映画「シン・ゴジラ」にみる「反原発」精神

映画総監督・脚本は庵野秀明だ。僕の先輩はたとえば55歳で庵野世代であり、ゴジラ世代なのでもう3回もこの映画を観たという。

まあ、いってみれば「エヴァンゲリオン」に出てくる正体不明の敵、「使徒」がゴジラになったといえばわかりやすいか。

物語は展開が早すぎて、たぶん2回見ないとわからないだろう。たとえばプロデューサーの山内章弘氏(46)はマスコミにこう話す。

──「シン・ゴジラ」には多くの人の思いが込められている

「そうなんです。1本目のゴジラ(1954年)の精神にのっとっている感じですね。平成ゴジラが大好きな方々には拒絶反応があるかもしれませんが。ハリ ウッド版を除いて日本のゴジラの製作は12年ぶり。12歳までの子供たちは『ゴジラ』なんて知らない。そういう人たちに対してどういうアプローチ でゴジラを再生して新しいものとして見てもらおうかと(総監督の)庵野(秀明)さんとも随分話しました。“今の日本でやる意味”を突き詰めると、 かなりのリアルシミュレーションというか、今の日本にゴジラという巨大生物が現れたら一体どうするのか、どうなるんだろうかという発想の集大成の ような映画。大人の鑑賞に堪えうるゴジラです」
伊藤徳裕【スクリーン雑記帖】=2016年8月11日付産経ニュースより引用

たしかに、ゴジラは、大人向けに作られている。だが、ゴジラが登場したときの「無力な政府の対応」は、まるで原発事故が起きたときの民主党のそれにそっくりだ。責任転嫁をし、国民に嘘の情報を流す。もしくは情報を小出しにする。

ゴジラが原発で、自衛隊が唯一の希望で、あの「3.11」の事故のときに海水を原発に放水していたあのときを思い出ししてしまう。

世代によって「ゴジラ」は見方がちがうと思う。僕が見るゴジラは、すでに「正義の味方」となっており、悪のメカゴジラと戦っていた。

少なくとも、ゴジラが登場したら、本物の政府もこうした反応をとると思う。行政がどう対応するか、この映画には、都知事となった小池百合子氏がアドバイザースタッフとして参加しているのだが、そのあたりも見所だろう。

二度目を見たいが、おそらく僕には見る時間はないだろう。また、見るのに多少のためらいもあるのも事実だ。なぜならゴジラを見ると「原発事故と民主党政権のていたらく」を思い出して、情けなくなってくるからだ。

ところで庵野監督の5万文字インタビューも掲載している公式本公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」が9月中旬に発売されるが、すでに予約が5万部超えているとか。

「庵野×ゴジラ」は、確実にブームとなった。第2弾を期待するが、今度はもうすこしゆったりとしたストーリー展開を望む。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

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この夏、原宿の「ことりカフェ」で喧噪を忘れてみる

原宿にある「ことりカフェ」にでかけてみた(http://kotoricafe.jp/access)。 今の原宿は、外国からの観光客だらけで韓国語、中国語、ベトナム語などが複雑に入り混じっている。青山六丁目の交差点あたりでは、イスラム風の衣装の人たちが太鼓を叩いて民族音楽を奏でて通りすぎていった。そのような喧噪の中、青山六丁目の信号の近くに、インコやかわいい オウムを店内でじっくり観賞できる「ことりカフェ」に行ってみた。

普段、寝る時間すら削っている身にとっては、インコたちがお互いに毛繕いをしている仲のいい光景すら、癒される。

そして鳥といったときに僕は「池中玄太80キロ」というテレビドラマを思い出す。主演は西田敏行で、写真雑誌の敏腕カメラマンだ。だが彼が本当にカメラに収めたいのは実は鶴。休みになると出かけて鶴を追いかける。そのようなわがままを普通は妻が許さないが、許してくれていた妻が早くに逝去する。そして残された三人の娘とどうやって暮らしているのか、重要なテーマだ。このとき西田が歌った「もしもピアノが弾けたなら」はスマッシュヒットとなった。

それにしても今は猫ブームなのだが、どうしてインコにスポットが当たらないのだろうか。

「やはり、世話がかかるのが一番の理由じゃないか。猫はほおっておいて旅行に行っても餌さえ与えておけば問題がないが、インコは自力では生活できないじゃないか」とペットショップの友人は言う。

なるほど、世話がかかるからかわいいという見方もあるかもしれない。いずれにしても、毎日の煩雑さから抜け出すのに、「ことりカフェ」はいいかもしれない。ここに訪れる外国人カップルたちも、鳥たちに魅せられていた。文化交流のために、日本との橋渡しを「とり」なしてくれているってわけだ。おあとがよろしいようで。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

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映画「ダーク・プレイス」はなぜかくも難解なのか?

