「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」へのお祝いと叱咤激励のメッセージ、ありがとうございます!

松岡利康(鹿砦社代表)

「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」に、やむなく不参加の方々からのお祝いと叱咤激励のメッセージを以下掲載させていただきます。

◆天木直人さん(発起人。外交評論家/元駐レバノン大使)

右にも左にも与せず、ひたすら権力者の不正義と闘う『紙の爆弾』は、まぎれもなく私が敬愛した岡留安則の『噂の眞相』の後継誌です。がんばって下さい。

◆西谷文和さん(フリージャーナリスト)

『紙の爆弾』20周年、『季節』10周年おめでとうございます。ちょうど20年前、大事件の1つがイラク戦争です。私は2003年のイラク戦争勃発直後から主に中部のバグダッド、北部のクルド地域を訪問してきました。当時、大手メディアの記者たちはエンベッド取材といって「米軍に組み込まれた形での従軍取材」をしておりました。クェートから攻め上がる米軍の車両に乗せてもらって、「バグダッド解放」を報じるわけですが、そこには米軍の無差別空爆で殺された民衆の姿や、米軍がばら撒いたクラスター爆弾で手足を失った子どもたちの姿はありません。私は「爆弾を落とされたイラク民衆の側」からの映像が必要だと思ったので、主に病院や避難民キャンプ、孤児院などを取材しました。すでにこの頃からスポーツやグルメ、芸能界の下半身ネタなど「数字が取れる」番組が増えてはいたのですが、テレビ局の現場には「アメリカの不法な侵略戦争の実態を伝えたい」という使命感を持ったプロデューサーもいて、しっかり地上波で報道することができていました。

大統領がブッシュからオバマに代わり、戦争がイラクからアフガンへとシフトしたので、09年からアフガンに足を運ぶことにしました。この頃になるとさらに報道番組が減って、「全局バラエティー化」と呼べるような事態になり、アフガン特集ができるのは年に1、2度の状態になりました。そして第2次安倍政権になった直後の2014年、菅官房長官や総務省幹部、元公安警察の官邸官僚たちがあからさまに圧力をかけるようになり、TBSから岸井成格さん、NHKから国谷裕子さん、テレビ朝日から古舘伊知郎さんという看板キャスターが番組を下されてしまい、テレビ局は自粛と忖度の嵐に包まれてしまいました。日本の報道自由度ランキングは、11年の11位からドーンと落ちて71位にまで下がったと記憶しています。ほぼ時を同じくしてスマホが社会を席巻するようになり、まずラジオと新聞、次にテレビが斜陽産業化していく中、情報はネットで無料配信される時代になりました。イラクやアフガンでの取材中は、英米仏独はもちろん、スウェーデンやスペインからのフリーランスがいて、互いに励ましながら取材をしていたものですが、コロナ以降はフリー記者が激減しました。おそらく「食べていけない」からだと思います。

このような時代になってからも『紙の爆弾』で、紛争地からのルポを掲載することができています。紙媒体が苦境に陥る中、貴重な存在ですし、私にとっても発表の場があるのはありがたいことです。実は4月8日から中東のレバノン、シリア取材を予定しております。取材許可が下りないので、ガザには入れませんが、レバノンの戦争被害を取材することはできそうです。イスラエルがどのようにしてポケベルに爆弾を仕込んだのか、目の前で爆発しているので、失明した人や指を失った人も多数います。彼らに支援は届いているのか、今どんなことを願っているのか、などをインタビューできたらいいなと考えています。無事帰国したら、また誌上で発表させてもらいたいと願っております。残念ながら本日の記念の集いには参加できませんが、参集されたみなさんのご健康と、『紙の爆弾』の永続を願っております。

◆寺脇 研さん(元文部科学省・映画運動家)

そりゃあフジテレビはひどい。でも他のメディアがそれを指弾できるのだろうか。
たしかに性的問題ではフジテレビほどひどいところはないだろう。

しかし、トランプ、プーチン、ゼレンスキー、ネタニヤフのことばかりはやし立て、国内の重大問題から目を逸らしてきたのは日本の大メディアのほとんど全部だ。SNSなどのネットメディアを信じる気にはなれないが、大メディアへの信頼も地に落ちた。『紙の爆弾』をはじめとする「小メディア」に期待するしかない。まあ、私が60年近く熱中してきた映画の世界でも、大手企業はダメでインディペンデントにしか期待できませんがね。

◆浜田和幸さん(米ジョージ・ワシントン大学政治学博士、元参議院議員)

貴誌の発刊20周年を心よりお祝い申し上げます。現在、海外訪問中のため、祝賀会に参加できず、残念至極です。参加者の皆様が楽しく活発に議論され、交流を深められることを祈念しています。

さて、日本でもトランプ大統領の「相互関税」は大きな話題になっているようですが、ワシントンではいわゆる「関税戦争」は目くらましに過ぎないとの指摘も聞こえてきます。

その代表格は1期目に補佐官を務めたバノン氏でしょう。彼の見立てによれば、「トランプ大統領の関税戦争は目くらましで、真の狙いは3期目の大統領の座」に焦点が当てられているとのこと。

トランプ大統領は「シンゾーは素晴らしい男だった」と、故安倍首相を持ち上げながら、日本への24%の追加関税を発表しました。日本政府は「同盟国への配慮に欠ける決定だ。断固として抗議し、修正を要求する」と述べていますが、トランプ大統領の真意を掴めていないようです。

実は、トランプ大統領は同盟国であろうと、敵対国であろうと、区別する気はさらさらありません。要は、アメリカの「黄金時代」を築くためには、敵味方関係なく、とにかくアメリカの言うことを聞かせようという発想の持ち主なのです。

その意味では、トランプ大統領は中国の習近平国家主席をライバル視しているのもごもっとも。習氏が前例を覆し、3期目に突入したことに大いに刺激を受けたことは間違いありません。しかも、トランプ氏と習近平氏は似たような言動に終始しているではありませんか。

例えば、表現や報道の自由についてですが、習近平氏は香港でのメディアの活動を制限していますが、トランプ氏もメキシコ湾をアメリカ湾に変更した大統領令に従わないAP通信の記者をホワイトハウスでの共同記者会見から排除してしまいました。

また、ウクライナ戦争に関しても、習近平氏はロシアのプーチン大統領寄りの姿勢を堅持していますが、トランプ氏もプーチン氏との直談判に固執しています。

更に言えば、台湾に関しても、習近平氏は「必ず一体化する。必要があれば武力の行使も辞さない」と繰り返していますが、トランプ氏も「グリーンランドもパナマ運河もアメリカのものだ。必ず取り返す」と事あるごとに訴えているではありませんか。

