江幡睦は過去、フォンペートとは4戦してキックルールで2勝。ムエタイのラジャダムナンタイトルマッチで2敗となった因縁の対戦。この日の決着戦となる5戦目ではキックルールで江幡睦の判定勝利で3勝2敗と勝ち越しました。また互いにラジャダムナン王座を争う立場になればわかりませんが、おそらくこれ以上再戦することは無いでしょう。

KOへの切っ掛けを探りたい江幡睦、フォンペートも倒されない自信を持つ攻め

フォンペートが江幡睦の手を上げる姿を見て、そんな安堵感ある表情に見えました。もし第6戦目があっても、たぶんこの二人が引退後、歳取って再会し、酒を酌み交わす日が来るでしょう。そんな腐れ縁ともなる忘れ得ぬ因縁を引きずったような気がします。

先日の市原臨海体育館で行われた蘇我英樹の引退興行で、大月晴明と2度戦い2度とも激戦を経て敗れた蘇我も、大月とは忘れ得ぬライバルとなり、この二人は何年経っても忘れ得ぬ想い出を語り合うことでしょう。

「腐れ縁ともなる忘れ得ぬ因縁を引きずった年月」は激戦を繰り返したり、不可解な判定やアクシデントに見舞われたり、敗れてもしつこく挑戦を繰り返す対戦で、これが最後の再戦となる試合の後は因縁を忘れ、本音の笑顔で握手する、そんな微笑ましいシーンは多く見られます。過去、有馬敏(大拳)VS須田康徳(市原)や、飛鳥信也(目黒)VS山崎道明(東金)など、好ファイトでしたが判定では因縁を引きずりました。

TITANS NEOS 19 / 2016.4.17後楽園ホール(17:05~20:55)
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

◆54.5kg契約 5回戦

WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/54.5kg)
       VS
フォンペート・ チューワタナ(元ラジャダムナン系バンタム級C/タイ/54.4kg)
勝者:江幡睦 / 2-1 (49-48. 48-49. 50-47)

江幡は勝手知ったる相手にKOに結び付けたいところ、速く鋭く積極的に強く蹴り攻め続けるも、フォンペートもカマセのつもりで来てはいない。しなやかな左右のミドルキックは鋭く重く、江幡睦を苦しめました。また組み合えば得意のヒザ蹴りがボディ周りを襲う。キックルールだけにその組合いは短め。打ち合い激しく5ラウンドを戦い抜き、また観る側からすれば好ファイトとなった展開に拍手が湧きました。

これで再度、ムエタイラジャダムナン王座に手を掛けるかと言えば疑問符が付く内容ながら、フォンペートとの5戦で学んだ、特にこのムエタイ王座絡みの3年間での成長は大きい。新たなチャンピオンが君臨するラジャダムナン・バンタム級王座に挑戦する日も近いかもしれません。チャンスが来れば今度は負けられない崖っぷちでもあります。

政斗が攻めれば渡辺健司も応戦。キャリアの差が出た試合

◆日本ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.渡辺健司(伊原稲城/66.0kg)VS 2位.政斗(治政館/66.2kg)
勝者:渡辺健司 / 3-0 (50-48. 50.48. 49-48)
政斗の積極性が圧力となって、しぶとい渡辺健司もいつもより激しく応戦し、手数多い好ファイトとなった試合。渡辺は初防衛に成功。

対戦相手、練習相手が不足するヘビー級だが、柴田春樹には日本を代表する自覚を持って踏ん張って欲しい

◆日本ヘビー級王座決定戦 5回戦

1位.柴田春樹(ビクトリー/94.0kg)VS 2位.嚴士鎔(伊原/94.0kg)
勝者:柴田春樹 / TKO 3R 0:37 / ヒジによる頭部カットでドクターの勧告を受入れレフェリーストップ

昨年、松本哉朗(藤本)が引退し、日本ヘビー級王座決定戦となった試合。ランカーが4人しかいない中、柴田春樹(ビクトリー)が第3代チャンピオンとなりました(新日本キック制定)。頻度は低くてもヘビー級を存続して来たのが、元々の創生期からの日本キックボクシング協会からでした。古くは、ジミー・ジョンソン(横須賀中央)や斉藤天心(目黒)、池野興信(目黒)、渡貢二(東京)らがいました。他団体にも国内ヘビー級チャンピオンは存在しますが、ブランクがあまり空かないのは新日本キックだけでしょう。

終盤に入り、攻めに威力が増した勝次が勝利を導く

◆63.0㎏契約3回戦

日本ライト級チャンピオン.勝次(藤本/63.0kg)VS加藤剛士(前WPMF日本スーパーライト級C/WSR・F)
勝者:勝次 / 3-0 (30-29. 30-29. 30-28)

互いに負けられない立場であるせいか、レフェリーから注意を受けるほど打ち合いが少ない展開。

◆63.6㎏契約3回戦

ジョニー(左)の積極果敢な攻めも、ゴンナパー(右)は冷静に隙を狙う眼

WPMF 世界スーパーライト級チャンピオン.ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/63.6kg)
            VS
日本ライト級4位.ジョニー・オリベイラ(トーエル/ブラジル/62.8kg)
勝者:ゴンナパー・ウィラサクレック / TKO 3R 1:05 / 右フックでカウント中のレフェリーストップ

石井達也(藤本)が負傷により出場辞退し、代打出場に誰も手を挙げない中、ジョニー・オリベイラが「軽くOKした」というのは噂の便り。この情報は勿論正確ではありませんが、「相手が誰か訳わからない中でもジョニーならOKしてくれるだろう」的な流れで、異色のカードが実現しました。

