《ウィークリー理央眼025》戦争法案に反対する若者たち VOL.19 川越

8月27日(木)、埼玉県川越市で安保関連法案(戦争法案)に反対するデモが行われた。
埼玉の学生・高校生の会「VIP(ヴィップ:Voices into the peace.)」が、主催し約100名で川越駅前のクレアモール商店街周辺を行進した。


[動画]戦争法案反対・川越デモ – 2015.8.27 埼玉県川越市(17分11秒)

高校生6名と大学生6名で構成されている「VIP埼玉」のスピーチは、全体的にエモーショナルだった。しかし、スピーチの中に「日本の安全を守るためのものではない」、「平和外交の妨げになる」、「経済的徴兵」など、法案の具体的な問題点の指摘と、それらに関する詳細な説明があり、若い主催者たちの勉強ぶりが垣間見えた。
以下は、デモでのスピーチの書き起こしである。

高校生(男性)
「みなさん、戦争の意味を深く考えてみてはいかがでしょうか。私たちにとって戦争とは、私たちにとっての平和な当たり前が潰される、そんな瞬間であります。そんなことは許しがたい、この当たり前をいつまでも守っていきたい。私はその為に闘います。ですが闘いとは暴力を振るうだけが闘いではありません。この私たちにしかできない、この声を突きつけるということが闘いであり、そして戦争法案を廃案に追い込む唯一の方法ではないでしょうか」

大学生(男性)
「私は日本国憲法の前文にある『全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する』ということを実現するまで、全力で闘う決意です。武力に頼った平和活動から真の平和は絶対に生まれません。安倍政権は今すぐ戦争法案を廃案にして平和外交を努力してほしいと思います」

二人のスピーチから『WAR AGAINST WAR』という言葉が思い起こされた。前のWARは「闘い」、後ろのWARは「戦争」、日本語にすると「戦争に対する闘い」という意味になる。
この言葉が書かれたプラカードやTシャツを戦争法案反対デモでよく目にするが、今リアリティを感じ切実に戦争に反対している人々にとって象徴的な言葉と言えるだろう。

暴力を振るうだけが闘いではない。単に平和を祈るだけではなく、積極的に平和を求め闘うことが必要とされている。



[2015年8月27日(木)・埼玉県]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《024》戦争法案に反対する若者たち VOL.18 郡山
◎《023》戦争法案に反対する若者たち VOL.17 弘前
◎《022》戦争法案に反対する若者たち VOL.16 仙台
◎《021》戦争法案に反対する若者たち VOL.15 秋田
◎《020》戦争法案に反対する若者たち VOL.14 渋谷

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