お笑いと格闘技という語りたがりが多い2大ジャンルが誌上で激突する、お笑い語り本『お笑いファンvol.2』(鹿砦社)が7月31日に発売されました。

『お笑いファンvol.2』(鹿砦社)7月31日発売開始!

2022年12月に発売された前号は、吉本興業ホールディングスの前会長・大崎洋氏のインタビューでも話題となりましたが、今回のテーマは「お笑い×格闘技・プロレス」。ニューヨーク・嶋佐和也さんが「プロレス・格闘技」について熱く語っています。

そのほかにも、サバンナ・八木真澄さんと極真会館中村道場・松岡朋彦さんの対談や、チェリ―大作戦による極真会館体験入門や、「月刊プロレスファン」元編集長である伊藤雅奈子さんによるコラム「全女とFMWと、ときどき吉本。」など企画も盛りだくさん。

インタビューも多彩で、巻頭を飾るのは、M-1王者・ウエストランド。井口浩之さんと河本太さんが、誌面でも舞台さながらの絶妙な掛け合いを見せてくれます。マユリカには東京進出への思いなどを、あぁ~しらきさんには女芸人の生き様について語ってもらっています。

注目は、島田紳助さんとともにM-1グランプリの立ち上げに関わった“お笑い界のレジェンド”谷良一さんによるコラム『「天才列伝」ぼくの出会った芸人さんたち』。横山やすし師匠との思い出を語ってもらいました。前号にはなかった新機軸として、谷河良一さんの哀愁漂う小説『湖上の月』も必読です。

前号とはテイストを変え、パワーアップした『お笑いファン』。ニューヨーク嶋佐さんの迫力ある表紙が目印です。お求めは、お近くの書店またはAmazonでお願いします。(文=日刊サイゾーより転載)

それにしても、なぜ、あんな記事が雑誌に載ったのか? ミュージシャンの小山田圭吾氏が過去に雑誌で行っていた「いじめ自慢」で大炎上した問題をめぐり、そんな疑問を抱いた人は少なくないはずだ。

何しろ、当該雑誌2誌のインタビューで小山田氏が自慢していたいじめはまさに犯罪的だった。全裸にしてグルグルにヒモを巻いたうえ、オナニーをさせたり、ウンコを食べさせたり、バックドロップをしたとか(ロッキング・オン・ジャパン1994年1月号)、障害者の同級生を段ボール箱にとじこめたとか(1995年8月発行のクイック・ジャパン第3号)、小山田氏はそんなことを楽しく語っているのだが、現代の感覚で考えると、小山田氏も雑誌関係者もあんな記事が出れば、凄まじい批判を浴びることはわかりそうなものだからだ。

ただ、当時を知る世代の人間からすると、雑誌であのような記事が載っていたことはさほど不思議なことではない。1990年代のメディアの倫理観は今とはずいぶん異なるからだ。

小山田氏の「いじめ自慢」が載ったロッキング・オン・ジャパン1994年1月号(左)とクイック・ジャパン第3号

◆売春の広告、殺人被害女性のヌード掲載、性犯罪者のインタビュー記事も当時は普通だった

たとえば今、新聞に売春業者の広告が載っていたとすれば、大問題になるだろう。しかし当時、タブロイド紙の「三行広告」というものが集まった蘭には、ホテトルや大人のパーティーなどという売春業者の広告がいつも多数載っていた。「社会の公器」たる新聞社が公然と売春業者の宣伝に手を貸し、利益を得ていたのである。

事件報道も今と比べると、当時は人権意識など無いに等しかった。たとえば、1997年に起きた東電OL殺害事件では、被害女性が売春をしていたことが大々的に報じられ、被害女性のヌード写真を掲載した週刊誌まであった。今であれば、被害女性の勤務先や職業が事件名として使われること自体が批判の対象になりそうだし、被害女性のヌード写真を載せた週刊誌は即廃刊に追い込まれてもおかしくない。

ちなみに当時、殺人事件の加害者や被害者になった女性が性風俗業に従事していた場合、週刊誌がその裸の写真を掲載するのは東電OL殺害事件に限らず日常的に行われていたことだった。

また、痴漢や覗きを常習的に行う性犯罪者のインタビュー記事が週刊誌に載るのも当時は普通だった。中には、「痴漢日記」の著者である山本さむ氏のように本まで出すカリスマ的な扱いの痴漢常習犯もいた。

ちなみに当時、このように痴漢をもてはやしていたのは、週刊誌などの「低俗」と評価されるメディアだけではない。山本氏の「痴漢日記」は、大手映画会社グループの東映ビデオにより映像化され、主にVシネマとして人気を博していたほどだ。

このようなことが許された…というか、普通にメディアで行われていたのが1990年代だったのだ。

◆小山田氏や「いじめ自慢」掲載の雑誌だけが問題なのか?

