参院選広島再選挙2021告示から5年 ── 不透明な候補者選びと政治の劣化を超えて、市民の手に政治を取り戻すために

河井案里さんの当選無効に伴う2021年の参院選広島再選挙から、5年が経過しました。

立憲民主党の宮口治子さんが当選。筆者も完全無所属で立候補し、20848票で6人中3位という結果でした。

しかし、あの選挙は、「単なる補選」ではありませんでした。政党の候補者選びの不透明さ、政策協議の欠如、そして「政党の都合」が市民の政治参加を押しつぶす構造が、あからさまに露呈した選挙でした。

◆不透明な候補者選びが象徴した「政党の劣化」

当初、立憲民主党は楾大樹弁護士を候補に内定していました。 しかし、党内の力学によって宮口治子氏に差し替えられ、楾氏は“はしごを外された”形となりました。いわゆる「仁義なき候補者選考・楾─宮口事件」です。(この事件の経過については、『改訂版 茶番選挙 仁義なき候補者選考』[楾大樹著 1540円 あけび書房]に詳述されています。)

さらに、野党系候補者の一本化をめざして政策協議を打診した筆者・佐藤周一に対し、立憲陣営幹部はこう答えました。

「宮口さんは具体的な政策が分かる人じゃないから」

政党が自らの候補者をそう評する異常さ。そして、他の既存野党も立憲に追随するだけで、政策協議の場はついに開かれませんでした。この時点で、既存野党の劣化は始まっていました。

◆5年後の今、与野党ともに「劣化競争」に陥ったのではないか

あれから5年。既存の野党は、2021年再選挙で宮口氏が勝ったことを“最後の栄光”としてしまったかのように、後退の一途をたどりました。2021年衆院選では、立憲民主党は大敗し、日本共産党も立憲と同列とみられ後退しました。2022年参院選では、自民党の前に手も足も出なかったのです。

2024衆院選、2025参院選では、自民党が過半数割れしたものの、立憲民主党、日本共産党となども既存野党も得票数や得票率では後退を続けています。

勝ったのは「新勢力」であり、野党第一党ではありませんでした。

2026衆院選では、高市総理が「初の女性」「反グローバリズムっぽい」という“雰囲気”で支持を集め、自民が圧勝しました。いわば、庶民家庭出身の女性が始めて総理になったことである種の「革命の熱狂」が若い女性や反グローバリズム層を中心に起きました。立憲と公明が合併してできた「中道」は古臭いとみられて壊滅しました。日本共産党も、2023年の県議選を前に一部支持者が行った佐藤周一への誹謗中傷で佐藤に裁判で敗北的和解したことへの反省や、執行部の気に入らない言動をしただけで党員を排除してきたことへの反省は見られませんでした。

一方、参政党やれいわ新選組といった新興野党も独自性を強調しすぎた結果、政策実現力が見えず埋没しました。参政党は2025参院選から票を伸ばせず、れいわ新選組は大敗しました。ともに、新しさが故のガバナンスの不十分さという課題に直面しています。

しかし、大勝したはずの自民党・高市総理のもとで、日本政府の「統治の空白」が目立っています。

米国・イスラエルによるイラン攻撃では、トランプ大統領への過剰な忖度でせっかくのこれまでのイラン外交を活かせず、石油の確保に不安を抱かせています。れいわ新選組の伊勢崎氏や共産党の田村氏、自民党の岸田氏など超党派の役付きでない議員が水面下で動き、その空白を埋めている実情はあります。

陸自青年将校の中国大使館侵入事件では半月経っても村田被疑者への厳しい処分の方針や再発防止策を中国側に示せていません。

結局のところ、この5年間で、与野党ともに、政治の質が上がらない。むしろ「劣化競争」に陥っているのではないでしょうか。

◆広島の政治・行政の劣化はさらに深刻だ

2021年再選挙で「お灸をすえた感」が県民に広がりました。しかし、裏金問題を中心とする「政治とカネ」の問題も、「企業団体献金」を梃子にした「強者による政策買収」も、何一つ変わっていません。

さらに、河井事件後に地方行政の監視能力がある保守系議員が失脚したことで、広島市政・県政の監視機能は著しく弱まっています。

その結果──

●虚偽公文書作成と公益通報つぶし
●情報公開請求に対して存在するかどうかも明らかにしないブラックホール体質
●産業廃棄物汚染水の垂れ流し
●強引な県病院つぶしと巨大病院構想
●県民の意見を聞かない高校統廃合原案
●前教育長の官製談合事件への甘すぎる対応
●不透明な県外企業優遇