ブラジルから日本に来日し、12年のキャリアを持つジョニーも負けが込む中堅クラスながら、でも「ジョニーならゴンナパーを慌てさせる展開に持っていくかも」という期待がありました。ゴンナパーは日本人相手に10連勝。先月の健太(ESG)には初黒星を付けられましたが、経験値から試合運びの上手く蹴りも強いチャンピオン。それに挑むジョニーは臆することない、いつも以上の積極性。ゴンナパーが慌てることはないものの、打ち合いの展開はジョニーに応援の声も多く、2Rにゴンナパーのボディブローでダウンし、最後は3Rに右フックのカウンターで倒されましたが、力を出し切り、また声援を多く受けた試合でした。

若い渡辺涼介(右)に押されていく山本ノボル、しかしリングの感触は心地良さそう

◆その他8試合

他8試合の中、ライト級3回戦で渡邉涼介(4戦4勝/昨年1月デビュー/伊原新潟)VS山本ノボル(元MA日本バンタム級チャンピオン)のカードもあり、山本ノボルも平成初期にデビューしチャンピオンになった選手。引退することなくブランクを作りながら、長く現役を続けていますが、今回はさすがにスタミナ切れの苦しい表情を浮かべつつ判定で敗れました。

先日の市原興行でも15年前までバンタム級とフェザー級で王座挑戦経験を持つ、真鍋英治(市原)がライト級でカムバック。KO負けしましたが、明るい表情で戦い終えました。40歳を過ぎても現役だったり、カムバックしたり、第二の人生を歩みながらちょっとカムバックする、太らずそんな体格も維持して頑張る中年選手は多そうです。

実力を認める勝者への敬意、ムエタイでは負けないプライドもあるフォンペート

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

記事をスクラップしてノートを作成したり、ニュースや情報を整理することが非常に苦手で、整理整頓が身についていない私が、この新聞だけは「残しておくべきだろう」と直感し適当な封筒に入れて押入れの奥に放り込んでいた。その後、幾たび転居したのか数えるのも億劫だ。転居ごとに蔵書や資料を処分し、私物は衣装ケース数箱になったのだが、この新聞は処分されずに残っていた。

この男が死亡した日1989年1月7日の夕刊は、新聞社の有料過去記事検索サービスや、大きな図書館に行けばどなたでも見ることができるだろう。保存にさしたる配慮もしなかったため、折り目がつき、全体が黄ばんでいる私の持ち物からは、言葉を慎重に選ばねば感想を述べるのを躊躇わせる「凶相」が滲み出ている。

今日は「昭和の日」だ。正直でよろしい。4月29日は昭和天皇ヒロヒトの誕生日で、この男が死亡する1989年以前はやはり休日「天皇誕生日」だった。週休2日制がまだ定着していない時代にこの時期の「ゴールデンウイーク」は勤労者にとっては貴重だったと想像できる。だからだろうか、現金なものでこの休日の恩恵に比すると、この日が持つ罪の側面はお疎かにしか意識されていない。

1989年ヒロヒトが死亡すると4月29日は「みどりの日」となった。現天皇アキヒトの誕生日(12月23日)が新たな「天皇誕生日」として休日になったが、「ヒロヒト天皇誕生日」を廃止することは、天皇主義者にとって(あるいは無意識な休日恩恵享受者にとって)は許されざることだった。だから4月29日は1989年から2006年までは「みどりの日」の名称で休日とされた。

その理由を「昭和の日普及委員会」(設立発起人:財団法人国民精神財団、現在は活動休止の模様)は、 「昭和天皇が自然を愛したことにちなんで、平成元年から『みどりの日』と名称を変えて祝日として存続しました。自然をこよなく愛された昭和天皇は、『全国植樹祭』にも必ずご臨席になり、ご自身の手により植樹をされてきました」と解説している。

ヒロヒトが戦後、戦争責任を一切不問にされ、「全国植樹祭」に参加していたことはその通りだけれども、ヒロヒトの評価を戦後の行為に限定するのは乱暴に過ぎる。ヒロヒトは敗戦までは「大元帥陛下」(日本軍の最高指揮官)であり「現人神」であった。人間ではなく「神」として、日本国民に対しては徹底的かつ絶対的な存在だった。敗戦までのヒロヒトの行為はアジアを中心に3千万人の他国人を殺し、300万人の日本人も死に導いた「最高指揮官」だ。1945年までのヒロヒトは自身が手を下しはしなくとも、洪水のような「血」を流させた責任者なのだから、ヒロヒトを象徴する色は「みどり」ではなく「赤」ではないのか。「赤の日」では具合が悪いか。

1975年10月31日、有名な話ではあるがヒロヒトは初の訪米から帰国後、皇居「石橋の間」で戦後初めてにして最後の記者会見に臨む。記者が「また陛下はいわゆる戦争責任についてはどのようにお考えになりますか」と質問するとヒロヒトは、
「そういう言葉のあやについては文学はあまり研究していないのでよくわかりませんから、そういう問題についてはお答えできかねます」
と答えた。

数々の詔や難渋な勅旨を戦争中に連発していたのは誰だ。いわゆる「玉音放送」にしたところで、棒読みの様子は明らかではあるが、あの文章は多少「文学的」ではないのか。ヒロヒトの言い分には幾ばくかの推測の余地(詔や勅旨、玉音放送の文章は誰か他人が書いていた、それだけでなく大元帥陛下の地位自体が祭り上げられ、虚構であった)が含まれるとの斜に構えた解釈が成立しなくもない。

しかし、この開き直りこそが裁かれるべくして裁かれず、あろうことか「国民統合の象徴」として生涯を終えたヒロヒト大罪の真骨頂である。

黄ばんだ新聞の活字はリードの部分だけは意識的に大く書かれているが、本文は現在の3分の2ほどの大きさだ。新聞の文字は当時この大きさが標準だった。2016年の新聞と比較すると随分小さい活字で埋められた紙面16頁はヒロヒト賛美で埋め尽くされているがその中にこんな文章がある。

