星野陽平の最新刊『CIA陰謀論の真相 ── 元エージェントが明かす米情報機関対日工作の全貌』

◆実体と関係の深い闇

表題にあげた星野陽平の労作を批評するまえに、実体(組織の存在)と相対(人間の諸関係)、および歴史観について前提的な議論を提起しよう。

いま評判の哲学書がある。かつて『恋愛論』で一世を風靡した竹田青嗣の『新・哲学入門』(講談社現代新書)である。冒頭から引用して、その問題意識をつかんでおこう。

「哲学の本義は普遍認識を目がける普遍洞察にある。だが、現代哲学では、稀な例外を除いて、哲学の根本方法を否定する相対主義哲学がその舞台を席巻してきた。」

「普遍認識の否定、これが相対主義哲学の旗印である。それは現代の流行しそうだったが、現代哲学の最大の病でもあった。」

「いまわれわれは、哲学の概念と像を根本的に刷新しなければならず、そのため、根本的に新しい哲学を必要としている。」「現代哲学には、独断論と相対主義の方法だけが残された。」

要するに普遍的存在をテーマにすべき哲学が、実体的な存在の解明を回避しているという、現代哲学への批判がその問題意識である。それでは、竹田が批判する「相対主義」とは何なのだろうか? われわれはデカルトの主体・客体という、近代的な図式への批判に立ち返って、相対主義を解き明かしておくべきであろう。

「われ、見るゆえにわれあり」がデカルトの存在論である。客体を見る「わたし」は、見るという行為において存在する。ここにすでに、近代的な相対主義がひそんでいる(客体によって存在が反証される)のを、われわれは感得する。しかしながら、それでは客体を認識する主体とは、何に由来するものなのか。絶対的な主体? そんなものは立証不可能である。

現代哲学の出発点は、じつにこれなのである。フッサールの共同主観性、メルロ・ポンティの間身体性、ハーバマスのコミュニケーション論、等々。

実体(モノ)と関係(コト)。絶対存在から相対的な関係性へ。これが現代哲学のテーマであった。典型的な論攷に、現代マルクス主義哲学の大家・廣松渉の哲学入門書を挙げておこう。奇しくも同じ版元の新書である。その煽りにはこうある。

「〈実体(モノ)〉的三項図式にかわり、現相世界を網のように織りなす〈関係(コト)〉的存立構制、その結節としてたち顕れる『私』とは、どのようなものか?量子論からイタリアの戯曲まで、多彩なモデルで素描する、現代哲学の真髄!」『哲学入門一歩前──モノからコトヘ』(講談社現代新書)。

実体と関係は、こうして概念として対立するようにみえる。少なくとも哲学者たちの世界では──。

実体論と関係論の相克はしかし、現実の社会関係(人間関係)を分析するうえで、相互に協力しあい、世界を認識する者(私)の中で、縦横に役立つはずだ。

なぜならば、われわれは現実存在としての実体(個別の存在)と関係性(社会的諸関係)に分裂させられながらも、ひとつの人格としてつねに統一されているからだ。それをどう評するかは、哲学者の恣意性であって、思想の趣味にすぎない。

◆個人的な体験であるところが凄い

哲学論の前置きが長くなった。いよいよ星野陽平の大著の分析に入ろう。

実体として、星野によればCIAの陰謀は現実に存在するが、その分析方法はじつに相対的である。なぜならば、方法論として星野が採用しているのが一般にジャーナリストが向き合う、自分の体験をもとにしているからだ。

自分の周囲の人間関係、それは星野の場合は芸能界をめぐる、さまざまな「動力(欲望)」を媒介にしているがゆえに、個人的でありながら「普遍」的である。たぶん彼でなくても体験できるが、彼においていっそう深刻な陰謀として立ち顕われるのだ。これはジャーナリストとしての星野の嗅覚・才能であろう。

星野がCIAの陰謀と向かい合うことになったのは、彼の『芸能人はなぜ干されるのか』であった。芸能界に張り巡らされた陰謀(干す)は、強大な芸能プロの存在がなさしめる陰謀であり、その背後には黒幕として暴力団の存在、それと争闘するCIAの存在が見え隠れする。

われわれを惹き込むのは、凡百の批評家や芸能評論家が外在的に論評するのではなく、すべて星野の実体験をもとにしていることだ。そこに「妄想」や「推論」があるのは言うまでもないが、ほかには代えがたい「実感」がある。時には相手と喧嘩をし、その修復にあたっては意図をさぐる。まさにドラマチックである。

しかも、その大半がSNSを媒介にしていることが、評者(横山)のような旧世代には目からウロコが落ちるというか、呆れるというか……。日々のSNSのメッセージを読み取る「能力」には、とてもついていけない。

◆陰謀史観の愉しみ

ロシア革命がユダヤ資本の陰謀であり、レーニンをはじめとするボリシェビキ幹部の大半はユダヤ人だった。この陰謀史観は事実でありながら、ロシアの労働者農民の歴史的偉業(革命的大衆行動)ゆえに、ロシア革命史研究から除外されてきた。

ユダヤの陰謀論はやがて、ディープステート論として「結実」する。すなわち、ユダヤ資本による連邦準備銀行の独占が歴代のアメリカ大統領(政権)をあやつり、世界支配の野望を計画に上せているというものだ。それもコミンテルン(死後)勢力と結びつき、国家外の国家が世界を支配していると。ほとんどは妄想だが、世界を解説する与件としては面白い。

星野のCIA陰謀論の源流は、占領下日本(東京租界)から出発する。渡辺プロ誕生の秘密、および国鉄下山・松川事件の謀略性。岸信介・佐藤栄作・安倍晋三にいたる政治家のCIA人脈。もちろんCIAコードを持つ正力松太郎まで、源流をさかのぼる。黒幕たちの戦後史をたどりながら、これは新しい世代によるひとつの戦後史だなと、松本清張いらいの謀略史観に酔う。

ところで、陰謀史観はその本質が陰謀であるがゆえに、陰謀の本当の実体には迫れない。関係性(人間関係・社会的諸関係)という実体をもとに、推論するしかないのである。それゆえに、歴史観の強靭さがもとめられる。それを妄想力というべきか、信念(妄念)というべきかは知らない。

◆歴史観の闇

ひとつだけ、特定の史観が強靭な構造をもっていることを、最後に述べておこう。マルクス主義的な「史的唯物論」は、歴史のすべてが「階級闘争の歴史である」(マルクス『党宣言』)から出発する。すべてが階級闘争の反映であるのだから、原因をそこにもとめれば説明がつく。

歴史観としてともかく、その「壮大な物語」(フランシス・フクヤマ)が歴史的には虚構だったことが、今日では明らかになっている。共産主義社会はおろか、その初期である社会主義すら実現できず、その多くが帝国主義的専制国家(独裁社会)となった。人間のはばひろい生活を包摂するには、政治革命論では無理があったともいえよう。

もうひとつ例に挙げておきたいのは、マルクス主義ほどは流行しなかったが、日本史における「先住・渡来」史観である。作家の矢切止夫が典型の歴史観で、日本史の戦乱・政変はすべて先住民系の氏族と渡来民の闘いであったというものだ。

日本史のどこを切り取っても、先住民系と渡来民系の争いがあり、その時々にどちらかが優勢であると。開国派(海外貿易派=蘇我氏・大和奈良王朝・平氏政権・室町幕府)と鎖国派(物部氏・平安政権・源氏政権・江戸幕府)という具合に、日本史はピッタリと合致するのだ。ある意味で、日本の外交史の本質を解いている。

これらを「争闘史観」と呼べば、マルクス主義の「階級闘争史観」との近似性がよくわかるが、もちろん別ものである。

世界史的な陰謀を成しているのは、ユダヤ資本やCIAだけではなく、アメリカだけでも全米民主化連盟など多数ある。ここから先は、星野陽平にCIAにとどまらない、世界史的陰謀組織の実態究明を期待したいものだ。

なお、筆者(横山)は星野が学生時代からライターを志していた時期に出会い、その後の歩みは知らなかったが、為替論や市場論をへて芸能取材に転じてきたこと。その旺盛な取材力と筆力(筆量)に感服している。本書の中にもその軌跡は触れられているが、フリーランスとしての苦闘やバイタリティに賛辞を贈りたい。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

