5月17日、ディファ有明で行われた「THE OUTSIDER 第35戦」に行って見た。冒頭、前田日明代表は「本日はお忙しい中、たくさんのご来場ありがとうございます。これからもOUTSIDERの選手、いろんなところでプロとの試合、他流試合を続けていって実力を発揮してもらいたいと思います。今OUTSIDERにいる選手は本当に…OUTSIDERはじめて8年目になりますが、ちょっと今までと違った可能性を持った選手が多いように思えます。どうぞ皆さんこれからも変わらぬご支援よろしくお願いします」と挨拶。(http://battle-news.com/?p=9066

伝えられるところでは、会場の「ディファ有明」を使用するのに、地元の自治会が違法駐車やタバコの投げ捨て、車の騒音などを問題し、会場使用が危ぶまれたが、しっかりと警備をして違法駐車は限りなくゼロ、周辺にも気を遣う運営となった。

◆7年目のアウトサイダー──朝倉海を筆頭に世界に打って出て勝負している選手たちが出て来た

まあ、ボクシングやキック、プロレスリング、空手、シュートなどプロの格闘技を山ほど見てきた僕にとっては、もはやアウトサイダーに敵がいなくなった朝倉海は、プロの格闘技ライターとしては、センスがあふれる選手ゆえに凝視の対象だ(ほかの選手がダメと言っているわけではない)。それほどに、朝倉のキックやパンチなどの攻撃のコンビネーションと防御は冴えている。この日は、蹴りで相手が場外に飛び出すほどだったが、「これだけ相手が守りに入っている中でよくぞ、崩した」とプロ格闘技の記者たちをうならせた。

アウトサイダーは7年目だが「不良どうしのケンカで金をとってどうする」と揶揄された。だが、今では、選手たちが世界に打って出て勝負している。これは非常にいいことだ。

朝倉(右)と前田代表

◆格闘技を続けるために警察学校をやめた佐野哲也の安定感

実は、もうひとり注目しているのが、プロの総合格闘技家の佐野哲也だ。佐野は、埼玉大学教養学部卒の秀才で、格闘技を続けるために警察学校をやめたという異色の経歴。実は「格闘技ブログ」のライターでもあり、「書く側」と「書かれる側」でもあるのだ。 佐野は33歳とやや全盛期をすぎたきらいはあるが、やはりバウンド(寝技)でよし、打撃もよし、打ち合いもよしと三拍子そろっていて安定感がある。

次戦は7月19日に、「70-75王者」のランボルギーニ・ヨシノリとタイトルマッチを行う。

はっきりいって年齢ゆえにきついだろうが、がんばっていただきたい。

このほかにも今後は、見所がある選手がたくさん出てくるだろう。だが今の時点で、プロの格闘技ライターたる僕が注目しているのは、この2人だけだ。僕に注目されたかったら、選手よ、いい試合をやってみせよ。

◆「総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る」(前田日明代表)

さて、アウトサイダーのもうひとつの魅力は、「スペシャル・バウンサー」として、格闘家の村上和成と2ショットが撮れたり、握手したりもできるという点だ。村上の魅力をひとことで表現するもの難しいが、「PRIDE.1」時代やや佐竹と死闘を繰り広げた試合、そしてプロレス結社魔界倶楽部を知る人にとっては、「レジェンド」である。さらに、ラウンドガール(アウトサイダーではDIVAと呼ぶらしい)のレベルもかなり高いといえる。

話を試合に戻すと、表彰式が終わった後に、前田代表が「長い間のご観戦、本当にありがとうございます。冒頭にも述べましたようにですね、新選手がいろいろな地方の大会、海外の大会……まぁ勝手に出た選手もいるんですけど(苦笑)、結果良ければすべてヨシってことで。まあ知らない間にですね、どんどんOUTSIDERのリング上も実力伯仲みたいで、これからもどんどん新しい、いろいろな交流をさせていきたいなと思います。ただ世間から見たらOUTSIDERは何か不良の危険な大会って思っているようですけど、そうじゃなくてですね。本当に総合格闘技を通じて人生を正しく素晴らしいものに出来る、そういう大会にしていきたいと思います。これからも選手たちを温かく見守ってくれるよう、よろしくお願いします」と挨拶した。

また、女性選手が声援を集めたことに触れて「盛り上がったね(笑)。試合自体はなんてことない試合なんだけど、女の子のほう募集がいまいち伸びないんですよね、なかなか。一番最初女子を企画した時女の子ですごいレベルが高いジム集団みたいのがあって、そこが事務所同士で試合したくないって組めなくて、その子達が出てきたらそれはそれであるなと。でもその子達ジム生同士試合しないんで、相手になる子達がちょっとね、レベルっていうとちょっとどうなんかなって。女の子の選手の層がどれぐらいあるかってイマイチ掴めない、情報がない」と話した。(http://battle-news.com/?p=9066

今度の大会では、千両役者の吉永啓之輔も帰ってくる予定だ。

さて、夏の大会では誰がヒーローとなるだろうか。

○リングス公式サイトhttp://www.rings.co.jp/
○[youtube]The Outsider Promotion
○[facbook]株式会社リングス

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」(http://genron1.blog.fc2.com)の管理人。

不良達の登竜門「THE OUTSIDER」は凄まじ過ぎる興奮
川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化
アギーレ解任前から密かに後任候補を探していた日本サッカー協会の本末転倒

プロ野球(NPB)広島の二塁手、菊池涼介の守備力の凄さはすでにあちこちで語り尽くされているから、ここで多くを語る必要はないだろう。守備範囲の広さの目安の1つとされる捕殺数で、二塁手のNPBシーズン最高記録は昨季の菊池の535個だが、歴代2位の528個もその前年に菊池が記録したものだ。大学からプロ入りして4年目で、早くも「NPB史上最高の二塁手」と評する声も聞かれるようになったが、それは決して大げさな評価ではない。

◆新たにクローズアップされる田中の守備力

そんな菊池のいる広島で、守備力が注目されるようになった選手がもう一人いる。今季、遊撃手のレギュラーに定着した田中広輔だ。プロ入り2年目だが、大学卒業後に社会人野球を2年経験しており、菊池とは同い年である。先日、この田中の守備力に光を当てたスポーツライター小中翔太氏の以下のような記事がヤフーで配信され、話題になった。

