2008年6月、広島市南区のマツダ本社工場に自動車を突入させて場内を暴走し、1人を殺害、11人に重軽傷を負わせた引寺利明(48)。「マツダの工場で期間工として働いていた頃、他の社員らにロッカーを荒らされたり、自宅のアパートに侵入される集団ストーカーに遭い、恨んでいた」と特異な犯行動機を語ったが、裁判では妄想性障害ゆえの妄想だと退けられ、完全責任能力を認められて無期懲役刑が確定。現在は岡山刑務所で服役中だ。

この引寺が〈ここにマツダ事件から丸5年経った今のワシの気持ちを書きますので読んで下さい。〉と送ってきた手記を前回に続いて、紹介する。今回紹介する手記の後半部分では、犯罪者たちの服役生活の実情が前回紹介した前半部分以上に詳しく綴られている(手記の引用は基本的に原文ママだが、「行替え」「見出し」を加えた)。

引寺から2通の封書で届いた便せん13枚の手紙

================以下、手記================

◆逮捕時に90キロ近くあったメタボ体型が58キロになってしまった

今現在のワシのメンタルについてはここに書いた通りだが、身体については、この5年間で劇的に変わってしまった。逮捕時には90キロ近くあったメタボ体型が、広拘で70キロ台になり、ここに来てからもガンガンやせていき、ついには60キロを切って58キロになってしまった。(驚)まさしく文字通りのガリガリ君である。

シャバにいた頃には酒は全く飲まなかったが、毎日タバコ2箱ペースで吸いまくり、あま~~い缶コーヒーもガンガン飲んでいたので、20代後半頃から逮捕されるまでの間、数々の会社で働いていた時に受けた健康診断の血液検査では、毎回、肝臓と糖尿の数値がレッドゾーンだった。逮捕されて拘留生活となり、ポリ署ではタバコが吸えたものの、広拘に移管されてからは完全に禁煙となってしまった。(悲)2年ほど経った頃に、医務で血液検査をした所、なな、なんと!!あれほど何年間もレッドゾーンが続いていた肝臓と糖尿の数値が完全に正常値になっており、医師から「血液の数値は全て正常です。すこぶる健康ですよ」と言われてしまった。

ホンマ、人生とは因果なもんよのー。塀の中で強制的に規則正しい生活をする破目になり、その結果、健康になってしまった。

◆ここでは、いやし系よりいやらし系の映像がウケます

シャバとは違う塀の中での制限がキツイ禁欲生活ではあるが、1年2年と経つうちに慣れてしまった。人間とゆうものは、どんな環境においてもそれなりに順応するもんなんじゃのーと思う。住めば都とはこの事か。刑務所では筋トレをする受刑者がけっこー多いのだが、ワシは筋トレはたいぎいので全くしていない。

ここまでやせられたのは単純に飯のせいである。拘置所も刑務所も飯の量とカロリーが少なすぎる。もうちーたー喰わしてくれーー!!ギブミーカロリー!!って感じである。(笑)塀の中の飯は、文字通り生かさず殺さずである。ここで暮らしているとホリエモンが30キロ痩せたのも十分理解出来る。

雑居房でテレビを見ている時に、うまそうなステーキやスイーツが画面に写ると、みんな口々に「かあーー、うまそうなのーー」「喰いてーのー」「あーあ、もう一生喰う事は出来んのんかのーー」などと言っている。ここでは、いくら金を持っていても好きな食い物は買えない。出された物しか食べられない所がヒジョ~~~~にツライ!!

ちなみに、ナイスバディのイケてるオネーチャンが画面に写った時も「かあーー、えーのー」「たまらんのーー」「パフパフしたいのーー」などどワーワーゆーとります。(笑)ここでは、いやし系よりいやらし系の映像がウケます。

◆サーキットでレースを観る事が出来ないのがヒジョ~~~~に残念

事件当時の報道にあったように、ワシは無類の車好きです。もうこれから先、自分で車を運転することはないと思うが、やっぱ車が好きじゃのー。ワシが車好きという事と、事件に車を使った事については、ワシにとっては全く別の話じゃ。それはそれ、これはこれじゃ。

受刑者の中にはけっこー車好きな人が多く、工場での休憩時間や運動時間には、アーダコーダと車ネタで盛り上がる事がある。ワシはスーパーカー、チューニングガー、レーシングカーが好きなので、手元にあるゲンロク、オプション、オートスポーツなどの雑誌を、日々ヒマな時に眺めている。ワシはガキの頃からRX-7が大好きで、若い時には、SA22CやFC3Sを所有していた時期があったのだが、残念ながらFD3Sは所有する事が出来なかった。それがちょっと心残りじゃのー。

シャバにいた頃には、毎年数回ほど岡山国際サーキットやミネサーキット(現在はマツダのテストコースになっている)へ出向いて、スーパーGTやフォーミュラーニッポンのレースを観ていた。特に好きだったのがスーパーGTを走っていたRE雨宮のRX-7で、あのペリチューン独特のつんざくような高周波のエキゾーストノートにシビれていた。サーキット特有の非日常な世界の光景が大好きだった。もうこれから先、サーキットでレースを観る事が出来ないのがヒジョ~~~~に残念に思う。

ワシはスポーツカーやチューニングカーが好きなので、早いこと新型RX-7が見たいのだが、なかなか出てこんよのー。えーかげん待ちくたびれとるでえー。いつになったら出るんかのー。どの雑誌を見ても、新型ロードスターに関する記事はあっても新型RX-7の記事は全くない。マツダのエンジニアの皆さんには期待しとるけーのー。世界中のRX-7ファンがあっと驚くようなインパクトのあるカッコイイRX-7をデビューさせてくれ。塀の中にも熱狂的なRX-7ファンがいる事をお忘れなく!!

◆柩に入って静かに出所する事になるんじゃろーのー

ワシがここに来て一年半が過ぎた。刑務所にキッチリ管理された制限がきつくて刺激のない単調で退屈な日常生活が日々続いている事に、もう飽きてしまった。ホンマ、何だかなーって感じである。

以前見た新聞記事で、全国の刑務所を調査し、無期懲役の受刑者が入所する人数と仮釈で出所する人数の統計があったのだが、無期懲役の判決を受けて入所する受刑者の数は、毎年かるーく何十人かはいるのに、仮釈をもらって出所する受刑者の数は、年に数人ぐらいだった。このバランスの悪さは何なんや。まあー、わかりやすく説明すると、無期懲役で服役している受刑者の大半はシャバに出ておらず、世間に知られる事もなくひっそりと獄中死しとるゆーこっちゃ。

世間に知らされるのは死刑囚の執行だけじゃ。ワシの場合、事件の規模からして、これから先、いかにワシが10年20年30年と真面目に服役したとしても、仮釈なんぞ絶対にありえないだろうと思っている。おそらく大半の受刑者と同じように柩に入って静かに出所する事になるんじゃろーのー。

あーあ、な~~んかワシもプリズンブレイクしたい気分じゃのー。(笑)

================以上、手記================

筆者は過去様々な殺人犯に会ってきたが、誰もが引寺のように獄中で無反省の日々を送っているわけではない。しかし一方で、引寺のように刑罰すらも無力だと思わせるような殺人犯もたしかに存在するのである。

引寺が暴走したマツダ本社工場

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

《我が暴走》マツダ工場暴走犯の独占手記!
◎《06》「謝罪感情は芽生えてない」発生5年マツダ工場暴走犯独占手記[前]
◎《05》元同僚が実名顔出しで語る「マツダ工場暴走犯の素顔」
◎《04》「死刑のほうがよかったかのう」マツダ工場暴走犯面会記[下]
◎《03》「集ストはワシの妄想じゃなかった」マツダ工場暴走犯面会記[中]
◎《02》「刑務所は更生の場ではなく交流の場」引寺利明面会記[上]
◎《01》手紙公開! 無期確定1年、マツダ工場暴走犯は今も無反省

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号が8月25日発売開始!