星野陽平の最新刊『CIA陰謀論の真相 ── 元エージェントが明かす米情報機関対日工作の全貌』

前回に引き続き、大日本新政会総裁、笠岡和雄氏から筆者に届けられたFAXの内容をご紹介しよう。

笠岡氏の記事の後半部分は、バーニングプロダクションの周防郁雄社長と女優の水野美紀の確執に関するもので占められている。

水野は中学生の時に東鳩のキャンペーンガールコンテストで準優勝したのち、グリーンプロモーションという芸能事務所にスカウトされ、上京し、タレントとして活動を始めた。

1994年、同プロが閉鎖したのに伴い、バーニングプロダクションに移籍。その後はゴールデンタイムのドラマにも出演するようになり、特に97年からフジテレビの『踊る大捜査線』シリーズで柏木雪乃役としてレギュラー出演し、知名度を上げた。

ところが、2005年、水野は10年以上所属したバーニングプロダクションから突然、独立。後に水野は「役の幅を広げたい、そのためには舞台をもっとやってみたいと思うようになって」「でも、その方向は事務所のカラーとは決定的に違っていて、だったら一人でイチからやってみよう、ということで辞めたんです」と説明している(『週刊文春』2009年4月9日号)。

メディアでは語られることはなかったが、この独立劇には周防社長と水野の深刻な対立があったという。

笠岡氏によれば、周防社長と水野は長年、愛人関係にあり、周防社長は水野の独立に烈火のごとく憤慨していたという。

周防社長の妨害により独立後の水野には干され、しばらく芸能界から姿を消していた。それに対する反撃の意味のあったのか、水野は作家の宮崎学が責任編集するウェブマガジンでの対談で、周防社長の愛人時代に知った「クスリを使用した陰湿なSEX」について暴露した。

この記事を読んで怒った周防社長は笠岡氏に「総裁、水野美紀を芸能界から抹殺してほしい、いや殺してくれ!」と錯乱状態で要請したという。

水野が周防社長に対して強気だったのは、当時、山口組の二次団体で神戸に本部を置く暴力団、西脇組の後ろ盾があったからだった。

同組と昵懇だった笠岡氏は、直ちに周防社長と水野の仲介に動き、水野から提案された「今後、水野が周防社長の愛人だった秘密を他言しない代わりに周防社長は水野の仕事を妨害しない」という条件で和解をまとめた。

だが、周防社長は和解を無視して、大手芸能事務所ケイダッシュの幹部で自分の子分でもある谷口元一氏を使って、テレビ各局のプロデューサーに「水野美紀を番組に出せば承知しないぞ」と執拗に脅迫して回っていたという。

これを伝え聞いた「西脇組の山下」は、「ふざけるな。俺が谷口をいわす! 男の約束は命より重い事を思い知らせてやる!」と憤慨した。

関西では有名な武闘派集団として知られる西脇組の関係者が「逆に周防を潰せ! 芸能界から追放しろ!」と息巻いていることを知った周防社長は腰を抜かさんばかりに慌て、再び笠岡氏に泣きつき、「殺されます。どうか総裁の力で止めてください」と懇願した。

笠岡氏が「いいか二度と水野美紀の追い込みをやめろ。谷口にそう伝えておけ」と噛んで含ませ周防社長に諭すと、周防社長は「分かりました。今度こそ間違いなく水野は許します」と答えた。

これによって騒動は一件落着したはずだったのだが、周防社長による水野排除の動きはその後も続いたのだという。

以上の話は以前にも大日本新政会のブログでも紹介されていた話だが、筆者が笠岡氏より送ってもらったFAXには、その続きが書かれていた。

水野を支援していた西脇組の山下氏とその兄弟分のAは、2005年ごろ水野のために3000万円の資金をかき集め、水野のための芸能事務所を設立したという。

東京某所にあった事務所は100坪ほどの広さでなかなか立派なものだったが、周防社長の妨害もあって仕事は一切入らなかった。

山下氏らは水野のために借金をして新事務所を立ち上げており、水野を成功させなければメンツも立たず、切羽詰まっていた。

そこで、笠岡氏が改めて周防社長に連絡を入れると、周防社長は側近で琉球ゴルフ倶楽部の運営会社、玉城園地の社長を務める椿勝氏を使いとして寄越した。

ところが、この椿氏が曲者で「水野を出してやるから、CM料の35%をうちにもってこい」という条件を出した。

裏金で35%も払ったらまともな利益は出ないと考えた山下氏はこの申し出を断った。ところが、裏金で35%という上納金は、バーニングを裏切った水野に対する報復ではなく、バーニンググループでは常識的なものなのだという。バーニングは長らく多くの系列事務所を抱え、権勢を振るっていたが、傘下の芸能事務所の多くはタレントをテレビに出演させても、裏金で35%もの上納金をバーニングに支払い、ほとんど利益を出せなかったという。

その一方で周防社長だけが裏金で多額の上納金を懐に入れ、蓄財に励んでいたのだが、千葉の産廃事業の失敗などで今ではそのほとんどを失ってしまったと見られる。

さて、水野排除で動いていた谷口氏について「あいつの本籍はバーニングです。ケイダッシュは派遣です」と周防社長は折りに触れ話していたという。

谷口氏といえば、2008年に練炭自殺した、TBS出身のアナウンサー、川田亜子の事件で川田の元交際相手として、また、2012年にミス・インターナショナル世界大会でグランプリを受賞した吉松育美の芸能活動を排除したことで名前が取り沙汰された人物だ。

もともと谷口氏は学生時代に小泉今日子や中山美穂の親衛隊に入って頭角を現し、周防社長の息子の家庭教師をしていたという。

その後、ケイダッシュの立ち上げに参画し、同社の幹部として芸能界で名前が知られるようになっていったが、その間、周防社長の裏の仕事をたびたび請け負っていたという。

話を水野美紀に戻す。

水野のための事務所を立ち上げたものの、一向に仕事が入らない山下氏は追い詰められていった。

『踊る大捜査線』への出演で有名になった水野がまったく起用されないのは、周防による妨害のせいだと勘ぐった山下氏は「周防をいわしたる!」と意気込んで周防社長を散々追いかけ回していたという。笠岡氏によれば、その過程で「かなり際どい場面もあったようだ」という。

「ある日、山下が顔を硬直させながら『会長、周防とケジメをつけて下さいよ』と、俺に迫ってきた。若い衆も居るなかでな。周防への報復でかなりモメたわけやが、その後、怒り心頭が頂点になった山下は兄弟分Aと『周防にけじめをつける』と独断で動いた。『しばらく待たんかい』と制止する俺との約束不履行だったわけだ。それが元で西脇組から破門になった。Aと二人ともどもだ」

山下氏が周防社長に何をしたのかは定かではないが、後日、周防社長は「笠岡会長、山下の件ですが、何とかケジメをつけておさめて頂かないと示しがつかない」と文句を言ってきたという。

山下氏らは笠岡氏の静止も振り切って周防社長を詰めたのだから、笠岡氏としても山下氏には憤りを感じていた。

そこで笠岡氏は西脇組幹部に相談をして山下氏とA氏の破門・絶縁処分が決定。さらに同組の若い衆が1000万円の包みと山下氏のものであろう「指」を周防社長にぶつけるようにして渡したという。

周防社長は「指」については「そんなん要りませんわ!」と言い放ち、軽く一瞥してから鞄に1000万円の現金を詰め込んで帰っていったという。

それ以来、山下氏とA氏2人の消息が途絶えた。笠岡氏が四方に問い合わせたが、2人の行方を知る者はいなかった。

「まさか、俺の時のように(引用者注:笠岡氏は周防社長と決裂して以降、何度も命を狙われたという)逆ギレした周防がヒットマンを雇って、山下とA氏の二人を殺したのではないか、と勘ぐったが、その可能性がないとは言えん。
 水野美紀との愛憎劇の末に逆上し、半狂乱の周防が、『水野を殺してくれ』と、真剣に俺に頼んだ、あの凄まじく嫉妬深い周防のことだ。俺には内密に殺し屋を雇ったかもしれんが、すでに10年の時が流れとるし、いずれ真実が分かるやろう」

当時、笠岡氏は周防社長の用心棒であり、山下氏の独断専行を止める役目を負っていた。周防社長が約束を守り、水野に仕事を与えていれば、山下氏もおかしなことは考えなかったはずだが、華やかな芸能界に幻惑され、自らの破滅を招いたのかもしれない。

笠岡氏は次のように述べている。

「山下も芸能ビジネスに食い込んで、かなり舞い上がっとった面が多分にある。動いていた若い衆を食わさなならんし、周防の芸能利権を奪おうと躍起になって墓穴を掘ったのか。華やかな舞台の裏には、毒々しい利権争いのさっきが満ち溢れとる。それが芸能世界の恐ろしいとこや」

