知名定男さん

宇崎竜童さん

宮沢和史さん

前川真悟さん(かりゆし58)

いよいよ24日(日)、第8回を迎える「琉球の風」の開催が近づいてきた。週間予報によると当日、熊本の天気は曇りとなっているが、今年もきっと晴れるに違いない。もし1週間台風が遅れていたら開催は無理だったろうが、台風は去り、実行委員の方々は最後の準備に追われていることだろう。

鹿砦社代表の松岡と同級生だった東濱弘憲さんがご自身のルーツを探る中から企画をはじめた「琉球の風」は東濱さんが亡くなって以降も有志実行委員会による開催をつづけている。このイベントの特徴は、今年の出演者が宇崎竜童、宮沢和史、島袋優(BEGIN)、かりゆし58、ネーネーズといった常連、ベテランの大御所から、MONGOL800のキヨサク、HYの新里英之、仲宗根泉といった初登場の大物たちによりステージが展開される豪華さだろう。サンデーwith新良幸人、下地イサム、金城安紀、比嘉真優子などが脇を固める。

これだけの顔ぶれながら、「琉球の風実行委員会2017」の中にはいわゆる企画屋さんやプロの興行師は一人もいない。委員会は皆このイベント以外に仕事をもっていたり、普段は芸能とは無関係な生活をしている「一般人」の方ばかりだ。つまり「琉球の風」は全く営利目的イベントではない。だから頭が下がるのだ。半年ほど前に実行委員会委員長に「何かお手伝いできることがあれば」と申し出たことがある。委員長ははっきりと言葉にはしなかったけれども「ありがとうございます。お気持ちはありがたいですが、私たち熊本人でこのイベントはやり遂げますよ」と笑顔を返してくださり、「当日来て下さるだけで大感謝です」とだけ仰った。

私は東濱さんを知らないし、熊本も一昨年初めて訪れた。鹿砦社が協賛していることは知っていたが、熊本は足を運ぶまで関西からは実際の距離以上になんとなく遠く感じていた。でも新大阪から新幹線に乗ると熊本まではわずか3時間ほど。なんだ東京に行くのと変わらないじゃないか、と遅まきながら知った。沖縄には何度も足を運んでいたけども、初めて訪れた熊本で東濱さんの名前が時々「あがりはま」と呼ばれていて、はてなと思い、知人に聞いたら「琉球では東をあがり、西をいりと呼ぶのさー」と教えてもらった。なるほど陽が昇る東が「あがり」で沈む西が「いり」。西表島を何の不思議もなく「いりおもてじま」と呼んでいたけど、情緒のある言葉を学ばせてもらったのも熊本でだった。

去年は大変な震災があった熊本。街のあちこちの「危険立ち入り禁止」のシールが印象的で今も余震は続いている。でも24日の熊本の空はきっと晴れ上がり、フードパル熊本(「琉球の風」会場)には夏のような陽光が降り注ぐだろう。今年から各ミュージシャンの演奏時間がこれまでよりも長くなり、昨年までとはまた違った味わいを満喫できるに違いない。

九州や中国地方の方だけではなく、全国の皆さん!週末は熊本に出かけてみませんか。

宮沢和史さんの「島唄」で会場が最高潮に盛り上がった昨年の「琉球の風」

9月24日(日)熊本で琉球の風~島から島へ~2017!

【日時】9月24日(日) 12:00開場 13:00開演 (19:00終了予定)
【会場】フードパル熊本 イベント広場
《熊本交通センター⇔上熊本駅⇔会場までの臨時バス運行》

【プロデューサー】知名定男
【出演】 新良幸人withサンデー、下地イサム、宮沢和史、
島袋優(BEGIN)、金城安紀、かりゆし58、UKULELE GYPSY(キヨサク from MONGOL800)、
新里英之&仲宗根泉(HY)、ネーネーズ、比嘉真優子、琉球國祭り太鼓 九州各支部、
(演奏)ネーネーズバンドDIG(嘉手聡、KOZ、前濱YOSHIRO、名嘉太一郎)、
(MC)ミーチュウ、岩清水愛、
(友情出演)宇崎竜童
※出演者が追加・変更になる場合があります。
【出店】飲食店・物産品販売店等、20店舗程度を予定

大人  前売6,000円(当日6,500円)
中高生 前売3,000円(当日3,500)
✱当日は学生証をご持参ください。
小学生 前売500円(当日¥1,000)
小学生未満 無料

☆先着1000名様に「琉球の風2017」ロゴ入りエコバッグを贈呈、
また抽選で100名様に『島唄よ、風になれ!』(通常版)をプレゼントします。
いずれも鹿砦社提供です。


【イベント詳細】Facebook 琉球の風~島から島へ~2017

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』特別限定保存版(「琉球の風」実行委員会=編)

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』通常版(「琉球の風」実行委員会=編)

本日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

 
『NO NUKES voice』が本日15日全国書店で発売された。季刊誌ながら発刊3年、13号を迎えることができたものの、財政的にも、紙面づくりでも予想を超える困難があったことは今号の巻頭で発行人の松岡がお伝えしている。たしかに鹿砦社という小さな出版社にとって「脱・反原発」に特化した雑誌の発行は、身の丈を考えればかなりの「冒険」で、けっして収益的に楽観できるものでは当初からなかった。

だからといって、福島第一原発事故で起きたあの大事故から目を逸らすことが、われわれには出来なかった。人間が何世代も生きてすら「収束」することはできない大惨事などそうそうあるものではない。地域紛争だって、戦争だって、被害を受けたひとびとの心の傷はいやされずとも、数十年で町や国は外見上復興する。しかし原発事故はそうはいかない。人間がコントロールできない自然災害と似たような性質も有するが、決定的な違いは自然災害から人間は逃げおおせないが、原発事故は人間が決断すれば簡単に防ぐことができる、ということである。

にもかかわらず、福島第一原発で大事故を起こした東京電力の柏崎刈羽原発にまで再稼働の適合性を原子力規制委員会は認めようといている。原子力規制委員会の役割は「原発の安全を審査」することではなく「審査基準に適合しているか」を審査する場所であるそうなので、「安全を保証するものではない」と田中俊一委員長が繰り返し「正直に」述べているとおり、原発に限れば「安全の保証」などはできえないのである。

◆この国は何を考えているのか?

経産省前テントひろば共同代表の渕上太郎さん

72年前、非戦闘地域に2つの原爆を落とされ、6年前に4基の原発を爆発させた国は、世界広しといえども、この国をおいてない。そしてこの国は「核兵器禁止条約」には参加しないという。

どういう頭の構造をしているのか。何を考えているのか。なぜそんなに死に急ぐのか。私にはまったく彼らの考えていることが理解できないし、その弁明に微塵の合理性も感じることができない。下手くそな言い逃れと、詭弁、迂遠なモノ言いながら簡潔化すれば小学生程度の論理性も保持しない稚拙な言い訳。こういった「欺き」を生業にしている人に判断を委任していたら、再度(いや最後)の事故が起きることは必至だ。

そして、その可能性は残念ながらどんどん高まっている。反対の声を押し殺して徐々に進む再稼働。それと歩調を合わせるかのように全国で頻発する中規模の地震。1995年阪神大震災以来、この島は地震の活動期に入った。さらに太平洋プレートの向こうの端、チリ、ペルー、ニュージーランド、台湾などでも大地震が起きた。北海道、新潟、岩手、鳥取、熊本、鹿児島、沖縄など全国各地で中規模から大規模の地震が毎年起きている。スーパーマーケットへ行けば「○○災害支援募金箱」が置いてあるが、近年のゲリラ豪雨の被害と相まって、募金箱の名称が長続きすることはない。年から年中自然災害だらけである。