私が思うに、小山田氏の「いじめ自慢」の問題は、このような当時の時代背景もセットで考えたほうがいいのではないかと思う。

こんなことを言うと、小山田氏やその「いじめ自慢」を載せた雑誌及び関係者を擁護しているように受け取られるかもしれないが、そうではない。

あのような記事が出ても、雑誌が何も問題なく存続し、小山田氏も現在に至るまで一線で活動できていたということは、世間もそれを受け入れ、容認していたということだ。あれは、小山田氏一人の問題ではなく、雑誌だけの問題でもなく、日本人全体の問題ではないだろうか。

たとえば、国民がみんなで「鬼畜米英」と叫び、バンザイをしながら兵隊たちを戦場に送り出していた時代、兵隊たちが戦場で非戦闘員を殺害したり、略奪行為をしたりしたことを「兵隊たちだけの問題」だと考える人はあまりいないだろう。今回の小山田氏の問題もそれと通じるものがあると私は思う。

▼片岡 健(かたおか けん)
ノンフィクションライター。編著に『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(著者・久保田祥史、発行元・リミアンドテッド)など。

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4月28日に逝去した「浅草ロック座」のオーナーだった斎藤智恵子さん。その斎藤さんはいくつもの「伝説」を残している。通称「斎藤ママ」のレジェンドを知る、数少ない人のうちのひとり、神山典士氏にインタビューを敢行。天才、勝新太郎に20億円をポンと貸し、その勝プロの権利を活かして世界の北野武に映画『座頭市』を作らせた大立者は、一方でドラッグで逮捕された小向美奈子を救済する一面もあった。知られざる「浅草ロック座の女傑」斎藤ママの横顔が、神山氏の言葉からかいま見える。(聞き手・構成=ハイセーヤスダ)

 

浅草ロック座HPより

── 斎藤智恵子さんとは、どこで出会いました?
神山 俳優の勝新太郎さんが生きてる頃、浅草に“ママ”がいるって聞きました。よくわからずに「ママって何ですか?」って言ったら浅草にものすごい“大立者”のばあちゃんがいて(笑)。「実はさ、オレそのばあちゃんに世話になってるんだ」って勝さんが言ってたんですよ。それで会いに行ったのが1996年ですかね。そうしたら勝さんは、おそらくは、すでに入院してたのかなぁ……。ガンにかかっていました。最後に勝さんが言うには、「ママには次は300万円ぐらいの三味線を今までのお返しであげるんだ」って言っていまして、実際、プレゼントをしていたのですね。その三味線の写真もいただきました。そのあとでママに会いに行ったら「まぁ先生に三味線をいただいたの」と。勝さんのことを先生って言っていました。
── そんなことがあったのですか。それは借金を返せないかわりに、ということですよね。
神山 三味線ひとふりぐらいじゃね、全然、それまでお借りしていたお金のお返しにはほど遠いでしょう。(編集部注:勝新太郎氏は、テレビ『座頭市』の制作費を斎藤さんに約20億円ほど借金していたと報道されている)
── 一般には報道によると勝さんが斎藤さんに借りたお金は約20億と言われてますよね。
神山 正確には知りませんが、渋谷に持っていたホテルを売るくらいだから、大変な額ですよね。
── 神山さんは斎藤さんとの交流を雑誌『AERA』や『中央公論』で書いてらっしゃいますよね。
神山 そうです。書きました。それで勝さんが死んだ後、勝さんのことを拙書『アウトロー』に書く時にも斎藤さんに出てもらったし、それから斎藤ママのことも書きたいと思って中央公論が最初だったか、『AERA』が最初だったか何回も何回も書いていたんですよ。それで98年か99年ぐらいにアマゾンに行ったんですよ。

 

神山典士『不敗の格闘王 前田光世伝 グレイシー一族に柔術を教えた男』(祥伝社黄金文庫2014年)