こうした行政の腐敗が連鎖しています。そして、「広島は古臭い」というイメージが全国に広がり、人口流出や移住者減少につながっています。

◆必要なのは「政策・政治姿勢本位」の政治への転換だ

いま必要なのは、政党の都合ではなく、政策と政治姿勢で候補者を選ぶ政治文化である。

そのためには──

●選管主催の公開討論会を軸とした選挙制度への移行
 お金や組織力に左右されず、候補者の政策や政治姿勢を市民が直接判断できる制度が必要です。

●小選挙区比例代表並立制(1994年政治改革)の見直し
二大政党の“エライ人”の目にかなわなければ立候補すら難しい現行制度は、市民政治を阻害しています。

●政策・政治姿勢本位の候補者選び
 党派ではなく、個人の倫理・覚悟・能力で選ぶべきです。

●高すぎる供託金の廃止・大幅引き下げ
  被選挙権の制限は憲法違反です。

◆市民・県民の手に政治を取り戻すために

2021年再選挙から5年。あの時の不透明な候補者選びは、「政党の都合が市民の政治参加を奪う」という構造の象徴だった。だからこそ今、市民・県民の手に政治を取り戻すという原点に立ち返る必要がある。

広島でも、全国でも、政治を変えるのは政党ではない。市民ひとりひとりであり、候補者の覚悟である。

この5年を教訓に、政策と政治姿勢を軸にした政治を、私たち自身の手でつくり直していきたい。「庶民革命ひろしま」では、2027年広島市長選挙・市議会議員選挙・県議会議員選挙に向けて候補者を公募しています。

庶民革命ひろしま 候補者公募要項(案)

(2027年4月執行予定:広島市長選挙/広島市議会議員選挙/広島県議会議員選挙)

庶民革命ひろしまは、2027年4月に予定されている広島市長選挙、広島市議会議員選挙、広島県議会議員選挙に向け、広く市民から候補者を公募します。

私たちは、庶民とともに広島の未来をつくる意思を持ち、法令順守と人権尊重を基礎とした健全な政治活動を行うことのできる方を求めています。

1.募集する選挙区・職種

広島市長選挙(広島市全域)
広島市議会議員選挙(広島市内各区)
広島県議会議員選挙(広島県内各選挙区)

2.応募資格

以下のすべてを満たす方。

25歳以上
庶民とともに広島の未来をつくる覚悟がある方

選挙区要件
広島市長選挙:日本国籍を有し、広島市長の被選挙権を持つ方
広島市議会議員選挙:広島市民
広島県議会議員選挙:広島県民
法令順守の姿勢を持ち、学ぶ意欲がある方
(憲法の基本原則、公職選挙法、行政の中立性など)
ハラスメントを行わず、人権を尊重できる方
団体の行動規範に従い、組織と協力して活動できる方

3.求める人物像

市民の声を丁寧に聞き、対話を重視できる方
行政との適切な距離感を理解し、政治的中立性を尊重できる方
批判や逆風に対して冷静に対応できる精神的安定性を持つ方
SNSを含む情報発信において節度と責任を持てる方
自己中心的ではなく、公共性を優先できる方
忠告や助言を受け入れ、改善できる柔軟性を持つ方

4.選考プロセス(3段階方式)

【第1段階:エントリーシート提出】

以下の書類を提出していただきます。

履歴書
志望動機書
行政・市民活動の経験(任意)
SNSアカウント一覧
法令順守に関する自己評価(簡易フォーム)
※この段階では「知識の量」ではなく「姿勢」を重視します。

【第2段階:記述式審査(ハラスメント・行政倫理)】

民間企業レベルの基準を参考に、以下のテーマについて記述していただきます。
被害者から相談があった場合の対応
行政機関との距離感に関する理解
候補者として避けるべき行動
自己の誤りにどう向き合うか
ボランティア・市民・職員への配慮
※社労士・外部専門家の意見を取り入れた設問を使用します。

【第3段階:面接(複数名)】

忠告を受け入れる姿勢
精神的安定性
市民との対話能力
団体方針への理解
ハラスメント・法令順守に関する価値観
行政との距離感
必要に応じて、外部の広島市民による面接協力を依頼する場合があります。

5.行動規範(コンプライアンス誓約)

候補者には、以下の行動規範への署名を求めます。
ハラスメントを行わない
行政機関の政治的中立性を侵害しない
出納責任者に不当要求を行わない
SNSでの不適切行為を行わない
団体の名誉を損なう行為を行わない
法令順守を最優先とする

6.合格者ゼロの可能性について

基準に満たない場合は、該当者なしとします。
代表者を含め、誰であっても同じ基準で評価します。

7.応募方法・締切

(※ここは毎週土曜日21:15-オンラインで開催される庶民革命ひろしま総会で決定後に追記)

8.問い合わせ先

庶民革命ひろしま 佐藤 09031714437 hiroseto2004@yahoo.co.jp

庶民革命ひろしまでは、毎週土曜日21:15― オンラインおしゃべり会=総会を開催しています。

どなたでもご参加いただけます。入退室自由。お待ちしております。

ミーティングID:4117183285
パスコード:5N6b38

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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