「田中の守備は菊池以上?広島鉄壁の二遊間の守備力はNPB史上最高」

筆者も広島在住のカープファンだから、広島の試合のテレビ中継はよく観ていて、以前から田中の守備力も凄いのではないかと感じてはいた。センターに抜けそうな打球を好捕したり、内野安打になりそうな難しい打球を素早く処理してアウトにしたりという田中の好プレーを目にする機会は非常に多いからだ。

とはいえ、小中氏の記事には、田中はそこまで凄かったのかと改めて驚かされた。何でも記事によると、田中は今季、半世紀以上破られていない遊撃手のNPBシーズン捕殺記録を大幅に更新する勢いで捕殺数を伸ばしているという。田中が遊撃手のシーズン捕殺数のNPB記録保持者になれば、菊池と田中の二遊間の守備力はたしかに「NPB史上最高」と評価されていいかもしれない。ところが……。

田中がそこまで凄いなら、今季の菊池はどうなのかと調べてみると、意外な事実がわかった。なんと今季の菊池の捕殺数が「激減」しているのである。

◆菊池の捕殺数はリーグ4位に低迷?

菊池の捕殺数は5月21日時点で、42試合で128個。これは仮に今季が昨季までと同じように144試合制だとしても(※実際には今季は143試合)、シーズンの捕殺数が前年比約100個減の439個程度にしかならないペースだ。さらにこの時点でのセ・リーグ各球団の二塁手の捕殺数を比較してみると……。

1位:石川雄洋(横浜)   146(44試合) 1試合平均3.32(1位)
2位:山田哲人(ヤクルト) 142(44試合) 1試合平均3.23(3位)
3位:上本博記(阪神)   141(43試合) 1試合平均3.28(2位)
4位:菊池涼介(広島)   128(42試合) 1試合平均3.05(4位)
5位:片岡治大(巨人)   106(40試合) 1試合平均2.65(6位)
6位:亀澤恭平(中日)    80(30試合) 1試合平均2.67(5位)
※このランキングは、日本野球機構オフィシャルサイトで公表された5月21日時点の記録をもとに筆者が作成

2年続けてNPB記録を更新した菊池の捕殺数が今季はここまでセの二塁手で4位にとどまっている。各選手の出場試合数は違うが、1試合平均の捕殺数を見てもやはり4位なのは変わらない。一体どういうことなのか?

『広島アスリートマガジン』2015年5月号(サンフィールド)表紙を飾った広島「史上最高の二塁手」菊池涼介選手

◆梵は引いてくれていたが……

菊池の捕殺数が激減している原因については、可能性の1つとして、菊池が実は今年不調で、守備範囲が狭くなったことも考えてみるべきだろう。しかし、それは「ない」と断言できる。テレビ中継を観ていても、菊池の守備はNPBの捕殺記録を更新した過去2年と比べても、むしろ凄みをましている。それは決して筆者だけが感じる印象ではないはずだ。

となると、菊池の捕殺数激減の真相は……、と色々調べたところ、その答えが示されているように思える資料が見つかった。広島地方のスポーツ誌「広島アスリートマガジン」(サンフィールド)の今年5月号で、菊池本人がインタビューで次のように語っている部分である。

* * * * 以下、引用 * * * *

――現状二遊間を組む相手が固定されていませんが、動きが変わるものですか?
変わりますね。梵(英心)さんの場合は「お前がいけるところはお前がいけ」と言っていただいているので、僕は梵さんの位置を確かめずに打球にいっています。僕が打球にパっといっていれば、梵さんは引いてくれているので僕はガムシャラに守るだけという感じです。広輔(田中)は僕目線でいうと肩が少し弱いので少し前にいたり、いろんなポジショニングをしています。広輔とは距離間というか、どこまで広輔が打球に来られるかが100%把握できていないので、僕の守り方も変わってきますね。(広島アスリートマガジン2015年5月号16ページより)

* * * * 以上、引用 * * * *

このインタビューは開幕当初、田中がまだ遊撃手のレギュラーに定着しておらず、前レギュラーのベテラン梵や木村昇吾と併用されていたため、こういう話題になったのだと思われる。菊池が当時、田中とはまだ梵ほどには息が合わないように感じていたことが読み取れるが、筆者が何より注目したのは「僕が打球にパっといっていれば、梵さんは引いてくれているので……」というくだりだ。

これは裏返せば、「菊池が打球にパっといっても、田中は梵のように引いてくれていない」ということではないだろうか。つまり、昨年まで梵と二遊間を組んでいた時なら菊池が処理していたであろう「二塁手と遊撃手のどちらでも処理できる打球」を今年は田中が処理する場面が増えているのではないか。そう考えれば、田中が遊撃手のNPBシーズン記録更新をしそうな勢いで捕殺数を伸ばしていることとも辻褄が合う。

いずれにせよ、二遊間に飛んだゴロを菊池が処理しようが、田中が処理しようが、アウトになればいいわけだが、広島の試合はこの球界を代表する存在になりつつある二遊間コンビの守備の微妙な距離間に注目して観戦するのも面白いかもしれない。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

◎発生から15年、語られてこなかった関東連合「トーヨーボール事件」凄惨な全容
◎献花が絶えない川崎中1殺害事件と対照的すぎる西新宿未解決殺人事件の現場
◎高まる逆転無罪の期待──上告審も大詰めの広島元アナウンサー冤罪裁判
◎3月に引退した和歌山カレー被害者支援の元刑事、「美談」の裏の疑惑

「普通の人」こそ脱原発!──『NO NUKES voice』第4号5月25日発売!

