総力で年末危機を突破し、唯一の脱(反)原発雑誌『季節』の発行継続、鹿砦社の言論・出版活動継続に圧倒的なご支援を!

 私たちは『季節』の旗を守りたい! 
『季節』を脱(反)原発言論の強固な拠点にしたい! 

『季節』編集長 小島卓 鹿砦社代表 松岡利康

『季節』を愛し、また鹿砦社の言論・出版活動を支持される皆様!

『季節』2025冬号をお届けいたします。実際に寄稿や取材にご協力賜った皆様方、熱心な読者の皆様方、本誌『季節』は創刊10年(いわば“親誌”の『紙の爆弾』は20年)を経過し、発行継続困難な情況に直面しています。今号も発行が危ぶまれましたが、何とか発行に漕ぎ着けました。コロナ禍以降は、毎号発行が困難な中で、『紙の爆弾』もそうですが、心ある方々のご支援を仰ぎ資金を工面しつつ一号一号発行してきました。

私たち鹿砦社は、時代の転換点・1969年の創業以来半世紀余り、当初は時代を反映し裏切られたロシア革命史、また知られざる革命運動史(左翼エスエル、クロンシュタット叛乱、マフの運動など)、社会運動史の発掘に努め、80年代後半、松岡が経営を引き継いでからは社会問題全般、ジャニーズ問題(一昨年の英国BBCによるジャニー喜多川告発には、数年前から水面下で秘密裡に協力)などの芸能関係にまでウイングを拡げ(このことで前経営者からは「俺の顔にクソを塗った」と非難されました)、さらには2005年の親誌『紙の爆弾』創刊以来20年間、「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧(実際に松岡が逮捕、長期勾留されています)にも屈することなく、〈タブーなき言論〉の旗を掲げ続けてきました。

そうして、『紙の爆弾』が軌道に乗り経営が安定した2014年、本誌前身の『NO NUKES voice』(31号より『季節』に改題)を創刊し、常に一号一号3・11で被災、原発事故で被ばくされた方々に寄り添い発行を続け、この継続を図るために苦闘してきました。この年末がノルかソルかの正念場です!

本誌のみならず『紙の爆弾』も、あるいは当社の出版物全般もそうですが、コロナ禍を大きな契機として出版業界の情況が大きく変わり、これまでのやり方ではやって行けないことを実感させられました。しかし、いくつか新たな試行錯誤をしながらも、私たちがいまだに苦境から抜け出せずにいるのは、その本質と、想像以上の深度に気づくことができず、よって方途を見失い、具体的な出版企画に結びつけることができないからだと認識はしています。この5年間、突破口を探し模索と試行錯誤を続けています。皆様方に妙案があれば、ぜひお寄せください。

本誌『季節』も、『紙の爆弾』も、幾多の苦難(この最たるものは「名誉毀損」に名を借りた言論・出版弾圧)を乗り越え本誌は昨年10周年、『紙の爆弾』は本年4月で20周年に至り、多くの皆様方に祝っていただき、また厳しい叱咤激励も受けました。多くの雑誌が権力のポチと化し、『季節』や『紙爆』のようにタブーを恐れない雑誌がなくなったからでしょう。以後私たちは、次の10年に向けて歩み始めていますが、遺憾ながらなかなか苦境を打開できずにいます。

そうは言っても、師走に入り、ノルかソルかの勝負所、ここを断固突破しなくてはなりません! 先に発行し送付した『紙の爆弾』の定期購読者、会員の皆様方らにも申し上げましたが、断固突破する決意ですので、ぜひ皆様方のご支援をお願い申し上げます。そして、年を越し、東日本大震災から15年の来年3・11には新たな『季節』を発行し共に迎えようではありませんか!

《表紙》『原子力明るい未来のエネルギー』 紆余曲折を経て 今は文字盤だけが倉庫に眠る(絵=鈴木邦弘)

季節2025年冬号
『NO NUKES voice』改題 通巻44号
紙の爆弾2026年1月増刊
2025年12月11日発行
定価770円(税込み)

《グラビア》キオクとキロク(鈴木邦弘

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《報告》生命体の世界と原子核の世界

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》未来の人々から裁かれないために

井戸謙一(311子ども甲状腺がん裁判弁護団長)
《報告》311子ども甲状腺がん裁判にご支援を

《特集》福島の汚染土と汚染水の行方

山川剛史(東京新聞編集委員)
《報告》被災地の現実はどれほど報道と違うのか

鈴木邦弘(絵本作家/イラストレーター)
《報告》キオクとキロク

まさのあつこ(ジャーナリスト)
《報告》汚染土政策の変遷 「最終処分」から「復興再生利用」

和田央子(放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会)
《報告》放射能汚染土の核心的問題

平井 玄(新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会)
《報告》放射能のない新宿「御苑」をコモンズに
 
門馬好春(「三〇年中間貯蔵施設地権者会」会長)
《報告》中間貯蔵施設の汚染土の行方

菅野みずえ(「ALPS処理汚染水差止訴訟」原告)
《報告》ALPS処理汚染水を海に流すな

吉澤正巳(「希望の牧場・よしざわ」代表)
《インタビュー》原発事故の暴虐に「いのち」を対峙
 被爆した牛たちを飼い続けて闘う

水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
《インタビュー》『3・11の彼方から』を読む

村田三郎(医師)
《インタビュー》弱者の側に立ち、反核・反原発を闘う《後編》

末田一秀(『はんげんぱつ新聞』編集長)
《講演》エネルギー基本計画 暮らしへの影響

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》柏崎刈羽原発の再稼働に異議あり!!

