『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト』(鹿砦社)を取り上げた番組が、そのことによって番組ごと打ち切りになる、という事態がFM熊本で起きた。FM秋田とFM新潟では、その部分のみが音楽に差し替えられた。
これまでお伝えしてきた通り、『タブーなき原発事故調書』は取次から委託配本拒否の扱いを受けている。心ある書店が自ら注文するのでない限り、書店には並ばない、という事態が続いている。
憲法第21条で禁止されている、検閲に等しいことが行われているわけだが、そうしたことを語ることさえもが電波で封じられるという、さらなる検閲が行われたのだ。
言論の自由、民主主義が踏みにじられている。

番組は、『ラジオキャンパス』。納谷正基氏が代表を務める、仙台市に本社を置くキャンパスネットワークが制作する、高校生向けの進路情報番組である。東北の高校生向けに始められたが、熊本、新潟、沖縄でも放送されるようになった。

納谷正基氏は長く教育に携わり、ラジオで語るだけでなく、全国を回って高校生たちや保護者に向けて進路についての講演を行っている。番組の中でも、高校生からの相談に、全身で受けて答える力強い声には、聴いていて心が震わされる。

『ラジオキャンパス』の中に、「コラコラ・コラム」というコーナーがある。教育に限らず、納谷氏が高校生たちに伝えたいことを、自由に語る。
10月28日(地域によっては27日)放送の「コラコラ・コラム」で、『タブーなき原発事故調書』および、同じく取次から委託配本拒否となった昨年刊行の『東電・原発おっかけマップ』が取り上げられた。

納谷氏は両書の内容を、原発推進に関わった東電幹部、政治家、官僚、学者などの経歴、言動が詳しくあり、そして住所と地図が載っていると紹介。そのことによって、経産省と電力会社の癒着ぶりなどがよく分かると指摘している。

住所と地図があることについて、「賛否両論あるだろう」「えげつないと思う人もいるかもしれない」と断った上で、「そのやり方でしか見えてこないものがある」「ジャーナリズムとはなにかと考えた時に、当然ありうる方法」と納谷氏は語る。
それは「組織のヒダに逃げ込むな」「個人として責任を取れ」ということであり、「上司に言われたから、会社の仕事だから、といって責任を逃れようとするのは、卑怯、ずるい、みっともない」「プルトニウムは飲んでも大丈夫といった学者は、発言の責任を取って欲しい。逃げないでくれ」と、生き方の問題として納谷氏は訴えかける。

両書が取次から委託配本拒否の処置を取られたことについては、検閲に等しく「自由と民主主義を謳うこの国にあって、こういうことがあっていいんでしょうか」と納谷氏は疑問を投げかけている。

この「コラコラ・コラム」の内容を事前に知って、FM熊本は、そのままの内容では放送できないと納谷氏に告げた。それに納谷氏が納得しなかったために、番組そのものが打ちきりになった。FM熊本に追随した形のFM秋田とFM新潟では、「コラコラ・コラム」の部分が音楽に差し替えられた。

この経緯について、筆者がFM熊本に問い合わせると、制作サイドからの伝言として、「コメントすることはない」「取材拒否」とのこと。連絡を取り次いでくれた社員は、「よけいなことを言うな」と釘を刺されたそうだ。
納谷氏の言う「卑怯、ずるい、みっともない」姿勢そのものではないか。
高校生に伝えるべき魂を持たないFM熊本から、納谷氏が番組を引き上げたのも当然である。
FM熊本の姿勢は、放送局としてこの世に存在している価値があるのかどうかまで、問われるべきだろう。FM秋田とFM新潟も、同様である。

だがもちろん、絶望の中に希望もある。
FM仙台と青森、岩手、山形、琉球放送のAM各局では、「コラコラ・コラム」はそのままの内容で流れ、高校生たちに伝わった。

納谷氏は高校生に語りかける思いを、以下のように語っている。
「僕の日々の講演活動も、そしてラジオ番組も、その動機と目的は唯一つです。それは、一人でも多くの高校生諸君へ直接語り掛けることです。そして彼ら彼女らに、未来を託すことなんです。僕らが作ってしまったこの醜く情けない社会……。この国そのものを、彼らが少しでも修正してくれることを祈って……。
なので、昨年4月からの新年度以降、今日に至るまで、全ての高校においての生徒対象講話において、それらの話に加え、謝り続けてきています。
我々醜い大人が、無責任で出鱈目な大人たちが、若者の輝く未来を汚してしまったことをです。放射能汚染という、取り返しが尽かないかも知れない恐怖の負債を押し付けたことをです」