 

3・11後に日本社会の不条理を初めて考え出した若い知人に「最近の社会問題がわかりやすくて役に立つ本はないか」とかなり前に問われたので、10冊ほどを推薦したが、その中に辺見庸の『永遠の不服従のために』、『いま抗暴のときに』、『抵抗論』(いずれも単行本は毎日新聞社、文庫本は講談社)を入れておいた。

彼の人は私に意見を求めておきながら、なかなか腰が重かったようでつい最近になって連絡があった。「教えてもらった3冊とも、もう絶版になっていて、本屋に売っていませんでした」とのことだった。先般の船戸与一の逝去についで、また「え!」とメールを見ながら声を上げてしまった。

この3冊は21世紀に入っていきなりの9・11から米国のアフガニスタン侵攻、イラク殲滅の時代に対する辺見のエッセーや取材が収められているものだが、文庫の初版は2005年だった。今日的な国家主義、ファシズム急加速の序章を詳述した10年ほど前のこの3冊は、今読んでも(否、まだ未読の方々には今の時代にこそ)示唆と警告に満ちているのだが、あろうことか絶版だそうだ。

単行本ならばともかく、文庫でも買い求める人がいなくなったということなのだろうか。この事実、私にはかなりショックである。

いつのまにか絶版本になっていた辺見庸「抵抗3部作」(『永遠の不服従のために』、 『いま、抗暴のときに』、『抵抗論』いずれも講談社文庫)

◆辺見の「悪い予感」を上回って加速する日本の終末状況

絶版になっているの知ったので、まことに大雑把な種明かしをしておこう。「抵抗3部作」とも呼ばれたこの物々しいタイトルの3冊は辺見による「戦後民主主義終了、国家主義ファシズム完成、そして戦争へ」との警鐘が綴られたものだ。往時の米国大統領はブッシュで、日本の総理は小泉純一郎。前述の通り9・11、NYでは貿易センタービルに航空機が突っ込み2つの高層ビルが崩壊、ワシントンではペンタゴン(国防総省)へも同様の航空機突入など米国史上初めて本国に甚大な攻撃を受けた事件(これに絡んでは米国の謀略説も根強いが)を引き金に、猛獣と化した米国は戦争に猛進する。小泉もあろうことか憲法前文を「解釈抽出」して実質的海外派兵を行った。

「改革の本丸は郵政民営化」とのわかったようなわからないようなワンフレーズを多用する総理は、不幸にも絶大な人気を得、共産党支持者の中でも70%が支持をした。

また小泉は朝鮮を訪問し拉致被害者の一部が帰国を果たす(当時の官房副長官は現首相安倍)が、それにより在日韓国朝鮮人への差別が一層激化した時代でもあった。排外主義の激化があからさまになりだした。

一連の出来事は主として13-14年前で、この「抵抗3部作」が文庫化されたのが10年前である。

辺見の悪い予感を上回る第一次安倍内閣誕生から、いっときの民主党政権、そして3・11を経て自民党政権回帰へと、語られるべきテーマや登場人物は明らかに悪化の一途を猛進する。戦後最悪、否新たな戦争を運命付けられた「戦前」とも言うべき時代を迎えている。

2003年頃にいわば「終末」宣言を出していた辺見にすれば、もうこの期に及んで紡ぐ言葉などない、というのが本音なのだろうか、ここ数年の辺見の文章は「最後のアジテーション」とでも表現すべき「抵抗3部作」の激情的ともいう文体ではなく、総じて詩的である。

だからこそ「抵抗3部作」は戦後民主主義の死滅がいかなるものであったかを個々が総括するために、今日的終末状況が21世紀に入りどのように加速化したかを再確認するために(この書群では当然それ以前の状況への言及も豊かだが)是非ともこの時代に読まれるべき価値があると思う。

これからさらに暴虐の時代に突入することは間違いない。その心構えはあなたにあるだろうか。

◆辺見庸「抵抗3部作」絶版は単に「売れなくなった」ことだけが理由だろうか?

戦争の時代がやってくる。どうやらそれは辺見や私が懸念していたよりも到来の時期は大幅に早まるようだ。辺見は相当な危機感とそれまでの小説やエッセーで見せたことのない(たぶん辺見自身が忌み嫌う)直接的な表現をあえて多用し危機の深刻さと重大さを吼えまくっていたのだけれども、今読み返せば辺見の咆哮はそれでもまだ足らなかったのだ。

「抵抗3部作」絶版は単に「売れなくなった」ことだけが理由だろうか、などと意味もない詮索をしてしまう自分の未練たらっしさもみっともないけれども、げに、恐ろしい時代に生きているのだと痛感する。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎5月17日熊本で知名定男プロデュースのライブイベント「琉球の風」2015開催!
◎基地も国民も「粛々」と無視して無為な外遊をし続ける安倍の「狂気と末期」
◎廃炉は出来ない──東電廃炉責任者がNHKで語る現実を無視する「自粛」の狂気
◎「テロとの戦い」に出向くほど日本は中東・アフリカ情勢を理解しているのか?

自粛しないスキャンダルマガジン『紙の爆弾』目下話題の6月号発売中!

 

毎週金曜日、総理大臣官邸~国会周辺で行われている原発に反対する抗議行動、通称「官邸前抗議」が5月22日で150回目を迎えた。
2011年に福島原発事故があり、その翌年の3月に第1回目の抗議が始まり、ほぼ毎週抗議が続けられ3年2ヶ月が経った。
その間に首相が代わり、政権も変わったが、人々の反原発の気持ちは変わっていない。

[2015年5月22日(金)・東京都]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

「普通の人」こそ脱原発!──『NO NUKES voice』第4号5月25日発売!

 

「秋篠宮ご夫妻の次女佳子さま(20)に危害を加える書き込みをインターネット上にして、皇宮警察に警戒を強化させたとして、警視庁捜査1課は21日、偽計業務妨害容疑で、無職池原利運容疑者(43)=東京都新宿区大久保=を逮捕した」

5月21日、時事通信のサイト「時事ドットコム」に、こんなニュースが掲載された。犯人は韓国人をよそおい『2ちゃんねる』に「佳子内親王を慰安婦にしよう」などと書いていたことから、ツイッター上には「韓国人はクズ」「大久保……バレバレ」「在日の仕業か」などの文字が躍った。しかし犯人は在日や韓国人どころか、新大久保でのヘイトスピーチデモに参加し、ツイッターで在特会幹部とメンションを振り合い、会話もしていた日本人の「ネトウヨ」だった。


◎[参考動画]佳子さま“脅迫”43歳男「悪ふざけ」の理由とは(15/05/21ANN)

◆「許さない」と啓発しながら「ネトウヨ」ヘイトクライムを野放しにする法務省人権救済局

韓国人をよそおい、憎悪を煽るようなマネを「スレッドを盛り上げるための悪ふざけ」(時事ドットコムより)のためにすることは、差別扇動、ヘイトクライム(憎悪犯罪)以外のなにものでもない。

「子供も見ているインターネット上で、在日への憎悪を煽る書き込みがされることは、本当に恐い。どうにか取り締まれないのか」

都内に住む40代の在日韓国人女性はそんな思いを抱き、22日に法務省人権救済局の『みんなの人権110番』に電話したそうだ。同省はヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動として『ヘイトスピーチ、許さない』というポスターを作成し、ヘイトスピーチ被害への相談窓口があることを広くアピールしているからだ。