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》原発の技術的特性と裁判の論理〔2〕

古居みずえ(映画監督)
《報告》パレスチナと福島に通い続けて
             
森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》福島から広島へ 「核被害者の権利宣言2025」が灯した希望と連帯

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《前編》

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
《報告》今、我々の置かれた場所から

原田弘三(翻訳者)
《報告》「脱炭素」の不都合な真実

再稼働阻止全国ネットワーク
《報告》危険な東海第二原発を阻止!
 「原発依存社会」へと暴走する高市政権を批判する!
 瀬尾英幸(北海道泊村在住)
 志田文広(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会世話人)
 けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
 木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
 天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

《反原発川柳》乱鬼龍

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六ヶ所再処理工場と大間原発が建設中の青森県こそ反戦反核の拠点に! 12月1日大阪での中道雅史さんの報告集会にご参加を!

尾﨑美代子

去年、大阪で開催された老朽原発再稼働阻止集会で、青森県から参加された中道雅史さんにお会いした。集会での中道さんのアピールをお聞きして、青森県の原発、核関連施設について、私が余りに知ってないことに驚かされた。その中道さんが来週祝島、広島を講演会で回るそうだ。最後の日曜日は、高浜の現地行動へ行くという。以前、店に来られた際、少しお話をお聞きしたが、もっとじっくりお話をお聞きしたいと思ってた。なので、来週いっぱいスケジュールが入ってるようなので、大阪で話して貰うのはまた今度と考えていた。そんな時中道さんから提案された。

「尾崎さん、月曜日でもいいからぜひ皆さんに報告させて下さい」と。私は311以後作った「西成青い空カンパ」の仲間に聞いたら、みなさん、「やろう!やろう!」「お話が聞きたい!」となった。

ということで、12月1日(月曜日)大国町ピースクラブで中道雅史さん緊急報告会をやります。ぜひぜひお集まりを!!

《追記》先日来店された女性2人のお客様、知っている方の女性はキリスト教団体の反原発の催しなどやっていて、数年前、小出さんの講演会に参加させて頂いた。

お二人にチラシを渡すと、もう1人の釜ヶ崎初めての女性が、「私の故郷は青森県です」というのだ。あらま、びっくり。彼女の母親は現在65歳、高校卒業後「集団就職」で関東に出てきたという。えっ集団就職? それってもっと古い昔じゃないの?と思ったが、事実だった(これが最後だったらしい)。

それほど地元で仕事がない。結局彼女のお母さんは千葉で割の良い仕事が探せ、そこで知り合った男性と結婚し、彼の転勤で青森県に戻り、それからずっと反原発を闘ってると。

彼女の地元十和田市は、パチンコ店が乱立しているらしい。山ほどある原発関連施設で働く作業員らが楽しむためだろう。もちろん歓楽街、風俗店も。

青森県にはぜひ行って見たい。中道さんが案内して下さるという。この目で見てみたい。どんな光景が広がっているのだろうか?

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

3・11の彼方から──『季節』セレクション集 Vol.1
https://www.amazon.co.jp/dp/4846315878

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315304/

前田良典小論選集『野の人』が完成しました! 

鹿砦社代表 松岡利康

あれだけ暑かった今夏もようやく過ぎ、彼岸と共に秋の訪れを感じさせる季節となりました。酷暑の中、先輩方と頑張り、同志社大学此春(ししゅん)寮、また同大学友会の尊敬すべき大先輩で1960年代同大学生運動の生き証人の前田良典さんの小論選集『野の人』が完成しお届けできることを皆様方と共に喜び合いたいと思います。

史上空前の猛暑のゆえ、当の前田さんは7月30日に脳梗塞で倒れられ、また数年来の癌と戦いながら、この企画を中心的に進めてこられた先輩KMさんは、あろうことか完成を待たず8月20日に亡くなられました。本書は、まさに死を賭した編集作業によって完成したといえるでしょう。

私松岡は、いわば「遅れて来た青年」(大江健三郎)で、1970年に同志社大学に入学し、以後、〈二つの安保闘争〉をめぐる激動の時代に、その戦闘性で全国の学生運動を牽引した栄光の同志社大学学友会を舞台に活動してまいりました。僭越ながら、私は70年代前半にみずからが関わった学生運動の意味を探究することをライフワークとして出版活動を持続してまいりました。この点では、折に触れ送られてくる、世代の異なる前田さんの卓見に共鳴することが多々ありました。