事程左様に、共通点の多いのがトランプ氏と習近平氏なのです。トランプ氏とすれば、習近平氏が3期目を経て、場合によっては「終身国家主席」を狙っているのであれば、自分も同じような長期政権を目指すと心に決めているとしか思えません。実際、3月30日のNBC放送のインタビューに応えて「冗談抜きで3期目の可能性はあり得るだろう」と率直に心情を吐露していました。そのためには憲法の改正が必要になりますが、トランプ陣営は抜け道を考えています。

何かと言えば、2028年の大統領選挙ではバンス副大統領が大統領候補となり、トランプ氏は副大統領候補に回るという筋書きです。そして、意図したように、バンス大統領が誕生した暁には、権力をトランプ副大統領に移譲し、実質的な3期目のトランプ政権の発足になるというシナリオに他なりません。

日本を含め、一方的な関税戦争はトランプ大統領が政権を去れば終焉し、より安定した通商貿易関係が復活すると期待する向きも多いようですが、そうは問屋が卸さないでしょう。もし、2028年にホワイトハウスを去ることになれば、彼は即座に収監されるはずです。そうした不名誉な末路を回避するには終身大統領で居続けるか、自分の身内を大統領職に就けることが必須条件になります。そうしたトランプ氏の精神構造をしっかりと把握した上で、対米交渉を推進しなければ、日本はいつまで経っても属国のまま。

『紙の爆弾』が日本人の覚醒に必要な情報と分析を提供され続けることを切に期待しています。

◆矢谷暢一郎さん(アルフレッド州立大学名誉教授)

月刊誌『紙の爆弾』の創刊20周年、季刊誌『季節』(前『NO NUKES voice』)の創刊10周年に当たって、出版社「鹿砦社」が「反転攻勢の集い」を開催するというニュースがニューヨーク州の小さな大学町に住むわたしのところにも届きました。地球のちょうど反対側に位置する小さな町から、わたしもまた「反転攻勢」と銘打った鹿砦社の出版活動を支持し、今日お集まりくださった皆さんに激励と連帯のメッセージを送ります。

松岡さんに初めて会ったのは2005年3月、亡き藤本敏夫の墓参りに京都に行ったおり友人から紹介された時でした。墓参りが終わってかっての友人たちと会食もありましたが、初対面の彼とはあまり話をする時間が無く、短い一時帰国の後すぐニューヨークに戻りました。しばらくして鹿砦社が出版していた多くの本の中から10冊に近い本を仕事場のニューヨーク州立大学アルフレッド校まで送って貰いましたが、その中の一冊が『紙の爆弾』でした。60年代後半のヴェトナム国際反戦運動を経験していた人たちには理解できても、一瞬たじろぐようなタイトルに初対面では伺われなかった松岡利康と出版社鹿砦社の活動を思い巡らせました。ところが、送ってもらった全ての本を読み終わらぬ前に、その松岡さんが「名誉毀損容疑」を冠した言論の自由抑圧を謀る政治的な目論見で逮捕・長期拘留された、と大学のオフィスにメールをくれたのが中川志大さんで、鹿砦社存続の危機に抗して奮迅する彼と社員の方々の松岡・鹿砦社救援キャンペーンに参加しました。あれから20年が経ち、『紙の爆弾』創刊の20年が重なりあいます。

『季節』の前身である『NO NUKES voice』が創刊されたのが2014年の夏、今からちょうど10年前です。同じ年に鹿砦社はわたしの著書、『日本人の日本人によるアメリカ人のための心理学』を出版してくれました。学生時代アメリカのヴェトナム反戦運動と1968年原子力空母エンタープライズ佐世保寄港反対アメリカ神戸領事館包囲デモで逮捕されたことがきっかけ(?)でアメリカ政府の「ブラックリスト」に載せられたわたしが、オランダでの国際政治心理学会でアメリカにおける反核運動の運動について発表後ケネデイー空港で逮捕され長期拘留となりました。当時テレビ新聞、ラジオでも報道されましたから、わたしと同様大分お年を召した人たちはひょっとしたら今でも記憶にあるやもしれません。事件の後1990年代初めニューヨーク州立大学アルフレッド校の心理学教授になり、反核運動の心理学をテーマにした内容の本でした。

本日の集いは、これら二つの月刊誌・季刊誌の創刊記念を踏み台にした「鹿砦社反転攻勢」の集いでありますが、先ほど述べたように二冊の雑誌はわたしの人生の有り様に深くかかわって来ております。残念ながら、この「日本プレスセンター」には出席できませんが、一言挨拶させてもらう次第です。イスラエルとパレスティナ、ウクライナとロシアの二つの戦争とアメリカのトランプ大統領の再選は、世界の平和と民主主義に極めて重大な脅威となっていますが、真実を報道し、権力者の不正義と横暴さを監視する本来のジャーナリズムの使命を果たすために、「反転攻勢」を掲げる鹿砦社の決意に賛同し、大いなる躍進を願ってその一翼に加わりたいと思います。

◆鈴木和枝さん(特別賛同人)

『季節』創刊10周年、『紙の爆弾』創刊20周年おめでとうございます。

色々やりくりが大変とは思いますが、今後貴社が大いに発展していかれるよう皆様どうかがんばって下さい。私も陰ながら応援しています。

私は今、ほとんどの情報媒体を絶ち、人との交流もなく、陸の孤島と化した環境で暮らしています。ですから貴社の出版物、そして何より『紙の爆弾』の存在がいかに重要か、とても一言では言い表せません。貴社がつぶれたら私は本当に困ってしまいます! 貴社を助けることは即ち私自身を助けることであるのです。これからも巨大な敵に屈することなく、共にがんばりましょう。

◆中尾茂夫さん(賛同人)

貴誌『紙の爆弾』創刊20周年、おめでとうございます。既存のジャーナリズムのなかで、突出して存在感のある貴誌に、「ジャーナリズムとはこうあるべし』という物書きの原点を教えられる思いです。権力の提灯持ちが多い中で、かつての『噂の真相』同様、権力の不正義と闘うたしかな政治的主張があるからです。面白おかしいだけでヘイトスピーチのようなネット画面に溢れる情報とは異なり、広告代理店に支配されただけの大手メディアとも異なり、危機的な時代にあって、時代を抉った中身の濃い内容に、深く共鳴しながら拝読しています。苦しい経営に、わずかですが、今回は「賛同人』として応援させていただきます。

松岡の大学の後輩で、魂の書家・龍一郎が、今回の集いに送ってくれた、熱い激励のメッセージ

『紙の爆弾』創刊20周年に際し、私たちの想いをまとめ、同誌5月号(20周年記念号)に掲載しました!

