《5月のことば》今だ! 立ち上がれ!

鹿砦社代表 松岡利康

《5月のことば》今だ! 立ち上がれ!(鹿砦社カレンダー2025より。龍一郎揮毫)

一昨年いったんは業績回復したところで、昨年再びドツボに嵌り、このかん、あくせく働いてきました。

今まで、こんなことを何度も繰り返してきました。

その都度、心ある皆様方に助けられ生き延びてきました。

去る4月5日の「鹿砦社反転攻勢の集い」に多くの皆様方にお集まりいただき、厳しくもあり温かくもある叱咤激励を賜りました。

今こそ立ち上がらないといけません!

実にシンプルだ!

四の五の言わずに前進あるのみ! “単ゲバ”やな(古い! 笑)。

雑誌『紙の爆弾』を創刊して20年 → 直後の「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧から20年 ── よくぞ生き延びてきたものです。

今、新型コロナ襲来によって私たちは苦境に在りますが、20年前の逮捕 → 長期勾留され身動きできなかったことに比べればまだマシです。何しろメールも電話もできなかったわけですから。

われわれはくたばらない。必ず復活します! 

たとえ“便所紙”を使ってでも出版活動を続け、毒のある本を出し続けます!

このかんの苦境で、多くの方々や取引先にご迷惑をおかけし、また逆に多大な激励やご支援をいただいています。これに報いなければなりません。

どうか今後共温かい目でわれわれの出版活動を見守っていただき、また更なるご支援をお願いいたします。

(松岡利康)

「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」へのお祝いと叱咤激励のメッセージ、ありがとうございます!

松岡利康(鹿砦社代表)

「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」に、やむなく不参加の方々からのお祝いと叱咤激励のメッセージを以下掲載させていただきます。

◆天木直人さん(発起人。外交評論家/元駐レバノン大使)

右にも左にも与せず、ひたすら権力者の不正義と闘う『紙の爆弾』は、まぎれもなく私が敬愛した岡留安則の『噂の眞相』の後継誌です。がんばって下さい。

◆西谷文和さん(フリージャーナリスト)

『紙の爆弾』20周年、『季節』10周年おめでとうございます。ちょうど20年前、大事件の1つがイラク戦争です。私は2003年のイラク戦争勃発直後から主に中部のバグダッド、北部のクルド地域を訪問してきました。当時、大手メディアの記者たちはエンベッド取材といって「米軍に組み込まれた形での従軍取材」をしておりました。クェートから攻め上がる米軍の車両に乗せてもらって、「バグダッド解放」を報じるわけですが、そこには米軍の無差別空爆で殺された民衆の姿や、米軍がばら撒いたクラスター爆弾で手足を失った子どもたちの姿はありません。私は「爆弾を落とされたイラク民衆の側」からの映像が必要だと思ったので、主に病院や避難民キャンプ、孤児院などを取材しました。すでにこの頃からスポーツやグルメ、芸能界の下半身ネタなど「数字が取れる」番組が増えてはいたのですが、テレビ局の現場には「アメリカの不法な侵略戦争の実態を伝えたい」という使命感を持ったプロデューサーもいて、しっかり地上波で報道することができていました。

大統領がブッシュからオバマに代わり、戦争がイラクからアフガンへとシフトしたので、09年からアフガンに足を運ぶことにしました。この頃になるとさらに報道番組が減って、「全局バラエティー化」と呼べるような事態になり、アフガン特集ができるのは年に1、2度の状態になりました。そして第2次安倍政権になった直後の2014年、菅官房長官や総務省幹部、元公安警察の官邸官僚たちがあからさまに圧力をかけるようになり、TBSから岸井成格さん、NHKから国谷裕子さん、テレビ朝日から古舘伊知郎さんという看板キャスターが番組を下されてしまい、テレビ局は自粛と忖度の嵐に包まれてしまいました。日本の報道自由度ランキングは、11年の11位からドーンと落ちて71位にまで下がったと記憶しています。ほぼ時を同じくしてスマホが社会を席巻するようになり、まずラジオと新聞、次にテレビが斜陽産業化していく中、情報はネットで無料配信される時代になりました。イラクやアフガンでの取材中は、英米仏独はもちろん、スウェーデンやスペインからのフリーランスがいて、互いに励ましながら取材をしていたものですが、コロナ以降はフリー記者が激減しました。おそらく「食べていけない」からだと思います。