納谷氏は、広島の被爆二世であった奥様を、若くして亡くしておられる。
そのこともあって原子力について学び、自ら勉強会も開催されてきた。

筆者の親しい友人も被爆二世で、44歳の若さで白血病で亡くなった。納谷氏の気持ちは痛いほど分かる。
被曝の影響は、人によって千差万別だ。被曝しても、元気で長生きしている方がいるのも事実だろう。
だが、命は一人一人のものなのだ。命のことを、パーセンテージで語る者たちを許せない。
その思いで、『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト』は作られた。

今回、『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト』が書店に配本されるのは、事前に心ある書店からご注文いただいた冊数を指定配本するなど発行部数の一部(10数%程度)にしかなりません。できるだけ鹿砦社販売部(sales@rokusaisha.com)に直接ご注文をお願いいたします。直接お申し込みの方には早速発送します。送料サービス/代金後払いです(冒頭の表紙写真をクリックすることで、販売ページに飛ぶこともできます)。

(FY)

 

 

「あいつが無罪になったら、被害者の遺族は納得できないんじゃないでしょうか?」
冤罪の疑いを抱いて最近取材を始めた殺人事件の裁判を傍聴後、男性被告人の家族や友人と一緒に弁護士の説明を聞いていた時のこと。被告人の無実を信じる友人の男性が、心配そうに弁護士にそう聞いていた。

「そういうことを考える責任があるのは、我々ではなく検察官でしょうね」
弁護士はそう説明していたが、まったく正論だろう。この男性に限らず、「犯罪被害者やその遺族をいかに救済するか」という問題と、「被告人は白か黒か」という問題を混同して考える人は世間に少なくない。しかし言うまでもなく、この2つの問題はあくまで別問題である。

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「才色兼備の女性でしたね。とても頭がよく、書く文章も整っていました。おそらくなにをやらせても、どんな仕事でも的確にこなしたんじゃないかな」(AVライター)
1980年代、Fカップの巨乳でAVクイーンとして人気を集めた冴島奈緒さんが、9月29日にがんのため死去していた。享年44歳。

AV黄金時代の80年代に爆発的な人気を誇った彼女は、清楚なたたずまいと艶っぽさで人気を博した。とりわけ、東京都出身で、グラビアアイドルとしてデビューし、日本テレビ系「11PM」のコーナー「秘湯の旅」リポーター、“うさぎちゃん”が印象に残る。その後、1987年に『冴島奈緒/FカップNo.1 奈緒の目覚め』でAVデビュー。スリムな体形に巨乳のアンバランスさでAVでも人気が爆発した。

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「信じられない。80歳で国を変えられると考える神経がわからない。そもそも五輪招致で使ったという18億円の収支報告書が消えたタイミングでの辞任は、なにか黒いものを感じるね」(都庁詰め記者)
石原慎太郎東京都知事(80)が国政への復帰を表明して、都知事を辞任。都民からは期待の一方、任期を約2年半残した辞職に疑問の声も上がった。

「忘れもしないあの3.11に地震の中、都知事に出馬証明した。それで辞任の日にも地震が起きた。天が怒っているのかもしれない」(識者)
「途中で辞めるのは無責任」の声が各界からあがっている。

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世間の注目を集めた橋下大阪市長と週刊朝日のバトルは、橋下市長の完勝に終わった。このバトル自体については、筆者はここでとくに述べたいことはないのだが、差別云々が論点になったこのバトルを伝えるニュースに触れ、自分がやっておかねばならなかったことを1つ思い出した。それは、先日取材した裁判員裁判の法廷で浮上した現役検察官の民族差別発言疑惑を少しでも世の中に広めることである。