映画「ダーク・プレイス」を見た。この原作は、ギリアン・フリンという才能あふれる作家でデビュー作の『KIZU―傷―』は、英国推理作家協会が主宰するCWA賞で2つのダガー賞を受賞、40週間以上もニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに選ばれた。この映画の原作となる「冥暗」は、ニューヨーカー誌の〝批評的選書〟ウィークエンド誌の「この夏で一番の本」、パブリッシャーズ・ウィークリー誌の〝2009年最高の本〟シカゴ・トリビューン紙の「おすすめのフィクション」などに選ばれている。そして続く「ゴーン・ガール」が世界的にヒットする。なんと世界で1500万部も売れているのだ。手元の文庫は、すでに7刷を突破している。

そんなわけで、この「ダーク・プレイス」は、過去に一家惨殺をされて生き残った少女、リビー・デイが、成長し、もはや同情から慈善家たちから寄付がもらえなくなり,弁護士から「働くべきだ」と指摘されるところから物語は始まる。このとき「殺人クラブ」という、謎解きが趣味の集団が賞金を出すから「新犯人捜し」に協力してほしいと頼まれる。

事件当時、『悪魔教』に染まっていた兄が犯人として逮捕されるが、実は事実を掘り起こしていくと、自分が思ってもいない犯人象が浮かび上がってくるのだ。これは、主人公のリビー、兄、リビーの母親という3つの観点から描かれているので、いささかわかりにくい。

そこで、私の小説のほうの師匠、若桜木虔氏がリリースした最新書籍「ミステリー小説を書くコツと裏ワザ」(青春出版社)をもとに分析してみる。この映画はじつにわかりにくかった。原因は何か? それは、回想シーンを使いすぎたからだと僕は想う。

若桜木氏はこう綴る。

「どうしても画期的な冒頭が思いつけない、という理由で、その物語の中でもっとも劇的なシーンを冒頭に持ってくる手法がある。第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作『首挽村の殺人』(大村友貴)や、第37回メフィスト賞受賞作の『パラダイス・クローズド』(汀こるもの)のような構成で、つまり同一シーンが作中の肝心な箇所と、冒頭と、二度と亘って出てくることになる。はっきり言って、この手法には賛成できない。物語の時系列が狂うからである。ミステリーに限らず、エンターテインメントでは回想やカットバックを可能な限り避け、エピソードを出来事の順番通りに並べる〝時系列厳守〟が鉄則なのだ。それは、なぜか。時系列に頓着しない,物語が過去と現在をいったりきたりするような作品でも、頭が混乱しないでストーリー展開を追える読者もいないわけではない。だが、頭が混乱して前後関係が把握できなくなる読者も、確実に存在する。また、時系列が狂った作品が大嫌いな選考委員も、一部には存在する。最終選考で時系列の狂いを扱き下ろされて受賞し損なった実例も、いくつかある。そもそも、ミステリーを含むエンターテインメント系の作品は『楽しみのために読む』のであって、知恵を絞って悪戦苦闘しながら読む、という性質のものではない。」

そうなのだ。この映画はたしかに頭を絞らないとなかなか時系列の流れに追いつかない。ただし主演のシャーリーズ・セロンはこの映画のプロデュースも兼務しているが、いい演技をしているし、暗闇をうまく使ったジル・パケ・ブランネール監督(脚本兼任)もなかなかいい演技を引きだしている。難解なパズルを楽しみたい諸兄には、ぜひおすすめしたい映画だ。

◎若桜木虔小説講座 http://prosakka.main.jp/kouza/

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大橋巨泉さん追悼企画で囁かれる「11PM」復活の噂

昭和を代表する番組「クイズダービー」『世界まるごとHOWマッチ』(TBS)や「11PM」(日本テレビ)で昭和のテレビの制作の礎を築いたとも言われる大橋巨泉が逝去した。

大橋巨泉『ゲバゲバ70年! 大橋巨泉自伝』(2004年講談社)

ラジオ、テレビで大橋が出演したときの映像、音声が懐かしさとともにメディアに流れているが、リクエストが殺到しているものの、放映できないコンテンツがある。それが女性の裸満載、また今となってはコンプライアンス上問題がある性風俗ルポなどが満載している「11PM」(日本テレビ)の特集映像だ。