このような時代になってからも『紙の爆弾』で、紛争地からのルポを掲載することができています。紙媒体が苦境に陥る中、貴重な存在ですし、私にとっても発表の場があるのはありがたいことです。実は4月8日から中東のレバノン、シリア取材を予定しております。取材許可が下りないので、ガザには入れませんが、レバノンの戦争被害を取材することはできそうです。イスラエルがどのようにしてポケベルに爆弾を仕込んだのか、目の前で爆発しているので、失明した人や指を失った人も多数います。彼らに支援は届いているのか、今どんなことを願っているのか、などをインタビューできたらいいなと考えています。無事帰国したら、また誌上で発表させてもらいたいと願っております。残念ながら本日の記念の集いには参加できませんが、参集されたみなさんのご健康と、『紙の爆弾』の永続を願っております。

◆寺脇 研さん(元文部科学省・映画運動家)

そりゃあフジテレビはひどい。でも他のメディアがそれを指弾できるのだろうか。
たしかに性的問題ではフジテレビほどひどいところはないだろう。

しかし、トランプ、プーチン、ゼレンスキー、ネタニヤフのことばかりはやし立て、国内の重大問題から目を逸らしてきたのは日本の大メディアのほとんど全部だ。SNSなどのネットメディアを信じる気にはなれないが、大メディアへの信頼も地に落ちた。『紙の爆弾』をはじめとする「小メディア」に期待するしかない。まあ、私が60年近く熱中してきた映画の世界でも、大手企業はダメでインディペンデントにしか期待できませんがね。

◆浜田和幸さん(米ジョージ・ワシントン大学政治学博士、元参議院議員)

貴誌の発刊20周年を心よりお祝い申し上げます。現在、海外訪問中のため、祝賀会に参加できず、残念至極です。参加者の皆様が楽しく活発に議論され、交流を深められることを祈念しています。

さて、日本でもトランプ大統領の「相互関税」は大きな話題になっているようですが、ワシントンではいわゆる「関税戦争」は目くらましに過ぎないとの指摘も聞こえてきます。

その代表格は1期目に補佐官を務めたバノン氏でしょう。彼の見立てによれば、「トランプ大統領の関税戦争は目くらましで、真の狙いは3期目の大統領の座」に焦点が当てられているとのこと。

トランプ大統領は「シンゾーは素晴らしい男だった」と、故安倍首相を持ち上げながら、日本への24%の追加関税を発表しました。日本政府は「同盟国への配慮に欠ける決定だ。断固として抗議し、修正を要求する」と述べていますが、トランプ大統領の真意を掴めていないようです。

実は、トランプ大統領は同盟国であろうと、敵対国であろうと、区別する気はさらさらありません。要は、アメリカの「黄金時代」を築くためには、敵味方関係なく、とにかくアメリカの言うことを聞かせようという発想の持ち主なのです。

その意味では、トランプ大統領は中国の習近平国家主席をライバル視しているのもごもっとも。習氏が前例を覆し、3期目に突入したことに大いに刺激を受けたことは間違いありません。しかも、トランプ氏と習近平氏は似たような言動に終始しているではありませんか。

例えば、表現や報道の自由についてですが、習近平氏は香港でのメディアの活動を制限していますが、トランプ氏もメキシコ湾をアメリカ湾に変更した大統領令に従わないAP通信の記者をホワイトハウスでの共同記者会見から排除してしまいました。

また、ウクライナ戦争に関しても、習近平氏はロシアのプーチン大統領寄りの姿勢を堅持していますが、トランプ氏もプーチン氏との直談判に固執しています。

更に言えば、台湾に関しても、習近平氏は「必ず一体化する。必要があれば武力の行使も辞さない」と繰り返していますが、トランプ氏も「グリーンランドもパナマ運河もアメリカのものだ。必ず取り返す」と事あるごとに訴えているではありませんか。

事程左様に、共通点の多いのがトランプ氏と習近平氏なのです。トランプ氏とすれば、習近平氏が3期目を経て、場合によっては「終身国家主席」を狙っているのであれば、自分も同じような長期政権を目指すと心に決めているとしか思えません。実際、3月30日のNBC放送のインタビューに応えて「冗談抜きで3期目の可能性はあり得るだろう」と率直に心情を吐露していました。そのためには憲法の改正が必要になりますが、トランプ陣営は抜け道を考えています。

