私の内なるタイとムエタイ〈26〉タイで三日坊主Part.18 藤川僧と歩くバンコク

ビザの用件も第一段階は終わって、予定どおりワット・タートゥトーンにお泊り準備をして、藤川さんのお遊び相手をしてくれる、お知り合いのマンションに向かいます。

携帯電話を持つ人が少なかった時代でも持っていた藤川さん。町田さんに連絡しているのか、段取りは早い
タートゥトーン寺入口(昨年、訪れた寺でもあります)

◆藤川さんから接近!

ワット・タートゥトーンは広い。サーラー(葬儀場・講堂)がいっぱいあって迷子になる広さ。それに比例する葬儀の多いこと。改めて人は日々死んでいくのが実感されます。

藤川さんが旅に出る場合のバンコク起点となるお寺だけあって慣れたもの。和尚さんにお会いせずとも、我々が泊めて貰うクティの一人の比丘にお会いして部屋に案内して貰いました。

このお坊さん、30代半ばぐらいで若いがキャリア長く、結構位の高い比丘なんだとか。でも低姿勢で、逆に藤川さんに気遣いながら「自由に使ってください」と言い、どこかに行ってしまいました。年輩というだけでキャリア浅い藤川さんの方が偉い感じ。

部屋に入ってから重い荷物(バーツや黄衣一式が主)を降ろすと、藤川さんはここから私の出家前のように、高笑いも出るほど朗らかに話します。それだけで嬉しく、これが私が当初から想定していた触れ合いある寺生活だったのです。

昼の、東急デパートで車の中で話していたことは、ウチの寺の若い坊主らのこと。
「奴らは中卒程度の田舎者やぞ、世間知らずばっかりや、日本の教育も問題はあるけど、ワシら日本人はアジアの他の国から比べて、教育制度がしっかりした環境で育ったんやから、そんなお前が奴らに舐められとったらアカンぞ!」
そんな話の続きで、「メガネのブンは性格ええかもしれんが、先行き何も考えとらん生ぬるい奴やぞ、コップらの将来見据えた頭ええ奴らと話しとる方がええんちゃうか?」

デックワットを含め、いい奴も居れば、頭悪い奴、性格悪い奴も見えてきたこの頃、頭に入れておくべき忠告でありました。

しばらく話してから「外行こう」と言う藤川さん。また数分かけてマンコンに纏って外に出ると待っていた藤川さんが、
「今、サーラーで日本人の葬式やっとるが、日本式とタイ式に分けてやるらしいぞ、日本から僧侶やら高級な喪服着た、ええ格好の日本人が何人も居って、金持ちらしい葬式やな!」と嫌味な言い方で葬儀の様子を話してくれました。

◆元ビジネス仲間多い藤川さん!

その葬儀は覗かず、道路を渡って市内バスに乗ってバンコク中心部方向へ向かいました。「どこに行くんですか?」と聞くと、
「町田さんのマンション行くんや!」と応えます。6月に成田空港で藤川さんを迎えた町田さんとの再会になります。

10分ほど走ったところのソイ(路地)27の向かい側で降り、道路渡ってソイに入ったところのマンションのロビーの椅子に座っていたのは、町田さんと小林さんという年輩の方と女性1人で皆、藤川さんとバンコクでの元ビジネス仲間。年寄りの雑談は日本とアジアの経済の話、戦争の歴史、成人病の話。

「ベトナムはタイ以上のスピードで発展するやろうなあ!」
「イサーン(タイ東北部)の人は本当に貧しいんか? 自然に適った風通しのいい高床式があるのに出稼ぎした奴らによって密閉された日本式住居が増えて、その結果エアコンが必要になるやろ。文明が幸せを壊しているんじゃないか?」

藤川さんは糖尿病を患っていても、「比丘になって朝昼だけの食事で体重が10kg減って逆に調子は良く、今迄いかに無駄なものが身体に付いていたか分かる」と言い、「我々はいかに無駄に食べ過ぎているかだな」と応える町田さんたち。
若年者の私はほぼ聴いているだけでも勉強になる話でした。

バンコクでビジネスを展開した仲、左から小林さん、藤川僧、町田さん(撮ったのはこの翌日です)

◆夜も更ける頃、早く帰らねば!

藤川さん達は話が尽きないが、夜9時になる頃、寺に帰るには比丘がうろつく時間ではない。やって来たバスに乗ると、すぐにドアー寄りの席を譲られ、乗客は「こんな時間に比丘が乗ってくると思わなかっただろうな」と思うと恐縮してしまいます。

寺が近くなったところで藤川さんに促され立ち上がるも、バスは交差点手前の信号待ちで停車。何を思ったか、藤川さんはそこでブザーを押してしまいました。いつもながら運転手さんがドアーを開けます。
「なんで押すんですか!」とまた私は語気強めて言ってしまいました。

バンコクでバスに乗り慣れた人には分かる、ブザーを押すタイミング。誰も降りないのでドアーは閉められました。ああ恥ずかしい、でも藤川さんは涼しい顔。

日本もタイも路線バスは基本的に停留所しか乗り降りはできません。昔ながらの扉開きっぱなしのバスは、止まっていればどこでも乗降可能ですが、電動式ドアーバスは信号待ちでも運転手がドアーを開け、大概は降ろしてくれます。停留所で降りる場合はそのちょっと手前でブザーを押さねばなりません。そこで一緒に数人の乗客も降りました。

「寺の門入ったら纏いを右肩出し(ロットライ)にせなアカンのや!」といきなり言う藤川さん。私は時間が掛かるので面倒なところ、なぜかいつも気が付いて助けてくれる人が現れます。ここでも通りがかりのオジサンが慣れた手付きで手伝ってくれました。そんな困った新米比丘を助けるのもタンブンなのでしょう。

◆続く藤川さんの忠告!

寺のクティに帰って水浴びして、藤川さんと12時ぐらいまで横になって話していました。

私が借金してタイに来ていることを薄々知っている藤川さんは、
「お前は来年、年収500万円無いと今の仕事やっとる意味無いぞ!」
「今、親が死んだら葬式出せるか?」と耳の痛いことを言います。

藤川さんは中学1年生の頃、盲腸炎で苦しんだ時、父親が腕組んで悩んでいたと言います。

医者が父親に手術する承諾を求めているのに、「金無いからなあ~」の繰り返し。医者は呆れ怒り手術の手配に踏み切ったという。「父親は毎日酒喰らって暴れて“アル中”と言われる日々で、全く金無かったからな」と言う藤川さん。

「だから俺は自分の娘が骨折した時、金かき集めて女房に“金の心配はするな”と言うた。父親として責任あると思うたからな」
「父親と母親と兄弟末っ子の3回あった葬式はみなワシが出した。兄弟末っ子の健が自殺した時は兄弟6人も居って、誰もそれまでに健が苦しんでいたことに気が付いてやれんかった。母親がボケてて“健ちゃんに頼っていた”と聞くし、それらが辛かったな」

そして私に「結局は金や!」と言い、
「1000万円稼ぐ奴より2000万円稼ぐ奴の方が甲斐性あるんやぞ!」と言う藤川さん。
決して「金があれば何でも出来る、何でも買える、女も自由にヤレる、そんな好き勝手な人生を送れる」と言っているのではない。バブル期に地上げ屋やって、そう思って生きてきた藤川さんが、人間はどこまでいっても欲が尽きないことに気付き、幸せとは何か、一時出家前に疑問に思い、愚かな我が身に気付いて、改めて再出家に至っている現在でした。

独身でも30歳越えた男が、結婚して妻子を養う甲斐性はあって当たり前。だから「金持ちになれ」ではなく、「甲斐性ある人間になれ」とだけ言いたい藤川さんなのでした。

藤川さんは散々喋っておいて、「もう寝よか!」と言って電気を消されました。
「私の人生は甘いなあ」と思える対称的な藤川さんの人生。バスのブザー押したぐらいで怒っている私の心の狭いこと。そこまで考えるに至る前に、疲れて眠りに着いてしまいました。明日はまた世間知らずの居るペッブリーの寺へ帰ります。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

7日発売『紙の爆弾』5月号 安倍晋三はこうして退陣する/編集長・中川が一から聞く日本社会の転換点/日本会議系団体理事が支持「道徳」を〝数値評価〟していた文科省研究開発学校 他
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

日本のムエタイファイト M-ONE!

片島聡志 vs 奥脇一哉。片島聡志の左ミドルキックがヒット、接近戦も離れても技がある片島聡志が優位に立つ
片島聡志 vs 奥脇一哉。片島聡志の左ハイキックを受け止める奥脇一哉

佐々木雄汰(尚武会)のWPMF日本スーパーフライ級王座返上による、片島聡志(クレイン) vs 奥脇一哉(はまっこムエタイ)による王座決定戦。

序盤の様子見では、奥脇の左フックと片島の前蹴り中心に進み、更に片島の組み合って崩す巧みさに奥脇は勢いに乗れない。第3ラウンドには片島が後ろ蹴りから更に調子を上げていき、両者の好戦的蹴り合いは、片島が経験値で上回って僅差の内容ながら勝利を上げました。

2014年に返上した第3代チャンピオンから、第6代チャンピオンへの王座復帰と成る。2連敗から脱出した片島聡志は、38戦21勝(2KO)13敗4分。6連敗となった奥脇一哉は23戦8勝(2KO)13敗2分。

組み合ってから崩して倒す片島聡志、心理的、攻勢的に優位に立つムエタイ技
デンサヤーム vs 祥梧。崩した勢いで打って出るデンサヤーム

セミファイナルに出場予定の小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)が角膜剥離の為、欠場となりました。代替選手として、Phoenixx 祥梧(Phoenixx Nak Muay)の出場が決定。

九州が拠点の活動から幅を広げ、REBELS興行やJ-NETWORK興行に出場して実力を付けてきたPhoenixx 祥梧がベテランのタイボクサー、デンサヤームに挑みました。20歳で46戦をこなしている祥梧は、デンサヤームのパンチと蹴りの多彩な圧力に屈せず、果敢に反撃し、パンチと蹴りのスピード感と力強さが好印象。

しかしそこはベテランの業師、デンサヤームが首相撲に持ち込んで祥梧の動きを封じ、隙をついたヒザ蹴りをミゾオチにヒットさせノックアウトしてしまう。善戦するも敗れたPhoenixx 祥梧は、47戦31勝(14KO)13敗3分。