鹿砦社代表取締役会長 松岡利康

同誌5月号に4ページ割いてもらい、同誌創刊20周年に際しての私たちの想いを書き連ね掲載しています。

本来なら、発売まもない号の一部を転載することはめったにありませんが、同誌を購読されていない方にもぜひお読みいただき、これを機会に他の記事もお読みいただくためにご購読をお願いいたします。

私たちのこの20年の軌跡は4ページに収まるものではありませんが、創刊当時の出来事など概略はつかめるかな、と思います。

4・5「鹿砦社反転攻勢の集い」、成功裡に終了! これを転換点として苦境を突破し次の10年に向けて再スタートしました! 鹿砦社代表 松岡利康

去る4月5日、東京日比谷・日本プレスセンターで開催された「鹿砦社反転攻勢の集い」は、新年度始めの慌ただしい中、実数105名のご参集にて開催されました。

以下は、当日会場にて配布した私の挨拶文です。ご笑読いただければ幸いです。

私の開会宣言ののち、足立昌勝先生が、志途上で亡くなられた方々を追悼し『紙の爆弾』『季節』の継続発行、鹿砦社の復活を願い献杯の音頭を取られ会がスタートしました。

リレートークの冒頭は、かの重信房子さんの発言で会場がざわめきました。重信さんとは面識がなかったのですが、先輩に知っている方がいて興味津々、彼女が東京拘置所勾留中、面会に行ったり公判を傍聴したり、ささやかながらカンパ(私の経験から、勾留されていると収入がないわけで、なにかと物入りなのです)したりしたことのお礼ということで参加されました。重信さんを冒頭に持ってきたのは、特段意味がなく、この後、彼女の母校・明治大学土曜会の集まりがあるので中座せざるをえないという理由からです。

なお、当日の司会は、北は網走から南は沖縄まで全国の刑務所、少年院を回り獄内(プリズン)コンサート500回超の実績(もっと評価されて然るべきです)を持つ女性デュオPaix2(ぺぺ)さんが行ってくださり、重信さんは八王子医療刑務所在監中にPaix2さんのコンサートを観て感銘を受けたということでした。
4・5の報告は適宜行っていきます。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇

『紙の爆弾』創刊20周年/『季節』創刊10周年に際して開催された本日の集いを、生前サポートされた方々の遺志を汲み反転攻勢への一大転機に! 鹿砦社代表 松岡利康                 

本日は年度始めの慌しいところ、鹿砦社にとって重要な集いに駆けつけていただき有り難うございます。肩の力を抜いて歓談し共に有意義な時間を過ごしましょう!

以下、私の個人的な想いも盛り込みつつ、『紙の爆弾』創刊20周年についての感慨、及び、長年サポートいただきながら志途上で亡くなられた方々の名を挙げ、その遺志を汲み、反転攻勢を勝ち取ることを決意表明いたします。

『紙爆』20年間の軌跡は、出発時から「名誉毀損」に名を借りた大弾圧で強権的にペシャンコにされ、その後、復活しつつも、新型コロナという、予想だにしなかったパンデミックにより、創刊時とは違った形でどん底に落とされ、もがきながら本日を迎えました。正直のところは、10周年の時のように余裕を持って迎えたかったです。

20年という月日は、たとえ小さな雑誌とはいえ読者の皆様方に確固とした信頼を培い、この5年の苦闘を支えていただきました。あらためてお礼申し上げます。

20年の想いは『紙爆』5月号120ページから4ページにわたり中川と共に記述しましたので、ぜひお読みください。この20年の軌跡は4ページに収まるものではありませんが……。

小なりと雖も、一つの雑誌を続けていくことは大変なことで、これまでの意義と反省点などを捉え直し、皆様方のご意見、アドバイス、また叱咤激励をいただき、次の10年に向けて私たちの想いを真に理解される皆様方と共に再出発したいと願っています。

◆当社に関わってくださった方々を追悼します

私たちが決して忘れてならないことは、生前多大にお世話になった方々のご厚意です。

コロナ直前の2019年秋に鹿砦社創業50周年の集いを東京、関西双方で行いました。その際にも少なからずの亡くなられた方々を追悼いたしました。

その後コロナが蔓延した時期に入っていくわけですが、このかんも、ゆかりのあった方々が亡くなられました。以下の通りです。──

中道武美さん(弁護士) 1990年代初めから関西の事案を依頼。主な事件に『タカラヅカおっかけマップ』出版差止事件、アルゼ名誉毀損(刑事)事件など。別紙記事参照。
                   
内藤 隆さん(弁護士) 東京の事案を依頼。本年1月6日急逝。「大学院生リンチ事件」(いわゆる「しばき隊リンチ事件」)加害者から、本日ご参加の森奈津子さんと共に提訴された訴訟を受任いただき係争中でした。内藤さんをめぐる象徴的なエピソードとしては、別途記事にも書かれていますが、デモで機動隊の暴虐を監視に行って、そのあまりもの暴虐に抗議したら逮捕され日弁連が抗議声明を出したということで、熱血漢の内藤さんらしいと思いました。主な事件に、1996年に東京地検特捜部に刑事告訴された日本相撲協会八百長出版事件(不起訴)、これ以来のお付き合いで、アルゼ名誉毀損(民事)事件を担当。別途記事参照。

北村 肇さん(毎日新聞記者→『週刊金曜日』発行人) 松岡と学年が同じことで意気投合、鹿砦社の出版活動の強力な理解者。生前は『金曜日』と鹿砦社の橋渡しをされ、毎月(毎週の時もあり)1ページ広告を掲載。北村さんが亡くなってから『金曜日』から広告掲載を拒絶され絶縁宣言をされました。

山口正紀さん(ジャーナリスト) 「名誉毀損」出版弾圧事件の訴訟の公判を、東京から毎回傍聴、そのレポートをその都度『金曜日』に寄稿。のち「大学院生リンチ事件」でも、裁判所に意見書(本日販売の『暴力・暴言型社会運動の終焉』に収録)を提出されたり準備書面作成にもご協力、本日ご参加の黒薮哲哉さんと共に積極的にご支援いただきました。