せめて、人間の判断と手で、止めることができる災害であれば、止めよう。

◆私たちの希望と要求はシンプルにして簡潔だ

私たちの希望と要求は実にシンプルにして簡潔だ。筆舌に尽くしがたい原爆・原発事故による被害者の方々の苦難の「現在進行形」と隣り合わせで生きているわれわれは、見て見ぬふりが許されるのだろうか。あれは「他人事」なのか。厚労省の国会答弁(2017年4月14日参議院・東日本大震災復興特別委員会での山本太郎議員の質疑)によれば1082人(2011-15年までの5年間での福島県内9病院集計)を超えたとされる福島県での甲状腺がんの手術を受けたひとびとは、私たちと「無縁」の人なのか。ほおっておけばまた明日の朝が必ずやってくる保証は、本当にあるのか。毎朝、毎夕の東京の満員電車は自然な光景なのか。

これは編集長以下が協議して作成した見解ではない。しかし私たちは(おそらくあなたも)細部が異なることはあれ、原発が「在る」こと、「再稼働」されることに、どこか私と重なる気持ちをお持ちではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
[写真=大宮浩平および本誌編集部]

『NO NUKES voice』vol.13
創刊三周年記念総力特集
多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

[グラビア]我に撃つ用意あり/強制撤去から一年 闘い続ける「経産省前テントひろば」他
[インタビュー]望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)
森加計・原発・武器輸出 〈タブーなき記者〉の軌跡
[インタビュー]寺脇研さん(元文部官僚、京都造形芸術大学教授)
原子力村と宇宙村 省庁再編が壊した教育の未来
[インタビュー]中島岳志さん(政治学者、東京工業大学教授)
脱原発こそ「保守」の論理である 安倍内閣終焉後の対抗軸
[インタビュー]鵜飼哲さん(フランス文学・思想研究、一橋大学教授)
反原発と反五輪 復興五輪が福島を殺す
[講演]水戸喜世子さん(「救援連絡センター」元事務局長)
原発は滅びゆく恐竜である
[講演]笹口孝明さん(元新潟県巻町町長)×村上達也さん(元茨城県東海村村長)
巻町「住民投票」の教訓と東海村「脱原発」の挑戦
脱原発をめざす首長会議・原子力市民委員会共催シンポ「原発に依存しない地域社会のために」より
[インタビュー]温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会共同代表)
被曝測定・国のウソ

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
東電再建計画『新々・総特』は瓦解する
[報告]三上治さん(経産省前テントひろばスタッフ)
言い残したきことを抱えての日々
[報告]本間龍さん(著述家)
原発プロパガンダとはなにか〈11〉電力会社のHPにおける原発PRの現状
[報告]「くまさん」須藤光郎さん(脱原発川内テント・蓬莱塾スタッフ)
八月六日の脱原発川内テント・蓬莱塾から
[報告]安部川てつ子さん(子どもたちを放射能から守る伊豆の会代表)
まずは大人から正しい福島の現実を知ってもらいたい
[報告]板坂剛さん(作家・舞踊家)
ある夏の体験
[報告]納谷正基さん(高校生進路情報番組『ラジオ・キャンパス』パーソナリティー)
反原発に向けた思いを次世代に継いでいきたい〈12〉
文部科学省は誰を守り、誰のために存在しているのか?
[報告]田村八洲夫さん(大飯原発稼働差止訴訟原告団サポーター)
大飯原発における「反射断面」による地下構造評価(関電提出)について
[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
「日米原子力協定」来夏“満期”を迎え撃つ

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
夏~冬の焦点──東海第二、大飯、玄海、伊方 四つの原発再稼働に反対する闘い
《東京》柳田 真さん(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
《高浜》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
《伊方》名出真一さん(脱原発アクションin香川)
《福島》佐々木慶子さん(原発いらない福島の女たち)
《避難》鴨下祐也さん(ひなん生活をまもる会代表)
《刈羽》清水 寛さん(たんぽぽ舎、再稼働阻止全国ネットワーク)
《六ケ所》中道雅史さん(なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク)
《東海第二》相沢一正さん(脱原発とうかい塾)
《大洗》山田和秋さん(たんぽぽ舎ボランティア)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《若狭》けしば誠一さん(杉並区議会議員)
《読書案内》天野惠一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

9月15日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

前川喜平さんと寺脇研さん

明日15日『NO NUKES voice』13号が発売される。今号は創刊3周年の特別号。多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて、これまで以上に多彩な人たちに登場していただいた。

◆我に撃つ用意あり──野に下った文科官僚二人の覚悟

巻頭グラビアトップは、加計学園問題をめぐり国家戦略特区という利権行政の闇を証言した前川喜平さんとゆとり教育のエヴァンジェリストの寺脇研さんの元文科省官僚のツーショット。残念ながら前川さんへの本誌原発インタビューは丁重にお断りされたものの、寺脇さんが文科行政の歪みの起源を存分に語ってくれた。

◆望月衣塑子記者、3・11からの軌跡を語る

特集冒頭では東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登場する。官邸記者クラブで菅官房長官を問い詰めたことで一気にその名が知れ渡った望月記者は目下、官邸と御用メディアから陰に陽に不当な恫喝を受けているが、庶民の疑問を直球で権力に投げつける望月記者の姿勢こそ正しく真っ当なのは明かだ。〈タブーなき記者〉として森友・加計問題、詩織さん問題、原発、武器輸出に至るまで3・11以後、取材し報じてきた自身の軌跡を語っていただいた。

次いで登場は寺脇研さんの「原子力村と宇宙村 省庁再編が壊した教育の未来」だ。本コラムで常々文科省の「犯罪性」と「文科省不要論」並びに「宇宙開発の危険性」を指摘している私にとっては、強き味方を得た気分だったが、後段で語られる3・11後の映画批評がむしろ寺脇節全開で面白い。こういう個性的な人が多くいれば「文科省」もここまで馬鹿にはならなかったであろう(現実にはそんな「個性」を認めはしまいが)と感じさせられた。

寺脇研さんと望月衣塑子さん

中島岳志さん

鵜飼哲さん

◆脱原発こそ保守の論理である──中島岳志さんが語る安倍内閣終焉後の対抗軸

中島岳志さん(政治学者、東京工業大学教授)は「脱原発こそ保守の論理である」で持論を展開してくださっている。「保守」、「脱原発」、「安倍内閣終焉後の対抗軸」と興味深い言葉が並ぶが、果たしてそれらはどのように編み上げられていくのか。「保守」、「リベラル」の語意が著しい変化を見せている今日、「リベラル保守」の論客、中島さんのお話には要注目だ。

◆反原発は反五輪に向かう──鵜飼哲さんのラディカルなアクティビズム

鵜飼哲さん(一橋大学教授)は前出の中島さんと異なり、脱原発を志向する方々にはわかりやすいだろう。福島原発事故がもたらした諸矛盾と2020年東京五輪とがどう関係しているか。これまた非常に興味深い論考である。ジャック・デリダに師事した鵜飼さんらしくフランス現代哲学の香りも時々漂う。多くの読者が首肯されながら鵜飼さんのお話を読まれることであろう。

水戸喜世子さん

村上達也さんと笹口孝明さん

◆原発は滅びゆく恐竜である──水戸喜世子さんが語る夫・巌さんの思想と行動

水戸喜世子さんの講演記事「原発は滅びゆく恐竜である」はかつてのお連れ合い水戸巌さんの書名でもある。巌さんと学生時代から学問や社会運動に恐ろしいほどのエネルギーでかかわってきた水戸さんのお話は、明確にして高貴にラディカル。可能であれば読者に活字ではなく音声でお伝えしたかった。