デンサヤーム vs Phoenixx 祥梧。祥梧の右ストレートがデンサヤームのボディにヒット
デンサヤームの重いミドルキックが祥梧にヒット

17歳の柊斗の蹴りのスピードが次第に調子を上げ、ローキックも効果的に32歳のMASAHIROを圧倒する展開で勝利を掴む。柊斗は5戦3勝(1KO)2敗。MASAHIRO×AKGは11戦2勝(1KO)8敗2分。

堀口貴博はSHUN JANJIRAのパンチを貰って鼻血を流す中、更に攻められ呼吸が苦しそうな展開から第3ラウンドにバックヒジ打ちでダウンを奪って形勢逆転の判定勝利。観衆がどよめく、インパクトあるバックヒジ打ちでした。

40歳になるデンサヤーム、在日タイ人として日本人の前に立ちはだかる役割は続く
生後間もない我が子をリングに上げてツーショットの片島聡志、これが目標となる選手は多い

◎M-ONE 2018 1st 2018年4月1日(日)新宿フェイス16:00~20:35
主催:ウィラサクレック・フェアテックス / 認定:WPMF日本支局

《全9試合》

◆第9試合 第6代WPMF日本スーパーフライ級王座決定戦 5回戦

奥脇一哉(はまっこムエタイ/23歳/52.16kg)
    vs
WPMF日本バンタム級2位.片島聡志(クレイン/27歳/52.16kg)

勝者:片島聡志 / 判定0-3 / 主審:チャンデー・ソー・パランタレー
副審:ソンマイ48-50. ナルンチョン48-50. ノッパデーソン48-49

◆第8試合 58.0kg契約3回戦

WBCムエタイ日本フェザー級4位.Phoenixx 祥梧(Phoenixx Nak Muay/20歳/57.9kg)
    vs
デンサヤーム・ルークプラバーツ(元・ルンピニー系バンタム級C/タイ/57.7kg)

勝者:デンサヤーム・ルークプラバーツ / KO 3R 1:13
主審:ソンマイ・ケーウセン

◆第7試合 スーパーバンタム級3回戦

WPMF日本バンタム級7位.柊斗(WSR・F西川口/17歳/55.1kg)
    vs
MASAHIRO×AKG(A-BLAZE/32歳/55.0kg)

勝者:柊斗 / 判定3-0 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:アラビアン30-28. ソンマイ30-28. チャンデー30-28

柊斗 vs MASAHIRO。柊斗の左ミドルキックがヒット、ブロックの上からでも効果あり
柊斗の右ハイキックがヒット、スピード、当て勘、17歳が32歳を上回る
柊斗 vs MASAHIRO。柊斗のしなりある右ハイキックがヒット
柊斗 vs MASAHIRO。ラウンドガールも2名同時登場

◆第6試合 スーパーフェザー級3回戦

SHUN JANJIRA(JANJIRA/24歳/58.97kg)
    vs
WPMF日本スーパーフェザー級7位.堀口貴博(WSR・F三ノ輪/35歳/58.97kg)

勝者:堀口貴博 / 判定0-3 / 主審:
副審:アラビアン28-29. ソンマイ28-29. ノッパデーソン28-29

◆第5試合 スーパーフェザー級3回戦

ウルフ・タツロウ(アント/28歳/58.75kg)
    vs
向井貫太(WSR・F三ノ輪/21歳/58.5kg)

勝者:ウルフ・タツロウ / 判定0-1延長戦2-1 / 主審:チャンデー
副審:アラビアン  29-29.10-9
ナルンチョン 28-29.9-10
ノッパデーソン29-29.10-9

◆第4試合 フェザー級3回戦

シャックシャックMASAYAN(T-KIX/23歳/56.9kg)
    vs
聖(フォルティス渋谷/28歳/57.1kg)

勝者:シャックシャックMASAYAN / 判定3-0 / 主審:ソンマイ
副審:アラビアン30-29. ナルンチョン30-28. チャンデー30-28

◆第3試合 55.0kg契約3回戦

MITSURU(WSR・F三ノ輪/30歳/55.0kg) vs 弘樹(Y’ZD/25歳/54.3kg)

勝者:MITSURU / 判定3-0 / 主審:ノッパデーソン
副審:アラビアン29-28. ソンマイ29-28. チャンデー30-28

◆第2試合 女子ピン級(-45.359kg)3回戦(2分制)

奥脇奈々(はまっこムエタイ/20歳/45.1kg) vs
    vs
Sae KMG(=さえ/クラミツムエタイ/55歳/44.6kg)

勝者:奥脇奈々 / 判定3-0 / 主審:ナルンチョン
副審:ノッパデーソン29-28. ソンマイ29-28. チャンデー30-29

◆第1試合 53.0kg契約3回戦

壱・センチャイジム(センチャイ/20歳/52.05kg)
    vs
村井雄誠(エイワスポーツ/15歳/52.75kg)

勝者:壱・センチャイジム / 判定3-0 / 主審:アラビアン長谷川
副審:ナルンチョン30-28. ソンマイ30-28. チャンデー30-28

《取材戦記》

過去にも日本人選手を攻略してきたデンサヤームの首相撲の罠に掛かり、ヒザ蹴りに敗れるも、首都圏で人気が上がりつつあるPhoenixx 祥梧は、勇敢な闘争心と強いパンチ、蹴りを持った選手。九州から首都圏へ、今後の日本トップレベルのタイトル絡みの試合に期待が掛かります。

第2試合の女子ピン級3回戦の青コーナーSae KMG選手、「この年齢、本当?」と思えた55歳。プログラムに「1962年4月生まれ」とあり、関係者の話でもそのとおり。この日は奥脇一哉の妹、奥脇奈々(20歳)と対戦、パンチの打ち合いに応じるも、奥脇の若さに押されて判定で敗れ、6戦2勝3敗1分。アマチュア経験は豊富な様子の主婦でした。打撃競技としての年齢問題はさておき、この年齢でも戦える姿に応援したくなる声も多い、さえ選手でした。

M-ONEの次回興行は6月3日(日)に、会場は同じく新宿フェースでの開催となります。

Sae KMG vs 奥脇奈々。年齢差35歳の戦い、若い力に押されても、闘志で優ったSae KMG

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

本日発売!衝撃の『紙の爆弾』5月号 安倍晋三はこうして退陣する/編集長・中川が一から聞く日本社会の転換点/日本会議系団体理事が支持「道徳」を〝数値評価〟していた文科省研究開発学校 他

私の内なるタイとムエタイ〈25〉タイで三日坊主Part.17 比丘となって初めての遠出!

バスを降りる藤川さん(イメージ写真)

バンコク行きは、俗人時代とは違った街の風景が見えてきます。出会う人や藤川さんの態度。そしてラオス行きの“未知との遭遇”が迫ってくる現実にはまだ早いも、その準備に緊張感が増していきます。

◆初外泊・出発の朝!

バンコクに向かう14日の朝は、いつもどおりに托鉢を終えて、使ったばかりのバーツ(鉢)を底面が開く大きい頭陀袋にセットしていると、予定時刻より早く「オイ、行くぞ!」と藤川さんが叫び慌てさせられ、まだ他の比丘が托鉢から帰って来る姿を見ながらの出発。

「どこ行くの!何しに行くの?」と呼び止める仲間に「ちょっとバンコクへ!」と応えながらバスターミナルに向かい、寺に来た時と同じ青い高速エアコンバスで8時ちょうど発に乗車。運賃は100バーツ。比丘は2割引になります。比丘は専用席となる運転席の後ろ。車掌さんは比較的若い美人。スタイルも比較的綺麗。“比較的”と言うのは、そんなベッピンさんはほとんど居ませんが、バンコクのボロく安い市内バスは、とんでもないデブやオバサン車掌が多い中、市内エアコンバスや長距離高速バスには、綺麗どころが比較的多いということです。

バンコクを歩く藤川さん(イメージ写真)

窓側で堂々と股開き気味に座る藤川さんは相変わらず何も話さない姿勢で、なるべくこんなジジィとくっ付きたくないので少々離れようとすると私の座り方はより窮屈になります。でも目の前の運転席との敷居となる車掌席に座ったり立ったりの車掌さんの“比較的”魅力的なお尻が視界に入り避けつつチラ見。ムラムラする気分。脳から振り払うことなかなか難しい。

◆久々のバンコク!

2時間かけて、かつて通ったサイタイマイバスターミナルに到着すると、「知り合いが車で迎えに来るんや!」と突然言う藤川さん。「何? いきなり!」と思うが、今日1日お手伝いしてくれるらしく、我々だけで移動するよりは心強い。

そして10時30分頃、佐藤という30代ほどの綺麗な女性と運転手の若い男性が車でやって来ました。バンコクの日本長期信用銀行に勤務している藤川さんの知人の奥さんと助手のタンくんで、また藤川さんの思惑にはまった犠牲者(と思った私)でした。

佐藤夫人とはお互い日本人なので御挨拶を済ませ、ここから藤川さんの用で、スリウォン通りに向かいます。車中、藤川さんは本領発揮、よく喋り、私を無視してきた日々と正反対に舌好調。佐藤夫人も優しく陽気な方で調子を合わせてくれていました、まだこの頃は。

パッポン通り入口(イメージ写真)

そしてスリウォン通りに入ると有名な歓楽街、パッポンの前で降り、車を駐車場に止めに行っている間、我々はかつて遊んだパッポン通りの入口で待ちます。比丘がこんなところで“立ちんぼ”なんて何とも恥ずかしい。

◆昼食はタンブン(寄進)された寿司!

藤川さんの幾つかの用は、郵便局へ行って郵便出し、バンコク銀行でお金を下すこと、タイ航空事務所へ行って、藤川さんが25日頃行く予定というナコンパノム行きチケットを購入。郵便出しは佐藤さんに任せ、その間にバンコク銀行へ。そこでは警備員さんが親切に優先的に窓口に誘導してくれて早く終わる有難さ。

その後、佐藤夫人に昼食に誘われた先は日本の座敷風の寿司屋。握り寿司、ロールキャベツ、鯖の味噌煮、最後にデザート。私や春原さんが藤川さんに捧げたように運転手のタンくんが私に料理を手渡してくれます。佐藤夫人は藤川さんが敷いた“パー・プラケーン”という黄色い布の上に置いて貰い、女性からは間接的に受け取ります。毎度の食事前の儀式です。

朝は食べてないからお腹は空いていました。久々に食べる寿司は美味しく、屋台のぶっ掛け御飯でいいのに、日本料理に招待してくれたのは日本人としての気遣いだったのでしょう。

ここは佐藤夫人のタンブン。藤川さんの知り合いというだけで私はタダ食いである。比丘は御礼を言う必要は無いが、日本人として御礼は言いたい気持ちが残ります。

パッポン通り、昼間でも比丘が歩くのは不自然。夜はネオン輝く賑やかさ(イメージ写真)

◆ラオス行き最初の準備!