── アマゾンに?
神山 僕が『ライオンの夢』(現在は祥伝社黄金文庫『不敗の格闘王 前田光世伝 グレイシー一族に柔術を教えた男』)という作品を書くときにアマゾンの取材をやってて、ものすごい居心地がよくて、向こうには100万人以上の日系人の世界がありました。現地では、移民の人たちがロック座の踊り子の本場の踊りとを見て喜ぶから「ママ一緒に行かない?」って言ったら「よし行こう」と言い出しまして。踊り子6人ぐらい連れて。あと着付けの人と髪結いとそれから照明とマネージャーと僕ら取材人が3人ついて映像もとったりなんかしながら行ったんですよ。
── 豪華な旅ですね。
神山 10日間ぐらいの旅で、ママだけファーストクラスで、自分たちはエコノミーなのでしたけど(笑)。サンパウロから始まって、前田さんのお墓があるアマゾンのベレン、南のポルトアレグロをまわりました。各地どこでも大盛況で、踊り子たちはホームステイもして、最後はみんな大泣きでしたね。
── 儲かってた時代ですよね。
神山 当時は儲かってたよね。
── まだ景気が上昇していた時代ですね。
神山 かつてのようにロック座が全国チェーンでもなく、全盛の頃ではないですけれども、ただまぁ斎藤さんの会社は不動産もありましたし、パチンコの換金所みたいなのもやっていましたし、芸者置屋もありましたし、ロック座もあの頃は仙台にもありましたからね。仙台、上山田、横浜などなどです。
── 斎藤さんとは死ぬまでお付き合いされてたんですか?
神山 そうです。晩年はもうお仕事から身を引いていました。でも半年に1回か2回は行くようにしてて、「お食事処」っていう彼女がやってる食堂がありまして、そこに行けば斎藤ママや関係者に会えましたから。
── 斎藤さんとの思い出で印象に残ることは?
神山 色々もちろんあるんですけど、踊り子達のことですね。踊り子のOG達と会うと、こう中に何人か幸せな結婚をした子もいるし、それからどこに行ったか分かんなくなっちゃった子も多いのですが、最後には寂しさを引きずって辞めていくでしょう。
── 踊り子がですか?
神山 そうです。
── 年齢もあって。
神山 年齢というかですね、やっぱ男関係とかね。そういう意味ではこう、斎藤ママは浅草ロック座でけっこう強固な“女軍団”を作ったのですが、最後まで残ったのは“古い踊り子”だけだったのです。
── 最後に斎藤さんに会われたのは?
神山 最後に会ったのは今年の1月でしたでしょうか。
── 何の用事でしたか?
神山 実は浅草あたり行くたびに顔出すんですよ。その日も夜9時くらいに行ったと思います。
── 小屋にですか?
神山 小屋というか「お食事処」ですよね。で、斎藤ママは麻雀やっててちょっと会っただけです。ママが経営していました『お食事処』はママの入院中に締めてしまい、働いていた人にとっては青天の霹靂で「何であそこは閉めたのっ?」て聞きました。
── 悲しいですね。私も行ったことあります。もう入れないんですか?
神山 もう入れませんね。お葬式の前から片付けやっていました。
── 斎藤さんのお葬式には行かれたんですか?
神山 行ってないんです。その2日前に自宅にご挨拶に 行きましたが、もう家に安置されてて、お焼香させていただきました。
── 斎藤さんが亡くなってから浅草自体行ってないですか?
神山 葬式終わった後は行っていません。
── 勝新太郎さんの死に目は遭ったんですか?
神山 遭っていません。
── 勝さんと斎藤さんとは最後まで仲良かったんですか?
神山 ええ、ママは(勝さんを)尊敬していましたから。勝さんの妻、玉緒さんも毎年正月3日に姿をみせていましたね。
── 斎藤さんのところに?
神山 新年会をやって、7階がものすごいどんちゃん騒ぎで、若山富三郎、玉緒、北野武……大御所たちがまぁやっぱりママの前では頭あがらなかったですね。
── 面白いですね。
神山 俳優の山城新伍も物まねのコロッケも来ていました。たけし軍団ももちろんです。
── 本日はありがとうございました。

※斎藤智恵子さんのご冥福を祈ります。(ハイセーヤスダ)

▼神山典士(こうやま・のりお)
1960年埼玉県生まれ。川越高校を経て84年信州大学人文学部心理学科卒業。同年4月ISプレス入社、86年12月同社退社。87年1月上海倶楽部設立。90年5月株式会社ザ・バザール設立。96年『ライオンの夢 コンデコマ=前田光世伝』で小学館ノンフィクション大賞優秀賞、2014年に起きた「平成のべートゥベン」の佐村河内守のゴーストを新垣隆がしていたことを『週刊文春』で暴き、大宅壮一ノンフィクション賞受賞、注目を浴びる。最新刊は7月10日発売の『成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択』(角川新書)。公式ホームページ http://the-bazaar.net/

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

本日発売『紙の爆弾』7月号!【特集】アベ改憲策動の全貌

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

 

2012年後半のNHKの朝ドラマ「純と愛」で、夏菜が演じる純が再生を試みた沖縄・伊良部島のモデルとなったホテルが「経営者再生」のパワースポットとしてじわじわと注目を集めている。

ドラマでは、祖父が建て、父親(武田鉄也)がつぶそうとしたが再生を試みたのが主人公の純(夏菜)。沖縄・伊良部島にある同ホテルが実は「経営者のパワースポット」として実業家の間でひそかに広がりつつあったのは、実はドラマファンが集まるSNSからだが、現在はドラマ終了から時間がたち、ほぼ閉鎖されているようだ。

「純と愛」は、ニックネームが“社長”でなんでもかんでも他人に尽くすのが身上の純(夏菜)が、人の心が読める特殊能力をもつ愛(いとし・ 風間俊介)とともにつぎからつぎへと押し寄せる不運を乗り越えていくドラマ。

「このドラマで重要な役割を果たす宮古島のホテルのモデルとなった『伊良部島ホテルサウスアイランド』は、『純と愛』のストーリー上、とても大切な『絆』と『人の再生』がストーリー上、織り込まれています。武田鉄也演じるホテルのオーナーは祖父からホテルを引き継ぎますが、経営難でホテルを手放すことに。だが祖父との大切な思い出があり、『誰がも幸せになる魔法の国』としてホテルを大切に思う純(夏菜)が、父親の決定に逆らい、ホテルを破壊にやってきた建設用トラックや重機に身体を張って立ち向かうのです」(テレビ雑誌ライター)

