米国CIA・NEDの情報支配 アメリカによるベネズエラ侵略の真相

黒薮哲哉(紙の爆弾2026年3月号掲載)

現地時間の2026年1月3日午前1時50分ごろ、米国陸軍デルタフォースは、ベネズエラの首都カラカスの軍事施設などを空爆すると同時に大統領私邸を急襲し、ニコラス・マドゥーロ大統領を拉致した。

マドゥーロは妻のシリア・フローレスとともに米国へ移送され、ニューヨーク州北部の空軍基地に到着した際には、手錠をかけられていた。麻薬密売ネットワーク「太陽のカルテル」の首領であり、麻薬・武器の密売などに関与したというのが容疑である。

2020年3月の起訴から、およそ6年が経過していた。ベネズエラのテレスール紙(1月13日付)などによれば、警備に当たっていた兵士ら100人余りが死亡したという。この中には32人のキューバ兵が含まれていた。

キューバ兵の配置はベネズエラ側の要請によるものであり、キューバがCIA(米中央情報局)による600回を超えるとされるフィデル・カストロ暗殺計画を阻止してきた実績が評価された結果だという。

だが、そうした備えも功を奏さず、マドゥーロ夫妻は拘束され、米国へ連行された。米軍側に死傷者は出なかったとされる。

ベネズエラのホルヘ・アレアサ前外務大臣は、米国の独立系メディア「ザ・グレーゾーン」のインタビューに対し、「我々はあらゆる事態に備えていたが、レーザー機能を無力化するなど、最新鋭の軍事テクノロジーが使われ対応できなかった」と、完敗を認めた。

米軍は軍用ヘリコプターに加え、複数のドローンも展開したとされる。音響兵器を使ったという報道もある。これは音波を利用し、人体に強い負荷を与えたり、平衡感覚を狂わせたりする兵器である。

軍事侵攻から2日後の1月5日には、マドゥーロ大統領がニューヨークの連邦地裁に出廷した。一方ベネズエラでは、副大統領のデルシー・ロドリゲスが暫定大統領に就任。6日には、ベネズエラの新政権と米国が、ベネズエラが3000万~5000万バレルの石油を米国に引き渡すことに合意した。

トランプ大統領はSNSに次のように投稿した。

「石油は市場で売られ、その収入はベネズエラと米軍関係者のために使われるよう、米国大統領である私が管理する!」

◆西側メディアを支援してきたUSAIDとNED

「AERAデジタル」(1月13日付)で元経産官僚の古賀茂明氏は、この事件について「マドゥーロ大統領は、独裁者でベネズエラ国民の人権を侵害し、さらに国内経済を疲弊させ、800万人と言われる難民が国外へ逃がれるという事態を招いている」と記述した。

日本は西側諸国のメディアの影響を受けることが少なくない。たとえば国境なき記者団(RSF)は大きな影響力を持ち、同団体が毎年公表する「報道の自由度ランキング」は、多くの人に参照されている。ランキングを疑う日本人はほとんどいない。

しかし、西側メディアの報道内容が常に政治的な利害関係と切り離された形で提示されているとは限らない。たとえば、メディアの独立性にかかわる次の事実を読者はどう考えるだろうか?

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