その後、ルンピニースタジアム近くの旅行代理店へ向かって、ラオスビザ取得を依頼。一人1500バーツ(約7500円)。ビザは単なる観光ビザだが大丈夫なのか。でも前に聞いたとおり、難しい申請は代理店が問題無くやってくれるらしい。パスポートと写真預けると「28日に仕上がります」と言われ、「本当にビザ取れるのか?この代理店大丈夫か?」という不安は残るも藤川さんは使い慣れていて疑う様子は無い。

そして次はフアランポーン駅(バンコク中央駅)へ向かうはずも、その前にマーブンクローン(東急デパート共同)へ向かいます。

それは「携帯電話のバッテリー買うて来てくれへん?」と突然進路変更を頼んだ藤川さん。佐藤さんは一瞬間を置いて「いいですよ~!」と優しく応えてくれたものの、この一瞬の間が「この人相当疲れているぞ」と私は感じたのです。ここまで引っ張り回されるとは思わなかったでしょう。何から何まで頼む藤川さん。「ちょっとは遠慮しろよ!」と怒りすら感じるところでした。

比丘はデパートの中は入れないので、佐藤さんとタンくんが買いに向かい、我々は車の中で待ち、今日はいっぱい喋ってストレスが発散したのか、藤川さんとは40分ぐらい寺での若い比丘らのことを、以前のような笑いある表情で会話が続きました。出家してから初めて心晴れる会話でした。

この後、最後の大きな仕事、ラオス国境のノンカイ行きの切符を購入。過去何度か行ったバンコク中央駅も迷う構内。でも頻繁に旅に出る藤川さんはサッサと事務所のような方へ入って行き、ここでも比丘パワー発揮し、優先的に扱って貰えました。ノンカイへ12月10日出発で12月20日帰りの寝台列車の往復切符。寝台上段は208+208=416バーツ。下段は238+238=476バーツ。合計416+476=892バーツ。500バーツずつ出し、私が1000バーツ紙幣で払って、おつりを小銭で8バーツ貰って車に戻りました。さて、おつりが100バーツ足りないこと気付く。

藤川さん「お前、頭悪いなあ、1000から892引いたら幾つやあ?」とまた自信満々にボロクソに言い出す。
私「108です!」と言うと
藤川さん「何でやぁ~、8やろぉ・・・! あ、そうか108か!」
私「だから最初から108だと言ってるだろうが! 俺の頭悪いせいにしやがって!!」と、逆切れしてしまいました。心通じる会話の後で、私もちょっと調子に乗ってしまったか。私も釣銭を深く考えず受取り「しまったやられた!」と思うも駅員さんも勘違いだったでしょう。

◆負担掛け過ぎのタンブン!

最後の目的地、17時ぐらいにスクンビット通りのワット・タートゥトーンへ向かって貰うと、佐藤さんも「これでやっと帰れるわ~!」とホッとしたことでしょう。バンコクの街を1日動けば結構疲れるのです。

寺の門を潜って、ここで車を降り、佐藤夫人には日本人として御礼は言い、タンくんにはタイ語で「ポップカンマイナ!」と再会を願う言葉を掛け、「本当に御苦労様。こんな苦労はもうしないように、また藤川さんに頼まれたらウソついて断ってください」と小声で訴えお別れとなりました。

この日の何ヶ所も引っ張り回された苦労に佐藤夫人へ何の報酬もありません。私は釈然としない罪を感じ、巣鴨で出会ったミャンマーの留学生にタンブンされたように、またこの世に返す恩を増やしてしまいました。でも自分に何が出来るだろうか。
この後、初外泊となるワット・タートゥトーンのお坊さんに挨拶に向かいます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

私の内なるタイとムエタイ〈24〉タイで三日坊主Part.16カティン祭と旅の準備

賑やかにやって来た寄進者のお祭り行列

ビザ問題に突入していく中、ラオス行きが浮上、カティン祭が終わり、仲間の還俗も現れました。

◆カティン祭!

午前中、寺に得度式(私以外)の参列者のように、楽器吹奏隊と共に寄進者が踊ってやって来ました。聞いていたとおり、クリスマスツリーのような飾り木にお金(紙幣)を貼り付け、派手な衣装の女性たち中心に信者さんが本堂を回る行進。若い比丘達は私に「女の子撮れ!」と言う。今私はカメラマンではないが、本能的に出来るだけ接近しようと考えてしまいます。やはり今の立場としては無理があり、適当に撮るだけでも仕方ないところでした。

撮影を頼まれて集まった美女軍団
寄進された黄色い包みはこんな感じ(撮影は2017年のもの)
和尚さんとお話に来た常連の信者さんたち、皆、横座りです
お札のツリーを抱える美女

「あの木のお金、これだけあったらバンコクでどれだけ遊べるだろう」と考える比丘として不謹慎な私。

この賑やかな外から比丘は全員、クティに移動、昼食を含め、ホー・スワットモン(読経の場)に居ること多い1日。タイでは横座りが正座とされる座り方で、足を組み替えることは出来てもこれが長いとやっぱり足が痺れます。この祭りの読経は所々間が空くところはあるも1時間以上続き、唱えられない私は合掌を続けるのみ。

ところが足痺れよりキツイのが眠気。読経が子守唄となっています。舌噛んで堪えるも、足の痺れより眠気が勝ってしまうのだから、これこそ必死に堪える修行。長い読経が終わると信者さんは和尚さんのもとで身の上話をする者と徐々に帰る者、我々はイベントスタッフのような大道具・小道具の片付けをして、ようやく長い1日が終了……と思ったら、夜には本堂で、これまでの総合的な懺悔の儀式があり、また長い読経と和尚さんの説法が続きました。天井高い本堂で大勢の読経が響くと夜では不気味な響きがあります。やると思っていた二人組んでの懺悔の儀式は無く、出来ない私はホッとするところ。

藤川さんは一時僧時代に巡礼先の寺で、二人組んでの懺悔の儀式を突然やらされても出来ず、その場で教わってこなして、更に1日で覚えきって翌日にはちゃんとこなしたことがあるそうで、私がそこまで追い詰められることなく済んだのは、この寺の緩さなのでしょう。

◆ラオス行きが視野に!

観光ビザ延長申請に、もし滞在日数が残り3日しか無い状態で入国管理局に行って、延長を認めらなかった場合、唖然と途方に暮れるところだったでしょう。

改めてノンイミグレントビザ(留学)を取ることになったので、得度した寺の証明や、比丘であることを証明する、サンガ(僧組織)から認可を貰わなければなりません。

藤川さんにビザ問題を指摘された時点で日数には充分余裕があったので、選択肢がいろいろありました。還俗も一つの手段。「もう辞めたい」と弱気になっていたところで、藤川さんから「ラオスへ行くぞ!」と提案されました。

「マレーシアはイスラム教の多い国、仏教の寺は無いから、寺に泊まることも托鉢も出来ん。ラオスはタイと同じ仏教国やからラオスに行こう。社会主義国の仏教を見ておくのも勉強になるぞ。ただ、ラオスに入るにもビザが要るけど、バンコクのラオス領事館行ってビザ下りんかったら厄介やからな、面倒な手続きやってくれる旅行代理店に頼むから、来週バンコク行くぞ、アーチャーン(和尚)は“ハルキを3ヶ月は寺から外(外泊)に出すな”と言うとったけど、ビザ取らないかんのやから、しっかり言うとけよ!」と、私のビザ問題だから私が言うのは当然のところ、ちょっと和尚さんには言い難い相談でした。

これまで藤川さんは私を無視していたが無関心ではなかった。そしてラオスを視野に「もうちょっと頑張ろう!」と再度気合いを入れるのでした。

寄進者の方々でクティ内はいっぱいに
比丘尼と言われる尼さんたちも、タイ国家では未公認ながらしっかり根付いています

◆気難しい和尚さんの許可は!

暇な時間、街には一人で何度か出向いていました。撮影した証明写真を受け取りに、郵便を出しに、フィルム現像とプリント注文に。証明写真はケーオさんに渡し、比丘達を撮った写真は、なかなか撮られる機会が無いタイ人だけに、かなり喜ばれ、カメラ効果を発揮する私の存在でした。手紙は春原さんや、得度したことを知る友達に送っていました。

カティン祭が終わって2日後、洗濯しようと葬儀場近くの水汲み場に行くと、ワイシャツにジーパン姿の若者が先に黄衣を洗濯していました。誰かと思えば昨日まで黄衣纏っていたクンペーンくん(画像の青年)ではないか、還俗したんだ。何か自由の身になっている姿に羨ましくなりました。

そこへケーオさんが記載が済んだ比丘手帳を我々の分2冊持って現れ、「和尚のところへ行ってサイン貰って来い!」と言われました。早速、和尚さんの前に“二人”で行ってクンペーンくんは御丁寧に三拝しますが、私はいきなり本題へ。

「来週、バンコクに行かせてください……。タイに滞在するビザを取る為に、ラオスに行かねばなりません……なので、提出書類として必要なので、比丘証明書(手帳)にサインください!」。藤川さんに言われたことを回りくどく話し、「バンコクに行かせてください……」と言った後はあまり正確に伝わっていないような中、「ダーイ(いいよ)!」といとも簡単な許可。和尚さんは私がお願いすることはいつも簡単に「ダーイ!」ばかりでした。出家願いも「ダーイ!」、「写真屋行って来ます」と言っても「ダーイ(行って来い)」、「郵便出して来ます」と言えば「ダーイ(出して来い)」。

和尚さんから見れば、日本の観光客で信仰心も無いと見えた私はたいした存在ではなく、修行者であるべき藤川さんが頻繁に遠出願いに出ることには「こいつ、遊びに行ってるな?」と胡散臭く思っているような気がしてきました。

右が還俗前のクンペーンくん
手前の私服の男性は還俗したばかり、私は彼の黄衣姿を知りません
還俗したクンペーンくん、黄衣は洗って寺に帰します(サンガに戻す)(1994.11.7)

◆比丘手帳完成!