その疑惑は、10月18日の当欄でも紹介した下関の女児殺害事件の裁判員裁判で浮上したものだ。この事件については、一貫して無実を主張しながら懲役30年の判決を受けた被告人・湖山(本名・許)忠志氏が現在、広島高裁に控訴中だが、前回紹介したように山口地裁の公判では、湖山氏とは別の真犯人が存在することを窺わせる形跡が多数明らかになっていた。そんな問題裁判において、湖山氏の衝撃的な告発が飛び出したのは、7月11日の第10回公判の時だった。

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「いや、これで民主党政権になってから法務大臣は8人が就任してはやめていっただろう。これってつきあう官僚も混乱するのではないかね」(ベテランの政治記者)
暴力団関係者との交際が指摘されるなどしていた田中法務大臣が10月19日、体調不良を理由に入院し、ついに辞任。

田中慶秋法務大臣は、過去に暴力団関係者の結婚式で仲人を務めたり、暴力団関係者の宴会に出席していたりしたことが指摘されたほか、みずからが代表を務める民主党の支部が、政治資金規正法で禁止されている外国人が経営する会社からの献金を受けていたことが明らかになった。

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野田佳彦首相が「近いうちに信を問う」としている衆院解散の時期について、前原誠司国家戦略担当相は10月21日のフジテレビ「新報道2001」で「私の感覚で言うと、年明けに解散したら『近いうち』じゃない。首相は約束を絶対に守る人だ」と述べ、年内に踏み切るべきだとの考えを示した。野党側からは「発言は重い」(安倍晋三自民党総裁)などと歓迎の声が上がる一方で、民主党の安住淳幹事長代行は不快感を示し、政府・与党の足並みの乱れが著しい。

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パソコンの遠隔捜査による犯行予告事件をめぐり、警察庁の片桐裕長官が全国各地で誤認逮捕された4人の人たちへの謝罪を検討していると述べたのは今月18日のことだった。すると実際、その翌日以降、今回誤認逮捕を引き起こした三重県警、神奈川県警、警視庁、大阪府警が誤認逮捕被害者たちに相次いで謝罪していった。

報道でこの経緯に触れ、警察は相変わらず、世論ばかり気にするなあ・・・・・・と思ったのは、筆者だけではないはずだ。それもそうだろう。警察が無実の市民を誤認逮捕した例など、全国各地に数え切れないほどあるのだ。にも関わらず、今回のようにわざわざ警察庁長官が誤認逮捕を事実上認めた上、謝罪の意向を表明し、その通りに全国各地の警察が次々に誤認逮捕被害者に謝罪するというのは異例である。今回の4件の誤認逮捕が大きく報道され、世間の注目を集めたからこそ、警察は今回に限って、誤認逮捕を反省するポーズを社会にアピールしたとみるのが自然だろう。

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50歳になった時に、1カ月かけて沖縄を旅した。与那国、石垣、西表、竹富、鳩間、黒島、波照間、本島、久高島、伊江島を訪れた。
50歳が若者のような旅をする、というのがコンセプトの本の出版を考えていた。ゲストハウスや民宿に泊り、農園での農作業まで手伝った。
しかし、50歳になった時に、大変な年齢になってしまった、と思ったのだが、少し経ってみると、50歳というのは普通の年齢であることが分かる。
企画は、お蔵入りになった。

この時に、沖縄に関する、あらゆる本、映画を見た。
最も沖縄を捉えていると感じたのが、深作欣二監督『博徒外人部隊』。任侠映画である。

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8月にフィンランドに行ったのは、エアギター世界選手権のファイナルステージを見るためだった。
計画を立て始めたのは、今年の春頃。なにしろ、世界選手権のファイナルステージなのであるから、まずはチケットを手に入れないことには話にならない、と思った。
日本でも手に入る、と最初聞いたので、チケットぴあを始め各種チケットセンターで検索したが、見つからない。
フィンランド大使館の観光局に電話するが、いつも留守電だ。
フィンランドのエアギター世界選手権事務局にメールするが、返事は来ない。
これが、フィンランド流なのだな、と思った。すでに旅は始まっていた。

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