遠慮・忖度一切なし!《本音の対談》黒薮哲哉×田所敏夫〈05〉「押し紙」は新聞にとって致命的

◆日本の新聞とニューヨークタイムズの違い

田所 新聞は批判勢力では決してない。拡声器であったり補完勢力と思います。新聞の「押し紙」問題を長年取材なさっている黒薮さんが、今もう新聞を取っていらっしゃらないんですよね。

 
田所敏夫さん

黒薮 そうです。

田所 私は50代ですが、同じ世代を見回しても、新聞は取っていない人のほうがたぶん多いです。

黒薮 新聞はインターネットと違って検索機能がありません。記事にリンクが張れない。ネット上のニュースは関連した情報を引き出すことができるけども新聞にはそれできない。情報の量で新聞はネットに圧倒的に劣っています。

田所 かつて新聞は速報性と若干の解説の役割を担っていたと思います。テレビも速報性はありますが、テレビニュースの時間は限られています。新聞は深くではないけども網羅的に報じる役割が一定程度あったでしょうが、インターネットがここまで浸透すると新聞はかないませんね。ニューヨークタイムズなどは紙の発行を止めてすべて電子化しようとしていますが、日本の新聞と異なり売り上げを伸しています。

◆生の資料を公開するウィキリークスのインパクト

 
黒薮哲哉さん

黒薮 それは言語の優位性もあるでしょう。ネットと新聞の違いが典型的に現れているのがウィキリークスです。ウィキリークスは生の資料を公開しています。新聞ではそれができません。真似をしているわけではありませんが私のウェブサイト(メディア黒書)でも証拠資料をそのまま公開しています。それにより情報の信ぴょう性が高まるわけです。

田所 元資料を実際に目にすると受けてのインパクトが違いますね。

黒薮 重い裏付けが取れるということです。

田所 黒薮さんは情報公開請求をされて、手に入れた黒塗りだらけの資料を公開されます。「何も答えていない」と書いて説明するよりも、実物を見るとよくわかります。

黒薮 真っ黒に塗り鋳つぶされた大量の資料を全部そのまま公開すれば、「これだけ閉鎖的な国なんですよ」というメッセージになります。資料は決定的に大事です。良い方向に考えればジャーナリズムもそのように変って行くのでしょう。将来的には規制が出てくる可能性はありますが。

田所 ネットがこれだけ大きな比重を占める生活の中で、ジャーナリズムは強い武器を手に入れたはずですが、日本人はまだウィキリークスのように充分に使いこなせていないのではないでしょうか。

黒薮 ウィキリークスの偉いところは、自分達よりも大きなニューヨークタイムズのようなメディアと連携して、事件を暴露するスタイルです。日本にウィキリークスのようなメディアを作っても連携先が無いでしょう。権力者にとって決定的な資料を手に入れても大手メディアは公開しませんから。

◆「報道」より「拡販」に社運をかける日本の大新聞

田所 大新聞の政治部記者やテレビ局の中に、権力者とベタベタしているように見せかけて、匿名で情報を提供してくれる人が昔はいましたし、今もたぶんいると思います。『週刊文春』だけであれだけの情報がわかるはずはないと思います。ただそのようなことが大胆に機能できるほどではない。

黒薮 提携先が無いということです。

田所 マスメディアにはジャーナリズムの機能が備わっているはずですが、日本では常にコマーシャリズムが勝ってしまい、個人の記者が何かを暴くことはありますが、新聞社が腹を据えて何かを暴くということを今のマスコミには絶対期待できませんね。絶対という言葉は軽々に使ってはいけない言葉ですが。

黒薮 社運をかけて新聞の「拡販」をすることはありますが(笑)。

田所 「拡販」を少し説明していただけますか。

黒薮 「拡販」はビール券や洗剤など商品を提示することによって新聞購読の契約を結んでもらうことです。

田所 新聞契約を結んでもらうために、契約者になんらかの品物を提供する。

黒薮 多いのは、ビール券や洗剤ですが、テレビや電子レンジ自転車等を使うこともあります。高価な品を使って5年間ぐらいの契約を結んでもらうのです。

田所 高価なものだと契約期間が長いのですね。「拡材」という呼び方もしますね。(つづく)

◎遠慮・忖度一切なし!《本音の対談》黒薮哲哉×田所敏夫
〈01〉「スラップ訴訟」としての横浜副流煙事件裁判
〈02〉横浜副流煙事件裁判のその後 
〈03〉禁煙ファシズムの危険性 ── 喫煙者が減少したことで肺がん罹患者は減ったのか? 
〈04〉問題すり替えに過ぎない“SDGs”の欺瞞
〈05〉「押し紙」は新聞にとって致命的

▼黒薮哲哉(くろやぶ てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。著書に『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社)がある。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

田所敏夫『大暗黒時代の大学 消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY007)
最新刊! 月刊『紙の爆弾』2023年4月号

「押し紙」と表裏関係、折込広告の水増し問題、古紙回収業者の伝票が示す凄まじい実態 黒薮哲哉

事実を裏付ける資料は、報道に不可欠な要素のひとつである。新聞や雑誌などの紙媒体はスペースに制限があるので、資料を全面公開するには物理的な限界があるが、インターネット・メディアには限界がない。この当たり前の原理を最も有効に生かしたメディアは、恐らくジュリアン・アサンジが設立したウィキリークスではないか。生の資料を公開することで、記事の記述の裏付けを提示している。

先日、筆者は読売新聞販売店の元店長から、膨大な量の内部資料を入手した。その中で注目した資料のひとつに、古紙回収業者が販売店に発行した伝票がある。そこには業者が回収した残紙量と折込広告の量が明記されている。

残紙の実態は、「押し紙」裁判などを通じて、かなり明らかになってきたが、水増しされ、廃棄される折込広告の数量が伝票上で明らかになったのは、筆者の取材歴の中では今回が初めてである。抜き打ち的に伝票を写真付きで紹介しよう。

◆過剰になった折込広告を裏付ける伝票

まず伝票で使われている用語について事前に説明しておこう。「残新聞」とは残紙(広義の「押し紙」)のことである。「色上」とは、折込広告の事である。年月日の表記は、元号で表記されている。従って本稿でも例外的に元号を使用する。ただし(括弧)内に正規の年月日を示した。

