシングJBCにおける全レフェリー。キックボクシングでは、最近は改善されてきましたが、ダメージある敗者を放りっぱなしにするレフェリーは今も存在します。PIRIKAはしっかり半澤信也を支えに入っていた。しっかり基本を教えられてきた土壌があったのだろう。今後もNKBには起用が見込まれます。

従来からの日本キックボクシング連盟において、チャンピオンにまで到達しながら団体離脱する選手は一定数存在します。最近では蘭賀大介や杉山空など、幅広い分野で自分の力を試したくなるのは自然の心理。先行きを見守りたいものです。

2026年の日本キックボクシング連盟興行は2月21日(土)、4月18日(土)、6月20日(土)、10月10日(土)、12月12日(土)にいずれも後楽園ホールで開催と、8月2日(日)に大阪176BOXに於いてテツジム主催興行と、年間6回予定されています。

2月21日はNKBウェルター級タイトルマッチ、チャンピオンカズ・ジャンジラ(Team JANJIRA)vs挑戦者.どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS)戦が行われます。

時代が移り変わり、日本キックボクシング連盟も世代交代が進み、鎖国的な態勢から少しずつ体制が変わって来ました。2026年も新たに何が起こるか期待したいものです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

MuayThaiOpen 今回も壱世がメインイベンター、存在感を示すTKO勝利!

堀田春樹

壱世、全勝とはいかなかったが、今年もビッグマッチをこなして飛躍の一年で締め括る。
蒔音は2023年12月デビューから丸2年での二つ目の王座獲得。
エムトーンジムの期待の新星、夢叶もノックダウン奪って判定ながら圧倒の勝利。

◎MuayThaiOpen.51 / 12月6日(土)墨田区体育館(ひがしんアリーナ)
プロ興行:17:00~21:30
主催:センチャイムエタイジム / 認定:ルンピニージャパン

前日計量は中野駅近くのセンチャイジムにて5日13時より行われています。1名は当日計量。2名が学業の為に遅延。授業を終えて計量に向かった模様。全員いずれも一回でパス。

◆第12試合 55.5kg契約3回戦 

WBCムエタイ日本スーパーバンタム級チャンピオン.壱・センチャイジム(=与那覇壱世/センチャイ/1997.8.15沖縄県出身/ 55.1kg) 45戦33勝(12KO)11敗1分
VS  
ワイトップ・ソー・ガムジン(1992.10.17タイ国出身/ 55.5kg) 
勝者:壱・センチャイジム / TKO 2ラウンド 2分59秒
主審:河原聡一

両者見合って様子見から上下の蹴りに移る。互角ながら前に出ているのは壱世。第2ラウンドも壱世が蹴りでプレッシャーをかけて前に出てワイトップを追い詰めていく。

壱世のローキックがワイトップの右内腿辺りにヒットするとワイトップはバランスを崩して足を引き摺る。効いた様子あるワイトップに更に同じ個所を蹴るとワイトップはスリップながら尻餅をつくダメージある様子が窺えた。

ワイトップの効いている左脚を攻める壱世

下から上へハイキックで圧力を掛け、パンチ連打から左アッパーでノックダウンを奪った。立ち上がるも防戦一方のワイトップを首相撲からヒザ蹴り、蹴りからパンチを纏め4連打の最後は左アッパーで倒し、ノーカウントのレフェリーストップとなった。

壱世が左アッパーで最初のノックダウンを奪ったシーン
マイクアピールでは応援してくれたファンへの感謝を述べる壱世

◆第11試合 59.5kg契約3回戦 稔之晟インフルエンザで欠場。代打はモンコンチャイ

JKIスーパーフェザー級チャンピオン.夢叶(エムトーン/2004.4.7神奈川県出身/ 59.5kg)
13戦9勝(2KO)3敗1分
        VS
モンコンチャイ・キアチャイレック(タイ/29歳/ 59.2kg)
勝者:夢叶 / 判定3-0
主審:谷本弘行
副審:河原30-26. 少白竜30-25. 神谷30-25

初回から蹴りの攻防に立ち向かう夢叶。モンコンチャイをロープ際に追い詰める流れで蹴り優っていく。

夢叶はモンコンチャイを上回るスピード、アグレッシブな攻めで圧力掛けて出た

第3ラウンドにはロープ際に追い込んでのパンチ連打で2度のスタンディングダウンを奪った後の終了間際には飛びヒザ蹴りを見せたが、仕留めるには至らずも下がる場面は一切無かった圧倒の大差判定勝利となった。

試合後、夢叶は「今日は倒したかったです。次はKOで勝ちます!」と宣言した。

夢叶の飛びヒザ蹴り。ラスト2秒前だった。モンコンチャイも前蹴りで対抗して凌いだ

◆第10試合 MuayThaiOpenバンタム級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.イティポン・ポー・ジョー・ウォー(2002.1.6タイ国出身/ 53.5kg)
              VS 
挑戦者.蒔・センチャイジム(=佐藤蒔音/ JKイノベーション・バンタム級Champ/センチャイ/2003.7.8東京都出身/ 53.4kg)
勝者:蒔・センチャイジム / TKO 3ラウンド 2分46秒
主審:大澤武士

3月22日に矢島直弥に2-1判定勝利で王座獲得したイティポン。パンチとローキックで様子見ながら蒔音がプレッシャーを掛けていく。

イティポンは静かな蹴りの反撃も蒔音は冷静に躱し、自分の距離を保って攻めて行く。徐々にパンチの攻勢が強まり、蹴りと首相撲の攻防から第3ラウンドには怒涛の連打でノックダウンを奪い、更に連打で追い込み右ヒジ打ちで倒し切った。

蒔音が首相撲でも優ってイティポンの頭を捻じり押さえる
蒔音がイティポンをロープ際に追い詰め、ラッシュを掛けてノックダウンに繋げた
MuayThaiOpenの王座で二つ目王座奪取となった蒔音。壱世に続くか

◆第9試合 アマチュアMuayThaiOpen 53.5kg級王座決定戦3回戦(2分制)

駒木根稔和(TSK Japan/2009.5.7神奈川県出身/ 53.25kg)
        VS
鬼久保蒼流(健成會/ 2009.8.30東京都出身/ 52.8kg)
勝者:駒木根稔和 / TKO 3ラウンド 1分30秒
主審:神谷友和

初回、素早い両者のフットワークの蹴り。そこに鬼久保蒼流が右ストレートで軽いノックダウンを奪った。駒木根稔和はダメージは殆ど無い様子で、蹴りで押し込み接近するとパンチの連打、攻めの勢いを増して行くとスタンディングダウンを奪って巻き返し。

第2ラウンドも駒木根稔和が鬼久保の攻めを封じ圧倒する流れ。第3ラウンド半ば、駒木根がパンチやヒジ打ち猛攻でコーナーに追い込み、パンチ連打で2度のスタンディングダウンを奪ってレフェリーストップとなるTKO勝利。

駒木根稔和はアマチュアながらスピーディーなテクニックで鬼久保蒼流を圧倒

◆第8試合 女子43.5kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級チャンピオン.Uver-miyU(=高橋美結/T-KIX/1999.12.7静岡県出身/ 43.5kg)
        VS
ロウ・イツブン(NEXTLEVEL渋谷/1995.5.26中国出身/ 43.4kg)
引分け 三者三様
主審:少白竜
副審:神谷29-29. 谷本28-29. 大澤29-28

初回、ミドルキックやハイキックで牽制する両者。ウーバー・ミユの蹴りにしっかり蹴り返すロウ・イツブン。接近した際にバッティングが起こったか、ウーバーの額にコブが出来ていた。

ロウ・イツブンはスマートな蹴りが出続ければ流れが傾きそうなところ、ウーバーも前進する圧力にパンチ蹴りとも手数を増して踏ん張る。終盤は激しい蹴り合いも互角の展開を残し、チャンピオンに成ったばかりの、負けるわけにはいかない立場のウーバーミユにとっては悔しい引分けとなった。

負ける訳にいかないウーバーミユだったが、ロウ・イツブンのミドルキックに苦しめられた

◆第7試合 アマチュア(ジュニア)55.0kg契約3回戦(2分制)東西王者対決

秀馬(エムトーン/2010.10.26神奈川県出身/ 当日計量55.0kg)
        VS
大澤透士(TRASH/2010.11.16広島県出身/ 54.7kg)
勝者:秀馬 / 判定3-0
主審:河原聡一
副審:神谷30-27. 大澤30-28. 少白竜29-28

蹴りの様子見から徐々に自分のペースへ持ち込む秀馬。タイミングいい蹴りとパンチで的確なヒットを見せながら圧力を掛けて大澤透士を追い込んでいく。

第3ラウンドは大澤も懸命に蹴りで出て来たが、秀馬はバランスいい攻めで判定勝利。

エムトーンジム南孝侍会長は秀馬の勝因について、「やられたらやり返す!」と応えたが、やられていないのに攻め勝ったことには笑うだけだったが、秀馬の試合運びには満足そうだった。

◆第6試合 女子バンタム級3回戦(2分制)

真秀鷹虎(センチャイ/2006.4.10宮城県出身/ 53.35kg)
        VS
優波(TFG EVOLVE/2010.6.8千葉県出身/ 52.95kg)
勝者:真秀鷹虎 / 判定2-0
主審:谷本弘行
副審:神谷29-29. 河原29-28. 少白竜30-29

激しい蹴り中心の攻防が続き、ラストラウンドにやや圧力掛けて出た真秀鷹虎が経験値の差か、僅差ながら判定勝利。

◆第5試合 アマチュア(ジュニア少年少女)35.0kg契約3回戦(2分制)

川原さくら(橋本道場/2012.1.14福岡県出身/ 34.9kg)
        VS
大牙虎男(Vallely Kickboxing team/ 2015.2.17東京都出身/ 34.5kg)
引分け 0-1 (29-29. 29-29. 28-29)

男子と女子の戦い。さくらの蹴りは積極的。この時期の年齢差は、大牙虎男には不利な体格差かもしれないが、男子のパワーが徐々に優り、互角の攻防戦が続いた。

◆第4試合 66.0kg契約3回戦(2分制)

志賀野真人(TSK Japan/2007.6.17神奈川県出身/ 65.3kg)
        VS
小泉琉(健成會/2006.11.25東京都出身/ 65.3kg)
勝者:志賀野真人 / 判定3-0
主審:神谷友和
副審:谷本30-28. 河原30-27. 大澤30-27

パンチヒットで志賀野真人の主導権支配した展開は変わらず終了。

◆第3試合 アマチュア(ジュニア)43.0kg契約3回戦(2分制)

阿部龍(橋本道場/2012.6.7東京都出身/ 42.9kg)
        VS
日野原晴海(HIDE/2012.1.20静岡県出身/ 42.7kg)
勝者:阿部龍 / 判定3-0 (29-28. 30-29. 30-28)

素早く多彩な互角の攻防だったが、阿部龍が勝利を掴む。

◆第2試合 64.0kg契約3回戦

ムラッシュ村松(TSK Japan/1998.12.10神奈川県出身/ 63.2kg)
        VS
古林けいご殿(龍拳會青葉台支部/1980.10.8神奈川県出身/ 63.95kg)
勝者:ムラッシュ村松 / 判定3-0
主審:河原聡一
副審:少白竜29-28. 神谷29-28. 大澤29-28

初回はやや古林けいごのペース。第2ラウンドからムラッシュ村松が盛り返した。古林が疲れて来たところを追い詰める。村松が主導権支配した流れで終わった。

◆第1試合 アマチュア(ジュニア)28.0g契約3回戦(2分制)

發知楓(橋本道場/2013.8.5東京都出身/ 26.8kg)
        VS
大空(SUCCEED/2015.6.1神奈川県出身/ 27.3kg)
勝者:大空 / 判定0-2 (29-29. 28-30. 29-30)

《取材戦記》

プロ興行の中でも最近は前座でアマチュア試合を組み込む傾向があります。一つの団体等で、プロ・アマチュア部門が存在するので、興行の都合ではその流れも起こっています。今回はセンチャイ一家の家庭的ムードが漂う興行。手作り感強い興行で、突然のアマチュア東西王者対決も決まった模様。何の王座かはアマチュアムエタイオープン55kg級ということだった。

プロ試合、メインイベンター壱世が奪ったノックダウンとノックアウトに繋げたヒットは、いずれも左アッパー。貴(たかゆき)センチャイ氏がスマホで撮っていた動画から判明。撮った動画をすぐ見れるのは便利になった時代です。

壱世は10月12日にKNOCK OUT興行 で行われたWBCムエタイ日本スーパーバンタム級王座決定戦でNJKF同級チャンピオンの繁那(R.S)と対戦し、壱世が3-0判定勝利し、王座獲得しています。次の試合は来年2月15日にKNOCK OUT興行に出場予定ということでした。

全試合試合後、センチャイ会長は「最近の日本の選手はレベル高くなって、本当に観る側も楽しいと思います。世界にいろいろな試合有るけど、日本の選手はよく研究していると思います。」とタイ選手を上回る攻防に感想を述べられました。毎度丁寧に纏め上げるのは、センチャイさんらしいところではあります。

コロナ禍から復活して今回4度目の興行となりました。来年もMuayThaiOpenは日程未定ながら3回ほど開催予定の模様です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

NJKFでIBFムエタイ日本タイトル本格始動、吉田凛汰朗が初陣を飾る!

