国崇も勢い上げるDUEL.11、女子キックも充実!

国崇vsチャーオサム。開始早々から攻勢を掛ける国崇、倒す気満々
国崇vsチャーオサム。国崇のローキックで棒立ちとなるチャーオサム
勝利者ならではのツーショット

◎DUEL.11 / 2017年9月3日(日)ゴールドジム・サウス東京ANNEX.17:00~19:20
主催:NJKF若武者会 / 認定:NJKF

国崇(くにたか)のローキックで早々にチャーオサムの動きが止まり、パンチでのボディブローと左頬にヒジ打ちを加えると、ダメージ深いチャーオサムはやや遅れて倒れ、レフェリーが止めて国崇の勝利となる。今年に入って4連続KO勝利、まだまだ現役を続ける意思表示を見せた国崇でした。

C-CHANは序盤、長身を利した右ミドルキックで自分の距離間を掴むが、接近戦に持ち込む百花のパンチが次第に増えて圧力を掛ける。C-CHANの蹴りが優ったように見えたが、百花のパンチで攻め返される見映えの悪さと、百花の積極性でポイントが流れた様子でC-CHANは王座陥落。百花がNJKFミネルヴァ・アトム級王座奪取となる。ピン級(-45.359kg)での王座争奪トーナメント戦出場を願い出た百花は、この軽量級エリアで更なる上位階級への挑戦も目指して欲しいところです。

《全10試合結果》

◆第10試合 メインイベント 57.0kg契約 5回戦

ISKA(ムエタイ)世界フェザー級チャンピオン.国崇(拳之会/56.7kg)
vs
チャーオサム・エスジム(タイ/56.8kg)
勝者:国崇 / TKO 1R 3:03 / カウント中のレフェリーストップ
主審:宮本和俊

◆第9試合 NJKF女子(ミネルヴァ)アトム級(-46.266kg)タイトルマッチ3回戦

チャンピオン.C-CHAN(TEAM GONJI/46.3→46.26kg) vs 挑戦者同級1位.百花(魁塾/45.3kg)
勝者:百花 / 判定1-2
主審:多賀谷敏朗
副審:宮本29-28. 竹村28-30. 白神28-30

C-CHANvs百花。後半の追い込みを掛ける百花
C-CHANvs百花。蹴られ続けても我が身を信じ、パンチで攻めた百花
百花が王座奪取。更なる階級制覇へ意欲を見せる

◆第8試合 58.5kg契約3回戦

hayato (FOKAIJAPAN/58.3kg)vs 雅也(T-KIX/58.5kg)
勝者:hayato / 判定2-0
主審:竹村光一
副審:宮本30-29. 多賀谷30-28. 白神29-29

◆第7試合 フライ級3回戦

一航(新興ムエタイ/50.8kg)vs 池上侑李(岩崎/50.7kg)
勝者:一航 / 判定3-0
主審:中山宏美
副審:宮本30-28. 多賀谷30-28. 竹村30-28

◆第6試合 女子アトム級3回戦(2分制)

美保(KFG URAWA/46.1kg)vs めぐみ(日進会館・宮原/46.0kg)
勝者:美保 / 判定3-0
主審:白神昌志
副審:中山30-27. 多賀谷30-26. 竹村30-27

◆第5試合 女子53.0kg契約3回戦(2分制)

田丸茜(エイワS/52.5kg)vs 坂本優(CROSSLINE/51.6kg)
勝者:坂本優 / 判定0-3
主審:宮本和俊
副審:中山28-30. 白神28-30. 竹村29-30
狩野友里(KICK BOX)の欠場により田丸茜が代打出場

◆第4試合 女子50.0kg契約3回戦(2分制)

ライトフライ級3位.後藤まき(RIKIX/49.6kg)vs にゃあしゃー綿田(チームNYAA/49.0kg)
勝者:にゃあしゃー綿田 / 判定0-2
主審:多賀谷敏朗
副審:中山29-30. 白神29-29. 宮本29-30

◆第3試合 女子ピン級(-45.359kg)3回戦(2分制)

真奈長(真樹・オキナワ/44.8kg)vs 奥脇奈々(はまっこムエタイ/45.35kg)
勝者:真奈長 / 判定3-0
主審:竹村光一
副審:多賀谷30-27. 白神30-28. 宮本30-27

◆第2試合 フェザー級3回戦

小田武司(拳之会/57.0kg)vs 獠太朗(DTS/57.0kg)
勝者:獠太朗/ 判定0-2
主審:中山宏美
副審:多賀谷28-29. 竹村29-29. 宮本28-30

◆第1試合 女子フライ級3回戦(2分制)

七美(真樹・オキナワ/50.1kg)vs 佐藤瑠南(VERTEX/50.7kg)
引分け 0-1
主審:白神昌志
副審:多賀谷29-29. 竹村29-29. 中山29-30

hayatoの勝利を祝して、3日後の試合を控える梅野源治も登場
NJKF斉藤京二理事長(左)より認定証を受け、DUEL竹越義晃代表(右)よりチャンピオンベルトを受けた百花
DUELでは恒例のラウンドガール実来さん登場

《取材戦記》

女子の軽量級域の細か過ぎるウェイト間隔。選手にとっては「1ポンドでも大きな差」と言っても一般人では、1日以内で変化ある1キログラム以下の間隔ってどうなのでしょう。百花はピン級ウェイト(-45.359kg)でアトム級(-46.266kg)王座を奪った形です。

その女子を中心とした興行もかなり増えました。少子化や競技の多様化で、各格闘競技人口の減少の上、こんな痛い思いして、お金にならないことしなくてももっと儲かる競技を目指す若者も多い中、女子キック・ムエタイ競技の興行が増えたことは、喜ばしいことなのかもしれません。

ウェイトの問題ではもうひとつ。クルーザー級は1980年にWBCのプロボクシング世界戦で新設され、後にキックボクシングでも真似するように新設されました。当初は190ポンド(86.182kg)以下でしたが、10年ぐらい前に200ポンド(90.718kg)以下に変更されました。

ところがキックボクシング各団体は知ってか知らずかそのまんま。キックやムエタイの各団体で「190ポンドで行なう」と宣言してくれれば、それで確定で分かり易いのですが、ボクシングの試合は観るがルール変更に気が付かないキック関係者が多いようです。

国崇は、今年2月のスペンサー・テー(シンガポール)戦からこれで4連続KO勝ちとなりました。今回も5回戦ヒジ打ち有りルールの試合でしたが、「ムエタイがそのルールですから」と本来のルールに拘りました。多くの世界王座を奪取し、ムエタイ殿堂王座挑戦も経験している国崇は37歳にしてまだ上を目指す挑戦を続けます。

NJKF興行は9月24日(日)に後楽園ホールで、NJKF 2017 3rdが行なわれます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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