「天皇裕仁は侵略戦争の最大かつ最高の責任者であった。絶対主義的天皇制は、暗黒支配を維持し、侵略戦争と他民族抑圧を遂行するため、国内にあっては徹底した人権抑圧をおこなった。今日、天皇は憲法によって国政に関与することを禁止されているにもかかわらず、しばしば反動的な立場から国政に関与してきた。本来、天皇制は廃止されるべきものであるが、今日の憲法のもとで政府に課せられた厳粛な責務は、憲法の平和的民主条項をきびしく遵守することである」

随分過激なことを言う奴がいるじゃないか、と読者には感じられるかもしれないこのコメントはヒロヒトの死に関しての「共産党中央委員会声明」だ。この誌面には自民党、社会党、公明党、民社党、共産党、社民連の順で各党のメッセージが掲載されている。共産党以外は話にならない。馬鹿らしいと感じた。共産党のコメントだって後半部分が気弱じゃないかと訝ったものだが、2016年の「昭和の日」共産党の方々はどうお感じになるだろう。

1989年1月7日、朝日新聞夕刊の紙面を眺めて「結局こうなるんじゃないか、マスコミは」と予想にたがわぬ翼賛報道に暗い未来を想起するしかなかった。敗戦から1989年へ、まだ雨上がり間もない空だったのだから、虹が現れても不思議ではなかったが、虹はかからなかった。ヒロヒト没後27年「昭和の日」に、かからなかった虹をまた思い描く。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション 株式会社)がぶちあげた「国際的展開」への第一弾、「マカオ大会」は、マスコミ約50人を集めて4月4日に大々的に発表された。
http://www.rokusaisha.com/wp/wp-content/uploads/2016/04/01-DSC02490.jpg

これは、6月26日 (日)中国・マカオにて、『アントニオ猪木vsモハメド・アリ格闘技世界一決定戦40周年イベント』と銘うって「INOKI・ALI BOM-BA-YE in Macau」が開催される予定。アリ氏は体調不良のため、娘さんで元プロボクサーのレイラ・アリら家族の招聘を交渉中だという。レイラの妹の夫がMMA(総 合格闘技)ファイターであるため、今大会への出場を希望しているというが、これは「ちょっと小粒」の声も聞かれる。

「会場のパイとしては7000人なんで、なんとかして埋まりそうです。だがいかんせん、マカオでも人気のアントニオ猪木がこの7月に行われる予定の参議院選挙の準備で駆けつけるのが難しそうなんです。ヘリコプターでとんぼ帰りするという荒技も考えたのですが、そんなに金を使えるわけもないし、困ったものです」(IGF関係者)

主催したIGF側の発表によると 「プレ大会を5月29日に大阪府立体育館でやるので、ここで活躍した選手がマカオ大会に出る」ということだ。タイトルは『アントニオ猪木vsモハメド・アリ格闘技世界一決定戦40周年記念プレ大会 GENOME36』となる。

「しかしどうだろうね。アリVS猪 木戦を記念するのは意味あることだけど、MMA(総合格闘技)をやるのかキックをやるのか、プロレスをやるのか決め兼ねているようだが、アリVS猪木戦とはいかないまでも、インパクトがある異種格闘技戦をカードとして組んだりして、創意工夫しないと話題が集まらないだろうな」(格闘技ライター)

それにしても、小川直也やザ・グレート・サスケなどはマカオに馳せ参じるのだろうか。サイモン・ケリー・猪木取締役は「IGFでの世界大会。アントニオ猪木vsモハメド・アリ。世界最初の異種格闘技戦。MMAでの試合から40年の記念のイヤーに、凄い、でもあの(1976年6月26日)試合を超える試合はほぼ不可能と思いますが、それに少しでも近づけるような試合、大会をこのマカオでの試合で見せていければと思います。マカオでのスポーツビジネス、ギャンブルの街のイメージはありますが、エンターテインメントの街でもありますし、そのマカオでこのような格闘技、プロレスのイベントを成功させていきたいと思っています」と語る。

いずれにせよ、マカオ大会は「マカオTV」(MASTV=Macau Asian Satellite Television)が放送を開始しているが、これに続いて、世界に同時発信するのがIGFの「成功形」のようだ。

「アリvs猪木戦」の燃える遺伝子をもつ選手がどくらいいるかは不明だが、奇しくも、この日に呼ばれていた市会議員の格闘家、澤田 敦士が「IGFは一寸先は闇。何が起こるかわからない」とつぶやいた 台詞が不気味に会場に響いていたように奇抜な新顔が登場するのを期待したい。

(伊東北斗)

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号!

このところ、本当に「あいつは本当にダメだね」とほかのライターのダメなところを編集者にタレこむ話をする輩が多い。この連中は『自称・大物』という自覚があるのかないのかよくわからないが、自分が編集長よりも偉いと思っているのか、それともことさらに能力が低下したのをカバーしたのを隠すためか「あいつは取材していない」などと言い出す始末。てめえはどうなのか、と問いたくなるような連中だ。

「まあ、タレコミは偽計業務妨害に当たるんだろうが、それにしてもそういう話を聞くと、本当に出版は不況のような気がするね。もう昨年、出版社に入社した新人のうち4割が辞めたなんていう話が聞こえてきますし」(都内の私立大学の就職課)

◆猪瀬直樹がノンフィクション作家だった頃の悪評

こうした輩は昔からいたが、例外なく消えている。
「古くは猪瀬直樹がそうだね。すぐに他のライターの悪口を編集者に吹き込む。で、自分の自慢話を展開するんだ。昔の週刊誌は競争が激しくて、誌面の取り合いから殴りあいに発展することも少なくなかった。だが今の誌面の取り合いは、出版不況の下、もう生活がかかっている状況だからね」(出版社社員)