このたび、そうした前田さんの著作集の編集・出版をおおせつかったことは無上の喜びです。

私たちはまた、元学友会委員長・堀清明さんらと共に「同志社大学学友会倶楽部」という、OBの親睦と交流、そしてかつての闘いの意義を共有し忘れないという活動(記録集出版、講演会など)を長年続けてまいりました。開始以来代表世話人を務めてこられた堀さんが、ご高齢と健康上の都合で代表を辞され、本年から私が引き継がせていただき、規模を小さくすることを余儀なくされつつも、活動を継続することになりました。学友会倶楽部の活動として2013年から、毎年11月初めに行われる大学のホームカミングデーで教室を借り年1回講演会を実施してまいりました。昨年までの実行委員会は初期の目標だった10回の講演会活動が一段落し解散しましたので、まだ固まっていませんが、今後共にやりたいという方がおられましたらご一報ください。

前田さんが活動された1960年代は、時代が大きく変わる転換期でした。それは政治的な面のみならず文化や音楽の面でもそうで、こちらも中川五郎さんや豊田勇造さんらを招いたこともありました。

せっかく1960年代の生き証人でもある前田さんの著作集が出版されましたので、本年は、後輩である私としてはこの本を参考に「1960年代 同志社ラジカリズムとは何だったのか?」をテーマに開催させていただくことにしました。

かつて同志社のキャンパスや旧学生会館を舞台に活動、活躍された皆様方にもぜひご参集いただき、若かった時代に戦争(当時はベトナム戦争)や、社会と世界の不条理に対し闘ったことの〈意味〉を共に語り合おうではありませんか! 

2025年9月24日記

(四六判、上製、本文240ページ 非売品)

【主な内容】
第一章 友人・先輩への追悼集
個と共同(藤本敏夫追悼) 
大森昌也さん追悼 
思い出ボロボロ 堂山道生と私 
同大の先輩たち(中島鎮夫さん・望月躬三さん・片山昌伸さん)
 「境毅(バラ均)さん追悼」走り書き
第二章 同志社ブント・関西ブント記
六〇年代同志社学生運動私記 
    「同志社学生運動」編纂について(コメントひとつ) 
一九六九年ブントに何があったのか 
第三章 同志社此春寮(砂野文枝寮母と寮生)
砂野寮母の生誕と葬送 
砂野ママ葬送一周年追悼集会に寄せて 
深草墓参
同志社リベラル 
第四章 洛南反戦と地域労組
第五章 書 評
第六章 時代論評
時代は回る 
3・11大地震・津波・原発被災と南相馬の村のこと(メモ) 
南相馬への旅 
反原連運動(しばき隊)はスピリチュアル運動か 
「慰安婦と非正規労働」問題(同志社の友人へ) 
原発・沖縄・天皇・障碍者殺害 
ウクライナ戦争と資本主義の変容 
第七章 古代史

▼前田良典(まえだ・よしのり)
1962年同志社大学入学。在学中、同大学友会書記長、京都府学連副委員長を歴任。故・塩見孝也氏とは同期、故・藤本敏夫氏は寮の1年後輩。

◎本書は「非売品」で書店では発売しておりません。ご希望の方は松岡までメールください。刊行会に諮り、ご希望に沿うように努めます。
◎同志社大学ホームカミングデーは11月9日(日)。学友会倶楽部の集いについては後日ご案内。

戦争と原発は核でつながっている ── 10月4日大阪でフォトジャーナリスト豊田直巳さんの緊急報告会を開催します!

尾﨑美代子

10月4日(土)、フォトジャーナリスト豊田直巳さんの緊急報告会を行います。限られた時間内での宣伝となりますが、ぜひご参集ください。

大学の先輩の豊田さんのジャーナリストとしての活躍ぶりは知っておりました。3・11後、私が釜ヶ崎の仲間と支援を始めた福島県飯舘村に足しげく通っていることも知っておりました。

時が流れ、Facebookなどでやり取りするようになったのが今年初め。私は編集委員で関わる反原発雑誌『季節』(鹿砦社発行)の原稿を豊田さんに依頼、最新号に掲載された豊田さんの記事が「ガザからフクシマへ」です。

5月17日、アジアで初めて原発ゼロを実現させた台湾、現地には水戸喜世子さんも行っておりました。さらに『季節』で依頼した豊田さんの写真に水戸さんのお姿もありました。そんな水戸さんと「いつか豊田さんの写真展と講演会をやろうね」と話していたところ、なんと、豊田さんから10月4日に報告会をやってくれないかとお話がありました。一緒に取り組んでくださるのは、水戸さんの娘さんの晶子さん。晶子さんも台湾で豊田さんと出会っていました。晶子さんはパレスチナ問題をもっと広めなくてはと奔走され、10月5日谷町六丁目の書店「隆祥館」で早尾貴紀さんとトークイベントを企画(チラシ参照)しており、豊田さんがせっかく来阪されるなら、4日もどこかでお話出来れば…ということで急遽この報告会がきまりました。