「たとえば7月22日には『「中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)で、出演して闘病生活を語るとともに、竹下景子や北野大など往年の回答者を呼び『クイズダービー』を復活させたり、かつての映像を流して追悼。ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBS)では、大橋がカナダでの移住生活を語るなど、大橋の魅力が十分、伝わるものでした」(放送作家)

ところが「もうひとつの大橋巨泉の魅力、エロスの探求者としての魅力」を伝えるのに、やはり「11PM」は欠かさせないという声は多い。

「実際、数十件の電話が日本テレビの視聴者センターに『かつての『11PM』の映像を流さないのか」と問い合わせがあったとも聞いています。やはりお色気番組のはしりとして、見ていた年代(40代以降)には強烈なインパクトがあったのでしょう」(同)

『11PM』は、深夜のお色気番組のはしり。世界の性風俗、そして最新の大人のおもちゃなど扱いつつ社会情勢の分析なども扱い「大人のおもちゃ箱」と呼ばれるほど最先端の情報が愛された。過激な水着をきせてカバーガール、かたせ梨乃を輩出、由美かおるや明石家さんまもテレビデビューは「11PM」だった。

「もし復活させるなら、タモリや北野たけしなどの大御所が考えられるが、まあ、あの文化的にして乱れた雰囲気の再現は無理でしょう。あの番組は曜日ごとに司会が異なっていたが、ほかの曜日担当の藤本義一や愛川欽也も故人となった。どんなに視聴者が望んでも、今のテレビ局のコンプライアンスでは、女性の裸と切り離せないあの番組の映像は使えません」(同)

となると、期待は「雑誌」での特集くらいものか。悲しき時代である。

しかし、これも誰かが流した「噂」か。「再放送への問い合わせは数件」という話も。系列のBS番組へのもちあげ情報を誰かが流したのか。行方を見守りたい。

(伊東北斗)

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具志堅さんもやって来た「めんそ~れ、沖縄!」──池袋で感じる〈琉球の風〉

 

今回で8回目となる、サンシャインシティ(東京・池袋)で開催される『沖縄めんそーれフェスタ2016』前夜祭イベントを取材した。

期間は5月27日(金)~6月5日(日)の10日間、展示ホールAでは、沖縄物産展、オリオンビールが飲めるビアガーデン、噴水広場ではエイサーの演舞や沖縄アーティストによる生ライブなど盛りだくさんの内容で、沖縄をアピールする催しだ。物産展では、沖縄そば、海ぶどう、もずく、サーターアンダーギー等42のお店が立ち並んでいる。なかでも、泡盛カクテル、スパム串を出しているお店の女性に取材した。

 

── 沖縄から来られたのですか?
「私は沖縄県民ですが、上京して六本木でお店をやっています。他の方々は沖縄から来て期間中はホテルに泊まっていますね」と話していた。

まさに大がかりな「出店キャラバン」だ。
また泡盛のカクテルの値段が千差万別だったので、質問した。
「一般的な ものは500円、 グレードが高いものは700円、 さらに古酒は900円 です」

── 古酒ってどういうお酒ですか?
「3年以上貯蔵したものです。こちらにはなんと入手困難な『美ら蛍』があります。古い酒はまろやかでおいしいですよ」

── なぜこの時期に「沖縄のフェスタ」を開催するのですか?
「今、沖縄は梅雨の真っただ中です。2週間後には梅雨が明けます。この時期に東京の皆さんに沖縄をアピールしてぜひ来てほしいと思います」とにこやかに話した。

 

さて、前夜祭のオープニングセレモニーのステージイベントには、具志堅用高や鈴木奈々がゲストで登場していた。

鈴木は鮮やかな黄色い沖縄の民族衣装に身を包み、かわいい笑顔をふりまいていた。いっぽうで具志堅はやはり「沖縄の顔」といえるキャラで、親しみやすく優しい性格がテレビでもお茶の間に伝わり、若い女性にも大人気だった。

 

トークコーナーで夫婦円満の秘訣を聞かれると、「誉めることが大事」と熱弁していたのが印象的だった。

ところで「沖縄そば」と「ソーキそば」のちがいはご存知だろうか?
物産展で沖縄そば店の男性に話を聞いた。

「沖縄そばは豚のバラ肉(3枚肉)を使う。ソーキそばは、豚バラの軟骨の肉を使っている違いですね」と教えてくれた。イートインのコーナーも広く充実しているので、じっくりと沖縄の味を堪能できる。ほかに「BIGIN」の「島人ぬ宝」を唄うバンドの演奏や沖縄の伝統芸能エイサーの太鼓を舞ながら叩くパフォーマンスは力強く迫力があった。