これまでに述べてきた山下氏のケースは何も特別なことではない。

芸能界でバーニングプロダクションが台頭したのは80年代のことだが、それから現在に至るまで山下氏のように芸能界で周防社長に挑戦し、姿を消していった者は大勢いる。ところが、そのほとんどは報道もされず、闇に葬り去られてきた。

最近になって公正取引委員会が芸能界の悪しき慣習に乗り出すなど新しい動きも出てきているが、芸能界の古い常識を疑わない周防社長のような重鎮が力を持っている限り、業界の体質を改めるのは容易ではないだろう。(了)

追記:本稿掲載直前に筆者が笠岡氏に改めて確認したところ、周防社長と敵対した西脇組の山下氏は存命が確認されているとのことだった。


◎[参考動画]CM KOSE ルシェリ 唐沢寿明 水野美紀(117cmVol1 2011/7/10公開)

◎大日本新政会笠岡総裁から届いたバーニング周防社長をめぐる芸能界秘話〈1〉

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。近著は『芸能人に投資は必要か?』(鹿砦社)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4846312690 著者ツイッター https://twitter.com/YOHEI_HOSHINO?lang=ja

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「バーニング周防郁雄への最後警告(第3弾)
 神聖なる日本の芸能界を独断で食い物にする『やくざ芸能プロダクション・バーニング』周防郁雄(と、その関係者の数々の非道ぶりと、暴力団との癒着、未成年タレントへの強制的な淫行ワイセツセックス、麻薬の斡旋など数々の悪事を実名で追及する当サイト記事も『第三弾』となった」

こう始まる12枚つづりのFAXが先月、筆者のもとに送られた。送信主は右翼団体、大日本新政会の総裁、笠岡和雄氏だ。

笠岡氏は、2001年5月と10月に東京・赤坂にあるバーニングプロダクション事務所に銃弾が撃ち込まれるという事件があった際、同社の周防郁雄社長より、事態の収拾を依頼され、以降、周防社長の裏の仕事をたびたび請け負ってきた。だが、2人は11年ごろ金銭トラブルから決裂し、それをきっかけとして、笠岡氏は周防社長に対する抗議活動をブログや街宣車などで展開していた。

ブログは昨年、閉鎖してしまったが、先月、「未掲載の記事が見つかったから、FAXで送る」と笠岡氏より筆者に電話があった。筆者がFAXにざっと目を通すと、これまで明らかにされていなかった芸能界秘話がいくつも綴られており、資料的価値もあると考えられた。

現在、日本の芸能界は、NGT48や吉本興業の騒動やジャニーズ事務所に対する公正取引委員会の注意などが立て続けに起こり、変革の時を迎えているが、従来の芸能界がいかなるものであったのかを振り返る意味でも、笠岡氏のFAXをここで紹介したい。

記事では、まず、周防社長の異常な金銭感覚について触れられている。

笠岡氏は周防社長の用心棒を務めていた時、「成功すれば投資額の二倍の金を返済しますから」と、千葉の産廃事業への投資話を持ちかけられたことがあった。その言葉を信じた笠岡氏は15億円を都合し、「二倍なら30億円か!」と色めき立ったが、結局、事業は失敗し、大損害を被ることとなり、2人の関係は決裂してしまった。

そのように周防社長は、1億だろうと10億だろうと、簡単に人から借りる癖があったようである。記事では、1億5000万円を周防社長に貸し、危うく踏み倒されかかった男のエピソードが紹介されている。

「この男に周防を紹介して三年ほど経ったある日の昼下がりの事だ。東京のヤクザ事務所に、男が俺を訪ねてきた。かなり深刻な顔で『笠岡会長、申し訳ありません』と頭を下げるので、何だ!と問うと『実は内緒で周防に1億5千万円を貸してましたが、一向に返してもらえない』とぶちまける」

1億5000万円という大金を借りながら、周防社長は便箋に「1億5000万円借用」と書いただけで印鑑も押さなかったという。

周防社長といえば、「芸能界のドン」と呼ばれる大物だ。その男も周防社長を信用して大金を預けたのだろうが、「周防に何回も請求したんですがケンモホロロです。何とかなりませんか会長」と言う。

笠岡氏はすぐに周防社長を呼び出し、事務所で怒鳴りつけた。

「周防、お前、なにしとんじゃ。俺が紹介した人間から、了解も得ず勝手に金借りて放ったらかしか!おまえは誰にでも金を借りまくって、知らん顔とは、どんな神経しとるんじゃ!」

笠岡氏の剣幕に驚いた周防社長は、直ちに1億5000万円を返済し、その男は事業を再開できたという。

では、一体、周防社長はどうして人から大金を借り、返済の要求を無視していたのだろうか。笠岡氏は次のように考察している。

「あいつのあこぎさは、自分の身の安全を図るために『先ず相手に借金』することなんや。
 金を貸した側は、返済されんと困るから、何かと周防に便宜を図るわな。
(中略)
 周防は、いつもそうやって甘い餌をぶら下げて、アリ地獄のように相手をひきずり込んでゆく。
 他人様の持ち物を、ハイエナのごとく横取りして食い尽くす。ハイエナ周防の詐欺丸出しの錬金術に騙され続けて、最後はボロボロになって抵抗できんようにするわけや」

一般の社会では、借りた金をきっちり返すことで信用を築くが、芸能界では「貸した金が返ってこない」という恐怖心を与えることで相手を操るようなのだ。

周防社長は、そのような心理術を駆使することで「芸能界のドン」の地位を築いていったのだろう。

次に笠岡氏が俎上に載せているのは、周防社長の側近で、かつてK-1を主催していた格闘技プロデューサーの石井和義氏だ。

周防社長は元モーニング娘。メンバーとの淫行が盗撮され、笠岡氏がビデオの現物ネガの回収を請け負った。

その交渉を永田町にあるザ・キャピトルホテル東急で行った際、周防社長はビデオ回収の条件として笠岡氏に「謝礼1億円で」と申し出た。

再び、同ホテルでビデオの回収に成功した際、笠岡氏が周防社長に「おい1億円は?」と問いただすと、「会長まことに申し訳ない。来年になったら3億円払います」と釈明したという。

どちらの会合でも石井氏は立会人として同席しており、「回収の件はお願いします」と依頼し、ビデオの回収に成功すると、「ありがとうございます」と礼の言葉を述べていた。

ところが、謝礼の約束は果たされず、笠岡氏は腹の虫が収まらず、石井氏に不満をぶちまけている。

「言葉でハッキリ礼を言うたのなら周防に約束を守らさんかい! 立会人の石井和義よ。あれから何年経ったんだ。
 お前をまっとうな武道家として信用していたが、実はホラ吹き者か!
(中略)
 いや、金の問題よりも、先ず『無礼』を詫びに来るのが立会人と名乗った男としての最低の仁義とちがうか?それを俺は待っとる」

笠岡氏は続けて、回収した淫行ビデオで周防社長の相手だったのがモーニング娘。のメンバーだった石黒彩だと実名を明かしている。

さらにその数年後、京都でやはり元モーニング娘。の矢口真里と宝塚出身の女優、宮本真希の2人が周防社長とNHKのプロデューサーを接待した時のことを笠岡氏は回想している。

笠岡氏は矢口と宮本を周防とプロデューサーが宿泊するホテルに送ったが、翌日、その1人が東映の撮影所で周防社長が「ええか~ええか~」と言いながら「太い指でかき回すから痛いんです」と苦情を申し立てていたという。

当時、石黒、矢口、宮本の3人は皆未成年だったが、笠岡氏は「周防!お前は勃起の『塗り薬』と『媚薬』をいつも持ち歩いていたが、ロリコンのセックス中毒魔か?」と批判するのだった。(つづく)


◎[参考動画]タンポポ 1999年06月発売 飯田圭織-石黒彩-矢口真里(ken06169207 2010/11/12公開)

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。近著は『芸能人に投資は必要か?』(鹿砦社)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4846312690 著者ツイッター https://twitter.com/YOHEI_HOSHINO?lang=ja

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◆タレントの移籍制限をめぐって調査に乗り出した公正取引委員会

芸能界がパニック状態に陥っている。その端緒となったのは、7月17日21時ごろNHKのニュース速報だ。

「元SMAP3人のTV出演に圧力の疑い ジャニーズ事務所を注意 公正取引委」

このテロップがテレビ画面に表示されると、多数のネットメディアを通じて一気に拡散した。

公正取引委員会がタレントの移籍制限をめぐって調査に乗り出しているという情報は、『週刊文春』(3月14日号)で報道されていたが、ついに来たかという思いだ。


◎[参考動画]ジャニーズ事務所に注意 元SMAP出演に圧力の疑い(ANNnewsCH 2019/7/18公開)