素適なチラシを作って下さった晶子さん、実は「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー」の制作活動を続けております。こちらのカレンダーは当日会場で販売いたします。そこに先の『季節』の豊田さんの文章から抜粋し、「プロジェクトX」風の文章にまとめてみました

その『季節』の豊田さんの文章の最後はこうまとめられています。

私(たち)は「どのように」許さないか。パレスチナからフクシマへの私個人の道のりが示すように、戦争と原発は、つまり戦争の中から生み出された核は、今も密接に結びついている。そのことを改めて私(たち)に実感させたのもやはりイスラエルとアメリカの戦争。イランへの核施設(原子力施設)への国際法違反を承知での攻撃だった。この現行の締め切り間際のこの蛮行を記す現状を、私(たち)は「どのように」許さないかが問われている。

世界各地の紛争地で続く核攻撃と、自国に向けられた核兵器である原発を、一刻も早く止めていこう。

※当日は同じく飯舘村支援を続けてきた「アカリトバリ」のミニライブ、ガザ支援の物販コーナーもあります。

[追記]翌5日(日)には隆祥館書店(谷町六丁目)でも豊田直巳さんのイベントが開催されます。こちらもぜひご参加を!

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0FJXW1RPD/

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)https://www.rokusaisha.com/wp/?cat=57
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

『3・11の彼方から 「季節」(「NO NUKES voice」)セレクション集vol.1』をお届けするにあたって

『季節』編集委員会

私たちの出版活動、特に『季節』をご支援、ご支持される皆様──

『3・11の彼方から 「季節」(「NO NUKES voice」)セレクション集vol.1』がようやく完成いたしました。当初の目論見に反し編集に苦戦、発行が遅れ、ご心配をおかけしました。

印刷所から届いたばかりの『3・11の彼方から』

予想以上に難産でした。しかし、後々に残る立派な本になりました。

本書は、わが国唯一の脱(反)原発情報誌『季節』(前身の『NO NUKES voice』含む)創刊10周年記念事業として企画されました。

当初一巻本として、約400ページで出版する予定でしたが、編集の過程で、収録し後世に残したいものが数多あり、結局608ページで、それも三巻に分けて出版することになりました。史料としての価値も大いにあるものと自負しております。

『季節』は、『NO NUKES voice』の名で2014年8月に創刊いたしました。当初編集長は発案者の鹿砦社代表・松岡が務め、その後、小島卓が引き継ぎ、また誌名も『季節』に改題し現在に至っています。

創刊時、まだ3・11から年月もさほど経っておらず脱(反)原発の機運が盛り上がり国会周辺には多くの人々が結集し抗議の声を挙げていましたが、徐々に減っていき、今はほぼなくなりました。

また、創刊号から小出裕章氏ら錚々たる方々にご協力、ご寄稿賜りながら、私たちの営業力不足で実売的には苦戦し、残念ながらいまだに黒字に転じていません。当初は鹿砦社の景気も好況で、本書の赤字は会社の利益で消していましたのでよかったのですが、多くの企業のように新型コロナ以降、一転不況になり、そうもいかなくなりました。

新型コロナというパンデミックの襲来もありましたが、福島の悲劇の記憶はなしくずし的に風化しようとしています。遺憾なことです。

『季節』の今後につきまして、気分的には発行継続の方針ですが、現実問題としては資金的に困難な情況であることを隠しません。皆様方のご支援をお願いする次第です。まずは本書を一冊買ってご支援ください!

そして、どうか紐解いていただき、気に入れば周囲の知人、友人の方々にもご購読をお薦めいただければ幸いです。

本書vol.2は来年前半、vol.3は来年後半の刊行予定です。ご予約を入れておいていただければ助かります。

まずは『3・11の彼方から』完成のご挨拶にて失礼いたします。今後共『季節』、及び鹿砦社の出版活動をご支援、ご支持お願いいたします。

[A5判、本文608ページ、カバー装、限定500部、定価4950円(税込み)]

Ж お申し込みは、Amazonなどネット書店、最寄りの書店、または直接鹿砦社
本社 j-info@rokusaisha.com まで。

鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new&bookid=0

2025年9月  
『季節』編集委員会  
株式会社 鹿砦社

《書評》『司法が原発を止める』、樋口英明裁判官と井戸謙一裁判官の対話、人を裁くただならぬ特権の舞台裏

黒薮哲哉

本書は、原発の操業を差し止めた二人の裁判官による対談集である。自らが執筆した原発訴訟の判決、法曹界に入った後に肌で感じた最高裁事務総局の違和感、裁判官として交友のあった人々の像など、大半の日本人には知りえないエピソードが登場する。

筆者にとって法曹界は取材対象の一分野である。と、いうのも2008年から09年にかけた次期に、読売新聞社から3件の裁判を起こされ、総計約8000万円を請求された体験があるからだ。これら3件の係争の背景には、新聞業界で尋常化している「押し紙」問題を告発した事情がある。「押し紙」による損害は年間で、少なく試算しても1000億円を超える。当然、ジャーナリズムの重要なテーマである。