堀田春樹

亜維二は肩脱臼で敗退。一つ上のタイトルは遠のく。
佐藤界聖と高橋幸光が王座決定戦へ駒を進める。
嵐はまたもボディブローで倒される。
健太が126戦目でラストファイト、愛息と手を繋いでテンカウントゴングを聴く。

◎NJKF CHALLENGER 11 / 11月30日(日)後楽園ホール17:10~21:30
主催:(株)オフィス超合筋
認定:ニュージャパンキックボクシング連盟、IBFムエタイ日本(運営部)
放送:U-NEXT

戦績・経歴はプログラムと過去データを参照し、この日の結果を加えています。

◆第9試合 IBFムエタイ日本ライト級初代王座決定戦 5回戦

NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/2000.1.31茨城県出身/ 63.2kg)
31戦15勝(3KO)10敗6分
        VS
JKIスーパーライト級チャンピオン.切詰大貴(武勇会/1999.1.5高知県出身/ 63.3kg)
10戦8勝(2KO)2敗
勝者:吉田凜汰朗 / 判定2-1
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:宮沢48-47. 多賀谷47-48. 児島49-46

初回、蹴りからパンチ、ヒジ打ちと多彩に攻め合う両者。互角の展開は差は付き難いが、第2ラウンドはパンチの攻勢強めた切詰大貴が優った。第3ラウンド、落ち着きが出て来た吉田凛汰朗。第4ラウンドには冷静な吉田のパンチヒットが増えた。

終了前には切詰をロープ際に追い込み怒涛のパンチラッシュ。主導権を奪った吉田のリズムは続き、切詰は我武者羅に打って出ても巻き返し成らず。第4と5ラウンドはジャッジ三者揃って吉田が制し、スプリットデジションながら吉田が判定勝利し王座獲得となった。

吉田凜汰郎と切詰大貴の一進一退の攻防。後半は吉田凜汰郎が主導権支配した

吉田凛汰朗は「他団体にも自分の階級には強いチャンピオン沢山居るので、ブッ倒してIBFの世界絶対獲ります!」と動画配信インタビューには応え、似た回答になってしまうので改めて聞くことは無かったが、前日計量で3年前に睦雅と引分けていることについて尋ねてみました。「前回と全く違う感じで、睦雅選手は技術的に凄くレベルアップしている選手なので、3年前と違う最近の動画見て作戦練って行かねばなりませんね。睦雅選手とは団体のチャンピオン同士で、また3年前の決着戦としても戦いたいですね。」と話していた。

最初のIBFムエタイ日本チャンピオンと成った吉田凜汰郎

◆第8試合 NJKFバンタム級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン初防衛戦.嵐(=坂本嵐/KING/2005.4.26東京都出身/ 53.4kg)
20戦13勝(6KO)5敗2分
            VS
NJKFバンタム級3位.山川敏弘(京都野口/1990.6.14岡山県出身/ 53.4kg)
24戦11勝(7KO)11敗2分
勝者:山川敏弘 / TKO 3ラウンド 1分59秒
主審:多賀谷敏朗

開始早々、嵐の突進しての牽制飛びヒザ蹴りはヒットせずも山川敏弘も冷静に躱す。前日計量時から挑発を続けた嵐は試合では冷静に様子見。山川も落ち着いて様子を見ながらも、初回終了間際は嵐が圧力掛けてパンチで攻め印象点を残す。

第2ラウンドも嵐の圧力がやや優ったがこのラウンドの終了間際のパンチの交錯でゴング後も打った嵐に対し、割って入った多賀谷レフェリーを突き飛ばした嵐。多賀谷レフェリーが嵐を赤コーナーへ押し込んだが、これは両者を分けてラウンドを終わらせる為の正当な行為。嵐には減点1が課せられた。

第3ラウンドに入ると圧力掛けて来たのは山川。蹴りを中心に接近しヒザ蹴りを加える。更に首相撲に持ち込みヒザ蹴りでボディーを突き刺すと蹲るようにノックダウンした嵐。立ち上がり、パンチで打ち合うもボディーが効いているのか、山川の大きなヒットも無いのに再び崩れ落ちた嵐。そのままほぼノーカウントのレフェリーストップとなって山川敏弘が第16代チャンピオンと成った。

首相撲からヒザ蹴り突き刺した山川敏弘の前に崩れ落ちた嵐

山川敏弘は試合後、「今日のタイトルマッチを目標にやって来て、目標クリアしたので次に何をしようかと言うのは今のところ無いんですけど、まあ用意された相手を倒すだけなので防衛戦はしっかり勝ちます。今回は初めて緊張しなかったです。それが逆に不安で大丈夫かなとは思ったんですよ。でも練習どおり動けました。」

嵐の挑発については「そこは狙っていまして、勝手に熱くなってハマってくれてるなと。」と冷静に受け止められたと言う。年齢的にも人生の経験値が活きた山川敏弘はこの日のMVPも獲得した。

嵐を下して新チャンピオンとなった山川敏弘。35歳での戴冠。感謝を述べる

◆第7試合 IBFムエタイ日本ウェルター級王座決定4名トーナメント 3回戦

NJKFウェルター級チャンピオン.亜維二(=小林亜維二/新興ムエタイ/2006.神奈川県出身/ 66.9→66.8→66.85→66.75→66.65kg)14戦10勝(6KO)3敗1分
          VS
佐藤界聖(聖域スーパーウェルター級Champ/PCK連闘会/2001年宮城県出身/ 66.35kg)
21戦14勝(6KO)6敗1分
勝者:佐藤界聖 / TKO 2ラウンド 36秒
主審:中山宏美

亜維二は減量はキツかったが、リカバリーは万全で初回はパンチと蹴りの攻防で、亜維二が強い蹴りでプレッシャー掛けて攻勢を維持。第2ラウンド開始から間もなく、亜維二が右ストレートを打つと、右腕に何か異変が起きた様子が窺えたが、そのまま続行。

更に接近戦でパンチがやや交錯した後、両者縺れ合って倒れると亜維二が肩を押さえて立ち上がれない様子を見せた。一旦ノックダウン扱いとなったがすぐレフェリーストップとなった。右肩脱臼による負傷。佐藤界聖のTKO勝利となった。亜維二は更に左眉尻をカットしており、打ち合いの中、ヒジ打ちを受けたと見られる。

肩の脱臼で諦めた形の亜維二。残念な敗退だった

◆第6試合 IBFムエタイ日本ウェルター級王座決定4名トーナメント 3回戦

高橋幸光(元・WMC日本スーパーライト級Champ/飯伏プロレス研究所/神奈川県出身36歳/ 66.45kg)75戦44勝(15KO)25敗5分1NC
          VS
井原浩之(IPCCウェルター級Champ/ハーデスワークアウト/広島県出身41歳/ 66.4kg)
61戦28勝31敗2分 
勝者:高橋幸光 / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:宮沢30-26. 多賀谷30-26. 中山30-26

パンチとローキック中心の攻防は高橋幸光の積極的な攻めでヒットを増し攻勢を維持。井原浩之は慎重な出だしで、やや劣勢な流れも蹴り返して突破口を開こうとするも、高橋の圧力に圧されるまま。高橋は勢い増し、後ろ蹴りも見せた。

第3ラウンドは井原がパンチ中心に攻勢を強めたが高橋は凌いで、終盤にはパンチでタイミング良い連打でノックダウンを奪って終了し、高橋が大差判定勝利を飾った。

高い後ろ蹴りで井原浩之を後退させた高橋幸光。アグレッシブな攻勢を続けた
来年2月8日に王座決定戦で対決する高橋幸光と佐藤界聖

◆第5試合 64.0kg契約3回戦

NJKFスーパーライト級1位.健太(=山田健太/E.S.G/1987.6.26群馬県出身/ 63.85kg)
126戦68勝(21KO)50敗8分
          VS
同級3位.佐々木勝海(エス/神奈川県出身27歳/ 63.9kg)14戦10勝(2KO)2敗2分
勝者:佐々木勝海 / 判定0-3
主審:児島真人
副審:宮沢28-29. ランボー27-30. 中山27-30

蹴りの様子見から徐々に距離が詰まるが、先に佐々木勝海の蹴りヒットが目立つ。佐々木は自分の距離を維持し、健太はパンチで距離を詰めても攻勢を導けない。静かな攻防は健太が前に出るもヒットは佐々木の方が多い。攻め切れない両者の攻防は微妙な差だが、ラウンドを支配するポイント的には佐々木勝海が大差と言える判定勝利となった。

ラストファイトとなった健太。佐々木勝海と完全燃焼の戦いを終えた

試合後、その場で健太の引退セレモニーが行われ、二人の愛息と手を繋いでテンカウントゴングを聴き、現役を去った。

親子でテンカウントゴングを聴いた健太

◆第4試合 女子フライ級ノンタイトル3回戦

S-1女子世界フライ級覇者.真美(Team ImmortaL/1990.2.19神奈川県出身/ 50.75kg)
26戦18勝(6KO)8敗
        VS
ジョン・アヨン(韓国出身17歳/ 50.3kg)14戦12勝(4KO)1敗1NC
勝者:ジョン・アヨン / 判定0-3
主審:多賀谷敏朗
副審:宮沢27-30. 児島27-30. 中山27-30

開始からジョン・アヨンの首相撲に捕まる真美。これで主導権支配したジョン・アヨン。蹴っても組み合ってもジョンが圧して来た。セコンドの「首相撲に付き合うな!」の声。若干は真美の蹴りで巻き返しを狙うが、ジョンをたじろがせるには至らない。ラストラウンドも激しく打ち合うもジョンの勢い止められず終了。真美もS-1世界チャンピオンの意地で踏ん張ったがフルマークの大差判定負け。

多彩な技持つジョン・アヨンにリズム狂わされた真美だが、懸命に戦った

◆第3試合 スーパーバンタム級3回戦

NJKFスーパーバンタム級6位.王清志(新興ムエタイ/神奈川県出身30歳/ 55.15kg)
26戦10勝(3KO)15敗1分
        VS
祖根亮磨(大和/1997.5.8 沖縄県出身/55.0kg)10戦4勝(4KO)5敗1分
勝者:祖根亮磨 / TKO 2ラウンド 1分43秒
主審:児島真人

第2ラウンドに両者打ち合いになった中。祖根亮磨がパンチ軽いヒットながらノックダウンを奪う。立ち上がった王清志だが、続行しかけて足がフラ付くとレフェリーがストップし、祖根亮磨のTKO勝利となった。

◆第2試合 58.8kg契約3回戦

工藤叶雅(VALLELY/埼玉県出身19歳/ 58.25kg)2戦1勝1敗
        VS
陽平(TAKEDA/ 埼玉県出身16歳/58.4kg)2戦1勝1敗
勝者:工藤叶雅 / 三者三様 延長2-1
主審:宮沢誠
副審:多賀谷28-29(9-10). ランボー29-29(10-9). 児島29-28(10-9)

この試合は勝敗決定のCHALLENGERルール。引分けから延長戦を行なって勝利者は工藤叶雅となった。

◆第1試合 フライ級3回戦

トマト・バーテックス(VERTEX/徳島県出身24歳/ 50.45kg)8戦1勝5敗2分
       VS
竹田奏音(TAKEDA/埼玉県出身16歳/ 49.9kg)2戦2勝
勝者:竹田奏音 / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:多賀谷27-30. ランボー27-30. 児島27-30

《取材戦記》

亜維二は前回9月28日に続いて計量一回でパスとならず、リミットまで時間が掛かりました。減量がキツくなったのは確かでしょう。でも王座決定戦を制してから転級は考えると言っていましたが、準決勝の今回は肩を脱臼してのTKO負けしてしまいました。これはもしかして減量が影響しているのか。身体から抜け切った水分が正常に戻るまで2~3日掛かると言われます。それは頭部を打たれた際の脳へのダメージが大きいと言われ、脱臼の影響あるかは不明だが、何か気になる負傷でした。その亜維二は打倒・大田拓真が目標という。階級が違うので戦うことは無いだろうが、存在感や実績での団体エース格への挑戦である。

嵐はチャンピオンに成ってからやって来る試練にぶち当たった感じである。前回6月8日も星拓海にボディーを攻められてKO負けを喫しました。国内に多くあるタイトルは一つ獲っただけでは日本チャンピオンとは言えず、ここからがチャンピオンロードの始まり。本当の試練が始まる。まだまだ戦わねばならない、リベンジしたい相手がいる中、今後の再起戦に期待である。

IBFムエタイはWBC同様にプロボクシング主要認定団体のムエタイ部門で、2017年にタイで発祥した世界タイトルです。2019年には波賀宙也が世界ジュニアフェザー級王座獲得しています。今回から始まったIBFムエタイの日本タイトル戦。WBCムエタイとどう使い分けていくのか。負けが込んでいる選手がいきなり挑戦するようなこと無いよう、NJKFを中心に今後どのように権威を上げて行くのか見届けたいところです。

NJKF 2026年のスタートは2月8日に後楽園ホールに於いて開催されます。興行タイトルが「NJKF CHALLENGER.12」となるかは不明ですが、IBFムエタイ日本ウェルター級王座決定戦が確定しています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

WMO世界戦、瀧澤博人は戴冠! 睦雅は敗れる!