反骨の砦に集え!『紙の爆弾』9月号絶賛発売中!

 

ものすごい勢いで「表現者」として、かなり高みに上っていく才気あふれる撮影家として、「インベカヲリ★」を語る。その少女は僕が経営する編集プロダクションに新人社員としてやってきた。少女は、おそらく村上春樹の「1Q84」が映画になった場合、スクリーンにて『ふかえり』を演じそうなほど摩訶不思議なオーラを漂わせていた。要するに、言語も、ふるまいも、不思議なほど説明できない魅了に覆われていたのだ。

おおよそ、素直に仕事をこなし、言われた仕事は確実に処理していたし、編集者としてはライターやデザイナーに好かれていたほうだ。僕は彼女の悪口というものを聞いたことがなかったからだ。が、ある日、この少女は自分を被写体にして、『選挙は出ません』というキャッチコピーをつけたポスターを作ってきて、会社の事務所にピタリ、と貼り付けた。

インベカヲリ★「やっぱ月帰るわ、私。 」(赤々舎2013年11月)

このとき、少女は20歳。のちに、撮影家として業界を席巻することになる「インベカヲリ★」だ。

いっぽう、僕のほうはというと、経営者という立場に馴染めず、資金繰りの不調を抱えて連日、嘔吐と頭痛に耐えていた。要するにメンタル的に参っていたのだ。このとき、僕は「この少女を、編集者として抱えていていいのだろうか」という疑問に唐突にさいなまれる。自分を被写体にしてポスターを作るようなコは、「編集者」として適していない。むしろ「アーティスト」を目指していくべきだと考えた。くわえて、初めてロケに行かせたら、撮った写真が初めてにしては、あまりにも画角も光量も的確だった。たぶんレストランの外観を撮ったものだと思うが、その画角は、被写体に対する愛に充ち満ちていた。簡単に言うと、僕は彼女の写真に魅入ったのだ。

それからしばらくして、おそらくなんのプランもないまま、思いついくままに、僕は少女にほかの道に進むように説得したと思う。こんなに言葉を並べて人を説得したのは、僕にとっておそらく生まれて初めてだっただろう。ただ、僕としては少女を手元において、その才能を「編集者」のような実需に埋没させて、ひからびさせるのが怖かったのだ。

「少女」は、さまざまな賞をとり、海外でも評価されていくのだが、注目するかぎり、僕が「ほかの道を探したほうがいい」と示唆したのはショックだったようだ(それは、彼女自身のインタビュー記事で確認した)。

このとき、僕の目には、少女がサイト紹介の原稿を書き(この時代は、サイト紹介をするムックが流行していた)、行ってもさして精神的な糧にならぬ飲食店の取材をし、僕の気ままな命令を受けて銀行に行ったり、郵便局に行ったりと(いかにもつまらなさそうに)雑務をこなす生活に辟易しているように見えた。その時代を彼女が「もっとも輝いていたとき」(これもインタビューで彼女が語っていた)とするなら、僕はおおよそ人を見る目がなかったのだろう。もともと経営者になる器ではなかったのだ。

インベカヲリ★が撮る写真は、実は「生きる」ということに絶望しながら、「生きる」ことに執着している人たちの物語だ。詳しくは、ホームページを観てほしいが、彼女が「新潮45」の8月号に書いているように、インベカヲリ★は、被写体になる人たちの話をじっくり聞いてから、撮影に入ることにしているようだ。そこには、「被写体も表現者なのだ」という確個たる信念を感じることができる。時代がインベカヲリ★を呼んだのだ。そして、彼女が時代を呼んでいく。

僕が彼女に「この仕事(編集)には向いていない」と説得したのを、リストラと捉えたようで、ずいぶん苦しい思いをしたそうだ。

だが勝手なことを言えば、おそらく僕は本能的に、彼女を「いったん仕事がない状態」にした場合、なんらかの表現者となって再び世の中に出現することをうっすらと予感していたにちがいない。撮影家になるとはたぶん、1割くらいしか思っていなかったが。

彼女が会社から去り、もともと持っていたホームページに、モノクロームの写真があり、タイトルが「夏の蝶々儀式」と書かれていた。実に不思議な構図の写真だった。ただ僕そのものは「始まったな。表現者としての人生が」と思ったものだ。

機会があれば、おそらく僕は彼女のギャラリーに足を向けるだろう。

だが僕は今、表現者としてはとっくに彼女に追い抜かれている。少なくともイーブンになるまで、ギャラリー行きはお預けになりそうだ。なぜなら彼女をリストラしたのは、どう美しく弁解したとしても、ほかならぬ僕自身なのだから。

◎[HP]インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/

(小林俊之)

◎警察が「ぼったくり」を刑事事件化したことでヤクザのさらなる地下潜行が始まる
◎塩見孝也『革命バカ一代』で思い出したベテラン警備員『ゲンさん』たちの物語
◎「工藤會壊滅ありき」で福岡県警が強引に人権を無視し続ける邪な理由
◎ライターが撮影を担う時代の到来と、写真塾の展覧会から得る刺激

“民主主義って何だ?”7・15を忘れない「SEALDs」の闘い──独裁者を撃つ反骨の砦『紙の爆弾』!

 

〈橋下徹公式HPトップより〉

橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が7月27日、「維新の党」を離党する意向を明らかにした。

ほら見たことか。

橋下の行動は容易に予想が出来ていた。数日前に地方選挙を控えた候補者が「維新の党」から出ると連絡してきたので、「当選したいのであれば、その選択は絶対にやめるべし、橋下の名前は近く『維新』から消えるだろう」と警告した直後だった。政治部記者でもない私が、なぜそのように予想できたのか。

◆橋下はマスコミに取り上げられなければ政治生命が持たないことを熟知している

答えは簡単だ。橋下は、おおよそ半年以上メディアに大きく取り上げられないと、自分の政治生命がもたない、「タレント政治家」だということを自覚しているからだ。注目を浴びるためであればテーマは何でも構わない。大阪都構想で敗北し、任期満了で市長、政界から引退すると語ったとき、私は市長を辞めたら、大臣の椅子確保の裏約束を取り付けて自民に鞍替えし、来年の参院選に出るだろう、と予想していた。だが橋下はそこまで我慢できなかったようだ。

世間は「戦争推進法案」についての報道であふれている。もう在阪のメディアでも「かつてのように橋下でレートが取れる時代じゃない」と見切りをつけ、扱いは大幅に減っていた。

橋下にとって、なにが我慢ならぬかといえば「自分に注目が集まらない」ことほど許せないことはない。

市長辞任再選挙の茶番までは、マスコミもかろうじて取り上げ、話題になった(させた)ろうが、都構想もダメ、咲州庁舎処分もダメ、自身が選んだ教育長はセクハラで退職(その後天下り)、職員に訴えられた裁判は敗訴続き・・・八方塞がりで、