つまり、このホテルは「あきらめない実業家」の魂が否定のしようもなく詰まっているから「訪れて寝ていると落ち着く」(40代経営者)や「実は経営的に苦しくなるとここに来て美しい海を眺めつつ頑張ろうと決意しなおす」(50代経営者)との声もある。

同ホテルの儀間氏は「いまだに『純と愛』を見てきたというかたが数組、いらっしゃいます。もちろん常連で社長のかたもいらっしゃいますよ」と語る。

ホテル側でお客の職業まで聞かないので具体的に何人の経営者が来ているかは不明だが、「元気が出るスポット」としていまだに人気を集めているのはまちがない。
ちなみに「カップルには、はぐれても再び出会えた宮古島・砂山ビーチに寄っていくのをお勧めしますよ」(沖縄県在住ライター)との声も。

経営にいきずまったむきは、夫婦で訪れるのもいいかもしれない。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

『紙の爆弾』タブーなし!の愚直なスキャンダルマガジン

若い頃エロ本のお世話になった人というと、およそ1985年以前が中心というデータが出版の取り次ぎ会社にある。

今や書店からほぼ完全に姿を消し、コンビニの棚の隅にひっそりと息づいているだけのエロ本は、斜陽化が進む出版界においてもレッドリストの筆頭に入る絶滅危惧種、昭和最後の名残なのだ。

「東京五輪・パラリンピックまでにコンビ二の棚からエロ本はなくなるという噂が出版界では広がっています。諸外国に対する配慮からですよ」(全国紙社会部記者)

エロ本の息の根を止めたのはインターネットだった。出版不況がいわれ始めてはいたが、まだまだ本が売れていた20世紀末、エロ本業界では局部のスミ消しがモザイクに変わり、薄消し競争で内容が過激化して逮捕者まで出していた。その過激なコンテンツが〝自炊職人〟たちの手によって、ネット上に無料で大量に撒かれ始めたのだ。これでは誰もカネを出してくれない。

「ネットサーフィンを初めて、自分が作っている本の名前で検索結果を見て凍りつきましたよ。一所懸命人集めて、会社のカネとはいえ大枚払って撮影して、何度も大切に使っていた写真が、タダでばらまかれているんですもん。一瞬怒りましたが『ああ、こりゃもう誰も買ってくれなくなるな』とすぐに悟りました」(編集者)

でもその頃のネットはまだ通信速度が遅く、動画配信には負担が重すぎた。だからエロ本は、当時普及し始めていたDVDを付録に付けた。部数は伸びたが、外すと途端に落ちるので、DVD付録は必須になった。やがて読者は本体の写真よりも付録のDVDを重視し、エロ本書店が多かった神保町の駅のトイレには、DVDだけ抜かれれたエロ本が散乱していたという。

そして光ファイバーの登場で動画送信がスムーズになると、YouTubeの勃興とともに無料エロ動画サイトが乱立する。毎月お気に入りを探して書店に行って1000円の本を買ってDVDをセットするより、ネットにつないでAVアイドルの1分サンプルや、無修正の海外ハードコアの方が簡単便利実用的しかもタダ。勝てるわけがない。

そんなエロ本の動向を先取りしたジャンルが「性生活告白本」だった。20世紀末に隆盛を誇った、文字ばかりの本なのだが、読者層は70代男性、つまりは年金生活者。彼らが若かったころの思い出を綴った本で、昭和初期の性風俗を知る上での格好の資料でもあったのだが、よほどのマニアでなければ若者は買わない。その告白本を支えていた読者は、今ではもう80代から90代。こうしてこのジャンルは、ひっそりと書店の棚から姿を消した。

そして2020年の『東京五輪・パラリンピック』がやってくる。外国人が立ち寄るコンビニにエロ本が置いてあるのは、国の品位にかかわる。ちなみに東京都庁が毎月指定している〝不健全図書〟に、エロ本はない。コンビニでのエロ本は、置く棚を他の本とは別にする〝分別販売〟を東京都が推進し、業界も遵守しているので、うっかり不健全図書に指定すると雑誌の業界団体がうるさい。

ところが出版関係者が心配しているほど「東京五輪」はエロ本がコンビ二から撤廃されるお題目になっていない。

不健全図書の指定を管轄する「東京都庁・青少年治安対策本部総合対策部青少年課」に「東京五輪までにコンビ二からエロ本が全部撤去されるという噂が出ていますが」と聞くと「そんな話はでていません。確かに、コンビ二からエロ本を撤廃しろという都民のかたのご意見はちょうだいしたことがあります」とのこたえ。

しかしコンビニは書店ではない。エロ本も経済誌も弁当もジュースも、回転率と利益率で判断される商品のひとつだから、棚の効率が悪ければ他の商品が取って代わられる。エロ本を棚から撤去するのは、各チェーン店担当者のお心ひとつだ。絶滅寸前の書店売りエロ本に至っては、数は減っても過激なままだったので、すぐさま警察から呼び出しが来る。