元店長によると、古紙回収業者は月に2回から3回、残紙と折込広告を回収していたという。

■平成27(2015年)年8月26日
残新聞:6480kg
色上(折込広告):1210Kg

■平成28年(2016年)11月21日
残新聞:7320kg
色上:1250Kg

■平成30年(2018年)7月5日
残新聞:7010kg
色上:810Kg

水増しされ、廃棄される折込広告の数量が記された3通の伝票

◆折込広告の水増しの背景

折込広告が水増し状態になる背景には、残紙の存在がある。残紙とは、広義の「押し紙」、あるいは「積み紙」のことである。広告代理店が販売店に割り当てる折込広告の枚数(折込定数)は、新聞の搬入部数に一致させる基本原則がある。そのために搬入部数に残紙が含まれていても、残紙分の折込広告がセットになってくる。その結果、折込広告の水増しが生ずるのだ。

もっとも最近は、残紙問題を知っている広告主が多く、折込広告を発注する段階で、自主的にABC部数よりも少ない数量に折込枚数を調整することが多い。それにもかかわらず折込広告が水増し状態になるケースが少なからずある。

今回、紹介した3通の伝票を見る限り、残紙の量と過剰になった折込広告の量がアンバランスになっている。大野新聞店は新聞代金が納金できなくなり、廃業に追い込まれており、従って折込広告を過剰に受注していたとはいえ、それによる利益よりも、残紙による被害額の方が大きかった可能性が高い。

◆「押し紙」問題と折込広告の水増し問題
 
従来、「押し紙」問題といえば、新聞業界内部の商取引の問題として認識されてきたが、折込広告の水増し問題が絡んでくると、業界の境界を超える。しかし、「押し紙」裁判で、広告主が受ける被害について徹底した審理が行われることはあまりない。裁判の争点が、新聞社と販売店の商取引に限定されるからだ。

しかし、折込広告の水増し問題を放置し続ければ、広告主が被害を被る状況が延々と続く。公正取引委員会も、裁判所もそれを承知の上で、新聞社の「押し紙」政策を容認してきた経緯がある。新聞業界の汚点を逆手に取れば、メディアコントロールが容易になるからだ。

次に示すYouTube動画は、山陽新聞の元店主が撮影したものである。新聞販売店の店舗から搬出されてトラックに積み込まれる段ボール箱の中には、残紙と水増しされて過剰になった折込広告が入っている。

段ボールは「親会社」から提供されていたという。

動画を撮影した店主は、山陽新聞の販売会社を相手に「押し紙」裁判を起こし勝訴(2011年3月15日、岡山地裁)した経緯がある。判決の中で裁判所が折込広告の水増し行為を認定したわけではないが、この事件が折込広告の水増しについて考察する糸口を与えた。
 
折込広告の水増し行為は、「押し紙」問題と表裏関係にある。そのための材料を今回、大野新聞の元店長が新たに提供してくれたのである。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)
月刊『紙の爆弾』2023年4月号

毎日新聞網干大津勝浦店の事件、担当員の個人口座に新たに485万円の「裏金」振込が判明、総額で900万円に、背景に深刻な「押し紙」問題 黒薮哲哉

この記事は、毎日新聞・網干大津勝浦店の元販売店主が販売局員の個人口座に金を入金した事件の続報である。1月25日付けのデジタル鹿砦社通信で筆者は、『毎日新聞販売店、元店主が内部告発、「担当員の個人口座へ入金を命じられた」、総額420万円、エスカレートする優越的地位の濫用』と題する記事(以下「第1稿」と記す)を掲載した。

タイトルが示すように元販売店主が、「押し紙」を含む新聞の卸代金を販売局員の個人口座に入金するように命じられたとする内容である。元販売店主による内部告発だ。

「押し紙」の回収風景。本稿とは関係ありません。

これに対して毎日新聞東京本社の社長室は、筆者がコメントを求めたのに対して、「調査中であり、社内で適切に対応していきます」と回答した。

その後、筆者は不透明な入金を裏付ける別のデータを入手した。と、いうよりも筆者が、第1稿を公表した際に見落としていたデータがあったのだ。本稿では、新たに分かった店主による入金の年月日と入金額を補足しておこう。

金銭の振り込みを命じた毎日新聞社の人物は、第1稿で言及したのと同じ山田幸雄(仮名)担当員である。既に述べたように筆者は、1月5日に現在は毎日新聞・東京本社に在籍している山田担当に対して電話で、次の3点を確認した。

①電話の相手が、毎日新聞社販売局に所属している山田幸雄氏であること。

②山田氏が大阪本社に在籍した時代に、網干大津勝原店を担当した時期があること。

③網干大津勝浦店の元店主(内部告発者)に面識があること。

◆支払いの年月日と金額

新たに分かった金の振り込み年月日と金額は次の通りである。

※資料との整合性を優先して、日付けは例外的に元号で表記する。読者の混乱を避けるために西洋歴も()に記した。

・平成30年12月03日:900,000円(2018年)
・平成31年01月04日:800.000円(2019年)
・平成31年02月04日:800,000円(2019年)
・平成31年03月05日:1,453,090円(2019年)
(以上の裏付けは、西兵庫信用金庫の預金通帳等による)

・令和02年02月05日:895,382円(2020年)
(以上の裏付けは、西兵庫信用金庫の取扱票等による)

今回、明らかになった山田担当への入金額は、約485万円である。前回の記事で紹介した額の総計は、約420万円だった。現時点で判明しているだけでも、約900万円のグレーな資金が発生したことになる。

本稿で紹介した5件のケースでは、金が振り込まれた時期がいずれも月の初旬になっていることに着目してほしい。販売店が前月の新聞代金の集金を完了する時期と重なる。読者から店主が集金した購読料を、山田担当の個人口座に振り込んだ構図になる。

当時、元店主は深刻な「押し紙」で苦しんでおり、担当員から「自分の口座に金を振り込めば、便宜を図る」という意味のことを言われたと話している。つまり新聞代金の一部を個人口座に振り込めば、「押し紙」を含む新聞代金の支払いを免除すると言うニュアンスである。店主が不透明な金を振り込んだ動機と、店主が直面していた「押し紙」問題が整合している。

◆Twitter上で「担当員が納金立て替えて」

ネット上では、この問題に関するTwitterによる投稿も現れた。たとえば、「元店主」というアカウント名の次の投稿である。

面白いなぁ。
担当員が納金立て替えてて、その返済の可能性は? 最後の方、金額が2万とか5万とかしょぼくなってるのは返済に窮していく感じするけど。続報楽しみ。

この問題に関する「元店主」というアカウント名によるTwitter投稿

「裏金」の目的は、店主の説明によると、「押し紙」を軽減してもらうためであり、Twitterの「元店主」の推論は、「押し紙」代金を払うための担当員への借金の返済である。