ある週刊誌のデスクによると「×のネタはこのライターには書かすな」と具体的に恫喝してくる連中もいるという。

「まあ、実力がないから、他人の悪口を吹聴して仕事を増やしたいんだろう。こういうライターに、万が一『編集者に金を借りた』なんてしゃべったらたいへんだ。2チャンネルあたりで『借金を返さないライター』として名前があがり、二度と編集からは声がかからなくなる」(同)

もはや40歳をすぎると「引退して故郷に帰る」という類のライター仲間が増えてくる。
「あと10年で書店が4000店舗になると言われている状況のもと、今『ライターをやめます』とか『編集をやめます』といわれても別に負け組とは思わない。むしろ、ちがう才能があれば、そちらを活かしたほうがいいのではないかと思います」(中堅週刊誌記者)

ただし、今年、大学を卒業した新社会人に聞くと、「出版社に入った同級生たちは、希望に満ちていた」というから、まだまだ「若者たち」がマスコミで実力を発揮するチャンスはあるのかもしれない。
「まあ、それにしてももう60歳すぎたら、後進のために引退したほうがいいのではないか。そうじゃないと編集もライターもちっとも育たないと思いますよ」(フリー編集者)

◆出版界でも「ダメな日本人よりも有能なアジア人を」の波

確かに、アベノなんたらかは不発らしいが、出版社の求人広告など新聞に掲載されていても数件だ。しかも、業界紙ばかりときている。いったいこの状況でどの党に入れれば、景気がよくなるというのか。民進党は「政権交代」を叫ぶが、よく考えれば経済の停滞をまねいたのは、直近ではほかでもない、民主党政権だろう(長いスパンでは自民党の責任だが)。

はてさて、失礼ながら、このところ中国人や韓国人のデザイナーやカメラマンを現場ではよく見る。もちろん有能だから版元は使うのだろうが、要するに「ダメな日本人よりも有能なアジア人を」というのが出版社や編集プロダクションのコンセンサスとして出てきたのだろう。もう有能なクリエイターは日本からは出ない。少なくとも出版の世界では、だ。

話を戻す。「あいつを使うな」と言われたライターは、きっと勝ち組だが、いよいよ世の中的にたとえばほかの業界で人材が枯渇しても「元出版関係者は使うな」と言われるほど、業界は凋落しているのかもしれない。

(伊東北斗)

7日発売!タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号

抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

1986年4月26日から30年目を迎える。あの事故は近隣住民以外の世界の人々の頭の中では「歴史」になってしまっているのではないだろうか。旧ソ連、現在のウクライナで発生した「チェルノブイリ原発事故」である。

◆「原発=核発電」は狂信的な国家意思の象徴

Fukushima2016

記憶の中では「歴史」となっても、事故地では今日にいたるも放射能漏れを防ぐ作業が継続している。事故後原子炉を封じ込める為に作られた「石棺」と呼ばれる構造物が内部からの強力な放射線によりボロボロに劣化し各所にひびが入り危険な状態となったので、ウクライナ政府は巨大な「第二石棺」を建設中だ。

思い起こせば爆発したチェルノブイリ原発4号機は「運転中」ではなかった。しかも福島の様に地震や津波と言った自然災害が原因でもなかった。運転停止中に外部電源喪失に対応する非常時用発電系の実験を行っている際に、原子炉出力管理のコントロールミスから事故が発生したと言われている。つまり「人災」であったわけだ。

Fukushima2016

つい最近、事故後に現地を取材したジャーナリストは「事故直後ソ連の政府は何をやったと思いますか。なんと兵士にソ連の国旗を持って原子炉の上に行かせ立てさせたというのです」と俄かには信じがたいエピソードを教えてくれた。それほどどの国にあろうと原発=核発電は狂信的な国家意思の象徴であることの現れであろう。

◆1975年の戦後日本を思い出してみる

30年経過すれば、たいがいの事は「歴史」になる。本当はその事件や事故が終わらずに不可視な形で継続していても体に痛みを伴う直接被害者や、事故により生活全体を破壊された人びと以外は容易に「現実」を「歴史」と見まがう。

Fukushima2016

私は1975年を思い出している。言うまでもなく敗戦後30年目の年だ。戦地に赴いた元兵士や銃後を支えた明治生まれ、大正生まれの人びとがまだ多く生きていた。皇国史観で教育を受けながらいきなり「民主教育」への転換を経験した人々が丁度子供を産み育てている頃だった。「戦争」が話題になることは私の周りでも、珍しいことではなかった。でも「戦争反対」を語る人も「戦時中の苦労」を語る人、または懐古的に「日本軍の雄姿」を語る人、いずれもそれは「思い出物語」としてであって「今は違う」が無言の枕詞になっていたように思う。

◆「ソビエト」の消滅──原発事故は国を亡ぼす

チェルノブイリ原発事故は、2016年の日本から回想すれば2つの事を示唆したいたのだと今更ながらに思う。

Fukushima2016

1つは「原発事故を一度起こせば人間の力では対応が出来ないことだ。そのことは、事故後30年経過するも「第二石棺桶」建設を余儀なくされているウクライナの姿が事実をもって示している。あの巨大なドーム状の構造物さえ、また何十年かすれば劣化を余儀なくされ、「第三石棺」、「第四石棺」の建設が行われることになるだろう。

そしてもう1つの重大な示唆は「原発事故は国を亡ぼす」ことだ。これは文字通り「国が無くなる」、「国が崩壊」することを意味する。1986年4月「ウクライナ共和国」は「ソビエト社会主義共和国連邦」を構成するひとつの「共和国」と称されていたが実態は「ソビエト」の中の一地域である。

Fukushima2016

「ソビエト」は当時、米国と世界を二分する東陣営の巨大な指導国であり、モスクワやクレムリンが陰に陽に世界に発する力は絶大であった。「東西冷戦構造」は西側のNATOと東側のワルシャワ条約国機構が特に欧州では隣接し合いながら、「核戦争」の危機を抱え、日々緊張の壁を境につばぜり合いを続けていた。