◆虚妄の原発立地・成長神話──巻町・住民投票の教訓と東海村・脱原発の挑戦

「巻町・住民投票の教訓と東海村・脱原発の挑戦」は7月中旬新潟市で行われた脱原発を目指す首長会議と原子力市民委員会の共催シンポジウムにおける、元・新潟県巻町町長の笹口孝明さんと元・茨城県東海村村長の村上達也さんの対談録だ。司会は元国立市長の上原公子さんが務めている。なぜ全国の原発立地自治体は原発を受け入れてしまうのか? 原発に反対する首長にはどのような仕打ちがおこなわれるのか。厳しくも示唆に富んだ元首長お二人の体験談は、原発立地地元の現状と、地域変革のための方向性を示唆している。

◆被ばく測定・国のウソ──闘う元・東大助教、温品惇一さん

温品惇一さん

温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会共同代表)の「被ばく測定・国のウソ」は東大助教時代に公害問題に取り組んで以来、「闘う東大助教」の異名をとった温品さんが福島原発事故後に政府が制定した被ばく基準や、ガラスバッジ測定のウソを温品さんの闘いの歴史の中で再び位置付ける。公害から原発(被ばく)へと長年の取り組みは私たちに何を教えてくれるだろうか。

◆言いがかりで市民を逮捕している暇があれば、東京電力幹部を即刻逮捕せよ!

特集に続き、常連執筆陣も常に熱い。山崎久隆さんの「東電再建計画『新々総持』は瓦解する」、三上治さんの「言い残したきことを抱えての日々」は経産省前テントひろばや闘いの現場からの骨太報告だ。

9月11日夕刻、経産省前テントひろばの共同代表であるFさんが抗議集会の最中に「無届けデモの指揮を行った」という口実で不当逮捕された。本日14日夕刻6時から緊急抗議行動が警視庁前で行われる。本誌は3年前の創刊当初から経産省前テントひろばと連携しているが、今号の表紙とグラビアは経産省前テントひろばで闘う人たちの姿を掲載した。

経産省前テントひろば共同代表の渕上太郎さん

経産省前テントひろば9月11日付けテント日誌より

多くの方々が見守る中での不当逮捕は、物理的に経産省前テントを撤去しても、強い意志で集まり続ける人々への〈国側の焦り〉が表出したとも理解できる。しかしながら、このような不当逮捕は断じて許されてはならず、当局は被逮捕者の一刻も早い身柄の解放と、不当逮捕に対する謝罪を明らかにするべきだ。官憲は言いがかりで市民を逮捕している暇があれば、国土やあまたの人々の生活を奪った東京電力幹部を即刻逮捕せよ!

◎[参考動画]脱原発テントひろば7年目→9・11経産省前へ!【後半・丸の内警察署まで】
三輪祐児さん2017年9月11日公開 ※不当逮捕に関する模様は動画22:30頃~

◆〈流浪の聖者〉くまさんによる脱原発川内テント・蓬莱塾レポート

現場からの報告はまだ続く。今号では脱原発の集会ではだれもが知る〈流浪の聖者〉「くまさん」こと須藤光郎さんに脱原発川内テント・蓬莱塾からの現地報告をいただいた。また、子どもたちを放射能から守る伊豆の会代表の安倍川てつ子さんからは2012年から続けている保養プロジェクトの歩みを寄稿いただいた。

大飯原発の地層の危うさを科学的に論証した田村八洲夫さん(大飯原発稼働差止訴訟団サポーター)の論考、来夏に満期をむかえる「日米原子力協定」の継続阻止をめぐる佐藤雅彦さんの論考は精緻かつ実証的な強力レポートだ。

◆本間龍さん、板坂剛さん、納谷正基さんの好評連載

全国的に「どの面下げて」と思わずにはいられない電力会社の広告の大々的な再登場を目にするが、今号も本間龍さんの連載「原発プロパガンダとは何か?」では電力会社のHPにおける原発PRの現状分析が紹介される。

板坂剛さんの「ある夏の体験」は板坂さんのこれまでの原稿の中で、突出して出色だと著者は感じた。

納谷正基さんの連載「反原発に向けた想いを次世代に継いでいきたい」、今回は「文科省は誰を守り、誰のために存在しているのか?」だ。過日、納谷さんとお会いした。ニコニコ笑顔を絶やさない趣味豊かな温厚な人格と、絶対に欺瞞や嘘を許さない、鋼鉄のような意思の同居した方だった。納谷さんの文章は語り言葉のようだ。だがいったん、その語り言葉が紙から飛び出して議論の場に躍り出ると納谷さんは熱の塊と化す。そんな人物像を想像しながらお読みいただくとさらに趣が深いだろう。

◆今年下半期の行動指針を示す再稼働阻止全国ネットワーク報告12本

再稼働阻止全国ネットワーク―夏~冬の焦点―東海第二、大飯、玄海、伊方四つの原発再稼働に反対する闘いが、柳田真さん、木原莊林さん、名出真一さん、佐々木慶子さん、鴨下祐也さん、清水寛さん、中道雅史さん、相沢一正さん、山田和秋さん、木村雅英さん、けしば誠一さん、天野惠一さんが各種報告を寄せてくださっている。

巻末には「よいしょ」ではない読者からのある意味厳しい投稿も掲載された。

発刊後3年、13号にして、『NO NUKES voice』はまだまだ、未完であるが、毎号着実に試行錯誤の中から「新しいなにか」を獲得できていると実感する。本誌の目指すものはさしあたり日本における脱原発ではあるが、その視線お先には世界からの原発・核兵器の廃絶も当然視野に入る。

まだまだ足りないところだらけではあるが、読者と共に「脱原発」に向け小さくとも、着実な歩みを続けていきたいと思う。仮にそれが身の丈を超えるものであっても──。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
[写真=大宮浩平および本誌編集部]

9月15日発売『NO NUKES voice』13号【創刊3周年記念総力特集】多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて

7月終盤から大学院生M君リンチ事件加害者・李信恵被告(民事訴訟の「被告」なので、以下「李被告」と記載する)による、鹿砦社に対する誹謗中傷、名誉毀損発言が止まりません。

7月27日の李被告による「鹿砦社はクソ」発言に対し私は、日々一所懸命に働いてくれる社員、多くの取引先やライターさんらを抱える会社の代表として到底看過できず、8月2日の本「通信」にて「大学院生リンチ事件加害者・李信恵氏による『鹿砦社はクソ』発言を糾す!」と題し李被告に反論と注意喚起、警告を行いました。
これで鎮まれば私もこれ以上追及するつもりもなかったのですが、これ以後も李被告のツイッターにおける鹿砦社に対する誹謗中傷、名誉毀損発言はいっこうに鎮まりません。

8月17日、同23日、同24日と、鹿砦社と私に対する誹謗中傷、名誉毀損は続き拡大していました。どれにも鹿砦社に対して「クソ」と言っています。いやしくも差別に反対し人権を守るという者が遣う言葉ではありません。

最近では私個人の過去について、全く事実と異なる書き込みまで見られるようになりました。

 

たしかに私は学生時代(遙か昔の1970年代前半)、同志社大学で文学部の自治会委員長を経験したこともあり、「学費値上げ反対闘争」では最後まで抵抗し逮捕もされており、いわゆる「学生運動」の活動家であったことは間違いのないところですが、私は一度も特定党派に所属したことはなくノンセクトでした。当時どこにでも多くいた活動家のひとりにすぎません。ましてや「中核派」や「革マル派」とは、まったく関係がありません。

このあたりのことを〝昔の話〟で一括りにされ、学生運動にかかわっていた人が「中核派」や「革マル派」のどちらかでしかないような決めつけは、その後両派の凄惨な歴史を見ても単なる〝勘違い〟や〝誤解〟〝思い込み〟では済みません。私を「中核派や革マル派」呼ばわりすることも、著しい名誉毀損です。