一方、山田担当は、この件について「記憶にない」と話している。(1月5日の電話)。

しかし、元店主が西兵庫信用金庫の口座から、「やまだゆきお」名義の口座に多額の資金を振り込み続けた記録があり、金銭が移動したこと自体は公式の書面上では紛れない事実である。筆者は、さらに取材を進める。(つづく)

「押し紙」の回収風景。本稿とは関係ありません。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』(鹿砦社)
月刊『紙の爆弾』2023年3月号

毎日新聞・販売店元店主が内部告発、「担当員の個人口座へ入金を命じられた」、総額420万円、エスカレートする優越的地位の濫用 黒薮哲哉

毎日新聞・網干大津勝原店(姫路市)の元店主から、筆者が入手した預金通帳や「取扱票」を調べたところ、元店主から毎日新聞社の担当員の個人口座に繰り返し金銭が振り込まれていることが判明した。金銭どのような性質のものなのかは現時点では不明だが、この販売店は昨年の12月に、「押し紙」が原因で廃業に追い込まれており、金額の中に「押し紙」により発生した金額が含まれていた可能性もある。

元店主は、次のように話している。

「山田幸雄(仮名)担当から個人口座への金銭の振り込みを命じられました。『押し紙』代金の支払いに窮しており、指定された個人口座に新聞代金を振り込めば、特別な取り計らいをすると言われました」

筆者は、毎日新聞・東京本社の山田担当に電話で事実関係を確認した。まず、本人が毎日新聞社販売局に所属している山田幸雄氏であることを確認した。次に山田氏が大阪本社に在籍した時代に、網干大津勝原店を担当した時期があることを確認した。さらに元店主と面識があることを確認した。

しかし、山田氏は元店主による告発内容については、「記憶にない」と話している。

「毎日新聞」の「押し紙」(ビニール包装分)、折込チラシ(新聞包装分)。いずれも秘密裡に廃棄されている

◆総額約420万円の内訳明細

元店主が山田担当の個人口座に送金した日付と金額は次の通りである。

※記録性を優先して預金通用が採用している元号で表示する。

平成30年4月10日:200,000
平成30年6月7日: 100,000
平成30年7月2日: 550,000
平成30年7月23日: 80,000
平成30年9月3日: 900,000
平成30年10月1日:900,000
平成30年11月1日:900,000

令和2年1月17日: 50,000
令和2年2月6日: 20,000
令和2年2月17日: 300,000
令和2年3月6日: 90,000
令和2年4月7日: 50,000
令和2年5月19日: 50,000

平成30年度(2018年)の合計は、363万円である。また令和2年度(2020年度)の合計は、56万円である。総計で419万円が山田担当の個人口座に振り込まれたことになる。

個人口座への振り込みを裏付ける資料の一部。取扱票

◆里井義昇弁護士が新聞代金・約3,900万円を請求

既に述べたように元店主は昨年12月に販売店の改廃に追い込まれた。その際に、毎日新聞社から、里井義昇弁護士(さやか法律事務所)を通じて、3,915万5,469円を請求された。請求の中身は、里井弁護士によると、「未払新聞販売代金」である。仮に元店主が山田担当の個人口座に振り込んだ金額に、「押し紙」で発生した卸代金が含まれていたとすれば、里井弁護士が行った約3,900万円の請求にも問題がある。

実際、元店主は同店には大量の「押し紙」があったと話している。「押し紙」を排除してほしかったから、担当員の個人口座に金銭を振り込んだのである。

「押し紙」の程度については、現在、発証数などを過去にさかのぼって調査しているので、詳細が判明した段階で公表する。

◆背景に新聞社の優越的な地位
 
新聞社の系統を問わず、販売店主が担当員の個人口座に金を振り込まされたという話は、しばしば耳にしてきた。昔は、「担当員になればすぐに家が建つ」と言われた。店主が担当員を接待するのは当たり前になっている。網干大津勝浦店の店主も新聞社の担当員らを姫路市の魚町で接待することがあったという。

今回、筆者が得た預金通称など内部資料により、金銭の流れについての裏付けが得られた。

新聞社の販売店に対する優越的地位の濫用はここまでエスカレートしているのである。

【毎日新聞・社長室のコメント】
 調査中であり、社内で適切に対応していきます。

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ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

《書評》『紙の爆弾』2月号 諸悪の根源、電通を叩け 横山茂彦

新年、明けましておめでとうございます。厳しい政治経済状況のなか、皆様の一年が良い年でありますよう、心から祈念いたします。

 
好評発売中! 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

さて、われわれの社会は批判的な視点、批判の武器こそが発展の糧であります。その意味では活字を媒介にした雑誌メディアは、創造的な社会・文化の原動力とも言うべき役割を果たすものと思料します。

一般論で言っているわけではありません。政治批判・社会批判の切っ先を鈍らせ、あらかじめ企業批判の制約をかけるシステムが、メディアの中にも存在するからです。そう、その元凶は電通をはじめとする広告代理店、イベント代理店の存在にほかなりません。広告スポンサーの威力をもってジャーナリズムの機先を制す。この悪習はいまだ、わが国の前途を覆っているといえましょう。

『紙の爆弾』2月号は、まさにこの悪習が東京五輪という公共性を持ったイベントを食いものにしてきたこと、その中枢で電通が果たした悪行を暴露する記事が巻頭を飾りました。以下、読みどころを掻い摘んでご紹介しましょう。

『紙爆』2月号では、本間龍と片岡亮の論考「電通のための五輪がもたらした惨状」「東京五輪グッズ 新たな汚職疑惑」が、電通の犯罪的な立ち回りをあますところなく暴露している。あらためて、広告収入に頼らない本誌ならではの記事と称賛を贈りたい。

まず、電通が単体で世界最大の企業、グループで第6位に入るコングロマリットであることに、あらためて驚かされる。同じく男性衣料のトップメーカーである青木、出版界における最大手KADOKAWAと結びつくことで、電通の東京五輪は巨大疑獄へと発展したのだ。