「あかん、弾切れや・・・(大阪弁はしゃべれないものの橋下の内心)」

と、意気消沈していたところ、中央で、柿沢未途や松野頼久が民主らとの共闘を模索している。「これだ!」と目を付けた橋下は「内紛をしている場合ではない」とコメントしながら離党(!)を決意したのだ。そうだ、そうだ。橋下よ、お前の言い分は正しい。「内紛」の原因になったのは自分自身なのだから離党するのだろう。うん。これで橋下が維新の中で内紛の原因になることはなくなるだろう。

◆政策以外の行動原理は終始一貫している橋下

タレント政治家、橋下は全く信用に値しないけれども、彼の行動だけに限れば、実は結構一貫している。「いつでも威張っている」、「差別発言をしても許されると考えている」、「約束を守らない」、「気に入らないと投げ出す」、「不都合は他人に責任を押し付ける」。「平気で前言を翻す」。

なかなかどうして、一貫した行動性の持ち主だ。ただし行動原理一貫性に「政策」が含まれることは金輪際なかった。

読者諸氏は注目なさる必要はない。そうでなくとも奴は必ずまた「奇をてらった」形で、自らの存在をアッピールする行動をとり皆さんの前に現れることを予想しておく。

◆5月17日に「政治家引退」を表明したはずなのだが……

ただこの一言だけは覚えておいて頂きたい。本年5月17日大阪都構想の住民投票で敗れた時に橋本は「(12月の)市長任期後は政治家はやりません。政治家は僕の人生で終了です」と語ったことを。

私はこの「約束」を橋下は必ず反故にすると見立てている。

また、橋下だけでなく「維新」にありもしない幻想を抱いていた方々もそろそろこの現象にお気づきになって頂きたい。橋下は知事時代に退職金減額して、いかにも「経費節減」を実践しているかのパフォーマンスには気を配っていたけれども、要りもしないSPを付けた経費は税金からの出費だ。また知事時代、市長の現在を通して、首長としての給与を貰いながら、どれだけ自分の政治活動に時間と金を費やしたことか。

市長、知事などには出勤時間や政治活動の制約はないものの、公務員であることに変わりない。滋賀県の嘉田前知事が「日本未来の党」代表に就任した際は「知事の仕事と兼務できないだろう!」との県議会で批判と議決を経て党代表を辞任した。はて、嘉田氏には認められず、橋下氏には何故全くおとがめがなかったのだろう。

本人だけでなく、テレビを通じてあるいは選挙を通じて、「なんとなく」橋下を支えてきた人々にも責任の一端はある。もうやめよう。こんなわがまま坊やに付き合うのは。

と、ここまで書いたら橋下と一緒に維新を離党する!と宣言した松井知事が「もう一度大阪都構想を掲げて知事選で闘う!」と言い出した。橋下のコバンザメ松井はあまりにも小者なので(見かけはヤクザ風の強面だが)無視してきたが、「一事不再理」の原則を知らないのだろう。厳格に言えば条例に「一時不再理」は適用されないけれども、橋下が「都構想敗北、引退宣言」をした時点でこの話は終わっていたはずだ。

私があれこれ例を挙げるまでもなく、維新一派の妄想性がまた明らかになった。


◎[参考動画]【都構想否決】橋下徹政界引退を表明 ノーカット 第一部(Zipang News Watch2015年5月17日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎フジサンケイ「育鵬社」公民・歴史教科書の採択拡大で子供の臣民化がはじまる
◎8.27反安倍ハンストの大きな意味──開始直後の学生4人に決起理由を聞いてみた!
◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す

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8月18日の記事でご紹介した通り、27日14時から「安保関連法案制定を阻止し、安倍政権を打倒するための学生ハンスト実行委員会」によるハンガーストライキが始まった。参議院議員会館近くでハンストに突入した学生4名だが、ハンスト開始直後には全国紙をはじめ、多くのマスコミや支援の学生、労働者など80名近くが集まった。そこで早速ハンスト闘争に決起した4名の学生に、「なぜハンスト闘争に立ち上ったのか」を電話で伺った。

ハンストを決行した4人の大学生(ハンスト実行委員会ツイッターより)

◆各々がやれることをやるべきだ(井田敬さん)

井田敬(上智大学2年)さんは「7月15日衆議院特別委員会採決、16日衆議院本会議通過というスケジュールの中、限定的条件のもとのハンストです。これだけで何かが変えられるとは思わないけれども、各々がやれることをやるべきだと思いハンスト参加を決意しました」と語ってくれた。

◆戦場に連れて行かれるのは私たち若者だ(木本将太郎さん)

木本将太郎(早稲田大学1年)さんは「安保法制反対、安倍政権打倒のためにハンスト参加を決めました」と極めてシンプルに決意の理由を語る。「解釈改憲で集団的自衛権が認められてしまい、『何でもあり』の状況になっています。同時代の人々に呼びかけたい。日本で若者は大変苦しい状況におかれています。大学に進学する人の中には奨学金を借りている人が多数いますが、奨学金の返済に困っている人は凄まじい数です。また、たとえ就職できたとしても、労働条件が劣悪なブラック企業は数知れずあります。安保法案が仮に成立すれば、戦場に連れて行かれるのは私達若者です」と危機感を訴える。

◆沖縄の犠牲で成り立つ日本のありように行動で意見を示したい(元木大介さん)

元木大介(専修大学4年)さんは「僕には自衛隊員の友達がいます。彼は『安保法案』に反対しています。彼が自衛隊に入った理由は3・11で自衛隊が災害時に救援活動を行っていたことに共鳴してのことでした。『安保法案』が成立すれば私の友人は、戦場に行かなければいけないかも知れなくなる。彼は戦争をしたくて自衛隊に入ったわけではないし、私も彼に戦場へは行って欲しくない。日本のありよう、とくに世界の中での日本の立場を考えてハンスト参加を決めました。また、今の日本は沖縄の犠牲があって(辺野古基地建設問題など)成り立っていると思いますが、いい加減にやめるべきだと思います。『安保法案』を何としても阻止したいと思います。仮にこの法案が成立すれば、またしても沖縄が一番の被害にあうのは明らかでしょう。この法案を審議しているのは主として『おじいちゃん連中』ですが、彼らは一切若者の意見は聞かないですね。『安保法案』が成立しても、『おじいちゃん連中』には関係ないですからね。だから行動で意見を示します」と述べた。

◆安倍政権への反対を直接的な方法で訴えたい(嶋根健二さん)

最後に嶋根健二(専修大学4年)さんにお話しを伺った。「安倍政権の安保法制審議は、違憲である『解釈改憲』をもとにしたものです。許せません。私は沖縄辺野古の運動に関わっていますが『戦後70年理想の平和』という概念は、沖縄や朝鮮を犠牲にして日本の平和を成り立たせていた「利権をもとにした平和」だと思います。このことも安倍政権に訴えたいですね。より直接的な方法で示せないかと考え、ハンストに参加することにしました」

◆体を張った4人の問題提起に賛同と連帯の意を送る!

まだハンストを始めて数時間なので皆さん元気にあふれていた。しかし40代くらい男が「安保法制賛成じゃ!」などと大声を上げて彼らに迫ってきて、一時は制止する警察官との間で数分のもみ合いになったという。「無期限ハンスト」を掲げて決起した学生達。個々が誠に見事な行動理由を語ってくれた。酷暑からややましな季節になったとはいえ「ハンスト」による体力の消耗は著しい。だが、それを支える人々の応援があれば彼らは確実に勇気づけられ、士気も高まる。彼らの決起に再び大いなる賛同と、連帯の意を送る。このハンストは様々な意味で大きな意味を持つだろう。運動の在り方へ投じられた、体を張った問題提起でもあると思う。

学生ハンスト実行委員会

[Facebook] https://www.facebook.com/Hungst.co.jp
[ブログ] http://blogs.yahoo.co.jp/hansutojitsu

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎決起する若者たち──8月27日、4人の学生が安倍退陣を求めてハンスト闘争へ!
◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎愛国者たちはなぜ「対米売国」血脈の安倍政権にNOと言えないのか?
◎「不逮捕特権」を持つ国会議員は「体を張って」安保法案を阻止できる!
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◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す

『NO NUKES voice』第5号amazon.co.jpでも発売中!

