「解散するする詐欺」「原発止める止める詐欺」などもはや空手形を連発、野田首相のフラつく国家運営は今に始まったことでないが、「お願いだから党を割って出ないでね」というトーンが明確に見え隠れする今回の組閣には笑った。なにしろ文部科学大臣に田中真紀子を起用する体たらくだ。

「野田は大臣として期待して起用したいわけじゃない。小沢一郎とのパイプを残したかっただけだ」(全国紙・民主党番記者)
田中真紀子といえば、小泉政権時代、外務大臣となり、まるで子供の喧嘩のような泥仕合をしたことが記憶に新しいバカ女である。

しかしあなどってはいけない。田中真紀子は国民の支持という武器がある。
田中真紀子は、9月9日、都内で行われたフランス人学校の開校式であいさつし、「日本で一番速いのは新幹線ではなく、閣僚がしょっちゅう代わること」と“真紀子節”で会場を湧かせた。
「こうした、場面ごとに的確な皮肉を言うのは、父親の角栄氏譲りでしょう。智恵はないが、弁が立つ。政権がピンチになったとき、味方にしておけば、すぐに敵を討つタイプの真紀子は、懐に入れると大きく武器になる。逆に、距離をおいてつきあったほうが厄介かもしれません。火薬庫のように、手元に置いて管理したほうがわかりやすいのです。発火すればすぐに消せますから」(民主党古参秘書)

田中真紀子は、あるとき、東京電力福島第1原発事故を例に「世界と情報を共有して、皆さんの知恵を借り、解決に向けて努力することが政治家の義務」と強調。その上で、「私もいつまでこのポジションにいるか分からない」と冗談めかして語った.実に本質を得たトークだ。

田中真紀子には、よくも悪くも女性ならではの直感力と、あけすけな脇の甘さが同居している。
「しかしいったい田中真紀子は日本の教育についてわかっているのかな。この前、中学に柔道やダンスの授業があるのすら知らなかったが」(文部科学省関係者)
さあ、毒にも薬にもなりうる「不気味なカード」たる田中真紀子を抱えた野田政権。田中真紀子がもっとも世の中で信頼する政治家、小沢一郎の二審判決が出るのが11月12日。サイの目はどう転ぶか、この先お楽しみあれ。

(鹿砦丸)