沖縄の観光客は多い月は3月、ついで8月、11月となっている。少ない月は1月、6月、9月で、9月は台風期、6月は梅雨期、1月は曇りの多い冬のためという。このオフシーズンには、修学旅行誘致に力を入れて一定の成果を出しているそうだ。近年は「沖縄美ら海水族館」が大人気で人を集めている。

元米兵による女性遺体遺棄事件や基地問題など沖縄関連で暗いニュースが飛び込む今、沖縄の青くきれいな海とこうした素晴らしい自然や海産物、歌などの文化とのギャップに心が痛む難しい問題が沖縄の人たちを苦しめている。この『沖縄めんそーれフェスタ2016』が成功し、沖縄の観光客が増えて、潤い、沖縄に元気を! と切に祈りたい。

『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』

文・撮影=林雅子 
プロデュース=ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

絶望の牢獄から無実を叫ぶ極限芸術──広島で「冤罪死刑囚たちの絵展」が好評

5月21日(土)から広島市安佐南区の「カフェ・テアトロ・アビエルト」で開催されている「冤罪を叫び続ける死刑囚の絵展」が好評を博している。

これまで店内で様々な個性的イベントを開催してきた同店。死刑囚が獄中で描いた絵の展覧会は、数年前から全国各地で開かれるようになっているが、その先駆けといえる存在でもある。

独特の存在感を放つ林氏の作品

◆ブームの火付け役にも刺激

同店が初めて「死刑囚の絵展」を開催したのは2012年の秋だった。死刑囚・大道寺将司氏(1948年~)の亡母・幸子氏が遺した預金で創設された基金によって毎年開催される死刑囚の作品展に寄せられた20数名の約50点の絵を展示した。同店のオーナー・中山幸雄氏がその作品展の主催者らと親交があった縁で実現したとのことだった。

そして翌年、この展覧会に刺激を受けた福山市の「鞆の津ミュージアム」のアートディレクター・櫛野展正氏が死刑囚37人の約300点の絵を集めた展覧会「極限芸術 ~死刑囚の表現~」を開催。これが全国各地から観客が殺到する大ブレイクとなり、死刑囚が手がけた芸術に広く注目が集まるようになった。

実を言うと、筆者が今年2月、冤罪死刑囚たちの書画を集めて制作した編著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」も元々、アビエルトが開催した2012年の「死刑囚の絵展」に足を運び、感銘をうけたことから着想したものだった。

司法に対する強い憤りを表現した高橋氏の作品

◆7人の冤罪死刑囚の絵を展示

今回、同店が開催した展覧会は、冤罪を主張する死刑囚の絵を特集したもの。林眞須美氏、藤井政安氏、何力(フウ・リー)氏、松本健次氏、風間博子氏、金川一氏、高橋和利氏という7人の冤罪主張死刑囚の絵を展示している。

毎度なんともいえない情念を感じさせる林氏の絵は今回も会場で独特の存在感を放っていたが、他の6人の作品もそれぞれ独特の味わいがある力作ぞろい。画力の高さには定評がある風間氏と高橋氏は前掲「絶望の牢獄から無実を叫ぶ」にも書き下ろし手記を寄稿してくれているが、この展覧会でも自らの潔白を訴えかけてくるようなメッセージ性の強い作品を提供していた。今回も一見の価値がある展覧会になっていると思う。

なお、風間氏については、蜷川泰司氏の小説「迷宮の飛翔」に提供した挿し絵の原画も同時に展示。会の開催は6月5日(日)まで。同4日(土)には、蜷川氏によるトークイベントも開かれる。

風間氏の抽象画。開いた扉からあふれる光は「無実の希望」か

(1)「冤罪を叫び続ける死刑囚の絵展」の詳細は「カフェ・テアトロ・アビエルト」のHPにて。
(2)上記の櫛野氏が福山市につくったアートスペース「クシノテラス」でも「極限芸術2 ~死刑囚は描く~」が8月29日まで開催中。5月29日には都築響一氏、7月4日には茂木健一郎氏のトークイベントがある。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、フリーのライターに。新旧様々な事件の知られざる事実や冤罪、捜査機関の不正を独自取材で発掘している。広島市在住。

片岡健編『絶望の牢獄から無実を叫ぶ――冤罪死刑囚八人の書画集』(鹿砦社2016年2月)

黒ラベルのレコンキスタ──がんばれ!! サッポロビール

「今年はサッポロの黒ラベルがいいみたいだね」と年輩の編集者が言った。
彼は、今年、サッポロ黒ラベルとヱビスビールしか飲んでいないようだ。

◆日頃から黒ラベルを愛飲しているという妻夫木聡はイメージキャラクター7年目突入!