法務省の啓発ポスター『ヘイトスピーチ、許さない』

※法務省の啓発ポスター『ヘイトスピーチ、許さない』
https://www.youtube.com/watch?v=FHGw5w299A8

「韓国人になりすまし、韓国や在日への憎悪を煽るために皇室を貶めるのは、重大な犯罪だしネットでの騒動が恐ろしい。そのような書き込みを取り締まることはできないのか」

彼女がそう言うと、電話に出た女性は、

「あなた自身の人権が侵害された際はその相手に連絡をするが、ネットで『在日韓国人』などと書き込んであるだけでは、対応することはできない」

と言ったそうだ。たとえば誰かのブログに自分の名前があげられ、そこで「あることないこと書かれていた」場合には、ブログ主に連絡をして削除要請をするが、相手が無視したとしてもとくに罰則はない。「それ以上のことを求めたいなら、弁護士に相談して欲しい」とも言われたそうだ。つまり差別扇動のために出自を偽ったり、SNS上で無責任な発言をして憎悪を煽ったとしても、法務省はなんら手を打つことはしないし、できないようだ。

◆『みんなの人権110番』に相談したら、思いっきり踏みにじられた!

また直接的な被害を受けた場合でも、犯人の特定は自身がやらなければならず、差別扇動者を探し出してはじめて、「相手と面談」しに行く。その際もあくまで「ヘイトスピーチはいけないと、止めるように要請する」のみ。面談自体も「応じてくれれば行くが、拒否することも可能」(担当者)。

では実際に面談して相手と話し合ったことがあるのか。そしてその後、ヘイトスピーチは止んだのか。彼女がそう質問すると「相談者から報告が来ることもあるが、事後調査はしていない」との答えが返ってきた。

「在日朝鮮人」へのネットでの差別扇動を止めることもできないどころか、直接被害に遭ったとしても、犯人を捜し出すのも慰謝を要求するのもすべて、本人か弁護士任せ。差別扇動がやんだかの、事後調査すらしない。ならば一体『みんなの人権110番』は、なんのために存在するのか。

「法務省が相談にのってくれる」と、希望を抱いた被差別者達を思いっきり踏みにじる結果になった法務省の『みんなの人権110番』。4月27日付の朝日新聞では、「(法務省はヘイトスピーチへの相談において)『精緻(せいち)に対応できる職員』を各法務局に置く方針」に触れていたが、現段階の対応は、精緻とはとても言い難い。その精緻な職員が育つまでの間、一体どれだけの人が差別扇動に苦しまなくてはならないのか。呆れるばかりの対応しかできないのが、日本の人権機関の実情のようだ。

▼柳瀬川みずほ
ニューヨーク州生まれ埼玉育ち。大学卒業後OLを経て、現在は政治から恋愛までを、ぬるま湯程度の熱さで神出鬼没に語る、女子力高め(になりたい)ライター。

◎「普通の人」こそ脱原発!──『NO NUKES voice』第4号が5月25日発売!
◎公正な社会を求める企業は脱原発に動く──『NO NUKES voice』第4号発売!
◎関西大学の教壇で鹿砦社の松岡社長が〈生きた現実〉を語る!

「普通の人」こそ脱原発!──『NO NUKES voice』第4号が5月25日発売!

 

松岡利康=鹿砦社社長(2015年5月22日関西大学)

関西大学で共通教養科目の中のチャレンジ科目として開講されている『人間の尊厳について』で5月22日、講師としてついに松岡社長が教壇に立った。浅野健一同志社大学大学院社会学研究科博士課程教授(京都地裁で地位確認係争中)に次いでの登場で、出版人として受講学生に松岡節が披露された。

さて、どんな講義が展開されるやら。鹿砦社、松岡社長が学生にどんな球を投げかけるのか。ど真ん中の直球か、胸元すれすれのブラッシュボールか、と期待半分に案じていたが、内容は至極穏やか、かつ優しさに満ちた講義となった。

◆〈社会〉との関わりの中で〈死んだ教条〉ではなく〈生きた現実〉を語る

配布されたレジュメは「はじめに─〈人〉と〈社会〉との関わりの中で、〈死んだ教条〉ではなく〈生きた現実〉を語れ!」と勢いのある書き出しから始まる。学生運動経験のある松岡社長のことだ、その後にアジビラ風の文章が続くと思いきやそうではなかった。レジュメは出版のあれこれというよりは松岡社長が社会的に手掛けている活動紹介が中心となっている。

したがって講義内容も出版人というよりも松岡社長(鹿砦社)がどのように「社会」と関わっているか、関わりを創造しているか、の紹介に主眼が置かれていた。

◆「人権破壊」としての福島原発事故への衝撃から『NO NUKES voice』発刊

最初に言及されたのが「人権破壊」としての「脱(反)原発」活動への関わりだ。福島原発事故に強い衝撃を受け、また怒った出版人として『NO NUKES voice』を発刊したことがまず紹介された。

『NO NUKES voice』Vol.1(2014年08月25日刊)~Vol.4(2015年05月25日刊)

◆左右問わず生きた思想」を学ぶ場としての「西宮ゼミ」

次いで、鹿砦社本拠地で続けられている「西宮ゼミ」に寄せる思いと意義に言及した。関西で鹿砦社と言えば「西宮ゼミ」と言われるほど浸透した感のあるこの企画も、単なる出版にとどまらず、「左右問わず生きた思想」を学ぶ場として市民に提供してきた意義を述べ、これまでの登場した全ての講師陣が資料で紹介された。

2015年の「西宮ゼミ」は「前田日明ゼミin西宮」。第3回は2015年6月7日(日)14:00よりノボテル甲子園にて開催。ゲストはジャーナリストの田原総一朗さん。お題は「戦後レジームの正体を総括する!」

◆鹿砦社はなぜ、Paix2(ぺぺ)「プリズンコンサート」や熊本「琉球の風」を支援し続けてきたのか?