何かと言えば、2028年の大統領選挙ではバンス副大統領が大統領候補となり、トランプ氏は副大統領候補に回るという筋書きです。そして、意図したように、バンス大統領が誕生した暁には、権力をトランプ副大統領に移譲し、実質的な3期目のトランプ政権の発足になるというシナリオに他なりません。

日本を含め、一方的な関税戦争はトランプ大統領が政権を去れば終焉し、より安定した通商貿易関係が復活すると期待する向きも多いようですが、そうは問屋が卸さないでしょう。もし、2028年にホワイトハウスを去ることになれば、彼は即座に収監されるはずです。そうした不名誉な末路を回避するには終身大統領で居続けるか、自分の身内を大統領職に就けることが必須条件になります。そうしたトランプ氏の精神構造をしっかりと把握した上で、対米交渉を推進しなければ、日本はいつまで経っても属国のまま。

『紙の爆弾』が日本人の覚醒に必要な情報と分析を提供され続けることを切に期待しています。

◆矢谷暢一郎さん(アルフレッド州立大学名誉教授)

月刊誌『紙の爆弾』の創刊20周年、季刊誌『季節』(前『NO NUKES voice』)の創刊10周年に当たって、出版社「鹿砦社」が「反転攻勢の集い」を開催するというニュースがニューヨーク州の小さな大学町に住むわたしのところにも届きました。地球のちょうど反対側に位置する小さな町から、わたしもまた「反転攻勢」と銘打った鹿砦社の出版活動を支持し、今日お集まりくださった皆さんに激励と連帯のメッセージを送ります。

松岡さんに初めて会ったのは2005年3月、亡き藤本敏夫の墓参りに京都に行ったおり友人から紹介された時でした。墓参りが終わってかっての友人たちと会食もありましたが、初対面の彼とはあまり話をする時間が無く、短い一時帰国の後すぐニューヨークに戻りました。しばらくして鹿砦社が出版していた多くの本の中から10冊に近い本を仕事場のニューヨーク州立大学アルフレッド校まで送って貰いましたが、その中の一冊が『紙の爆弾』でした。60年代後半のヴェトナム国際反戦運動を経験していた人たちには理解できても、一瞬たじろぐようなタイトルに初対面では伺われなかった松岡利康と出版社鹿砦社の活動を思い巡らせました。ところが、送ってもらった全ての本を読み終わらぬ前に、その松岡さんが「名誉毀損容疑」を冠した言論の自由抑圧を謀る政治的な目論見で逮捕・長期拘留された、と大学のオフィスにメールをくれたのが中川志大さんで、鹿砦社存続の危機に抗して奮迅する彼と社員の方々の松岡・鹿砦社救援キャンペーンに参加しました。あれから20年が経ち、『紙の爆弾』創刊の20年が重なりあいます。

『季節』の前身である『NO NUKES voice』が創刊されたのが2014年の夏、今からちょうど10年前です。同じ年に鹿砦社はわたしの著書、『日本人の日本人によるアメリカ人のための心理学』を出版してくれました。学生時代アメリカのヴェトナム反戦運動と1968年原子力空母エンタープライズ佐世保寄港反対アメリカ神戸領事館包囲デモで逮捕されたことがきっかけ(?)でアメリカ政府の「ブラックリスト」に載せられたわたしが、オランダでの国際政治心理学会でアメリカにおける反核運動の運動について発表後ケネデイー空港で逮捕され長期拘留となりました。当時テレビ新聞、ラジオでも報道されましたから、わたしと同様大分お年を召した人たちはひょっとしたら今でも記憶にあるやもしれません。事件の後1990年代初めニューヨーク州立大学アルフレッド校の心理学教授になり、反核運動の心理学をテーマにした内容の本でした。

本日の集いは、これら二つの月刊誌・季刊誌の創刊記念を踏み台にした「鹿砦社反転攻勢」の集いでありますが、先ほど述べたように二冊の雑誌はわたしの人生の有り様に深くかかわって来ております。残念ながら、この「日本プレスセンター」には出席できませんが、一言挨拶させてもらう次第です。イスラエルとパレスティナ、ウクライナとロシアの二つの戦争とアメリカのトランプ大統領の再選は、世界の平和と民主主義に極めて重大な脅威となっていますが、真実を報道し、権力者の不正義と横暴さを監視する本来のジャーナリズムの使命を果たすために、「反転攻勢」を掲げる鹿砦社の決意に賛同し、大いなる躍進を願ってその一翼に加わりたいと思います。