桜が満開となった3月31日、東京・六本木ヒルズの大屋根プラザで、サッポロ生ビール「黒ラベル『パーフェクトデイズ2016』オープニングイベント」が開催。ゲストで登場したのは、イメージキャラクターを務めて7年目の妻夫木聡だ。 紺のスーツ、黒のネクタイでキリッと引き締まった印象は、集まったマスコミ陣や業界関係者を魅了した。

プライベートでも「黒ラベルを愛飲している」とぶっちゃけたトークや「ハイスピードカメラを使った撮影で美術さんが凝った星形のセットを組んでくれて、水が流れ出たのを見たときはおおっと感動した」など新CMを撮影した上でのこぼれ話を語っていた。

◆4月12日発売開始の数量限定『黒ラベルエクストラブリュー』に注目!

中でも、4月12日から数量限定(25万ケース)で発売される『黒ラベルエクストラブリュー』を飲む場面では「本当に美味しい!」「仕事を忘れて旨いです」と大絶賛。

「女性でも、ビールが得意ではない方でも、苦みがうまみになっていて、飲みやすいです」として「限定なので、今作った分が売り切れたら終了なので、1本でもいいので、みなさんに飲んでいただきたいですね」と話し、レギュラー商品化を切望していた。
ビールが苦手な筆者には、半信半疑だった。イベント終了後、ついに試飲することができた。つきあいで飲んでも、筆者は最後まで飲みきったことはない。今までビールを「美味しい」と感じたことがなかったが口にしてみると「あれ、苦くない」と二口目からグビグビとためらわず、一気にグラス一杯を飲み干せたのだ。我ながらびっくりした。苦みより、旨みが勝っており「おやおや」と思ったのだ。

それもそのはず、「完璧なビールを目指す」というコンセプトの黒ラベルから、初めて出すエクステンション商品で、旨さ長持ち麦芽を初めて100%使用し、「喉ごしのうまさ」と「爽快な後味」が売りである。

◆丸くなるな! ★になれ!──ビール好きにはまだまだ多いサッポロ派

黒ラベルCM 丸くなるな、★星になれ。

その後、ビールのことを調べてみると、さらに興味が湧いてきた。
そこで、人生で出会った人のうち「もっともビール好き」な年輩男性に取材を試みた。ビール愛好歴50年以上というから、話だしたら止まらなかった。

―― 何を基準にビールを選んでいますか?
「スーパーで新商品は必ずチェックするが、試しに買って飲んで、気に入ったら続けてまた買って飲むかな。 売れている商品にも自然に興味が出てきて、手が伸びるね」

―― ビールのおいしさの決め手は?
「やはり喉ごしだね。辛いビールは苦手だから、喉を通ったときに、スーッと入ってくるものがよい。最近、 サッポロの黒ラベルがおいしくなったから、よく飲んでいるよ」

なんと、すでにもう「黒ラベル」はチェック済みだという。そう、じわじわと黒ラベルのブームがきているのだ。

さて、この黒ラベルを武器にビールメーカーの商品売り上げランキングでシェアが4位となっているサッポロが巻き返すのだろうか。この夏、ご期待といこうじゃないか。

◎[参考動画]サッポロビールの黒ラベルCM 丸くなるな、★星になれ。

取材・撮影=林雅子(ライター) 
構成=ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

募集から3年経っても当選者を発表しない竹書房の文芸賞にまつわる黒い噂

出版の世界でしばしば疑問にあがる話題として「なぜ2013年3月に募集した竹書房の第1回エンターテインメント文芸賞は発表されないのか」というのがちまたの出版社や小説家志望者の話題で、「出版七不思議のひとつ」ともされているが、ここにきて、きなくさいニュースが入ってきた。