巨大メディアが、日本を代表する人権擁護団体である自由人権協会の代表理事、喜田村洋一弁護士を代理人に立て、フリーランス記者をつぶしにかかった事件を、司法がどう裁くかを、自分の問題として考えた。

本書を一読して印象深かったのは、職業人として心血を注いだ判決を書いている裁判官の姿である。本書の対談者である井戸謙一氏と樋口英明氏が身に付けている高い職業倫理については、人伝いに聞いていたが、判決文を執筆する際に言葉の細部にまで神経を走らせているとまでは想像しなかった。たとえば次のくだりである。

「(樋口)福島第一原発事故が起こった後に井戸さんの判決を読み返して、本当に驚いた。言っていることはもちろん正しいですし、判決文の中に「砦」という言葉が出てくるのです。原発の運転を停止する際に必須な「止める・冷やす・閉じ込める」についてです。「最後の砦である機能も失われて」という表現。あの部分が強く印象に残っています。あそこは光って目立つ感じです。また、すごく丁寧に一つひとつの論点について説示してあるのが印象的でした。なぜこの判決が最高裁で破られたのか、それが不思議です。」

「(井戸)私は控訴審(高裁)に向けて判決文を書きましたよ。論理の中に穴があってはいけないので、とにかく穴がないように細かく細かくチェックして、あの文章を作っていました。」

井戸氏は、自らがかかわった身代金目的の誘拐事件では、「殺意が確定的か、未必的かという事実認定と量刑を死刑にするか無期懲役にするか」をめぐって、他の2人の裁判官と、「月曜日から金曜日まで、毎日、夜の11時ごろまで合議」を繰り返したという。正常な裁判官にとって、判決は丹精込めた「作品」にほかならない。

これに対して、筆者が30年近く取材してきた「押し紙」裁判の判決には、杜撰なものが多数を占める。おそらく結論が先に決まっていることがその原因だと思われる。たとえば数年前に日本経済新聞の販売店主が、「押し紙」裁判(京都地裁)で敗訴した事件がある。筆者は、原告から主要な裁判資料を入手して、内容を確認した。その結果、「押し紙」の損害を受け続けた原告が弁護士のアドバイスを受け、十数回にわたって内容証明で「押し紙」の仕入れを断っていたことなどが分かった。しかし、裁判官(合議)は、内容証明をもとに店主と日経新聞社が話し合ったから、過剰になっていた新聞は、押し売りされた部数には該当しないという奇妙な論理を組み立て、原告の請求を棄却していた。

また、「押し紙」裁判では、判決の直前になって、最高裁事務総局が不自然な裁判官の人事異動を行うことも日常茶反になっている。原発裁判と同様に、筆者は裁判そのものの公平性を疑わざるを得ない場面に繰り返し遭遇してきた。それゆえに、本書の内容が新鮮に感じられた。司法の原点をみたような気がした。

裁判官には、人を裁くただならぬ特権が付与されている。当然、司法ジャーナリズムは、裁判官を監視しなければならない。そのためには何が必要なのか。筆者は、判決という一種の「作品」を公けの場で批評することが重要な意味を持つと思う。当然、判決の著者を公表しなければならない。裁判の提訴と判決だけを報道することが、司法ジャーナリズムではない。

本書の企画は、新しい司法ジャーナリズムの試みとしても意義深い。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2025年7月19日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0FJXW1RPD/

『季節』夏・秋合併号、野田正彰・著『流行精神病の時代』、好評発売中です!

鹿砦社代表 松岡利康

この夏、私たちが心血を注いで編集した2点の新刊が発売になりました。『季節』はお盆前に、『流行精神病の時代』はお盆明け20日に、それぞれ発売になりました。

詳しい説明は省きますが、下記の詳細な内容をご覧になれば、これら2点の新刊に、私たちがいかに力を入れたかがわかるでしょう。

『季節』では、なんと言ってもわれわれの世代のカリスマ、山本義隆さんの23ページにわたる力の入った講演録は必読です。これだけで一冊のブックレットになるほどの分量です(悪徳商法=岩波ブックレットがいかにボッているか)。

『流行精神病の時代』は、『紙の爆弾』『季節』に折に触れ寄稿したものを中心に現代の病理を衝いています。

土日は書店に足を運びお買い求めになるか、あるいはAmazonなどのネット書店、また鹿砦社HPなどでご購入下さい! よろしくお願い申し上げます。

『季節』2025年夏・秋合併号
(NO NUKES voice改題 通巻43号)

A5判 164ページ(巻頭カラーグラビア4ページ+本文160ページ) 

定価 990円(税込み) 紙の爆弾増刊 8月8日発売 

《特集》核兵器と原発を廃絶するために

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]国と洗脳

山本義隆(科学史家)
[講演]核発電の根本問題 核ナショナリズムがもたらしたもの

まさのあつこ(ジャーナリスト)
[報告]原子力ムラ・無責任の実態 事故処理の「責任者」は誰なのか

樋口英明(元福井地裁裁判長)
[報告]本当に「司法が原発を止める」ために 井戸謙一さんとの新刊対談本を語る

後藤秀典(ジャーナリスト)
[報告]東電株主訴訟 損害賠償一三兆円の一審判決が覆された理由

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]原発の技術的特性と裁判の論理〔1〕 原発回帰への国策に対抗する道