私はここで「中核派」や「革マル派」の批判を展開しているのではなく、私の学生時代の活動はそのように党派に属したものではなかったという事実を述べているのです。李被告はわからないのか、読む人が読めば「元中核派?革マル派?どっち?」は笑い事では済まされない性質の問題です。この手の書き込みは時間を確認すると深夜が多く、飲酒のためでしょうか。

「在日の普通の女に、ネットや普通の暮らしの中で嫌がらしかできない奴が、革命なんか起こせないよね。爆笑。おいらは普通の自分の暮らしを守りたいし、クソの代理戦争する気もないし」

という文意のわからない(ミスタイプ?)も見られますが、ここでもまた「クソ」という表現が用いられています。李被告を「在日の普通の女」などと思う人は誰ひとりとしていないでしょうが……。また、

 

などと言い募っています。私たちがどのような「嫌がらせ」を行ったというのか、具体的に例示していただきたいものです。さらには「(威力業務)妨害」をやったともツイートしています。私たちがどのような「(威力業務)妨害」をやったというのか、こちらも具体的に例示していただかないといけません。

ここでもう一度私たちの原点を簡単に述べておくほうがいいでしょう。2016年の2~3月に複数筋から、くだんの「大学院生M君リンチ事件」の情報が私たちに寄せられました。驚愕の内容でした。特に事件直後の「M君」の顔写真には強い衝撃を受けました。この写真を見て何も感じない人は人間ではない! と言っていいでしょう。李被告よ、あなたはこの写真を見て人間としてどう感じるのか? あらためて問いかけます。はっきり答えよ! どう感じどう答えるかで、李被告の人間性、つまり彼女が日々語っている、差別に反対し人権を守るという言葉の内実がわかります。

リンチ事件直後のM君の顔

しかし不思議なことに、これほどのひどい事件であるのに、事件から1年以上も経って、私たちは同じ関西に居ながら、まったく事件のことを知らずにいたのです。それは新聞もテレビも小さなメディアも一切「M君リンチ事件」を報道しなかったからです。ひとりの人間に対して、1時間以上複数の人間が一方的に暴力を振るい、それを誰も制止せずにいた光景は、常識的な神経では考えられません。ひどい事件じゃないですか! 最近1972年はじめに起きた「連合赤軍リンチ殺人事件」がドラマ風に報じられました。まさにこれを想起させます。永田洋子と李被告が二重写しされます。永田はみずからは手をくださず命令し死刑判決を受けました。李被告は最初の一発をM君に食らわせたとされ、李被告はこれを否定していますが、万々が一、みずからは手を下さずとも現場の空気を支配し阿吽の呼吸で指示したことで永田と同じです。

社内にカウンターの主要メンバーがいながら、そこまで深く関わっていたことも知りませんでしたが、そこで、この反省もあり、「M君リンチ事件」の真相を解明すべく社内外のメンバーで特別取材班を結成し、継続的に取材を続け、これまでに『ヘイトと暴力の連鎖』『反差別と暴力の正体』『人権と暴力の真相』を出版しました。李被告は「鹿砦社の人は何が面白いのか、お金目当てなのか、ネタなのかわかんないけど」と当事者でありながらトボけたことを書いていますが、私たちの目的は〈「M君リンチ事件」の真相究明と、被害者M君支援によるM君が受けた被害の正当な回復(謝罪、賠償金、治療費等含む)〉です。その作業は現在主として、大阪地裁における民事訴訟で「M君」が李被告を含む5名を相手取った裁判で係争中です(係争中とはいえ、事件の加害者の一部には刑事罰が下っているのですからM君が敗訴することは考えられません)。

一方法廷内では明らかにされない、焦点にはされないけれども重要な事実について、継続的に取材班は動いています。幸いこれまで出版した3冊とも好評で、それなりの反響はありましたが、この事件を扱った本を出版して、利益を上げようなどという思惑はありません。実際に、取材費用などかなりの持ち出しになっています。

私たちはこのかん、これまで明かされることのなかった〈事実〉を積み上げる作業を行っています。驚くべき事実が多数発見されました。その事実の積み重ねにより〈真実〉の姿がはっきりしてきました。そうして、それを出版物にし世に問うことを行っており、これは出版社(人)として正当な言論活動です。

このような取材結果の発表のどこが問題だと李被告は言いたいのでしょうか。私たちは綿密な取材によって得られた〈事実〉に基づいて、事件の実相と背景を探っています。時に直撃取材も敢行してきました。それにより明かされたくない〝恥ずかしい行為〟を暴露された人が少なくないことは知っています。でも待ってください。非難されるべきは〝恥ずかしい行為〟を明かしたことではなく、〝恥ずかし行為〟に手を染めたことではないでしょうか?

李被告は、〝リンチ〟という、人間として〝恥ずかしい行為〟に手を染めたことについて、なにをもってしても被害者M君に心から謝罪し、正当な治療費(まだ1円たりとも払ってはいません!)や慰謝料を支払うべきでしょう。そうではありませんか? 私が言っていることはおかしいですか?

また、李被告は以下のように問題をすり替えようとしています。

 

ここで初めて明かしますが、取材班には女性もいますし、在日コリアンもいます。相手が相手だけに、直接取材は男性スタッフが行っていますが「鹿砦社の男たち」は間違いです。

李被告による鹿砦社、並びに私やライターさんらへの度を越えた誹謗中傷、罵詈雑言発言に何度も反論と警告を発してきましたが、まったく鎮まる様子がなく、このままでは会社としての業務やライターさんらの名誉や仕事にもかかわる領域にまでエスカレートしてきましたので、「当社又は当社関係者が、いつ・どのような『嫌がらせ』や『(威力業務)妨害』を行なったと」と主張するのか、具体的な事例を示すように求め、「『鹿砦社ってほんまクソやなあ』とか『クソ鹿砦社』と表現された根拠」について示すように要求し、そのような李被告の「誹謗中傷、名誉毀損行為につきまして、その撤回と謝罪、今後は同様の行為を繰り返さないという誓約を強く求め」、やむなく8月25日付で代理人弁護士を通して「警告書」を内容証明郵便で李被告に送りました。

 

8月26日に受領したとの記録がありますので、既に李被告は「警告書」を読み、私たちへの対応を検討中と思われます。「警告書」到着後7日以内の回答を求めていますので期限は9月2日となります。回答ない場合や誠意ある態度を見せない場合は、「当社は直ちに法的措置に入らざるを得ない」と書き添えましたが、今までは笑ってすませていたところ、もう笑ってばかりもいられません。冗談ではありません。私も齢を重ねて、余程のことでは怒らなくなりましたが、私にも〈意地〉というものがあります。

李被告が妥当な判断をされるよう求めるとともに、皆様もご注目よろしくお願いします。

最新刊『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)

AmazonでKindle版販売開始!『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)

重版出来!『ヘイトと暴力の連鎖 反原連―SEALDs―しばき隊―カウンター 』(紙の爆弾2016年7月号増刊)

『ガンを越え、めざせ地平線!!』(鹿砦社2001年)

久し振りにいい話です――。

ちょっと前、長年書類置き場兼倉庫にしていたマンションが建て替えられるということになり立ち退きました。その整理の際、すっかり失くなっていたと思っていたスクラップが出てきました。実際、12年前の「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧での家宅捜索や、私不在の中での事務所撤去の際に失くなった資料類は数多あります。

スクラップの中に、『ガンを越え、めざせ地平線!!』の記事が出てきました。朝日新聞全国版はじめ多くのメディアに紹介していただき絶賛された本です。本も増刷を重ねました。「鹿砦社らしくない本ですね」などと冗談半分に揶揄されましたが、最も鹿砦社らしい本じゃないか(苦笑)。