和尚さんのサインを貰うと今度は「ワット・ヨームに行け!」と言うケーオさん。この地域を代表する高僧の居る寺で、サンガの認可を貰ってこそ、比丘証明書(手帳)は完成となります。クンペーンくんは寺に乗って来ていたバイクで、私に「後ろに乗れ!」と言う。

私は「待て、俺は黄衣纏うのに時間掛かるんだ、ゴメン!」と言うとサッサと私に纏い付けてくれたクンペーンくん。さすがに速かった。そして、「腕から肩はここをこう締めるんだ!」と黄衣を掴みながらアドバイスしてくれ、よりコツが分かった気がしました。しっかり纏えば左腕はキツメの長袖ワイシャツ着たように肩から袖までがしっかり締まるのだ。「黄衣なんかクルクル丸めて巻き付けるだけや!」と藤川さんが言っていた意味が改めて分かる気持ち。

行った先のヨーム寺で、ここはクンペーンくんと共に私も高僧和尚さんの前でしっかり三拝。後はクンペーンくんが御丁寧にお願いしてくれて、手帳に貼られた証明写真の上に、このお寺のハンコが押され、この和尚さんのサインがされて、昔のパスポートのように、何とも頼りない感じはするものの、正式な比丘身分証明書完成となりました。クンペーンくんは試験の成績良かったのか、他の者より授かる証明証類が多いようで、還俗後の受取りになったようでした。

そして11月半ば、バンコクに向かう日がやって来ました。托鉢を済ませた後、藤川さん行きつけのバンコクの寺に泊まる準備をして出発します。それは初めての外泊。当然、托鉢の準備もして行きます。この黄衣を纏って歩くバンコクの街が楽しみでした。

一緒に修行した仲間と収まるクンペーンくん(1994.11.7)

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

『紙の爆弾』4月号!自民党総裁選に“波乱”の兆し/前川喜平前文科次官が今治市で発した「警告」/創価学会・本部人事に表れた内部対立他
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

MAGNUM.46 江幡祭りは終わらない!

江幡睦vsニンモンコン。チャンスを逃さない江幡睦、パンチのラッシュを掛ける

続く江幡ツインズのムエタイロード──。ラジャダムナンスタジアムのランキング入りを果たしたい江幡睦は無名のニンモンコンをパンチとローキックの強さを見せて圧勝。

開始早々はお互いに様子を伺うローキックが交差するが、一気に詰めたのは公約どおりのパンチで、ローキックとの連係で1ラウンド早々のノックアウト。江幡祭りはこれから本番のランキング入りを目指します。

圧勝の江幡睦、次はランキング戦で勝利するか
意識朦朧のニンモンコン
石川直樹vs泰史。泰史のパンチが石川直樹にヒット、パンチ勝負なら負けない泰史

石川直樹は2度目の防衛戦。泰史戦はこれで1勝2分。2016年3月の王座決定戦での引分けは泰史が勝者扱いで王座獲得。その王座を同年10月にTKOで奪ったのが石川直樹、昨年11月の初防衛戦は幸太を組んでのヒザ蹴りで捻じ伏せKOで下したばかり。

初回から泰史はパンチとローキックで攻勢に出る。第2ラウンドから石川も攻め返すパンチとローキックに続き、ヒザ蹴りが目立っていく中、石川のヒジ打ちで泰史の左頬が次第に腫れが大きくなる。石川の掴みに行くヒザ蹴りと泰史のパンチの攻防は、互いが思うようにペースを掴めないスタミナ消耗激しい苦しい展開で最終ラウンドに入り、泰史がパンチのヒットがやや巻き返すが、それまでの石川のヒザ蹴り主体の攻めを上回るには至らない。判定は引分けで、石川直樹が辛うじて王座を守り2度目の防衛成る。

石川直樹vs泰史。石川直樹のヒザ蹴りに右ストレートを合わせる泰史
泰史vs石川直樹。右ハイキックで腫れた泰史の顔面を襲う石川直樹

斗吾は12月に引分けた齋藤智宏と再戦。この時は斉藤が組んでのヒザ蹴りの持ち味を活かした試合でした。2014年3月に対戦した時は斗吾がヒジ打ちでTKO勝利。 今回もヒザを有効に使いたい齋藤智宏に、斗吾は掴まらないうちにパンチの距離を見極め、第2ラウンドにもダメージある齋藤をパンチ主体に攻め続け完勝。

HIROYUKIは昨年10月、地花デビッドにボディを攻められKO負けして以来の再起戦。チャンピオンとして弱点が目立ってはいけない中、欠点を克服して、国内では経験豊富な國本真義のローキックからパンチ主体の攻めに、打ち負けず飛び蹴りや後ろ蹴りの派手な技も織り交ぜ攻めるも圧倒出来ず引分け。

國本真義vsHIROYUKI。HIROYUKIの飛びヒザ蹴りが國本を攻める
江幡睦vsニンモンコン。ブロックされても想定内、右ローキックで動きを止めにいく

◎MAGNUM.46 / 2018年3月11日(日)後楽園ホール17:00~20:55
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

◆第14試合 54.5kg契約 5回戦

WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/54.2kg)
   VS
ニンモンコン・ペットプームムエタイ(タイ/53.8kg)
勝者:江幡睦 / KO 1R 1:26 / カウント中のタオル投入
主審:椎名利一

ニンモンコンvs江幡睦。いつもの様子見の江幡睦、けん制ローキック
江幡睦の左ローキック、次第にニンモンコンをロープ際へ追い詰める
齋藤智宏vs斗吾。第2ラウンド最初のダウンを奪った右ストレート
齋藤智宏vs斗吾。斗吾が一気に攻めたパンチのラッシュ
齋藤智宏vs斗吾。第1ラウンドに続き第2ラウンドに斗吾が最初のダウンを奪う
勝者コールを受ける斗吾

◆第13試合 日本フライ級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.石川直樹(治政館/50.7kg)
   VS
同級1位.泰史(伊原/50.8kg)
引分け 1-0 / 主審:仲俊光
副審:椎名48-48. 宮沢48-48. 桜井49-48

◆第12試合   73.5kg契約3回戦

日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原/73.5kg)
   VS
齋藤智宏(Ys.k/73.5kg)
勝者:斗吾 / KO 2R 1:01 / ノーカウントのレフェリーストップと同時にタオル投入
主審:少白竜

◆第11試合 54.5kg契約3回戦

日本バンタム級チャンピオン.HIROYUKI(藤本/54.5kg)
   VS
國本真義(MEIBUKAI/54.4kg)
引分け 三者三様 / 主審:桜井一秀
副審:椎名29-29. 少白竜28-29. 仲30-29

◆第10試合 70.0kg契約3回戦

喜多村誠(前・日本M級C/伊原新潟/69.7kg)
   VS
小原俊之(キングムエ/69.7kg)
引分け 1-0 / 主審:宮沢誠
副審:仲29-29. 少白竜29-29. 桜井30-28

◆第9試合 64.0kg契約3回戦

石井達也(元・日本L級C/藤本/63.8kg)
   VS
日本ライト級4位.春樹(横須賀太賀/63.8kg)
勝者:石井達也 / 判定2-0 / 主審:椎名利一
副審:少白竜30-29. 宮沢29-29. 桜井30-28

◆第8試合 56.0kg契約3回戦

瀧澤博人(前・日本B級C/ビクトリー/56.0kg)
   VS
ナコンルアン・スワンアハンピーマイ(タイ/55.3kg)
引分け 0-1 / 主審:仲俊光
副審:椎名29-29. 宮沢29-29. 桜井29-30

◆第7試合 バンタム級3回戦

日本バンタム級3位.阿部泰彦(JMN/53.5kg)
   VS
日本バンタム級4位.古岡大八(藤本/53.4kg)
引分け 0-0 / 主審:少白竜
副審:椎名29-29. 宮沢29-29. 仲29-29

◆第6試合 フェザー級3回戦

日本フェザー級4位.皆川裕也(藤本/57.0kg)
   VS
日本フェザー級10位.渡辺航己(JMN/56.6kg)
勝者:皆川裕也 / 判定2-1 / 主審:桜井一秀
副審:椎名30-29. 少白竜29-30. 仲俊光30-29

◆第5試合 69.0kg契約3回戦

日本ウェルター級5位.リカルド・ブラボ(伊原/68.6kg)
   VS
輝也(TS/72.4→72.2kg) 3.2kgオーバーによる減点2
勝者:リカルド・ブラボ / KO 1R 2:04 / カウント中のタオル投入

◆第4試合 62.0kg契約3回戦

日本ライト級7位.大月慎也(治政館/61.9kg)
   VS
長谷川健(RIKIX/62.0kg)
引分け 0-1 / 29-29. 28-29. 29-29

◆第3試合 52.0kg契約3回戦

空龍(伊原新潟/51.3kg)vs林佑哉(空修会館/51.2kg)
引分け 0-0 / 29-29. 29-29. 29-29

◆第2試合 70.0kg契約2回戦

大久和輝(伊原/69.8kg)vs萩本将次(CRAZY WOLF/69.5kg)
勝者:大久和輝 / 判定3-0 / 20-19. 20-19. 20-19

◆第1試合   ウェルター級2回戦

RYOTA(トーエル/66.6kg)vs宮崎亮(RIKIX/66.4kg)
勝者:宮崎亮 / 判定0-2 / 19-19. 19-20. 19-20

《取材戦記》

「江幡祭りは終わらない」というキャッチコピーが付いた今回の興行。14試合中7試合が引分け、3回戦では大差には成り難く、2-0、2-1判定も3試合あり、迫力に欠け、盛り上がるような接戦ではない展開に「昔のような倒しに行く姿勢が足りない」という休憩時間に聞かれた厳しい関係者の声も多い中、後半の斗吾、江幡睦がノックアウト勝利。石川直樹vs泰史は引分けでも攻防激しい展開で盛り上げてくれました。

来月15日(日)はTITANS NEOS 23が開催、今度は江幡ツインズ弟の塁が出場。ラジャダムナンスタジアムのランキングには常に名を連ねていて欲しい江幡ツインズです。重森陽太、緑川創のいずれも現時点で対戦相手未定ながら海外選手と対戦が予定されています。

日本ライト級チャンピオンの勝次は同じ藤本ジムの後輩、HIROYUKIと皆川裕哉とのエキシビジョンマッチも予定されています。「KNOCK OUT」から本来の路線に戻っての再起に期待が掛かります。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

それぞれに因縁あるWBCムエタイ日本タイトルマッチ開催!