広告代理店のシステムは、そもそも業界内提携にある。ビッグイベントに対しては、スポンサー契約という枠組みで利権の配分を「オフィシャルサポーター」としてグッズの販売、関連商品の販売特権をスポンサーに付与する。今回の場合は高橋治之被告が元電通役員であり、五輪組織委員会理事という立場を利用した贈収賄・官製談合だったところに、構造的な利権が露呈した。

かつて、電通のキャッチフレーズに「電通には人いがいに何もありません」というものがあった。そう、広告代理店業界は人脈と業界内の提携があるのみで、あとは芸術家づらをしたデザイナーと制作会社があるだけなのだ。小さな代理店に友人が居たら、その事務所に行ってみるといい。壁に代理店の電話・ファックスの一覧表が貼ってあるはずだ。

もちろんデータ通信、Eメールでも業務は行なっているが、主要なやり取りは電話とファックスである。なぜならば、広告クライアントの代理店同士のやり取り(年間広告費管理)は、すべて人対人の交渉力で決まるからだ。ほとんどすべての代理店が、電通と博報堂、東急エージェンシーなどの大手代理店に系列化されている。

その意味で、電通に「人いがいに何もありません」は実態を照らしているが、その人脈が国家レベルの巨大イベントに係る、人と人の関係、すなわち贈収賄であれば看過できない。本間は電通談合ルート構造がオリンピックの発注金額の膨張につながったこと、それを看過してきた大手メディアの責任を問いただす。大手メディアがスポンサー(電通)に慮るのであれば、司直の厳しい追及をうながすためにも、われわれのような在野メディアが奮闘するしかない。

片岡亮の「東京五輪グッズ疑惑」も、その背後に電通という「本丸」があることを指摘するが、取材は公式グッズの販売現場からだった。片岡はクアラルンプールの日系ショッピングモールで、一枚のTシャツを発見する。そのTシャツには、東京五輪のエンブレムとタグが付いていたが、胸のエンブレムは別のデザインで塗りつぶされていた。別デザインで塗りつぶしたのは東京五輪が終わったからだが、片岡が取材したところ、そこにはマネーロンダリングと旧エンブレム(デザインのパクリ疑惑で取りやめ)という、いかにも利権がらみの背景が判明したのだ。マネーロンダリングは日本から輸出することで、名目的な売り上げが五輪関係者に計上される、いわば伝票上の予算消化である。旧エンブレムの塗りつぶしは、あらためてデザイン選考が出来レースだったことを露呈させた。

これら五輪スポンサードに係る利権、グッズ販売における不透明な構造は、膨大なものになった建設予算とその後の管理費をふくめた収支決算として、情報公開が求められるところだが、大手メディアには期待できない。内部告発をふくめた、電通城の攻略こそジャーナリズムの使命ではないか。

◆左派の新党を待望したい

ほかに、統一教会被害の救済新法をめぐる各政党の思惑、公明党と立憲民主党の内幕が明らかにされています。「創価学会・公明党 救済新法骨抜きの重いツケ」(大山友樹)「ザル法に賛成した立憲民主党の党内事情」(横田一)。創価学会・公明党の場合は自公路線による支持者の減少、立憲民主党の場合は維新との共闘による独自性(および野党共闘)の喪失ということになるが、れいわ新選組を除いて野党共闘に展望があるとも思えない。共産党や社民党など、賞味期限の切れた党に代わる、たとえば参政党のような求心力のある左派の登場が待たれる、と指摘しておこう。

◆レールガンは脅威か、平和の使者か

小さな記事だが、マッド・アマノが注目する「レールガン(電磁砲)」が気になる。究極の防衛システムは、電磁波を発生させることで、誘導ミサイルや戦闘機など、電気で動く兵器を無力化するものだ。通常は核爆発による電磁波の発生で、電子系の兵器は無力化されると考えられている。そんな武器が手軽に、3Dプリンターで製作できるというのだ。ミサイル制御の精密電子装置の有効性は、ウクライナ戦争でいかんなく証明された。そして超高速兵器の脅威やドローン(パソコン誘導)の有効性も明らかになっている。最前線が電子機器である以上、それらを無力化する兵器が待望される。願わくば、すべての武器を無力化する「レールガン」の登場を。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年2月号

新聞業界から政界へ政治献金598万円、103人の政治家へばら撒き、21年度の政治資金収支報告書で判明 黒薮哲哉

昨年の11月に総務省が公開した2021年度の政治資金収支報告書によると、新聞業界は政界に対して、総額で598万円の政治献金を行った。献金元は、新聞販売店の同業組合である日本新聞販売協会(日販協)の政治連盟である。さすがに日本新聞協会が政治献金を支出するわけにはいかないので、パートナーの日販協が献金元になっているのである。

わたしが知る限り、献金が始まったのは1990年代の初頭である。当時は、元NHKの水野清議員や、元日経新聞の中川秀直議員らに献金していた。

2021年度の献金先は、延べ103人の政治家(政治団体)である。献金先が100件を超えたのは、同年の秋に衆院選が実施されたことが影響している。実際、献金先の政治家の大半は衆院選の候補者だった。

献金先の候補者が所属する政党の大半は自民党だった。公明党の候補と立憲民主党の候補も若干含まれていた。

次に示すのが献金の実態である。(掲載の都合上、2つの表に分割して表示した)

セミナー料金等
寄付金1

◆自民党安倍派へ64万円

献金の実態について、何点か特徴を指摘しておこう。
 
最も献金額が多いのは、清和政策研究会(現在は安倍派)に対するものである。64万円である。清和政策研究会は「保守本流」、「親米」、「タカ派」、「復古主義」などのキーワードで特徴づけられる自民党の派閥である。前会長は、改めて言うまでもなく、故安倍晋三首相だった。

高市早苗議員に対して、セミナ料―16万円と寄付5万円の総計21万円を献金している。また、中川雅治議員に22万円、柴山昌彦議員に25万円の献金を実施している。

日販協による献金の支出で最も特徴的なのは、小遣い程度の金額(5万円)を多人数の政治家にばら撒いていることである。このばら撒きスタイルは昔から一貫して変わらない。

◆政治献金と引き換えに「押し紙」政策の黙認

献金の目的は、わたしの推測になるが次の4点である。

 ①新聞に対する軽減税率の適用措置継続
 ②新聞に対する再販制度の継続
 ③NIE(教育の中に新聞を運動)の支援
 ④「押し紙」政策の放置

いずれも新聞社経営に直接かかわる問題である。消費税は、「押し紙」にも課せられるので軽減税率の適用措置の継続は、大量の「押し紙」を抱えている新聞業界にとっては不可欠である。