堀田春樹

2024年7月28日の世界挑戦で2-1判定負けした瀧澤博人は今回、明確に倒して戴冠。
睦雅はベテランの曲者、ペッダムにペースを狂わされ判定負け。
軽量級の二人のライバルチャンピオン、西原茉生はテクニックで圧倒の判定勝利。
細田昇吾は初回早々の圧倒のKO勝利。
治政館の新星、BANKIと西山天晴は揃って勝利。

◎KICK Insist.25 / 11月23日(日・祝)後楽園ホール17:15~21:20
主催:VICTORY SPIRITS、ビクトリージム
認定:World Muaythai Organization、ジャパンキックボクシング協会(JKA)
世界戦スーパーバイザー:ウラチャー・ウォンティエン(タイ)

前日計量は22日14時より水道橋内海ビルにて行われ、全員が一回でパスしています。戦績はプログラムを参照に、この日の結果を加えています。

◆第11試合 WMO世界スーパーライト級王座決定戦 5回戦

3位.睦雅(=瀬戸睦雅/ビクトリー/1996.6.26東京都出身/63.5kg)31戦23勝(14KO)6敗2分
            VS
ペッダム・ペッティンディーアカデミー(1998.5.25タイ国出身/63.5kg)
258戦199勝52敗7分
勝者:ペッダム・ペッティンディーアカデミー / 判定0-3
主審:ノッパデーソン・チューワタナ(タイ)
副審:椎名利一(日本)48-50. 
アラビアン長谷川(タイ)47-49. 
ナルンチョン・ギャットニワット(タイ)47-49

(睦雅はWMOインターナショナル・スーパーライト級チャンピオン/ペッダムは元・WBC・ムエタイ世界フェザー級、元・ルンピニー系バンタム級、元・タイ国《PAT》バンタム級チャンピオン)

睦雅はローキックで様子見。ペッダムは高めの蹴りを返しながら圧力を掛けて出る。パンチの交錯は互角ながら、ペッダムの勢いが強い。

第2ラウンド以降もペッダムの左ミドルキックが時折強く繰り出して来る。更にペッダムの左ハイキックが睦雅の顔面を掠めるようなヒット。睦雅はローキックからパンチ、ハイキックも織り交ぜ突破口を開こうと出ていくが、ペッダムはリズムを崩さない。

ペッダムの左ハイが睦雅の顔面を掠める

その流れが続き、睦雅がパンチ攻勢を強めてもペッダムは凌いで強い左の蹴りで返して来る。第3ラウンド終了時の公開採点が30-29、30-28が二者でいずれもペッダム優勢。これはもう倒しに行かなければ勝利は難しい流れとなった。

しかし、睦雅は攻めても流れを変える勢いは無く、ペッダムの左ミドルキックでの優勢の流れは変えられない。第4ラウンドも取られて各ジャッジとも2~3ポイント開いた差となってしまった。ほぼ勝ち目は無いが倒しに掛かるしかない最終ラウンド、作戦は如何に進めるか。セコンドの声に頷く睦雅。ペッダムは手数は減ったが、出て来る睦雅に対抗して蹴って出た。睦雅は正に無我夢中の攻めも敵わず、頑丈なペッダムに蹴られ続けてしまった流れで巻き返せず、王座奪取は成らなかった。

ペッダムの左ミドルキックは重く強くタイミングよく入って睦雅を苦しめた

睦雅は試合後「戦い難さはちょっとはあったんですけど、僕自身がダメだったので、ここまで整えるまでが未熟だったかなとやってみて思いましたね。ペッダムはそこまで強いとか崩せないというのは無かったので、僕が足りない部分があったというところですね。」と語った。

ペッダムには防衛戦について尋ねると「防衛戦もやりたいですが、これからも実力をアップさせて名声を高めていきたいです。」と、大凡はこのように応えました。タイ語が難しくて捉え難かったですが、キレイに纏めてくれた印象があった回答でした。

判定はペッダムに上がった。睦雅は悔しい瞬間

◆第10試合 WMO世界フェザー級王座決定戦 5回戦

15位.瀧澤博人(ビクトリー/1991.2.20埼玉県出身/ 57.1kg)45戦29勝(16KO)12敗4分
VS
10位.チャイトーン・ウォー・ウラチャー(タイ/ 57.0kg)77戦54勝20敗3分
勝者:瀧澤博人 / TKO 3ラウンド 1分25秒
主審:ナルンチョン・ギャットニワット(タイ)
副審:椎名利一(日本) アラビアン長谷川(タイ)  ノッパデーソン・チューワタナ(タイ)

(瀧澤博人はWMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン/チャイトーンはラジャダムナン系スーパーバンタム級5位)

離れた距離での蹴りでの牽制の両者。瀧澤博人は距離を詰め難さが感じられた。ペース掴めず圧され気味の中、第2ラウンドには距離が詰まるとチャイトーンの左ヒジ打ちで瀧澤は右目尻を切られてしまうが、瀧澤も右ヒジ打ちでチャイトーンをグラつかせた。

ヒジで斬られた瀧澤博人はヒジ打ちで返した

蹴りの勢いとタイミングではチャイトーンが優勢の中、第3ラウンド、チャイトーンが瀧澤をロープ際に詰めたところで、瀧澤がカウンターの左ヒジ打ちをチャイトーンの顔面に打ち込むとゆっくりとロープにもたれ掛かって崩れ落ち、カウント中にレフェリーがストップし、瀧澤のTKO勝利となった。

瀧澤博人はカウンターの左ヒジ打ちでチャイトーンを倒した

歓喜に湧く瀧澤陣営。瀧澤も喜びと号泣と、そして最後は元気にマイクで感謝と先の目標を語った。

二人の愛娘を抱き上げる瀧澤博人。人生最高の瞬間。更にもう一つ上へ行けるか

◆第9試合 52.5kg契約3回戦

JKAフライ級チャンピオン.西原茉生(治政館/2003.6.27埼玉県出身/治政館/ 52.4kg)
17戦11勝(5KO)5敗1分
         VS
ローマ・ルークスワン(IMSAスーパーフライ級Champ/タイ/ 52.45kg)68戦41勝26敗1分
勝者:西原茉生 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:勝本30-27. 西村30-27. 少白竜30-27

ジャブとローキックでペース掴み、先手を打ってローマのリズムを崩した西原茉生の上手さが目立ち、倒すに至らなくても終始圧倒。蹴りもパンチも多彩に攻め優り、ジャッジ三者ともフルマークを示した。

ローキックから終始圧倒を維持した西原茉生。細田昇吾の挑戦を受ける日は来るか

◆第8試合 52.5kg契約3回戦

JKAフライ級1位.細田昇吾(ビクトリー/1997.6.4埼玉県出身/ビクトリー/ 52.4kg)
26戦17勝(6KO)7敗2分
         VS
ソッサイ・ウォー・ウラチャー(タイ/ 52.4kg)50戦29勝19敗2分
勝者:細田昇吾 / KO 1ラウンド 48秒
主審:勝本剛司

ローキックで調子を上げていく細田昇吾。ソッサイも応じて多彩に蹴るも、細田の勢いが優り距離感を掴んでパンチ連打で追い込み、左ボディブロー二度ヒットさせるとソッサイは苦しそうに崩れ落ち、テンカウントを数えられた。

細田昇吾は9月20日にタイでジットムアンノンスタジアム・スーパーフライ級王座決定戦で4ラウンドKO勝利し王座獲得。そのチャンピオンベルトを掲げて登場。勝利後も王座戴冠の報告と今後の飛躍を誓った。

最後は左ボディーフックだが、最初のボディブローが活きた細田昇吾。勢いが優った

◆第7試合 66.7kg契約3回戦

ペップンミー・ビクトリージム(元・タイ国イサーン地方フライ級2位/タイ/ 66.0kg)
68戦53勝(16KO)15敗
         VS
NKBウェルター級チャンピオン.カズ・ジャンジラ(Team JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.65kg)45戦21勝(4KO)17敗7分
勝者:ペップンミー・ビクトリージム / 判定3-0
主審:西村洋
副審:椎名30-28. 勝本30-28. 少白竜30-28

ローキックで様子見。徐々に距離を詰めていく両者だが、前に出るカズ・ジャンジラと、下がりながらも的確に攻めるペップンミーはヒジ打ちを含め多彩な技を持った上手さで余裕の判定勝利。NKBから参加したカズ・ジャンジラは引退まで残り2戦となった。この日の一戦で得た技で防衛戦と引退試合を勝ち上がりところである。

ペップンミーは落ち着いた試合運びでカズ・ジャンジラの蹴り足を捉える

◆第6試合 ライト級3回戦

ジャパンキック協会ライト級5位.林瑞紀(治政館/ 61.2kg)19戦11勝(4KO)7敗1分
        VS
乱牙(=蘭賀大介/前・NKBライト級Champ/無所属/1995.2.9岩手県出身/ 61.23kg)
14戦7勝(3KO)5敗2分
勝者:林瑞紀 / 判定2-0
主審:少白竜
副審:椎名29-29. 勝本29-28. 西村30-29

蹴りとパンチの互角の攻防。やや乱牙の勢いある蹴りも林瑞紀のパンチヒットで巻き返す。第3ラウンドにはヒザ蹴りに行こうとした乱牙に左ストレートヒットさせた林瑞紀。グラついた乱牙に連打で仕留めに掛るが、乱牙は凌いで蹴りとパンチの乱打戦。ラストラウンドを取った林が辛うじて判定勝利した。乱牙はNKBから離脱し、フリーとなっての参加。前・チャンピオンの意地を見せたかっただろう。

◆第5試合 フェザー級3回戦

JKAフェザー級3位.石川智崇(KICKBOX/神奈川県出身33歳/KICK BOX/ 56.8kg)
10戦5勝4敗1分
          VS
同級5位.海士(ビクトリー/ 56.95kg)7戦5勝2敗
勝者:海士 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:勝本28-30. 少白竜29-30. 西村29-30

◆第4試合 スーパーフェザー級3回戦

青木大好き(OZ/ 58.5kg)15戦7勝8敗
      VS
松岡優太(チームタイガーホーク/ 58.7kg)5戦4勝1分
勝者:松岡優太 / 判定0-2
主審:勝本剛司
副審:椎名28-30. 少白竜28-30. 西村29-29

◆第3試合 フェザー級3回戦

BANKI(=竹森万輝/治政館/2008.2.15埼玉県出身/ 57.0kg)3戦3勝(1KO)
      VS
エイジ(RANGER/ 56.9kg)5戦3勝2敗
勝者:BANKI / 判定3-0 (30-28. 29-28. 30-29)

蹴りが中心の攻防もBANKIは得意の右ハイキックは時折繰り出すが、エイジもハイキックを返し、両者ともハイキックのインパクトを残した。やや圧して出るBANKIが第3ラウンドも攻勢を維持し判定勝利。

BANKIのミドルキックがエイジにヒット。互いの蹴りが交錯する激戦となった

◆第2試合 53.0kg契約3回戦

西澤将太(ラジャサクレックムエタイ/ 52.85kg)2戦2勝(1KO)
          VS
トム・ルーククロンタン(Team S.R.K/ 52.7kg)3戦1勝2敗
勝者:西澤将太 / 判定3-0 (28-27. 30-27. 30-27)

◆プロ第1試合 フェザー級3回戦

西山天晴(治政館/2007.4.25埼玉県出身/ 57.1kg)2戦1勝(1KO)1敗
          VS
石井隆浩(尚武会/ 56.7kg)5戦5敗
勝者:西山天晴 / TKO 1ラウンド 1分8秒

蹴りからパンチへ繋いだ西山天晴の左フックヒットし、石井隆浩がバランス崩した後、右ストレートでノックダウンを奪った。その後もパンチでコーナーに追い込み、連打したところでレフェリーストップが掛かり、西山のTKO勝利となった。

◆オープニングファイト アマチュア -85kg2回戦(90秒制)

石田岳士(SOGA KICKBOXING)vs長曽我部優空(ROCK ON)
勝者:石田岳士 / 判定3-0 (20-18. 20-19. 20-18)

※JKAフェザー級チャンピオン.勇成(Formed)は練習中の怪我により欠場。試合は中止。

《取材戦記》

WMO世界戦2試合は、7月3日に行われたWMO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、オーウェン・ギリス(イギリス)vs馬渡亮太戦でのジャッジ一者の採点不備を踏まえ、オープンスコアリングシステムを採用。各ラウンド毎に集計し公開アナウンスとなりました。

前回はジャッジ一者毎に一枚のジャッジペーパーで、最終ラウンドまで採点し集計してレフェリーに渡すローカルシステムでしたが、ジャッジ一者が集計ミス。これで大きなトラブルに発展した。未だ解決しないこの試合結果。WMOサイトではこの試合の結果は載っておらず、オーウェン・ギリスはチャンピオンのままです。

馬渡亮太に尋ねたところ、一応ジャパンキックボクシング協会には、“そのチャンピオンと認められてはいる”いう曖昧な立ち位置。でも近々決着戦が予定されているという。それが日本かイギリスかは未定で、「出来ればタイで行なうのが中立ですね。」と語られた。いずれにしても“倒して勝つ”と宣言した馬渡亮太。前回のモヤモヤした保留結果は払拭して貰いたいところである。

今回のWMO世界戦2試合は、前回の不祥事ジャッジ(タイ)は外された様子。

瀧澤博人はラジャダムナンスタジアム・ランカーのチャイトーンを倒し、WMOの世界王座は戴冠しても、これを切符にラジャダムナンスタジアムランキング入りと王座挑戦も近づいたという、世界王座の上に殿堂ラジャダムナンスタジアム王座があるという縦構造を示した形。まだ最高峰には達していないという発言にもなった。

試合は距離感掴めない、やや圧された展開からヒジ打ち狙った両者の攻防の中、アグレッシブにぶっ倒してしまう圧倒的勝利は見事だった。“瀧澤やるじゃん”である。

睦雅は1月のONEでの敗戦後4連勝の絶好調の中、何が調子を狂わせたか、ペッダムは左ミドルキックは強かったが、攻略出来ない相手ではないと考えられたが、睦雅は言葉少ないながらも、再挑戦へ向けて立ち上がると窺える表情だった。

2026年のジャパンキックボクシング協会興行は、3月15日(日)後楽園ホール、5月24日(日)市原臨海体育館、7月5日(日)後楽園ホール、9月20日(日)新宿フェース、11月22日(日)後楽園ホールが予定されています。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

キックボクサーは何歳まで戦えるか

堀田春樹

「俺らの時代は試合終わると身体のあっちこっち痛くて足引き摺りながら帰ったけど、今時の選手は怪我しないよね!」とは1989年1月にタイで、当時のニシカワジム西川純会長が、試合を終えた愛弟子・赤土公彦がさっさと歩いている姿を見て言っていた話。怪我が治らないうちに次に試合がある。西川さんはそんなキックボクシング創生期に活躍した選手でした。