白井 順さん(経済学研究者) 1980年初めに出会う。私よりも1歳下ということもあり弟分的存在。学識があるにもかかわらず出世欲がなく生涯家庭教師やアルバイトで糊口をしのぎ、好きな分野の研究に専念。鹿砦社からは『思想のデスマッチ』の著書があります。もっと彼の学識を活かしてやれば、と悔やみます。

鈴木邦男さん(思想家) 1980年代前半に出会い、以降、鈴木さんの名を論壇に知らしめた『がんばれ!新左翼』はじめ当社から数々の書籍を出版、出版社としては今でもその数は一番多いです。「大学院生リンチ事件」で被害者側に立つ私と決裂、残念ながら歩み寄りなきまま逝去されました。

上記のように、ここ5年余りで私たちは、長年にわたり訴訟や言論における強力なブレーンとなっていただいた方々を失いました。この喪失感は私たちにとって大きいです。

もう私の時代も終わった感があります(とはいえ、現実問題、そうは問屋が卸しませんが)。今後は、次世代を担う中川が新たなブレーンを開拓、形成していくことになりますので、皆様方のご協力をお願いいたします。

本日お持ちした書籍を販売いたしますが、この一覧を見て、よくぞこれだけの本を作ってきたな、という想いにかられました。このリストの大半が私が直接担当したものですが、どの本にも思い入れがあります。ぜひお買い求めいただき、お読みいただければ幸いです。

最後になりますが、本日の集いは、今年74歳になる私にとって、いわば最後の檜舞台であり、このような日本のジャーナリズムを代表する会場で 私たちの出版活動をご理解いただいている皆様方と共に有意義な時間を過ごせる機会を与えられたことに心より感謝いたします。有り難うございました。

(松岡利康)

『紙の爆弾』2025年5月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

5月号では、開戦3年を過ぎたウクライナ戦争を“終わらせない勢力”の存在をジャーナリスト・田中良紹氏が指摘。現在を含め、戦争終結に向かう動きを封じ込めてきたネオコン勢力と、その影響を強く受けつつ世界を席巻する“リベラル・デモクラシー”に切り込みました。日本国内では、自公少数与党をなぜか打倒しようとしない野党勢力を国際政治学者の植草一秀氏が分析します。なぜ、昨年衆院選で国民が自公に鉄槌を下したにもかかわらず、政権交代の機運が早々に途絶え、自公政権存続の方向性が直ちに定まったのか。今国会の焦点のひとつであった高額療養費制度改悪とアベノミクスの関係、またそれが凍結ののちに、次期参院選の重要なキーポイントとなること。また企業団体献金禁止を妨げる野党勢力についても明らかにしています。

全国で「財務省解体デモ」が盛り上がる中、財務省が持つ“異常な権力”について、『消費税という巨大権益』『本当は怖い税金の話』などの著作を持つ元国税調査官・大村大次郎氏が徹底解明。「日本の財務省は先進国ではありえないほどの巨大な権力をなし崩し的に保持している」と断言する大村氏の言葉は、問題意識を持つ人のみならず必読です。さらに“減塩信仰”の嘘と「塩の効用」を神戸・ナカムラクリニックの中村篤史医師が解説。健康に関する情報としてはもちろん、私たちが日々いかに“洗脳”の中にあるか、考えるきっかけとなるものです。

本誌発売後に開催される「大阪・関西万博」で、石毛博行事務総長は“成功”の基準を問われ、「想定来場者の2820万人は想定であって目標ではない」と答えています。そもそも万博は、宣伝して客を呼ぶ商業イベントではないとは思っていましたが、人が来ないということは、関心を持たれていないということ。つまり、計画当初から問われていた「開催の意義」が、万博そのものにはやっぱりなかったということです。結局のところカジノ万博であり、加えて今月号で植草一秀氏は「産廃と淡路島」に言及しています。福島第一原発事故で国と東京電力旧経営陣を免罪した最高裁判事の顔ぶれを明らかにしていますが、危険が明らかな原発や失敗が明らかな万博を止められない政治・社会の構造をなんとか変えることこそ、いま求められていることです。

本誌はついに創刊20周年。編集長を務める私自身が「右も左も」どころかゼロから出発し、試行錯誤を繰り返してきました。いま、書店の減少がなお加速し、コンビニも雑誌を扱わない店が増えました(本誌はもともと書店のみですが)。一時は隆盛を見せた保守系雑誌も発行部数を減らしているといいます。ただし、経済的な意味での需要の減少は避けられないとしても、社会的需要=言論としての価値は増えていると感じています。課題は山積みです。『紙の爆弾』はそこにより深く楔を打ち込むとともに、読者に迫るメディアであろうと考えています。  全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 5月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年4月7日発売
戦争を終わらせないのは誰か ウクライナ戦争の真実 田中良紹
自公少数与党と対決しない 維新・国民民主・立憲民主の裏側 植草一秀
元国税調査官・大村大次郎インタビュー 財務省を解体すれば日本は確実に良くなる
道義平和国家・日本の矜持を取り戻せ!シリア「政権の空白」で何が起きているのか 木村三浩
減塩で糖尿病・がん・心筋梗塞・肥満リスク増「塩の効用」を考える 中村篤史
SNS言論封じ法「情報流通プラットフォーム対処法」の言論統制 足立昌勝
「米露同盟」と「ヨーロッパ再軍備」アメリカの多国籍軍NATOの崩壊 広岡裕児
福島第一原発事故「国も東電経営者も責任なし」と判断した最高裁判事たち 後藤秀典
「コメ価格急騰」への影響も 誘拐被害者が語ったミャンマー詐欺拠点の実態 片岡亮
トランスジェンダー論争にみるキャンセル・カルチャーの実態 井上恵子
「Black Box Diaries」伊藤詩織監督映画上映妨害は言論弾圧だ 浅野健一
マスコミ幹部を飼い慣らした「みのもんた伝説」本誌芸能取材班
鎌倉「ヴィーナスカフェ」問題から闇を覗く ハマのドンと横須賀のドン 青山みつお
NHK廃止のための思想の準備作業「公共放送」の「公」をラジカルに問い直す! 佐藤雅彦
環境省の“犯罪黙認”沼津市による「特定有害物質」不法投棄問題 青木泰
シリーズ日本の冤罪 耐震偽装事件 片岡健
『紙の爆弾』創刊二十周年にあたって——創刊の頃、そして現在

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DM4Y59YX/

「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」を成功させ流れを変えよう! 皆様方の総結集と圧倒的なご支援をお願いいたします! 鹿砦社代表 松岡利康