【参考記事】新聞に対する軽減税率によるメリット、読売が年間56億円、朝日が38億円の試算、公権力機関との癒着の温床に

また、再販制度は、新聞販売店を新聞社の下部組織としてコントロールする上で重要な制度である。再販制度が撤廃されて販売店相互が自由競争を展開すれば、販売網が崩壊するからだ。

NIEは、若年層に向けた新聞の有力なPR手段となっている。NIEが実を結び、現在の学習指導要綱(小・中・高校)には、授業での新聞の使用が明記されている。新聞を卓越した「名文」と位置づけて使用する。

さらに献金により、独禁法違反の「押し紙」の取り締まりを回避することで、新聞社が莫大な利益を得る構図がある。次の記事を参考にしてほしい。

【参考記事】「押し紙」を排除した場合、毎日新聞の販売収入は年間で259億円減、内部資料「朝刊 発証数の推移」を使った試算 

ここにあげた①から④の殺生権を政府などの公権力機関が握った場合、新聞ジャーナリズムに負の影響が生じることは言うまでもない。日本の新聞が政府広報の域をほとんど出ない最大の理由である。

新聞業界から政界への政治献金の提供は、両者の癒着関係を物語っている。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2023年1月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年冬号(NO NUKES voice改題 通巻34号)

サラ金・商工ローンによる取り立てから、「押し紙」代金の取り立てへ、毎日新聞・網干大津勝原店の改廃事件 黒薮哲哉

企業には広報部とか、広報室と呼ばれる部門がある。筆者のようなルポライターが、記事を公表するにあたって、取材対象にした企業から事実関係や見解などを聞き出す時にコンタクトを取る窓口である。新聞社の場合は、ある程度の記者経験を積んだ者が広報の任務に就いているようだ。

 
毎日新聞大阪本社(出典:ウィキペディア)

今月に入って、兵庫県姫路市で毎日新聞・販売店の改廃にともなう事件が起きた。店主が、新聞の仕入れ代金などで累積した約3916万円の未払い金の支払いを履行できずに、廃業に追い込まれたのである。公式には双方の合意による取引の終了である。

請求は、さやか法律事務所(大阪市)の里井義昇弁護士が販売店主に内容証明で催告書を送付するかたちで行われた。里井弁護士は、催告書の中で、店主が積み立てた信認金(約80万円)を未払い金から相殺することや、12月分の読者からの新聞購読料は毎日新聞社のものであるから、店主が集金してはいけない旨も通知していた。

集金した場合は、「株式会社毎日新聞社としましても、民事上のみならず、それにとどまらない刑事上のものを含めた法的対応を講ずることを検討せざるを得ませんので、たとえ購読者の方より申し出がありましても、一切収受等することなく、後任の販売店主への支払いをと伝えられるようご留意ください」と述べている。
 
かりに請求金額に「押し紙」による代金が含まれていれば、実に厚かましい話である。

◆「押し紙」問題に向き合わない毎日新聞の社員

 
毎日新聞の「押し紙」。ビニール包装分が「押し紙」で、新聞包装分が折込広告。記事とは関係ありません

毎日新聞社は、この販売店に対する新聞の供給を15日から停止している。そして別の拠点から配達を始めた。

毎日新聞が請求している約3916万円の中身については、今後、筆者が調査して、「押し紙」が含まれていれば、「押し紙」裁判を起こす方向で検討する。クラウドファンディングで裁判資金を募る予定だ。

また、里井弁護士に対しては、懲戒請求を視野に入れる。「押し紙」であることを認識していながら、高額な金銭を請求した可能性があるからだ。里井弁護士は過去にも「押し紙」裁判にかかわった経緯がある。従って「押し紙」とは、何かを知っている可能性が高い。

筆者はこの改廃事件についての毎日新聞の見解を知るために、同社の東京本社・社長室広報ユニットに対して2度に渡って問い合わせた。(質問状は、文末)しかし、返ってきた答は、いずれも「個々の取引に関することは、お答えできません。」というものだった。たったの1行だった。回答者は、石丸整、加藤潔の両社員である。

わたしは2人の社員が「押し紙」問題から逃げていると思った。自分たちが制作した新聞を配達してくれる人が、借金を背負ったまま露頭に放り出されようとしているのに、何の声もあげない冷酷さに驚いた。

筆者は、「押し紙」問題は、商取引の問題であると同時に、人権問題である旨を2人にメールで知らせ、再度回答するように求めたが、やはり回答しなかった。筆者は、2014年12月17日にしばき隊が起こしたリンチ事件の後、識者の多くが事件の隠蔽に走ったことを思い出した。

これは日本が内包する深刻な社会病理なのである。企業社会の中で身体にしみ込んだ処世術に外ならない。

ちなみに日本新聞協会の会長は、毎日新聞社の丸山昌宏社長である。

◆弁護士が資金回収の最前線に

かつてサラ金や商工ローンの厳しい取り立てが社会問題になったことがある。「目の玉を売れ」とか、「腎臓をひとつ売れ」といった罵倒を浴びせて、借金を取り立てることもあった。幸いにこの問題には、メスが入った。武富士は倒産し、同社の代理人を務めていた弘中惇一郎らに対する信用も堕ちた。

かつて社会問題の矢面に立ったサラ金の武富士(出典:ウィキペディア)

「押し紙」の取り立ても、サラ金や商工ローンと同様に凄まじい。毎日新聞・網干大津勝原店の場合は、弁護士が資金回収の最前線に立っている。幸いに現時点では、催告書の送付以外に毎日新聞社の目立った動きはないが、今後、どのような手段に出てくるのかは予断を許さない。

店主には、妻子がいる。

「自分はどうなってもいいが、妻子を露頭に迷わすわけにはいかない」

と、話している。

失業の不安が頭から離れないらしく、毎日、筆者のところに電話がかかってくる。筆者も新聞業界の裏金問題を取材していて業界紙を解雇された体験がある。失業後は、未来が描けないことが苦痛だった。店主も同じ気持ちではないか。

これまで何人もの店主がみずから命を絶っている。失踪者もいる。週刊誌もたびたび店主の自殺を報じているので、新聞社の社員が「押し紙」の悲劇を知らないはずがない。だが、毎日新聞の2人の社員は、自社の問題であっても、逃げの一手なのである。