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号!

〈片岡さん、お元気ですか? ワシはボチボチ元気にやっております。ってゆーか、ホンマ、マジで、ここでの生活に飽きが飽きが飽きが飽きが飽きが飽きが飽きがきております。(笑)〉(筆者注:7つの飽きの右横には・・)

先日、男から久しぶりに届いた手紙は相変わらずハイテンションだった。名は引寺利明(48)。当欄で繰り返し近況をレポートしてきた暴走殺傷犯である。

引寺は2008年6月22日の朝、広島市南区のマツダ本社工場に自動車を突入させて場内を暴走し、1人を殺害、11日に重軽傷を負わせた。事件後ほどなく自首したが、その口から明かされた犯行動機は特異なものだった。

「マツダの工場で期間工として働いていた頃、他の社員らにロッカーを荒らされたり、自宅のアパートに侵入される集団ストーカーに遭い、恨んでいた」

そして引寺は裁判でも被害者や遺族に謝罪せずじまい。逆に公判廷で「ワシがマツダに黒歴史を刻んでやったでぇ!」と叫ぶなど、被害者、遺族の心情を逆撫でする言動を繰り返した。結果、集団ストーカー云々の話は妄想性障害ゆえの妄想だと認定されたが、完全責任能力を認められ、無期懲役が確定。現在は岡山刑務所で服役している。

当欄では、そんな引寺が無期懲役囚となった今も無反省の日々を過ごしていることはすでに紹介した。今回の手紙は便せん13枚に及び、2通の封書で届いたが、簡単な近況報告ののちに次のように綴られていた。

〈ここにマツダ事件から丸5年経った今のワシの気持ちを書きますので読んで下さい。〉

このあと、引寺は便せん約9枚に渡り、「今のワシの気持ち」を書き綴っているのだが、結論から言うと、引寺は今も徹底的に「無反省」だ。この手記を読めば、気分を悪くする人もいるだろう。

とはいえ、この手記が重大殺人犯の実像を知るための貴重な情報であることは間違いない。また、犯罪者の矯正の実情を窺い知れる記述も散見される。そこで、この手記を前後編2回に分け、紹介する(手記の引用は基本的に原文ママだが、「行替え」「見出し」を加えた)。

引寺から2通の封書で届いた便せん13枚の手紙

================以下、手記================

◆5年という時間の流れを遺族や被害者はどう感じとるんかのー

6月の22日でマツダ事件から丸5年が経ちました。この5年間とゆうのは、ワシにとっては長く感じました。

振り返れば逮捕後に南署での取り調べで一ヶ月ちょいかかり、精神鑑定で九州の精神病院に3ヶ月、広島の南署に戻ってから一ヶ月弱過ごし、その時に起訴された。広拘に移管されてから約3年ほど過ごした時には、弁護士に金を渡して買ってもらったロト6のくじで3等が当選してバブルとなり、その金でお菓子、パン、カップラーメンや雑誌などを買い漁り、独居房の中が小さなコンビニのようになったり、一審や二審の裁判の時には法廷で言いたい放題ブチまけたり、何人もの記者と毎日のように面会したりなど様々な出来事があり、今でも時々思い出す事がある。

ハッキリ言って今の時点においても、ワシには謝罪感情は芽生えておりません。ただ、事件から5年という時間の流れを、遺族や被害者の方々はどう感じとるんかのーと思う事はあります。

◆刑務所で精神障害の治療なんぞありゃーせん

広島地裁で行われた一審の判決日に、ワシに向かって無期懲役を言い渡した裁判長が「刑務所で精神障害を治療して治ったら、自分が犯した罪に向き合って考えて下さい」などと言っておったが、いざ刑務所に来てみると、精神障害と断定されたワシに対する治療なんぞありゃーせん。体調不良になった時に医務が薬をくれるだけで、専門医によるカウンセリングや投薬などの治療なんぞ全くない。あの裁判長は刑務所の現状なんぞ全く知らんのじゃろーのー。今でも裁判で精神障害と断定された事に対する怒りがある。

ショボイ捜査をしやがった警察、ワシをキチガイ扱いした検察や裁判所にはホンマ頭にくるぞ。その怒りのせいで謝罪感情がどっかへ飛んでいってしもーとる。結局の所、何年何十年と刑事や検事や裁判官をやっとっても、真実を見極める目なんか全く持っておらんゆーこっちゃ。事件の真相が一審の前に明らかになっていれば、ワシには精神障害なんぞ全く無い事になり、正当な裁判が行われたはずじゃ。

裁判所に関しては、裁判官には怒りがあるが裁判員に対してはそうでもない。裁判員は所詮素人じゃし、どうせ裁判官の連中にうまくのせられとるだけじゃろーけーのー、アーダコーダと言うつもりはない。

◆裁判員だったオッチャンが語った記事に笑ってしもうた

一審が終わった頃の中国新聞に、裁判員の一人だった年配のオッチャンが語った記事があり、裁判員を務めた感想についてアレコレと語った後に「また機会があれば裁判員をやりたい」と言っているのを見て笑ってしもうたで。ワシはそのオッチャンに対して、裁判員ゆーのは一人の人間が何回もやるもんじゃないんでえー、と突っ込んでやりたかった(笑)おそらくそのオッチャンは、法廷での裁判員とゆう非日常に味をしめたんじゃろーのー。ホンマ、困ったもんよ。

ワシが逮捕された後も、世間では様々な殺人事件が起こり、裁判の判決をテレビのニュースや新聞で見ていたが、1人殺害で死刑になる被告もいれば、2人殺害で無期になる被告もいる。いかに市民感覚を取り入れた裁判員裁判とはいえ、この判決のバラツキはいかがなものかと思う。マツダ事件の裁判も、真相が明らかになった上で正当な内容の一審が行われていれば、例え判決が死刑になったとしても、ワシは満足したじゃろーのー。

================以上、手記================

引寺は筆者の取材に対し、裁判で真相が明らかにならなかったことが不満であると以前からずっと主張し続けてきた。真相とは、自分がマツダで期間工として働いていた頃、集団ストーカー被害に遭ったことや、その犯人が誰だったのか、ということだ。しかし裁判では、引寺が訴える集団ストーカー被害は妄想性障害ゆえの妄想と認定され、引寺としては真相が明らかになったとは到底思えないことが反省の思いを持つことを妨げているわけだ。

それにしても、引寺が裁判で精神に障害があると認定されたうえ、裁判長から「刑務所で精神障害を治療して治ったら、自分が犯した罪に向き合って考えて下さい」と言われながら、刑務所で何の治療もされていないというのは、本当ならば日本の犯罪者矯正システムに疑念を抱かせる話である。(後編につづく)