これについて詳しい報道をしている『文春オンライン』(7月24日)によれば、SMAP解散後、2017年9月にジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎、草彅(くさなぎ)剛、香取慎吾の3人を巡るジャニーズのテレビ局への圧力だという。

公取委は昨年頃から3人の独立後に出演番組が次々に終了した経緯をテレビ局などに対し調査してきた。その過程で、かつて嵐のチーフマネージャーで現在、主にテレビ局との交渉やキャスティングを担当しているA氏の行動が問題になった。

A氏は元ジャニーズの3人を起用すると、テレビ局の担当者に「どっちなんですか?」などと迫り、暗に忖度を求めてきたという。

独禁法が定める公取委の対応には、重い方から順に「排除措置命令などの行政処分」「警告」「注意」と3段階の措置があるが、公取委のホームページによれば、「違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,違反につながるおそれがある行為がみられたときには,未然防止を図る観点から『注意』を行っています」

A氏は決して「終わらせろ」とは言わず、証拠も残さなかったため、未然防止を図る観点から「注意」をしたのだろう。

◆「芸能事務所間でタレントの移籍制限をしていれば行政処分の対象となる」

 

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私は、芸能事務所を辞めたタレントが一切、その後、テレビに出演できなくなる、いわゆる「干される」という現象に関心を持ち、2014年に『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』(鹿砦社)を上梓し、その後も関連書籍を出してきた。

タレントが干されることへの関心は近年、高まっているが、特に2016年に起きたSMAP解散騒動で社会問題となり、2017年3月には、公取委からの要請で私が講師となって勉強会を行った。ここでは、その内幕を少し紹介したい。

公取委での打ち合わせの際、私は職員から、2015年に関西の私立小学校でつくる団体が加盟校間で児童の転校を制限する取り決めをしていたことが独禁法違反(不当な取引制限)に当たる恐れがあるとして警告した事例を提示され、「芸能事務所間でタレントの移籍制限をしていれば行政処分の対象となる」と言われた。

多数の芸能事務所が加盟する一般社団法人日本音楽事業者協会は、もともとタレントの移籍を防止し、独立阻止で結束するために設立された団体であり、私の著書でもその問題を採り上げていた。

◆芸能界と強いパイプを有する政治家

また、次のようなことも聞かれた。

「芸能界とパイプのある政治家ってご存知ですか。例えば、スポーツだったら、森喜朗さんが強くて、森さんを通さないと何事も動かないっていう話があるじゃないですか。私が取材した限りでは、そういう政治家がいないんです」

公取委の職員が芸能界とパイプのある政治家について調査しているということは、公取委として芸能界の問題に着手する用意があるということだろう。だから、公取委はかなり本気で芸能界の取締りをするつもりなのだろうと感じた。

なお、政治家と芸能界の関係については、昔は中曽根康弘元首相が音事協の会長をしていた時期があったが、近年はあまりそういった政治家は少ない。ただし、昔、芸能事務所の名門とされる渡辺プロダクションが佐藤栄作元首相を応援するキャンペーンをしていたから、大手芸能事務所が政権を支援する可能性はあるということを私は申し上げた。

近年では、吉本興業が安倍政権と近い関係を結んでいる。吉本芸人のトップである松本人志は安倍晋三首相と昵懇であり、4月には安倍首相が吉本新喜劇の舞台に登場、6月6日にはG20大阪サミットに関連して吉本新喜劇の芸人たちが総理大臣公邸を訪問している。

そんなこともあり、「ひょっとしたら、芸能界に切り込もうとする動きを政治家が潰すようなこともあるかもしれない」という気もした。

◆芸能界の改革は国益上重要である

私は『芸能人はなぜ干されるのか?』を5年もかけて執筆したが、その目的の1つには行政が芸能界に介入するよう促すことにあった。

そこで、私は公取の勉強会で芸能界の改革が国益上重要であることを主張している。官僚ならば、「国益」と聞けば関心を示すと考えたのだ。

勉強会で使用した資料「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」はネット上にアップされている(https://www.jftc.go.jp/cprc/katsudo/bbl_files/213th-bbl.pdf)。

 

星野陽平「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」(2017年3月、公正取引委員会競争政策研究センターでの筆者講演レジュメ ※本画像をクリックすると全文PDFがリンク表示されます)

その中で、1950年代、アメリカでラジオDJに金銭を渡してヒットチャートを操作する「ペイオラ」が社会問題化し、ペイオラを禁止する法律が施行された事例を紹介している。

日本女子大学文学部准教授の藤永康政氏が「時は冷戦の盛り、このような〈公開の討論〉に付すことができないものは〈非アメリカ的〉である、と考えられたのです。つまり単なる贈収賄が、イデオロギー戦争の一部となったのでした」と述べているのを引用し、「アメリカはソ連と対抗するためにソフトパワーを強化する狙いがあったのではないか。それを現在の日本に当てはめると、近年、勢いを増す中国に対抗するために日本としてもソフトパワーを強化することが有効なのではないか」という私の見解を述べた。

公取委の職員からは「アメリカの芸能界について解説してほしい」と要請されていたので、そうした説明が響くと思ったのだ。

我が国でもソフトパワーの重要性については理解されており、2010年から経済産業省で「クール・ジャパン室」が開設され、日本の文化・産業の世界進出促進、国内外への発信などの政策を推進している。

だが、日本から海外輸出されている放送コンテンツの大半はアニメで相対的に芸能分野は少ない。その原因は芸能界の構造的な問題があり、それがボトルネックとなって競争力の低下を招いている。だから、行政が積極的に芸能界に介入し、健全な競争を促すべきだ、と結論づけた。

そして、今、芸能界はパンドラの箱が開いたかのようになっている。

ジャニーズに対する公取委の措置が報じられた直後、騒動が吉本興業に飛び火した。

事務所を通さない「闇営業」を反社会勢力との間で行った問題で「雨上がり決死隊」の宮迫博之と「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮が7月20日に行った謝罪会見で、2人が所属する吉本興行への不信感と同社の岡本昭彦社長から圧力を受けていたことを明かした。

これを受けて、22日、岡本社長が会見を開いたが、逆に火に油を注ぐ結果となり、ネット上で大炎上している。吉本所属の芸人から次々と批判の声が上がり、吉本興業はパニック状態となっている。


◎[参考動画]【全編】宮迫さんと田村亮さんが謝罪会見(2019年7月20日)

そんな中、24日、サンミュージックプロダクション所属のお笑いタレント、カンニング竹山が番組で「僕自身、4つくらい事務所変わってる」とし、「これをきっかけに芸能界全体も。野球選手もサッカー選手も移籍あるじゃないですか。だから芸能界全体も才能を買ってくれる人のところに自由に行くという態勢を作らなきゃいけなくて」と述べた。

「タレントの移籍の自由」は、まさに私が著書の中で主張してきた根幹部分だが、これまでの常識から考えればこのような主張をタレントがテレビ番組で主張するなどということは考えられなかったことだ。

「芸能事務所はタレントに投資をしているのだから移籍や独立は認められない」とよく言われる。

公取委での勉強会でも「芸能事務所はタレントに投資をしているのではないか?」という質問があったが、アメリカではタレントが日本の芸能プロに当たるエージェントを乗り換えるのは自由である。

「それでは投資ができないのではないか?」と思われるかもしれないが、エージェントは投資をしないのである。

どういうことか。例えば、アメリカでは映画俳優の志望者はまず、ハリウッドに行ってアフタースクール(俳優養成学校)に入学する。アルバイトをしながら、アクタースクールに通い、芝居の技術を磨き、実力が認められればエージェントと契約ができる。それからエージェントからオーディションの情報をもらい、起用が決まればエージェントが契約をしてくれ、ギャラが入ったらエージェントが1~2割の手数料を引いて残りが俳優の取り分となる。だから、エージェントは投資をしていないのだ。それでも芸能界は回るというより、世界でもっとも競争力のあるハリウッドはそうなっているのだから、日本の芸能界でもできるはずだ。

公取委の措置がきっかけとなり、芸能界は今、大きな変革の時を迎えている。

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。近著は『芸能人に投資は必要か?』(鹿砦社)著者ツイッター 

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最近、芸能界におけるタレントの移籍制限をめぐる問題が相次いで報道されている。2017年12月27日付産経ニュースでは、「所属契約慣行の違法性指摘 芸能人、スポーツ選手 公取委が新見解」として、2018年1月19日付「朝日新聞デジタル」では「芸能人らの移籍制限『違法の恐れ』 公取委、見解公表へ」として報じている。

 

所属契約慣行の違法性指摘 芸能人、スポーツ選手 公取委が新見解(2017年12月27日付産経ニュース)