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]柏崎刈羽原発に迫る危機 地震と津波で「原発震災」が起きる

星野幸彦(柏崎市議会議員)
[報告]《第三弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」
 再稼働に前のめりの柏崎刈羽原発 避難計画ではなく被ばく計画ではないのか

村田三郎(医師)
[インタビュー]弱者の側に立ち、反核・反原発を闘う[前編]

水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
[報告]台湾「原発ゼロ」達成の夜、台北で二度泣いた

豊田直己(フォトジャーナリスト)
[報告]ガザからフクシマへ

北村敏泰(ジャーナリスト)
[報告]十五年目に入った福島第一原発事故被害地から
 欺瞞の“復興”による被災者の分断と抑圧

田口 茂(UNSCEAR 2020/21報告書検証ネットワーク・世話人)
[報告]隠蔽された被ばくと甲状腺がんの真相
 原子力災害伝承館は真実を伝えよ

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]避難者と住民票

佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
[報告]《屁世滑稽新聞からの警告》
 火山の近所の原発再稼動で「地方早世」……の巻

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]米田哲也 万引き逮捕の衝撃

平宮康広(元技術者)
[報告]大型原発vs大型石炭火力発電、および小型原発vs小型石炭火力発電〈1〉

原田弘三(翻訳者)
[報告]脱炭素の罠 「脱炭素マインド」刷り込みによる原発推進の企み

大今 歩(高校講師・農業)
[報告]原発「最大限活用」でいいのか 第七次エネルギー基本計画を問う

再稼働阻止全国ネットワーク
原発再稼働の逆流に抗して 全国各地の創意ある活動
《福島》鴨下美和(福島原発被害東京訴訟原告)
《柏崎刈羽》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟 事務局長)
《東京電力》中井はるみ(忘れまい3・11!反戦・反原発の会/千葉)
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店合同抗議実行委員会)
《東京電力》柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
《柏崎刈羽》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東海第二》久保清隆(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《中東和平》斎藤なぎさ(たんぽぽ舎運営委員)
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
[反原発川柳]乱鬼龍選

松岡利康 今後の『季節』について

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『流行精神病の時代』
野田正彰(精神科医)著

四六判 カバー装 本文248ページ  

定価1980円(税込み)8月20日発売  

「発達障害」と「精神病遺伝説」
──精神科医、製薬会社、NHK、学校の病気創りによって、無数の子どもが犠牲になっている。
日本で「精神医療」と呼ばれているものの実相とは。

目次

第一章 「優生保護法」は日本精神医学の常識
 一・一 現代に息づく優生保護法の思想
 一・二 業界による隠蔽
 一・三 優生保護法をめぐるお祭り訴訟

第二章 教科書と「精神疾患」
 二・一 精神病遺伝説を常識とした学校教育
 二・二 偏見に加担する教科書と法
 二・三 偏見改まらぬ教科書
 二・四 開かれた精神医療をめざして
 二・五 地域精神医学の現状

第三章 旭川少女殺人事件と「発達障害」
 三・一 「発達障害」という流行精神病の作り方
 三・二 旭川女子中学生いじめ凍死事件 雪の少女へのレクイエム
 三・三 雪の少女の哀しみ
 三・四 隠蔽のための「再調査」

第四章 事件と映画に思う
 四・一 自死とは世界の消去なのか 大阪放火事件に思う
 四・二 映画『どうすればよかったか?』を観た人へ

第五章 原発事故被害者の精神鑑定
 五・一 原発被害者が死ぬ前に見た景観
     [精神鑑定書1]菅野重清さん  
     [精神鑑定書2]大久保文雄さん
     [精神鑑定書3]Aさん
 五・二 原子炉との深夜の対話

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4846315827/

日本で唯一の脱(反)原発情報誌『季節』2025夏・秋合併号が8月8日発売です! 

鹿砦社代表 松岡利康

すでにご報告させていただいている通り、本誌反(脱)原発情報誌『季節』創刊10周年/月刊『紙の爆弾』創刊20周年にあたり、4・5東京、7・12関西と二つの「鹿砦社反転攻勢の集い」は、お陰様で盛況裡に終了いたしました。

新型コロナによって厳しい経営環境の下での集いでしたが、当社の出版活動を支持される多くの皆様のご参加、ご支援にて次のステージへ再出発することができました。皆様方のご参加、ご支援、本当にありがとうございました。皆様方のご支援に応え、必ず復活いたします。この件につきましては、すでにご報告させていただいていますので、これに留めます。

そして、明日8月8日にお届けする『季節』夏・秋合併号ですが、合併号ということもありかなり増ページとなりました。とりわけ今号では、5月7日に衆議院第一議員会館にて行われた、われわれの世代のカリスマ、元東大全共闘代表で物理学者の山本義隆さんの長大な講演録が入りました。必読です!