◆鈴木和枝さん(特別賛同人)

『季節』創刊10周年、『紙の爆弾』創刊20周年おめでとうございます。

色々やりくりが大変とは思いますが、今後貴社が大いに発展していかれるよう皆様どうかがんばって下さい。私も陰ながら応援しています。

私は今、ほとんどの情報媒体を絶ち、人との交流もなく、陸の孤島と化した環境で暮らしています。ですから貴社の出版物、そして何より『紙の爆弾』の存在がいかに重要か、とても一言では言い表せません。貴社がつぶれたら私は本当に困ってしまいます! 貴社を助けることは即ち私自身を助けることであるのです。これからも巨大な敵に屈することなく、共にがんばりましょう。

◆中尾茂夫さん(賛同人)

貴誌『紙の爆弾』創刊20周年、おめでとうございます。既存のジャーナリズムのなかで、突出して存在感のある貴誌に、「ジャーナリズムとはこうあるべし』という物書きの原点を教えられる思いです。権力の提灯持ちが多い中で、かつての『噂の真相』同様、権力の不正義と闘うたしかな政治的主張があるからです。面白おかしいだけでヘイトスピーチのようなネット画面に溢れる情報とは異なり、広告代理店に支配されただけの大手メディアとも異なり、危機的な時代にあって、時代を抉った中身の濃い内容に、深く共鳴しながら拝読しています。苦しい経営に、わずかですが、今回は「賛同人』として応援させていただきます。

松岡の大学の後輩で、魂の書家・龍一郎が、今回の集いに送ってくれた、熱い激励のメッセージ

『紙の爆弾』創刊20周年に際し、私たちの想いをまとめ、同誌5月号(20周年記念号)に掲載しました!

鹿砦社代表取締役会長 松岡利康

同誌5月号に4ページ割いてもらい、同誌創刊20周年に際しての私たちの想いを書き連ね掲載しています。

本来なら、発売まもない号の一部を転載することはめったにありませんが、同誌を購読されていない方にもぜひお読みいただき、これを機会に他の記事もお読みいただくためにご購読をお願いいたします。

私たちのこの20年の軌跡は4ページに収まるものではありませんが、創刊当時の出来事など概略はつかめるかな、と思います。

4・5「鹿砦社反転攻勢の集い」、成功裡に終了! これを転換点として苦境を突破し次の10年に向けて再スタートしました! 鹿砦社代表 松岡利康

去る4月5日、東京日比谷・日本プレスセンターで開催された「鹿砦社反転攻勢の集い」は、新年度始めの慌ただしい中、実数105名のご参集にて開催されました。

以下は、当日会場にて配布した私の挨拶文です。ご笑読いただければ幸いです。

私の開会宣言ののち、足立昌勝先生が、志途上で亡くなられた方々を追悼し『紙の爆弾』『季節』の継続発行、鹿砦社の復活を願い献杯の音頭を取られ会がスタートしました。

リレートークの冒頭は、かの重信房子さんの発言で会場がざわめきました。重信さんとは面識がなかったのですが、先輩に知っている方がいて興味津々、彼女が東京拘置所勾留中、面会に行ったり公判を傍聴したり、ささやかながらカンパ(私の経験から、勾留されていると収入がないわけで、なにかと物入りなのです)したりしたことのお礼ということで参加されました。重信さんを冒頭に持ってきたのは、特段意味がなく、この後、彼女の母校・明治大学土曜会の集まりがあるので中座せざるをえないという理由からです。

なお、当日の司会は、北は網走から南は沖縄まで全国の刑務所、少年院を回り獄内(プリズン)コンサート500回超の実績(もっと評価されて然るべきです)を持つ女性デュオPaix2(ぺぺ)さんが行ってくださり、重信さんは八王子医療刑務所在監中にPaix2さんのコンサートを観て感銘を受けたということでした。
4・5の報告は適宜行っていきます。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇

『紙の爆弾』創刊20周年/『季節』創刊10周年に際して開催された本日の集いを、生前サポートされた方々の遺志を汲み反転攻勢への一大転機に! 鹿砦社代表 松岡利康                 

本日は年度始めの慌しいところ、鹿砦社にとって重要な集いに駆けつけていただき有り難うございます。肩の力を抜いて歓談し共に有意義な時間を過ごしましょう!