そして、「キックボクシングなんて長くやるもんじゃないよ!」とも言われ、大怪我したり、ダメージ蓄積すれば、その後の人生に影響が出るという、そんな風潮があった昭和の時代。30歳以上のキックボクサーは居るには居たが、その数は少なかった。

特に世界の頂点極めた者がその地位を維持出来なくなったら引退が濃厚。そこからデビュー当時のゼロ地点に落ちるまで戦い続ける者はほぼ居ない。

他のスポーツと比べて身体を酷使する打撃格闘技は動体視力やスピードと反射神経が重要で、全盛を維持出来なくなると、もう引退というのも一般認識だろう。

◆現役に拘った選手達

しかし、キックボクシングは第一線級を退いても、存在価値があれば続けられる、メインイベンターは無理でも、使って貰える環境が有る。それはチケット売れるなら使ってやろうという主催者都合もあるだろう。

元・全日本フェザー級チャンピオン、立嶋篤史は1971年12月28日生まれで、1987年に15歳でタイで初試合。国内では翌1988年4月デビュー。1991年4月に王座獲得後、防衛は成らなかったが、二度奪還した功績は大きかった。身体のメンテナンスを怠らず、負けが込んで、その下降線を辿っても、新たな目標持って戦う立嶋篤史は今年4月27日に53歳で101戦目を戦い敗れたが、ストイックに凄いキャリアを残した。

ストイックな立嶋篤史。フェザー級に拘った37年。変わらぬ体形(2025.4.27)

近年、48歳まで戦った笹谷淳(現・レフェリー)は、1975年3月17日生まれで、2002年11月に27歳でデビュー。2010年10月10日にJ-NETWORKウェルター級王座獲得。2023年2月18日のNKBウェルター級王座決定戦でカズ・ジャンジラに敗れて引退を決意。怪我を克服しながら諦めずチャンピオンへ再チャレンジを続けた。

笹谷淳は最終試合の翌興行で引退式。更にレフェリーになるのも早かった(2022.2.19)

笹谷淳と同時期デビューした竹村哲(現・マッチメイカー)は、1971年8月18日生まれで2002年に31歳でデビュー、2014年10月11日、NKBウェルター級王座獲得したが翌年12月に引退。44歳まで戦った。

竹村哲は遅咲きの43歳で王座獲得。引退は44歳。当時はもう少し頑張れたかも(2015.12.12)

目黒系藤本ジム所属だった勝次(=高橋勝治)は1987年3月1日生まれで、2006年5月21日デビュー。2015年3月15日に日本ライト級王座獲得し、2019年10月20日にWKBA世界スーパーライト級王座獲得。その後は鳴かず飛ばずの状態が続くも、先月の9月28日にWBCムエタイ日本王座への挑戦が実現。HIRO YAMATO(25歳)に初回早々ノックダウン奪いながら巻き返されての僅差判定負けとなった。もう一度花を咲かせるか、引き際を考えるかの去就が注目される現在だが、まだ40歳手前で、衰えより若い世代の台頭に圧された感じである。

勝次は連敗脱出成るか。更なる王座奪取成るか。現在においてはまだ引退は早い(2025.9.28)

10月18日の日本キックボクシング連盟興行に出場した小磯哲史は、1973年8月8日生まれで1999年にデビュー。元・J-NETWORKライト級チャンピオンで、最近は負けが込む中、元・新日本キックで日本ライト級ランカーだった大月慎也(39歳)に初回早々から攻勢を掛け、主導権支配してレフェリーストップに追い込む圧倒のTKO勝利。スピードは落ちたが52歳の小礒哲史は、この中堅域ならまだまだイケそうな雰囲気である。

52歳で圧倒のTKO勝利を飾った小礒哲史。現役はまだ続けられそうである(2025.10.18)

思い付く代表的選手を抜粋しましたが、他にも息の長い選手は多いところです。

◆ルール的には

プロボクシングならば日本ボクシングコミッションによる厳格な規定があり、ボクサーライセンス取得資格は16歳(試合は17歳から)以上37歳未満まで。37歳以上はチャンピオンであることやランキングに入っていて王座挑戦の見込みがあることなど幾つかの条件が付く。条件に満たなければライセンス失効となる。それは健康で将来を重要視した規定でしょう。

キックボクシングはコミッションといった管轄組織は無く、有っても名前だけで厳格な機能はしていない。年齢制限は団体によっては制定されているだろうが、任意団体の御都合主義で大方が明確ではない。だから50歳過ぎても現役を続けられたり、60歳プロデビューも起こる業界である。

◆50歳が境界線

因みにプロボクシングでは世界第一線級に立つ中で、ジョージ・フォアマンが48歳9ヶ月まで戦い、バーナード・ホプキンスが51歳11ヶ月まで戦ったという驚異的記録があります。

国内のキックボクシングでは、立嶋篤史が「先はそんなに長くない」と言う中、今後の動向が注目されます。

私ども“完全燃焼”という言葉を使うこと増えていますが、その時戦える自分に合った最強の相手と戦って、結果に関係無く全力を尽くして悔いなく引退するのが最近の風潮かもしれません。もし大きな怪我無くとことん戦い続けたら、体力の限界は50歳が一つの境界線でしょうか。何歳まで戦えるかは二十代でも、三十代で引退も選手各々の人生次第でしょう。

大金を稼ぐ夢を持った時代から、逆に赤字でもやる者も多いのが今の時代。長くやるもんじゃなかった時代からずいぶんと様変わりした競技となったものです。

最後にこのテーマから論点ズレしますが、6月に立嶋篤史氏と他数名で会って久々に食事しました。打たれ脆くなった、反射神経が著しく落ちたと言われても、彼の身体そのものはなかなか丈夫である。試合でKO負けしても後楽園から船橋まで走って帰る逞しさ。昔のことはしっかり覚えている。議論すればしっかり自論で言い返して来る。32年前、タイで会っていた頃と同じだった。立嶋篤史氏についてはまだ時期未定ながら、格闘群雄伝に登場予定です。

憧れの後楽園ホールのリング。ここを目指して来た選手は多い(2025.5.11)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

年の瀬へ“世界”を見据えたキックボクシング7つの興行概要!

堀田春樹

ジャパンキックボクシング協会は従来どおりWMOが主流の世界戦開催!
NJKFはWBCムエタイと併行してIBFムエタイも日本タイトル本格始動。
NJKF西日本ではS-1の世界と日本のタイトル開催。
全日本キックボクシング協会は10月20日、栗芝貴代表が世界プロムエタイ協会日本代表に就任。


KICK Insist.25 / 11月23日(日・祝)後楽園ホール17:15~
主催:VICTORY SPIRITS、ビクトリージム
認定:WMO、ジャパンキックボクシング協会

KICK Insist.25 睦雅と瀧澤博人の揃い踏み

睦雅と瀧澤博人の揃い踏み。それぞれの立場で挑む世界戦。
注目の新星はBANKIと西山天晴。どんなインパクトを残すか。

◆第12試合 WMO世界ライト級王座決定戦 5回戦
WMOインターナショナル・スーパーライト級チャンピオン.睦雅(=瀬戸睦雅/ビクトリー)
         vs
ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)

9月19日、ルンピニー・スタジアムで開催されたONE Friday Fightsに於いて、睦雅はラヤン・メッキ(フランス)に2度のノックダウンを奪い3-0の判定勝利。現在4連勝で好調を維持しての世界挑戦となる。ペッダムは過去、WBCムエタイ世界フェザー級、ルンピニー系バンタム級、タイ国(PAT)バンタム級の元・選手権者。

◆第11試合 WMO世界フェザー級王座決定戦 5回戦
WMOインターナショナル・フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー)
vs
世界同級10位.チャイトーン・ウォー・ウラチャー(タイ)

昨年7月28日にWMO世界フェザー級王座決定戦に挑んだ瀧澤博人だが、ペットタイランドに2-1判定で敗れ王座奪取は成らず。落胆しつつ「もう一回やり直しですね。」とは語っていたが、地道に堪え、再びチャンスはやって来た。ここは絶対獲っておきたい、もう負けられない立ち位置だろう。

◆第10試合 58.5kg契約3回戦
ジャパンキック協会フェザー級チャンピオン.勇成(Formed)
        vs
ワタナー・ウォー・ウラチャー(元・True4Uスーパーバンタム級7位/タイ)

◆第9試合 52.5kg契約3回戦
ジャパンキック協会フライ級チャンピオン.西原茉生(治政館)
         vs
ローマ・ルークスワン(IMSAスーパーフライ級Champ/タイ)

◆第8試合 52.5kg契約3回戦
ジャパンキック協会フライ級1位.細田昇吾(ビクトリー)
         vs
ソッサイ・ウォー・ウラチャー(元・タイ国スラナリーstadiumライトフライ級Champ/タイ)

◆第7試合 66.7kg契約3回戦
ペップンミー・ビクトリージム(元・タイ国イサーン地方フライ級2位/タイ)
         vs
NKBウェルター級チャンピオン.CAZ JANJIRA(Team JANJIRA)

2月に王座初防衛戦で引退試合を迎えるカズ・ジャンジラがペップンミーと前哨戦。

◆第6試合 ライト級3回戦
ジャパンキック協会ライト級5位.林瑞紀(治政館)
        vs
乱牙(前・NKBライト級Champ/無所属)

◆第5試合 フェザー級3回戦
ジャパンキック協会フェザー級3位.石川智崇(KICKBOX)vs 同級5位.海士(ビクトリー)

◆第4試合 スーパーフェザー級3回戦
青木大好き(OZ)vs 松岡優太(チームタイガーホーク)

◆第3試合 フェザー級3回戦
BANKI(=竹森万輝/治政館)vs 渡部有偉(BOMスポーツジム八戸)

◆第2試合 バンタム級3回戦
西澤将太(ラジャサクレックムエタイ)vs 未定

◆第1試合 フェザー級3回戦
西山天晴(治政館)vs 石井隆浩(尚武会)

他、アマチュア1試合


DUEL.36 / 11月23日(日)GENスポーツパレス OPEN 17:00 / START 17:30
主催:VALLELYジム / 認定:NJKF

DUEL.36 愁斗と悠のチャンピオンロードへの戦い

DUELは若手の登竜門と中堅の活躍の場。その中でメインイベンター愁斗と悠はチャンピオンロードに向かう重要な戦いとなります。

◆第7試合 フライ級3回戦
NJKFフライ級4位.愁斗(Bombo Freely)vs 同級5位.悠(=吉仲悠/VALLELY)

◆第6試合 スーパーフェザー級3回戦
コンゲンチャイ・エスジム(タイ)
         vs
NJKFスーパーフェザー級6位細川裕人(VALLELY)

◆第5試合 フライ級3回戦
煌(KANALOA)vs 手塚瑠唯(VERTEX)

◆第4試合 ウェルター級3回戦
NJKFウェルター級4位.JUN DA LION(E.S.G)vs 梅沢遼太郎(白山道場)

他、アマチュア含む4試合。


NJKF CHALLENGER 11 / 11月30日(日)後楽園ホール17:15~
主催:オフィス超合金 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟、IBFムエタイ日本

IBF日本タイトル初登場。ひとつの団体で絡み合っていくNJKF内の複雑なタイトル。

以下は10月27に行われた記者会見で発表されたカードとなります(試合順未定)。
トーナメント決勝(王座決定戦)は来年2月。

◆IBFムエタイ日本ウェルター級王座決定4名参加トーナメント 3回戦
高橋幸光(飯伏プロレス研究所)vs 井原浩之(ハーデスワークアウト) 

◆IBFムエタイ日本ウェルター級王座決定4名参加トーナメント 3回戦
NJKFウェルター級チャンピオン.亜維二(新興ムエタイ)vs 佐藤界聖(PCK連闘会)

小林亜維二は初防衛を果たし、今回の争奪戦に出場

◆IBFムエタイ日本ライト級王座決定戦 5回戦
NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX )
        vs
JKイノベーション・スーパーライト級チャンピオン.切詰大貴(武勇会)

前回興行前の記者会見にて、吉田凛汰朗の堂々たるスピーチ

◆女子フライ級超3回戦
S-1女子世界フライ級覇者.真美(Team ImmortaL)vs ジョン・アヨン(韓国)

◆64.0kg契約3回戦
NJKFスーパーライト級1位.健太(E.S.G)vs 同級3位.佐々木勝海(エス)
※健太はラストファイトを宣言。

◆NJKFバンタム級タイトルマッチ 5回戦
チャンピオン初防衛戦.嵐(キング)vs 山川敏弘(京都野口)

他、アンダーカード数試合


MuayThaiOpen.51 / 12月6日(土)墨田区体育館(ひがしんアリーナ)
アマチュア大会:11:00 / プロ興行: 開場16:30 開始17:00 
主催:センチャイジム

与那覇壱世は10月にWBCムエタイ日本王座奪取してからの初戦

ここにもルンピニージャパンとムエタイオープン国内タイトルは存在するが、今回は壱世がメインイベンターを務める(11月9日時点でラウンド数、契約ウェイト、試合順等未確定)。

◆スーパーバンタム級超(ラウンド未定)
WBCムエタイ日本スーパーバンタム級チャンピオン.壱・センチャイジム(=与那覇壱世)
            vs
ワイトップ・ソー・ガムジン(タイ)

◆バンタム級超3回戦
JKイノベーション・バンタム級チャンピオン.蒔・センチャイジム(=佐藤蒔音)
        vs
アイティポン・ポー・ジョー・ウォー(タイ)

◆フェザー級3回戦
夢叶(エムトーン)vs 稔之晟(マイウエイスピリッツ)

◆女子バンタム級3回戦(2分制)
真秀鷹虎(センチャイ)vs 優波(TFG EVOLVE)

他8試合


NKB爆発シリーズvol.6 / 12月13日(土)後楽園ホール17:15~
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