その価値判断は横に置くとして、時代は「東西」という相いれない二極が不思議な均衡を保ちながら世界を支配していたのだ。ところが「東側」の親玉「ソビエト」は崩壊してしまった。1991年、チェルノブイリ原発事故から5年後のことだ。この事実を福島第一原発事故発生から5年後の今日、私たちは極めて重大に受け止める必要があるのではないか。

Fukushima2016

「ソビエト」崩壊の序章を、ミハエル・ゴルバチョフが大統領に就任後打ち出した「ペレストロイカ」・「グラスノスチ」などの「開放・改革路線」、「新思考外交」との見立てるのはおそらく間違いではあるまい。

しかし「東側世界連鎖崩壊ドミノパズル」には「チェルノブイリ原発事故」のピースを欠くことは出来ない。ゴルバチョフは確かにホーネッカー率いる東ドイツの崩壊(=東西ドイツの統合)へ内々に「許諾」を与え「ソビエト」以外の国への支配を急激に弱めていったが、「そうせざるを得なかった」事情のひとつが「チェルノブイリ原発事故」だったのではないかと指摘する専門家は少なくないし、私も同意する。

歴史の「教示」や「示唆」は事後になれば解読がいともたやすいが、同時間にあって正確な解析は困難を極める。そして歴史はそれ自体が教訓化されることを望んでもいる。

◆フクシマ以後──この国を待ち受けているもの

私(たち)は今どこへ向かっているのだろうか。世界を二分する勢力の頭目、政治力と軍事力、総合的な影響力と「何があっても壊れることはないだろう」と思われていた巨大国家「ソビエト」を消滅せしめた一因のチェルノブイリ原発事故。

そして4機の原発爆発を起こした、福島第一原発事故を当時「ソビエト」の領土の約60分の1で受け止めている日本はどうなるのだろうか。ゴルバチョフはチェルノブイリを隠蔽しようと画策したが無駄だった。民主党から自民党へと続く日本の政権は「事故収束宣言」(野田)「アンダーコントロール」(安倍)と平然といいのける。4年後には東京でオリンピックを開くという。日本には当時「ソビエト」が従えていたような経済ブロックも実質上の従属国もない。日本はひたすら米国に隷属するのみだ。

歴史を「ソビエト」の先例にあてはめてみよう。日本を待ち受けているのは「さらなる繁栄」や「より幸せな生活」だろうか。「祝賀に沸く東京オリンピック」は現実のものとなり得るのか。残念ながら私にはそのイメージを描くことが出来ない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

重い筆をとるときが来たようだ。ヤクザを擁護し、知り合いのいる「夕刊フジ」を攻撃しなくてはならない。

4月21日の「夕刊フジ」には、神戸山口組系暴力団が救援物資を配り始めたことが「復興利権」を狙うものだと書いてあった。この傲慢な記事は、斬りようがいくらでもあるが、まずは昨年の年末に北九州の小倉、つまり工藤會の足元に行ったときのレポートから展開しようと思う。

小倉の街並み

小倉は、いうまでもなく工藤會が支配してきた町だ。この町では工藤會をターゲットにまずは警察が徹底的に組員をマークし、特定危険指定暴力団として認定された。僕に言わせれば、これは後に山口組を切り崩したいがために試験的に「与しやすい」暴力団を狙ったにすぎない。つまり工藤會を攻めたのは、山口組を切り崩すためのモデルケース作りだ。

事実、福岡県警なんて警察庁には信頼されていない。だから警察庁は、多くの人員をこの小さな小倉に送り込んだ。僕はヤクザとも警察のエリートとも同等につきあうが、どうひいきめにみても、福岡県警とヤクザの癒着ぶりは目にあまる。腐っているといってもいいが、これは尊敬すべき先輩の宮﨑学氏の領域なので深くは追わない。

また、警察の警戒が強化する中で、工藤會は飲食店からみかじめが取れず、スナックなどは警察が来るときには「暴力団排除」標章のシールをドアに張り、工藤會組員が来るときはそっと外すして店内に張るというわけのわからない行動をとらざるえなくなった。

「かなり平和になった」といわれているが……

小倉では、バスに乗っても「暴力団は予告なくやってきます」と注意勧告のアナウンスが流れてくる。そんな街中でスナックで、ホステスのA子さん(仮名)は言う。

「本音と建て前はうまく使いわけないといけない。暴力団は確かに悪いと思うけれど、それを理由にヤクザにたかりすぎた福岡県警はやりすぎた。なにしろ好き勝手に飲んで喰って、工藤會のツケにして帰っていく。これでは町はいつになってもヤクザか警察、両方の支配下に置かれることになるわ」

人々は工藤會を恐れて小倉への旅行をパスする。だが僕にとっては古いつきあいのある組員がいる小倉は落ち着く。熱海は、稲川会に知己があるのでさらに落ち着く。新宿・歌舞伎町は極東会の知人が多いので安心は安心だが、いつ何時、トラブルに見舞われて力関係が変わるとも限らない。
「それじゃ密接交際者じゃないの」と揶揄するなかれ。警察ともヤクザとも仲良くするのがジャーナリストの生きる道なのだ。

そして今、小倉のカメラ店の店主の言葉を借りれば「かなり平和になった」という。だが警察が力を誇示してかろうじて成り立っている平和など、クソくらえである。事実、刑事が無料でスナックで飲んでいるのを目撃した。金を払うそぶりすらない。
「俺が来てるから、工藤會が来れない。用心棒代をくれ」と彼ら刑事は臆面もなく言ってのける。
これこそ「利権」じゃないのか、ええ?

小倉のスナックで話を聞いた

本題に戻す。震災だ。緊急事態なのだ。政治が悪いなどといっているときではない。国民がひとつにならないといけないときに、神戸山口組系組員が被災者に食料や水を配って何が悪い?!