引寺が服役している岡山刑務所

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

《我が暴走》
◎《05》元同僚が実名顔出しで語る「マツダ工場暴走犯の素顔」
◎《04》「死刑のほうがよかったかのう」マツダ工場暴走犯面会記[下]
◎《03》「集ストはワシの妄想じゃなかった」マツダ工場暴走犯面会記[中]
◎《02》「刑務所は更生の場ではなく交流の場」引寺利明面会記[上]
◎《01》手紙公開! 無期確定1年、マツダ工場暴走犯は今も無反省

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安倍首相が体調不良を原因として辞任するのは、もはや永田町界隈では常識だ。「週刊文春」で報じられた通り、安倍は東京ステーションホテルで吐血しており、この報道後、7月末にも吐血したようだ。「今度の吐血は、吐瀉物が半分で血液が半分。さすがに9月の総裁選までもつかどうか微妙になってきた」という全国紙記者の声も聞いた。

自民党が描くシナリオとはどんなものか。まず、現状では病状がどうあれ、病気を隠して9月に安倍が総裁選に出るのは、規定路線だ。「無投票だと『独裁だ』などと世間がうるさいから、賑やかしで野田聖子あたりを候補として出すのでしょうが、安倍が再選するのはもはや確定的ですよ」(全国紙政治部記者)

そこで、ここでは安倍が「もはや辞任しなければならないほど病状が悪い」としよう。自民党の複数の議員が「もう安倍は体がもたない」と言っているからだ。安倍は、当選して2ヶ月くらいは意地で首相をやるが、「体調不良」を理由に辞任、誰か息がかかった候補を推す「フィクサー」となるだろう。政局については、またご報告する。

◆次期総理が決断を迫られる「福島原発事故の核廃棄物処分」

さて、「原発問題」にとって「次の総理」の決定は大問題だ。まずは核廃棄物の問題。時事通信はこう伝える。

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地域振興の具体策、国に要請へ=指定廃棄物処理で―福島知事 8月23日付時事通信
東京電力福島第1原発事故で発生した福島県内の放射性物質を含む指定廃棄物を、民間の処分場(同県富岡町)で最終処分する計画をめぐり、同県の内堀雅雄知事は23日、県庁で地元の富岡、搬入路がある楢葉の両町長らと会談し、処分場の追加安全確保策や地域振興策の具体案などを提示するよう、国に要請する方針を決めた。月内にも政府に申し入れる。? 具体的には、(1)地元と結ぶ安全協定の内容(2)住民の不安緩和策(3)放射線量が低い地域に住宅などを集中させる復興拠点や、都市基盤の整備方針(4)地域振興のための交付金の規模―などを示すよう求める方針。? 内堀知事は会談後、記者団に「申し入れは計画受け入れを前提にしたものではない」と強調した。
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この富岡町では、住民たちと議論を尽くしていない。それだけでなく、「川内原発」の核廃棄物の処理の場所すら決まっていなく、固定廃棄物は敷地内の貯蔵庫にあるとされる。なお、低レベル放射性廃棄物(LLW)の処分は青森の低レベル放射性廃棄物埋設センターに集中して貯蔵することとしている。だが、これらの「放射性廃棄物」は安全なのだろうか。

たとえば火山噴火とリンクして廃棄物になんらかの「化学変化」という名の「事故」があったらどうするつもりなのか。青森とて、中間処理施設であり、最終処分場ではない。フィンランドの地下最終核処分場「オンカロ」のように、10万年後の人類に責任を押しつけるようなやりかたを、日本人はとれない。地震大国だから地下が危険に満ちているからだ。

◆不可欠なゼロベースでの「エネルギーミックス」再考

さあて、「次の総理」が、もうゼロベースから考えていただきたいのが、「エネルギーミックス」の問題だ。

ある番組でノー天気な女性ジャーナリストが「この夏がこんなに暑いのは火力発電の比率が多いからだ。火力発電に切り替えても、火力発電には火力発電の危うさがある」とコメントしていた。案外、こういう厚顔無恥な人は多いのではないだろうか。火力には確かに問題はあるだろう。だが、そうしたコメントには「原発に比べると」という枕詞が欠落している。
2030年度には、原発を10~11%に下げると経済産業省はアナウンスしている。(http://www.meti.go.jp/press/2015/07/20150716004/20150716004_2.pdf

経済産業省よ! いいか、原発をすぐにゼロにせよ。

放射能で健康になった人がいるのだろうか。原発の放射能汚染で不健康になった人はいるが。

そして今、脱原発の問題は、「前の内閣がそうしたから」として議論がまた棚上げになるのだろうか。

「次の首相」にもの申す。すぐに原発をやめて、原発の輸出もストップせよ。
あなたは、放射能だらけのフィンランドの「オンカロ」で子供を育てられるだろうか。棚あげにされるであろう原発問題には、当然、僕から見て3つめの問題「原発をなくしたら経済をどうする」という問題が残っていると思うが、これについては、また別の回でレポートしよう。

(小林俊之)

◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎731部隊を隠蔽し続ける米日の密約──近藤昭二さん講演報告
◎警察が「ぼったくり」を刑事事件化したことでヤクザのさらなる地下潜行が始まる
◎「工藤會壊滅ありき」で福岡県警が強引に人権を無視し続ける邪な理由

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8月24日午前0時50分頃、相模原市の米軍関連施設「相模総合補給廠」で起きた爆発火災事故──。事故直後の報道によれば、「米軍側の規制のため警察や消防は出火現場に近づけず」現場近くに消防車と救急車が計13台が出動したものの放水活動さえできなかったという。その後の経過情報に関しても、24日13時時点では詳細な情報が見当たらない。


◎[参考動画]相模原市米軍基地爆発(2015年8月24日mo si氏公開)


◎[参考動画]相模原・米陸軍総合補給廠で爆発火災(神奈川新聞@カナロコ2015年08月24日公開)

そこで相模原市消防署へ電話取材を行った。同消防署総務課の吉平(よしひら)氏が対応をしてくれた。

・怪我人はいないか
・相模原消防署による消火活動は行われたのか
・鎮火したか
・事故の検証は消防や警察が行うのか

を尋ねた。吉平氏によると「怪我人の報告は入っていない。詳細はわからないが相模原消防署による消火活動は行われた。現在は鎮火したと思われる。出火原因の検証などは火災現場が米軍敷地内なので、消防・警察ではなく米軍が行うことになる」そうだ。

◆沖縄であろうと首都圏であろうと、米軍基地内に手出しができない日本政府

196ヘクタールという広い敷地ながら、相模原市の住宅街に隣接する場所に位置する米軍施設内での火災(爆発?)にしては、あまりにも情報や報道が少なすぎる。そして周辺住民は不安で不安で仕方がないのではないだろうか。原因が公表されなければ、今後また同様な、いやそれ以上の火災や爆発が起こるのではないか、と心配になるのは自然な心理だ。(2015年8月24日付朝日新聞

事故原因の検証や究明が日本の行政機関によって行われないことは、相模原消防署に電話取材する前から解りきっていたが、敢えて質問をぶつけてみた。沖縄であろうが、本州であろうが米軍基地は米軍基地。その敷地内で火災や事故、爆発や核兵器の誤爆があっても、日本政府は何の手出しも出来はしないし、多くの事実が隠される。

◆日本の私有地でも米軍ヘリが墜落した現場を日本の警察は捜査できない

基地の中だけではない。2004年8月13日沖縄国際大学という明白な日本の私有地に米軍ヘリが墜落した時でさえ、初期消火以外、日本の警察は捜査に手を出す事すら許されなかった。(2015年8月14日付琉球新報