月刊『紙の爆弾』創刊20周年/唯一の反原発情報誌『季節』創刊10周年にあたり企図した「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」が迫ってきました。

このかん再三申し述べさせていただいているように、新型コロナ襲来以来、引き起こされた鹿砦社の苦境を寄稿者、読者の皆様方と共に突破し、流れを変えようと、4月5日、反転攻勢の集いを開催することになりました。『紙の爆弾』の寄稿者を中心に、ちょっと声を掛けたところ、またたくまに30人ほどの発起人が集まってくださいました。

また、ご支援のカンパ、ご祝儀も日々お寄せいただいています。有り難いことです。あと数日後になりますが、日々、緊張感がみなぎってきています。

この20年間、いろいろなことがありました。なんと言っても『紙爆』創刊直後の私の逮捕―勾留で会社が壊滅的打撃を被ったことでしょう。囚われの身、それも接見禁止で、面会も手紙も、弁護士以外にはできなく、動こうにも動けなくて、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」という心境でした。今は、会社の情況が苦しくても、電話もできるし動き回れます。これだけでも大きな違いです。

詳しいことは4月7日発売の『紙爆』(20周年記念号)5月号に記述してありますので、ぜひ購読いただきご一読ください。

4月5日の集いのご報告は、「デジタル鹿砦社通信」、『紙爆』6月号(5月7日発売)などで行います。

(松岡利康)

松岡の大学の後輩で、魂の書家・龍一郎が、今回の集いに送ってくれた、熱い激励のメッセージ

4月5日東京にて月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催します! 鹿砦社代表 松岡利康 

新型コロナ襲来以来の低迷を打破し再び勢いを取り戻すべく、私たちは来る4月5日、月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催することになりました。

これを単に記念日とするのではなく、低迷打破→反転攻勢の絶好の機会として皆様方と有意義な時間を過ごすべく準備に取り組んでいます。

どなたでも参加できますので、関東近辺在住でご関心のある方はぜひ、どしどし参加し、ちょっとくたびれた私たちを叱咤激励してやってください。

また、賛同金、カンパ、ご祝儀などをお寄せいただき圧倒的なご支援をお願いいたします!

苦しみの中から立ち上がれ! 闘争勝利!

(松岡利康)

『紙の爆弾』2025年4月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

おかげさまで『紙の爆弾』は、次号2025年5月号で創刊20周年を迎えます。姉妹誌の反原発情報誌『季節』は昨年創刊10周年を迎えました。それらを記念し、2025年4月5日(土)に東京で読者の集いを開催します。一回限りの全力イベントです。発売中の4月号でご案内を掲載しておりますので、ぜひご参加をお願いいたします。

今月号では「USAIDとは何か」を徹底解説。米国トランプ政権の「USAID廃止」がインターネットを中心にこれほど盛り上がったのは、そもそも「メディアがおかしい」という意識が、人々の中にあったからです。日本でも「マスゴミ」という言葉は昔からあり、権力監視の一環としてのマスコミ監視は、本誌のようなメディアの普遍的なテーマでもあります。ただし、単なる「ゴミ」ではなく、むしろ権力機関の一部として、その役割を積極的に果たしてきたことに、今注目が集まっているわけです。「政官業米電(電波)利権複合体」は植草一秀氏の指摘です。しかし、USAIDやNED(全米民主化基金)がなくなればいいのかというと、ことはそう単純ではありません。その点が、既存マスコミはもちろん、インターネットでもほとんど触れられていない点だと思われます。新たな形による「支配」にこそ、私たちは警戒しなければなりません。

USAIDを資金源とするNEDやCIA(米国中央情報局)に限らず、諜報や工作が歴史を動かしてきたことは、指摘するまでもない事実です。今月号ではいくつかの事例とともに、元外交官の孫崎享氏が解説。私たちが日々接しているニュースが、それらの結果にすぎないということは、頭に入れておかなければなりません。そして、諜報・工作のメインターゲットは、外国政府だけではなく、その国の「世論操作」です。ウクライナ・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談「決裂」に、3月号登場の鳩山友紀夫元首相は「問題はプーチンを悪者で敵だとする考えに染まっていては、戦争は終わらない。日本だけでもトランプに協力して戦争を止めたらどうだ」とXでコメント。踊らされない視点こそ、重要です。

昨年11月号に続き、鈴木宣弘・東京大学大学院教授が、「食と農の危機」を再び解説。コメをはじめ食料価格の高騰が続く中、「農業の憲法」といわれる食料・農業・農村基本法の大改悪に伴い4月1日に施行される「食料供給困難事態対策法」で、日本の農業はどうなるのか。そして、この危機に立ち向かうために私たちができることは何なのか。まさに今読むべき内容です。

また、2月13日に東京・広島・大阪・熊本・中央・武蔵美大の大学生たちが中心となって集会を開いた「学費値上げ反対運動」を取材。これがなぜ「新しい形の学生運動」といえるのか、レポートをぜひお読みください。学生たちのnoteもぜひご参照を。(https://note.com/no_raise_ut/n/n2caa621385ee

ほか、4月号では、オンラインカジノ摘発と大阪カジノ万博の関係、再び注目される「フジテレビ・日枝久とジャニーズ」、世界に跋扈する「現代版ノストラダムス」など、各分野で真相に迫る多彩なレポートをお届けします。全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 4月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年3月7日発売

戦争勃発させ国を壊す「西側工作」米ロ「諜報戦」の実相 孫崎享
4月施行 食と農と命を殺す「食料供給困難事態対策法」 鈴木宣弘
イスラエル暴虐の行方 トランプとネタニヤフを結ぶ「ガザ2035」構想 広岡裕児
世界マスコミ「沈黙」の真相 USAID廃止に潜むイーロン・マスクの野望 西本頑司
日本を蝕む「2+2」を破棄せよ 日米安保第四条の闇 木村三浩
「警察・自衛隊の外国攻撃」と「秘密保護強化」能動的サイバー防御法案は戦争推進法である 足立昌勝
「LGBT問題」「トランスジェンダー神話」刊行にあたって 反「性自認至上主義・クイア思想」の宣言 滝本太郎
自衛隊改組と日本永世中立化 日本から始まる新時代の地政学 藤原肇
吉本芸人に相次ぐ「見せしめ聴取」オンラインカジノ摘発 警察と政府の目的 片岡亮
「学費値上げ反対」と「103万円の壁」問題 「大学学費ゼロ」が世界の常識である 浅野健一
フジテレビと芸能プロの関係史 再び注目される「日枝久とジャニーズ」 本誌芸能取材班
世界各地を席巻する「現代版ノストラダムス」たちの予言をひもとく 浜田和幸
「総裁選公約」はどこに消えた? 石破茂「無策」の理由 山田厚俊
NHKへの最後通牒――「さらば“波”だ!」と言おう 佐藤雅彦
日本政治の衰退と世代間分断の根本原因 上條影虎
鎌倉名物カフェ立ち退き問題「小泉政権のキングメーカー」の死 青山みつお
シリーズ日本の冤罪 養女強姦虚偽告訴事件 片岡健
「カウンター大学院生リンチ事件」から十年(下) 松岡利康