たとえば衆議院議員の先生がたたちが何人、熊本に入って食料を配ったのか? 日ごろから耳ざわりのいいことばかり言っている地震学者たちが「当たりませんでした」と熊本まで土下座に来たのか? 偉そうに講釈をたれる僧侶が何人、車を飛ばして熊本に入ったのか? そんな中、ひとまず民衆のために食料を配るヤクザは、行為自体を評価すべきである。

いうまでもなく、戦後、不良の在日朝鮮人や中国人から国民を守ったのは、今は嫌われまくっているヤクザたちだ。ヤクザたちが原点に返って、食料支援をしている。これは、義侠心からなせることだ。復興利権だなんだという前に、マスコミはおにぎりのひとつでも配りに来たほうがいいんじゃないのか? 恥を知るべき腐れ右翼メディア、汝の名は「夕刊フジ」である。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

7日発売!タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号!

抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

なんと鹿砦社の松岡社長が「鹿砦社通信」でもドシドシAVを紹介してもいいという。誰にも頼まれないのに年間、365本ものAVを見ている自分、多摩川三郎としては、趣味=仕事につながるありがたい機会だ(涙)。

さて、今、AVの業界は「人妻もの」じゃないと売上がたたない。陵辱もの、SM、寝取られもの。もはやうぶ声をあげて30年以上たつこの業界でそれなりに「ジャンルが淘汰」されてきた。その結果、〝人妻もの〟が残るなら、それはそれで「人類の欲求」というものだ。とりわけ、今回とりあげる3人は「年齢が不詳」ゆえに妖艶さで成功しているという種類の女優たちだ。本当に見た目だけでは年齢がわからぬ。40歳と言われても35歳といわれても、28歳といわれても納得の不思議系女優たちのマジックセクシーワールドを紹介しよう。

◆かすみ果穂「夫の親友に犯され感じてしまった私…」

「夫の親友に犯され感じてしまった私… かすみ果穂」(溜池ゴロー)

まずはかすみ果穂。この女優は、05年に「かすみ果穂 Debut 」(SOD)からデビューした「かわいい妹系」の女優だ。かすみチャンは賢くて(当社比)、ラジオのDJもこなす。確か2011年に『品川近視クリニックpresentsかすみ果穂ナイト』という番組を展開し、蒼井そらやみひろなど、テレビに出まくる「アイドルでセクシー女優」路線に行くかと思いきや、4月末での引退を発表してしまった。うーん至極残念。

かすみ果穂はテレビから派生した「恵比寿マスカッツ」のメンバーでもあった。「おねがい!マスカット」の番組開始から1年半後の09年10月に3期生として加入し、シコを踏みながら繰り出す下ネタで中心メンバーの一角となった。だから、今後、リリースされる作品があったとしても、それは果穂チャンが「過去によがったもの」だ。「夫の親友に犯され感じてしまった私… かすみ果穂」(溜池ゴロー)は、夫に内緒で不倫相手にじょじょに濡れているプロセスがいやらしい。とくに騎乗位でジワジワと少しずつ、前後に腰を揺らせるテクニックには熟達した「女のサガ」を感じさせる。嗚呼、それにしても引退を撤回してほしいっス!(いやマジで) 

◆秋山祥子「僕の妻を寝取ってください。」

「僕の妻を寝取ってください。 秋山祥子」(MOODYZ DIVA)

つぎに「年齢不詳」で、妖艶さをかもしだし、フェロモンむんむんの女優は秋山祥子だ。秋山は「MIJYUKUな果実」(スパイスビジュアル))で2009年7月にデビュー、翌年12月いっぱいで早くも引退するが、後に復活する。いわゆる〝美しすぎる市議〟として話題になった藤川ゆりのそっくりさんとして「フラッシュ」のグラビアに登場したこともある秋山は、なんといってもアスリートばりに鍛えた太腿から尻にかけてのフォルムが美しい。二本の脚は、まるで別な生き物のように男優を挟みこみ、その腰はせり上がる悦楽とともに、いつまでもベッド上の満足を得るまで、のたうつ。彼女のベストはやはり、設定も優れている「全裸生活を強要されて…。」 (MOODYZ DIVA)だと思うが、ややSMチックなので、「僕の妻を寝取ってください。 秋山祥子」(MOODYZ DIVA)をオススメしよう。

◆波多野結衣「不倫妻野外露出」

さて、ラストはもはやベテランの域に入ってきた波多野結衣だ。
08年に、「ZERO 素人以上、女優未満 07」でプレステージからデビューした結衣チャンは、昨年、映画のオファーがあり「サシミ」(監督: パン・チーユエン、台湾)に出演、演技力を見せつけた。

「不倫妻野外露出 波多野結衣」(バミューダ/妄想族)

そして今もなおバラエティ番組に出ている。僕は「第二の飯島愛」が出現するとしたら、自分の言葉で話せることもできる彼女だと思う。及川奈央でもなく、蒼井そらでもない、また別な個性の元セクシー女優の到来だ。だが今はまだ計算されたバラエティ番組の彼女よりも「服を脱いだ状態」の美しい肢体に身をゆだねたい。ツンと上を向いたヒップを惜しげもなくさらす結衣チャンの「今」は刹那であり、幸せだ。

彼女の演技力と妖艶さは、たとえば団鬼六の世界をふんだんに再現した「屋根裏の恋 波多野結衣」(アタッカーズ)のムチで打たれつつも好きな男性への表現をヨダレをたらしながら魅せるシーンで確認できる。

だがおそらく最近だと「RIZAP」ばりにかなり体を鋭く絞っており、直近のスレンダーな彼女を見たいなら「不倫妻野外露出 波多野結衣」(バミューダ/妄想族)がいいだろう。いずにせよ、さてさてこの春もまた、フェロモンむんむんのAVがたくさんリリースされる。諸兄も「自分だけの抜ける作品」を探索してみよう!