タネ・ヨシホvs能登龍也。能登の右ミドルキックに右ストレートを合わせるタネ・ヨシホ(左)
能登龍也vsタネ・ヨシホ。一度対戦した経験から一歩上回った攻勢のタネ・ヨシホの右ストレート

能登龍也vsタネ・ヨシホ戦の初対決は昨年10月の「KNOCK OUT」に於いての3回戦で対戦し引分けた試合は攻防で盛り上がり、決着戦が期待されたカードとなりました。
初回から能登が圧力掛け続け、タネ・ヨシホは下がり気味も的確に返していく。次第に距離を詰め、蹴りに加えたムエタイ特有の崩し技を活かしたタネ・ヨシホが判定勝利。

白神武央vsYETI達朗戦は3度目の対戦で、2015年5月にノンタイトル戦で引分け、2016年2月に白神がKO勝利でYETI達朗からNJKF王座奪取して1勝1分。YETI達朗はその白神の後を追うように上位王座のWBCムエタイ日本タイトルを懸けての対戦。

目立ったヒットは少ない両者でしたが、白神を破る執念が垣間見れたYETI達朗のパンチと蹴り。勢いつかない両者にもっと蹴り合いがあればもっと盛り上がったと思えるところ、僅差でYETI達朗が雪辱を果たしました。

積極性で優ったYETI達朗のヒザ蹴り

小川翔vsNAOKI戦は過去の国内王座を勝ち上がってきた者同士の対戦で、先行く小川翔に挑むNAOKI。

相打ち覚悟のヒジ打ちの攻防が目立った両者。第2ラウンドにはNAOKIに2度のドクターチェックが入るが、その後、小川も少々切られる。両者に幸い出血は少なく打ち合いは続き、小川は勢い強め、NAOKIの攻撃力弱まった終盤を経て小川の判定勝利。

小川翔の右ハイキックがNAOKIを襲う
ムエタイ技であり、キックボクシングの攻防であるヒジ打ち、小川翔の右ヒジがNAOKIにヒット
激しい攻防の小川翔vsNAOKI

波賀宙也は1月10日に新日本キック興行に出場してパカイペットに判定負けしたばかり。と言っても1ヶ月半の試合間隔になるので、体調は問題ないでしょう。この日は前田浩喜に判定勝利で5連敗から脱出し、WBCムエタイ日本スーパーバンタム級挑戦権を獲得しました。

新人(=あらと)は宮城からやって来た「聖域統一」60kg級チャンピオンの岩城悠介に右ストレートが決定打となる2度のダウンを奪われてレフェリーストップによるTKO負け。東北地方で普及している聖域(サンクチュアリ)のアピールが活きたことでしょう。

タネ・ヨシホの左ミドルキックが能登龍也にヒット、ブロックの上からでもリズムを作った
タネ・ヨシホはまだ18歳、今後も上位に向かって勝ち進めるか

◎NJKF 2018.1st / 2018年2月25日(日)後楽園ホール17:00~21:20
主催:NJKF / 認定:WBCムエタイ日本実行委員会

◆第5代WBCムエタイ日本フライ級王座決定戦 5回戦

1位.能登龍也(VALLELY/50.55kg)
   VS
2位.タネ・ヨシホ(=多根喜帆/直心会/50.8kg)
勝者:タネ・ヨシホ / 判定0-3 / 主審:竹村光一
副審:桜井47-50. 中山47-50. 神谷47-50

◆WBCムエタイ日本ライト級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.小川翔(OISHI/61.2kg)
   VS
挑戦者.同級1位.NAOKI(NJKF同級C/立川KBA/61.2kg)
勝者:小川翔が初防衛 / 判定3-0 / 主審:中山宏美
副審:桜井49-46. 竹村50-47. 神谷49-47

◆WBCムエタイ日本スーパーウェルター級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.白神武央(拳之会/69.6kg)
   VS
挑戦者.同級1位.YETI達朗(NJKF同級C/キング/69.8kg)
勝者:YETI達朗が第4代チャンピオン / 判定0-2 / 主審:竹村光一
副審:桜井49-49. 中山48-49. 神谷48-49

◆59.0㎏契約3回戦

WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン.新人(E.S.G/59.0kg)
   VS
岩城悠介(PCK連闘会/58.6kg)
勝者:岩城悠介 / TKO 1R 2:34 / カウント中のレフェリーストップ
主審:宮本和俊

小川翔が初防衛成功

◆WBCムエタイ日本スーパーバンタム級挑戦者決定戦3回戦

1位.波賀宙也(立川KBA/55.3kg)
   VS
2位前田浩喜(CORE/55.2kg)
勝者:波賀宙也 / 判定3-0 / 主審:桜井一秀
副審:竹村30-28. 中山30-27. 宮本30-27

◆55.0kg契約3回戦

同級1位.大田拓真(新興ムエタイ/55.0kg)
   VS
ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ/54.95kg)
勝者:ダウサヤーム / 判定0-3 / 主審:神谷友和
副審:竹村29-30. 桜井29-30. 宮本28-29

◆NJKFスーパーライト級挑戦者決定トーナメント3回戦

2位.真吾YAMATO(大和/63.5kg)
   VS
3位.嶋田裕介(Bombo Freely/63.5kg)
勝者:真吾YAMATO / KO 1R 2:32 / 3ノックダウン
主審:中山宏美

◆60.0kg契約3回戦

WBCムエタイ日本スーパーフェザー級5位.TAaaaCHAN(PCK連闘会/59.6kg)
   VS
NJKFスーパーフェザー級7位.梅沢武彦(東京町田金子/59.8kg)
勝者:梅沢武彦 / 判定0-2 / 主審:宮本和俊
副審:竹村29-30. 中山29-29. 神谷29-30

白神武央に雪辱成功、WBCムエタイ日本王座を奪取したYETI達朗

◆バンタム級3回戦

NJKFバンタム級2位.日下滉大(OGUNI/53.4kg)
   VS
同級3位.俊YAMATO(大和/53.45kg)
勝者:俊YAMATO / 判定0-3 / 主審:桜井一秀
副審:竹村28-29. 中山28-30. 宮本28-30

◆スーパーバンタム級3回戦

NJKFスーパーバンタム級3位.久保田雄太(新興ムエタイ/55.3kg)
   VS
永井健太朗(Kick Box/55.2kg)
勝者:久保田雄太 / 判定3-0 / 主審:神谷友和
副審:桜井30-28. 中山30-27. 宮本30-28

◆NJKFスーパーライト級3回戦

NJKFライト級1位.村中克至(ブリザード/63.0kg)
   VS
NJKFスーパーライト級9位.野津良太(E.S.G/63.5kg)
勝者:野津良太 / 判定1-2 / 主審:竹村光一
副審:桜井29-30. 中山29-30. 神谷30-29

《取材戦記》

WBCムエタイの日本組織が根付いて丸10年になる今年です。2009年から日本タイトル化されて来ました。此処の組織は此処なりに、低空飛行のようでもしっかり選手が育ち、世界チャンピオンも二人誕生してきました。今後更なる世界チャンピオンが誕生するか、この日勝ち上がって来た日本チャンピオン達に期待が掛かります。今後のNJKFのメインイベンターと成り得る存在でもあります。

その中でも小川翔vsNAOKI戦はヒジ打ちの攻防が盛り上がり、タイトルマッチ3試合の中ではいちばん迫力がありました。キックボクシングの醍醐味はムエタイ技を酷使してのノックアウト勝利。ヒジやヒザだけを重視という訳ではなく、打撃すべてがムエタイ技でもあります。その点は「KNOCK OUTイベント」にも思想が繋がるところでしょう。

次回NJKF興行は4月15日に山陽ハイツ体育館に於いて、拳之会主催興行の「NJKF 2018 WEST 2nd」が行なわれます。国崇、白神武央、白築杏奈がベルギーからの刺客を迎え撃つ戦いとなります。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

3月7日発売『紙の爆弾』4月号!自民党総裁選に“波乱”の兆し/前川喜平前文科次官が今治市で発した「警告」/創価学会・本部人事に表れた内部対立他
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

高橋亮は初のムエタイ選手との対戦に試練の辛勝! 闘魂シリーズ vol.1

コッチャサンvs高橋亮。中間距離はコッチャサンの距離、ヒザが入り易い
コッチャサンvs高橋亮。高橋亮のローキックでバランス崩すコッチャサン

高橋亮は初回の様子見からパンチとローキックで主導権を握る。そのローキックで次第にコッチャサンは足が効いて仰け反ったりフラつくようにバランスを崩すこと多くなる。「KOできるぞ」というムードも3ラウンド中盤からコッチャサンの組み合っての攻防が多くなり、崩されたり、くっ付いてもやや離れてもヒザ蹴りが鋭く入るムエタイの距離感。前半の足のダメージなど、効いていないかのようにコッチャサンのフットワークがいい。

高橋亮も元のペースに戻そうとパンチで出る攻勢は見せるも、コッチャサンの巧みな技にはまり、ムエタイの奥の深さを感じたように攻略が難しくなる。高橋亮もキックとして攻めは目立ったので勝利を導いたが、「ムエタイでは完全にポイント持っていかれたな」という展開。

昨年12月、「KNOCK OUTイベント」に於いて小笠原瑛作と引分けた結果には評価が上がったが、ムエタイ元ランカーには苦戦。まだまだ越えなければならない壁はあるが、今後も壁を打ち破る成長が期待される三兄弟の一人で、観衆からの不甲斐なかったと言う不満の声にも反省の言葉を返した高橋亮でした。高橋亮はこれで19戦14勝(6KO)4敗1分。

コッチャサンvs高橋亮。高橋亮の左ストレートが先にヒット

棚橋賢二郎(拳心館)vs野村怜央(TEAM.KOK)は第1ラウンドに2度ずつのノックダウンがあり、第2ラウンドも棚橋のパンチ連打で2度のダウン奪ってKO勝利。第1ラウンドの棚橋2度目のダウンはその前の過撃の注意と重なりタイムストップが入るも、そのアナウンスがされていないが2度ずつのダウンとなる様子。前回興行に続く劇的な展開はNKBらしさがあるが、打たれ過ぎはなるべく避けて貰いたいところでもあります。