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

『紙の爆弾』2025年3月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

フジテレビ問題に続き、週刊文春“誤報”問題が世間を騒がせています。1月27日の「10時間記者会見」でフジは、中居正広の事件把握後も出演番組を継続した理由について、「もし正式な調査に着手することで新たに多くの人間が知ることになると、女性のケアに悪影響があるのではないかと危惧した」と回答。文春の“誤報”は、事件当日に被害女性が中居宅を訪れたのはAプロデューサーではなく中居の誘いだった、というものでしたが、そうであればいっそう、望まない誘いに女性がなぜ応じたのか、そこで起きた事態をなぜフジは放置したのか、という点で、フジテレビのカルト性が浮かび上がってきます。同時にそんな社風が構成された背後に、日本の歴史的な男性社会も見なければなりません。

一方で、週刊文春の“誤報”を叩き、あげく「フジテレビ形勢逆転」と報じるメディアまであることには、大きな違和感があります。そもそも「文春砲」が生まれたきっかけはタレント・ベッキーの一件で、たかが不倫を大事件にしたのは文春ではなく世間でした。「文春砲」を勝手に権威化して、訂正記事を出したらこき下ろす。そんな状況で、オールドメディアもニューメディアもないのでは。とにかく必要なことは、メディアにかかわらず、私たち自身が報道に接する姿勢なのだと思われます。

アメリカで第二次トランプ政権がスタート。そのことが、日本人にとって「対米自立」を徐々にでも、具体的に意識させつつあるように感じています。ひょっとすると、石破茂首相の日米地位協定への言及も、トランプ大統領の再就任を前提としていたのかもしれません。とはいえ、本誌に登場する鳩山友紀夫元首相や植草一秀氏の指摘どおり、永田町のほとんどと、なにより霞が関は、あくまで対米従属です。人々の間で自立を求める声が高まるほど、その異常性が浮き彫りとなり、自民党裏金事件やフジテレビ問題もあわせて政官業米電の実態が暴かれつつあります。

現実に、日本は世界からアメリカの属国とみなされ、その主張が説得力を持たない状況が続いています。10年前、後藤健二さんを拘束・殺害したイスラム国から、当時の安倍晋三首相が「8500キロ以上も離れているのに、十字軍への参加を自ら志願した」となじられたことが思い出されます。そういう中で、日本が主体性を取り戻し、他国にそれを認めさせるきっかけとしなければならないのが、日本製鉄によるUSスチール買収問題です。バイデン前大統領の禁止命令を発端にしたこの問題で、日本政府の姿勢が問われています。決して日鉄が望んだことではないでしょうが、自ら日米関係との秤にかけられたようにも見えます。一方、鳩山元首相も語っているように、すでに沖縄の人々の命と貴重な自然環境より、アメリカへの忖度を優先し続けているのが日本の政府です。

ほか今月号では、トランプ大統領による安倍昭恵氏「私邸招待」の目的、日本でだけ増加を続ける「超過死亡」問題、警察の身分偽装、ヒット中の映画『どうすればよかったか?』と日本の精神医療、さらに“実行可能”で世界を変える「日本のグリーンランド買収」提言など、本誌ならではのレポートをお届けします。ぜひ全国の書店で入手をお願いいたします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号
『紙の爆弾』2025年 3月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年2月7日発売

鳩山友紀夫元首相インタビュー
対米自立と政権交代——USスチール買収騒動が問う「日本とは何か」
トランプ第二次政権で日米関係の行方は? 日本の「対米従属勢力」を暴く 植草一秀
「安倍昭恵私邸招待」に隠された目的 トランプと孫正義 蜜月の裏側 浜田和幸
シリアにしのびよる「第二のナクバ」アサド政権崩壊の背後の国際謀略 木村三浩
ワクチンとの明らかな相関 最高値更新を続ける日本の超過死亡の原因 青柳貞一郎
“闇バイト対策”名目に国民監視強化 警察が身分証を“偽造”「仮装身分捜査」とは何か 足立昌勝
映画『どうすればよかったか?』を観た全ての人へ 精神疾患者への日本人の無知と無理解 野田正彰
薬物蔓延、連日の銃乱射、ホームレス急増……「危険国」アメリカの現在 片岡亮
実現可能で世界に貢献する“死活の奇手”日本こそがグリーンランドを買収せよ 藤原肇
中居正広「9000万円示談」で露見したフジテレビ「女子アナ上納」の伝統 本誌芸能取材班
米国マスコミが自主検閲で隠してきた2024年の重大ニュースTop25 佐藤雅彦
横行する「排除の論理」石丸新党・国民民主党・立花N国の記者排除 横田一
【静岡県掛川・菊川市】行政と産廃業者の露骨な癒着 不要な「ごみ外部委託」で巨額公金横流し 青木泰
報道改革提言・冤罪救済のウルトラマン監督・山際永三さんを偲ぶ 浅野健一
シリーズ日本の冤罪「ブラック校則」事件 片岡健
「カウンター大学院生リンチ事件」から十年(中・補)松岡利康

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司
まけへんで!! 今月の西宮冷蔵

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DVG643HT/

【緊急のお知らせ!】4月5日、『紙の爆弾』創刊20周年、『季節』創刊10周年の集い開催! 鹿砦社反転攻勢への橋頭堡に! 圧倒的なご賛同をお願い申し上げ、共に祝いましょう! 鹿砦社代表取締役社長 中川志大 同会長 松岡利康

『紙の爆弾』『季節』をはじめとする鹿砦社の出版活動を支持されるすべての皆様!