その後は、これまた鹿砦社が長年応援している女性デュオ「Paix2(ぺぺ)」の紹介だ。「プリズンコンサート」でついに全国すべての刑務所を制覇した「Paix2(ぺぺ)」。その活動を高く評価する松岡社長が支援する意味と出版の結びつきについて思いが語られたが、その真意は次週の講義で更に重みを増し、学生に伝わることになろう。

『逢えたらいいな プリズン・コンサート三〇〇回達成への道のり 』(2012年04月20日鹿砦社)


◎[参考動画]Paix2(ペペ)「受刑者のアイドル 網走刑務所」(2014年12月NHK放送)
◎[参考動画]Paix2(ぺぺ)公式youtubeチャンネル

更にはつい先ごろ7回目の開催となった「琉球の風」への協賛とそれに至る経緯が語られ。主たる講義部分は終了した。どれもこれも「社会」、「人間」との生きた繋がりを示す実践であり、素人が想像する専門職的な出版や編集の話とはほとんど無縁だ。

『島唄よ、風になれ!「琉球の風」と東濱弘憲』(2013年11月25日鹿砦社)


◎[参考動画]「熊本に流れる琉球の風」(2012年9月NHK放送)

これは一般的な出版社社長の講義ではない。自社発行物の紹介が無かったわけではないけれども、月刊誌『紙の爆弾』 に言及することもなければ、出版差し止めの苦い経験も語られなかった。敢えて名づければ「社会派企画出版社」の活動実績報告に近いだろうか。

「琉球の風」を語り終わった後には同イベントの様子を記録したDVDが約30分教室で流された。昼食直後の時間帯ということもあり、講義の最中には安らかにお休みになっている学生諸君の姿も散見されたが、DVDの映像が流れると目を覚まし熱心に見入る姿が印象的だった。

島唄の大御所で琉球の風」総合プロデューサー知名定男さん(写真中央)、「かりゆし58」前川真悟さん(右)、松岡利康鹿砦社代表(2015年5月17日「琉球の風~島から島へ2015」会場にて)

◆次回5・29関西大講義の「松岡弾」がいかなるものになるか?

2回連続の講義の初回、松岡社長はたぶん、学生に「言葉」で伝えようと内心弾倉に込めている弾薬を放ちはしなかった。学生に理解しやすい内容でまずは肩に力を抜いてもらい、胸襟を開いた学生たちに「価値観」を揺さぶる衝撃を次回講義に準備しているのではないか。

松岡社長によると、講義の感想を記した学生の感想文は「琉球の風」DVDの内容に感激した内容が多かったそうだ。学生の多くは初回講義である種の「油断」をしたのではなかと私は目星をつけている。そして、それは松岡社長の狙い通りだ。次回講義の「松岡弾」がいかなるものになるか、恐らく松岡社長の壮絶な過去を知らない学生諸君よりも私の方が楽しみにしているかもしれない。5・29関西大学で何が起こるだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎公正な社会を求める企業は脱原発に動く──『NO NUKES voice』第4号発売!

脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』Vol.4、5月25日発売開始!

http://www.rokusaisha.com/

恐くはないのかな。
自分とは全く関係がないと思っているのかな……

原発事故後暫く、東京を中心とする関東地方と東北の人々は「官制報道」の中からだけであっても放射能の恐怖を心底感じていた。スーパーマーケットに並ぶ「ミネラルウオーター」はあっという間に店頭から姿を消し、電車に乗れば携帯電話が「緊急地震速報」を伝えるあの独特な「クイックイックイッ」という不気味な音を何度も同時に発していた。

◆「恐怖は持続しない」日常だが「原子力緊急事態宣言」は発令されたまま

いつ次の大余震が来るか、あるいは震源を別にする直下型の「21世紀関東大震災」が起こるのか、恐怖を抱いていた人の数は少なくなかったはずだ。だがあらゆる災禍について、人間の心理を言い当てた言葉がある。

「恐怖は持続しない」

地震への不安が無くなったわけではない。福島第一原発からは相変わらず膨大な汚染水がとどまることなく漏れ出していることも知っている。溶け落ちた炉心がどこにあるかは分からないし、「原子力緊急事態宣言」は相変わらず発令されたままだ。

でも、2011年3月11日から今日へ至る「恐怖」のレベルは(相当乱暴にまとめてしまえば)、一部の人々を除き確実に下降している。それはもっともなことであって私は被害者の誰をも責めるつもりはない。「恐怖」に支配された日々を耐え忍ぶ神経など通常の人は持ち合わせていない。戦場に暮らす子供達は爆撃の危険を身に染みて知りながらも、天気の良い日は外で遊びに興じるだろうし、難民キャンプの避難民たちも行く末に不安を抱きながらも気晴らし(それが実際はどんなものかは知らないけれども)の1つに苦渋を忘れなければ、その1日をやり過ごすことはでいないだろう。

◆「デモは生活の一部である―そんなふうに考えなくちゃいけない」

そこで日本の原発問題だ。ポスト3・11、確かに目に見える市民の変化はいくつも起こっている。事故前から脈々と続いてきた主として原発立地に依拠した反対運動に加えいくつもの大衆運動、とりわけ「デモ」文化が再生した。その様子は本誌巻頭で報告されている秋山理央氏のレポートが実につぶさである。その中で秋山氏は述べている。

「デモはお祭りのような特別なイベントではなく、生活の一部である―そんなふうに考えなくちゃいけない」

数々のデモや集会を撮影取材している秋山氏の至言だ。

で、しかしながら直視すべきはその参加者の構成だ。この国の人口構成比と均等ではない。批判を恐れずに言えば若者のデモ参加者は相変わらず少数だ。各地で開かれる集会や勉強会に「初めて」足を運ぶ人の数は増加しているだろうか。いつも監視している公安警察にこっそり教えて貰えば「いや、ここ数年あまり変化ないですね」と言われないだろうか。

◆パタゴニア京都ストアーマネージャー瀬戸勝弘さんたちの行動

被災地以外で暮らす労働者や主婦、学生達。その圧倒的な覚醒と行動なしには現状打破はたぶんない。ではどうすればその「難題」に立ち向かえるのか。それへ向けた回答の1つがNO NUKES voice4号にはある。「城南信用金庫」と「パタゴニア」(Patagonia)の試みだ。「城南信金」の吉原毅理事長の活躍は原発問題に関心を持たれる方であればご存知であろう。金融機関機関経営者でありながら独自の哲学を業務に活かす稀有な人物。「脱原発」を信条とする彼の信念が詳しく紹介されている。

