電子書籍による個人出版はどうなんだ!? 企業と揉めたライター奮戦記 4

まず、榛野氏にメールを送ってみた。榛野氏は芳川氏からどの程度、私の情報を聞いているのだろう。私のイメージの芳川氏は神経質な部分もあるように感じる。個人情報などで揉めたくないと思い、作品だけしか送っていないような気がする。その思いも含め、初めてのメールを送るうえで、簡単な自己紹介文と電子書籍の出版をしてくれるということに対してのお礼のメールを丁寧に送った。

この時点では、まだkindleについて良く知らない。
不信感を抱いている芳川氏の紹介ということで、豊穣株式会社と榛野氏についてのリサーチに気をとられkindleについてのリサーチを行っていなかったのだ。今から思えば、kindleについても調べておく必要があった。Kindle Direct Publishing(KDP)は『個人出版』である。個人出版というのは、環境と知識さえ揃っていれば、誰でも気軽に無料出版できる……そのことさえ気付いていなかった。手続きや表紙制作の手間などもかかるが、どれも個人でできるものであり、わざわざ会社を通して行うものではないということも知らなかった……個人出版という言葉の意味さえ分かっていなかったため、Y.Nコミュニケーション、豊穣株式会社の2社で行うというのも含め、大掛かりな事業だと思い込んだ。
そのため『商業出版』の一種だと思い込み、個人出版を代行するというだけであるのに、大変、丁寧なお礼のメール榛野氏に送ってしまった。今思えばこのメールによって、榛野氏は私がまだkindleや個人出版について詳しくないと気付いてしまったのだと思う。多分、榛野氏はそういった人物を求めていたのだろう。

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