野村怜央vs棚橋賢二郎。2ラウンド目の2度目のダウンへ繋いだ右ストレート
棚橋賢二郎のパンチ連打で崩れ落ちた野村怜央、この後、タオルが入る

安田浩昭は得意のパンチで攻勢に出るが詰め切れない。時折、鎌田政興の強い蹴りが出るがこれも詰め切れない。安田浩昭のパンチとローキックがやや上回る展開が続き、決め手に欠ける内容ながら、安田浩昭の判定勝利。

安田浩昭は昨年12月に倒した高橋聖人(真門)と今年6月16日にNKBフェザー級王座決定戦で対戦予定となります。安田浩昭は11戦9勝(4KO)2敗。

鎌田政興vs安田浩昭。安田浩昭の重いパンチで鎌田政興を追い込む

その王座は、高橋と同門の優介が昨年12月に村田裕俊(八王子FSG)からダブルノックダウンの末KO勝利で王座奪取しているが、試合前からドクターによる引退勧告が言い渡されており、頭部の危険を承知の上での挑戦でした。王座を獲ることが目標で、それが達成された今、引退を表明したこの日のリング上でした。

女子キックも定着してきた日本キック連盟での展開。両者の技術の向上も見られ、21歳の壽美が31歳の喜多村美紀に的確さで優り判定勝利。

壽美(コトミ)vs喜多村美紀。互いにキャリアは浅いが若い壽美が有効打で上回る

◎闘魂シリーズ vol.1 / 2018年2月17日(土)後楽園ホール 17:30~20:45
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

野村怜央vs棚橋賢二郎。ダウン奪われた野村怜央が逆転の右ハイキック
棚橋賢二郎vs野村怜央。更なるダウンを奪う野村怜央の右ストレート
逆転から逆転へ繋ぐ棚橋賢二郎の前進する圧力
ペースを奪い返してパンチヒット狙う棚橋賢二郎

◆第10試合 55.5kg契約 5回戦

NKBバンタム級チャンピオン.髙橋亮(真門/22歳/55.4kg)
   VS
コッチャサン・YZD(元・ルンピニー系スーパーバンタム級7位/タイ/19歳/54.7kg)
勝者:高橋亮 / 判定3-0 / 主審:前田仁
副審:鈴木50-48. 馳49-48. 川上49-48

◆第9試合 ライト級 5回戦

NKBライト級1位.棚橋賢二郎(拳心館/30歳/60.75kg)
   VS
同級4位.野村怜央(TEAM.KOK/27歳/61.0kg)
勝者:棚橋賢二郎 / KO 2R 2:56 / カウント中のタオル投入による棄権
主審:亀川明史

◆第8試合 フェザー級3回戦

NKBフェザー級1位.安田浩昭(SQUARE-UP/31歳/56.95kg)
   VS
同級5位.鎌田政興(ケーアクティブ/27歳/56.9kg)
勝者:安田浩昭 / 判定3-0 / 主審:鈴木義和
副審:佐藤友章50-48. 川上50-48. 亀川50-48

◆第7試合 女子51.0kg契約3回戦(2分制)

喜多村美紀(テツ/31歳/50.95kg)vs壽美(NEXT LEVEL渋谷/21歳/50.8kg)
勝者:壽美 / 判定0-2 / 主審:馳大輔
副審:川上30-30. 前田29-30. 佐藤友章29-30

◆第6試合 ヘビー級3回戦

打田知彦(テツ/37歳/86.75kg)vs森本真(極蹴会/50歳/81.6kg)
勝者:打田知彦 / KO 3R 2:02 / 3ノックダウン
主審:佐藤彰彦

◆第5試合 フェザー級3回戦

藤田洋道(ケーアクティブ/37歳/56.8kg)vs半澤信也(トイカツ/36歳/57.0kg)
勝者:半澤信也 / TKO 2R 0:57 / カウント中のレフェリーストップ
主審:佐藤友章

◆第4試合 ウェルター級3回戦

ゼットン(NK/46歳/66.6kg)vsちさとkiss me(安曇野キックの会/35歳/66.6kg)
勝者:ゼットン / 判定3-0 / 主審:川上伸
副審:鈴木30-29. 佐藤彰彦30-29. 馳30-29

◆第3試合 ライト級3回戦

小笠原裕史(TEAM.KOK/39歳/60.75kg)vs神田拳児(Team S.A.C/20歳/60.95kg)
引分け 0-1(28-28. 28-28. 28-29)

◆第2試合 バンタム級3回戦

古瀬翔(ケーアクティブ/22歳/53.1kg)vs大﨑草志(STRUGGLE/36歳/53.25kg)
勝者:大﨑草志 / 判定0-3 (29-30. 28-30. 28-30)

◆第1試合 バンタム級3回戦

志門(テツ/21歳/52.9kg)vs剣汰(アウルスポーツ/18歳/53.15kg)
勝者:志門 / 判定2-1 (29-30. 30-29. 30-29)

プログラム貰って会場に入ると、後で2冊持っていることに気付く。薄くなったのでした。紙質は厚くなった気がするが過去の16ページから8ページに。でも明らかに1冊の厚さは薄い。だからすぐには気付かず。この薄さと中身から「体制が何か変わったな」とはすぐ感じました。興行的には普段と変わらず、盛り上がりもあれば、不甲斐ない試合もあった興行でした。日本キック連盟は昔からプログラムは無料配布される体制です。

連盟の渡辺信久代表が珍しく体調不良で欠席されました。インフルエンザかな?と思いますが、ドクター勧告で「行っちゃダメ!」と止められている様子

その渡辺ジムは昨年暮れに、長年住みなれた葛飾区東新小岩から江戸川区東小松川に移転。ジムは近代的でもなく、古い造りでもないような話は聞きましたが、その様子は一度覗いてみたいものです。

旧ジムは古いビルの4階で、入るには4階に至るまで薄暗く緊張する階段でした。今時の空調設備と女子更衣室完備のジムが増えた中、昔ながらの隙間風入る、冬寒くて夏暑い、カビ臭い、ボロボロのサンドバッグが吊り下がり、リングのマットが剥がれているようなジムはどれぐらいあるでしょう。古いジムの方がキックらしい気がします。古い考えですが。

次回興行、闘魂シリーズvol.2は、4月21日(土)後楽園ホールに於いて17:30開始です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

私の内なるタイとムエタイ〈23〉タイで三日坊主!Part.15 慣れぬ寺の生活

外出する為、黄衣を纏うブンくんたち。面倒そうだが、3分も掛からず纏い上げる

托鉢の苦戦、寺の様子、更に試練が襲ってきます。

◆六日坊主?!

朝4時に起きる日が続き、黄衣の纏いは練習はするものの、相変わらずコツが掴めず、下手なまま3日目の托鉢に出発。黄衣は何とか解けずに帰れた2日目と違い、この日はどうも調子が悪い。肩に掛けても掛けても緩くて落ちてくる纏い。寺に帰る最後の路地で、前を歩く藤川さんが遅い私を待ち構えるように立っていて、纏いが崩れた姿を見て、凄い怖い顔で何も言わず緩んだ纏いを引っ張り上げ肩に掛けてくれるも、寺の門を潜った途端、「こんなの見たこと無いわぃ!」と吐き捨てるように言われてしまいました。

昨日は、読んだままの、どこが表紙かわからないグチャグチャに畳んだバンコク週報(日本人紙)を、何も言わずに私の部屋にポンと投げ入れ、与えるというよりゴミを捨てていくような行為は2度目。前回の白衣とは意味合いは違うが、無視する藤川さんに怒りすら覚えていた私。去って行く後ろ姿を飛び前蹴り食らわそうかと、キレそうになるところを我慢するも、翌朝のこの纏いが乱れた托鉢では、もうそんな気持ちが萎えてしまいました。

托鉢4日日はワンプラで、かなりサイバーツ(寄進)が多かった托鉢で、重くなって傾くバーツを直そうと肩に手を回したところで、バーツの蓋を落としてしまいました。“バシャーン”、ステンレス製の蓋がコンクリートの地面に落ちたらどれだけ響くことか。藤川さんが驚いて振り向き、近くに居た信者さんも驚き、恥ずかしいやら情けないやら怖いやら。

寺へ帰ると「バーツの蓋落とすなんて聞いたことないぞ!」とまたキツく言われる始末。

更なる5日目、路地のデコボコ石で足の裏は痛くて仕方ない。藤川さんとの距離が開き、足下を見ながら追い付こうと前に進むと、軒先でサイバーツしようと待ち構えるオバサンを見逃してしまいました。通り過ぎてから気が付き、「まあ仕方ない、先を急ごう」と歩き始めると、その姿を藤川さんが見ていて、「一軒飛ばしたやろ、無視したことになるから、あのオバサンに対して凄い失礼なことしたんや、そう思わへん?」と言われ、認めるしかありませんでした。「あんた、歩くの速いんだよ!」と少し頭を過ぎるが、足下が気になって下ばかり見て歩いているから不注意だった。本当に心から反省でした。連日続く失態。托鉢5日目で「もう辞めたい」と涙が浮かぶ。ここで辞めれば六日坊主。ここで頑張ると言うより、ただ耐えるだけでした。

◆寺の作業!

