「ふざけた男やなあ。ホンマ腹立つわ。社会なめきっとるな」
翌日会社に行くと相変わらず土方さんが怒っている。社長失踪以来怒りっぱなしだ。気持ちはわかるが本人の居ないところで怒っていてもしょうがない。自分が怒られているのでなくても、こう毎日毎日怒鳴り声が響いていると、社内の雰囲気は悪くなる一方だ。それに身近な社員に当り散らすので、とりわけ空気の読めない梅田さんはよく標的にされている。それでも仕事での文句は言わない。休憩中になると旦那か友人か、わからないけど電話でヒステリックに騒いでいる。でも怒ってはいないらしい。
「あれじゃなあ。向こうの社員も大変だよ」
尚坂が哀れむような顔でつぶやく。例の開発はセントラル社を中心に続いている。遅れている状態で引き継いだので、土方さんはそれに対するフラストレーションも溜まっているのだろう。しかしあんなに怒ってばかりでは、下で働く人間もしんどいだろう。こういうときこそリーダーシップを発揮してもらいたいところだが。

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妹に、石屋に払う石塔の代金を立て替えてもらおうと思ったが、メールは届かず、電話は通じなかった。石塔を建てようと強く主張したのは、自分は教会で結婚式を挙げた妹だったのだが。

だが、そんなことをしつこく催促するのは嫌なので、信頼関係の強い方に用立ててもらって、石屋への支払いは済ませる。
ちなみに、この石屋は、気持ちのいい人物だった。
生まれてすぐに亡くなった私の姉の遺骨も墓所には納められているので、その戒名も彫ってほしいと頼んだ。
「ええ、かまいませんよ」
料金内で行うことを請け合った後で、石屋の主人は付け加えた。
「お母様もよく、亡くなったお子さんのことは、よくおっしゃっていましたから」
えっ、そうなのか、と驚く。
私たち子供の前では、そのことはほとんど口にされなかった。

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仮に尖閣に中国偽装漁民が上陸すれば、宮古列島襲撃が遠慮なく起きる可能性もあった。在中国の通信記者は言う。
「尖閣を奪うとともに、日本の航空戦力を叩いておきたい、というのが中国側の本音です。航空戦力を壊滅に追い込めば、外交カードとして非常に有利なものとなります」
空母での制空権を取った後、本格的な「尖閣占有作戦」の主役となるのが、戦車10両、海軍陸戦隊200名からなる戦車揚陸艦だ。
「上海基地を出て、尖閣諸島に到着するまでは、24時間かからないでしょう。それに対して、陸上自衛隊の普通科連隊650名が乗艦する海上自衛隊『おおすみ』型輸送艦は、長崎・佐世保を出港してから、尖閣まで40時間かかってしまう」(軍事アナリスト)

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森田健作や松田聖子、酒井法子らを育成、デビューさせた大手芸能事務所サンミュージックプロダクションの創業者で代表取締役会長の、相澤秀禎さんが2月23日午後10時27分、都内の病院ですい臓がんのため死去した。83歳だった。24日に同社がFAXで発表した。相澤さんはかねてから病気療養中だった。
相澤さんは、1962年に「竜美プロ」を設立。新人歌手・松島アキラをデビューさせ、その後、西郷輝彦を発掘してマネージメントに奮闘する。1968年には、サンミュージックプロダクションを設立し、森田、桜田淳子、松田、酒井、安達祐実ら数多くのタレントを手がけた。

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昨年11月30日に知人の美術品を横領した容疑で逮捕された学校法人グループ堀越学園グループの堀越哲二(旧名・小池哲二)被告の控訴審が、今月28日に東京高裁で開かれる。
一審で堀越哲二被告は、検察側の論告に対してひたすら「その通りであります。申し訳ございません」を繰り返し、恭順の姿勢を見せていた。学校経営が苦しく、切羽詰って預かった美術品を横領してしまったことを主張し、情状酌量を狙う戦術をとっていたが、2月25日の前橋地裁の判決は、2年6カ月の実刑だった。

美術品を横領された知人が、政界フィクサーとして故後藤田正晴との親密な関係や、オウム真理教の黒幕説まで報道されたことがある朝堂院大覚(美術品の所有者は、朝堂院の息子名義)だったから、世間からは軽視されている裁判だ。
だが、堀越哲二に金を騙し取られた者や、迷惑を被った著名人は、朝堂院以外にも大勢いた。こうした被害者の声は、殆ど報道されないし、起訴状にも載っていない。
本来の戸籍名が小池哲二だった現在の堀越哲二被告が、堀越学園グループの経営権を握った経緯については、関係者の間で深刻な疑惑が囁かれていたのだ。