(多摩川三郎)

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』5月号!

スターを作りだすのは難しいものだ。人気・実力が伴わなければならない。マイナーと言われるキック競技で人材は集まり難く、有望な選手が出現しても順調に成長するとは限らないサバイバルマッチの世界。その底辺から育成して、ようやく数年に一人の逸材が生まれてくるのでしょう。

ムエタイ仕込みの蹴りに苦戦ではないだろうが、村田のペースにはまる高橋一眞

今や那須川天心を先頭に、身体の成長期にムエタイを習った十代の逸材が幾らか存在しますが、30歳を超えてデビューして開花する選手も少々ながら存在します。格闘技の経験が無くても十代から何かスポーツを続けていて、それで何かひとつでも技を持っていれば、活かせる要素を持ったのがキックボクシングかもしれません。勝ち上がれるとは限りませんが。

過去2戦になかった村田の威圧感

注目の次代を担う高橋三兄弟、大阪の真門ジムで元NKBミドル級チャンピオンの若生浩次会長の下、鍛え上げられた三兄弟の次男・亮は昨年12月に先に王座奪取しましたが、長男・一眞は亮に続けず、昨年6月の夜魔神戦から試練の戦いが続いています。

パンチ連打でラッシュが得意の高橋が逆に打たれる

期待を掛けすぎるとプレッシャーがキツくなるかもしれませんが、高橋三兄弟はそういう期待と運命を背負って走り出しました。キック業界にはいろいろなタイプの選手がいるだけに交流していくことも大事でしょう。閉鎖的と言われたこの難しい団体が変わりつつある現状で、世代交代を担ってもらいたいところです。

◆武士シリーズ vol.2 / 4月16日(土) 後楽園ホール17:30~21:10
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

大心vs洋介。「皆さん、僕負けると思ったでしょ、僕がいちばん負けると思いました」。不利な状況から逆転に結び付く前

一眞は長引くとスタミナ切れの欠点は変わらず。村田裕俊はタイ修行した成果を活かせるか注目の中、蹴りの技術よりはその修行の経験値で距離感や蹴りのタイミングが活かされ、後半に入ると首相撲でも組負けない村田。

最後の勇姿。チャンピオンには成れなかったが

3ラウンドには村田のローキックでダウンを取られた一眞、バランスを崩しただけのダメージは無さそうだが印象の悪い倒れ方。劣勢に陥った選手が少ない時間で逆転するにはパンチしかないパターンで一眞は再びラッシュするも村田の主導権を奪った流れは崩せず、村田の戦略勝ちで、2~3ポイント差で村田が雪辱し、王座奪取しました。

大心はラストファイトと宣言しての登場。動きもいいとは言えない中、2ラウンドには洋介の右フックでダウンした大心。ところが第3ウンドには大心が逆に連打の中、右フック一発で逆転KO、驚きの逆転の結末でした。

◆第13代NKBフェザー級王座決定戦 5回戦

1位.高橋ー眞(真門/57.1kg)vs 3位.村田裕俊(八王子FSG/57.05kg)
勝者:村田裕俊
0-3 (主審 前田仁 / 川上 46-49. 佐藤友章 47-50. 鈴木 47-49)

◆ライト級5回戦

NKBライト級3位.大心(SQUARE-UP/61.2kg)vs 同級8位.洋介(渡辺/61.05kg)
勝者:大心 / TKO 3R 0:42 / カウント中のレフェリーストップ / 主審 馳大輔

◆ウェルター級3回戦

NKBウェルター級4位.稲葉裕哉(大塚/66.55kg) vs 6位.SEIITSU(八王子FSG/66.45kg)
引分け / 0-0 (主審 川上伸 / 馳、前田、佐藤友章とも30-30)

◆68.0kg契約3回戦

NKBウェルター級8位.野口大輔(テツ/67.6kg)vs 9位.塚野真一(拳心館/67.75kg)
勝者:塚野真一 / TKO 1R 2:14 / カウント中のレフェリーストップ / 主審 鈴木義和

◆フェザー級3回戦

NKBフェザー級8位.坂本秀樹(大塚/56.7kg)vs 9位.安田浩昭(SQUARE-UP/57.1kg)
勝者:安田浩昭 / KO 3R 1:52 / テンカウント

次回、武士シリーズ興行は6月19日(日)後楽園ホールで、メインイベントは2月にゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)に敗れた大和知也(SQUARE-UP)。再び大和魂を見せるため与えられた試練に、翔センチャイジム(センチャイ)と対戦。翔はムエタイオープン・ライト級チャンピオンで、4月3日にWMC日本ライト級チャンピオンになったばかりの選手。乱立する中でまた出来たばかりの国内王座ですが、センチャイジム所属の選手はセンチャイ会長の下、当然ながらムエタイ志向のしぶとい技術を持った選手ばかり。大和知也にとってNKBの面目に懸けて負けられない試合となります。

連盟マスコットガールの折原陽子さん(右から3番目)が所属するグループ「リーブルエール」の仲間に囲まれた村田新チャンピオン

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

熊本大震災への支援を呼びかけ、自ら行動する熊本出身の芸能人が続々現れている中で、その対応の実態をめぐってタレントへの評判の明暗が分かれてきた。

まずは「暗」から紹介しよう。さっそく震災直後に、テント暮らしを始めざるを得なかった井上晴美に対して「井上晴美に露天生活を書かせたい」と「週刊ポスト」の編集者が企画を上にあげたようだ。だが「今さら井上晴美?」と企画は通らず、残念至極。

同じくご当地のヒロシは、駆けつけようとしたが、自らが経営するカラオケバーの売り上げが足りずに「出張版ヒロシバー」を企画したが、スタッフに「顰蹙を買うだけ」と却下されている。しかし自分の車で支援に向かったというから「故郷への愛」が勝ったか。

