赤字経営、スター不在で、プロ野球がなくなる日は近い

「巨人のカード以外は客が入らなくて赤字続きですよ。観客席を見ればわかるでしょう」と球団関係者は吐き捨てた。大相撲も客が入らないので心配していたが、プロ野球の球団経営はマジで深刻だ。どこも楽ではなく、黒字が続いているのは巨人、阪神、広島だけで他の9球団は赤字。息切れしそうだという。DeNAなど、最初の勢いはどこへやら。

「取締役会では、すぐにでもプロ野球から撤退したいという役員もいました」(DeNA関係者)
各会社とも、親会社などから広告宣伝費などの名目で補填を受けている。プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)も5年連続赤字決算だ。

「4,5年後は、プロ野球はセパ合わせて6球団くらいとなるか、市民が応援してようやく成り立つJリーグのような地域独立型球団となるしか道はありません」(スポーツ・ジャーナリスト)
プロ野球球団は、平均すれば20~30億円の赤字を生み出す。要するに「借金を作るために投打で邁進している」お寒い現状だ。
中畑監督が就任して話題となった横浜は、年間20億円を超す赤字を生み出していたが、かの絶好調をもってしてもこれといった具体策は見当たらない。

だが工夫しだしいで金は入るのではないか。完全な「自立」は難しくとも、「赤字ほてん」の捉え方は変わってきた。たとえば日本ハムは親会社から年間30億円が球団に入るが、藤井純一球団社長は「価値を提供してスポンサー料をいただくという考え方。30億円が入った状態で予算を組み、そこからいかにプラスを出すか」と語っている。「ハンカチ王子」のTシャツなどのグッズも売れ行きが好調だという。戦略の勝利だろう。

ソフトバンクも親会社から年間約30億円の「赤字ほてん」を受けている。笠井和彦球団社長兼オーナー代行は「これだけ貢献していますという数字も出さないといけない。われわれが勝手につくった数字ではなくて、いろんな所で分析してもらう」とかつて語った。
プロ野球は、リーグ優勝による宣伝効果は500億円を超すという。デパートならばこぞってファンが繰り出すし、商品をこぞって買う傾向もある。

飛ばないボールで、投高打低となったプロ野球。ダルビッシュをはじめ、軒並みメジャーリーグに流出する昨今。
「だって日本の球団にいつづけても再就職できないじゃん。清原を見てみなよ。メジャーリーグで現役を追えれば、アメリカに人脈ができるし、野球観も変わる。コーチにしても、評論家にしても、裏方のスタッフになるにしても将来は安泰だ」(プロ野球関係者)

そう、いつのまにか日本のプロ野球は「メジャーリーグ」の2軍となったのである。国民のだれもが知っているスターもいない。いたとしても魅力がないか実力が不足している。プロ野球はダルビッシュのメジャー入りで本当の意味では「終了」したのだ。
「まあ、1年ごとに監督が変えられるという、どこかの党みたいなことをやっていたからね。興ざめしているのだろう」とファン。

大関とは名ばかりで、負け続けてシラけきった大相撲とメジャーリーグへの登竜門となった赤字体質の日本プロ野球。5年後に両方とも存在しているのだろうか。まあ、チケット代値下げの動きもないようだし、どちらも5年後には、形すらないんだろうなあ。

(渋谷三七十)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です