そして私が最も注目したのが、パタゴニア京都ストアーマネージャー瀬戸勝弘さんのインタビューだ。「パタゴニア」は米国資本のアウトドア商品や衣料品を扱う小売店だが、3月7日瀬戸さんは会社と相談したうえで「3・7バイバイ原発きょうと」に、なんと「従業員がデモに参加する選択しを与えるため一時閉店」を敢行し、瀬戸さんはじめ店の従業員全員が自分の意思で「3・7バイバイ原発きょうと」に参加した。環境問題を意識した企業理念を掲げている会社とはいえ「店を閉めて」までの集会参加は耳にしたことがない。来客者向けに行ったTwitterなどでの事前「一時閉店」告知には凄まじい反応があったそうだ。それはそうだろう。瀬戸さんの行動とその及ぼす影響が、これからの脱原発運動に大きな示唆を与えるものであることは間違いない。

動かないのだ。どう語りかけたら、何を示したら反応してくれるのか。散々逡巡しているけれども彼ら(若者)は動かない、伝わらない。きっとそれを語る私自身が胡散臭かったり「ああ、また面倒くさいこと言っている」と思われていることを実は自覚している。でも冒頭の通りだ。

恐くはないのかな。
自分とは全く関係がないと思っているのかな……

少なくともこのことだけでいい、感じてほしいという絶望的な気持ちを「パタゴニア」の行動は打破してくれるきっかけになるに違いない。この企業行動とインタビューは必読だ。

patagonia says No nukes Go Renewable 2015

Go Renewable 2015 : パタゴニア従業員がみずから行動する理由

◆優しさの中に希望を見せてくれる加藤登紀子さんの「檄」


◎[参考動画]加藤登紀子 「難破船」(2012年6月17日放送「Net’s Professionals」)

NO NUKES voiceが果たすべき役割(それは途方もなく困難なものだけれども)はこの現状を少しでも動かすことに置かれている。その点で本号は2つの役割を果たしていると言えよう。1つは既に述べた「困難な現状打破」への試行と連帯。そして次には既に原発問題への関心を持つ方々へのより深い情報や知識の提供、更には「檄」である。本号の「檄」は何と言っても巻頭を飾る歌手加藤登紀子さんのロングインタビューだ。

藤本敏夫さんとの獄中結婚を本コラム読者ならご存知だろう(か)。数々の名曲を歌い上げ今もエネルギッシュに活動を続ける加藤登紀子さん、実は恐ろしいほど酒が強い。そして彼女の生声(放送や録音でもすばらしいが、生は全く違う)を聞いた時に文字通り背中がゾクッとした記憶が蘇る。あんな美声に貫かれたのは後にも先にも一度きりだ。

「おときさん」(加藤登紀子さんの愛称)があの声で、皆さんに(声は聞こえないけれども)語り掛ける「檄」は優しさの中に希望を見せてくれる。

「No Nukes voice」は更に加速する!


◎[参考動画]加藤登紀子「この空を飛べたら」

▼田所敏夫(たどころ としお)

兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』Vol.4は本日発売です!

『NO NUKES voice』Vol.4
【主な内容】

《表紙&フォトレポート》ALL STOOD STILL
秋山理央(フォトジャーナリスト)

《スペシャル・インタビュー》
3・11って ある種の革命だったのかもしれません
加藤登紀子さん(歌手)

《3.11以降の日本を生きるこどもたちへ》
松本春野さんからもんじゅ君への手紙

《脱原発、企業の取り組み》インタビュー

地域を越え社会貢献を果たす地域金融機関の展望
吉原毅さん(城南信用金庫理事長)

パタゴニアがデモに参加した理由
瀬戸勝弘さん(パタゴニア京都ストアマネージャー)

《報告・レポート》
廣瀬直己東電社長への直撃!(本誌特別取材班)

3・11から4年─改めて福島原発事故に向き合う
山崎久隆さん(たんぽぽ舎)

原子力規制委員会は再稼働推進委員会
木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

[資料]高浜原発3、4号機再稼働差止仮処分決定要旨(全文)

福島から避難する人も福島に残ると決めた人も精一杯の選択だった
木幡智恵子さん(避難者の会おひさまカフェ)

原発プロパガンダとは何か?[第2回]福島民報・福島民友
本間龍さん(作家)

若者よ学べ そして考えろ 決して騙されてはいけない これ以上は…
納谷正基(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)

原発反対!★首都圏反原発連合台湾訪問
首都圏反原発連合

《講演》なぜ原発は人類と共存し得ないのか?
木原牀林さん(京都悠悠化学研究所主宰)

《運動情報》なぜ、九州電力川内原発が再稼働第一号か?
小川正治さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

《運動情報》経済産業省前テントひろばに対する不当判決を弾劾する!
三上治さん(経産省前テントひろば)

…and more!

http://www.rokusaisha.com/

『NO NUKES voice』Vol.4(『紙の爆弾』2015年6月号増刊)

世代、地域を超えて「普通の人々」の常識から原発なき社会をつくりだす──。その最前線の声を全国から集めた脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』Vol.4(『紙の爆弾』2015年6月号増刊)が明日5月25日に発売です!

◆「愛」を歌い続けて半世紀──加藤登紀子さんが巻頭インタビューに登場!

巻頭インタビューは、今年アーティスト活動50周年を迎える“おときさん”こと、加藤登紀子さんが登場!東日本大震災後は避難所でのライブや基金の設立など、歌と行動を通じて「愛」を伝え続けるおときさんの今、伝えたいことをお聞きしました。


◎[参考動画]加藤登紀子「原発ジプシー」(2011年7月30日FUJI ROCK FESTIVAL)


◎[参考動画]加藤登紀子「時には昔の話を」(映画『紅の豚』エンディングテーマ主題歌)


◎[参考動画]日本生物地理学会市民シンポジウム「次世代にどのような社会を贈るのか?
“対論!人類は原発-をどうするのか?”」での加藤登紀子さんのコメントおよびアカペラ(2014年4月12日)

◆企業の合理・倫理としての脱原発──先達の「城南信用金庫」と「パタゴニア」

また、脱原発を推進する企業として有名な「城南信用金庫」(吉原毅理事長)と「パタゴニア」の両社の取り組みもインタビュー。地元に根付く金融機関と、グローバルに展開するアウトドア用品ブランドが呼び掛ける脱原発とは?たっぷり語っていただきました。


◎[参考動画]城南信用金庫が原発を使わない電力会社への契約切替発表(2011年12月2日本店での記者会見)

◆福島で生きる子どもたちを描いた絵本作家=松本春野さんの思い

そして絵本画家いわさきちひろさんの長男・松本猛さんと、孫の春野さんによる原発事故後の福島で生きる子どもを描いた話題の絵本『ふくしまからきた子 そつぎょう』に込められた福島への思いを、著者の松本春野さん自身が綴ります。

◎[参考動画]NO NUKES DAY国会前での松本春野さんスピーチ(2015年3月8日)

本誌特別取材班による廣瀬直己東電社長への直撃ルポや、原発とメディアの「不適切な関係」を暴き続ける作家・本間龍さんの連載といった“トガった”トピックや最新運動情報も掲載!