以下、私の個人的な想いも盛り込みつつ、『紙の爆弾』創刊20周年についての感慨、及び、長年サポートいただきながら志途上で亡くなられた方々の名を挙げ、その遺志を汲み、反転攻勢を勝ち取ることを決意表明いたします。

『紙爆』20年間の軌跡は、出発時から「名誉毀損」に名を借りた大弾圧で強権的にペシャンコにされ、その後、復活しつつも、新型コロナという、予想だにしなかったパンデミックにより、創刊時とは違った形でどん底に落とされ、もがきながら本日を迎えました。正直のところは、10周年の時のように余裕を持って迎えたかったです。

20年という月日は、たとえ小さな雑誌とはいえ読者の皆様方に確固とした信頼を培い、この5年の苦闘を支えていただきました。あらためてお礼申し上げます。

20年の想いは『紙爆』5月号120ページから4ページにわたり中川と共に記述しましたので、ぜひお読みください。この20年の軌跡は4ページに収まるものではありませんが……。

小なりと雖も、一つの雑誌を続けていくことは大変なことで、これまでの意義と反省点などを捉え直し、皆様方のご意見、アドバイス、また叱咤激励をいただき、次の10年に向けて私たちの想いを真に理解される皆様方と共に再出発したいと願っています。

◆当社に関わってくださった方々を追悼します

私たちが決して忘れてならないことは、生前多大にお世話になった方々のご厚意です。

コロナ直前の2019年秋に鹿砦社創業50周年の集いを東京、関西双方で行いました。その際にも少なからずの亡くなられた方々を追悼いたしました。

その後コロナが蔓延した時期に入っていくわけですが、このかんも、ゆかりのあった方々が亡くなられました。以下の通りです。──

中道武美さん(弁護士) 1990年代初めから関西の事案を依頼。主な事件に『タカラヅカおっかけマップ』出版差止事件、アルゼ名誉毀損(刑事)事件など。別紙記事参照。
                   
内藤 隆さん(弁護士) 東京の事案を依頼。本年1月6日急逝。「大学院生リンチ事件」(いわゆる「しばき隊リンチ事件」)加害者から、本日ご参加の森奈津子さんと共に提訴された訴訟を受任いただき係争中でした。内藤さんをめぐる象徴的なエピソードとしては、別途記事にも書かれていますが、デモで機動隊の暴虐を監視に行って、そのあまりもの暴虐に抗議したら逮捕され日弁連が抗議声明を出したということで、熱血漢の内藤さんらしいと思いました。主な事件に、1996年に東京地検特捜部に刑事告訴された日本相撲協会八百長出版事件(不起訴)、これ以来のお付き合いで、アルゼ名誉毀損(民事)事件を担当。別途記事参照。

北村 肇さん(毎日新聞記者→『週刊金曜日』発行人) 松岡と学年が同じことで意気投合、鹿砦社の出版活動の強力な理解者。生前は『金曜日』と鹿砦社の橋渡しをされ、毎月(毎週の時もあり)1ページ広告を掲載。北村さんが亡くなってから『金曜日』から広告掲載を拒絶され絶縁宣言をされました。

山口正紀さん(ジャーナリスト) 「名誉毀損」出版弾圧事件の訴訟の公判を、東京から毎回傍聴、そのレポートをその都度『金曜日』に寄稿。のち「大学院生リンチ事件」でも、裁判所に意見書(本日販売の『暴力・暴言型社会運動の終焉』に収録)を提出されたり準備書面作成にもご協力、本日ご参加の黒薮哲哉さんと共に積極的にご支援いただきました。

白井 順さん(経済学研究者) 1980年初めに出会う。私よりも1歳下ということもあり弟分的存在。学識があるにもかかわらず出世欲がなく生涯家庭教師やアルバイトで糊口をしのぎ、好きな分野の研究に専念。鹿砦社からは『思想のデスマッチ』の著書があります。もっと彼の学識を活かしてやれば、と悔やみます。

鈴木邦男さん(思想家) 1980年代前半に出会い、以降、鈴木さんの名を論壇に知らしめた『がんばれ!新左翼』はじめ当社から数々の書籍を出版、出版社としては今でもその数は一番多いです。「大学院生リンチ事件」で被害者側に立つ私と決裂、残念ながら歩み寄りなきまま逝去されました。