筆者は2人に対して、会社員としてではなく独立した個人として「押し紙」を告発するように書き送ってみたが、やはり回答はなかった。

この問題は、今後、内部資料を精査し、現地を取材して、続報を出していく。筆者が毎日新聞社に送付した2通目の質問状は次の通りである。回答は、既に述べたように、「個々の取引に関することは、お答えできません。」の1行だった。

筆者は、新聞社の社員が1行の作文しかできない事実に驚愕した。

◆毎日新聞社に対する公開質問状

               公開質問状

毎日新聞 社長室
石丸整様
加藤潔様

発信者:黒薮哲哉
連絡先:xxmwg240@ybb.ne.jp 電話:048-464-1413

 先日、毎日新聞・網干大津勝原店の改廃問題について問い合わせをさせていただきました。これに対して、貴殿らは「個々の取引に関することは、お答えできません。」と回答されました。

 改めて質問させていただきますが、貴社の「押し紙」問題をわたしが報じる際に、今後、貴社の見解を確認する必要はないと理解してもよろしいでしょうか。この点について、必ず回答していただくようにお願い申し上げます。

 さらにこの機会に、「押し紙」問題について貴社社長室の見解を教えてください。

社長室は、毎日新聞社で最も功績があるジャーナリストで構成されている機関だと理解しております。特に毎日新聞グループホールディングス社長の丸山昌宏氏は、日本新聞協会の会長を兼任するなど、日本を代表する新聞記者です。それを前提に次の4点についてお尋ねします。書面でご回答ください。貴社のジャーナリズムの信用性にかかわる重大問題なので、必ず回答ください。

1、貴社が網干大津勝原店に対し、里井義昇弁護士(やさか法律事務所)を通じて請求されている金額は、約3915万円になります。店主は、この金額は残紙の代金が大半を占めていると話していますが、同店に残紙があったことは認識しておられたのでしょうか。それとも残紙以外の請求なのでしょうか?

2、貴社長室が考える「押し紙」の定義を教えてください。

3、仮に網干大津勝原店の残紙が「押し紙」であっても、貴社は今後も店主に対する新聞代金の請求を続ける方針なのでしょうか? 残紙が「押し紙」であることを知りながら、請求を続ける行為は、サラ金業者の借金取り立てと性質が変わらない蛮行だとわたしは考えています。まして貴社は過去の「押し紙」裁判の中で、和解というかたちで販売店に慰謝料を払ったことが繰り返しあり、「押し紙」の存在を認識しているはずです。実際、貴社の出身である河内孝氏も『新聞社』の中で、「押し紙」の存在に言及されています。

4、貴殿らのジャーナリストとしての「押し紙」についての見解を教えてください。会社員としてではなく、ジャーナリストとしての見解です。

※なお必要であれば、貴社の販売政策を裏付ける内聞資料等を提供させていただきます。
 
回答は、12月22日(木)の夕方までにメールでお願いします。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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とある団地で実際に起きた隣人同士の裁判の背景を、詩的で絵画的に描き切った映画『[窓] MADO』 林 克明

詩的で絵画的な映画だ。12月16日から「池袋HUMAXシネマズ・シアター2」で上映が始まった映画『窓』のことである。とある団地で起きた隣人同士の裁判を背景に、夫婦と娘の三人暮らしの家族が、外部から閉ざされた空間で過ごす日常が描かれている。

映画『[窓]MADO』は12月29日(木)まで池袋HUMAXシネマズ・シアター2で公開中

三人が住む自宅が、まるで閉ざされた牢獄のように感じるのだ。それも、彼ら自ら作った牢獄の中に彼ら自身を押し込めるように。その牢獄内で寄り添って暮らす摩訶不思議な家族の姿が映し出される。

ある団地に住むA家は、年金暮らしのA夫、その妻A子、一人娘のA美の三人暮らである。A夫は、娘が階下から流れてくるタバコの煙害で体調を崩していると思い、第三者を介して団地の集会室で、斜め下に住むB家のB夫とB子夫妻に対し改善を求める。

その後もA美の症状は悪化の一途をたどったため、父親のA夫は、娘の体調やB家とのトラブルを日記につづり始めた。

〇月×日、B夫の車が見えない……、〇月×日△時、B家方面から甘い外国タバコの香り……というように。B家の三人だけに見えている風景や心情が、日記につづられていく。映画はB夫の日記と同時並行で進む。

A夫演じる西村まさ彦の独白音声が流れるのだが、日記の朗読というより詩のように聞こえてくる。それにしても、西村まさ彦は味がある。

その中で、A夫は娘に化学物質過敏症の疑いがあると知り、その原因がB夫のタバコの副流煙だとして、B家に対し4500万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたのだ。

この事件は、横浜・副流煙訴訟という実際に行われた裁判をもとにしており、事件そのものは『禁煙ファシズムー横浜副流煙事件の記録』(黒薮哲哉著・鹿砦社刊)に詳しい。

この裁判では、副流煙被害を訴えるA家の夫が実は最近まで四半世紀にわたり喫煙していたことがわかったり、娘の診断書を書いた医師が実は直接診察していなかったことが発覚するなどの問題が明らかになった。

あるいはA夫が書く日記の内容と、実際のB家がからむ事実とは大きく矛盾していることが多々明らかになっている。
 
禁煙イコール善、喫煙イコール悪という風潮は確かにある。もちろん受動喫煙の問題はあるし、化学物質過敏症の難しさもある。

しかし、実際に起きた訴訟は、目的が正しければ強引なことは許される、すなわち禁煙社会を実現するには理不尽なことも許されるという一部の風潮がなければありえなかった。

実は本作を世に出した監督の麻王MAOは、訴えられたB家の長男(親とは別居)である。自分の家族に起きた実際の事件をフィクション化したわけだ。

公開日舞台挨拶(12月16日 池袋HUMAXシネマズ)

この映画を観る前、同じ集合住宅の隣人であるA家とB家をパラレルに映し出すと筆者は勝手に思い込んでいたが、本作のメインは、煙草の煙で化学物質過敏症をわずらい苦しんでいると主張したA家だ。

映画冒頭から団地の「窓」が多数映される。B夫は窓に向かい延々と日記を書く。その窓の外には、多数の窓が見える。

窓は解放するもので、団地の集合住宅は窓の面積が大きく、構造的には解放感があるはずだ。それなのにスクリーンに映し出される窓には、見えない鉄格子が組み込まれているようなイメージが湧いてくるのである。