「最後に桜田門(警視庁)に呼び出された時はキツかったですよ。いつもは担当部署の方の指示どおりに始末書を書くのですが、その時は取調室に案内されて座った瞬間『お前、警察なめてんのか!』。ビビりましたよ。あんなに本気の担当者を見たのは最初で、多分最後。『今度なんかあったら、そのまま行くからな』で、社に戻って必死に善後策を検討しました。その後は事なきを得ていますが…」(前出)

ここでひとつ豆知識を。書店売りのエロ本は、モザイク修正が始まった頃から、自主規制で〝18禁〟マークをつけることになった。それに対してコンビニ売りは、18禁を置くのが望ましくないのでマークをつけず、その代わり〝小口止めシール〟という、立ち読みができない姿で売られていた。そして18禁の書店売りはわいせつ図画で警視庁が、コンビニの小口止めは青少年への有害図書で都庁が、それぞれ取り締まるという協定が今でも生きている。

こうしてエロ本の読者は、ネットリテラシーの低い中高年が購買層のメインになった。そういう中高年男性が、コンビニで弁当とお茶とエロ本を買う姿は悲哀を誘うが、エロ本業界はさらに悲哀の底にある。今の部数では、自社でコンテンツを制作する予算がないので、AVメーカーから動画はもちろん、静止画(AVメーカーが広報用に撮る写真)まで借りてきて本を作っている。しかも超低予算で「他の企画と抱き合わせでないと商売にならない」とは某編集プロダクションの編集長。部数はそこまで落ちているのだ。

「コンビニでは2万部売れればいいほう。書店だけのエロ本は1万部切っています。5年前の半分ですよ」(取り次ぎ関係者)

エロ本の作り手には、ここに来て、決定的な試練が待っている。権利関係の管理が厳しくなってきたAVメーカーが、出版社に素材を提供しなくなる可能性があるのだ。

「女優を強制出演させているという批判が集まる中、AVメーカー側はいま肩身が狭い。AV女優にも肖像権があるという判決が出て、簡単に宣材(宣伝用の動画や現場のスチール写真など)を出版社に貸しだしできなくなっています」(編集プロダクション社員)

都庁や警察が動かなくても、読者の高齢化と素材の枯渇から、エロ本はやがて自然消滅する運命にある。しかもそれは、遠い日ではない。

▼高山 登(たかやま・のぼる)
長くエロ本編集に携わる。編集好きが高じてDTPソフトで表紙まで仕上げる編集機械。ライターとしての守備範囲は広く、芸能スポーツ以外は何にもで首をつっこむが、軍事と特撮とかわいい動物にはそれなりの薀蓄を持つ。社命で経営まで関わった事があり、一時Excel恐怖症から鬱になるが、最近復帰した。
◎プロデュース/ハイセーヤスダ

 

大高宏雄『昭和の女優 官能・エロ映画の時代』

CPEが主催するキャットファイト15周年イヤーの締めくくり大会「女祭り2016―寒中お下品キャットファイト」が、去る2016年12月29日(木)、新木場1STリングで開催された。今回はCPEのオリジナルメンバーのみを募ったメモリアルイヤーの総決算大会だ。年の瀬押し迫る中、写真撮影OKという条件の下、ファンがカメラを手に会場に詰め掛けた。エロと笑いと真剣勝負はどこまで寒さを吹き飛ばしてくれるのだろうか――。

各試合は股開き3カウント、顔騎3カウント、ギブアップ、レフェリーストップで決着がつくというルールで進行する。

◆第1試合:クラシカル競泳水着キャットファイト3分3R勝負 
びりりあんみりんだ VS 鳳華

第1試合(上が鳳華)

キャットファイトと銘打ちながら、第一試合にいきなりニューハーフファイターであるびりりあんみりんだが登場すると、MCが思わず「キャットファイトなのに男がいきなり登場しました」「本当にくだらないイベント」「お客さんはチケット代をドブに捨てました」などと強烈に煽り、観客席は笑いの渦に包まれた。戦いの中に「笑い」の要素がふんだんに盛り込まれているのもキャットファイトの魅力の一つだ。

黒の競泳水着に身を包んだ鳳華が豹のように俊敏に動き、終始試合をコントロール。びりりあんみりんだは鳳華の隙の無い攻撃に「痛い」と素直に叫んでいた。
(2R 1分3秒 鳳華選手の勝ち)

◆第2試合:敗者官能小説朗読! 3分3R勝負
きゃんでぃぺろみ VS 羽柴まゆみ

第2試合(官能小説朗読中)

敗者は官能小説をリング上で読まなくてはならないという恥辱を受ける勝負。両者罰ゲームを回避すべく、リングを俊敏に動き回る。幼稚園児のような黄色い帽子を被ったきゃんでぃぺろみが機先を制して飛び掛るが、羽柴がきゃんでぃぺろみの動きを先読みし、あっさり勝負を決めた。羽柴は一言「弱かった」とクールに言い放ち、リングを去っていった。