日本キックボクシング連盟は世界戦が行われたことはありません。ネットワークが無いのも厳しい本音だが、その以下でも他団体タイトルマッチは行なわないのが渡邊信久代表の信念。

この日の注目カードは今後のNKBを背負う雄希vs 杉山海瑠の戦い。

雄希はテツジムの秘密兵器、勇志に続いてチャンピオンを目指す
杉山海瑠は杉山空の実弟。次なるメインイベンターへ期待が掛かる雄希との対戦

◆第11試合 65.5kg契約 5回戦
セーンダーオレック・スターライトジム(タイ)vs 大月慎也(Team arco iris)

◆第10試合 フェザー級3回戦
ホワッチャイ・スターライトジム(タイ)vs 安河内秀哉(RIKIX)

RIKIX小野寺力の愛弟子、安河内秀哉はムエタイに挑む

◆第9試合 バンタム級3回戦
NKBバンタム級2位.雄希(テツ)vs 杉山海瑠(HEAT)

◆第8試合 フェザー級3回戦
NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris)vs 堀井幸輝(ケーアクティブ)

◆第7試合 バンタム級3回戦
シャーク・ハタ(=秦文也/テツ)vs 磯貝雅則(STRUGGLE)

◆第6試合 ウェルター級3回戦
安田学登(クボ)vs ソムプラユン・ヒロキ(=緑川広樹/DANGER)

◆第5試合 フライ級3回戦
滑飛シオン(テツ)vs 緒方愁次(ケーアクティブ)

◆第4試合 63.0kg契約3回戦
菅野登生(テツ)vs 清水和也(アルン)

◆第3試合 フェザー級3回戦
鈴木ゲン(拳心館)vs 加藤宙(神武館)

◆第2試合 53.75kg契約3回戦
風間祐哉(WSR三ノ輪)vs 早川曜平(ケーアクティブ)

◆第1試合 62.0kg契約3回戦
大利一真(テツ)vs 藏田浩二(SRK)

他、アマチュア 問答無用「東西中四国対抗戦」2試合。


NJKF×S-1「WORLD ROAD」 / 12月14日(日)京都KBSホール(開場12:30 /開始13:00)
主催:京都野口ジム、R.Sジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟、S-1本部

NJKF west 京都はS-1で盛り上げる

NJKF西日本はS-1ロードで勝負。S-1はタイの名声あるソンチャイ・ラタナスワン氏が生み出したプロモーター主体のタイトルである。
庄司理玖斗が飛躍の第一歩となるか。新設タイトル争いをベテラン金子貴幸との勝負は見物。

◆第11試合 S-1世界ジュニアフェザー級王座決定戦 5回戦
NJKFスーパーバンタム級チャンピオン.繁那(R.S)
vs
シャーク·チャラムスックジム(タイ)

◆第10試合 S-1世界フライ級タイトルマッチ 5回戦
優心(前・NJKFフライ級Champ/京都野口)
vs
ウドンノーイ·ゲッソンリット(元・WPMF世界ミニフライ級2位/タイ)

◆第9試合 S-1ジャパン・フェザー級王座決定戦 5回戦
NJKFフェザー級2位.TAKAYUKI(=金子貴幸/K-CRONY)
vs
NJKFフェザー級1位.庄司理玖斗(拳之会)

◆第8試合 スーパーバンタム級3回戦
NJKFスーパーバンタム級5位.中島凛太郎(京都野口)vs 同級6位.中島大翔(GET OVER)

◆第7試合 63.0kg契約3回戦
NJKFライト級5位.田邊裕哉(京都野口)vs 平田康輔(平田道場)

◆第6試合 バンタム級3回戦
NJKFバンタム級5位.中島隆徳(GET OVER)vs 同級8位.柚子貴(京都野口)

◆第5試合 女子ミネルヴァ・アトム級(102LBS)王座決定戦 3回戦
1位.祥子JSK(治政館)vs 3位.ユリカ・グラップリングシュートボクサーズ(GSB名古屋)

◆第4試合 フライ級3回戦
NJKFフライ級8位.大久保貴宏(京都野口)vs 同級9位.庄司翔依斗 (拳之会)

◆第3試合 60.0kg契約3回戦
NJKFフェザー級8位.和斗(大和)vs 希祈(京都野口)

◆第2試合 女子ミネルヴァ49.0kg契約3回戦(2分制)
アトム級4位.RIANA(TOKEN KICKBOXING)vs 土井乙花(GSB多治見)

◆プロ第1試合 70.0kg契約3回戦
村木太樹(京都野口)vs MOTOKI(レジェンドドラゴン)

他、アマチュア5試合。


SAMURAI WARRIORS 4th / 12月28日(日)後楽園ホール17:30~
主催:全日本キックボクシング協会 / 認定:WPMTA

全日本キックボクシング協会は恒例の日韓対決

10月5日、鄭相鉉に判定勝利した瀬川琉。もう一回いい試合して、自分の言いたいこと、しっかりアピールしていきたいと語っていたが、今回思い切りアピール出来るか。

ベテランのオーシャン・ウジハラはその瀬川に敗れた鄭相鉉を迎え撃つ。
野竹兄弟がライバルという広翔の戦い方も注目。存在感で越えなければならない。

◆第12試合 60.0kg契約3回戦
全日本フェザー級チャンピオン.瀬川琉(稲城)vs 權賢佑(=クォン・ヒョンウ/韓国)

◆第11試合 ライト級3回戦 
オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/無所属)vs 鄭相鉉(=チョン・サンヒョン/韓国)

◆第10試合 ライト級3回戦
全日本ライト級8位.山田旬(アウルスポーツ)vs ジョカミ・ナカジマ(中島道場)

◆第9試合 ライト級3回戦
野竹生太郎(ウルブズスクワッド)vs 柳權(=リュウ・グオン/韓国)

◆第8試合 スーパーバンタム級3回戦
全日本スーパーバンタム級10位.広翔(稲城)vs 前田翔太(ウィラサクレックムエタイ)

◆第7試合 66.0kg契約3回戦
KATSUYA NORASING FAMILY(Norasing Family)vs 蘆立亮太(YS’K YAMAGATA)

◆第6試合 ヘビー級3回戦
チャン(MONSTAR)vs ピクシー犬塚(府中ムエタイクラブ)

◆第5試合 59.0kg契約3回戦
中村健甚(稲城)vs 近藤祐一(デボルターレ)

◆第4試合 65.0kg契約3回戦
小玉倭夢(Norasing Family)vs 内田航太郎(TRIM)

◆第3試合 フライ級3回戦
横尾空(稲城)vs パク・スンミン(韓国)

◆第2試合 65.0kg契約3回戦
滝口遥輝(中島道場)vs 亀田蓮(亀田同志会)

◆第1試合 スーパーバンタム級3回戦
渡邉獅生(JTクラブ)vs 申大容(=シン・デヨン/韓国)

《取材戦記》

キックボクシングとムエタイには、生まれては消えていくもの含めて、過去どれだけ世界認定組織があっただろうか。期待したWPMFは衰退し、世界プロムエタイ協会(WPMTA)は以前から存在するが、大きな活動実績は無いらしい。今後の活動に注目だが、現時点ではプロボクシングのワールドエリアネットワークに乗ったWBCムエタイやIBFムエタイが主流になっていく可能性は大きい。

日本でもやたら増えるだけの国内タイトル。ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)がIBFムエタイ日本タイトルにも乗り出したことで、WBCムエタイと共にNJKFが独占的に主戦場にしていこうという意図があるとしても、ファンや業界関係者は「もう日本(国内)タイトルは結構です。」という意見は多い。

今後行われる世界や日本タイトル戦も、世間からどれだけ注目が集まるか、それぞれがどれだけのネットワークを持ち、活性化しているかが権威の象徴となるだろう。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

TITANS NEOS 37は2026年を占う闘い絵巻、未来を照らす後楽園決戦!

堀田春樹

メインイベンターはジョニー・オリベイラ。期待の新星、西田蓮斗はカーフキックで勝利。
前日計量は25日、14時より伊原ジムにて行われ、3名を除いて一回でパス。
山浦俊一は1時間遅れの来場後、3.4kgオーバーで再計量無く計量失格。
伊達は航空便遅延で計量も遅延。ウェジー・チョルは30分後に2回目でパス。
(※記事タイトルはプログラムからそのまま転載です。)

◎TITANS NEOS 37 / 10月26日(日)後楽園ホール17:15~21:27
主催:伊原プロモーション
認定:Woman Muaythai Association、新日本キックボクシング協会

WMA世界戦2試合のスーパーバイザーはアティコム・ポーター(タイ)
戦績経歴は当日プログラム、公式記録、過去データを参照しています。

◆第15試合 62.0kg契約3回戦

ジョニー・オリベイラ(前・日本Fe級Champ/トーエル/ブラジル出身47歳/ 61.8kg)
67戦16勝(1KO)32敗19分
VS
NJKFライト級1位.山浦俊一(新興ムエタイ/神奈川県出身28歳/ 65.4kg)+3.4kg、計量失格
36戦18勝(3KO)16敗2分
勝者:山浦俊一 / TKO 1ラウンド 2分30秒
主審:ノッパデーソン・チューワタナ

両者のローキックの交錯から山浦俊一の右カーフキックが襲うとジョニーはバランスを崩し、更にカーフキックを貰うとノックダウンしてしまった。ジョニーの左脹脛はすでに蹴られたところが真っ赤。更に蹴りの攻防から山浦のカーフキックを受けたジョニーは2度目のノックダウンを喫し、カウント中にレフェリーがストップした。

ジョニーの蹴り足を掴み、足払いで引っくり返す山浦俊一のテクニック

ジョニーは過去、木下竜輔には2度失神ノックアウト負けしているが、今回は意識がハッキリある中での倒されたTKO負け。悔しい負け方だっただろう。

山浦俊一のカーフキックを受けてバランス崩したジョニー・オリベイラ

◆第14試合 ライト級3回戦

NJKFライト級2位.岩橋伸太郎(エス/1987.6.4神奈川県出身/ 61.1kg)28戦10勝14敗4分
VS
岡田彬宏(クボジム・リレイズ東京/1994.7.15東京都出身/ 61.9kg)12戦5勝(1KO)7敗
勝者:岩橋伸太郎 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:宮沢30-29. ランボー30-29. ノッパデーソン29-28

初回から蹴りからパンチ、組み合うとヒザ蹴りと互角の攻防が続いた。両者ともパンチの交錯で顔面ヒットするも大きな差は無い。どちらがよりインパクトあるヒットを見せるかの鬩ぎ合いは第3ラウンドに岩橋の勢いが優り、岡田が下がり手数が減った流れで終了。

岩橋伸太郎は試合後、「取り敢えずホッとしています。最近ドローとか判定負けとか微妙な結果が続いていたので、今日はノックダウンは取って無いですけど、さすがにポイント取ったという感触はあったので勝てて良かったです。」とコメント。

徐々に岩橋伸太郎の圧力が優っていった攻防

◆第13試合 WMA世界女子スーパーフライ級王座決定戦 5回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーフライ級チャンピオン.NANA(エス/1990.6.10北海道出身/ 52.0kg)
26戦17勝7敗2分
      VS
ジェンディー・モー・ラッソパコーラ(タイ/ 52.05kg)27戦9勝15敗3分
勝者:NANA / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー(タイ)
副審:宮沢49-47. 中山49-46. ノッパデーソン(タイ)49-48

両者の蹴りの攻防はNANAがジェンディーの蹴り足を掴まえたり蹴り終わりを攻めたりと先読みする攻めが優った。ジェンディーは組み合った際のヒザ蹴りはバランス良く上手い攻め。パンチの攻防はNANAが優った。

第2ラウンド終了した時点でNANAが主導権支配した流れを掴んでいた。NANAはジェンディーのムエタイスタイルを殺してしまう勢いがあり、組まれても負けない体勢を作った。ジェンディーは諦めず蹴り返し組み合うとヒザ蹴りは出して来るがNANAを後退させるには至らない。ラストラウンド終了間際にはジェンディーの右ミドルキックにNANAが右ストレートカウンターヒットさせ終了。

ジェンディーに打ち負けない圧力を掛け続けたNANA

NANAは第2ラウンドに転ばされた際、マットに後頭部打ち付けて、そこから展開はあまり覚えていないという。更にヒジ打ち合わせて行ったらバッティングが起こり、左瞼が腫れていった様子。リング下りるまではちょっと腫れていた程度だったが、帰り際は青く充血し腫れ上がっていた。後楽園ホールのエレベーターを下りる際、チャンピオンベルトを指し、「カッコイイです!」と語ったNANAだった。

NANAが終盤には右ストレートでジェンディーを仰け反らせて圧倒の印象を残した

◆第12試合 WMA女子世界ライトフライ級王座決定戦 5回戦(2分制)

佐藤“魔王”応紀(PCK連闘会/1979.1.24宮城県出身/ 48.5kg)26戦14勝(7KO)10敗2分
      VS
マフィアペット・モンコンディー(タイ/ 48.05kg)19戦6勝12敗1分
勝者:マフィアペット・モンコンディー / 判定0-3
主審:ノッパデーソン・チューワタナ(タイ)
副審:宮沢47-49. 中山46-49. ランボー(タイ)46-50

初回の攻防から、マフィアペットの蹴りの間合いと首相撲でのウェイトの掛け方がバランス良い流れを汲む動き。佐藤はマフィアペットに蹴られても強く返せないのが主導権を奪えない印象。

第4ラウンドには前に出る佐藤にマフィアペットの前蹴りが顔面にヒット。調子付いたマフィアペットのリズムが増し、ラストラウンドもマフィアペットの前蹴りが突き刺すようにヒットし調子付かせてしまった。マフィアペットが圧倒の判定勝利で新チャンピオンとなった。