 

芸能人らの移籍制限「違法の恐れ」 公取委、見解公表へ(2018年1月19日付朝日新聞=矢島大輔)

公正取引委員会で昨年、設置された有識者会議がスポーツ選手や芸能タレントなどに対して不当な移籍制限などを一方的に課すことが独占禁止法違反にあたる恐れがあると示し、2月にも結論を公表する見通しだという。

この問題に関連して、筆者も昨年末、共同通信から取材を受けて、一部地方紙でコメントが掲載されている。

◆ようやく公取が動き始めた

筆者は2014年に上梓した『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』(鹿砦社)以来、芸能界のタレントの移籍制限や独立したタレントへの追放は独占禁止法に抵触すると主張してきたが、ようやく公取が動き始めたようで感慨深い。

SMAP騒動に見られたように、芸能事務所による芸能界支配は、タレントや視聴者、テレビ局にとって不利益であり、まったく合理的ではないものだ。

なぜ、この問題が放置されてきたかと言えば、芸能事務所側の「われわれはタレントに投資をし、それを回収しなければならないのだから、勝手な移籍や独立は許されない」という言い分があったためだろう。

朝日記事でも、「芸能事務所が育成にかけた費用を回収することは正当化できるとして、業界内でどういった補償が適切か検討するよう求める方針だ」とあり、タレントに対する投資の問題が移籍制限の背景にはありそうだ。

◆アメリカではタレントとエージェンシーの関係は対等である

だが、筆者が調べた限りでは、世界のエンターテインメントの本場であるアメリカでは、タレントと日本の芸能事務所にあたるタレント・エージェンシーの関係は対等であり、タレントがエージェントとの契約を解除するのは自由であった。

ところが、ハリウッドのエンターテインメント業界を規制するタレント・エージェンシー法を詳細に調査しても、エージェントによるタレントへの投資については何も言及がなされておらず、拙著でも芸能事務所によるタレントへの投資についてはほとんど触れていない。

その後、たびたび「芸能事務所はタレントに投資をしているのではないか?」と質問をされることがあったので、ここでは改めてこの問題について考えてみたい。

結論から言うと、アメリカのエージェントはタレントに投資をしていない。

これについては『ハリウッド・ドリーム』(田村英里子著/文藝春秋)に詳しい。

田村英里子と言えば、日本ではサンミュージックに所属し、1990年代にアイドル歌手として活動した後、2000年にかねてからの夢であったアメリカでの映画出演を実現するため渡米し、NBCのテレビドラマ『HEROES』や『DRAGONBALL EVOLUTION』などのメジャー作品に多数出演し、実績を残した。

田村は日本でのキャリアを捨て何のバックアップもなく、単身で渡米した。最初はアパート探しや英語が話せるようになるまで苦労をしている。

そんな彼女の芸能活動のスタートとなったのがアクティング・スタジオ、つまり俳優養成学校である。アメリカではアクティング・コーチの存在が社会的な地位として確立されており、撮影現場でアクティング・コーチが俳優を指導することも珍しくないという。

田村が通っていたアクティング・スタジオはブラッド・ピットやシャーリーズ・セロン、ケイト・ハドソンなど、数々の有名俳優が学んだことで知られる名門スタジオだ。

クラスでは、毎回、アトランダムに選ばれた1組が映画や芝居のシーンを与えられ、1週間で仕上げ、クラス全員の前で演じ、コーチが厳しく指導する。

そして、スタジオに通いながら、エージェントを探す。エージェントは、俳優の代理人であり、所属するのではなく契約する。エージェントはモデル、コマーシャル、演劇の3つに区分されている。アメリカではエージェントとの契約がなければオーディションにすら参加できないこともあるが、演技力が要求される演劇のエージェントと契約するのは至難の業で、ハリウッドではエージェントを持てない俳優がほとんどだという。

田村もエージェントとの契約で苦労している。50近くのエージェントに履歴書を送付しても、反応はまったくなく、電話をして「エージェントを探しています」などと言おうものなら、ガチャンと切られるというのが当たり前だった。

そこで、田村は方針を転換し、演劇のエージェントではなく、コマーシャル・エージェントに目を向けたが、そこでも英語力が障害となり、なかなかうまくいかず、渡米から3年ほど過ぎてから、モデル・エージェントと契約することになった。これによって自信をつけた田村はコマーシャルのエージェントと契約することに成功し、2006年、ヨーロッパで放送されるフォルクスワーゲンのテレビ・コマーシャルに出演を果たした。

この仕事をしたことで、田村は全米映画俳優組合(SAG、現在はSAG-AFTRA)への加入を許された。俳優が本格的な映画に出演するには、それ以前にオーディションに参加するには、SAGへの加入が必須だ。SAGへの加入は通常、3本のエキストラの出演が条件だが、田村はそれまでにエキストラのオーディションにも落ちた経験があり、SAGのメンバーになれたことは、大きな成果だった。

だが、この段階になっても田村は演劇のエージェントと契約ができなかった。そもそも、アメリカの映画やテレビ全体でアジア系の俳優が占める割合は3.4%に過ぎず、通常、起用されるのは、アメリカ育ちのネイティブ・スピーカーである。

田村が日本で活躍していたことを知るアメリカ人はほぼいない。最初から出る幕はなく、エージェントからは「You are a hard sell」と言われ、返す言葉もなかった。

そんな田村がオーディションに合格し、大きな仕事を得たのはアメリカ3大ネットワークテレビの1つであるNBCが放送するドラマ『HEROES』セカンドシーズンのヒロイン、ヤエコ役だった。

オファーがあってから、出演料などの契約が進められるが、田村は次のように述べている。

「一般にはここで、エージェントまたは弁護士が登場し、クライアントであるアクターにとって、少しでも良い条件になるように折衝する。そして製作側とアクター双方が合意できる条件にいたった段階で、サインを交わして、ようやく正式なオファーとなる」

『HEROES』のセカンドシーズンは24話の放送が予定されていたが、撮影の途中で全米脚本家組合のストライキが始まり、11話で終了することになってしまった。

田村も『HEROES』の仲間とともに、SAGのプラカードを掲げてデモに参加している。

以上、田村のハリウッド女優としての軌跡をたどって行くと、日本の芸能界とはまったく異なることに気付かされる。

日本でタレントが芸能活動をするには、事務所に所属することが第一歩であり、その後は事務所の投資を含めてバックアップを受ける。

一方、アメリカでは、エージェントは弁護士と並ぶ俳優の代理人であり、エージェントにとってタレントはクライアントである。弁護士が依頼人に投資をしないように、エージェントもタレントには投資をしない。日本では芸能事務所が所属タレントに演技のコーチを付けることもあるだろうが、アメリカでは俳優がアクティング・スタジオに通い、その費用はアルバイトをして自分で稼ぐのだ。

日本の芸能関係者は「事務所はタレントに投資をしているのだから、移籍は認められない」と言う。だが、これは因果関係が逆なのではないだろうか。

つまり、タレントが移籍できないことを知っているからこそ、安心して投資ができるのだ。「移籍されるかもしれない」という前提では、怖くて投資はできないのである。

◆投資ができないのであれば芸能界は成立しないのか?

 

のんやローラも救われる? 公正取引委員会がタレントの独立を阻む所属事務所の圧力を独禁法違反と認定(2018年1月20日付リテラ)

では、投資ができないのであれば芸能界は成立しないのかというと、そんなことはないだろう。現に世界のエンターテインメントでもっとも競争力のあるハリウッドでは、エージェントは俳優に投資をしていない。

そして、ハリウッドでもっとも力を持っているのがSAG-AFTRAなどの俳優の労働組合である。田村英里子も脚本家の組合がストライキを起こしたために撮影が中断してしまったが、SAG-AFTRAも過去には何度も大規模なストライキを行っている。最近もSAG-AFTRAは2016年から17年にかけてたゲーム声優の大規模ストライキを起こし、加入者が要求していた条件が盛り込まれた合意が交わされた。

日本でも公正取引委員会が主導する形で芸能界改革が緒についたが、芸能事務所がメディアに対して行う圧力は裏で行われるものであり、公取が介入したところで限界があるだろう。問題を是正する上でもっとも必要なのはタレントによる労働組合の結成である。

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

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事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

星野陽平「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」(2017年3月、公正取引委員会競争政策研究センターでの筆者講演レジュメ)