著者はエミコ・シール(旧姓・阪口恵美子さん。2001年の記事では旧姓で表記)さん。もう15年余りの前のことで忘れていましたが、8月20日の朝日新聞を開いたら彼女の記事が目に止まりました。

記事を読めば、彼女も生死の境を乗り越え、ずいぶんと苦労されたようです。懐かしい! 生きてられたんだ。さらに挑戦されようとしています。

長いこと所在不明だったスクラップが出てきたのもなにかの因縁だろうか……。
(『ガンを越え、めざせ地平線!!』は品切れです。電子書籍など復刊を検討したいと思います。)

(松岡利康 鹿砦社代表)

朝日新聞2017年8月20日付け朝刊

朝日新聞2001年1月31日付け夕刊

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

自己撞着的ではなはだ恐縮であるが本日8月18日は、お読みいただいている「デジタル鹿砦社通信」がリニューアルをして3周年にあたる。読者の皆様にはあまり関係のないことだけれども、日ごろよりご愛読いただいている皆様に、執筆者一同、まずは深く感謝を申し上げたい。
3年前の2014年をかえりみると、たった3年の間に社会、とりわけこの島国ではずいぶん急速な変化生じていた。本コラムの再出発は3年前の8月18日だが、2014年1年間にスパンを広げると、以下のことが起きている。以下2014年からこれまでの主だった出来事をふりかえってみる。

▼2014年
・2月 舛添要一が東京と知事に当選
・3月 自ら辞職した橋下徹が大阪市長に再当選
・3月 48年前に逮捕され死刑が確定していた袴田さんに再審の開始を認め刑の執行停止釈放
・4月 消費税が5%から8%に引き上げられる
・5月 福井地裁大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決
・6月 日本維新の会、分党を正式決定、2012年9月の結党から1年9カ月で解散
・7月 集団的自衛権を認める解釈改憲を閣議決定
・11月 沖縄知事選で翁長雄志が現職の仲井眞弘多を破り当選
・12月 特定秘密保護法施行
・12月 総選挙、自公が326議席を獲得し与党勝利
▼2015年
・1月 岡田克也が民主党代表に選ばれる
・4月 高浜原発3、4号機の再稼働差し止めの仮処分命令を福井地裁が関西電力に下す
・5月 SEALDs発足
・5月 大阪都構想を問う住民投票。反対多数で否決。橋下徹は政治家引退を宣言
・7月 安保法案成立
・8月 川内原発1号機が再稼働
・10月 防衛装備庁設置
・10月 維新の党を離党した大阪市の橋下市長・大阪府の松井知事らは、大阪市で国会議員19人が参加する新党「おおさか維新の会」の結党大会を開催
▼2016年
・3月 民主・維新の両党などが合併した新党『民進党』結党大会が行われる
・4月 熊本地震
・6月 沖縄県議会議員選挙。県政与党が改選前の24議席から27議席に伸ばし、過半数を獲得
・6月 舛添要一知事が辞表を議長に提出
・6月 18歳選挙権に関連する改正公職選挙法が施行
・7月 参議院選挙、自民・公明の連立与党は合計70議席を獲得し勝利
・7月 都知事選で小池百合子当選
・9月 民進党代表に蓮舫選出
・12月 統合型リゾート推進法案修正案(カジノ法)成立
▼2017年
・1月 ドナルド・トランプ米国大統領就任
・1月 森友学園問題報道が始まる
・3月 韓国大統領朴槿恵罷免
・7月 都議選で自民史上最低の獲得議席23で惨敗
・7月 安倍内閣の支持率低下、報道機関によっては20%台を記録
自然災害や、国際ニュースを織り交ぜればこれほど単純な抽出では収まらないが、この3年間の初頭は2013年に強行採決された特定秘密保護法をはじめとし、安倍政権のやりたい放題からはじまった印象が強い。マスメディアは安倍政権と並走した。今年の6月まで、一部の新聞を除いて大手新聞、テレビは安倍政権への「忖度」にいそしみ、「権力監視」などほったらかしにしていた。
でも、もう遠い昔の人のように感じられる舛添要一が都知事に当選したのはわずか3年前、失脚したのは昨年のことだ。消費税が5%から8%に引き上げられ、直前には「駆け込みみ需要」で業種を問わず大わらわであったようだが、その後1年すると中小企業は軒並み減収減益を記録する。
逆に株式市場や大手企業の業績は好調維持し、労働組合ではなく首相安倍が「給与の引き上げ」を企業に求める、という非常に不健全なやり取りが行われた。「TPP絶対反対」を掲げていた自民党は政権に戻ると、一転して「TPP積極推進」に180度態度を翻したが、米国大統領にドナルド・トランプ就任し「TPPなんかやらないよ」と言い出すと、急いで安倍はトランプに会いに行き「TPPやりましょうよ……」と依頼するという、予想外の展開となった。
もう新聞紙面で「TPP」の文字を見ることすらほとんどなくなったが、自民党のあの馬鹿げた熱中はいったい何に依拠していたものなのだろうか。甘利経産大臣のあの暗躍はいったいどこに収斂されたのだろう。
この3年間で私たちは「特定秘密保護法」-「集団的自衛権容認」(解釈改憲)-「安保法制」(戦争推進法)-「共謀罪」と川上から川下へ水が流れるように、治安立法と戦争準備の法制を許してきた。この先には水平線の見えない治安弾圧と、戦争の大海が待ち受けている。もう河口が見えて、いよいよ河川から海洋へと流れが解け行く、段階が現在、2017年8月18日だろう。
「多勢に無勢」、「時代という強迫」、「信じるに値するのか、そうでないのかが不明な市民」……。そういった悲観的な言葉に支配されがちであるが、どの時代でも人間は生きてきたのであり、飢えのひどい飢餓の国で、きょうも新生児は生まれている。いい加減濁った河川を何十年も眺めていると、諦めや絶望、疲れた気持ちに支配されがちの日々、それでも私たちはこれからも「ごまめの歯ぎしり」を続けていこうと思う。
デジタル鹿砦社通信はこの時代にあって、真に自由で闊達、タブーのない言論をさらに志向し実践してゆきたいと、自省しながら、再度思いを引き締めようと思う。「希望がなければ、私たちが造り出す」くらいの身の丈を超えた気持ちで。
今後もデジタル鹿砦社通信をよろしくお願いいたします。
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

 

 

 
この「デジタル鹿砦社通信」でも再三再四記載されてきましたように、「カウンター」-「しばき隊」による大学院生リンチ事件の真相究明について、私たちなりの作業をまとめた第3弾となる『人権と暴力の深層』が完成し発売となりました。昨年発行した第1弾『ヘイトと暴力の連鎖』、第2弾『反差別と暴力の正体』に続くもので、まだ発売2週間ですが、堅調な売れ行きで、手に取られた心ある方々には概ね好評裡に迎えられています。

ここで、私がなぜこのリンチ事件真相究明に関わるようになったのか、被害者M君を支援するのか、あらためて考えてみました。

◆〈1〉私が本件リンチ事件を知った経緯と被害者M君を支援する理由、3冊の本の出版について

昨年(2016年)3月はじめ、偶然に知人から某国立大学大学院博士課程に学ぶM君が、「反差別」を謳う「カウンター」、あるいは「しばき隊」と称するメンバー5人らから蒙った集団リンチ事件のことを知り、そのあまりにも酷い内容からM君への同情と本件リンチ事件への義憤により爾来M君への支援を行っています。

