6月のキックボクシング、三つの興行概要!

堀田春樹

今回の武田幸三率いるCHALLENGER興行は大田拓真がメインイベンター。

◎KING OF CHALLENGER / 6月8日(日)後楽園ホール(開場17:00/開始17:15)
主催:オフィス超合金 / 認定:NJKF、WBCムエタイバンコク本部

久々のWBCムエタイ世界と日本のタイトルマッチ開催。

2月2日にNJKFフェザー級王座初防衛戦で金子貴幸にKO勝利した大田拓真はリング上で王座返上を告げ、6月8日にWBCムエタイ世界タイトル挑戦の意向を示し実現に運ばれました。

4月27日に行われた二つのトーナメント決勝となるそれぞれの王座決定戦。WBCムエタイ日本バンタム級とNJKFスーパーバンタム級のそれぞれ4名参加の王座決定トーナメントは勝ち上がった嵐vs 星拓海、繁那vs 藤井昴で6月8日に決定戦を迎えます。

2月2日に吉田凜汰朗がNJKFスーパーライト級王座初防衛戦で健太を僅差で下した微妙判定の再戦を、オープンフィンガーグローブで行われることが発表されています。キックボクシングにオープンフィンガーグローブ使用の影響も注視したいところです。

ムエタイの世界戦。大田拓真が初挑戦
四つのトーナメント戦、インパクトある展開を残すのは誰か

◆第7試合 WBCムエタイ世界フェザー級タイトルマッチ 5回戦

選手権者.アントニオ・オルデン(1991.10.14スペイン・マドリード出身)
      vs
挑戦者9位.大田拓真(新興ムエタイ/1999.6.21神奈川県出身)

アントニオ・オルデンは過去にWBCムエタイ・インターコンチネンタル、ISKAインターコンチネンタル、WKA欧州、WKAスペインなど同級王座を獲得。

シュートボクシングに出場経験あり。2017年に武居由樹にKO負け。2024年に玖村将史にKO負け。ONE Champion Shipでは2023年10月6日にポンシリー・スージーバミーキアオ(タイ)に判定2-1勝利しています。

◆第6試合 WBCムエタイ日本バンタム級王座決定戦 5回戦

1位.嵐(=坂本嵐/NJKF同級Champ/KING/20歳)
vs
3位.星拓海(スックワンキントーン・バンタム級Champ/IDEAL/20歳)

◆第5試合 スーパーライト級3回戦(延長2ラウンドまで可能)

NJKFスーパーライト級チャンピオン.吉田凜汰朗(VERTEX/25歳)
       vs
健太(=山田健太/E.S.G/38歳) 

健太はスーパーライト級も制していれば三階級となるところだったが、叶わなかった前回の吉田凛太朗戦。過去1勝1敗の決着戦となる。

◆第4試合 NJKFフライ級タイトルマッチ 5回戦

選手権者.西田光汰(西田/24歳)vs 挑戦者1位永井雷智(VALLELY/)

4月27日、高木雅己(誠至会)にKO勝利した永井雷智が挑戦権獲得。

2月2日にS-1覇者.優心(京都野口)に微妙なノックダウン奪って僅差ながら判定勝利した西田光汰。優心との決着と上位王座に向けても大事な試合となる。

◆第3試合 NJKFスーパーバンタム級王座決定戦 5回戦

2位.繁那(R.S/21歳)vs 3位.藤井昴(KING/)

嵐と同門の藤井昴も続いて王座奪取したいところ。

以下4試合(3回戦)
バンタム級/山脇飛翼vs サンチャイ・テッペンジム(タイ)
スーパーバンタム級/王清志vs 中島大翔
女子ミネルヴァ48.5kg契約/山崎希恵vs あゆな
フェザー級/陽平vs 高嶋隆一

左から今回の王座戦出場者、星拓海、嵐、繁那、藤井昴、永井雷智

※               ※               ※

令和の全日本キックボクシング協会、大韓ムエタイとの戦いが続く。

◎SAMURAI WARRIORS 挑戦 2nd / 6月20日(金)後楽園ホール(開場17:00/開始17:15)
主催:全日本キックボクシング協会 /

平日開催から次回は日曜日開催へ持ち込める模様。

今回の注目は、相手が誰だろうとエース格の存在感示さねばならない瀬川琉。期待の新星・野竹兄弟出場。渋さ発揮のオーシャン・ウジハラも出場。今回も大韓ムエタイ協会との交流戦が4試合。今後、大韓ムエタイが躍進するかも見計りたいところです。

全日本キックボクシング協会、今回のイメージポスター
SAMURAI WARRIORS 挑戦2nd 顔入りポスター

◆第12試合 60.5kg契約3回戦

全日本スーパーフェザー級チャンピオン.瀬川琉(稲城/27歳)
vs
アイドゥル(=金炳秀キムビョンス김병수/2025年韓国HERO FIGHT優勝/韓国出身)
リングネームの“アイドゥル”は二人の子供を持つパパという意味のようです。

