国が上げた消費税をお客様に納得させなければならない小売業者の悲哀

「4月から消費税が8%になることを、当り前のようにお客様に言ってはいけません」
ある百貨店の朝礼での言葉である。
今般の消費税法改正では、お客様の手元に渡るのが4月以降になる商品に関しては、3月中に支払いをしても新税率が適用になるので、予約品などの承りの際には重々注意をするように、というお達しなのだ。
「8%に上がることを当然の話として言ってしまうと感じが悪いので、丁寧にご説明をしてご納得いただくように」と話は続く。考えうるクレームは細心の注意を持って未然に防ぎたい、というところだろう。
ここでひっかかるのは、店の都合による値上げではなく、小売業者が国に納める代行をする消費税に対して、「ご納得いただく」ところまでなぜ店が代行をしなければいけないのかということだ。
消費税増税は消費者にとっても大きな負担であるのは当然だが、小売いじめでもあると思ってしまう。

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