まずは、去る1月6日、1996年以来30年近くに渡り鹿砦社の裁判闘争を支えてくださった内藤隆弁護士が急逝されました。内藤先生は、大学院生リンチ事件関連訴訟をご担当いただいており係争中でした。さらに、一昨年(2023年)7月31日には、こちらも1995年以来30年近く、主に関西での裁判闘争を支えてくださった中道武美弁護士が亡くなられました。中道先生は、『紙の爆弾』創刊直後になされた、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧刑事事件の主任弁護人を務めていただきました。内藤先生には、この民事訴訟の代理人をも務めていただきました。鹿砦社の出版活動を背後から支えていただいたお二人の弁護士を亡くし、私たちは深い悲しみにあります。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。しかし、私たちは両先生のご遺志にお応えするためにも、いつまでも悲しみにふけってばかりもおれません。

さて、2005年に創刊された月刊『紙の爆弾』は、来る4月7日発売号にて創刊20周年を迎えんとしています。また、『紙の爆弾』の姉妹誌ともいうべき反原発情報誌『季節』(季刊)は、逸早く昨年8月5日発売号にて創刊10周年を迎えました。

かの『噂の眞相』休刊後しばらく、いわば“噂眞ロス”が続き、多方面からの強い要請で月刊『紙の爆弾』は創刊されました。創刊に至るまでに、取得が超困難といわれる雑誌コードを取得しなければなりませんでしたが、中川が足繁く取次会社に通い交渉を重ね、奇跡的にも取得できました。この面では『噂の眞相』休刊も吉に働いたようです。 

『噂の眞相』は創刊直後、「皇室ポルノ事件」によって廃刊の危機に瀕しましたが、これを乗り越え、さらには「名誉毀損」刑事事件(在宅起訴。のちに岡留氏に懲役8月、執行猶予2年。デスクに懲役6月、執行猶予2年の有罪判決)など幾多の傷を負いながらも持続し、休刊時には発行部数が10万部を超えるまでになったと聞きました。松岡が、編集長兼発行人だった岡留安則氏(故人)から生前直接聞いたりしたところによれば10年間は赤字だったとのことで、そうした幾多の修羅場を乗り越え発展・継続したそうです。(このあたりのことは松岡と岡留氏との対談集『闘論 スキャンダリズムの眞相』〔鹿砦社刊〕をご参照ください。残り僅か)

『紙の爆弾』も、創刊直後(2005年7月12日)、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧により松岡逮捕→192日間の長期勾留→有罪判決(懲役1年2月、執行猶予4年)、巨額賠償金(一審300万円→控訴審600万円に倍増し最高裁で確定)を食らい鹿砦社は、松岡勾留中に事務所も撤去、壊滅的打撃を受けました。同じ「名誉毀損」事件ですが、岡留氏が在宅起訴、松岡が逮捕―長期勾留(身柄拘束)と、量刑も含め鹿砦社事件がいかに重大だったかが判るでしょう。

メディア・出版界、あるいは周囲のほとんどは、鹿砦社がそのまま沈んでいくことを信じてやまない中、信用不安にもかかわらず、決して多くはない取引先やライターの皆様方がサポートされ、あるいは取次会社も取引を維持して、なんとか会社は継続し、事件から4年余り後、一気にヒット、そのままヒットが続き復活、本社の甲子園返り咲きが実現したのでした。この時の感激は忘れることができません。その後、勢いに乗じ反原発雑誌『NO NUKES voice』(現『季節』)も創刊(2014年8月)しました。

その後、弾圧10周年(2015年)、また鹿砦社創業50周年(2019年)と、東京と西宮(本社所在地)にてお集まりいただき、会社復活・継続を祝っていただきました。そうして『紙の爆弾』創刊20周年を左団扇(うちわ)で迎えることを、私たちも含め誰しもが信じてやみませんでした。

しかし、人の世は何が起きるかわかりません。2020年からの新型コロナ襲来にて、世の中がそうだったように鹿砦社を取り巻く情況が一変いたしました。これを甘く見ていました。当初は売上微減、借入も必要なく、しばらくは“備蓄米”もたっぷりあり余裕さえありました。

ところが、書店の休業が続き、想定外の返品も続き、売上が激減し、途端に“備蓄米”が毎月1千万円前後なくなり、あっというまに青色吐息状態になりました。当社の規模で数千万円の“備蓄米”は何が起きても大丈夫の証だったはずですが認識と見通しが甘かったです。

こうした中、読者、寄稿者の皆様はじめ、これまで『紙の爆弾』『季節』、鹿砦社の出版活動を支えてくださった方々がご支援してくださり、新型コロナ襲撃以来5年間をサポートいただきました。あらためてお礼申し上げます。

あっというまの20年でした。そうして迎える『紙の爆弾』創刊20周年──いろいろなことが去来し胸が熱くなります。あらためて想起すると、20年という年月の重さを感じます。

そういうことで私たちは、創刊20周年記念号が発売になる直前の、来る4月5日に皆様方にお集まりいただき、20年間生き抜いてきたことを祝い、閉塞状況からの反転攻勢の橋頭堡にしたいと考えました。松岡が生きている間には最後になるやもしれません(次の30周年に松岡はおそらく生きていないでしょう。現実問題、生きていてもボケたりして尋常な状態ではないと思います)。こうした意味で松岡にとっては最後の檜舞台のつもりです。20周年の集まりまでに、もうひと山を越え、立派に集いを成し遂げ、次の10年に向けた財政の一助にするために、ぜひご賛同いただき、できれば駆け付け叱咤激励していただければ、とお願いいたします。

私たち鹿砦社は必ず閉塞状況を突破し反転攻勢を勝ち取り、腐朽化し権力のポチと堕したメディアの中で存在感のあるリトルマガジンとして『紙の爆弾』、そして姉妹誌であり唯一の反原発雑誌『季節』(紙の爆弾増刊)の旗を守り抜き、鹿砦社の名の通り、タブーなき言論の砦として皆様方と共に在り続ける決意です。圧倒的なご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

冒頭に挙げた内藤、中道両先生にも良いご報告をさせてください。

*集いの具体的内容が決まりましたら、あらためてお知らせいたします。

左から『紙の爆弾』創刊号、松岡逮捕後に発行された05年9月号、弾圧や裁判の詳細な内容をまとめた『パチンコ業界の アブナい実態』
https://www.kaminobakudan.com/
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年2月号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号(NO NUKES voice 改題 通巻41号)

『紙の爆弾』創刊20周年の2025年、メディア総体が腐朽化する中で、『紙の爆弾』と鹿砦社の役割は重大! 皆様のご支援で年末危機突破! コロナによってもたらされた低迷を打破し再復活を勝ち取り、共に『紙の爆弾』創刊20周年を迎えましょう!  鹿砦社代表 松岡利康