世の関心は、辺野古の基地建設問題だけに関心が集中しがちな傾向が見られる。相模原米軍基地爆発事件が示すことは、言わずもがな「米軍基地内は日本の治外法権」であるばかりでなく、周辺住民に危険が及ぶ可能性がある事故が発生しても、その実態や情報すら、日本の行政機関(いわんやマスメディア)は掴むことが出来ないという現実だ。

こういった米国と日本の関係を「主従関係」という。

日本政府は米国を「同盟関係」の国だというが、それは明らかな誤りだ。米国内で米国行政機関が強制的に立ち入ることができない「日本政府」が占有する場所は、日本大使館と日本領事館だけだ。日本は「軍隊」は持っていない(防衛省見解)から米国に日本軍基地が存在する根拠はないが、「対等な日米関係」というならば、この島国が差し出しているのと同等、もしくは等価の土地提供を日本政府は米国に行うべきだ。「対等」とはそういう実践があって初めて使える言葉だろう。しかしそのような要求は過去になされた実績はないし、未来においてもほぼ可能性はゼロに近いだろう。

◆最も身近な「戦争」の破片は米軍基地の中に眠っている

米軍基地などこの島国のどこにも必要ない。

「集団的自衛権反対」、「戦争推進法案反対」、「戦争反対」であれば、その延長戦上に「日米安保破棄」が自然に浮かび上がって来るはずだ。最も身近な「戦争」の破片は米軍基地の中に眠っている。

嘉手納基地やキャンプハンセンなど無数の基地を抱える沖縄。かつては「基地がないと経済が成り立たない」という理屈が人々を押さえつけていたけれども、美しい海・自然という人間の手では創造することが出来ない貴重な天然資源が、観光業だけで充分沖縄が自立できることを証明し、今や「基地がなければ・・・」などと言う人はごく少数派となった。

◆基地も原発も「止めるメリット」は「存在を許すメリット」よりも大きい

やってみればわかる。やらないだけだが「原発廃炉」も全く構造は同じだ。

基地があることを認めていた人たちは「経済的」理由のみによって基地の存在を肯定していた。「経済的」なうまみが無くなれば、基地は騒音を毎日振りまき、航空機やヘリコプター落下の危険性をはらむ厄介者。そして米国が戦争を起こすたびにいつ標的にされてもおかしくない存在だ。これほど危険なものはない。ただの邪魔者だ。

原発だって「再稼働したら町が活性化した」というタクシー運転手のコメントなどを新聞は紹介しているけれども、彼らには福島第一原発事故が起こったことの記憶がないのだろうか。川内原発では早速の動作トラブルが起きている。事故が怖くないのか。いつまでも「経済」、「経済」と言っているうちに事故は必ずまた起こる。目の前のちょっとした「経済」と多額の補助金中毒になった人たちは住家を失う。

馬鹿げたことはもう止めよう。原発を廃炉にしたって誰もいなくなるわけではない。「廃炉作業」が待っている。「廃炉作業」は2,3ヵ月で終わるものではない。でも廃炉にすれば永遠に「原発事故の脅威」から抜け出すことが出来る。

基地も原発も同じだ。止められる。止めるメリットは存在するメリットと比較にならない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号8月25日発売!

酷暑は峠をこえたようですが、近い日本の将来を重大に左右する「安保関連法案」の審議が連日参議院で行われています。

また、さる11日には九州電力川内原発1号機が多くの人の反対にもかかわらず再稼働されてしましました。川内原発再稼働を待っていたように桜島周辺地下のマグマが地上に向かって動き出し、桜島には警戒情報レベル「4」が史上初めて出されました。桜島と川内原発の直線距離は50キロです。火山に詳しい専門家は「桜島で最大級の噴火が起こった場合、関西地方でも5センチ程度の火山灰が積もるかもしれない」と警告をしています。

はるかに離れた関西で5センチならば、至近距離の川内原発には一体どのくらいの火山灰が降り注ぐのでしょうか。また、川内原発では運転開始後、排水系統に異常が発生し、九州電力は出力を上げる予定を当初の計画から延期しています。

本当に原発は不安だらけです。

だから黙ってはいられない!

昨年鹿砦社が発刊した「NO NUKES voice」の第5号(創刊一周年記念特別号)が出来上がりました。

脱原発・反原発を中心に「採算を度外視しても」(編集長)も果たさなければならない役割を指向してきた同誌ですが、今号は間違いなく日本の言論界で脱原発・反原発の「エポックメーキング」となる怒涛の迫力です。

◆総力特集「福島―沖縄 犠牲のシステム」は渾身の6本立て50ページ!

第5号のテーマは「福島―沖縄犠牲のシステム」。野球に例えれば、真正面ど真ん中への直球ストレート連投です。変化球は一切ありません。本文は東大の高橋哲哉先生と映画監督三上智恵さんの対談で幕を開けますが、この「対談」の緊張感と真剣勝負は読んでいても火花が散っていて、読者までがやけどをしそうです。目指すゴールは同じでも少し考えの異なるお二人。その妥協なき「討論」(闘論)は、どなたにとっても一読の価値ありです。思想を戦わすということの「凄み」を体験できる貴重な対談です。

そして、日本を代表するフォトジャーナリスト広河隆一さんのインタビューが続きます。チェルノブイリに50回以上の取材を重ね、福島第一原発事故翌日には福島に入り、原発近くでの取材を行った広河さん。お話のテーマは「加害者は必ず被害を隠す」です。チェルノブイリ原発事故で起こった事と福島事故後に起こったこと、その対比から見えてくる意外な共通点と相違点は現地で長年取材を重ね、あわせて救援運動にも積極的に関わった広河さんにしか語りえない内容でしょう。広河さんの奥行きの深い視点は、チェルノブイリから福島、そして沖縄へと広がります。沖縄に保養施設「球美(くみ)の里」を設立した広河さんの熱意が誌面から発露され、その意思と行動は読者を圧倒するでしょう。

次いで共に元知事である沖縄の大田昌秀さんと福島の佐藤栄佐久さんによる超大物対談です。お互いが意外なほどに福島、沖縄とのかかわりがあったことがお話の中で明らかになります。和やかな語り口ながら日本政府と闘って沖縄を背負った大田さんと、政府の原発政策に苦言を呈したために「冤罪」同然の弾圧を受けた佐藤さんの対談は「NO NUKES voice」だから実現できた夢の対談です。


◎[参考動画]衆院安保法制特別委員会─沖縄地方参考人会での大田昌秀元沖縄県知事の意見陳述 (2015年7月6日那覇市:10分)


◎[参考動画]佐藤栄佐久元福島県知事講演「原発問題と地方の論理」(2015年5月10日和歌山市:92分)

巻頭3本の特集記事だけでも、誇張なく「永久保存版」の価値ありです。その他沖縄からの視点で震災に向き合う蟻塚亮二さん(精神科医)や逆に茨城県から沖縄に自主避難した久保田美奈穂さんのお話は沖縄と福島(福島事故)を交互の視点で見直すのに最上の教材でしょう。GE(ゼネラル・エレクトリック)社の技術者として福島第一原発の建設に関わった名嘉幸照さんは沖縄のご出身です。「二つの故郷原発技術者の『福島』『沖縄』」を語って頂いています。文字通り「福島―沖縄 犠牲のシステム」に翻弄されたご自身の一代記です。

◆原発推進〈戦犯〉直撃取材は八木誠=関西電力社長兼電事連会長!

そして鹿砦社といえば、名物直撃取材です。今回は八木誠=関西電力社長兼電事連会長が「ターゲット」です。果たして戦果は如何に?