メインイベンター瀬川琉、6月の3興行の中で一番目立てば大飛躍

◆第11試合 ライト級3回戦

オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/元・WBCムエタイ日本フェザー級Champ/無所属/39歳)
vs
角谷祐介(スックワンキントン・スーパーフェザー級初代Champ/ネクストレベル渋谷)

◆第10試合 スーパーライト級3回戦

全日本スーパーライト級6位.勇生(=野竹勇生/ウルブズスクワッド/20歳)
         vs
李導炫(이도현イ・ドヒョン/韓国出身)

◆第9試合 スーパーフェザー級3回戦

中村健甚(稲城)vs AHMED BOUGRIANE(=カタカナ表記不明/フランス出身)

◆第8試合 ウェルター級3回戦

カツヤ・ノラシンファミリー(Norasing Family)
       vs
柳將元(=リュ・ジャンウォン류장원/韓国出身)

◆第7試合 ミドル級3回戦

KENTA PUAKUTA SHONBIN(DEAD HEAT)vs Yihu(=漢字カタカナ表記不明/中国出身)

◆第6試合 63.0kg契約級3回戦

野竹生太郎(ウルブズスクワッド)vs 清宮拓(GODSIDE)

◆第5試合 81.0kg契約3回戦

オマル・ファーレス(稲城)vs Wagner Carioca(=カタカナ表記不明/ブラジル出身)

◆第4試合 フェザー級3回戦

KAI AKG(A-BLAZEKICK)vs 柳權(=リュ・グオン류권/韓国出身)

以下、3試合(3回戦)
65.0kg契約/小玉倭夢vs 亀田蓮(亀田同志会)
スーパーウェルター級/堀江耐志vs 蘆立亮太(YS’K YAMAGATA)
スーパーバンタム級/渡邉獅生vs ミツル(A X)

※               ※               ※

主役は剱田昌弘、ベストファイトでメインイベンターを超えるのは誰か

剱田昌弘が引退試合を迎える。チャンピオンとしての存在感がもっと欲しかった剱田。
新潟から田村聖の弟、Hiromi(=田村大海)出場。
テツジムが推す雄希が渡邊ジム期待の香村一吹と対戦。
ジャパンキックボクシング協会から樹(治政館)が出場。

チャンピオンのカズ・ジャンジラへの挑戦権を懸けたNKBウェルター級挑戦者決定4名参加トーナメント準決勝2試合が行われます。

◆第13試合 73.5kg契約 5回戦

NKBミドル級チャンピオン.釼田昌弘(テツ)vs TOMO JANJIRA(JANJIRA)

3年前、剱田昌弘がチャンピオンベルトを締めた日、最後も笑顔が見られるか

◆第12試合 58.0kg契約3回戦

元・タイ国イサーン地区フェザー級チャンピオン.ローッボット・スターライトジム(タイ)
          vs
ジャパンキック協会フェザー級2位.樹(治政館/20歳)

◆第11試合 NKBウェルター級挑戦者決定トーナメント準決勝3回戦

NKBウェルター級5位.Hiromi(=田村大海/拳心館)
      vs
どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS/26歳)

2月22日にチャンピオンのカズ・ジャンジラに判定負けしているどん冷え貴哉だが、復活戦となる挑戦。

◆第10試合 NKBウェルター級挑戦者決定トーナメント準決勝3回戦

大月慎也(Team arco iris/39歳)vs 健吾(BIG MOOSE/31歳)

2月22日にカズ・ジャンジラが大月慎也を名指ししていた流れもあったが、トーナメント戦開催となった。

◆第9試合 バンタム級3回戦

NKBバンタム級2位.雄希(テツ/22歳)vs 同級5位.香村一吹(渡邉/18歳)

◆第8試合 フェザー級3回戦

NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris)vs 蒔田亮(TOKYO KICK WORKS)

◆第7試合 52.0kg契約3回戦

NJKFフライ級4位.悠(VALLELY)vs 緒方愁次(ケーアクティブ)

以下、プロ6試合(3回戦)、アマチュア3試合
65.0kg契約/小磯哲史vs TAIRA
ウェルター級/ちさとkiss Me!!vs 学登
60.0kg契約/鈴木ゲンvs 辻健太郎
女子53.0kg契約/RUI JANJIRAvs MEGU
62.0kg契約/猪ノ川海vs 小林簾
54.0kg契約/風間祐哉vs 早川曜平
アマチュアスーパーフェザー級/酒井“キッチンドリンカー”裕輝vs TAKENAKA
アマチュア68k.0g契約/ヒデジンvs 河野友信
アマチュア51.0kg契約/輝流vs そうた

※               ※               ※

マニアックに細かく見れば好カード多数有り、ドラマ有り。ここから大手ビッグイベント興行出場に繋がれば選手にとって願うところ。本来は歴史ある各団体が主導権を握らねばならないだろう。

5月25日(日)に恒例のジャパンキックボクシング協会、市原ジム興行「Road To KING 3」も予定がありましたが、期限切れで割愛します。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」