リンチ事件が起きた2014年師走から1年2カ月余り経っていましたが、それまでこのリンチ事件のことを知りませんでした。それも、事件以来これを知りつつ隠蔽工作にも関与していた者が、私の会社の社員として在籍していながらです。この社員は、一昨年(2015年)12月初めに退社いたしましたが、退社後に詳細が判明しました。なんということか、忸怩たる想いです。

そうしたことから、半殺し(M君がラクビーをやっていて頑強な体格でなければ、おそらく死んでいたでしょう)と言っても過言ではない被害を受けたM君への同情と共に自らに呵責の念が起き、このリンチ事件の真相究明を開始することにいたしました。

まずは被害者M君への聴取と、彼が持ってきた主だった資料の解析です。何よりも驚いたのは、リンチ事件直後の酷い顔写真と、リンチの最中の録音です。暴力団でもあるまいし、今の社会にまだこういう野蛮なことがあるのか――M君の話と資料には信憑性を感じ、嘘はないと思いました。私は、この若い大学院生が必死に訴えることを信じることにしました。僭越ながら私も、それなりの年月生きて来て、また出版の世界でやって来て、何が真実か嘘かの区別ぐらいは動物的な勘で判ります。

2014年12月16日深夜から17日未明にかけて起きたリンチ事件直後のM君の顔(『人権と暴力の深層』より)

 

 

 
私の生業は出版業ですので、その内容が公共性、公益性があるものと判断、世に問うことにし、その具体的産物として、これまで上記の3点、それに関連した人気ブログ「世に倦む日日」を主宰される田中宏和氏の著書2点の出版物を刊行いたしました。これまでどれも発行直後から大きな反響を及ぼしており、「こんな酷いリンチ事件があったのか」「言葉に出ない」等々の声が寄せられています。私もリンチ事件を知った直後に感じたことで当然です。

私は、私の呼びかけに共感してくれた人たちと、被害者M君が、李信恵氏ら加害者5人によって蒙ったリンチ事件の内容と経緯を私たちなりに一所懸命に取材し編集いたしました。加害者の周辺にも少なからず取材を試みましたが、なぜかほとんどの方々が答えてくれませんでした。まだ一部解明しえていない点はあるやもしれませんが、事実関係の概要は明らかにし得たと、私たちは自信を持って世に送りました。もし、読まれた方の中で、事実誤認など見つけられましたらご指摘ください。調査し訂正するにやぶさかではありません。

加害者やこの界隈の者らがあれこれ三百代言を弄し弁明しようとも、この3冊の本の内容を越えるものでない以上、社会的に説得力はないと思いますし、裁判所も、この3冊の本の内容を踏まえた判断をすることを強く望み信じています。また、万が一不幸にも被害者M君の主張を棄却する場合、この3冊の本の内容を越えた判断でない限り、私たちや、この3冊の本でリンチ事件の事実を知った多くの人たちは納得しないでしょう。

◆〈2〉被害者M君が心身共に受けた傷を蔑ろにし開き直る加害者らの言動は許せません

被害者M君が心身共に受けた傷は、リンチ直後の顔写真に象徴されています。みなさんも、この写真をご覧になったら驚かれるでしょうし、逆に何も感じないとしたら、もはや人間ではないと断じます。人間として失格です。

また、被害者M君は、これだけの傷を受けていながら未だ1円の医療費、慰謝料も受けていません。加害者5人に対して民事訴訟に打って出たのは、その正当な民事責任を求めることも目的にあると思われますが、何よりも、いったんは謝罪文を寄越し(たとえ形式的、ヌエ的ではあれ)反省の意思を表わしていながら、突然それを覆し「リンチはなかった」「無実」と開き直る加害者らの、人間として到底考えられない言動に真摯な反省と正当な損害賠償を求めること、さらには、これだけの酷いリンチと、その後の事件隠蔽やセカンド・リンチを受けていることに対する名誉回復もあろうかと思います。

常識的に考えて、リンチ直後の写真やリンチ最中の録音を目の当たりにしたら、「リンチはなかった」とか加害者らが「無実」とは考えられず、まともな人間としての感覚があるならば、非人間的で酷いと感じるはずです。今、加害者5人に対する民事訴訟は大阪地裁で係争中ですが、裁判官も血の通った人間ならば、そうしたことは当然理解されるものと信じています。

また、あろうことか、加害者らは「反差別」を金看板に、彼らと繋がる者たちと連携し、被害者M君や、これを支援する人たちに対して、あらん限りの罵詈雑言、誹謗中傷を続けています。

考えてみましょう、真に差別に反対するという崇高な目的をなさんとするならば、まずはみずからが犯した過ちを真摯に反省し、集団リンチ被害者のM君に心から謝罪することから始めるべきではないでしょうか。人間として当然です。それなしには、いくら「反差別」だとか公言しても空語、空虚です。特に加害者のリーダー的存在の李信恵氏は、在特会らに対する2件の差別事件訴訟の原告となっていますが、相手方の差別行為を批判する前に、まずはみずからを律すべきではないでしょうか。

これだけの厳然たる事実が明らかになりながら、かつて出した「謝罪文」を覆し、未だに加害者らが開き直り、この訴訟に対し争う意思を示していることは驚きですし全くもって遺憾です。加害者らがまずやるべきことは、被害者M君への謝罪ではないでしょうか。

加害者の一人、エル金が2015年1月29日に書いた謝罪文の一部(全文は『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載)

2015年2月3日に李信恵が書いた謝罪文の一部(全文は『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載)

2015年2月3日に李信恵が書いた謝罪文の一部(全文は『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載)

「李信恵さんの裁判を支援する会」から2015年4月8日付でM君の代理人宛てに届いた書面(全文は『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載)

李信恵とエル金(『ヘイトと暴力の連鎖』に掲載)

 

 

 
さらには、私たちが原告への支援を行っていること、また3冊の出版物を発行したことを、加害者らへの「遺恨」「私怨」からだとする、加害者やその界隈の人たちの恣意的な意見も流布されていますが、これもひどい言い掛かりです。決してそうではありません。加害者らと付き合いがあったわけでもなく、いまだに加害者に一度も会ったこともないのに「遺恨」も「私怨」もあるわけがありません。あくまでも被害者M君への同情、このリンチ事件そのものや、加害者とこの界隈の人たちの不誠実な態度に対する義憤です。

◆〈3〉「人間の尊厳」や「人権」に反する大学院生リンチ事件の事実を多くの方々が知り、メディアが報じ、加害者の周囲にいる著名人(弁護士、ジャーナリスト、研究者ら)はみずからの言葉で語り、裁判所は公平、公正に判断すべきです

ところで私事に渡りますが、私は、縁あって2015年4月から関西大学で「人間の尊厳のために~人権と出版」というテーマで教壇に立たせていただきました。このリンチ事件と、その後の加害者らの言動、また被害者M君への不当な扱い(=セカンド・リンチ)は、まさに「人間の尊厳」も「人権」も蔑ろにしたものと断じます。私は学生に「人間の尊厳」や「人権」を教えるとき、普段いくら机上で立派なことを言っても、「人間の尊厳」や「人権」に関わる現実に遭遇した場合、みずからが、いかに対処するかで、あなた方一人ひとりの人間性が問われると話しました。「人間の尊厳」や「人権」は、「死んだ教条」ではなく、まさに〈生きた現実〉だからです。

普段立派なことを言っている人たちが、このリンチ事件の現実から逃げ、語ることさえやめ、ほとんどが沈黙しています。こういう人を私は〈偽善者〉と言います。くだんの3冊の本に、リンチ事件(と、その後の隠蔽)に陰に陽に、大なり小なり、直接的間接的に関わっている人たちの名が挙げられ、質問状や取材依頼を再三送りましたが、ほとんどがナシの礫(つぶて)です。ほとんどが、この国を代表するような、その分野で著名な人たちです。公人中の公人たる国会議員もいます。あなた方は良心に恥じないのか!?