世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試みる『NO NUKES voice』にご期待ください!

『NO NUKES voice』Vol.4
【主な内容】

《表紙&フォトレポート》ALL STOOD STILL
秋山理央(フォトジャーナリスト)

《スペシャル・インタビュー》
3・11って ある種の革命だったのかもしれません
加藤登紀子さん(歌手)

《3.11以降の日本を生きるこどもたちへ》
松本春野さんからもんじゅ君への手紙

《脱原発、企業の取り組み》インタビュー

地域を越え社会貢献を果たす地域金融機関の展望
吉原毅さん(城南信用金庫理事長)

パタゴニアがデモに参加した理由
瀬戸勝弘さん(パタゴニア京都ストアマネージャー)

《報告・レポート》
廣瀬直己東電社長への直撃!(本誌特別取材班)

3・11から4年─改めて福島原発事故に向き合う
山崎久隆さん(たんぽぽ舎)

原子力規制委員会は再稼働推進委員会
木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

[資料]高浜原発3、4号機再稼働差止仮処分決定要旨(全文)

福島から避難する人も福島に残ると決めた人も精一杯の選択だった
木幡智恵子さん(避難者の会おひさまカフェ)

原発プロパガンダとは何か?[第2回]福島民報・福島民友
本間龍さん(作家)

若者よ学べ そして考えろ 決して騙されてはいけない これ以上は…
納谷正基(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)

原発反対!★首都圏反原発連合台湾訪問
首都圏反原発連合

《講演》なぜ原発は人類と共存し得ないのか?
木原牀林さん(京都悠悠化学研究所主宰)

《運動情報》なぜ、九州電力川内原発が再稼働第一号か?
小川正治さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

《運動情報》経済産業省前テントひろばに対する不当判決を弾劾する!
三上治さん(経産省前テントひろば)

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長打はあるが、守備はまるでダメ。拙守を連発し、5月7日に選手登録を抹消して二軍落ちし、調整している「問題助っ人」のホアン・フランシスコ(巨人)の傲慢なふるまいが話題になっている。

「ロッカールームから若手を締め出して音楽を大音量で聴いていた」「川相二軍監督が『グッドモーニング』と挨拶をしたら無視した」などなど、その破天荒な振る舞いには枚挙にいとまがないが「このところ、練習が終わると川崎の風俗街に直行しています」というから驚きだ。

◆「ジャパンのソープガールはいいぞ」と来日前に聞いて川崎通い

「なんでも来日する前に『ジャパンのソープガールはいいぞ』と前新のトロント・ブルージェイズで、日本に留学したことのある選手に聞いたらしい。練習が終わると、いちもくさんに川崎にタクシーで直行するので『あの熱心さが試合でも出てくれればいいのですが」とコーチ陣も頭を抱えている。

フランシスコは5試合で18打数3安打で打率は1割6分7厘、0本塁打で11三振、守備で2失策と、まるで役にたっていない。守備の下手さは折り紙つきで、2軍の試合でも不通のゴロを1塁手として処理するのに「おおっ」と観衆の歓声があがるほどだ。

「あんなにぶよぶよの身体で本当に野球ができるかどうかは、巨人はきちんと確認していない。中日は獲得を見送っていることだし、チーム編成の責任を問う声が出てきている今、ソープ三昧とはあきれるね」(スポーツ紙記者)

◆「あいつに川崎の風俗への案内をしたのは誰か?」と巨人内部では犯人探し

それにしても、フランシスコが遊び人だったとは、これもリサーチ不足というべきか。

「いや、アメリカではああいう明るくて破天荒な選手はモテるんですよ。遠征中に女とどこかドライブに出かけて練習をすっぽかしたこともブルージェイズ時代は頻繁にありましたね」(同)

巨人の内部では、「あいつに川崎の風俗への案内をしたのは誰か」と犯人探しが始まっているようだが、いまでは、海外旅行用に川崎の風俗ガイドも英語で案内がサイトに出ている時代。「二軍で調整されているのは、少し体重を絞ることと、守備のフォーメーションを覚えさせることだが、あいつはまったく覚える気がないようだ。まあ、夜は『ホームラン』をかっとばしているようだがね」(巨人関係者)

巨人では、阿倍と坂本が怪我から復調して戻ってきた上に、ファーストができる人材はひしめいている。一軍に呼ばれそうもない状況がフランシスコの風俗遊びに拍車をかけているのか。

「適当にプレイして遊んで帰国するでしょう。別に活躍しなくても契約金2000万円、年棒1億2000万円は減らされるわけがないですからね」(同)

いまだに「ドミニカに帰れ」と二軍の試合で言われる彼が、本気で野球をやる日は来るのだろうか。

◆外国人選手の獲得があまりに下手な読売ジャイアンツの時代遅れ

だいたいにおいて、もう旬がすぎた「キューバの怪人」、セペタを34歳の時点で獲得し、いきなり4番に据えるなど、もはやあいた口がふさがらない采配をした。

「キューバ政府とでも密約があったのかね。キューバでは英雄だろうが、しょせんはアマチュア。いきなり来日して打てるほど、プロは甘くないよ」(巨人関係者)

さらに、今年はホレダ、マイコラスなどが投手として健闘しているので、めずらしいほどのあたり年だといえる。ただ、アンダーソンがいるかぎり、フランシスコを使うのは、やはり無理がある。原監督は、フランシスコをサードとして起用するつもりらしいが、あの守備は中学生以下だ。エラーが続出するのが目に見えている。

僕は、外国人の助っ人は、「そんなすごいやつがどうしてアメリカで活躍できなかったのか」という風に感想を漏らすようなすごいやつをつれてくるのがスカウトの腕だと考えている。