筆者は今年3月に公正取引委員会競争政策研究センターで「独占禁止法をめぐる芸能界の諸問題」と題する講演をさせていただいた。
※当日の講演レジュメのPDF 

その後、7月以降、公取委が「芸能界で広く行われてきた契約が独占禁止法に抵触する可能性がある」と調査を進めているという報道が相次いだ。

筆者は2014年に『芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』を鹿砦社より刊行させていただいて以来、一貫して芸能事務所との関係からタレントが干される現象は独占禁止法に違反し、芸能界を蝕んでいると主張してきたが、ここに来て具体的な動きが出てきた。

その事自体は芸能界と視聴者の利益にとって望ましいものだと言えそうだが、芸能界との繋がりの強い民放や週刊誌などでは、依然として芸能界の問題は採り上げられにくいということもあって、世間の反応は鈍いとも思う。

◆デーブ・スペクターの日本芸能界批判

そんな折、8月21日配信の『デイリー新潮』の記事「日本のテレビは2年間ドラマ制作をやめよ――デーブ・スペクター」(https://www.dailyshincho.jp/article/2017/08210802/?all=1)でアメリカ人テレビプロデューサー、デーブ・スペクターが芸能界批判を展開していたのが気になった。その一部を抜粋する。

筆者講演レジュメより

筆者講演レジュメより

筆者講演レジュメより

筆者講演レジュメより

「ドラマだけは本当にひどすぎる。20~30年前と比べて進歩するどころか、どんどんクオリティが下がっている。特に問題なのは役者の演技力」

「何しろ、日本のドラマに出演してるのは、芝居経験に乏しい、モデルやアイドル上がりの素人同然の芸能人が多すぎるから」

「原因は、日本のドラマがキャスティング先行で進められるから。テレビ局がドラマ制作で大事にしているのは、視聴者ではなく芸能プロダクションとの関係です。テレビ局の幹部がプロダクションに接待されて、『うちの子、頼みますよ』と言われたら断れない」

デーブは、ここ10年ほどで「黄金時代」を迎えている海外ドラマと比較して日本のテレビドラマが低迷している原因がテレビ局と有力芸能事務所との癒着にあると喝破している。
「僕もテレビ業界で仕事をしてるから、あんまり厳しいことは言えませんが」としながらも、なかなか的確かつ辛辣な論評ではないだろうか。

筆者講演レジュメより

筆者講演レジュメより

◆渡辺淳一とデーブの対談(『現代』1989年4月号)

デーブと言えば、SMAP騒動の折もジャニーズ事務所批判をテレビで堂々と述べていたが、芸能界批判は今に始まったものではなく、来日してテレビに出演し始めた頃から、日本の芸能界に違和感を覚えていたようだ。

『現代』(1989年4月号)に掲載されている「にんげん透視図」で作家の渡辺淳一とデーブの対談が掲載されている。その中で次のようなやりとりがあった。

デーブ ぼくがおかしいと思うのは、日本人って芸能人は程度が低いと思っている。マスコミやテレビ界の人、あるいは本人だって『どうせオレは芸人だからな』って自分から消極的になっているから、それをよくしないと……。

渡辺 しかし、日本って国は、芸能というものを最初からやや低い位置に見てきた国で、それには歴史的な背景もあるのです。

デーブ そこが暗いんだ。

渡辺 日本の芸能脳発生をたどると、かつては歌舞伎役者だって河原乞食と呼ばれたようにアメリカのエンターテインメントとは歴史が違うんです。

デーブ そういう見方はもう時代遅れだから、いい加減にやめるべきです。

渡辺 時代遅れではあるけれども、その暗さとか差別からさまざまなものを生み出してきたので、それ自体が日本の特性なんだからしようがない。

デーブ その「しようがない」という単語をまず日本語から外さないと進歩がないでしょ。リクルート事件にしたって、「しようがない」という言葉を使い続けるのだったら、文句いっちゃいけないと思う。

渡辺 それは一理あるけど「しようがない」というのも日本という国の一つのあり方なんで、あなたは芸能人とばかりお付き合いしているからそう思うのでしょう。けれどもみなが芸人を尊敬するようになればすむという問題ではないでしょう。

デーブ でも、芸能人のレベルは上げないと……。

渡辺 多くの日本人は、そうは思っていないと思うな。

デーブ それは差別。江戸時代の残りだよね。だって、渡辺貞夫みたいなジャズマンは世界中に認められているし、森繁久彌さんだって立派だし、美空ひばりは程度の低い人間ですか。

渡辺 いや、頭が悪いとか程度が低いといっているのではありません。しかし、日本人の感覚からすれば、芸能界というのは浮き沈みの激しい当てにならない世界で、そこにいる人々はそのことに不安と潔(いさぎ)さを感じている。つまり、自分をおとしめているから芸人なのであって、観客はまたそこに惹かれて観ているわけです。もし芸人が威張るようになったら、日本人はいまのような率直な気持ちでは観なくなるでしょう。

デーブ それはどこの国でもそうですけどね。ただ、日本ではちょっと異質な芸能人観が残っているように感じる。

渡辺 それは、なにごとも歴史的な背景があるわけでね。一口にいって、日本は情緒の国で、論理的な西洋的発想と明らかにちがうところなわけです。その証拠に、日本語には季節の移り変わりに関わる言葉が多いけど、逆に論理を語る単語が少ないんですね。

デーブと渡辺の芸能界論議は一貫して噛み合わず、最後に渡辺は都合が悪くなったのか「日本人は論理的ではない」と言って逃げてしまった。

筆者講演レジュメより

◆そこには差別の問題が深く関わっている

なぜ、「日本の芸能界は低レベルなまま放置され、これまで改革が進まなかったのか?」ということを考えると、デーブと渡辺の対談でも争点になっているように、そこには差別の問題が深く関わっている。 日本では中世から芸能に携わる者は卑賤視の対象とされてきたという歴史的背景があり、タレントが権利を主張することは認められてこなかった。日本人はそれを直視できないのである。

江戸時代、歌舞伎役者など芸能に携わる者は穢多・非人身分として扱われ、浅草など「悪所」と呼ばれる地域に隔離され、弾左衛門と呼ばれる穢多頭の支配を受けていた。現在においても、芸能界で不公正な契約慣行がまかり通ってきたのは、そうした歴史的な背景があるためだろう。芸能界は一刻も早く「芸能界のドン」が掟を決める治外法権から脱却しなくてはならない。

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『増補新板 芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』在庫僅少お早めに!

事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

谷口氏に対する尋問が続く。

戸田泉弁護士 代理人の戸田から、ご質問します。あなたは吉松さんのマネージメントをしたいと思ったことはありますか?

谷口元一 まったくありません。

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)


戸田泉弁護士 なぜ、マネージメントをしたいとは思わなかったのですか?

谷口元一 売れると思わなかったので。

戸田泉弁護士 あと、まあ、あなたは吉松さんが可哀想だと先ほど、原告代理人からありましたが、吉松さんに嫌がらせをしたり、何か妨害行為をしようと思ったことはありますか?

谷口元一 まったくありません。

戸田泉弁護士 以上です。

◆裁判官による谷口氏への質問

(これより裁判官による谷口氏への質問が始まる)

裁判官 裁判官のトモベからお聞きします。先ほど、主尋問の中で久光製薬との契約の件について、あなたの方から久光製薬に対してゴシップのようなものを言ったことはないけれども、(広告)代理店のホイッスルからテイラーさんとの件について問い合わせがあったので、それについては回答したということだったんですけど、その時期っていつごろか分かりますか?

谷口元一 詳しい日時は、覚えてないですね。

裁判官 そしたら、あなたが吉松さんのお父さんに電話をかけた時期が平成25年の6月ごろなんですけど、それとの前後関係は覚えてないですか?

谷口元一 それより随分前ですね。

裁判官 ということは、あなたは先ほど、主尋問の中で吉松さんのお父さんに電話をかけた理由としてテイラーさんとの件で吉松さんがテイラーさんと親しい間柄だったから、吉松さんのお父さんにかければ連絡がつながるかもしれないから、かけたんだとおっしゃっていたんですけど、そういう風に思って電話をかけようと思ったのはそのホイッスルからの問い合わせに答えた後ということ?

谷口元一 あのIYグローバルに電話した後。動産執行をするときに……そこにいらっしゃる西川弁護士さんから、年間IYグローバルからマット・テイラーさんに対して、年間2000万円支払っているという証明書面が送られてきたので、IYグローバルの代表者である吉松さんにマネージャーである……会社なので、伝言をお願いした。

裁判官 裁判官の野中です。私の方からも1点だけ確認させてください。吉松さんの実家に連絡する際、代理人に相談されましたか?

谷口元一 してません。

裁判官 債権回収については代理人といろいろ相談して進めていたのではないですか?

谷口元一 そうですね。

裁判官 何で相談しなかったんですか?

