3月11日発売開始『NO NUKES voice』23号! 終わらない東京電力福島第一原発事故から9年の今、菅直人元首相が一人でも多くの人々に伝えたいことを語る

 
『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故

本日『NO NUKES voice』23号が発売される。総力特集は「〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故」だ。

奇しくも発売日が3・11と重なった。ことしは政府主催の追悼記念式典が、新型コロナウイルスの感染により中止された。いっぽう常磐線が昨日、福島第一原発至近の、大熊町地域でも運転を再開した。

ただし、「避難指示」が解除されたのは0.3平方キロに過ぎない。常磐線の再開は地域の方々にとって、一部福音かもしれないが、わずか0.3平方キロ四方だけを「避難指示」区域から解除する、という政策を3・11に合わせて行う。行政の決定には科学的な根拠よりも、政治的なプログラム進行を優先させようとする意図が透けて見える。

◆終わらない東京電力福島第一原発事故──菅直人元首相が語る、事故から9年の今、伝えたいこと

本号の巻頭インタビューには事故当時の首相であった菅直人氏にご登場いただいた、菅直人氏は事故当時、なにを考え、どう行動したのか。

そして事故から9年後思うことは何なのであろうか。本誌編集長が直接、濃密にインタビューを敢行した。

 
菅直人元内閣総理大臣が語る「東電福島第一原発事故から9年の今、伝えたいこと」

飛田晋秀さん(福島県三春町在住写真家)、横山茂彦さん(編集者・著述業)、尾崎美代子さん(西成「集い処はな」店主)、伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)、鈴木博喜さん(『民の声新聞』発行人)、四方田犬彦さん(比較文学者・映画史家)×板坂剛さん(作家・舞踊家)、本間龍さん(著述家)、山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)、三上治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)、山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)、佐藤雅彦さん(翻訳家)、渡辺寿子さん(核開発に反対する会/たんぽぽ舎ボランティア)、大今歩さん(農業・高校講師)

多彩な執筆陣が原発問題にとどまらず、核から、サブカルチャー、法哲学の分野にまで論を展開する。『NO NUKES voice』は23号にして、飛行機にたとえれば離陸直後の上昇から、水平飛行へと紙面構成においては一定の方向性を定めることができたのではないとも感じている。

しかし、決定的に足らない要素がある。それは若者が主体的にあげる声の誌面への反映である。編集部はこのことについて、怠惰であったつもりはない。論の通った(あるいは論が未成熟でも)若者の声は積極的にとりあげようと、アンテナをはってきたが、近年残念なことに、その発信自体を掴むことが困難になっている。

目を見張るような個性や、優れた感性がなくなったわけではない。しかし、わずかな例外を除いて、若者の発信がわれわれを揺さぶることは、珍しいといわねばならない。

放射能被害にもっとも敏感であるはずの若者からの、総体としての「無関心」には政府や、教育機関の「洗脳」も理由に挙げられようが、はたして、理由はそれだけであろうか。

北村肇元週刊金曜日編集長(のちに発行人)は、「『週刊金曜日』が生き残るために奇跡を信じたい」(『創』2018年・12月号)を遺稿のように、亡くなってしなった。北村氏も誌面作りで「若者をどう取り込むか」散々苦労なさったことが紹介されている。

本誌は、しかしながら、今後も若者への訴求を努力・研究しながらも、現在の発行方針を維持してゆこうと考える。すなはち「われわれが重要だと評価する情報は、広範に誌面に掲載する。その際読者には媚びない」ということである。内情は青色吐息での赤字出版がつづくが、鹿砦社が経営的に危機を迎えるまで、本誌は発行を止めることができない。

3・11から9年目、『NO NUKES voice』23号発売の日にあたり、あらためて、決意を明らかにしたい。

2019年12月15日の大熊町。ツタに覆われた車(飛田晋秀さん口絵「福島原発被災地・沈黙の重さ」より)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故

『NO NUKES voice』Vol.23
紙の爆弾2020年4月号増刊
2020年3月11日発行
定価680円(本体618円+税)A5判/132ページ

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総力特集 〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故
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[グラビア]福島原発被災地・沈黙の重さ(飛田晋秀さん

[インタビュー]菅 直人さん(元内閣総理大臣)
東電福島第一原発事故から九年の今、伝えたいこと

[インタビュー]飛田晋秀さん(福島県三春町在住写真家)
汚染されているから帰れない それが「福島の現実」

[報告]横山茂彦さん(編集者・著述業)
元東電「炉心屋」木村俊雄さんが語る〈福島ドライアウト〉の真相

[報告]尾崎美代子さん(西成「集い処はな」店主)
車両整備士、猪狩忠昭さんの突然死から見えてくる
原発収束作業現場の〈尊厳なき過酷労働〉

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈7〉
事故発生から九年を迎える今の、事故原発と避難者の状況

[報告]鈴木博喜さん(『民の声新聞』発行人)
奪われ、裏切られ、切り捨てられてきた原発事故被害者の九年間

[対談]四方田犬彦さん(比較文学者・映画史家)×板坂 剛さん(作家・舞踊家)
大衆のための反原発 ──
失われたカウンター・カルチャーをもとめて

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとは何か〈18〉
明らかになる福島リスコミの実態と功罪

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
「特定重大事故等対処施設」とは何か

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
停滞する運動を超えて行く方向は何処に

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈7〉記憶と忘却の功罪(後編)   

[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
5G=第5世代の放射線被曝の脅威

[報告]渡辺寿子さん(核開発に反対する会/たんぽぽ舎ボランティア)
「日本核武装」計画 米中対立の水面下で進む〈危険な話〉

[読者投稿]大今 歩さん(農業・高校講師)
原発廃絶に「自然エネ発電」は必要か──吉原毅氏(原自連会長)に反論する  

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
老朽原発を止めよう! 関西電力の原発と東海第二原発・他
「特重」のない原発を即時止めよう! 止めさせよう!

《関電包囲》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
「5・17老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」に総結集し、
老朽原発廃炉を勝ち取り、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しよう!

《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
1・24院内ヒアリング集会が示す原子力規制委員会の再稼働推進
女川審査は回答拒否、特重は矛盾だらけ、新検査制度で定期点検期間短縮?

《全国》柳田 真さん(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
原発の現局面と私たちの課題・方向

《北海道・泊原発》佐藤英行さん(岩内原発問題研究会)
北海道電力泊原子力発電所はトラブル続き

《東北電力・女川原発》笹氣詳子さん(みやぎ脱原発・風の会)
復興に原発はいらない、真の豊かさを求めて
被災した女川原発の再稼働を許さない、宮城の動き

《東電・柏崎刈羽原発》矢部忠夫さん(柏崎刈羽原発反対地元三団体共同代表)
柏崎刈羽原発再稼働は阻止できる

《関電・高浜原発》青山晴江さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
関西のリレーデモに参加して

《四国電力・伊方原発》名出真一さん(伊方から原発をなくす会)
三月二〇日伊方町伊方原発動かすな!現地集会 
レッドウイングパークからデモ行進。その後を行います。圧倒的結集をお願いいたします。

《九州電力・川内原発》けしば誠一さん(反原発自治体議員・市民連盟事務局次長/杉並区議会議員)
原発マネー不正追及、三月~五月川内原発・八月~一〇月高浜原発が停止
二〇二〇年は原発停止→老朽原発廃炉に向かう契機に!

《北陸電力・志賀原発》藤岡彰弘さん(命のネットワーク)
混迷続く「廃炉への道」 志賀原発を巡る近況報告

《読書案内》天野惠一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
『オリンピックの終わりの始まり』(谷口源太郎・コモンズ)

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