佐藤“魔王”応紀はマフィアペットの前蹴りで仰け反らされてしまった
勝利したマフアペットと無念の佐藤“魔王”応紀の明暗

◆第11試合 75.0kg契約3回戦

マルコ(伊原/イタリア出身34歳/ 74.9kg)14戦8勝(3KO)3敗3分
        VS
白岩昭人(GRABS/埼玉県出身19歳/ 74.9kg)7戦3勝(2KO)4敗
勝者:マルコ / KO 1ラウンド 2分33秒
主審:ノッパデーソン・チューワタナ

白岩昭人の蹴りに対し、パンチで前進するマルコ。対抗した白岩だがパンチではマルコが圧力で優った。蹴り合いから接近する中、マルコが右ストレートでノックダウンを奪い、更にマルコが組み合った中でのヒジ打ちを連打すると、ノックダウンとなった白岩にカウント中のタオル投入による棄権で、マルコのノックアウト勝利となった。

◆第10試合 女子ミネルヴァ・ペーパー級(95LBS)王座決定戦3回戦

2位.Uver-miyU(=高橋美結/T-KIX/静岡県出身25歳/ 43.05kg)20戦7勝12敗1分
        VS
3位.AIKO(=深田愛子/AX/1987.2.10埼玉県出身/ 42.95kg)22戦10勝11敗1分
勝者:Uver-miyU / 判定2-1
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:椎名28-29. 中山29-28. 宮沢30-28

両者の懸命の激しい攻防だが、強いヒットは無く、どちらが優勢とは言い難い展開が続いた。パンチ中心から蹴り、首相撲でのヒザ蹴りの鬩ぎ合いが続く。AIKOは攻め倦んでいるのか、インターバルでは険しい表情。ウーバーは打たれても前進する圧力が感じられた。

第3ラウンドはより激しさ増し、AIKOのパンチや前蹴り顔面ヒットもあるが、ウーバーの蹴り返しもしっかりあり、一つのラウンドでもスプリット採点となる見極め難しい展開となった末、Uver-miyUが2-1判定勝利で新チャンピオンとなった。

差は付き難い展開だったが、僅かに優ったUver-miyUの蹴りと前進力
認定証を受けるUver-miyUと泣き崩れるAIKO

◆第9試合 女子ミネルヴァ・ピン級(100LBS)王座決定戦3回戦

1位.上真(ROAD MMA/ 1985.10.16石川県出身/ 44.4kg)20戦6勝12敗2分
        VS
3位.杉田風夏(谷山・小田原/神奈川県出身29歳/ 45.1kg)7戦5勝(1KO)1敗1分
勝者:杉田風夏 / 判定0-3
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:椎名27-30. 中山27-30. 宮沢27-30

開始から杉田風夏がプレッシャーを与えた展開。杉田の前蹴りが上真の顔面ヒット。首相撲からヒザ蹴りの展開になっても常に杉田の圧力が優った流れでも、ポイント引き寄せる大きな攻防は無いが、微妙ながら各ラウンドを抑えた杉田がフルマークの判定勝利で新チャンピオンとなった。

主導権支配した杉田風夏の攻めの中、前蹴りが上真の顔面にヒット

◆第8試合 68.0kg契約3回戦

ヴェジー・チョル(伊原/中国出身21歳/ 68.15→67.85kg)8戦3勝3敗2分
      VS
風成(エス/東京都出身28歳/ 67.55kg)6戦3勝(1KO)1敗1分1NC
勝者:風成 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:椎名26-30. 中山27-30. ノッパデーソン27-29

初回、蹴りの攻防の中、前進していたヴェジー・チョルに風成が右ストレートでノックダウンを奪った。ダメージ少ないヴェジーは構わず打ち合いに臨むが、風成も打ち合いに応じて打って出た。ヴェジーのアグレッシブなパンチの前進は続くが、風成が蹴りを加えた返しで凌ぎ切った。勝利した風成は号泣してリングを下りた。

◆第7試合 59.0kg契約3回戦

アルナウ・コルドバ(スペイン、ナショナルK-1Champ/スペイン出身24歳/ 58.55kg)
12戦11勝1敗
        VS
伊達(GRABS/北海道出身22歳/ 58.25kg)5戦4勝(2KO)1敗
勝者:アルナウ・コルドバ / TKO 1ラウンド 1分51秒
主審:中山宏美

パンチから蹴りの攻防。アルナウ・コルドバのパワフルな蹴りが伊達を襲ったが、伊達の蹴り返しも強くヒット。コルドバが伊達をロープ際に詰めたところでパンチ連打し、ノックダウンを奪い、更に蹴りの攻防からバランス崩した伊達のボディーに右ミドルキックがヒットしカウント中のレフェリーストップとなった。

◆第6試合 60.0kg契約3回戦

オスカル・カサド(スペイン出身17歳/ 59.3kg)14戦8勝6敗
       VS
篤志(バトルフィールドチームJSA/千葉県出身16歳/59.45kg)5戦3勝2敗
勝者:篤志 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:宮沢29-30. 中山28-29. ランボー28-30

両者アグレッシブな攻防の中、オスカル・カサドの飛び蹴りや右ストレートヒットがインパクトを与えたが、篤志も徐々に打ち優っていく中で僅差判定勝利を導いた。

◆第5試合 フライ級3回戦

西田蓮斗(現・タイ国南部3冠王者/伊原越谷/東京都出身15歳/ 50.8kg)
タイ3戦3勝(1KO)、日本1戦1勝(1KO)
VS
RIKIYA T-KIX(T-KIX/静岡県出身28歳/ 50.6kg)2戦1敗1分
勝者:西田蓮斗 / KO 2ラウンド 2分30秒
主審:宮沢誠

西田蓮斗は日本デビュー戦ながら、アマチュアで五つの王座を獲得し、タイでプロ3連勝の経験が試合運びに表れた流れ。初回、RIKIYAにプレッシャーを与えカーフローキックで2度ノックダウンを奪い、第2ラウンドにもカーフキックでノックダウンを奪うとRIKIYA陣営からカウント中のタオル投入による棄権となって西田がノックアウト勝利となった。

来月、スペインで行われるWKN(World Kickboxing Network)タイトル挑戦の宣言。勝利を誓った。

◆第4試合 女子アマチュア45.0kg契約2回戦(2分制)

西田結菜(伊原越谷/13歳/ 43.5kg)vs工藤優菜(GRABS/13歳/ 44.75kg)
引分け 1-0
主審:中山宏美
副審:椎名19-19. 宮沢20-19. ノッパデーソン20-20

◆第3試合 女子ミネルヴァ・スーパーフライ級3回戦(2分制)

スーパーフライ級6位.紗耶香(/格闘技スタジオBLOOM/静岡県出身/ 51.9kg)
20戦8勝(1KO)11敗1分
        VS
スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺/長崎県出身/ 51.8kg)9戦3勝6敗
勝者:紗耶香 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:中山30-29. 宮沢30-29. ノッパデーソン29-28

◆第2試合 女子ミネルヴァ55.0kg契約3回戦(2分制)

MEGU(KICK-SPARK/大阪府出身45歳/ 54.9kg)11戦2勝9敗
      VS
朱乃(CORE/ 54.7kg)3戦2勝1敗
勝者:朱乃 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:椎名27-30. 中山27-30. ランボー27-30

◆第1試合 アマチュア49.0kg契約2回戦(2分制)

ツカサ(伊原越谷/15歳/ 49.1kg)
       VS
ディエゴ・アンビテ(スペイン/14歳/ 48.9kg)
勝者:ツカサ / TKO 2ラウンド 1分14秒
主審:中山宏美

《取材戦記》

今回から登場したWMAは“ワールドムエタイ”ではなく、“ウーマンムエタイ” である。Battle of MuayThaiイベントから始まったという女子のタイトル認定団体の模様。

WMA世界女子スーパーフライ級王座決定戦に出場したジェンディーはトランクスに縫い取りされている名前が正式なリングネーム。ローマ字発音で言うと“Yenlii(เยลลี่)”。YはJに近い発音になるので“ジェンリー”が最も近い発音と表記になります。

前日計量でスーパーバイザーのアティコム・ポーター氏とLINE交換をしたところに女性がやって来て「私も撮らせて!」とQRコードを撮られてしまった。試合後連絡が来たが、マフィアペットかジェンディーが解らなかった。

「あなた誰?」と返したら「私の名前はゼリーです!」と来た。この子のLINEプロフィールと試合画像を確認して解った。Yenliiである。“ゼリー”は自動翻訳が出した文字だろう。

私が何が言いたいかは、プログラムに書かれるタイ人の名前やタイトルは、タイ文字から読み取って欲しいのである。今時はタイ語を勉強した選手やコーチ、スタッフ等は多いのですから。

以前あった“ムエタイワリア(Warriors)”や“パーカン(Park・klang)”もタイ人が言った言葉をそのままカタカナ書きしているから誤った文言になっているのである。

山浦はお子さんから移ったというインフルエンザに罹った為のコンディション調整が間に合わず、大幅ウェイトオーバーとなってしまった。今回の契約上のペナルティーは規約や両陣営と協会の協議によるが、試合ペナルティーは減点2点のみだった。

プロボクシングルールを参照すれば、超過3%以上は試合中止となるが(3%未満は契約ウェイトから超過8%以内での当日再計量を経ての試合は可能。いずれも一定期間ライセンス停止)、キックボクシングは興行の都合が優先される場合が多く試合は強行された。

ジョニーは試合後、控室では陣営に謝っていたという。セコンド陣営は「ジョニーはスーパーフェザー級の時も結構カーフキックは貰っていたけど大丈夫だった。山浦はいい狙い目見てるんで、最初の一発で効いてしまった感じ。山浦はスタミナ無いと聞いていたので、プレッシャーを掛けて行こうと思ったけど、その前にカーフ貰って効いてしまいましたね。左脹脛の横、一番筋肉の薄い辺り、一番痛いところ!」という。

山浦のウェイトオーバーについては何も問題視しなかったジョニー。カーフキックもウェイトの影響より、山浦のピンポイントのヒットが大きかったという。

山浦俊一が大幅ウェイトオーバーしたことについて、新興ムエタイジム坂上顕二会長(NJKF代表)は試合前、今回の事態に申し訳なさそうな立ち回りだった、
「山浦はコンディション調整不足でスタミナは無いから一層のこと、ジョニー・オリベイラが山浦を倒してくれれば、その方がスッキリしますけどね。」と本音を漏らしていた。

7月27日興行で、木下竜輔(伊原)がガン・エスジム(タイ)との試合を欠場した為、代打出場となった山浦俊一だったが、鳶職の現場での足場転落事故で大事には至らなかったが負傷し欠場となった。その為今回も欠場とはいかない責任を感じ強行出場したが、コンディション調整成らなかった山浦俊一だった。

「こんな事態の末にセコイ勝ち方ですみません。」とは試合後、ジョニー陣営に申し訳なさそうに語っていた坂上顕二会長だった。

新日本キックボクシング協会は2026年も後楽園ホールで4回の興行を予定。3月8日、5月10日、7月19日、10月18日のいずれも日曜日に開催です。

木下竜輔は3月に復活出場予定。期待の新星・西田蓮斗は来年はどのような活躍を見せるか。低迷する新日本キックを救うのはこの二人だろう。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

NKB爆発シリーズvol.5は期待の勇志がメインイベンター!

堀田春樹

勇志はムエタイの壁を破れずも成長見せた攻防の技。
どん冷え貴哉が挑戦権獲得。チャンピオンのカズ・ジャンジラと真摯に対峙。
小磯哲史が52歳でTKO勝利。大月慎也を圧倒。

◎爆発シリーズvol.5 / 10月18日(土)後楽園ホール17:15~20:50
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています(オート以外)。

◆第12試合 58.0kg契約3回戦

NKBフェザー級チャンピオン.勇志(テツ/2000.4.28大阪府出身/ 57.9kg)
16戦11勝(5KO)3敗2分
        VS
オート・ノーナクシン(元・ラジャダムナン系バンタム級5位/2001.3.28タイ国出身/ 57.85kg)
100戦70勝25敗5分(推定)
勝者:オート・ノーナクシン / 判定0-2
主審:前田仁
副審:高谷30-30. 鈴木29-30. 笹谷27-30

メインイベンター勇志は去年12月、NKBフェザー級王座決定戦で、鎌田政興(ケーアクティブ)に判定勝利し王座獲得。オート・ノーナクシンは右ミドルキック、右ストレートが得意で日本トップクラスの選手と多く対戦しており、勇志にとってはなかなかの強敵となった。

初回、ミドルキック中心の蹴りの攻防は、勇志が強く蹴ると、オートが上回るスピードとしなやかさで圧力掛けて来た。互角の蹴り合いと言いたいところだが、ややオートの返しが優る攻防となった。

蹴りで対抗した勇志。ムエタイの壁は厚かったか

第2ラウンドもより攻防が激しくなり、勇志が左ストレート打っても躱したオートがヒザ蹴りに出てニュートラルコーナーに追い詰めると勇志がバランス崩してしゃがみ込み、ノックダウンかと思われたがスリップ扱いで救われた。勇志は左ハイキック出してもブロック。全く怯まず直ぐ蹴り返す落ち着きのオート。勇志は強く蹴り返す勢いでは意地を見せて攻めて出た。

スリーパーホールドから後頭部へのヒジ打ちは反則。流れの中の一瞬のシーン

第3ラウンドはその勢いでややオートを下がらせたが、主導権奪うに至らない展開の勇志だった。見方によって失点無しの引分けからオートのフルマークとなる大差まで、差が開く判定となった。勇志は悔しい判定負け。

オートが判定勝利。勇志は悔しい結果の瞬間

勇志は喋りたくないであろう言葉を振り絞って出してくれた声は、「オートは強かった。負けは負けです。また頑張ります。」とだけ応えた。

テツジム大阪の一生(=イッセイ)会長は「ジャッジ一人はフルマークだったから納得いかないですね!」と不満な言葉。

広報担当している木村充利氏は、「勇志はパンチで行くのかなと思っていたら、蹴りで対抗したのでオートの術中に嵌ったのかなと。でも惜しかったですね。勇志も強い蹴り出していたし良い試合でした。ジャッジはオートの蹴りのインパクトが印象に残ったんでしょうね」という回答をされました。

◆第11試合 NKBウェルター級次期挑戦者決定戦3回戦

NKBウェルター級3位.どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS/1988.10.15滋賀県出/ 66.4kg)
50戦27勝(6KO)21敗2分
        VS
NKBウェルター級5位.健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 66.15kg)
8戦5勝(1KO)2敗1分
勝者:どん冷え貴哉 / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:高谷30-29. 鈴木30-29. 前田30-29

来年2月21日での、チャンピオンCAZ JANJIRA(Team JANJIRA)への挑戦権を懸けた、どん冷え貴哉vs健吾戦。

パンチと蹴りの様子見からすぐ組み合う展開へ移り、ヒザ蹴りの互角の攻防が続く。第3ラウンドにどん冷え貴哉がヒジ打ちで健吾の右眉尻をカットし、リズム掴んだ貴哉が首相撲で攻勢を維持。時間の無い中、健吾もパンチで倒しに掛かる猛攻を見せるが、冷静に躱し切った貴哉が判定勝利した。

どん冷え貴哉の蹴りと健吾のバックハンドブローが交錯。健吾の流血が円を描く

試合後、リングに現れたチャンピオンのカズ・ジャンジラが「来年4月に引退します。」と宣言し、どん冷え貴哉に対し、「今回勝てないともうリベンジ出来ないですよ!」と促した。

どん冷え貴哉は、「カズさんとは3回目の試合で、しかもタイトルマッチという最高の舞台となりました。前回は今年の2月に僕が喧嘩売っといて負けたんですけど、また精一杯頑張ってカズ選手の目の前まで辿り着きました。今度は絶対勝つんで有終の美は飾らせないと思ってます。」と宣言した。

カズ・ジャンジラと対峙して健闘を誓い合う。有終の美を飾らせない。いや飾る!