谷口元一 ……。

裁判官 動産執行という方法があるということはご存知だったんですか?

谷口元一 弁護士に友達が多いので、お金返ってこないんだよねと言ったら、動産執行というのがあるよと。

裁判官 動産執行はどんな方法だという風に思っていますか?

谷口元一 財産を差し押さえる方法。

裁判官 そうすると、動産執行という方法があるんだねということをこちらの被告代理人の方に被告自身から提案したということですか? 動産執行という方法があるんだと聞いてそれをやってくれないかということを被告代理人に依頼したということでいいですか?

谷口元一 はい。

裁判官 被告代理人は動産執行についてどんな風な説明をされたんですか?

谷口元一 財産を差し押さえる。まあ、詳しくは言えませんが、財産を差し押さえるということをやってくれると言っていました。

裁判官 何を相談したんですか? こちらに3人いる弁護士のうち1人に相談したんですか?

谷口元一 はい。

裁判官 誰に相談したんですか? 池田弁護士ですか?

谷口元一 はい。

裁判官 池田弁護士に動産執行という方法があるんだよと相談して、池田弁護士は何と答えたんですか?

谷口元一 覚えておりません。

裁判官 覚えていない? あの調査費用ね、かけてやるだけの価値があるということは説明してくれたんですか?

谷口元一 それなりの資産があるんじゃないかと僕が思っていたので。

裁判官 いや、池田弁護士は谷口さんにどういう説明をしたかと聞いているんです。

谷口元一 あまり詳しい……。

裁判官費用がかかりますよという説明はなかったですか?

谷口元一 費用はもちろんあの調べたので……。

裁判官 いやいや、費用が調査会社に頼んだ費用の分が高くなって結局何も取れないことがあるのではないかという説明は受けてないんですか?

谷口元一 あ、はい。

(以上で吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問は終了した)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

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谷口氏への反対尋問が続く。

西川洋司弁護士 吉松さんのお父さんに対して、「娘さんの目の前に現れないといけないことになりますよ」みたいな話をしたことはありますか? 電話もしくはメールで。

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 勝手にやらせてもらいますと伝えたこともありますか?

谷口元一 動産執行をしていただくことを伝えたと認識しております。

西川洋司弁護士 動産執行はテイラーさんに対してやろうと思ってたんじゃないですか? 吉松さんに対してやろうと思ってたんですか?

谷口元一 調査報告書の中で同居しているという報告が上がったので、そう思いました。

西川洋司弁護士 平成25年の11月5日にテイラーさんに電話をしたことは覚えていますか?

谷口元一 覚えていません。

西川洋司弁護士 『週刊新潮』が出る何日か前に電話をしたことはありますか? あの『週刊新潮』を動かすからと、あなたの質問がさっきの答えとちょっとはっきり分からなかたので、ちょっと重複して恐縮ですけども、『週刊新潮』を動かすからと言ったことはあるんですか?

谷口元一 ありません。

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

西川洋司弁護士 覚えてないんですか?

谷口元一 言ってません。

西川洋司弁護士 『週刊新潮』という名前をテイラーさんとの電話の間で言ったこともないんですか?

谷口元一 知りません。

西川洋司弁護士 挙げてもない?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 言ってないんですか? 覚えてないんですか?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 では、先ほどの言ってないっていうのも覚えてない?

谷口元一 詳しく内容は覚えておりませんが『週刊新潮』の取材を先方から何度も依頼があったので、『週刊新潮』なのか週刊誌の名前を言ったかもしれませんが、覚えておりません。

西川洋司弁護士 あなたを『週刊新潮』の記者があなたを取材している時に吉松さんの名前を挙げているんですか?

谷口元一 挙げておりません。

西川洋司弁護士 挙げてない? じゃ、吉松さんや文化協会に迷惑がかかるかもしれないというのは、あなたの判断?

谷口元一 あの、先程も申し上げたように、弊社が、メインスポンサーの弊社関連運営事業会社、弊社関連所属タレントは、ミスパリと契約をしておりますので、そのことを全体的なことを言われて、話したと思っています。

西川洋司弁護士 確認すると、『新潮』の記者は吉松さんのことをあなたに聞いてないですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 被告代理人池田の方から質問します。日テレの件についてお伺いします。先ほど、入構証を持って日テレの管内に入ったと。おそらくいっぱいスタジオがあるんだと思うんですけど、ここのスタジオで『バンキシャ!』が収録されているというのはどうやったら分かるんですか?

谷口元一 一般的にタレントクロークというところがありまして、そこに行くと、何の仕事や何会場という風に書いてありまして、そこに受付の女性がおりまして、これはどこのスタジオでやっているの?と聞くと、教えてくれますので、「福澤(朗)さんどこのスタジオにいるの?」と聞くと教えてくれます。

池田尚弘弁護士 『バンキシャ!』の司会は誰ですか?

谷口元一 福澤朗です。

池田尚弘弁護士 そうすると、あなたは日程表みたいなのでどこのスタジオで『バンキシャ!』が生放送しているのかを知って、その司会が福澤さんだったので、マネージャーの野沢さんに挨拶しにスタジオに行ったのですね? 続いて話は変わりますけども、あなたは先程、被告のマットさんがお金を返してくれないということで被告の会社に電話をしたとおっしゃっていましたけど、被告の会社に電話をしたんですか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 どなたが出られましたか? 電話したというのは被告の会社の従業員ですか?

谷口元一 従業員じゃないと思います。

池田尚弘弁護士 どういう?

谷口元一 レンタルオフィスなので、コールセンターの女性だと思います。

池田尚弘弁護士 伝言板と書いてあったんですか? その女性、電話番の女性に対して何か、伝言か何かされたんですか?

谷口元一 弁護士か私に連絡をくださいと伝言をしました。

池田尚弘弁護士 その伝言の結果、マットさんから連絡はありましたか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 あなたはその当時、マットさんがIYグローバルのエージェントだということはご存知なんですね? で、先ほど言われたようにマットさんと連絡が取れなかったから、被告の実家、お父さんにマットさんと連絡を取るように吉松さんにお願いしてくださいということを伝えたということですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 私からは以上です。


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

反骨の砦に集え!月刊『紙の爆弾』!

谷口氏への反対尋問が続く。

西川洋司弁護士 あなたのパールダッシュという会社に小泉麻耶さんという方が所属していたということは間違いないですか?

谷口元一 所属しておりません。

西川洋司弁護士 かつて、所属していたことはありますか?

角地山宗行弁護士 異議あり。関連性のない質問です。

西川洋司弁護士 似たような事件の報道があったので、それが事実かどうかを。質問を変えます。甲41号証を示します。阿部慎之助さんと、小泉麻耶さんの記事が『週刊文春』に載ったことは知っていますか? ここに出てくる小泉麻耶さんがかつてパールダッシュの仕事をしていたことがあるということは間違いない?

(プロ野球の読売ジャイアンツの主将、阿部慎之助とアイドル女優・小泉麻耶の不倫疑惑を報じた『週刊文春』(2014年11月6日号)で、小泉が元所属事務所幹部から性行為を迫られ、神奈川県内の警察署に被害届を提出していたと指摘していた)

谷口元一 所属しておりません。

西川洋司弁護士 今していないのか、過去も一度もしていないのか? 

谷口元一 パールダッシュには所属していません。

西川洋司弁護士 ケイダッシュには所属している?

谷口元一 所属しておりません。

西川洋司弁護士 一度もしてない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 ケイダッシュが出資するグループ会社には所属しているということはない?

谷口元一 過去にグループ会社のどこかは覚えていませんが、所属していたことはあると思います。

西川紀男弁護士 谷口さんね、冒頭に、あのマット・テイラーさんとの裁判があったと。それで勝負したとおっしゃいましたね。間違ったら、堪忍してください。それ、きちんと証人申請した人が全部、証人となることを拒否したんですが、そのことと谷口さんとは関係ないんですか。もっと聞きましょうか。圧力かけて降ろしたということはないですか?

谷口元一 本当にないです。

西川紀男弁護士 ない? あ、そうですか?

西川紀男弁護士 あの、谷口さんはね、先ほど、吉松育美さんの腕をつかんではないという風におっしゃいましたかね。否定していた。

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)


谷口元一 はい。

西川紀男弁護士 そうですか? 間違いない?

谷口元一 はい。

西川紀男弁護士 吉松さんは、「何をすんのよ。キャー」と言って、声を上げたということをおっしゃいましたが、あなたはそういう声も聞いてないですか?

谷口元一 聞いてません。

西川紀男弁護士 あなたが吉松さんに対して新しいマネージャーを付けるからという趣旨の発言をしたことはありますか?