私も偶然に、このリンチ事件に遭遇しましたが、学生に「人間の尊厳」や「人権」を話したのに、実際に「人間の尊厳」や「人権」を蔑ろにする事件を前にみずからが日和見主義的、傍観者的な態度を取ることは決して許されないものと考え、このリンチ事件の真相究明や、被害者M君が起こした訴訟の支援に関わっています。

裁判所は「人権の砦」と言われます。そうであれば、リンチ被害者の「人権」について裁判所がなすべき判断は自明です。それが判りながら加害者らが三百代言を弄し続け、被害者M君を苦しめることは、普段「人権」だ「反差別」だ「リベラル」だというような耳触りの良い言葉を口にする者がやるべきことでしょうか? 素朴に大いに疑問です。

また、メディアが報じないのにも疑問を感じます。時にどうでもいいような事件を殊更針小棒大に報じるメディアが、国会議員や多くの著名人が隠蔽に関わるリンチ事件をなぜ報じないのでしょうか? さらには、多くの著名な知識人らも〝見ざる、言わざる、聞かざる〟で、こういう人たちに、知識人としての矜持はあるのか!? 良心に沿ってみずからの言葉で〈真実〉や思いのたけを語っていただきたい。

「反差別」を謳う「カウンター」運動内部で、その中心的なメンバーによって起こされた悲惨な大学院生リンチ事件について私の率直な意見を申し述べさせていただきました。以上の内容を盛り込み「陳述書」として裁判所にも提出いたしました。

裁判所も、これまで裏切られたことのほうが多かったですが、今回だけは公正、公平な判断を下してくれるものと信じてやみません。

松岡利康=鹿砦社代表

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毎日、毎日アメリカと北朝鮮の緊張を伝えるニュースがひっきりなしに伝わります。アメリカは「あらゆる手段を排除しない」とか北朝鮮は「核攻撃には核兵器で応じる」など、文字だけを追って行けば、戦争直前のようなキナ臭いことばが行き交っています。だからといって日本政府が北朝鮮への「説得」や「外交戦術」に出る気配は一向にありません。あいも変わらず「対話と圧力」を繰り返すばかりの安倍総理。第二次安倍政権が発足してから、北朝鮮と「対話」をしたことがあったでしょうか。「拉致問題の解決に全力であたる」と繰り返していますが、「対話と圧力」の内実は「圧力に次ぐ圧力」で、それこそ封じ込められ「圧力釜」のように内圧が上がった北朝鮮の、暴発を、まさか内心期待したりしていないでしょうね。

現在書店で販売中、『紙の爆弾』5月号の特集は「私たちの『権利』を確認する」です。特集の紹介分は以下の書き出しからはじまります。

私たちには「人権」がある。言うまでもないことだが、ならば、私たちの人権は守られているだろうか。それに基づく「権利」は侵害されていないだろうか。社会で差別に出会ったり、職場で不当な扱いをされたりすれば、人権侵害を意識し、時に告発を行う。いまだに差別はなくならないし、搾取はあちこちで行われており、明らかに解決すべき課題である(後略)。

鹿砦社はいつから岩波書店のような「模範生」になったのか、と目をこすって、もう一度読み返したくなる文章です。『紙の爆弾』のサブタイトルは、表紙に小さな赤い文字書かれている「タブーなきラディカルスキャンダルマガジン」です。ほんとうは読者が「これちょっとな……」と時には顔をそむけるような暴露記事やスキャンダルを、満載したいはずです。でもどうですか。この真っ当なラインナップ。

●政治の「契約違反」にNOを 国家に異議を唱える権利 
 松村比奈子(首都大学非常勤講師組合委員長)に聞く
●高額供託金・運動規制「自由な選挙」を追求する 林克明
●権力による情報統制で進む「笑顔のファシズム」 本間龍
●ヨーロッパから見た自民党の「憲法改正草案」  広岡裕児
●捜査 裁判 報道以上の人権侵害 最高裁での逆転無罪の2冤罪事件 片岡健
●〝福祉行政”の魂胆が垣間見える 自治体「人権担当」という仕事 三谷誠
●「戦争絶滅受け合い法」制定のすすめ まず総理から前線へ!  佐藤雅彦

いつからこんなに硬派になったんでしょうか?(もちろん東陽片岡さんの「シアワセのイイ気持ち道講座」、エロイ重里さんの「風俗広告代理店マンの営業日誌」や読者から人気が高い、村田らむさん「キラメキ☆東京漂流記」やマッドアマノさんの「世界を裏から見てみよう」も健在ですが)

さらには、≪森友学園「国有地払い下げ」"8億円減額”詐欺行為の全貌 悪い奴らを眠らせるな!青木泰≫と続きます。

ジャーナリストの田中龍作さんや音楽家の三枝成彰さんが「本当のことが知りたければ『紙の爆弾』を読みましょう」と言われたことがあります。あれは冗談半分かと思っていましたが、いまや本当になりました。最近の『紙の爆弾』(私たちは「紙爆」と呼びます)は、毎号目が離せません。大手新聞社の記者に聞くと「『WILL』や『正論』は読まないけど、『紙爆』は必ず読んでいますよ」という人が多いのも、なるほどとうなずけます。

でも、『紙の爆弾』は「タブーなきラディカルスキャンダルマガジン」の基本姿勢を修正したのではなくて、世の中が「一見真っ当なようなスキャンダル」だらけになってきたと言うべきでしょうか。これだけ閣僚がボロボロになっても誰も辞任しないし、更迭されることはありません。おかしな世の中です。

5月号では≪〝籠池爆弾”で大揺れ 安倍政権「崩壊」と「その後」を予想する 朝霞唯夫≫や、≪米軍基地反対運動中に不当逮捕、五ヵ月の長期勾留から保釈 沖縄取材班≫とカバー範囲の広さが印象的です。今の『紙爆』は80年代後半の弛緩した時代の『朝日ジャーナル』より硬派かもしれません。ぜひご一読くださいね。

(伊藤太郎)

※『紙の爆弾』編集部からの訂正とお詫び
《米軍基地反対運動中に不当逮捕、五ヵ月の長期勾留から保釈 沖縄取材班》の本文中に誤りがありました。112ページ下段5-6行目「正和さん夫妻と博治さんの奥さん」とすべきところ、「正和さん夫妻と博治さん」と表記しておりました。お詫びして訂正いたします。

『紙の爆弾』タブーなし!の愚直なスキャンダルマガジン

久しぶりの講演に会場は満員!
「共謀罪」が政治過程に上る中、
「名誉毀損」に名を借りた自らの逮捕・勾留事件の体験を話す!