勝者の羽柴が退場し、うす暗くなったリングでパチスロライターであるきゃんでぃぺろみがパチスロにちなんだ官能小説を朗読する。勝者よりも敗者にスポットライトが当たるシュールな戦いであった。
(1R 2分19秒 羽柴まゆみ選手の勝ち)

◆第3試合:アダルト凶器公認! セクシーアートマッチ
みでぃ VS 白玉あも(審査員・三代目葵マリー)

第3試合(上が白玉)

この試合は3Rフルで戦い、試合での「美しさ・セクシーさ・エロさ」を審査員である三代目葵マリーが判定し勝者が決定する。

女王様ルックの三代目葵マリーが登場するなり、アダルトグッズをリングにばらまいた。このアダルトグッズは試合で使用が認められているのだ。

戦いの火蓋が切られると、みでぃと白玉あもの両者はお互いのブラジャーを脱がしにかかる。MCは思わず「これがキャットファイトだ!」と絶叫。そう、この試合は3Rフルで戦うので、二人の入り乱れる姿を存分に楽しむことができるのだ。鞭でスパンキングをし合う二人。両者のおっぱいが露になると、お互いのブラジャーをつけて攻防を続ける。みでぃが隙をついて白玉あもの股間をバイブで責めた。たまらず白玉あもはイキ果て、勝負は決したかに見えた。

しかし、ここで三代目葵マリーが異議を申し立てる。
「セクシーアートマッチだろ? イった方が勝ちに決まってるじゃないか!」
 まさかの異議申し立てで白玉あもの勝利が決まった!
(白玉あも選手 「昇天」により勝ち)

◆第4試合:スペシャルバナナマッチ
せつなあやめ VS 福山理子 VS さちこYOKOZUNA

第4試合(福山バナナPF)

休憩を挟み、第四試合。選手は水着で闘い、股開き3カウントまたはギブアップをとると全日本プロレス所属のバナナおじさんこと木原文人が身に付けているバナナを使ってセクシーパフォーマンスを行う。バナナおじさんの裁定で勝利者が決まる。

開始早々、せつなあやめと福山理子がバナナを男性器に見立てて交互に艶かしいフェラチオパフォーマンス。しかしさちこYOKOZUNAも黙っていなかった。170キロという自慢のわがままボディを武器に二人を圧倒。嫌がるバナナおじさんを捕まえて無理やりパフォーマンスをしようとする。さちこYOKOZUNAに顔騎されてバナナおじさんは悶絶。裁定不可能となり試合は不成立となった。
(裁定不可能により試合不成立)

第4試合

◆セミファイナル:ノーブラノーパン白Tシャツ水鉄砲マッチ
雛りな VS ディジーマイン

選手は白Tシャツ一枚で闘う。試合前、最前列VIP席に座る観客に水鉄砲が配られた。試合中観客が選手めがけて水鉄砲を発射し、白Tシャツが濡れて裸体が透けていく、というエロティックかつバラエティー感溢れる趣向の試合だ。VIP席の観客は持参した水鉄砲を使用してもよいことになっている。

セミファイナル

1Rでは両者ビンタの応酬。観客が選手に水鉄砲をこれでもかといわんばかりに発射する。リングと観客が一緒に試合を作っていくという、会場の一体感すら感じる。ものの1分で両選手のTシャツはびしょ濡れに。格好のシャッターチャンスだ。カメラのフラッシュがいっせいに焚かれた。

2Rに入ると、濡れて破れやすくなったTシャツが引き裂かれ二人の上半身が露に。観客は食い入るようにリングを見つめ、MC曰く会場は「水を打ったような静けさ」に。

VIP席の観客の持参した大型の威力充分な水鉄砲も登場し、喝采が沸き起こる。最後は裸の両選手がリング上にできた水たまりの中、もみくちゃに。これぞキャットファイトという一戦だった。
(3R 0分20秒 雛りな選手の勝ち)

メイン(奥=鏡、手前=紫龍)

メイン(奥=若林、手前=伊織)

◆メインイベント:追い剥ぎ5WAYマッチ
鏡カノン VS 紫龍みお VS 柔道ちぢみちゃん VS 伊織涼子 VS 若林美保

いよいよメインイベント。時間無制限で五人がそれぞれのコスチュームを脱がし合う。バトルロワイヤル形式でコスチュームを全て脱がされず勝ち抜いた選手の勝利だ。

この日デビュー戦の鏡カノンと伊織涼子が試合当初から組み合うが、分け入ったのが柔道ちぢみちゃん。一見脱げやすそうな柔道着を着ての参戦だが、経験が違うといわんばかりにデビュー戦の二人を寝技に持ち込んであっという間に追い剥ぐと、紫龍みおの着ぐるみに飛びかかる。しかし熱くなり過ぎたか、柔道ちぢみちゃんはレフェリーを背負い投げで投げ飛ばしてしまう。ここで反則負けをとられ、紫龍みおと若林美保が残った。初代追い剥ぎトーナメントチャンピオンの若林美保が、長い手足を器用に繰り、紫龍みおのコスチュームをリング上に投げ捨てたところで勝負が決した。
(13分1秒 若林美保選手の勝ち)