上記のように、ここ5年余りで私たちは、長年にわたり訴訟や言論における強力なブレーンとなっていただいた方々を失いました。この喪失感は私たちにとって大きいです。

もう私の時代も終わった感があります(とはいえ、現実問題、そうは問屋が卸しませんが)。今後は、次世代を担う中川が新たなブレーンを開拓、形成していくことになりますので、皆様方のご協力をお願いいたします。

本日お持ちした書籍を販売いたしますが、この一覧を見て、よくぞこれだけの本を作ってきたな、という想いにかられました。このリストの大半が私が直接担当したものですが、どの本にも思い入れがあります。ぜひお買い求めいただき、お読みいただければ幸いです。

最後になりますが、本日の集いは、今年74歳になる私にとって、いわば最後の檜舞台であり、このような日本のジャーナリズムを代表する会場で 私たちの出版活動をご理解いただいている皆様方と共に有意義な時間を過ごせる機会を与えられたことに心より感謝いたします。有り難うございました。

(松岡利康)

「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」を成功させ流れを変えよう! 皆様方の総結集と圧倒的なご支援をお願いいたします! 鹿砦社代表 松岡利康

月刊『紙の爆弾』創刊20周年/唯一の反原発情報誌『季節』創刊10周年にあたり企図した「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」が迫ってきました。

このかん再三申し述べさせていただいているように、新型コロナ襲来以来、引き起こされた鹿砦社の苦境を寄稿者、読者の皆様方と共に突破し、流れを変えようと、4月5日、反転攻勢の集いを開催することになりました。『紙の爆弾』の寄稿者を中心に、ちょっと声を掛けたところ、またたくまに30人ほどの発起人が集まってくださいました。

また、ご支援のカンパ、ご祝儀も日々お寄せいただいています。有り難いことです。あと数日後になりますが、日々、緊張感がみなぎってきています。

この20年間、いろいろなことがありました。なんと言っても『紙爆』創刊直後の私の逮捕―勾留で会社が壊滅的打撃を被ったことでしょう。囚われの身、それも接見禁止で、面会も手紙も、弁護士以外にはできなく、動こうにも動けなくて、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」という心境でした。今は、会社の情況が苦しくても、電話もできるし動き回れます。これだけでも大きな違いです。

詳しいことは4月7日発売の『紙爆』(20周年記念号)5月号に記述してありますので、ぜひ購読いただきご一読ください。

4月5日の集いのご報告は、「デジタル鹿砦社通信」、『紙爆』6月号(5月7日発売)などで行います。

(松岡利康)

松岡の大学の後輩で、魂の書家・龍一郎が、今回の集いに送ってくれた、熱い激励のメッセージ

《4月のことば》凡事徹底 鹿砦社代表 松岡利康

《4月のことば》凡事徹底(鹿砦社カレンダー2025より。龍一郎揮毫)

「凡事徹底」── いい言葉です。小さなことや当たり前のことを徹底的にやることによって見えてくるものがあるという意味ですが、なかなかできそうでできるものではありません。四字熟語は中国から由来するものが多いということですが、これは最近(といっても、20、30年前ですが)日本で誕生したとされます。通説では、イエローハット社の創業者・鍵山秀三郎氏が作ったといわれています。プロ野球の野村克也やラミネスがよく使ったといわkれます。「凡事徹底」というタイトルの書籍もあります。

当社も1995年に「日々決戦」「一日一生」「一所懸命」などと共に社是に定めましたが、なにか精神的な訓示を上から押し付け、説教臭く思われたのか、あまり歓迎されませんでした。

とはいえ、環境が苦しい時にこそ、基本に立ち返り「凡事」を「徹底」して「一所懸命」にやることが大事で、そして、そこにまた見えてくるものがあるということでしょう。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

 「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」で流れを変えよう!