◆第10試合 59.0kg契約3回戦

NKBフェザー級3位.矢吹翔太(team BRAVE FIST/1986.8.2沖縄県出身/ 58.5kg)
18戦11勝4敗3分
        VS
NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 59.0kg)
35戦11勝(4KO)19敗5分
勝者:矢吹翔太 / 負傷判定3-0 / テクニカルデジションタイム 第3ラウンド 58秒
主審:鈴木義和
副審:前田30-28. 関30-29. 笹谷30-29

39歳と44歳の戦い。矢吹翔太がローキックから首相撲。離れても矢吹が先手打って蹴りからパンチ、そして首相撲に掴まえる。

第2ラウンド以降も首相撲に繋がる展開が続き、第3ラウンドに矢吹のパンチヒットでフラ付いた半澤信也を追って倒しに掛かったところで偶然のバッティングが起こった。負傷したのは矢吹の方。左瞼がパックリと割れ、ドクター勧告で試合はストップ。攻めて出たところでのアクシデントで負傷判定となって矢吹翔太が勝利した。

矢吹翔太のパンチヒットでグラついたが追って出てバッティングが起きてしまう

◆第9試合 66.0kg契約3回戦

小磯哲史(元・J-NETWORKライト級Champ/テッサイ/1973.8.8神奈川県出身/ 65.85kg)
55戦20勝(7KO)30敗5分
           VS
大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.0kg)27戦11勝(5KO)12敗4分
勝者:小磯哲史 / TKO 2ラウンド 2分7秒
主審:高谷秀幸

初回か先手打つ小礒哲史が蹴りからパンチ、ハイキックと繋げ、大月慎也を後退させた。大月はミドルキックを返しても流れを変えられない。

第2ラウンドも小礒がペース崩さず前進。右ハイキックでコーナーに追い詰め、更に右ハイキックでアゴを打ち抜きノックダウンを奪った。大月は立ち上がるも効いている様子で、小礒がパンチラッシュで大月をコーナーに追い込み、連打したところでレフェリーストップとなった。

小磯哲史の右ハイキックが大月慎也を襲った

◆第8試合 バンタム級3回戦

NKBバンタム級5位.兵庫志門(テツ/1996.4.14兵庫県出身/ 53.3kg)20戦8勝(2KO)9敗3分
          VS
涌井大嵩(アルン/1997.3.2新潟県出身/ 53.3kg)5戦3勝(1KO)2敗
勝者:兵庫志門 / TKO 2ラウンド 2分29秒
主審:鈴木義和

パンチと蹴りのスピーディーな攻防。涌井大嵩の前蹴り躱した兵庫志門が右フックか、ノックダウンを奪った。第2ラウンドに入ってもダメージ回復には至らない涌井だったが、ローキックで踏ん張って時間稼ぐも、兵庫志門が右ストレートで2度のノックダウン奪ったところでレフェリーストップが掛かった。

兵庫志門の右フックが涌井大嵩にヒット。勝利を大きく導いた

◆第7試合 63.0kg契約3回戦

利根川仁(TOKYO KICK WORKS/2003.1.24東京都出身/ 62.7kg)8戦7勝(1KO)1敗
          VS
ちさとkiss Me!!(安曇野キックの会/1983.1.8長野県出身/ 62.9kg)44戦7勝(3KO)33敗4分
勝者:利根川仁 / 判定3-0
主審:高谷秀幸
副審:関30-28. 前田29-28. 鈴木30-28

利根川仁が蹴りとパンチの圧力で優るが、ちさとはまともに食わないのが上手さか。攻勢続ける利根川だが、ラストラウンド残り30秒でラッシュ掛けたちさとはパンチで圧し、ロープ際でヒザ蹴り、上からヒジ落とす技も使ってコーナーに追い詰めたところで終了。利根川がこの終盤以外に終始攻勢を続けた結果の判定勝利。

利根川仁の右ストレートと、ちさとのローキックの交錯。勝てないが倒されないちさと

◆第6試合 フェザー級3回戦

JKIフェザー8位.仁虎(BOXFIGHT/2009.4.1富山県出身/ 56.65kg)7戦4勝(1KO)3敗
          VS
シオチャイ・FJ KICK ASS(FJ KICK ASS/2007.11.13神奈川県出身/ 56.7kg)
6戦3勝(1KO)3敗
勝者:シオチャイ・FJ KICK ASS / 判定0-2
主審:笹谷淳
副審:鈴木29-29. 前田29-30. 高谷29-30

シオチャイがパンチと蹴りから組み付きに行きヒザ蹴りが徐々に攻勢維持した流れ。両者の蹴りと打ち合いもアグレッシブで、仁虎もフック系パンチがあったが、巻き返すには至らず終了。僅差ながらシオチャイが判定勝利。

シオチャイが首相撲からのヒザ蹴りで主導権支配。僅差となったがヒザ蹴りはインパクトがあった

◆第5試合 ライト級3回戦

リョウヤ・ハリケーン(テツ/2002.10.20兵庫県出身/ 60.9kg)5戦3勝(2KO)2分
          VS
魔娑屋(SLACK/1991.2.4岩手県出身/ 61.05kg)8戦3勝(3KO)5敗
勝者:リョウヤ・ハリケーン / 判定3-0
主審:関勝
副審:高谷30-28. 鈴木30-28. 笹谷30-28

リョウヤは二度の股間ローブローを受けてインターバルが与えられた。魔娑屋に注意警告。更に偶然のバッティングも起こり、リョウヤの戦力落ち気味も、ラストラウンド残り10秒で右ストレートヒットし魔娑屋がノックダウン。大きなポイントを拾ったリョウヤが判定勝利。

◆第4試合 女子50.5kg契約3回戦(2分制)

みずほ有刺鉄線(テツ/1989.5.24東京都出身/ 50.4kg)1戦1敗
          VS
実穂(クロスポイント大泉/1985.3.25静岡県出身/ 50.05kg)2戦1勝1敗
勝者:実穂 / 判定0-3
主審:前田仁
副審:高谷28-30. 鈴木29-30. 笹谷28-30

アグレッシブに蹴りとパンチで打ち合う中、実穂が徐々に打ち優る勢いが目立った。みずほも手を休めず攻め返し好ファイトとなった。

◆第3試合 ライト級3回戦

猪ノ川海(大塚道場/2005.9.30茨城県出身/ 61.1kg)6戦3勝(2KO)2敗1分
          VS
津田宗弥(クロスポイント吉祥寺/1980.1.8神奈川県出身/ 60.75kg)4戦1勝(1KO)3敗
勝者:猪ノ川海 / 判定3-0
主審:関勝
副審:笹谷30-28. 鈴木30-28. 前田30-27

蹴りからパンチの多彩な攻防は猪ノ川海のヒットが優っていく展開。津田宗弥も踏ん張って打ち返し、見極め難い中、ジャッジ三者が揃ったのは第1ラウンドのみだったが、猪ノ川海が順当に判定勝利した。

◆第2試合 フェザー級3回戦

岡部惇(アント/1993.10.20岡山県出身/ 56.95kg)5戦1勝(1KO)4敗
          VS
加藤宙(神武館/2008.11.26埼玉県出身/ 56.75kg)1戦1勝(1KO)
勝者:加藤宙 / TKO 1ラウンド 1分0秒
主審:高谷秀幸

加藤宙が接近戦で振り回した左ヒジ打ちヒットで岡部惇の右眉尻をカットし、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。

◆プロ第1試合 ライト級3回戦

大森利己(T-GYM/1998.11.30山梨県出身/ 60.15kg)3戦2勝1敗
          VS
小池奨太(Bushi-Do~武士道~/1988.7.14新潟県出身/ 59.75kg)3戦2敗1分
勝者:大森利己 / 判定2-0
主審:前田仁     
副審:鈴木29-29. 笹谷30-28. 関30-27

両者の蹴りとパンチの攻防の中、大森利己のカーフキックが効果を現し判定勝利。

◆アマチュア第3試合 『問答無用』東西対抗戦41.0kg契約 2回戦(2分制/延長1R)

41kg関東王者.田中春翔(WIVERN/ 40.75kg)vs41kg関西王者.高橋海翔(NK/ 40.8kg)
勝者:高橋海翔 / 判定1-2 (20-19. 19-20. 18-20)

◆アマチュア第2試合 『問答無用』東西対抗戦37.0kg契約2回戦(2分制/延長1R)

37kg関東王者.太陽(D-BLAZE/ 36.75kg)vs37kg中四国王者.北山義(岡山/ 36.25kg)
勝者:太陽 / 判定2-0 (20-18. 20-19. 20-20)

◆アマチュア第1試合 『問答無用』東西対抗戦35.0kg契約2回戦(2分制/延長1R)

DBS、UIZIN35kg王者.KANON(問答無用 関東推薦選手/ 35.0kg)
        VS
中四国33kg王者.滑飛夢乃(テツジム滑飛一家/ 34.95kg)
勝者:滑飛夢乃 / 判定0-3 (18-20. 18-20. 19-20)

《取材戦記》

あるジム関係者の声。「挑戦者決定戦は5回戦にすべきですね。タイトルマッチに準ずる試合が3回戦はおかしい!」。

3回戦とは本来キャリアの浅い新人戦の枠組みである。「本来の5回戦に戻る日は来るのだろうか」という意見は一定数有るのも事実である。

勇志の試合については、「勇志の試合は30-27が物語っているんじゃないですかね」とフルマークも妥当と見た意見だった。試合終了した時点で、忖度があるならば引分けかという空気が流れたのも事実だろう。勇志も攻め倦む中、全力で向かった強い蹴りも多かったので、巻き返したとも見れる流れ。でも僅差判定負けが妥当なところだろう。団体の代表的エース格として、また成長を見せねばならない課題多き勇志である。

今年のメインイベンターは、2月に棚橋賢二郎vs乱牙(=蘭賀大介)に始まり、4月、皆川裕哉vs山本太一、6月、釼田昌弘vs TOMO・JANJIRA、そして勇志vsオート・ノーナクシンと繋がって来ました。乱牙はチャンピオンとなった次戦で敗れ、山本太一も皆川裕哉に倒され、剱田昌弘は勝ったが引退。期待の勇志もムエタイに跳ね返された。そんな中での次回、日本キックボクシング連盟爆発シリーズvol.6は、12月13日(土)に後楽園ホールに於いて開催予定です。不振を覆す締め括りに期待したいものですが、メインカードが決まっていないのも寂しいところです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

トップ団体へ挑戦が続く全日本キックボクシング協会、日本からアジアへの基礎固めへ!

