二・二六事件の時代を生きた祖母

日本史の一大事件として有名な二・二六事件は、78年前の1936年2月26日に起きた。学生の頃勉強した当時の教科書を開くと、国家改造・軍部内閣樹立を目指すクーデターで、その後軍部が政治介入するきっかけとなり、高橋是清、斎藤実元首相と渡辺錠太郎陸軍教育総監が殺害されたとある。

私には、明治生まれで100歳まで生きた祖母がいた。4年前に他界したが、亡くなる直前まで元気で、孫、曾孫達に昔話を聞かせるのを楽しみとしていた。その祖母から聞かされた二・二六事件は、教科書で学んだものとは少し違う。

祖母は当時20代半ばで結婚しており、子供はまだいなかった。世田谷に住んでいたがその頃の世田谷は今のような住宅街ではなく、片田舎の様相を残していた。事件前日までは、特に何も変わった様子もなく、平穏な毎日だったという。

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