年の瀬迫った、凍えるような夜でも新木場1ST場内は熱気が溢れかえっていた。エロと笑いと真剣勝負。この三つの要素がふんだんに盛り込まれていて、3時間半の尺では足りないほどだ。15周年というミレニアムイヤーを無事完走したCPEは今年2017年もバラエティ豊かなイベントを予定している。逃さずチェックだ。

全員集合

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

 

〈帰ってきた! キャットファイト【プレミア】道場マッチ~視姦距離マット祭り2017~〉
at/新宿御苑Rosso(東京都新宿区新宿1-19-8 サンモール第7ビルB1)
日程:2017年 2/13(月)・2/14(火)・4/10(月)・4/11(火)
全日程とも19:00開場/19:30開演(21:30終了予定)
チケット:●VIP座布団席(最前列・DVD付き) 10,000円  ●SSイス指定席(2列目・DVD付き) 8,000円
      ●RSイス指定席(3列目以降・DVD付き) 6,000円 ●立見 5,000円
チケットはイープラスにて発売中! https://eplus.jp/ath/word/39699/ 

 

 

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』

『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

夏の風物詩といえば、僕にとっては「トーゴーフェス 夏のロック天国」だ。

イベントプロデュ-サーとして、また音楽家として知られるトーゴー社長が今年、仕掛けたのは、2時から9時までのぶっとおしライブ。ドラムの重低音が響く。
売り出し中のバンドが汗だくになって演奏していた。

「初めて来たけど、ここ10年では一番盛り上がっていたフェス」だったのではないか」と20代のOLは言う。

今年は「電撃ネットワーク」や「Sab?o(元Hysteric Blue)」などの大御所も出現。

はっきりいって、まだ日本に「ロック」というものがまだこんなにも根強く残っていたとは衝撃というか、驚きだ。

取材記者は「思ったよりも、人がたくさんいて、ノリもいい。最初から見ればよかった」と1時間遅れでやってきたことを後悔していた。

音楽家を音楽家が育成するのが難しいと日本の音楽関係者たちは声をそろえる。だが、そんなことはない。ここに音楽家たちがちゃんといて、育てようというプロデューサーが歴然としている。それだけで充分じゃないか。

踊ろう。この夏は踊ろう。

かくしていい歳をして、僕は今年の夏もフェスを探すだろう。

20歳年下の若いOLのYが言う。
「フェスって、気が合う友達と行って、さんざん汗を流して帰りに一杯のビールを飲むのが最高よ。録画で見ても意味はない」

日本の若者が元気がないという。本当だろうか。
今回のフェスを見る限り、エネルギーに溢れている。

「いつの日にか、東京ドームを満員にせよ、若いバンドマンたちよ」と叫びたい。
若者にエナジーはまだ溢れている。
日本の未来に絶望するなかれ!

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

原宿にある「ことりカフェ」にでかけてみた(http://kotoricafe.jp/access)。 今の原宿は、外国からの観光客だらけで韓国語、中国語、ベトナム語などが複雑に入り混じっている。青山六丁目の交差点あたりでは、イスラム風の衣装の人たちが太鼓を叩いて民族音楽を奏でて通りすぎていった。そのような喧噪の中、青山六丁目の信号の近くに、インコやかわいい オウムを店内でじっくり観賞できる「ことりカフェ」に行ってみた。

普段、寝る時間すら削っている身にとっては、インコたちがお互いに毛繕いをしている仲のいい光景すら、癒される。

そして鳥といったときに僕は「池中玄太80キロ」というテレビドラマを思い出す。主演は西田敏行で、写真雑誌の敏腕カメラマンだ。だが彼が本当にカメラに収めたいのは実は鶴。休みになると出かけて鶴を追いかける。そのようなわがままを普通は妻が許さないが、許してくれていた妻が早くに逝去する。そして残された三人の娘とどうやって暮らしているのか、重要なテーマだ。このとき西田が歌った「もしもピアノが弾けたなら」はスマッシュヒットとなった。

それにしても今は猫ブームなのだが、どうしてインコにスポットが当たらないのだろうか。

「やはり、世話がかかるのが一番の理由じゃないか。猫はほおっておいて旅行に行っても餌さえ与えておけば問題がないが、インコは自力では生活できないじゃないか」とペットショップの友人は言う。

なるほど、世話がかかるからかわいいという見方もあるかもしれない。いずれにしても、毎日の煩雑さから抜け出すのに、「ことりカフェ」はいいかもしれない。ここに訪れる外国人カップルたちも、鳥たちに魅せられていた。文化交流のために、日本との橋渡しを「とり」なしてくれているってわけだ。おあとがよろしいようで。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

 

大流行しているスマホむけ人気ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」で遊びながら歩行、もしくは自転車走行中の事故が激増している。