「実は、文芸賞の発表がなされた直後、アイドル雑誌を作っている外部スタッフのひとりのA氏が『俺が当選しやすくしてやるよ』と女性の小説家志望者のB子に接近して、肉体関係となり、便宜供与をほのめかしたというものです。この女性は、A氏が『竹書房』の名刺を持っていたので信用したのですが、あとでその名刺はとっくに使ってはいけないタイミング(つまり辞職したあと)であり、そのA氏が『契約社員が連れてきた嘱託スタッフ』であり、評判が悪くて追い出された御仁だとわかりました」(事情通)

そのA氏を連れてきた契約社員はもう竹書房を去って別の会社にいる。今回、あまりにもA氏が同じ手口で「竹書房の文芸賞がまだ発表されていない」ことをいいことに、小説教室で応募した女性を見つけては「俺が賞をとれるように便宜をはかってやる」と接近して、体を迫っている話を伝え聞いたのに腹をたてた被害者のB子が、警察に「詐欺」で被害届けを出した。

その女性に直撃すると「その話はもうしたくありませんのでお察しください」としながらも、「文芸賞入選をえさにして女に接近して、体を奪うやり口を許してはいけないと思います。記事にしていただくのは結構です」とした。筆者はコピーだが、警察に出した被害届けも確認した。

なんでもB子の友人の話では「その詐欺男は、竹書房に電話をしたらA氏が普通に出ていた時期もあるし、その契約社員と一緒にB子がA氏に3人で会ったこともあるので、賞に影響があるはず(つまりすでに辞職していたことを知らない)として被害者も信じてしまったにちがいありません」とのこと。逆算してみると、A氏がB子をだましたタイミングは確かに竹書房から去っている。

竹書房の元社員によれば「しばしば、正規のルートじゃない外部スタッフが編集部に入り込んできて『だれなんだ、あれは?』といぶかしげにみんなが見るような嘱託スタッフがたまにいる」ということだ。それは元社員だったり、出入りしているライターだったり、編集長の友人だったりする。

「嘱託スタッフなんていつ来ていついなくなったか、俺らには知らされていない。部署がちがうならなおさらだ」と現役の社員は言う。

「この事件が竹書房の幹部の耳に入り、『なにが飛び出るかわからない』と賞の入選者が発表できないともささやかれていますが、そうではなくて、ただ単に事務が停滞しているようです。先日も、応募者が『賞の発表はまだなんですか?』と竹書房に聞いてみると、『そのうちに発表します』ということでした」(事情通)

かくして、A氏は今ものうのうとして、フリー編集者としてさまざまな出版社に出入りしているという。
「ある出版社には、Aの履歴照会の電話があったようです。警察としては、逮捕に向けて内偵に入っているのかもしれません。また、竹書房がまだ文芸賞の入選者の発表をしていないことについては、消費者庁が事情を調べ始めたとも聞いています」(同)

確かに「文芸賞をぶちあげて、当選者を発表しない」というのは景品表示法に抵触しそうだ。

今、B子は「週刊文春」に駆け込むことも検討し始めた。
「もし仮に、計画的に『文芸賞』を経費の消化や架空の審査員の雇用に使っているとしたら、それはまちがいなく法律に触れるでしょう」(猪野雅彦弁護士)

 消費者庁に「竹書房に文芸賞の未発表は景品表示法に触れるか」と聞いてみたが「個々のケースについては、お答えできません」という答えが返ってきた。

竹書房は平成27年3月に、雑誌のプレゼントを掲載どおりに送らずに消費者庁の行政指導を受けている。

「まあ、もしかして出版社の上層部は、当選者を発表してしまうと、『パンドラの箱』があいたみたいにさまざまな黒い噂が飛び出るのをきらっているのでしょう。ヤクザが投稿していて、『落選したら難癖をつける』と息巻いているという噂もありますしね」(元社員)

はたして「近く発表する」としている文芸賞の当選者が発表される日は来るのであろうか。

(鈴木雅久)

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抗うことなしに「花」など咲きはしない『NO NUKES voice』Vol.7

長崎・平戸「天気見の男」山崎家の忘れられた系譜を探る旅

昨年の秋、長崎の平戸市を巡る旅に出た。
平戸湾は、こじんまりしており、湾を囲む陸地は1日でまわることのできる観光スポットが集中している。具体的には「平戸オランダ商館」(復元されている)や「平戸城」や「松浦史料博物館」や「平戸ザビエル記念協会」などだ。

まちがいなく、平戸はある時期、「FIRAND」と外国人に呼ばれ、日本全体の貿易の中心だった。その端緒は1609年、オランダから船が2隻やってきたことだ。当時の松浦藩主の松浦隆信は歓迎し、幕府にかけあいオランダ人に商館建設の許可を与えた。