◆小出裕章さんの最新講義録から全国各地の脱原発報告まで総力網羅!

更に贅沢なことに、今年3月で京都大学原子炉実験所を定年退職された小出裕章さんの登場です。退職後唯一非常勤講師を引き受けた関西大学で行われた講義の1回分、90分を全文掲載! 大学生を相手に、いつになく熱を込めて語る迫力満点の小出さん。終盤の衝撃的な内容は本誌でしか目にすることが出来ないでしょう。

他にも注目記事が満載です。福島事故の避難者加藤凛さん、第三次原発賠償関西訴原告の石塚路世さん、トルコ現地で原発反対運動を取材・研究した森山拓也さんの各報告は、ほとんどの読者には初めての目にする内容ではないでしょうか。

本誌常連の元博報堂の本間龍さん、納谷正基さんには引き続き思いを語って頂いています。こちらも重鎮、経産省前テント広場の淵上太郎さんはテントひろばの物語に加えて、国から提訴され争っている裁判を東京高裁口頭弁論陳述書の要旨を紹介しながら解説していただきました。その他全国各地の運動情報も満載。細かくは紹介しきれません。

総ページ数は176頁。これまでの「NO NUKES voice」と厚みが違います。質も量もです。今この内容の雑誌を出せる出版社があるでしょうか。宝島?無理です。岩波書店?無理です。週刊金曜日?無理です。だから鹿砦社がやるのです!

僭越ながら、今、脱原発・反原発ではこれ以上の内容はない!と鹿砦社は自信をもって世にその評価を委ねます。巻頭秋山理央さんの写真から、編集後記まで緊張感が途切れることがありません。

秋の気配が感じられるようになりましたが、熱の充満した「NO NUKES voice」5号(創刊1周年記念号)は文字通り「必読」です。今すぐ書店へ! (伊藤太郎)

『NO NUKES voice vol.5』──『紙の爆弾』2015年9月号増刊

2015年08月25日発売 定価680円[本体630円+税]
A5判/176ページ(巻頭カラー8ページ+本文168ページ)
NO WAR!  NO NUKES!
戦後70年の2015年夏、するな戦争!止めろ再稼働!
戦後70年の夏を迎えた日本は、4年ぶりの原発再稼働と安保法案成立に抗う「新たな闘い」が始まった。
福島の復興、復旧も進まない中での原発再稼働、沖縄が日米両政府の意向に翻弄され続けての「戦争法案」
そこに共通するものとは何か。「犠牲のシステム」としての福島と沖縄が孕む根本的問題を暴く!
総力特集「福島─沖縄 犠牲のシステム」では高橋哲哉・東大教授と、
映画『標的の村』、『戦場ぬ止み』で話題の三上智恵監督による対談、
世界の最前線から真実を伝えるフォトジャーナリスト広河隆一さん(DAYS JAPAN)が語る原発事故の実態、
大田昌秀元沖縄県知事と佐藤栄佐久元福島県知事による基地、原発立地県の「闘う知事」対談をお届けします。
また、本誌特別取材班による八木誠関電社長への直撃ルポや、
原発とメディアの「不適切な関係」を暴き続ける作家・本間龍さんの連載といった“トガった”トピックや、
川内原発再稼働反対をはじめとした全国の最新運動情報も掲載!
世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試みる『NO NUKES voice』にご期待ください!

【主な目次】
《表紙・巻頭グラビア》ALL STOOD STILL Vol.5 『ローカルアイテム─プラカードと横断幕』
秋山理央(フォトジャーナリスト)

《総力特集》福島─沖縄 犠牲のシステム

フクシマ─オキナワ「犠牲のシステム」を超える加害責任の共有
高橋哲哉さん(東大教授)vs三上智恵さん(映画監督)

加害者は必ず被害を隠す 原発事故の実態──チェルノブイリから福島へ
広河隆一さん(フォトジャーナリスト)

基地、原発─「闘う知事」は語る
大田昌秀さん(元沖縄県知事)vs佐藤栄佐久さん(元福島県知事)

《講義録》核と原子力、そして人間の幸福──科学者の目、科学者の願い
小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

《各地の原発再稼働阻止活動情報》
東京での九電東京支社抗議をはじめ、川内、高浜、伊方、志賀、玄海の各原発をめぐる再稼働阻止運動レポート

《全国からのレポート》
本間龍さん(作家) 原発プロパガンダとは何か? 第三回 福島民報・福島民友(二)
山崎久隆さん(たんぽぽ舎) 巨大なリスクを抱えたままの福島第一原発の止まらない汚染
淵上太郎さん(経産省前テントひろば) 経産省前テントひろばの実態とは何か─東京高裁高等弁論陳述書要旨
松浦寛さん(FB憲法九条の会) 脱原発から護憲運動へ
首都圏反原発連合 MCAN activity now! 首都圏反原発連合中央放送誌面版
……and more!

するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号が8月25日発売開始!

週刊誌の劣化が始まっている。
1年前に『週刊ポスト』が『週刊朝日』や『サンデー毎日』の東大合格者のデータを転用して謝罪記事を出したときは「終わりの始まり」だと思ったが、意外にも事態はもっと深刻のようだ。

これはもう、あいた口がふさがらないどころか、あんぐりあきすぎて口裂け女になってしまいそうだ。『週刊女性』8月11日号の「櫻井翔のパパは5000人以上の部下を持つ官僚のトップ」という記事が今回の「ターゲット」だ。この記事は、ジャニーズの「嵐」で人気を集める、櫻井翔の父がついに総務省とトップの事務次官にのぼりつめたことにひっかけて、『櫻井翔の弟は慶応義塾大学のラグビー部で活躍』さらに記事によると『母・陽子さんはお茶の水女子大学出身で、現在は駒澤大学文学部の教授』と記述がある。

『週刊女性』8月11日号「櫻井翔のパパは5000人以上の部下を持つ官僚のトップ」

実はこの部分が大きな「誤報」である。なぜなら、『フライデー』でも同じく5月15日・22日の合併号で、『5人全員エリート! 『嵐』櫻井くん一家は本当にスゴイ!』という見出しの記事で、同じくこう「誤記」した。『そんな次官候補(編集部注:櫻井翔の父、俊氏のこと)を支える妻の陽子氏もスゴイ。お茶の水女子大卒で、駒澤大学の文学部教授だ。日本の中世文学を専門とし、平家物語など軍記物語に関する複数の著作もある。学生からの人気も上々。俊氏が大反対していた翔の芸能界入りをフォローし、実現させるなどの柔軟性もある。』と。

『フライデー』5月15日-22日合併号

『フライデー』5月15日-22日合併号「5人全員エリート! 『嵐』櫻井くん一家は本当にスゴイ!」

そして『フライデー』は、櫻井翔の母親が、まったく別人だとして「お詫びと訂正」をホームページ『フライデーデジタル』に出す。にもかかわらず、『週刊女性』はなぜまったく同じ誤記をしたのか。これには3つ考えらえる。

1. 『フライデーデジタル』のお詫びと訂正を『週刊女性』の編集者が見ていない。
2. 『フライデーデジタル』のお詫びと訂正が出たが、『週刊女性』の入校タイミングでは編集チェックがまにあわなかった。
3. 『フライデーデジタル』のお詫びと訂正を見たが、『週刊女性』編集部としてはこの事実を忘れた。