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「もはや、外国暮らしが長いミャンマー人にとって、ミャンマー(ビルマ)にずっと住み続けている人とは、話が合わなくなっている。だから外国人か、外国に長く住むミャンマー人と結婚したほうがいい」
ミャンマー人の夫は、こう言って、弟T(38歳)のお見合い相手をミャンマー国内で探すことに、異議を唱えはじめた。自分が外国人である日本人の私と結婚したからというのもある。だが、それ以上に、自分自身が、ミャンマー国内に住み続ける人々と意見の違いが多いのも、弟に外国人との結婚を勧める理由だ。

たとえば、家族みんなでタイに旅行する。しかしミャンマーに住む家族だけが、集合日にタイに来られなくなったと言いだす。
「占いで、この集合日に飛行機に乗るのは、運が良くないと言われたから」
しかし、日本に23年も暮らしている夫にとって、この渡航延期理由は、理屈に合わないとしか思えない。

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昨年10月12日に反骨と反権力の映画監督、故若松孝二氏(本名・伊藤孝)が、新宿区内藤町でタクシーに撥ねられ、同月17日に病院で亡くなった事故について、謀殺説が現実味を持ってきた。
前回、監督を撥ねたタクシーには、男2人、女2人の4人の乗客が乗っていたことを報告した。監督の遺族がタクシー会社で、ドライブレコーダーの映像を確認した際、車内映像を映した防犯用の車載カメラの映像も見せられ、4人の乗客の存在が確認されている。
警察は、この重要な情報をマスコミだけでなく、遺族にさえ伝えていなかった。一方で車道に向けて平行に立てた目撃者情報を呼びかける看板を設置して、あたかも目撃者を探しているような偽装工作までしていたのだ。

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倒産による失業者は特別に早く相談席をまわしてくれる。中畑清に似た失業給付担当者に呼ばれ、手馴れた対応を受ける。
「今ねえ、倒産するところ多いんですよ。中小企業は特に。それでも夜逃げってのはそんなに無いですけど。大変でしょうがお察しします」
社交的な口調で同情してくれる。私は現実逃避気味に考え事をしていた。社長夜逃げ話を漫才のように知人に披露する。暗い顔して話せば暗い話になる。それよりは明るく努めて、聴く相手を楽しませた方がいい。そのためついニヤニヤしてしまった。中畑さんは怪訝な顔をしている。

どうやら離職票が無ければ失業者としても認められない。つまり失業保険も受け取れない。会社は倒産したも同然だが、手続きをしていないから法律上は存続している。社員は実質失業しているが法的には失業者じゃない。「働く会社は無いけれど無職じゃない人、なーんだ?」なんて、なぞなぞに使える。一休さんのトンチじゃないっての。とにかく困る。ニヤニヤしている場合じゃない。といってもどうすればいいんだ。社長は居場所もわからなければ、連絡も無い。

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後で分担しようと思い、石屋に払う石塔の代金を妹に立て替えてもらおうと思ったが、メールは届かず、電話は通じない。忙しいのは分かっているが、メールも届かないというのは、どういうことだろう。
だが、そんな用件で、何度もしつこく電話をするのは、煩わしい。

銀行のローンを利用することにした。
口座のある、みずほ銀行には多目的ローンというのがある。
車購入、結婚資金、旅行費用、家電製品の購入、葬祭費用など、用途が書いてある。
まさにこういう時のために、使うべきものだろう。
年利は6パーセント程度で、せいぜい数ヶ月のうちに返すものだから、たいした額にはならないはずだ。

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未遂に終わったが、念入りに計画されていた偽装漁民の尖閣上陸作戦。
ゴールデンウィークでは、なにしろ閣僚たちも選挙のために地元に帰っている可能性が大きい。指揮系統は十分に機能するか疑問だった。
「とはいうものの、我慢できないほうが威嚇射撃を行うが、日本側が威嚇射撃を行う可能性が大きい。なぜなら、敵との距離が詰まったら、海保は睨みあうような状況に慣れていない。威嚇射撃するにしても、上空に向けて撃つよう訓練がなされている。偽装漁民は自動小銃で応戦。たちまち撃ち合いになり、双方に負傷者が出るだろう。高度な政治判断を求めて関係機関に連絡しなければならないが、中国側のハッキングですべての回線はダウンするはずです。まず中国側が行うのは、無線回線のハッキングなのです」(軍事ジャーナリスト)

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