また、本誌創刊10周年記念出版とし昨秋刊行予定だった、季節編集委員会・編『3.11の彼方から──「季節」(NO NUKES voice)セレクション集』ですが、前回お知らせしましたように、ようやく完成の目途が立ち、9月初め発売予定で急ピッチで編集作業を進めています。大幅に遅れての刊行となったことをお詫びいたします。

ところで、これも前回申し述べましたが、実際に編集作業に入ってみると、当初想定した以上にページ数が嵩み、一冊では収まり切れなくなりました。そこで3分冊に分けて出版することにしました。今回は、前身の『NO NUKES voice』創刊号から14号までから選りすぐり収録いたしました。ご予約よろしくお願い申し上げます ! 

なお、ページ数の大幅増により定価アップとなりますが、以前にご注文された方は、当時予告した金額のままで結構です。

(松岡利康)

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原爆被爆と原発被曝に詳しい村田三郎医師に「被ばく」の話を聞いてきた

尾﨑美代子

5月2日、阪南中央病院の村田三郎医師に取材に行ってきました。ずっと前からお話を聞きたいと思っていた方。4月20日、「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」が主催する「チェルノブイリ原発事故39年の集い 被爆80年 核も戦争もいらない」に村田先生が講演を行うというので参加し、ご挨拶させてもらっていた。そのあとすぐに連絡し、お時間をとってもらうことになった。

村田三郎さん 高知県出身、大阪大学医学部卒業後、1978年から阪南中央病院(大阪府松原市)に内科医として勤務。広島・長崎の原爆被爆者、水俣病患者の検診・診療、原発で働く被ばく労働者の実態調査や労災認定などを行う。著書「福島原発と被曝労働」(共著)ほか

近鉄南大阪線布忍駅下車、徒歩8分にある阪南中央病院。そこで3時から4時半までびっしりお話をお聞きした。村田先生は、水俣病患者さん、広島・長崎の被ばく者の診療・治療にあたったほか、原発の被ばく労働者の治療や労災認定のお手伝いを行ってきた。今日はとりわけこの被ばく労働問題についてお聞きしてきた。お話の内容はまたどこかで報告させてもらいます。

村田先生、とにかく優しい方。病院へのアクセスもめっちゃ詳しく説明してくださったうえ、お会いするなり、「わかりましたか」と聞いてくださる。優しさのその原点は、生まれ育った高知県で、教師だった父親から言われ続けた「弱い人の立場で行動しろ。そうしていたら間違いはない」という言葉を信じてやってきたからだという。その言葉を信じ、子どもの頃、漠然と医師か弁護士になろうと考えていたという。両親は村田先生に「医師になれ」とはいわないものの、クリスマスプレゼントに野口英世など医師の伝記の本をくれたことも影響しているかなと話されていた。

◆釜ヶ崎では「原発の仕事に行った」と話す労働者に会ったことがない

一番最後の質問で、私が釜ヶ崎で25年店をやっていて、建設業界のほとんどの職種の労働者を知っているが、原発の仕事に行ったという労働者はほとんどいない。土工さんで掘削作業をした人でも「ママ、阿倍野ハルカス作ったの、俺やで」と自慢したがるのに、「敦賀原発行ってきたわ」などという人の話はほとんど聞かない。それは何故なのだろうか?という話を村田先生とあれこれお話させてもらった。

村田先生のお話とは別なのだが、初めて行った阪南中央病院、病院の前の道路を挟んだ向かい側に全国チェーンを展開する「スギ薬局」があり、病院の隣に「うめ薬局」があった。私はうめ薬局のほうが、スギ薬局に対抗して出来たものと思った。「おいおい、スギに対抗してうめかよ」と。それを村田先生にお聞きしたところ、うめ薬局が先なのだという。その後、病院前に広大な空き地ができ、何が出来るかと思ったら、スギ薬局が進出したのだという。まあ、どうでもいい話だが、ちょっと驚いた。うめにスギかよ。

阪南中央病院
阪南中央病院の向かい側にあるうめ薬局とスギ薬局

◆国と電力会社は原発推進のために仲間だって「殺す」

あと、村田先生の動画が何かをみてて、先生が「もんじゅのナトリウム漏れ事故では自殺者も出ていますよね」と話しておられたので、生意気だと思ったが、ひとこといわせてもらった。「先生、もんじゅのナトリウム漏れ事故で自殺者が出たと話してましたが、あれ、自殺ではないですよ。殺されてますよ」と。

村田先生は驚いたように「何か、資料や記事ありますか?」と聞かれたので、「私はずっと気になっていたので、直接亡くなった動燃の職員・西村成生さんの遺族、奥様の西村トシ子さんに何度もお会いしました。トシ子さんと息子さんは、今も裁判続けてますよ。私も裁判を傍聴したことがありますし、トシ子さんの家に伺って裁判資料全部見せてもらいましたよ」と話し、その内容をまとめたものを送らせてもらうと約束した。

原発は被ばく労働で大量の労働者を「殺して」いるが、そのうえ国と電力会社の原発政策に邪魔になる人、あるいは推進するためには、仲間だって「殺す」ということ、それを伝えたかった。