谷口元一 ありません。

西川紀男弁護士 ない? ないんですか?

谷口元一 ありません。

西川紀男弁護士 ほう。元TBSのアナウンサーの川田亜子さん。この方が自殺したという話を吉松さんのお父さんにしたことはありますか?

谷口元一 覚えてないです。

西川紀男弁護士 覚えてない? ほう。谷口さんね、自殺したのは練炭だっていうけど、この練炭を前日、買ってこいと言ったのはあなたではないんですか?

谷口元一 ないです。

西川紀男弁護士 あの、久光製薬でおじいさん同士が親友だということを久光製薬の問題ですけどね、おじいさん同士が親友だということは、あるんですか? あなたのおじいさんと久光の会長ですね。これはどうですか?

谷口元一 うちの祖父はもう3年ぐらい前に死んでいます。

西川紀男弁護士 いつでもいいです。親友であったことはあるんですか。

谷口元一 覚えてないです。

西川紀男弁護士 国際文化協会の話で谷口さんが上の方にね、上というのはミスパリらしいんだけども、ガンガン電話しているというような議事録があるんだけれども、そういう事実もないんですか? 先ほど全部否定しているから。ないということになるんでしょうけども、ないんですね? 確認しますけど。

谷口元一 はい。

西川紀男弁護士 私、分かりにくいから、もう1回聞かせて下さい。何で吉松さんのね、実家のご両親にまでこの電話をする必要があったんですか? もう1回聞かせて下さい。

角地山宗行弁護士 異議あり。異議あり。

西川紀男弁護士 異議じゃない。もう1回聞かせて下さい。

裁判官 あともう1回聞きましょう。申し訳ないですけど、重複尋問ばかりなので。時間があるからといって、最後までやる必要ないですから。

西川紀男弁護士 はい。承知しております。どうですか?

谷口元一 伝言をお願いしただけです。

西川紀男弁護士 谷口さんね、これは意見になるかもしれないけど、まだ異議が出るから、私、話最後にしますけどね。吉松さんは一生懸命やっとこさミスワールド、ミス・インタナショナルの王冠を取ったわけですよ。あなたのような権力のある方がなぜここまで追い詰めるのか。かわいそうじゃないですか。

角地山宗行弁護士 異議あり。

西川紀男弁護士 分かってます。異議ありますか。終わります。


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

反骨の砦に集え!月刊『紙の爆弾』!

吉松さん側の訴訟代理人、西川洋司弁護士による谷口氏への質問が続く。

西川洋司弁護士 谷口さんは芸能界に携われて何年ぐらいなんですか?

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)


谷口元一 25年ぐらいですかね。

西川洋司弁護士 そうすると、当然、タレントのマネジメントとか芸能界の動きというのはお詳しいわけですね。

谷口元一 詳しいかどうか分かりませんが、今まで働いております。

西川洋司弁護士 パールダッシュの社長を務められていることは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 パールダッシュやケイダッシュの所属タレントに関して、スキャンダル記事が出たことは過去にありますか?

角地山宗行弁護士 本件と関係がありません。

西川洋司弁護士 スキャンダル記事に関する、スキャンダル記事一般的な影響に対する認識を聞きたい。出たことはありますか? あなたの事務所の所属タレントの方が週刊誌やスポーツ紙にスキャンダル記事を載せられたことはありますか?

谷口元一 どこまでがスキャンダルでどこまでが報道なのかが判断しかねないです。

西川洋司弁護士 スキャンダルかどうかはともかく、そういった記事で所属タレントさんの仕事に影響が出たということはありますか?

谷口元一 ないと思います。

西川洋司弁護士 まったくない? ここの会社に所属するタレントさんで、新聞記事や週刊誌の記事で……。

角地山宗行弁護士 異議あり。本件と関係のないことです。

西川洋司弁護士 (スキャンダル)記事とかで仕事が減ったタレントさんとかがいるっていうのを見たり、聞いたりしたことはないんですか?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 まったくないんですか?

谷口元一 私どもマネージメントする者に関しては、仕事の上下は自分たちの実力だと思っておりますので、周辺のマスコミに左右されないようなマネージメントをしておりますので、そのような認識はありません。

西川洋司弁護士 あなたの所属タレントは、そうかもしれないし、あなたのところの会社は立派な事務所なのかもしれませんけども、そうでもないような事務所とかの所属タレントさんで、(スキャンダル記事の影響で)仕事が減ってるのを見たっていうことを25年の経験でないですか?

谷口元一 仕事が増えるか減るかというのは誰が判断するか分かりません。私どもは自分たちのプロデュースした、事務所のタレントの人間だけを気にかけます。

西川洋司弁護士 あなた(調査会社の)PSCという会社はご存知ですね?

角地山宗行弁護士 異議あり。本件と関係のない質問です。

西川洋司弁護士 こういう調査をどれくらいされているのかを聞きたかった。あなたのご主張でテイラーさんの住所を調べるという動きでPSCという会社に調査依頼をかけたということは間違いない?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 あなたの方から直接調査依頼をしたということで間違いない?

谷口元一 弁護士さんと相談してその会社を紹介してもらいました。

西川洋司弁護士 弁護士の紹介でということで? そうすると、今回、この会社に依頼をしたのは初めて?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 過去に調査会社に依頼をしたことはない?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 調査報告書はご覧になりましたか?

谷口元一 見ましたが、隅から隅までは見てないです。その、ちょっと見ただけで。

西川洋司弁護士 その調査報告の原本は今、どこにありますか?

谷口元一 分かりません。

西川洋司弁護士 代理人に預けている?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 甲33号証を示します。3ページ目の次が5ページになっているんですが、あなた4ページ目を見たことありますか?

谷口元一 覚えてないです。

西川洋司弁護士 覚えてない? 執行事件でテイラーさんの住所を調べたものとして提出された記録でも4ページ目が抜けているんですけれども、それはまったく知らない?

谷口元一 間違ってこれ……。

西川洋司弁護士 『週刊新潮』の記事では、この抜けているページのところが、居酒屋に入っている内容として入ってるんですけど、『週刊新潮』の記者がこの調査報告書を見たっていうことはないですか?

谷口元一 あの、すべて集めたものを、何が入っていたか覚えてません……。

西川洋司弁護士 代理人から調査報告書のコピーはもらっている? 今の調査会社の報告書のコピーはあなた持っている?

谷口元一 持ってないです。

西川洋司弁護士 動産執行を依頼したということは、間違いないですね?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 動産執行はよほど高額な品物か、多額な何百万単位の現金とかがない限りは、執行としてはほとんど意味がないという説明は聞いたことはありますか?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 何かテーラーさんは動産で多額の金塊だとか札束だとか絵画だとかそういうものを持っているっていうのは聞いたことがあるんですか?

谷口元一 私どもから詐欺でお金を取るぐらいだから、膨大なお金をプールしているんじゃないかとは思っていました。

西川洋司弁護士 具体的に何かあるっていう情報は持っているわけですか?

谷口元一 ありません。

西川洋司弁護士 と、今の話はあなたの想像ということですね?

谷口元一 でも、お金が返ってこないので。

西川洋司弁護士 代理人から動産執行は費用ばかりかかって回収は難しいですよという説明を聞いたこともないですか?

谷口元一 ないです。

西川洋司弁護士 甲35号証を示します。今の調査した日のレンタカー特約記録なんですけど、その証拠をあなたは代理人から見せてもらったことはありますか?

谷口元一 覚えていません。

西川洋司弁護士 まったく覚えてない? この証拠が出て、テイラーさんは調査報告書と違って、もっと早い時間に家を出ているという主張を吉松さんの方からしているということは聞いたことがありますか?

谷口元一 知りません。

西川洋司弁護士 何も知らないんですか?

谷口元一 はい。

西川洋司弁護士 どういう主張をされているのかということも知らないんですか? 調査報告書の内容が本当かどうかっていうのを問題になっているというのを裁判でそこが主張が対立しているというところは何も聞いていない?

谷口元一 まったく興味がありません。……裁判所の執行官が動産執行を行なったという認識をしておりますので、細かい経緯はまったく気にしておりません。

西川洋司弁護士 ただ、本件の訴訟でそこが問題になったというのも聞いてもいないんですか?

谷口元一 気にしていません。

西川洋司弁護士 聞いてはいるけど、気にしてないんですか?

谷口元一 覚えておりません。

西川洋司弁護士 調査会社に9時までテイラーさんが帰らなかったのが事実だったとか、そういう内容が正しかったかどうか確認したということもないわけですね?

谷口元一 ありません。 (続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

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