堀田春樹

瀬川琉は前回に続いて韓国戦士を迎え撃ち、インパクト残す判定勝利。
広翔は前回の判定負けを払拭。韓国戦士に圧倒の展開で判定勝利。
勇生欠場で、弟・野竹生太郎が存在感見せたTKO圧倒勝利。

◎SAMURAI WARRIORS 挑戦3rd / 10月5日(日)後楽園ホール17:30~21:32
主催:全日本キックボクシング協会 /

前日計量は4日(土)稲城ジムにて14時より行われ、一人を除いて一回でパス。その一人も30分後に難なくパス。
戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています。

◆第13試合 60.0kg契約3回戦 

全日本スーパーフェザー級チャンピオン.瀬川琉(稲城/ 59.5kg)23戦16勝(4KO)6敗1分
      VS
鄭相鉉(=チョン・サンヒョン정상현/韓国プロムエタイ55㎏級Champ/ 59.5kg)
16戦13勝3敗
勝者:瀬川琉 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:竜矢30-29. 勝本30-28. 和田30-28

初回早々から瀬川琉がサウスポーからのローとミドルキックで早くもリズム掴んだ流れ。左ミドルキックは腕の上からでも強くヒットさせたが、鄭相鉉の打たれ強さと頑張りもあって仕留めるには至らなかったが、テクニックで優って判定ながら完勝の内容。

瀬川琉の左ミドルキック、初回から主導権を奪っていった
腕の上からでも折らんばかりに強く蹴って出た瀬川琉

試合後のリング上では、「ちょっとデカいこと言いたかったんですけど、12月28日にもう一回いい試合して、自分の言いたいこと、しっかりアピールしていきたいと思います。」とKO出来なかったことへの反省と、「今27歳ですけど、23歳で格闘技で飯食えなかったら辞めようというつもりでいました。だけど今の勤める会社の社長に拾って貰ったからこそチャンピオンベルト巻けて格闘技が出来ていると思います。練習も仕事も続けられる環境で、格闘技をバックアップして応援して頂いています。」と観戦している社長さんを紹介。

控室に帰ってからは、「相手は蹴り終わりを狙っていたので、そこを警戒し過ぎてたかなと感じます。今迄の中では一番見えていたんですけど、ちょっとまた練習の半分も出せていない感じですね。来年に向けて一試合一試合、自分の中では合格点出して他団体なり、トップどころと戦いたいなという目標はありますね。」と以前も他団体やトップ選手の存在を意識した発言があったが、来年へ向けて更に力強く抱負を語った。

瀬川琉が勤務するエコプロコート株式会社は、住宅関連各種コーティング施工関連の業務の模様。保護犬格闘家として、ファイトマネーを保護団体に寄付する活動をしている瀬川琉は犬や猫が安全に快適に過ごせるように床材を保護する施工の仕事のようである。

◆第12試合 スーパーライト級3回戦

ジョカミ・ナカジマ(ドミニカ/中島道場/ 63.45kg)1戦1敗
VS
アイドゥル(=金炳秀キム・ビョンス김병수/韓国/ 63.25kg)14戦7勝7敗
勝者:アイドゥル / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:竜矢25-30. 勝本24-29. 少白竜25-30

勇生(=野竹勇生)欠場で代打出場のジョカミ・ナカジマはドミニカでの全国大会優勝の実績ある選手。アイドゥル(=金炳秀)は6月20日に瀬川琉に判定負け。

ジョカミ・ナカジマはテコンドー技で変則的にアイドゥルを手古摺らせたが、最初の1分半程まで。動きが読めて来たアイドゥルはパンチや組んでのヒザ蹴りで圧力掛けていった。ジョカミは鼻血を流し、圧されながらも屈しない攻防を続けた。

後ろ蹴りなどテコンドーで鍛えた技を変則的に使ったジョカミ・ナカジマ

第2ラウンドにアイドゥルの組み付いてのヒザ蹴り連打でスタンディングダウンを取られたジョカミ。第3ラウンドもアイドゥルのヒザ蹴り連打でスタンディングダウンを取られるも大きなダメージは受けていない様子で後ろ蹴りも見せるも逆転は成らず。アイドゥルが大差判定勝利した。

ジョカミの動きを読んだアイドゥルは多彩に攻め優っていった

◆第11試合 スーパーバンタム級3回戦

広翔(稲城/ 55.1kg) 6戦4勝(1KO)2敗
VS
申大容(=シン・デヨン신대용/韓国/ 54.95kg)2戦2敗
勝者:広翔 / 判定3-0
主審:和田良覚
副審:竜矢30-28. 椎名30-28. 少白竜30-28

広翔の鋭いミドルキックやローキックが申大容の前進を阻む。申大容もアグレッシブに攻めるが、広翔がパンチから蹴りのコンビネーションブローが申大容の前進を許さぬプレッシャーを与えた。なかなか鋭く落ち着いて迎え撃つ広翔。テクニックで圧倒した広翔が失点なく判定ながら完勝した。

広翔の蹴りが鋭く申大容を圧倒した。今後はKOが重要となる

広翔は試合後の帰り際、「前回(3月)の試合で負けたので、プレッシャーがあった感じで、蹴りで倒しに行きたかったですけど、行くところとで行けなかったので、次はもっとメンタルを強化してしっかり攻めて行きます。野竹兄弟に負けないようにKO目指します。今日は野竹生太郎がKO勝利で先を行かれたので、ここからもっと練習して打倒野竹兄弟で上を目指します。」と全日本キックボクシング協会のエース格争いにも階級超えたライバル意識が感じられた。

広翔も腕の上からでも強く蹴り込んだ。連続でしつこく蹴りたかった

◆第10試合 63.0kg契約3回戦

野竹生太郎(ウルブズスクワッド/ 62.85kg)4戦4勝(1KO)
        VS
キム・ハヌル김하늘(漢字表記不明/韓国/ 61.75kg)4戦2勝2敗
勝者:野竹生太郎 / TKO 1ラウンド 2分0秒
主審:勝本剛司

兄・勇生の分までインパクトあるTKO圧倒勝利を残した野竹生太郎。開始早々から両者アグレッシブに攻めるが、野竹生太郎が的確なヒットのローキックで優った。蹴って出たキム・ハヌルにヒザ蹴りで迎え撃つと、ボディーへまともに貰ったキム・ハヌルはノックダウン。

立ち上がるもパンチで反撃するキム・ハヌルに生太郎は迎え撃ち、更にヒザ蹴りボディーヒットでキム・ハヌルは苦しそうに蹲り、ノーカウントのレフェリーストップとなった。

野竹生太郎のヒザ蹴りを受けたキム・ハヌルは堪らず蹲った

◆第9試合 スーパーウェルター級3回戦

義斗(FPLUS TEAM QUEST/ 68.05kg)5戦3勝(2KO)2敗
        VS
康示勲(=カン・シフン강시훈/韓国/ 68.6kg)4戦3勝1敗
勝者:康示勲 / 判定0-2
主審:竜矢
副審:和田29-29. 椎名28-29. 勝本29-30

康示勲のアグレッシブな蹴りとパンチの圧力が義斗を圧していく。やや調子付かせてしまったか。大差は付かないが、我武者羅に出る康示勲に義斗は距離感掴めず、僅差判定で康示勲が勝利した。

康示勲の我武者羅に打って来るタイミングが掴めない義斗は攻め倦む

◆第8試合 ライト級3回戦

山田旬(アウルスポーツ/ 61.2kg)5戦4勝1分
        VS
清宮拓(GODSIDE/ 61.05kg)10戦2勝(1KO)7敗1分
勝者:山田旬 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:和田29-28. 椎名29-28. 竜矢30-28

大きな差は無いが、パンチと蹴りの攻防が続き、第3ラウンドには山田旬が圧力掛けて蹴りのインパクトを残し僅差ながら判定勝利。

ラストラウンドで攻勢掛けた山田旬。蹴りでインパクトを残した

◆第7試合 スーパーフライ級3回戦

HIROKI(AKIRA~budo school~/ 51.8kg)8戦4勝(1KO)4敗
      VS
鬼久保海斗流(健成會/ 51.7kg)2戦2敗
勝者:HIROKI / 判定2-0
主審:勝本剛司
副審:少白竜30-29. 椎名29-28. 竜矢30-30

初回は蹴りから組み合う展開が増えた。偶然のバッティングで鬼久保海斗流が痛そうに蹲ること2度。更に股間ローブローもあって鬼久保は苦しい展開。ジャッジ三者が揃うラウンドは無かったが、僅かながら攻勢に立ったHIROKIが判定勝利。

◆第6試合 ライトヘビー級3回戦

星のケースケ(百足道場/ 78.1kg)2戦2勝
      VS
菊池圭治(GODSIDE/ 78.65kg)13戦9勝(4KO)3敗1分
勝者:星のケースケ / 判定3-0
主審:和田良覚
副審:少白竜30-28. 椎名29-28. 勝本29-28

菊池圭治は変則的にフェイント掛けながら蹴りやパンチを当てるが、第3ラウンドに星のケースケが菊池をロープに詰めてパンチ連打。最終ラウンドを制した星のケースケが際どくも勝利した。

◆第5試合 66.0kg契約3回戦

Katsuya Norasing Family(Norasing Family/ 64.9kg)5戦3勝(2KO)2敗
        VS
NAOKI(ウィラサクレック/ 65.65kg)4戦1勝3敗
勝者:Katsuya Norasing Family / 判定2-0
主審:竜矢
副審:少白竜30-28. 和田29-29. 勝本30-29

◆第4試合 59.0kg契約3回戦

KAI×A.K.G(A-BLAZE×KICK/ 58.85kg)3戦3勝(1KO)
        VS
杉浦昂志(キックスターズジャパン/ 58.9kg)5戦2勝2敗1分
勝者:KAI×A.K.G / 判定3-0
主審:椎名利一    
副審:少白竜30-29. 竜矢30-28. 勝本30-28

◆第3試合 67.0kg契約3回戦

滝口遥輝(中島道場/ 65.5kg)4戦3敗1分
      VS
成瀬晴規(無所属/ 67.1→67.0kg)6戦3勝2敗1分
勝者:成瀬晴規 / 判定0-2
主審:和田良覚
副審:少白竜29-30. 竜矢29-30. 椎名29-29

手数少ない両者にレフェリーがアグレッシブに攻めるようにイエローカードが示された。攻め難さがあったか、第3ラウンドにやや攻勢掛けた成瀬晴規が僅差で勝利。

◆第2試合 68.0kg契約3回戦

石塚健太(武士魂2代目闘心塾/ 66.5kg)2戦2敗
        VS
小玉倭夢(Norasing Family/ 67.9kg)3戦2勝(1KO)1敗
勝者:小玉倭夢 / TKO 3ラウンド 1分42秒 /
主審:勝本剛司

蹴りパンチの攻防は徐々に小玉倭夢が攻勢強め、第3ラウンドにはコーナーに詰めパンチ連打。2度のスタンディングダウンとなってレフェリーストップ。

◆第1試合 スーパーバンタム級3回戦

渡邊獅生(JTクラブ/ 55.2kg)2戦1勝1敗
      VS
梅原竜雅(龍成會/ 55.3kg)2戦1勝(1KO)1敗
勝者:梅原竜雅 / KO 1ラウンド 2分40秒 /
主審:竜矢

蹴りから首相撲とパンチと蹴りの攻防。組んで崩す梅原竜雅に圧される渡邊獅生。ロープ際でパンチで攻める梅原はヒジ打ちも放ったか、渡邉の額から鮮血が流れ、崩されて倒されると脳震盪のダメージもあったのか、ノックダウンとなって立ち上がるも足下ふら付いてテンカウントが数えられた。

《取材戦記》

韓国戦士を迎え撃った瀬川琉、ジョカミ・ナカジマ、広翔、野竹生太郎は場内盛り上がるアグレッシブな展開が見られたが、第3試合から第9試合は主導権支配の難しい僅差の判定が続いた。皆全力で戦っているが、感動のノックアウトはなかなか難しいものである。

全日本キックボクシング協会・栗芝貴代表が設立当初から目指すもの。

前回6月20日興行が終った後、全日本キックボクシング協会は中国の団体との交流へ臨みました。栗芝貴代表は8月2日、 海南省三亜市に訪れ、中国と日本のキックボクシングの交流と発展を促進するための会議が開催されました。中国の選手も全日本キックボクシング協会へ参加したいという話が進んだ模様です。

今回の興行の後、栗芝代表は香港に向かい、昭和の時代に試合をした際に交流あった香港ムエタイ協会との交渉も進め、来年を足掛かりにアジアトーナメントへプランを進める方向である。

栗芝代表は前日計量にて全出場選手に対し、「来年から本格的にアジアトーナメントに向けて準備していかねばならない。アジアトーナメントには強い日本人が必要なんですね。プロとして世界の強豪選手と戦える選手を作っていかねばならない。それで会場に来たお客さんに感動や勇気を与えられるような試合でなければならない。何を目指してやるのか。僕たちは日本や世界でトップに立てる選手になろう。腹を括って出て来る人を待っているんです。その為に私も目一杯やっています。」と語り、またメディアとの対話では、「まだウチの協会はテレビに載せられる人材が少な過ぎる」という。

その昭和時代のような地上波テレビ放映に向けては、「まだウチは設立以来7回目の興行です。来年は4回の興行、全て後楽園ホールで日曜日も取れました(土曜1回、日曜3回)。僕らは後楽園ホールでしかやりません。なぜか。スターを作りたい。輝く舞台を用意したい。その一心です。トップに行くこと。これが目標なんです。これからも世界に向けて準備をどんどん進めています。今から60年前に日本でキックボクシングがバーンと注目された時、毎週テレビ放送したんですね。ここもう一度、僕、絶対掴みます。なので明日の試合、スターになってください。全力で戦ってください。是非盛り上げて頑張ってください。宜しくお願いします。」と叱咤激励して締め括った。

他団体にも期待の新星と言える選手は多く居るが、全員が勝ち上がれる訳ではない、トップに立つスターはごくわずかとなる勝負の厳しさが有ります。全日本キックボクシング協会にも野竹勇生・正太郎兄弟や広翔が注目度高い選手で来年に期待が掛かっています。団体内ではなく、日本のトップ、更に世界最高峰に立てるか。

近年、地上波放送というのは難しい話だが、今月はキックボクシングの新イベントがテレビ東京で地上波放送という発表もされています。キックボクシングを知らない人の目に触れる機会が大きいのが地上波放送の力。ボクシングで例えれば、井上尚弥の名前は知っていても、中谷潤人の名前を知らない一般の人が多いのは、過去に地上波での世界戦が多かった方が知名度高いということでしょう。キックボクシング各団体がいろいろなイベント試みる中、設立3年目、初陣興行から7回目の全日本キックボクシング協会がどこまで躍進するか。栗芝貴代表の手腕に期待が掛かります。

次回の全日本キックボクシング協会SAMURAI WARRIORS 挑戦4thは12月28日(日)に後楽園ホールで開催されます。期待される出場選手は瀬川琉、広翔、野竹兄弟でしょう。

後半戦セレモニーで対峙した日韓各選手達

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」