「ここでの生活は、自分の意志次第で、自分でしたいことを自由にやればいいのです。和尚様から“あれをせよ”とか、“こうしなさい”とか言われることはありません。戒律に触れる事をしなければ本当に自由です。勉強がしたければすれば良いし、瞑想がしたければすれば良いし、外の寺に行って学びたければ行けば良いし、ただ自分が何のために得度したのかを忘れなければそれで良いのだと思います。自力本願で誰も何も教えてくれません。」

これは私がまだタイに渡る前に藤川さんからの手紙に書いてあった一部です。しかし、私が感じた寺での生活は、まだ慣れていないにせよ、なかなか気が休まるものではありませんでした。

比丘となって托鉢2日目の朝、路地に出る前、藤川さんから「何かやらんと“あいつは怠け者だ”と言ってたぞ、タイ人は見ていないようで見てるぞ!」と苦言をされていました。しかし、何をやればいいのか分からないのです。

職人技発揮のコップくん、読経も完璧で天才肌

この日の朝食後、比丘たちの様子を見ていると、それぞれが自分の持ち場があるかのように幾つか散らばっていく姿が見受けられました。寺のクティ脇に公衆トイレを建設する職人さんが来ていて、その手伝いに加わるのがコップくんら元々職人だった比丘が作業。ケーオさんは得意の機械イジリで和尚さんの車のメンテナンス。アムヌアイさんは寺で放し飼いしている牛の糞運びなど。副住職のヨーンさんは葬儀場の整理。他に、仏塔建設が行なわれている場では資材運びを手伝っているメーオくんらのグループ。藤川さんはいつもの日課。

ブンくんら数名は本堂の木陰のベンチでお喋りをする比丘ら数名。私はいちばん気が合うブンくんらの不器用な面々の輪に加わりお喋りに徹しました。
「みんな普段何しているの? 何すればいいの?」と聞くと、「俺らはお喋りか昼寝だろうな!」と言う呑気な回答。

そんな時に和尚さんに呼ばれて、広い境内の空地のゴミ拾いを命ぜられました。特に技術の無い我々は、そんな雑用になる自然な成り行きでした。

葬儀と朝昼の食事以外、日々の読経など全く無く、何で比丘が肉体労働やってんだか。もっと仏門らしさがあるはずだったのに、私の“修行”の解釈が間違っているのでしょうか。

比丘の食事の輪に入ればこんな風景
ゴミ拾いや牛の糞しまつなど、率先してやるアムヌアイさん、私もアムヌアイさんに付いて動くことも多かった

◆パンサー明けの転換期!

「来月、5日過ぎたら還俗者が増えて部屋が空く」と藤川さん言っていたのは、私の寺入り初日のこと。

その11月5日はカティン祭があります。一時出家者が7月半ばのパンサー入り(三宝節記念日の翌日)前に出家し、この最も厳しくて重要な修行期間に入ると、パンサー明けまで還俗は認められず、パンサー明けの10月半ば(満月の日)を過ぎると徐々に還俗者が出てきます。私の寺入り前に、すでに還俗した者も居て、カティン祭を待って還俗する者のほうが多いのも事実のようです。

カティン祭とは、その年のパンサーが無事に終わったことを祝い、信者さんが比丘に黄衣や日用品を包んだ黄色い供え物を捧げるお祭りで、実際にはお寺の寄付金集めの行事らしく、クリスマスツリーのように飾り木にお金(紙幣)を吊るし、楽器の演奏者を先頭に寄進者一同が行列を作り、踊りながらお寺に寄進にやって来る、信者さんの徳を積む機会となります。

そのカティン祭でいつもの葬儀より高額のお布施を貰うと、これが最後のボーナスかのように還俗者が増えるというのが、当初の藤川さんの言葉の意味なのです。
そのカティン祭の為、前々日からクティ内が小学校の学芸会でもあるような飾り付けがされていきます。比丘が脚立に上って高いところへ飾り付ける。これも器用な奴が率先してやるので、皆が競い合ってやることはなく、井戸端会議のような集まりになっていました。それはそれで楽しいもの。藤川さんも笑いながら若い比丘と冗談言っているものの、私に対しては無関心状態が続いていました。

◆ビザ問題浮上!

その翌朝の托鉢の、寺を出たところでまた藤川さんが珍しく話しかけて来ました。

藤川さん「お前の今のビザは観光ビザか?」
   「そうです」
藤川さん「いつ入国したんや?」
   「10月15日です」
藤川さん「ビザ期限は12月半ばやな」
   「そうですが、バンコクの入国管理局へビザ延長に行く予定なので、30日延長出来て期限は1月半ばになります」
藤川さん「タイ法務省の宗教局に電話で聞いたら、“坊主は修行者で、明らかに観光ではないから延長は出来ん”と言われたぞ、どうするんや」
「えっ、本当ですか? どうしましょう」
藤川さん「そんなもん自分で考えんかい!」

さあ困った。托鉢中にビザ問題が頭を過ぎる。迂闊だった観光ビザの認識。でも早く教えてくれてよかった。私に気を掛けて宗教局へ電話してくれていたことには感謝でした。さて対策を考えなければなりません。藤川さんは助けてくれるでしょうか。

出家して4日ほど経った頃、いずれこの写真見て懐かしく思えるだろうかと思って撮った洗濯して干した黄衣

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

プロボクシング、伝統の年間表彰式はメジャー競技の象徴!

日本プロボクシング協会、渡辺均会長の御挨拶

2017年度年間表彰式が、2月9日、日本ボクシングコミッション、日本プロボクシング協会主宰で、東京ドームホテルで行なわれました。一堂に会するチャンピオン達の顔触れに、夢の祭典という印象を受ける表彰式でした。また反面、来場者に古くからある顔触れも見られると、子供の頃、テレビで観た頃の懐かしさがありました。

《各受賞選手》

◎最優秀選手賞 WBA世界ミドル級チャンピオン.村田諒太(帝拳)初

◎技能賞 WBO世界スーパーフライ級チャンピオン.井上尚弥(大橋)2年連続2回目

◎殊勲賞(2名) WBA・IBF世界ライトフライ級チャンピオン.田口良一(ワタナベ)初
        WBO世界フライ級チャンピオン.木村翔(青木)初

三賞受賞選手。左から田口良一(殊勲賞)、村田諒太(最優秀選手賞)、井上尚弥(技能賞)、木村翔(殊勲賞)
謝辞を述べる村田諒太(最優秀選手賞獲得)

◎努力賞及び敢闘賞 東洋太平洋ヘビー級&WBOアジア・パシフィック・ヘビー級チャンピオン.藤本京太郎(角海老宝石)初

◎KO賞 WBC世界フライ級チャンピオン.比嘉大吾(白井・具志堅S)初

比嘉大吾(KO賞)と具志堅用高会長の師弟コンビ

◎新鋭賞 WBC世界ライトフライ級チャンピオン.拳 四朗(BMB) 初

◎年間最高試合賞 WBA・IBF世界ライトフライ級王座統一戦(12月31日・大田区総合体育館)田口良一vsミラン・メリンド(フィリピン)

◎年間最高試合賞(世界戦以外)=WBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦(1月28日・カリフォルニア)三浦隆司vsミゲール・ローマン(メキシコ)

ライトフライ級の対立チャンピオン、WBC拳 四朗、WBA・IBF田口良一

◎優秀選手賞(全15名、上位受賞者含む)
WBA世界ミドル級チャンピオン.村田諒太(帝拳)
WBO世界スーパーフライ級チャンピオン.井上尚弥(大橋)
WBA・IBF世界ライトフライ級チャンピオン.田口良一(ワタナベ)
WBO世界フライ級チャンピオン.木村翔(青木)
WBC世界フライ級チャンピオン.比嘉大吾(白井・具志堅S)
WBC世界ライトフライ級チャンピオン.拳 四朗(BMB)
IBF世界ミニマム級チャンピオン.京口紘人(ワタナベ)
WBO世界ミニマム級チャンピオン.山中竜也(真正)
IBF世界スーパーバンタム級チャンピオン.岩佐亮佑(セレス)
前WBA世界スーパーバンタム級チャンピオン.久保隼(真正)
前WBO世界ミニマム級チャンピオン.福原辰弥(本田フィットネス)
他、欠席4選手=山中慎介(帝拳)、井岡一翔(井岡)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、田中恒成(畑中)

京口紘人と岩佐亮佑のIBFベルトコンビ

◎女子最優秀選手賞
WBA女子世界フライ級チャンピオン.藤岡奈穂子(竹原&畑山)3年連続5回目

◎女子年間最高試合賞
WBC女子世界ミニ・フライ級タイトルマッチ(12月17日・福岡)
黒木優子(YuKOフィットネス)vs小関桃(青木)

女子の受賞者、藤岡奈穂子選手(女子最優秀選手賞)と小関桃選手(女子年間最高試合賞)

◎特別功労賞 内山高志

◎特別賞 三浦隆司、下田昭文

引退組となった特別功労賞受賞の内山高志、特別賞受賞の三浦隆司と下田昭文

◎トレーナー賞 有吉将之、野木丈司

◎社会貢献賞(ダイヤモンドフィスト賞) 坂本博之SRSジム会長

◎WOWOW検定賞 三井賢徳

◎日本プロボクシング協会功労賞 山中勇、関谷西生、高橋美徳、原田実雄、中村尚秀

◎協会より感謝状 森田健レフェリー

表彰選手全員集合
全国の児童養護施設訪問で尽力された功績を称えられた坂本博之氏
レフェリーとして功績大きい森田健さん

受賞者を代表して謝辞を述べた村田諒太選手、帝拳ジム関係者や周囲の応援があっての受賞に至った感謝を述べた後、「個人的な話をさせて頂きますと」と、恐縮気味に進めたお話では「今日は高校の恩師にあたります武元先生の命日に当たります。そういう日にこういう賞を頂けるのも高校の恩師が未だに見守っていてくれているんだなと、つくづく感じております。思えばデビュー戦も8月25日の先生の誕生日でした。」と恩師(武元前川氏)の導きに感謝し、今後の飛躍を誓っていました。
数年前と比べ、若い顔触れに流れが変わった壇上のチャンピオン達、ベルトの数も増えていました。主要4団体という過去に無い王座の多さは賑やかさがある反面、世間から見ればどう映るのか懸念も残ります。

上昇気流に乗るチャンピオン達に対し、引退していく選手もいます。特別功労賞を獲得した内山高志選手、世界戦以外の年間最高試合賞と特別賞を獲得した三浦隆司選手、もう一人特別賞を獲得した下田昭文選手の引退組も、選手としてのこの表彰の場では最後の勇志という感じでした。

社会貢献賞として別名ダイヤモンドフィスト賞と呼ばれた賞にはSRSジム会長の坂本博之氏が受賞。“平成のKOキング”と言われたかつてのKOパンチが想い起こされる懐かしい顔が壇上に見られました。

日本プロボクシング協会より感謝状を受取られたのは、長年の審判員を務められた森田健氏。具志堅用高氏の世界戦のレフェリーを務められたこともある森田氏、それよりもっと古くから世界戦を裁いていらっしゃるので、古い者から見れば無くてはならない印象に残る存在でしょう。永年、レフェリーとして国際的にもボクシング界に貢献した功績を称えられる感謝状でした。