たとえばアメリカでは通用しないが、いきなり日本に水が合うような、たとえばヤクルトのバレンティンのような選手。そうした発掘ができない球団は、これから生き残れないだろう。

札束でビンタしてメジャーリーガーを連れてきても、役にたたないことは歴史が証明している。それなのに、いまだにメジャーリーガーを連れてこようという巨人は、時代遅れの野球をしているのだ。

ともあれ、近く、プロ野球は「セ・パ交流戦」に入る。助っ人外国人がどれくらい活躍しているか、年棒と照らし合わせてビールを飲みながら観戦するのも、また一興かもしれない。

(小林俊之)

◎売り子に視界を遮られ、肝心なプレイを見逃す東京ドームのキャバクラ化
◎アギーレ解任前から密かに後任候補を探していた日本サッカー協会の本末転倒

4月22日昼、反原発をアピールする目的で首相官邸の屋上に小型の無人機、「ドローン」1機を落下させ、逮捕された影響は大きい。 全国で、公園や公共施設でドローンでの遊技が禁止されているようになり、法規制も検討されるようだ。「まじめに遊んでいる愛好家にはいい迷惑」の声も聞かれるが、「規制前にひと儲け」を企む連中がいる。

「いわゆる盗撮フリークですよ。真上にドローンを飛ばして、海の家から着替えシーンなどを撮影する。もちろん高性能カメラを装着しなくてはなりませんが、早くも九十九里浜では、あるチームが風向きの分析に興じているそうです。今年の夏は、海の家は軒並み、天井をつけなくてはなりませんね」(警察関係者)

カメラ搭載のドローンは、今や1万円前後で購入でき、メカに詳しくなくても、ロケーションさえ把握していれば、自在の場所にドローンを飛ばすことができる。

◆盗撮マニア向けのドローン撮影講習会も

「実は、報道されていませんが、盗撮マニアの間では、野外プレイを楽しみカップル向けに、真上からそのプレイを撮影する技術の講習会がマニア向けにあったようで、どんどん技術的には盗撮マニアの連中が腕を磨いています」(同)

実際に、そうした「盗撮マニア」向けのアダルトショップに行ってみるとドローンを使って女子高のテニス部の様子や、体育館をのぞき見したような映像、または、どう撮影したのか、女子小学生がプールで泳いでいるような映像も販売されています。彼らは、縦横無尽にドローンを動かして、撮影ポイントをなんとかして見つけて、エロい映像を切り取るプロなのだ。

「実は男女混浴で露天風呂を楽しむサークルがあって、ヌーディストたちがある温泉に集まっていたこともあったのだが、その情報すらも漏れていて、ドローンが入り込んで撮られたという話を聞いた」(都内スポーツショップ店員)

さて、女の露出があらゆる機会に増えるシーズンに入り、「ドローン」を使ってエロいシーンを撮るプランがそこかしこで練られているにちがいない。まあ彼らを追跡して捕まえようにも「ドローン」してしまって尻尾すらつかませないのだからやっかいだ。

◆「まさか空中にも警備が必要な時代が来るとは」と警備会社は大わらわ

警備会社は今、大わらわだ。実は福島第一原発で作業をしている人たちに聞くと「ドローンが原発の作業区域内にやってこないとも限らない」として、空中の警備をどうするか、東京電力や作業の請負い会社などが真剣に警備計画の見直しに入った。

万が一、原発の建屋に、危険な薬品を積んだドローンが飛んでこないとは、誰も言い切れないのだ。

果たして、法律の整備が追いつくだろうか。

たとえば、5月19日の中日新聞にはこんな記事が出ていた。
—–※—–※—–※—–※—–
ドローン規制条例を検討 サミット前提に知事 [中日新聞]
鈴木英敬知事は18日、志摩・賢島での開催を目指す2016年の主要国首脳会議(サミット)に関連し、賢島を含めた伊勢志摩国立公園の指定区域で小型無人機(ドローン)の使用や飛行を規制する罰則付きの条例を検討するよう庁内に指示したことを明らかにした。県内開催が決まった場合に制定する。県庁で記者団に述べた。
県サミット誘致推進プロジェクトチームなどによると、伊勢志摩国立公園は自然公園法が適用されるが、同法は景観や希少な動植物の保護が主眼で、ドローンの規制は困難。そこで要人の移動や宿泊、会議の出席などが想定される場所やルートを県が独自の条例で指定し、規制する。
鈴木知事は「(ドローンの法規制を検討している)国に呼応し、要人警護では万全を期したい」と強調。条例はサミット開催前後の期間も含んで適用する時限的な制定とし、年内にも県議会へ提出する意向を示した。同チームによると、ドローンの規制をめぐっては、軽井沢へのサミット誘致を目指す長野県の阿部守一知事も時限的な規制を検討する考えを示している。(相馬敬)
—–※—–※—–※—–※—–

まあ、サミットでドローンによるテロなどが起きたら大問題だ。「こんなところで五輪をやっている場合か」という議論にもなりかねない。

◆松本清張の小説世界もドローンがあれば実現できる『十万分の一の偶然』

昔、松本清張の小説『十万分の一の偶然』では、スクープ写真を撮りたいがために、走るトラックにラジコンでヘリコプターをトラックすれすれに飛ばす、というカメラマンが描かれたことがあるが、それは、確かに「痕跡がないので事故と呼ばざるを得ない」という状態を作った。今、ドローンはうまく使えば殺人すらも遠隔操作でできそうなほど(煙突から毒をまくなど)だが、ミステリー小説顔負けになるほど、この玩具は進歩したのだ。

ある面では、こうしたテクノロジーが進化するのは「戦争のせい」だ。グーグルアースがここまで発展したのだって、インターネットがここまで発展したのも、戦争の副産物だ。だが、戦争によって発展してきたものが、戦争に使われてはならない。ここは1つ、人類は知恵を集めて、ドローンを、なんとか人類が役にたつ方向、たとえば事故で閉じ込められた被災者に食料を渡すなど、でつかわれることを切に望むものである。

(小林俊之)

◎反原発の連帯──来年4月、電力は自由化され、電力会社を選べるようになる
◎見直すべきは選挙制度であって、憲法ではない──横浜「5.3憲法集会」報告
◎731部隊の「ガチンコ人体実験」跡をユネスコが「世界文化遺産」と認める日

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