松岡利康=鹿砦社代表

4月15日(土)夕刻、東京・水道橋の「たんぽぽ舎」が運営する会議室「スペースたんぽぽ」に多くの方々に集まっていただきました。久しぶりに私が12年近く前(2005年7月12日)の自らの逮捕・勾留事件について話す機会を与えていただいたからです。会場は、予想を越えて90名近くの方々で満員、熱気溢れる講座でした。菅直人元首相の講演以来の盛況だったとのこと、当初用意したレジメ・資料30セットでは足りずに、慌てて増刷りをしたほどでした。

この集まりは、たんぽぽ舎が3・11以来適宜継続的に行っている講座の一環で、実に今回が460回目だということです。今回は「浅野健一が選ぶ講師による『人権とメディア連続講座』」の第8回で、テーマは「表現の自由弾圧事件--懲罰としての逮捕、長期勾留」。私は「私が巻き込まれた、『名誉毀損』に名を借りた出版弾圧事件」について自らの体験と、逮捕以来12年近く思ってきたことを話させていただきました。

単なる地方小出版社の経営者にすぎない私の話になぜ多くの方々が関心を抱き参加されたかというと、「共謀罪」なる稀代の悪法が政治過程に上り国会審議が始まったからだと思われます。主催のたんぽぽ舎や浅野健一さんの狙いもここにあるのでしょうか。

つまり、私が逮捕・勾留された当時は、これに至るには刑事告訴→検察(あるいは警察)受理→捜査という一定のプロセスを経るわけで、それなりの日数もかかりますが、「共謀罪」が制定されれば、法的なお墨付きが出来るわけですから、そのプロセスは必要なく、すぐに逮捕することが可能になります。参加者が多かったのは、この危機感をみなさんが感じ取られていたからでしょうか。

◆「表現の自由」「言論・出版の自由」は〈生きた現実〉の中で語るべきだ

講座の内容は、追ってYou Tubeでも配信されるということですから、詳しく知りたい方はそれをご覧になっていただきたいと思いますが、私の話の概要は次の通りです。

一 事件の経緯、二 人権上問題となること、三「表現の自由」「言論・出版の自由」とは何か?、四「表現の自由」「言論・出版の自由」上の問題
ということでした。

私が最も言いたかったことは、憲法21条に高らかに謳われながらも形骸化、空洞化しつつある「表現の自由」「言論・出版の自由」──耳障りの良いこれらの言葉を机上でこねくりまわすのは簡単ですが、それではまさに〈死んだ教条〉になってしまいます。「共謀罪」や権力弾圧がリアルに〈生きた現実〉として迫っているのですから、私たちも〈生きた現実〉として語らなければならないということです。

事件の経緯を振り返れば、事件の一因となった書籍を刊行したのが2002年4月、それから出版差止仮処分、刑事告訴、逮捕→勾留、有罪判決(懲役1年2カ月、執行猶予4年)と民事訴訟での高額賠償金(600万円+利息)、控訴審、上告審を経て確定、執行猶予を不服とする再告訴、これが不起訴となる2011年6月まで9年間の月日が掛かり苦しめられました。本当にきつかった。これは体験した者でないとわかりません。

この間に、私が経営する出版社「鹿砦社」は壊滅的打撃を蒙り、いちどは地獄に堕ちました。正直「もうあかん」と思いましたし、弁護士もそう思ったとのことでした。しかしながら多くの方々のご支援により運良く再起できました。私も「このままでは終われない」と死に物狂いで働き運良く再起できましたが、普通は死に物狂いにもがいて地獄に堕ちたままでしょう。

「こいつはイジメたらんといかん」と警察・検察・権力に目をつけられたら、それは凄まじいものです。当時「ペンのテロリスト」を自称し、「巨悪に立ち向かう」と豪語、これが当時警察キャリアを社長に据えていた警察癒着企業や警察・検察を刺激し、警察のメンツにかけて本気にさせてしまったようです。

今でも「われわれにタブーはない!」をモットーとする私たちの出版活動に対しては批判も少なからずありますが、私たちを批判する人たちの多くは、自らは〈安全地帯〉にいてのものです。果たしてどれだけ体を張った言論を行っているのか!? 私は半年余り(192日間)ですが、1カ月でも2カ月でも拘置所に幽閉されたらキツいぞっ!

◆心ある方々のご支援で奇跡的再起を果たした私たちは〝支援する側〟に回ります

私、および私の出版社「鹿砦社」は、奇跡的ともいえる再起を果たすことができました。私も死に物狂いに働きましたが、保釈後挨拶に出向き塩でも撒かれ追い返されるかと思いきや高級すし屋に招いてくれ、「人生にはいろんなことがあります。私は支援しますので頑張ってください」と激励し仕事を受けてくださった印刷所の社長(当時)はじめライター、デザイナーさんら多くの方々のご支援の賜物と言わざるをえません。私の能力など、出版業界では並で、大したことはありませんから。本当に有り難い話で、事件から12年近く経ち、あらためて感謝する次第です。

私たちは今、再建なった中で、3・11以降、たんぽぽ舎はじめ幾つかの脱原発の運動グループを継続して些少ながら支援しています。いちどは壊滅的打撃を蒙りながら地獄から這い上がってこれたことへの〝恩返し〟です。かつて支援された側が、今度は支援する側に回ります。もう支援される側には戻りたくありません。

また、私たち鹿砦社は脱原発を今後の出版方針の一つとして定め、たんぽぽ舎のお力を借りて脱原発情報マガジン『NO NUKES voice』を創刊し、すでに11号を数えました。脱原発の老舗市民グループ・たんぽぽ舎はもう30年近くになるということですが、脱原発をライフワークとされる柳田・鈴木両共同代表はじめスタッフの方々のピュアな想いにも励まされ、齢65になった私の今後の方針も見えてきました。鹿砦社東京編集室の〝隣組〟ということもありますが、今後共、最大限共同歩調を取っていきたいと思います。

最後になりましたが、今回の講座で東京で久しぶりに、くだんの「名誉毀損」逮捕事件について話す機会を与えてくださったたんぽぽ舎のみなさん、及び逮捕直後から支援され今回も自身の連続講座の一つに組み入れてくださった浅野健一さんに感謝いたします。 

(鹿砦社代表・松岡利康)

〈原発なき社会〉を求める声は多数派だ!

『NO NUKES voice』11号

福島原発事故で故郷を根こそぎ奪われた大沼勇治さん。事故からもうすぐ6年となる1月末、地元の双葉町に一時帰宅し、シャッターを切った。そこに映るのは諸行無常、無念の景色──。かつての自宅は第一原発から4キロ圏内。海岸線の彼方に見える原発に向かって「バカヤロー!」と叫びながら石を投げつけた。(『NO NUKES voice』11号グラビアより)

『NO NUKES voice』vol.11発行にあたって

2011年3・11から6年を迎えました──。

稼働原発が一基もない時期もありましたが、遺憾ながら今は川内原発と伊方原発の二基が再稼働していて、さらに再稼働が水面下で目論まれています。故郷が破壊されたり、廃墟になったり、見知らぬ土地に避難を余儀なくされたり、挙句、みずから命を絶った方々もおられるのに、為政者や電力会社は一体何を考えているのでしょうか。これだけの犠牲が出ているのに、常識的に考えるなら原発再稼働などありえないことです。

まずは真摯に被害者、被災者に寄り添い、賠償や生活支援を第一義にすべきでしょう。この期に及んで再稼働しなくても電気が足りていることは誰もが知っていることです。「節電」という言葉もすっかり聞かれなくなりました。

本誌は2014年夏に創刊し、昨年末に発行した号でようやく10号に達したにすぎませんが、今後も原発事故の推移、福島復興の生き証人的な役割を果たしていきたいと考え発行を継続していく所存です。

今号が11号、いわば<第二期>のスタートの号にあたります。<第二期>のスタートに際し、伝説の格闘家の前田日明さんにインタビューさせていただきましたが、意外に思われる方もおられるでしょう。べつに運動家、活動家でもなんでもない一格闘家が脱原発を語る、あるいはただの市井人が脱原発を語る──。本誌は、格闘家でもただの市井人でも、幅広い方々が脱原発を自由に語る場でありたいと思います。次号からも、異色の方々に登場していただく予定です。ご期待ください。

次の再稼働はどこなのか? 水面下の蠢きが聞こえるようですが、立場や考えを越えて一致して阻止していこうではありませんか。

2017年3月『NO NUKES voice』編集委員会

 
 

私たちは唯一の脱原発情報誌『NO NUKES voice』を応援しています!!

〈原発なき社会〉を求める声は多数派だ!

『NO NUKES voice』11号本日刊行!

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