村田諒太選手は、ミドル級統一制覇するには避けて通れないのがWBA世界ミドル級スーパーチャンピオンでWBCとIBF王座も持つゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)がいます。
「まずは4月の初防衛戦に勝つことが第一で、そのあとにゴロフキンやサウル・カネロ・アルバレス、WBOチャンピオンのビリー・ジョー・サンダースへ進んでいけるように、しっかり頑張っていきたいと思います」と本人が語るとおり、これらのスーパースター級に勝利すれば、日本ではかつてない偉業を果たすことになります。そのトップレベルに挑める可能性がある現在だけでも偉大なもの。1年後の表彰式でどんな立場で現れるか楽しみなところです。

今年は1階級上のバンタム級に上げ、ライトフライ級、スーパーフライ級王座に続いて三階級制覇を目指す井上直弥選手は村田諒太に続く世界の偉業に挑む注目を浴びる立場。
「上の階級に向けた体作りに取り組んでいる」と言います。村田諒太と井上直弥は本場アメリカ、ラスベガスなどでのビッグマッチ、世界的に名声が轟く定着も視野にあり、これらが今後の日本のボクサーが目指すステータスとなるでしょう。

サインを求めるファンの列がいちばん長かった井上直弥
拳 四朗選手は人懐っこい笑顔が素敵だったという評判

この日、JBC役員の方に、ある些細なことをお尋ねしました。それはリングネームについて、ルールは変更されていないことを確認出来ました。それは以前から思っていたとおりでしたが、後楽園ホール5階の正面入口には世界チャンピオン達のパネルが並んでおり、“拳 四朗”のパネル写真もあります。リングネームは“姓名”を揃える、そこに漢字・カタカナ・平仮名で外来語も含む別名に替えることも許されています。拳四朗の呼び名は「けん・しろう」で姓名として分けているという強引な解釈ながら、これで認められているということでした。そういう意味で、“拳”と“四朗”の間が開いていることは想定したとおり。「他・格闘技で見られる個人名のみのリングネームの影響が、ここまで来ているんだな」と古い考え方では違和感があるも、これが時代の流れなのでしょう。拳四朗の本名は、寺地拳四朗で、元・東洋太平洋ライトヘビー級チャンピオンの寺地永氏の次男となります。

年間表彰式、来年はまたここに新しい顔が入ったり、外れる顔があったり、また年間最優秀選手(MVP)という一人しか選ばれない枠に誰が入るかという興味。王座乱立の中でも、MVPだけは乱立しない価値があります。選考審査はこの日以前に、東京・関西運動記者クラブ、ボクシング分科会によって決まることですが、当日の壇上にはまた違った緊張感に包まれる、1949年から続く伝統の年間表彰式はメジャー競技の象徴として今後も続いていくことでしょう。

乾杯音頭直後のチャンピオン達

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

私の内なるタイとムエタイ〈22〉タイで三日坊主!Part.14 友達何人できるかな

◆比丘となって2日目!

初の托鉢から帰って束の間、儀式用黄衣の纏い(ホム・ドーン)が出来なければ朝食が食べられません。昨日ちょっと習っただけではまだ下手糞。そんな焦る私を助けるように藤川さんがやって来て教えてくれました。ジグザグの蛇腹風に折り畳んだ黄衣を持って、「端を持って肩幅まで引っ張って、束になった方を左肩に乗せて……。アカンなあ、もう時間無い、やったるわ!」グチグチ言いながらまた幼子に着せるようにやってくれました。

ホー・チャンペーンでの食事は5僧ほどが輪を囲ったグループが5つあって、合掌して食べ始めます。食べ終わると座ったまま2列が向かい合うように並び、アヌモータナーウィティーという経文の序章部分を誰かが率先して先導し、朗読のような読経から副住職に繋がれ、続いて全員で1分程度の短い読経に入ります。

3月に来た時、藤川さんが「この経文だけは覚えておいて、お前が初日から先導して唱えてみい、みんな驚くぞ!」とは言われていたものの、やっぱり未熟者が初日から率先することは出来ませんでしたが、やっておけば先制クリーンヒットのような、どよめきがあったかもしれません。

◆相変わらずの不器用な纏い!

午前中は纏いの練習。また昼食時に儀式用纏いにしなければと悪戦苦闘していると、コップと言う名の比丘が何か察したか、部屋にやって来て「昼食時はこれじゃないよ、普通のホム・ロッライだよ」と教えてくれました。このコップくんは私の得度式で黄衣に着替えさせてくれた奴。ムエタイボクサーのような筋骨隆々で読経も上手く、勘が冴えてる奴でした。

午後はまた藤川さんと外出しなければいけません。また外出用(ホム・マンコン)に纏うものの、なかなか上手くいかない。20分も掛けて纏っていると、昼間の暑い部屋では汗だくで黄衣に汗が染み渡ります。そんな時に外のクティ下のベンチで若い比丘らが屯(たむろ)しており、私の部屋の窓に向かって「おーいハルキ、外で一緒に喋ろうよ!」なんて声掛けてくれる奴が居て、「誰だ、俺の名前を覚えたいい奴は!」と思いながら「いや、外出しなけりゃならない、ゴメン!」と謝りつつ外に出たついでに、纏った黄衣を「ちょっと見てくれ!」と彼らに見せ、藤川さんを待たせたまま応急処置的に強く巻き付けて貰い、「コップンカップ!」とタイ語で御礼を言って出発。ちょっと首周りがキツイがしっかり巻かれていることが心地良い。

◆街を歩く!

街を歩いて俗人の時と違うのは、比丘である私に敬いを感じる周囲の目線。おこがましいがそう感じ、それは“私”が敬われているのではなく、仏陀の弟子である比丘が敬われていること。行きかう人々は、至近距離に比丘が居ては、特に女性は一歩身を引く気遣いが見られます。そんな立場である私は、女性に接触しないよう気をつけ、女性をイヤラシイ目で見ないよう気をつけ、見たとしても周囲に気付かれないよう気をつけ、黄衣が解けないよう気をつけていると、もう挙動不審な歩き方でしたが、その辺をウロつく野良犬だけが私を見ても無視して行きました。

街に出た用事は、雑貨屋へ行って比丘手帳買って、写真屋に行って証明写真を撮ること。私はこの必要性をまだ分かっていませんでしたが、何でも早めに行動を起こす藤川さんに促されて行ったまででした。この撮影は藤川さんが先に、その纏った黄衣のまま撮影。しかし私は纏いが下手な為、黄衣を脱がされ、亀の甲羅のような、撮影用の黄衣を模った甲羅を付けて椅子とともに縛り付けられ、どこかの風俗店にいるような姿。ちょっと無理ある合成写真のような仕上がりになること想像付きました。

若い比丘たちのリーダー格存在のケーオさん

撮り終わると困ったのは黄衣をすぐには纏えないこと。纏いに20分掛かるのに写真屋さんで手間取っている訳にもいかない。意地悪いことに藤川さんは「早よせいよ!」と言って先に外に出てしまいます。「こんな時に助けろよ!」と日本語で口走ると、状況で察して助けてくれたのは撮影した写真屋の兄ちゃん。「得度したことありますか?」と聞くと、「あります!」と応えられ、さすが上手く速く、纏い付けてくれました。比丘として御礼は言えないので、「ありがとう!」と日本語で御礼を言って店を出ました。

寺に帰って、比丘手帳に必要事項を書いて貰う為、隣の部屋のケーオさんに頼みましたが、「3ヶ月経ったら書いてやるよ!」と言われて、普通は1パンサー(安居期)超えて一人前になってからということとは分かりつつも、「ビザの延長に入国管理局に行かないといけないから!」とパスポートを添えてお願いし、了承して頂きました。

◆仲間と打ち解け始める!

慌しい用も済んだところで次は洗濯。黄衣ではなく、これまで着ていた下着やズボンなどの衣類。本来、得度式を終えると、それまでの衣類は親族が持って帰るか、寺が預かるもの。しかしこの寺はかなり大雑把。白衣になってからは部屋に置きっぱなしでした。比丘の身分で洗ってもいいのか分からず、クティ下の洗い場で、先に黄衣を洗濯していた先程のコップくんに聞くと「大丈夫だよ、問題無い!」と場所を共有させてくれました。彼は元々、便所を作るような土建業の仕事をやっている職人の22歳。このパンサー入り前に出家したという話でした。

中央がコップ、勘が良く、読経が上手く、大工仕事も上手い奴

夕方以降、部屋に居ると若い比丘が2人、得体の知れない私に興味津々でやって来ました。カメラ(NikonFM2モータードライブ付き)を見て「これ幾らするの? 覗いていい?」という流れはムエタイジムでもあった話。メガネを掛けてニコニコした人懐っこいブンくんは、元々は学生だった様子でパンサー前に出家したコップくんと同じ一時出家者の22歳。「葬儀用の纏いは何て言うの? 托鉢に出る場合は? 寺に居る時の肩出す纏いは? タイ語できれいに書いてくれたら読めるから!」と聞いてメモ帳に書いて貰うと、他にも聞いたこといっぱい書いてくれる親切丁寧な奴でした。

もう一人のスパープくんは藤川さんの隣の部屋の奴。藤川さんの蚊取り線香の凄い煙を避けて、隣の部屋に集まる蚊の犠牲になっているのがこのスパープくん。と言うのは大袈裟な話として、スパープくんはムエタイジムにも居るような田舎者で、村社会で育った習慣から、自分の家も隣の家も自由に出入りして勝手に何でも使い、それが普通の環境で育った奴。私のカメラバッグを弄りだし、油断ならないところがあるが、決して悪気は無い。藤川さんの話では、彼は結構真面目にお経を覚える努力している奴で、他の奴より1年早く出家している23歳。こうして仲間が増えていくのは、何も分からない私を支えてくれるので心強くなれました。

物珍しさにやって来たメガネのブン(左)とスパープ(右)

◆藤川さん無視!

その反面、キツイこと言うだけの藤川さんは、昨夜から私には必要事項以外、無視状態となり、その距離は私の出家前とずいぶん掛け離れ、立嶋アッシーや春原さんと笑って話していた、あの朗らかさはどこへ行ってしまったのか。不安と怒りが次第に増してきた夜でした。

托鉢と写真屋しか行っていないのに目まぐるしい一日でしたが、私はこれまでの人生での三日坊主の怠け癖が出て、「黄衣纏いの練習は明日の朝でいいや」と思って夜10時頃寝ます。静けさの中でもクティの中はまだ蛍光灯は点いていて、どこかで誰かがまだざわついている様子は伺えるいつもの寺でした。

剃髪前と剃髪後と23年後にツーショット撮ったのはメーオだけ

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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