「夢中になってキャラクターをゲットするために歩いている女子のスカート中を盗撮する輩が増えていると報道されているが、この連中をあえて〝おびき寄せて慰謝料をとる〟という新手のしのぎを暴力団関係者が思いついたようです」(実話雑誌ライター)

日中でも深夜でも、キャラクターをゲットするために交通事情や周囲にかまわずふらふらと歩いている若い女性は確かに無防備だ。

「とくに後ろはまったく無防備で、性犯罪者たちがミニスカートの中などを下からスマホで撮影し放題なのは確かです。夏ですし、盗撮する連中が、画面を向ける角度によってはキャラクターを探しているのか、女性の股間を盗撮しているのか見分けにくいのでやっかいです」(警視庁関係者)

さて、この状況を利用して、ヤクザがどう金もうけにつなげるのか。仕込みの美女がミニスカで囮となって町中でスマホを片手に「ポケモンGO」のキャラ探しでうろつく。そこを盗撮する輩を見つけて「この野郎、今、俺の女を盗撮しただろう。スマホ見せてみろ」と〝美人局〟のごとくごつい男が仲間とともに登場。

「そのあと、カラオケボックスなどの〝密室〟にその盗撮野郎を連れ込んで、『もう、会社に訴えてやる』などと泣いている演技をしている囮美女を尻目に、数十万円の賠償金をとるというものです。この一連の流れを30分かからずにスピーディにやるのがポイントです」(同)

新宿の歌舞伎町や町田などでは「70万円まきあげた強者もいる」(都心の組関係者)という話が伝わっている。

「ただし、ヤクザは今、組の名前を出しただけで恐喝になる。そこを逆手にとって、明確に組員がやっているのがわかったら、そうしたしのぎをしている連中に対して、脅しをかけるかも。警察のマークがまだついていないギャングや暴走族集団たちが、ヤクザ相手に『あんたら、せこいことやってんじゃねえよ。警察にチクってやろうか』と逆ネジで口止め料を恐喝する可能性もある」(実話雑誌ライター)

「ポケモンGO」では、夢中になって歩いている人へ自転車でぶつかる「当たり屋」も急増している。開発した連中たちが想像もしないような展開がなされている。

別な意味でモンスターを育てたのは、開発した任天堂ではないだろうか。

(伊東北斗)

芸能界の闇を暴く震撼の書『芸能界薬物汚染』(鹿砦社薬物問題研究会編)

 

7月26日、午後7時すぎの上野広小路交差点、松阪屋前で街宣する、アイドルフェイスの都知事候補、七海ひろこ(幸福実現党)がいた。道行く人の一部が元気いっぱいの美女の声に足を止める。

だが多くは演説にいまひとつ集中せずに「早く終わらないかな」という渋い表情で七海を見つめていた。七海候補は「東京を,ニューヨークを超える超高層都市にして、若い世代でも『安くて、広い家』に住めるようにします」と笑顔いっぱい叫んでいるのに見ている聴衆たちは渋い顔。

OL風の女子が言う。

「この街宣車がとまっているポイントに、『ポケモンGO』のモンスターが数匹いるのですが、近づけないんですよ」

ようやく納得した。22日に配信スタート、モンスターにボールを投げつけることでキャラクターを集めて『ポケモン図鑑』を作り、やがてモンスターどうしバトルさせる目的のゲーム『ポケモンGO』は町を歩いてモンスターをゲットするのがもはや国民的行事。スマホ片手に自転車と歩行者が、あるいは車と歩行者がぶつかる事故などが激増中。七海の街宣車が止まっているポイントは、ちょうど数匹のモンスターが登場したポイントで、『ポケモンGO』ファン目線では邪魔でしょうがなかったというわけか。

 

夜7時30分ごろ、パラつく雨に限界を感じたのか「まったく今日にかぎっては別の場所で演説してほしかったぜ」と40代風サラリーマンがしびれを切らし、スマホをポケットに入れて去っていった。

それでも、「AKB48」にいてもおかしくないルックスのキュート系、七海ひろこは最後まで声を枯らして「24時間、ときめくことができる都市・東京の実現にがんばります」と訴え、その演説そものもを聞きに来た聴衆も満足の拍手を送った。

「なんだか今の時代を象徴する出来事だったねえ。都知事選のPRより、モンスターをゲットするほうがよほどみんな大事なんだろう」(上野のアパレルショップ店員)

都知事選挙も、「ポケモンGO」とコラボして候補をイラスト化したモンスターを街宣スポットでゲットできるなどしたら、もっと都知事選挙も盛り上がるような気も。

「都知事選挙なんて一部の老人しか感心がない。7月31日なんで夏休みの入り口で行楽まっさかり。投票率は40%(舛添都知事が当選した前回は46.14%)なんて事態も心配しています」(都知事選選挙管理関係者)

政策というボールを投げても、聴衆には届かない。

まさに倒れないモンスターこそが、今どきの都知事選の聴衆なのかもしれない。

(伊東北斗)

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