レイザーラモンRG(レイザーラモン)は相棒に「すぐに熊本へ行ったほうがいい」と言われるも「なにか番組がくっついてないと金がもったいない」というやりとりをして、これが地元のファンに伝わり、好感度を下げたようだ。「いますぐに駆けつけたいが無力で」と報道陣の前では涙して見せたが、実際には仕事スケジュールを優先したものだから誤解しないように。

◆感謝の声が絶えない上田晋也、井手らっきょ、コロッケ

他方、お株をあげたご当地タレントは、お笑いのコンビ『くりぃむしちゅー』の上田晋也。サンドイッチマンの伊達みきおに必要な物質についてメールするとこれが拡散され、水やインスタントラーメンなど生活必需品が殺到。「おかげで助かりました」と現地の被災者から感謝のメールが殺到した。

同じく井手らっきょは『とにかく命だけは守って下さい。余震にもくれぐれも気を付けて下さい。今は無事を祈る事しかできませんが、頑張ってください』とブログで書いていたが、「熊本出身の野球チームを」でバラエティ番組のオファーがあり、景気がよくなりそうだ。

コロッケもご当地タレントだ。益城町の避難所を訪れ、被災者にのり巻き約千個とパン約1500個を贈るなどして感謝と喝采を浴びた。 熊本の市役所関連から「ぜひコンサート」をというオファーがあったとか。

かくも明暗が分かれたご当地タレントだが、窮地にはタレント性というより「人間性」でいざというときの対応力が問われるのかもしれない。

(伊東北斗)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

長い間、ブログをやっていると時たま、おもしろい投稿が来たりする。先月、こんな投稿がAさん(都内在住)から来ていた。警察との戦いの様子が仔細にみてとれる。

◆「そこの自動車すぐ止まれ。バカ野郎!」と突然の罵声

20代始めにバイクの免許を取り、社会人になって普通自動車を取りました。スタンダードな免許ライフだと思います。若い頃は取締りをうければ素直に反則金を払っていました。ですが、ある取締りをうけて以来「警察官は敵だ」と認識するようになりました。反則金を払うのも、青切符や調書にサインするのも敵の利益になります。

そう考えるようになってから受けた取締りのことを聞いていただきたく筆を取りました。

ずいぶん昔の話です。高速道を快適に走っていました。他の自動車を抜くこともあれば、抜かれもするぐらいの速度です。

突如、罵声が浴びせられました。
「そこの自動車すぐ止まれ。バカ野郎!」
ルームミラーには覆面が映ってます。

カッとなってフルブレーキで止まりました。自動車を路肩に移動させ、停止させると、車検証と運転免許を持って、指示に従って覆面の後席に乗り込みました。

警官は車検証と免許証を見ながら書類を作ります。いわゆる赤切符(保管証)と取調調書です。調書は警察官が検察に提出して「被疑者はこんな悪い奴だ」と納得させる書類です。当然、一定の説得力が必要です。

警官 「目的地はどこ」
  「××です」

書類が書き上がりました。

警官 「これでいいね、署名して」
  「イヤです」

◆交通警察官と対峙する時、絶対に必要なのは「正直」です

車内はすでに真っ黒い雰囲気が漂ってます。
交通警察官と対峙する時、絶対に必要なのは「正直」です。警察官も手間を省くため自分の主観で書類を作ります。思い込みをほっといて書類を作らせると、とんでもないものが出来上がります。

書類が書き上がった時、「ここに『○○に急ぐため速度を超過していた』と書いてありますが、別に急いでません。書き直してください」
このやり方で56枚書かせて署名拒否しました。

◆警官の決めゼリフは「裁判になりますよ」

次に印字された数字を見せられました。当時は「追跡」と呼んでパトカーや白バイが一定時間、被疑者と同じ速度で走り計測していました。その数字が記され「以上の速度で走行しました」と署名欄があります。署名すると認めた事になります。

警官 「この速度で走ってましたよね。署名してください」
  「できません。だって、これ覆面の速度でしょう。私がどうかは判りません」
警官 「速度計ぐらい見ているでしょう。覚えてないのですか」
  「前見て走ってますよ。おまわりさんこそ、速度計見つめて走っているのですか。死にますよ」

警官の決めゼリフに「裁判になりますよ」がありますが、どうせ裁判になる速度でしたし、こちらも一度は交通裁判を受けた身。内容は知っています。

速度欄に署名無しで済ませるわけはないらしく、警察官は道路管理の自動車を呼びました。到着するまで二時間ほどかかりました。さすがに飽きてきて「もう行って良いですか」とたずねても「もう少し待ちなさい」と制止されます。

◆警察の交通取締りは自白あるいは運転者への押し付けによって成り立っている

「住所氏名不明」「逃亡」「証拠隠滅」の三つがそろうと逮捕条件が成立します。「逃亡した」とか言われてもイヤなので、管理者が来るのを待ちました。いま思い返せばパトカーの中でウンコしてやれば良かったと思います。

パトカー内で待っていると、明白な速度違反の自動車が横を通り過ぎていきます。
「あれは速度違反ですね」と私が指さすと、
「だからなに? あなたみたいな警官がいるから事故が減らないんだ」

この後、警察に呼び出され、試験場で悶着があったのですが、結果から言うと罰金、免停等一切無しとなりました。

警察の交通取締りが、自白あるいは運転者への押し付けによって成り立っている事例かと思います。

もし、よろしければ検察庁でうけた扱い、試験場での出来事も述べさせていただきたいと思います。

(Aさん・都内在住・56歳)※記事にはAさんの許可を受けて、少し手を入れた。

これは、警察に逆らっても「よし」となった希有なケースだ。機会があれば、追加原稿をもらおうと思う。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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