1611年にオランダ商館は住まいと倉庫を新築し、1616年には倉庫と防波堤を作り、さらに1618年の大増築で、まるで要塞から敵を守る「ルパン三世カリオストロの城」ばりの塀が築かれた。

今もオランダ堀やオランダ井戸、そして民家とオランダ倉庫の境界線を表す壁やオランダ埠頭らが残っている。

今、復元されているオランダ商館は、倉庫なのだが、これはもともとは1639年にできた巨大な石造りの倉庫であり、日本で初めての洋風建築物だ。ここには、約2万個もの砂岩切石や48センチ角の大きさの柱などが使われて、外観や造りはオランダの建築物に酷似している。

まあ、観光ガイド風に紹介するとこうなるが、今、このあたりでは残念かな、地元の暴走族が激増している。僕が肉眼で見ただけでも、夜深くに爆音でかっとばす暴走族風バイクは、数台も見かけた。地元の飲食店のスタッフは言う。
「夜になると、くしゃみすらも街中で響きそうなほど静かなこの街で爆音が響いていて、眠れない人が急増しているのは残念ですね」


ここらへんの名物は平戸牛、あごだしラーメン、そして魚ならなんでもうまい。よく、長崎の人が「東京の寿司屋には行かない」と言っていたが、納得できる。


さて、僕自身は、この平戸にやってきた目的は、ここの平戸に「江戸時代、日本で初めての天気予報をしていた山崎氏がいた」ということだ。この平戸にある遠見公園という場所で、江戸時代に、「天気見」、つまり山のてっぺんから雲を見て天気予測をしていたという記録が残っているという。

特別に気象機器がない文政二年(1819)、大船頭だった山崎家では、約200年にわたる間、孫三代にわたって「天気記録」が残された。その記録とは「日の出るとき、赤きは風、黒きは雨、青白きは風雨としるべき」という具合に、今の天気予報の先駆けともいえるものだ。

この「天気見の男」の記録について、僕はいつか小説に書き記そうと思う。いつか、どこかでこの男の記録に諸兄たちはお目にかかるであろう。

ゴールデンウィークに行く場所がない諸兄はぶらりと出かけてみてはいかがだろうか。歴史上では重要ながら、忘れられた「時代の顔」がそこにある。

(小林俊之)

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私の若禿げ克服法──ハゲは隠さず刈り込むことで世界が変わる!

女性が化粧をはじめとした「外観」に注意を払うのは自然な身だしなみとされる。女性だけでなく、男性も近年は「スルスル肌」が好まれるようで、体毛やヒゲの脱毛までを請け負う業界が結構繁盛しているようだ。「へー」と間抜けに感嘆するまでだが、そこまで「脱毛」っていいもんなんだろうか。

◆心理的負荷を与える「脱毛現象」01──抗がん剤投与による「脱毛」現象

人為的に「脱毛」をしなくとも、深刻な心理的負荷を与える「脱毛現象」がある。1つは男性(一部女性)の「ハゲ」であり、他方は抗がん剤投与による「脱毛」だ。

抗がん剤投与による「脱毛」現象が、実は抗がん剤投与終了後に何年も継続しており、それに悩んでいる人が多数いることが最近の調査で判明している。数年たっても抗がん剤投与以前の半分も発毛が見られず、それに悩んでいる人の数が相当数に上るという。

年齢にもよるが、若年癌が増加傾向にある中で、抗がん剤投与後の女性が頭髪の様子を気にするのは無理もないだろう。だから、がんに限らず薬剤の副作用によって脱毛を強いられた人には「かつら」や「ウイッグ」が実生活の上で有効だと思う。そのような方々はただでさえ、体の調子が思わしくないのだから、少しでも心理的負担を減らし日常生活での気がかりを軽減されるのが賢い選択だと思う(もちろん、本人がそう考えれば、だが)。

◆心理的負荷を与える「脱毛現象」02──男性の「若ハゲ」

一方同様の現象でも男性の「ハゲ」の場合は少し事情が異なる。これは自分自身が経験したことなので「その寂しさ」をしっかりと噛みしめながら回顧できる。「若ハゲ」はたしかに強い心理的ストレスをもたらす。私の場合、もとは「こんなに太くてクセのある髪の毛なんか、減ればいいのに」と思うほどの剛毛かつくせ毛で、毎朝頭髪を整えるのに相当苦労していた。