このかん再三申し述べさせていただいているように、新型コロナ襲来以来、引き起こされた鹿砦社の苦境を寄稿者、読者の皆様方と共に突破し、流れを変えようと、4月5日、反転攻勢の集いを開催することになりました。『紙の爆弾』の寄稿者を中心に、ちょっと声を掛けたところ、またたくまに30人ほどの発起人が集まってくださいました。

また、ご支援のカンパ、ご祝儀も日々お寄せいただいています。有り難いことです。もう4日後になりますが、日々、緊張感がみなぎってきています。

この20年間、いろいろなことがありました。なんと言っても『紙爆』創刊直後の私の逮捕―勾留で会社が壊滅的打撃を被ったことでしょう。囚われの身、それも接見禁止で、面会も手紙も、弁護士以外にはできなく、動こうにも動けなくて、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある」という心境でした。今は、会社の情況が苦しくても、電話もできるし動き回れます。これだけでも大きな違いです。

詳しいことは4月7日発売の『紙爆』(20周年記念号)5月号に記述してありますので、ぜひ購読いただきご一読ください。

4月5日の集いのご報告は、「デジタル鹿砦社通信」、『紙爆』6月号(5月7日発売)などで行います。

(松岡利康)

『季節』2025春号をお届けするにあたって

『季節』2025春号がようやく出来上がってまいりましたのでお届けいたします。本日21日書店発売です。

◆『季節』2025春号の発行が10日遅れましたことをお詫びいたします。

本来3月11日発行の『季節』2025春号ですが、10日遅れ3月21日発行(17日発送)となりました。申し訳ございません。例年3・11当日の発行で、今年もそのつもりだったのですが……。これは財政的な問題とは直接関係はございません。編集作業が遅れ、遅れ自体は2、3日のことでしたが、今年の2月は2日少なく、また年度末で印刷・製本の予定ラインから一端外れたことで歯車が狂い10日遅れの発行となりました。とはいえ、工程管理が緩かったのは事実で弁解の余地もございません。何卒ご容赦お願いいたします。

◆「4・5鹿砦社反転攻勢の集い」に総結集し、また圧倒的なご支援をお願いいたします!

コロナ禍で当社は、それまで左団扇(うちわ)状態から一気に奈落の底に落とされました。コロナ前には(会社と個人合わせ)常に数千万円ほどの蓄えがあり、「エンジェル」になって、資金難に喘ぐいくつものグループにカンパしたり、ライターさんらには前払い、先払いしたり、3・11直後にはポンと日本赤十字社に100万円寄付したり、さらにはМ舎というミニコミ書店には50万円も資料代名目で本をまとめ買いしたり、沖縄にルーツを持つ高校の同級生(故人)がライフワークとして始めた島唄野外ライブ「琉球の風」に数年にわたり出資したり……。それは、松岡が「名誉毀損」容疑で逮捕された際に、多くの方々に助けられたことの恩返しという意味もあってのことでした。

しかし、あれだけあった蓄えも、コロナ以降しばらくしてなくなりました。一時は回復したこともありましたが、再び落ち込み現在苦境にあることを隠しません。出版界のみならず全産業の中小零細企業がそうなので、当社も例外ではありませんが、50数年続いてきた鹿砦社の歴史、なかんずく『紙爆』20年、『季節』10年の歴史を守り抜き後進につないでいかねばなりません。

このかん私たちは、4・5「鹿砦社反転攻勢の集い」を開催することになり、総力で準備に努めています。

4・5の集いを、単なる記念日にするのではなく、逆に低迷打破→反転攻勢の絶好の機会にしたいと考えています。俗に言えば「ピンチをチャンスに変える!」ということです。特に今回は定期購読者、会員、社債引受人、寄稿者などご支援の皆様方に多くご参加いただき直に強く叱咤激励いただきたく望みます。

本号の発行が遅れ直前のお知らせになりますが、一人でも多くの皆様方のご参加を望みます。ご参加を希望の方は今すぐお申し込みください。また、賛同金、ご祝儀、カンパなどもどしどしお寄せください!

鹿砦社はこれまで、栄華を極めたり、逆に地獄を見るほど落ち込んだり、浮沈の激しい歴史を繰り返してきましたが、私たちは必ず復活します! 『季節』も必ず持続します! 今後も圧倒的なご支援を!