定期購読・会員拡大、鹿砦社出版物の積極的購読で圧倒的なご支援を!
2025年年頭にあたって

皆様、新年明けましておめでとうございます。

2025年が始動しました! 本年は4月7日に本誌『紙の爆弾』が創刊20周年を迎えます。また、7月12日には、『紙の爆弾』創刊直後に検察権力によってなされた、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧からも20年となります。これらについて詳細は別の機会に譲るとして、ここでは触れません。

さらに本年は、1月17日に鹿砦社本社の在る兵庫県一帯を襲い小社も(わずかですが)被災した阪神淡路大震災から30年、ベトナム戦争終結50年、敗戦から80年を迎え、社会的、歴史的にも節目の年となります。

こうした中、出版・メディアをめぐる情況は、全部とは言わないまでも多くが権力のポチとなったり腐朽化していき真実が報じられなくなってきています。

わが『紙の爆弾』はミニメディアではありますが、弾圧に屈せず、一貫として愚直に<タブーなき言論>を信条として20年近くせっせせっせと一号一号発行を積み重ねてまいりました。

この間、「名誉毀損」弾圧事件で壊滅打撃を被りつつも、皆様方のご支援で奇跡の復活を遂げることができました。しかし、いいことは長く続かないのか、新型コロナという魔物によって再び地べたに叩きつけられました。

それでも読者の皆様方は見棄てずご支援を続け、青色吐息ながら命脈を保ってきています。

この20年近くの間に、『紙の爆弾』『季節』の定期購読・会員が総計で1千名余りとなりました。この皆様方が中心になって、定期購読・会員の更なる拡大、書籍・雑誌の積極的購読、あるいはまとめ買い(1万円以上)を行っていただくだけで、かなり資金繰りは楽になります。

一昨年(2023年)は一時はコロナ前の水準に回復しましたが、昨年(2024年)に入りドツボに嵌ってしまいました。油断や見通しの誤認などがあったことは否定しません。

毀誉褒貶はありますが、この30年間、鹿砦社の、いわば〝ビジネスモデル〟として芸能(スキャンダル)本を出し続けて、この利益で硬派の社会問題書や『紙の爆弾』『季節』の赤字を埋め、これらを出し続けてきました。『紙の爆弾』はようやく利益が出るようになりましたが、とはいってもこれで人ひとりの人件費が出るほどでもありません。ちょっと黒字といったところです。

しかし、私たちの出版社は芸能出版社ではなく、本丸の勝負所は社会問題書です。そうでないと単なる、どこにでもある柔な芸能出版社になってしまいますから。

ところが、この‟ビジネスモデル”が壊れたのは、コロナ禍を機に最近のことです。儲け頭となっていた芸能本が売れなくなりました。何としても他に‟鉱脈”を発掘しなければなりません。それは何処にあるのでしょうか? 皆様方のアイディアや企画、ご意見を募ります。

このかん、「身を切る改革」ではありませんが、いつのまにか肥大化していた会社の態勢もスリム化し、経費圧縮も最大限行いました。お引き受けいただいた社債は総額2千万円に達しました。コロナ前、鹿砦社創業50周年を機に私松岡は後進に道を譲るつもりでしたが、すぐに新型コロナ襲撃(まさに襲撃という表現が正しい)、これにより、これだけの社債、さらには会員や定期購読などでご支援いただく方々が多くおられ、現状がコロナ前の状態に正常化し、社債の償還が解決するまでは無責任に身を引くわけにはいかなくなりました。若手の後継者・中川志大と二人三脚で頑張ります! 中川には無垢の状態で引き継ぐことができなく申し訳なく忸怩たる想いですが……。

2019年の鹿砦社創業50周年を東京と地元西宮で多くの皆様方にお集まりいただき祝っていただいてから新型コロナ襲撃、そして以来この5年間は、正直大変でした。今もまだ大変な情況は続いています。それは私たちの業界・出版界でもそうで、店閉まいした書店さんも多いです。出版社も、一部を除き大変な情況です(特に中小零細出版社は)。

しかし、私(たち)は諦めません。もう一度復活したい、いや復活するぞとの決意で、年の瀬をやり繰りし新年を迎えました。私たちの出版社・鹿砦社、あるいは『紙の爆弾』『季節』には、社会的にもなすべき仕事がまだまだ多くあります。例えばジャニーズ問題、一昨年英国BBC放送が世界に向けて告発放映したことをきっかけに大きな社会問題になりましたが、この後、日本の大手メディアも追随しましたが、一体それまで何をやっていたのでしょうか。

私たちは大手メディアには無視されつつ「イエロージャーナリズム」と揶揄、蔑視されながらも1995年以来四半世紀余りも細々ながら告発本を出し続け、BBCにも事前に資料提供など協力し、これが実を結んだといえるでしょう。こういうこともありますので、あながち「イエロージャーナリズム」も馬鹿にできません。こういった意味では『紙の爆弾』も「イエロージャーナリズム」の権化といえるでしょうが、こういうメディアは他にありませんので、この意味だけでも存在価値があるでしょう。

また、私たちは以前から、「たとえ便所紙を使ってでも」発行を続けると言い続けてきました。「便所紙」とは、昔々、日本がまださほど裕福ではなく、良質なトイレットペーパーがなかった時代、尻拭き紙として安価な紙を使っていたものを揶揄した言葉です。今では死語かもしれませんが、私たちの決意を表す言葉として使ってきました。これは今でもなんら変わりはありません。

新年を迎え、苦難の中、本年一発目の『紙の爆弾』をお届けするにあたり私松岡の個人的な想いを書き連ねさせていただきました。厳しい経営環境は、決して恥ずべきことでもなく、これを明らかにし、この一年必死で頑張り、来年の年初にはもっと明るいご報告ができるように努めます。

具体的には『紙の爆弾』『季節』の定期購読を1千人→2千人へ倍増、会員も倍増を目指します。そうして、従来の方々に加え新規の定期購読、会員の方々が‟最大のスポンサー”として鹿砦社の出版物の積極的直接購読を促進し、会社の売上や資金繰りに貢献いただきたく強く希望いたします。

本年も旧に倍するご支援、叱咤激励をお願い申し上げます。

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

人生に夢や希望を持つ者は誇り高く生きてゆける(揮毫:龍一郎)
人生に夢や希望を持つ者は誇り高く生きてゆける(揮毫:龍一郎)
https://www.kaminobakudan.com/
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年2月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌『季節』2024年冬号