村田医師、本当に素晴らしい方だった。

もんじゅ、西村職員の事件について書いた記事(1~6)はコチラから読めます。どうぞ、ご一読を。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

『紙の爆弾』2025年5月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

5月号では、開戦3年を過ぎたウクライナ戦争を“終わらせない勢力”の存在をジャーナリスト・田中良紹氏が指摘。現在を含め、戦争終結に向かう動きを封じ込めてきたネオコン勢力と、その影響を強く受けつつ世界を席巻する“リベラル・デモクラシー”に切り込みました。日本国内では、自公少数与党をなぜか打倒しようとしない野党勢力を国際政治学者の植草一秀氏が分析します。なぜ、昨年衆院選で国民が自公に鉄槌を下したにもかかわらず、政権交代の機運が早々に途絶え、自公政権存続の方向性が直ちに定まったのか。今国会の焦点のひとつであった高額療養費制度改悪とアベノミクスの関係、またそれが凍結ののちに、次期参院選の重要なキーポイントとなること。また企業団体献金禁止を妨げる野党勢力についても明らかにしています。

全国で「財務省解体デモ」が盛り上がる中、財務省が持つ“異常な権力”について、『消費税という巨大権益』『本当は怖い税金の話』などの著作を持つ元国税調査官・大村大次郎氏が徹底解明。「日本の財務省は先進国ではありえないほどの巨大な権力をなし崩し的に保持している」と断言する大村氏の言葉は、問題意識を持つ人のみならず必読です。さらに“減塩信仰”の嘘と「塩の効用」を神戸・ナカムラクリニックの中村篤史医師が解説。健康に関する情報としてはもちろん、私たちが日々いかに“洗脳”の中にあるか、考えるきっかけとなるものです。

本誌発売後に開催される「大阪・関西万博」で、石毛博行事務総長は“成功”の基準を問われ、「想定来場者の2820万人は想定であって目標ではない」と答えています。そもそも万博は、宣伝して客を呼ぶ商業イベントではないとは思っていましたが、人が来ないということは、関心を持たれていないということ。つまり、計画当初から問われていた「開催の意義」が、万博そのものにはやっぱりなかったということです。結局のところカジノ万博であり、加えて今月号で植草一秀氏は「産廃と淡路島」に言及しています。福島第一原発事故で国と東京電力旧経営陣を免罪した最高裁判事の顔ぶれを明らかにしていますが、危険が明らかな原発や失敗が明らかな万博を止められない政治・社会の構造をなんとか変えることこそ、いま求められていることです。

本誌はついに創刊20周年。編集長を務める私自身が「右も左も」どころかゼロから出発し、試行錯誤を繰り返してきました。いま、書店の減少がなお加速し、コンビニも雑誌を扱わない店が増えました(本誌はもともと書店のみですが)。一時は隆盛を見せた保守系雑誌も発行部数を減らしているといいます。ただし、経済的な意味での需要の減少は避けられないとしても、社会的需要=言論としての価値は増えていると感じています。課題は山積みです。『紙の爆弾』はそこにより深く楔を打ち込むとともに、読者に迫るメディアであろうと考えています。  全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 5月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年4月7日発売
戦争を終わらせないのは誰か ウクライナ戦争の真実 田中良紹
自公少数与党と対決しない 維新・国民民主・立憲民主の裏側 植草一秀
元国税調査官・大村大次郎インタビュー 財務省を解体すれば日本は確実に良くなる
道義平和国家・日本の矜持を取り戻せ!シリア「政権の空白」で何が起きているのか 木村三浩
減塩で糖尿病・がん・心筋梗塞・肥満リスク増「塩の効用」を考える 中村篤史
SNS言論封じ法「情報流通プラットフォーム対処法」の言論統制 足立昌勝
「米露同盟」と「ヨーロッパ再軍備」アメリカの多国籍軍NATOの崩壊 広岡裕児
福島第一原発事故「国も東電経営者も責任なし」と判断した最高裁判事たち 後藤秀典
「コメ価格急騰」への影響も 誘拐被害者が語ったミャンマー詐欺拠点の実態 片岡亮
トランスジェンダー論争にみるキャンセル・カルチャーの実態 井上恵子
「Black Box Diaries」伊藤詩織監督映画上映妨害は言論弾圧だ 浅野健一
マスコミ幹部を飼い慣らした「みのもんた伝説」本誌芸能取材班
鎌倉「ヴィーナスカフェ」問題から闇を覗く ハマのドンと横須賀のドン 青山みつお
NHK廃止のための思想の準備作業「公共放送」の「公」をラジカルに問い直す! 佐藤雅彦
環境省の“犯罪黙認”沼津市による「特定有害物質」不法投棄問題 青木泰
シリーズ日本の冤罪 耐震偽装事件 片岡健
『紙の爆弾』創刊二十周年にあたって——創刊の頃、そして現在

〈連載〉
あの人の家
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け 西田健
「格差」を読む 中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座 東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER Kダブシャイン
「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0DM4Y59YX/