まあ、いずれにしても、編集部としては「世紀の凡ミス」だろう。
駒沢大学に『貴大学の櫻井陽子教授は、櫻井翔の母親か』と聞いてみたが「そうですとも違いますともいえません、プライベートですから」と繰り返すのみ。
また、ジャニーズ事務所に『櫻井翔の母親が駒沢大学の教授というのは本当ですか』と聞くと「その件については、『フライデー』が訂正記事を出しているから、それがすべてです」と話す。櫻井陽子教授あてに「あなたは櫻井翔の母親なんですか」と質問状を送ったが、返答は期限の8月14日までに来なかった。こんなアホな取材、時間をかけてはいられない。

まあ、記者としては、ミスはだれにでもあるから、しかたがないとしても、『櫻井翔氏の母親として紹介した駒澤大学文学部の教授の女性は、櫻井家とはまったく関係のない第三者でした。ご本人、関係者の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫びし、訂正いたします』という『フライデーデジタル』の記事を仮に見逃したとするなら、「週刊女性」の編集者よ! あんたたちは、恥を知ったほうがいい。

この記事については、書いた記者がニコニコ動画で発売されたあとに関係者にお詫びをしたのが確認できた。実に立派な態度である。
ところが、肝心の『週刊女性』編集部は、お詫びも訂正もする気がないようだ。
「ちょうどお盆休みで合併号が出て、お詫びのタイミングがなかったのでしょう。まあ、よくとればですけどね」(契約記者)
『週刊女性』は週刊誌では、ジャニーズを叩くことができる稀少な媒体だけに、編集部にもがんばっていただきたいものだ。

そうした中で、悲しいニュースが入った。なんと『宝島』が休刊するという。産経オンラインはこう伝える。

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1974年創刊の月刊「宝島」が休刊 「キューティ」も (2015年7月29日付産経ニュース)

宝島社は29日、昭和49年創刊の月刊総合情報誌「宝島」と、平成元年創刊の女性ファッション誌「CUTiE(キューティ)」を休刊すると発表した。「宝島」は8月25日発売の10月号、「CUTiE」は8月11日発売の9月号が最後となる。
創刊初期の「宝島」には評論家の植草甚一さんらが編集に携わり、若者文化やサブカルチャーを牽引(けんいん)。近年はビジネス情報を強化するなどして刊行を続けてきた。「CUTiE」は、ストリートファッションブームの火付け役となった。
2誌ともに近年は部数が低迷しており、宝島社は「時代の気分をとらえて新しい価値観を提供してきたが、定期雑誌という形での役割を終えた」と理由を説明している。
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『宝島』が月刊から「週刊」になった頃、ほかの週刊誌に対抗するために、さまざまな切り口の企画を考えた。このことは、今も、私が何か記事や書籍を作るときの肥やしになっている。そして、今は亡き名編集長、種氏にもお世話になった。今、自分にできるのは、『宝島』が教えてくれたスキルを十分に活かして記事を作ることだけである。ただし、『週刊女性』のように「記事の間違いの訂正と謝罪」を記者に丸投げする編集部とは仕事をしたくないが、多くの記者は同じ気持ちだろう。 (鈴木雅久)

◎《誤報ハンター03》「テロの危機」煽れば増える「警備利権」と警察天下り
◎《誤報ハンター02》誤報の横綱『週刊大衆』よ、白鵬はまだまだ引退しない!
◎《誤報ハンター01》芸能リポーターらが外しまくる「福山雅治」の結婚報道

「脱原発」であらゆる世代、地域を繋ぐ『NO NUKES voice』第5号は8月25日発売!《総力特集》は福島─沖縄 犠牲のシステム!

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タブーなき反骨の砦!『紙の爆弾』9月号絶賛発売中!

去る8月14日、終戦70周年を前に安倍晋三首相が談話を発表した。日本国内ではテレビ放送が中断し、翌日の新聞も安倍談話に塗りつぶされた。

では、海外の反応はどうだろうか。外務省に登録されている各国在日大使館の発表、ニュースを調べてみた。言うなれば正式発表である(台湾を除く)。外報や日本のメディアとはかなり印象の異なる扱いとなっている。

安倍談話について直接取り上げている国は、オーストラリア、中国、イギリス、そして台湾の四国であった。中国のみは「厳粛な立場を取る」と表明しているが、他三国は「歓迎」であり、おおむね好評である。

他に日本関連でもっとも多かった話題が広島、長崎に関する話題でギリシャ、フィンランド、ブラジル、アメリカ、EUが何らかの形で核廃絶を訴えている。

70年談話を発表する安倍晋三首相(2015年8月14日)

他に日本と関係の深い国の最新情報を列挙すると、韓国は8月12日付けで「安倍談話に期待する」と言う意味の文章を掲載していたが、18日には削除され「光復節」(独立記念日)が最新の情報となっている。

インドネシアは最終更新が4月で日本とは無関係である。インド、最新記述は独立記念日に関するものであったが、トップページ写真は安倍首相とインド政府要人のツーショットである。マレーシア、最新は2015年の日本公立高校への留学生入学情況。ロシア、最終更新5月で大祖国戦争終結70周年。タイ王国、8月6日、大使館付き運転手募集とタイビールフェスティバル。ベトナム、2014年6月更新、中国石油掘削リグ問題、フィリピン、8月10日セネガル大統領がフィリピン来訪、となっている。

大使館の業務は駐留国に対する意思表示であるが、同時に入国証明発行、在日邦人へのサポートが大きなウェイトを占める。極端な場合、大使館HPが観光案内所となっているケースも珍しくない。となると、日本での出来事より、自国のニュースを公表するのが最優先なのだろう。

それにしても、安倍首相がこんなにあつく談話を語っているのに「語らせられている」という使役動詞を使わざるを得ないのはなぜだろうか。たとえば産経ニュースはこう伝える。

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中国外務省「いかなるごまかしもすべきではない」と批判 韓国メディアは「過去形謝罪」と報道

(産経ニュース)

【北京=川越一】中国外務省の華春瑩報道官は14日、安倍晋三首相の戦後70年談話について、「日本は当然、戦争責任を明確に説明し、被害国の人民に誠実に謝罪し、軍国主義の侵略の歴史を切断すべきだ。この重大な原則問題についていかなるごまかしもすべきではない」と批判する談話を出した。

華報道官は談話の中で、張業遂筆頭外務次官が同日、木寺昌人駐中国大使に中国側の厳正な立場を伝えたと明らかにした。

また、中国国営新華社通信(英語版)は同日、安倍首相が、日本の「侵略」「植民地支配」については直接触れず、一般論にとどめたことに不満を示し、「未来の世代は、大戦中の残虐行為について謝罪を続ける必要はないと付け加えた」と反発をにじませた。

中国共産党系の国際情報紙、環球時報(電子版)は、安倍首相が侵略を受けた国・地域に対する「お詫び」に言及した中で、「中国」が最後に列挙されたことや、これとは別に「台湾」が個別に言及されたことにも、不快感を示した。
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「お詫び」をする順番が最後だからと文句を言うメンタリティもまたものすごく幼稚だし、台湾を個別に言ってなぜ悪いのか、という突っ込みどころはあると思うが、要するに、一国の首相がスピーチライターに発注しているから「談話」も伝わらないのだろう。

「どうしようもない国の、どうしようもない政治家」と、福島の原発事故に対処した今は亡き吉田所長は言った。あまりにも諸国の心に『響かない』談話を残してかの総理は、「紙の爆弾」などを読むと、どうも辞職しそうな雰囲気だ。つぎの総理こそまともな談話をお願いしたい。

◎[参考動画]安倍晋三 70年談話【全24分】

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)

テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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