2025年3月 
株式会社鹿砦社代表 松岡利康
『季節』編集長   小島 卓

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売

《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと
 片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
 水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
 井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
 樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!
土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉
平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

4月5日東京にて月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催します! 鹿砦社代表 松岡利康 

新型コロナ襲来以来の低迷を打破し再び勢いを取り戻すべく、私たちは来る4月5日、月刊『紙の爆弾』創刊20周年、反原発情報誌『季節』創刊10周年を記念し反転攻勢の集いを開催することになりました。

これを単に記念日とするのではなく、低迷打破→反転攻勢の絶好の機会として皆様方と有意義な時間を過ごすべく準備に取り組んでいます。

どなたでも参加できますので、関東近辺在住でご関心のある方はぜひ、どしどし参加し、ちょっとくたびれた私たちを叱咤激励してやってください。

また、賛同金、カンパ、ご祝儀などをお寄せいただき圧倒的なご支援をお願いいたします!

苦しみの中から立ち上がれ! 闘争勝利!

(松岡利康)

『季節』2025年春号 〈3.11〉に想う── 季節編集委員会

今年も〈3.11〉がやって来ました。──

この頃になるいつも想うのですが、原発事故で狂わされた人の人生、生活、命です。

いまだにフクシマでは棄民政策がなされ、生まれ育った故郷に戻れない人たちも多いです。確かに法律上は戻れることになった町もあるでしょうが、人がほとんどいなくなった町で、どうやって生活していくのでしょうか。

筆者は50歳を過ぎてから、望郷の念が強くなり、中学、高校の同窓会活動に精を出し始めました。多くの同期生もそのようで、いったんは都会へ出ても、かなりの人数が帰郷しています。

フクシマでは、帰るに帰れない人たちが多いです。原発事故を起こした東電に対し、まさに「故郷を返せ!」と叫びたい方も多いでしょう。当時の東電の幹部はどう考え、どう責任を取ろうとしているのでしょうか。いつも素朴な疑問に苛まれます。みずからの意見も公にせず責任も取らず、彼らはひっそりと暮らしているかのように思われます。

昨年10月、当時の東電トップ、勝俣恒久が亡くなりました。一切の責任も取らずに、です。また勝俣死去をマスメディアはほとんど報じませんでした。彼が生前やってきたことの意味の問い直しぐらいやるべきだったのではないでしょうか。

今後、当時の東電の幹部が相次いで亡くなっていくでしょう。責任をどう取るのでしょうか。せめて気持ちだけでも家、屋敷を売って被災者へ寄付するぐらいはやるべきでしょう。被災者はみな人生、生活を狂わされ命を絶った方もいるわけですから──。

ところで本誌も昨年夏・秋合併号で創刊10周年を迎えることができました。本誌は月刊『紙の爆弾』の増刊号として季刊ペースで発行してまいりました。あとの5年は新型コロナとの闘いで苦戦しました。創刊10周年の集いも開く予定が諸事情で開けませんでした。4月5日に『紙の爆弾』20周年と共に、記念の集い(具体的には巻末参照)を開催することになりました。両誌とも、今後10年、20年と続かせようと願って。関東周辺にお住いの方はぜひご参加をお願いいたします。

■『季節』2025春号の発行が10日遅れます。

本来3月11日発行の『季節』2025春号ですが、10日遅れ3月21日発行(17日発送)となりました。申し訳ございません。例年3.11当日の発行で、今年もそのつもりだったのですが……。これは財政的な問題とは直接関係はございません。編集作業が遅れ、遅れ自体は2、3日のことでしたが、今年の2月は2日少なく、また年度末で印刷・製本の予定ラインから一端外れたことで歯車が狂い10日遅れの発行となりました。とはいえ、工程管理が緩かったのは事実で弁解の余地もございません。何卒ご容赦お願いいたします。

2025年3月 季節編集委員会

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売
 
《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと

片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」

日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!

土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

《3月のことば》春です 故郷は 桜です 鹿砦社代表 松岡利康

《3月のことば》春です 故郷は桜です(鹿砦社カレンダー2025より。龍一郎揮毫)

3月、年度末です。1月(去ぬ)、2月(逃げる)── 今年はじめの2ヵ月、速かったです。そして3月。

これまでこの冬はほとんど酷寒だったのですぐに桜を想像できませんが、確実に春はやって来ます。故郷の桜が目に浮かびます。3・11のように、みずからの意志に反し故郷を離れた人たちにとって、故郷の桜はどのように脳裏に映るのでしょうか。

もうすぐ今年も3・11がやって来ます。3・11に、あなたはどこで桜を見るのでしょうか。

3月は逃げると言いますが、意義ある月にしたいと思います。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号
『LGBT問題 混乱と対立を超えるために』女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著 定価990円(税込み)