鉄格子の内側のA家には、何台もの空気清浄機が設置され、煙草の煙を浄化するための観葉植物の鉢だらけになる。

平凡な団地が異様に美しく撮影されており、しずかな音楽と相まって独特な雰囲気を醸し出す。

ただ、できれば実際の裁判の内容を伝える部分をもう少し入れ、絵画のように異様に美しく幻想的な映画との落差を伝えると、より面白味と怖さがましただろうとは思う。


◎《予告編》映画 [窓]MADO 12/16(金)公開 @池袋HUMAXシネマズ

●12月16日(金)~12月29日(木) ※池袋HUMAXシネマズ8F シアター2
池袋HUMAXシネマズ公式ホームページ 
映画[窓]MADO 公式サイト
映画[窓]MADO 公式ツイッター  

▼林 克明(はやし まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)、『不当逮捕─築地警察交通取締りの罠」(同時代社)ほか。林克明twitter

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西日本新聞を提訴、「押し紙」裁判に新しい流れ、「押し紙」の正確な定義をめぐる議論と展望 黒薮哲哉

「押し紙」裁判に新しい流れが生まれ始めている。半世紀に及んだこの問題に解決の糸口が現れてきた。

11月14日、西日本新聞(福岡県)の元店主が、「押し紙」で損害を被ったとして約5700万円の損害賠償を求める裁判を福岡地裁へ起こした。訴状によると元店主は、2005年から2018年までの間に3店の販売店を経営した。「押し紙」が最も多い時期には、実配部数(実際に配達する部数)が約1300部しかないのに、約1800部の新聞が搬入されていた。

他の「押し紙」裁判で明らかなった「押し紙」の実態と比較すると、この販売店の「押し紙」率は低いが、それでも販売店経営を圧迫していた。

この裁判には、どのような特徴があるのだろうか?

◆多発する「押し紙」裁判、読売3件・西日本2件・日経1件

 
販売店の店舗に積み上げられた「押し紙」と梱包された折込広告

「押し紙」裁判は、今世紀に入ることから断続的に提起されてきた。しかし、新聞社の勝率が圧倒的に高い。裁判所が、新聞社の「押し紙」政策の存在を認定した例は、わたしが知る限りでは過去に3例しかない。2007年の読売新聞、2011年の山陽新聞、2020年の佐賀新聞である。

※2007年の読売新聞の裁判は、「押し紙」が争点になったが、地位保全裁判である。

現在、わたしが取材している「押し紙」裁判は、新たに提起された西日本新聞のケースを含めて次の6件である。

・読売新聞・東京本社VS販売店(東京高裁)
・読売新聞・大阪本社VS販売店(大阪地裁)
・読売新聞・西部本社VS販売店(福岡地裁)
・日経新聞・大阪本社VS販売店(大阪高裁)
・西日本新聞VS販売店1(福岡地裁)
・西日本新聞VS販売店2(福岡地裁)

販売店主の中には、新聞社の販売局員から面と向かって、

「あんたたちが裁判を起こしても、絶対に勝てないから」

と、冷笑された人もいる。確かにここ1年半ぐらいの間に裁判所が下した判決を見ると、残紙の存在が認定されているにもかかわらず販売店が3連敗しており、「押し紙」裁判を起こしても、販売店に勝算がないような印象を受ける。その敗訴ぶりも尋常ではない。いずれの裁判でも、判決の言い渡し日が2カ月から3カ月延期された末に、裁判所が販売店を敗訴させた。しかも、3件のうち、2件では最高裁事務総局が裁判官を交代させている。つまり裁判の透明性に明らかな疑問があるのだ。

◎参考記事:産経「押し紙」裁判にみる野村武範裁判長の不自然な履歴と人事異動、東京高裁にわずか40日http://www.kokusyo.jp/oshigami/16016/

新聞社が日本の権力構造の歯車に組み込まれ、世論誘導の役割を担っているから、裁判所や公正取引委員会などの公権力機関が「押し紙」問題を放置する方針を取っている可能性が高いと、わたしは考えている。認識できないだけであって、ほとんどの国でメディアコントロールは国策として巧みに組み込まれているのである。

 
新聞拡販で使われる景品。「押し紙」を減らすために、販売店は新聞拡販に奔走することになる

◆新聞特殊指定の下における「押し紙」とは?

しかし、販売店を敗訴させる判決は、原告の理論上の弱みに付け込んでいる側面もある。その理論上の弱みとは、新聞の「注文部数」の定義に関する不正確な見解である。

通常、「注文部数」とは、販売業者が卸問屋に対して発注する商品の数量のことである。たとえばコンビニの店主が、牛乳を10パック注文すれば、注文数は10個である。同じように新聞販売店の店主が新聞を1000部注文すれば、それが注文部数ということになる。このような「注文部数」の定義は、半ば空気のようにあたりまえに受け入れられている。わたし自身も「押し紙」問題を扱った旧著や記事で、「注文部数」をそのように捉えてきた。しかし、これは誤りである。

今、この旧来の「注文部数」の定義の再考が始まっている。

「押し紙」問題に取り組んできた江上武幸弁護士は、新聞は特殊指定の商品であり、特殊指定の下での「注文部数」の定義は、コンビニなど一般的な商取引の下での「注文部数」の定義とは異なると主張している。

実際、1964年に公正取引委員会が交付した新聞特殊指定の運用細目は、「注文部数」を次にように定義している。

「注文部数」とは、新聞販売業者が新聞社に注文する部数であって新聞購読部数(有代)に地区新聞公正取引協議会で定めた予備紙等(有代)を加えたものをいう。

※注:文中の地区新聞公正取引協議会とは、日本新聞協会に加盟している新聞社で構成する組織である。実質的には日本新聞協会そのものである。

この定義によると新聞の商取引における「注文部数」とは、実際に販売店が配達している部数に予備紙の部数(搬入部数の2%とされている)を加えた総部数(「必要部数」)のことである。この「必要部数」を超えた部数は、理由のいかんを問わず機械的に「押し紙」という分類になる。販売店と新聞社が話し合って「注文部数」と決めたから、残紙が発生しても「押し紙」には該当しないという論理にはらないらい。