「願いは叶った」のかどうか知らないけれども、まだ20を少し超えた頃、額の生え際が少し後退し出しているのに気が付いた。髪の毛全体も以前ほどの剛毛ではなくなっていて、鏡を2枚用いて頭のてっぺんを見ていると、頂上部分に生え方の薄い部分がある。

この時は、ショックだった。まだ20を少し超えたばかりで「もうハゲかい」と、何ともいえない寂しさを感じたことを今でも記憶している。ご経験のある読者の方々にはお分かりいただけようが、「ハゲ」を発見した時のショックは、「外見がカッコ悪くなる」という理由もあろうが、私の場合「ハゲ=老い」の象徴という概念があったので、この年でもう「老化」が始まったのかというショックが大きかった。外見を気にするような細かな感性を持ち合わせていない私は「ハゲ」て毛髪が薄くなった自分の姿よりも、既に老化に向かっている自分の身体に激しく動揺したものだ。

とはいえ、これといって対策は講じなかった。自然に抜けるものは仕方ない。当時でも「脱毛予防剤」や、「育毛を促す」怪しい器具は販売されていたし、アデランスをはじめとする業者の広告は派手に展開されてはいたが、それらへの関心は一度も湧いたことはなかった。

◆自然の摂理にもかかわらず、露骨に感じた「ハゲ差別」

でも、「ハゲ差別」は露骨に感じた。人の体のありようについて、ことに女性の風貌についてコメントすれば、それが否定的な内容であれ、賞賛する内容であれ「女性差別だ」とする極端にも思えるほどの「フェミニズムコード」が存在するが、男性の「ハゲ」について、直接ではなくとも、コソコソ「あの人、最近薄くなったわね、かわいそうに」と陰口を叩かれることは、深刻に当人を傷つけるのだがいまだに「ハゲ差別」についての、真剣な議論は見当たらない。

いや、「ハゲ」程度で真剣な「対応コード」など作る必要がある!などと私は思っていないけれども、気の弱い男性たちはご経験のない方々が考えられないほど「ハゲ」を悩み、その解決に膨大な投資をしている。

厚労省認可の「育毛剤」が発売されてかなり時間がたつが、あれはどれほど効果があるのだろうか。私は試したことはないので判らない(正直に言えば興味もない)。育毛剤を家で頭に振りかけるくらいなら、職場や周りの人たちに気が付かれることはないだろうが、最大の悲劇は「分かりやすいかつら」を使用してしまったケースだ。

◆出来の悪いかつらほど残酷なものはない……

自分が若年性の「ハゲ」を経験したためか、私は男性の「かつら」利用者はいとも簡単に見出すことが出来る。「あーあ高いお金を払って……」と同情を禁じ得ないのだけれども、出来の悪いかつらほど残酷なものはない。「このひと生え際見えないわ。高い金払ってかつら買ったんだろうなー。外したらこんな感じでハゲているのかなー」と意地悪い想像が勝手に膨らむ。

また、各種「増毛法」商法もいかがわしいことこの上ない。抜け毛が多くなって薄くなった頭髪の対処として、残っている1本1本の髪の毛に、根元から3本の人口毛を結びつける増毛法がある。これは残っている髪の毛が抜けない限りは1本が4本になるのでボリューム感を維持できるが、もとの1本が抜けた時は一気に4本が抜けることになり、普通の脱毛よりも頭髪減少がさらに顕著に現れる。そうなればまた仕方なく残り少ない毛髪にまたしても3本の人口毛を結びつける施術を繰り返さなければならない。でも自然毛はどんどん抜けてゆくから、いずれはこの対処法は効果を失ってします。

ああ、気の毒な我が「ハゲ」被害者よ!気に病む人たちは何百万円も出費している。

◆私の妙案──禿げを隠さず刈り込めば世界は変わる!

私ははじめこそ、気が滅入ったが、ある時、妙案を思いついた。薄毛は伸ばしてハゲ部分を隠そうとすると、とても目立つ。逆に短く髪の毛を刈り込むと思いの外目立たない。2ミリから5ミリほどの超短髪に散髪屋で刈り込んでもらうと、周囲から見た印象もほとんど「ハゲ」ではなくなる。頭髪を洗う手間も省ける。

前述のように抗がん剤投与などにより、脱毛が余儀なくされている人を除き、「ハゲ」た男性諸君! 一度超短髪をお試しあれ。かつらや、いかがわしい増毛法に吸い上げられる際限ない経費が一瞬で止められる。さっぱりして、気分が変わること間違いない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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