4月22日昼、反原発をアピールする目的で首相官邸の屋上に小型の無人機、「ドローン」1機を落下させ、逮捕された影響は大きい。 全国で、公園や公共施設でドローンでの遊技が禁止されているようになり、法規制も検討されるようだ。「まじめに遊んでいる愛好家にはいい迷惑」の声も聞かれるが、「規制前にひと儲け」を企む連中がいる。

「いわゆる盗撮フリークですよ。真上にドローンを飛ばして、海の家から着替えシーンなどを撮影する。もちろん高性能カメラを装着しなくてはなりませんが、早くも九十九里浜では、あるチームが風向きの分析に興じているそうです。今年の夏は、海の家は軒並み、天井をつけなくてはなりませんね」(警察関係者)

カメラ搭載のドローンは、今や1万円前後で購入でき、メカに詳しくなくても、ロケーションさえ把握していれば、自在の場所にドローンを飛ばすことができる。

◆盗撮マニア向けのドローン撮影講習会も

「実は、報道されていませんが、盗撮マニアの間では、野外プレイを楽しみカップル向けに、真上からそのプレイを撮影する技術の講習会がマニア向けにあったようで、どんどん技術的には盗撮マニアの連中が腕を磨いています」(同)

実際に、そうした「盗撮マニア」向けのアダルトショップに行ってみるとドローンを使って女子高のテニス部の様子や、体育館をのぞき見したような映像、または、どう撮影したのか、女子小学生がプールで泳いでいるような映像も販売されています。彼らは、縦横無尽にドローンを動かして、撮影ポイントをなんとかして見つけて、エロい映像を切り取るプロなのだ。

「実は男女混浴で露天風呂を楽しむサークルがあって、ヌーディストたちがある温泉に集まっていたこともあったのだが、その情報すらも漏れていて、ドローンが入り込んで撮られたという話を聞いた」(都内スポーツショップ店員)

さて、女の露出があらゆる機会に増えるシーズンに入り、「ドローン」を使ってエロいシーンを撮るプランがそこかしこで練られているにちがいない。まあ彼らを追跡して捕まえようにも「ドローン」してしまって尻尾すらつかませないのだからやっかいだ。

◆「まさか空中にも警備が必要な時代が来るとは」と警備会社は大わらわ

警備会社は今、大わらわだ。実は福島第一原発で作業をしている人たちに聞くと「ドローンが原発の作業区域内にやってこないとも限らない」として、空中の警備をどうするか、東京電力や作業の請負い会社などが真剣に警備計画の見直しに入った。

万が一、原発の建屋に、危険な薬品を積んだドローンが飛んでこないとは、誰も言い切れないのだ。

果たして、法律の整備が追いつくだろうか。

たとえば、5月19日の中日新聞にはこんな記事が出ていた。
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ドローン規制条例を検討 サミット前提に知事 [中日新聞]
鈴木英敬知事は18日、志摩・賢島での開催を目指す2016年の主要国首脳会議(サミット)に関連し、賢島を含めた伊勢志摩国立公園の指定区域で小型無人機(ドローン)の使用や飛行を規制する罰則付きの条例を検討するよう庁内に指示したことを明らかにした。県内開催が決まった場合に制定する。県庁で記者団に述べた。
県サミット誘致推進プロジェクトチームなどによると、伊勢志摩国立公園は自然公園法が適用されるが、同法は景観や希少な動植物の保護が主眼で、ドローンの規制は困難。そこで要人の移動や宿泊、会議の出席などが想定される場所やルートを県が独自の条例で指定し、規制する。
鈴木知事は「(ドローンの法規制を検討している)国に呼応し、要人警護では万全を期したい」と強調。条例はサミット開催前後の期間も含んで適用する時限的な制定とし、年内にも県議会へ提出する意向を示した。同チームによると、ドローンの規制をめぐっては、軽井沢へのサミット誘致を目指す長野県の阿部守一知事も時限的な規制を検討する考えを示している。(相馬敬)
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まあ、サミットでドローンによるテロなどが起きたら大問題だ。「こんなところで五輪をやっている場合か」という議論にもなりかねない。

◆松本清張の小説世界もドローンがあれば実現できる『十万分の一の偶然』

昔、松本清張の小説『十万分の一の偶然』では、スクープ写真を撮りたいがために、走るトラックにラジコンでヘリコプターをトラックすれすれに飛ばす、というカメラマンが描かれたことがあるが、それは、確かに「痕跡がないので事故と呼ばざるを得ない」という状態を作った。今、ドローンはうまく使えば殺人すらも遠隔操作でできそうなほど(煙突から毒をまくなど)だが、ミステリー小説顔負けになるほど、この玩具は進歩したのだ。

ある面では、こうしたテクノロジーが進化するのは「戦争のせい」だ。グーグルアースがここまで発展したのだって、インターネットがここまで発展したのも、戦争の副産物だ。だが、戦争によって発展してきたものが、戦争に使われてはならない。ここは1つ、人類は知恵を集めて、ドローンを、なんとか人類が役にたつ方向、たとえば事故で閉じ込められた被災者に食料を渡すなど、でつかわれることを切に望むものである。

(小林俊之)

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