新聞特殊指定の下における「注文部数」とは、「実配部数+予備紙」の総数のことなのである。

江上弁護士は、独禁法の新聞特殊指定が作成された経緯を詳しく調べた。その結果、一般に定着している「押し紙」の定義--「押し売りされた新聞」という定義が、微妙に歪曲されたものであることが分かった。この誤った定義の下では、新聞社は販売店の「注文部数」に応じて、新聞を提供しただけで自分たちに新聞を押し売りした事実はないと主張できる。「押し紙」問題の逃げ道があるのだ。

公正取引委員会は、新聞特殊指定の下で、「注文部数」の定義を厳格にすることで、社会問題になり始めていた「押し紙」を取り締まろうとしたのである。

◆佐賀新聞の独禁法違反を認定

この理論を江上弁護士が最初に提示した裁判は、2020年5月に判決があった佐賀新聞の「押し紙」裁判である。この裁判で佐賀地裁は、佐賀新聞社に対して1066万円の損害賠償を命じた上に、同社の独禁法違反を認定した。

江上弁護士が打ち出した「押し紙」の定義を裁判所が無条件に認めたわけではないが、裁判官は法律の専門家なので、法律が規定している客観的な定義を考慮に入れて、判決を書かざるを得なかった可能性が高い。新聞特殊指定の下における客観的な「押し紙」の定義が示されているのに、それを無視して判決を下すことは、プロの法律家としての良心が許さなかったのだろう。

11月14日に提起された西日本新聞の「押し紙」では、「押し紙」の定義が、重要な争点のひとつになる可能性が高い。それを前提として、新聞社の公序良俗違反や押し売りなどの不法行為などが検証される。新聞社の詭弁は、徐々に通用しなくなっている。

この裁判の原告代理人を務めるのは、江上弁護士らである。

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黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年12月号

日本経済新聞の「押し紙」裁判と今後の課題 ── 露呈した新聞社保護の実態  黒薮哲哉

2022年7月時点における全国の朝刊発行部数(一般紙)は2755万部(ABC部数)である。このうちの20%が残紙とすれば、551万部が配達されることなく無駄に廃棄されていることになる。30%が残紙とすれば、827万部が廃棄されていることになる。1日の廃棄量がこの規模であるから、ひと月にすれば、おおよそ1億6530万部から、2億4810万部が廃棄されていることになる。年間に試算すると天文学的な数字になる。「押し紙」は重大な環境問題でもある。

しかし、裁判所も公正取引委員会も、いまだに「押し紙」問題に抜本的なメスを入れようとはしない。新聞社の「押し紙」政策を保護していると言っても過言ではない。新聞社を公権力機関の歯車として取り込むことによりメディアコントロールが可能になるから、「押し紙」を黙認する政策を取っている可能性が高い。

 
東京大手町の日経ビル(左)(出典:ウィキペディア)

◆書面で20回にわたり減紙を申し入れるも……

筆者は、日本経済新聞(以下日経新聞)を扱う販売店(京都府)が起こした「押し紙」裁判(4月22日判決)の判決文を入手した。判決からすでに半年が過ぎているが、興味深い判決なので内容を紹介しておこう。

この「押し紙」裁判は、販売店主のBさんが2019年の春に起こした。「押し紙」により損害を被ったとして約4700万円の損害賠償などを求めたものである。

判決によると原告のBさんは、「平成28年9月から平成31年3月まで少なくとも合計20回にわたり、被告の担当者に対し減紙を求めるファクシミリを送信」した。つまり書面で新聞の「注文部数」を減らすように繰り返し申し入れていたのである。

請求の期間は2016年4月から2019年3月の3年間だが、それ以前から「押し紙」は存在したという。最も「押し紙」の量が多かったのは、2012年9月だった。次のような部数内訳である。

朝刊送り部数=3259部
朝刊実配数=2285部
残紙=974部

夕刊送り部数=3131部
夕刊実配数=1657部
残紙=1474部

残紙率は朝刊で30%、夕刊で47%である。

書面で減紙の申し入れをしたのは、弁護士のアドバイスに従った結果だった。独禁法の新聞特殊指定は、「販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること(販売業者からの減紙の申出に応じない方法による場合を含む)」を禁止しているので、減紙を申し出た書面の証拠を残しておけば、裁判になった場合に、独禁法違反で請求が認められる可能性が高いからだ。

◆絶望的な判決

判決は、4月22日に下された。結果は、原告Bさんの敗訴だった。損害賠償は全く認められなかった。減紙を申し出た事を示す書面が23通も残っているにもかかわらず、杉山昇平裁判長は敗訴の判決を下したのである。

その理由として杉山裁判長は、Bさんからの書面による減紙要求を受けて、日経新聞の担当者とBさんが話し合いの場を持っていたから、「原告の減紙を求めるファクシミリは被告との協議の前提となる減紙の提案に留まるというべきであり、これをもって確定的な注文とみることはできない」というものだった。

しかし、Bさんは、「話し合いは毎月の訪店時の定例的なものであり、減部数を求めるファクシミリをたたき台にした話し合いではなかった」と話している。

 
「押し紙」の写真。新聞で包装されているのは折込チラシ。本文とは関係ありません

◆新聞特殊指定の下での「押し紙」とは

この裁判では、「押し紙」行為が不法行為にあたるかどうかが争われた。わたしは、今後の「押し紙」裁判のために、原告と被告の双方が新聞特殊指定の定義そのものを明確にする必要性を感じた。それは、2016年に起こされた佐賀新聞の「押し紙」裁判から、販売店の原告弁護団が着目した点である。

従来、「押し紙」の定義は、なんらかの形で「押し売りされた新聞」とされてきた。わたしもかつてはそんなふうに考えて、自著でも、「押し紙」の定義を「押し売りされた新聞」と説明している。しかし、佐賀新聞の「押し紙」裁判で、「押し紙」の定義に新しい観点が加わった。結論を先に言えば、「押し売りされた新聞」という定義は、正確ではない。

独禁法の新聞特殊指定の下における「押し紙」の定義は、新聞の実配部数に予備紙を加えた部数を「必要部数」と位置づけ、それを超える部数のことである。理由のいかんを問わず「必要部数」を超過すれば「押し紙」なのである。「押し売りされた新聞」かどうかは、2次的な問題に過ぎない。「必要部数」を超えて、新聞を提供すれば独禁法違反なのである。新聞社と販売店が話し合いをしたから、「必要部数」を超えて新聞を提供してもいいという論理にはならない。

京都地裁は、この点に関しては、何の言及もしていない。裁判所は、最も肝心な点についての判断を避けたのである。新聞社を保護する姿勢が露呈している。

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