《脱法芸能53》「訴訟の準備をしております」と筆者に警告してきた匿名メール

当連載で前回お伝えしたような奇妙な電話は、私が『芸能人はなぜ干されるのか?』を出版する前からあったことだ。

もう何年も前のことになるが、「何かネタはないか?」と面識のないヤクザ風の男から探りを入れるような電話があったし、「ブローカーをしている」というやはり面識のない人物から「仕事を頼みたい。安室奈美恵の下半身スキャンダルがある」という電話が非通知でかかって来たことがあった。

2014年8月に安室奈美恵の独立騒動が持ち上がったことがあったが、その際、安室と安室に独立を焚き付けているされる人物との関係がクローズアップされ、「これのことだったのか」と思った。

◆「星野の自宅を教えれば、もうメールは送らない」という匿名メールが編集者に届いた後に

つい先日も奇妙な出来事があった。鹿砦社の忘年会で知り合いの編集者からこんな話を聞いた。

「最近、匿名のおかしなメールが届くようになって困っている。さっきもほとんど知っている人がいないはずの携帯メールに、忘年会での僕の様子について書いてあって、まるで自分が監視されているようだ」

そして、その数日後、この編集者のメールに「星野の自宅を教えれば、もうメールは送らない」という趣旨のメールが届いたという。

そして、12月28日に私のメールアドレスに届いたのが次の文章である。

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警告

鹿砦社通信について

こちらも憤慨の気持ちが収まらず、刑事事件として警視庁本部ならびに原宿警察署、そして東京地方検察庁に対して被害届を申請する運びといたしました。

東京地方検察庁は、倉持俊宏 検察官検事、原宿警察署は生活安全課の伊藤課長ならびに鈴木係長、警視庁本部は、熊谷氏に一任をしております。

また、弁護士に関しては、リーガルキュレート総合法律事務所の高柳孔明弁護士、木下・脇田虎ノ門法律事務所の藤田武俊弁護士、鵜飼パートナーズ鵜飼大代表弁護士、東京成功総合法律事務所・上海市成功綜合律師事務所長、真貝曉弁護士に相談を受けて準備しています。

日本において「忘れられる権利」が浸透しておらず、それどころか事実とはまったく異なる記事として依然、WEBサイトに掲載しており、風評被害・名誉棄損に値するからです。

現在、私に該当する情報に関しては、すべてに対して訴訟の準備をしております。それまでに少しでも解決したく仮処分として、削除申請を各公共団体、各署に手続きをしている次第です。

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この種の通知は、通常、弁護士が内容証明で相手方に送付するものでだが、このメールは差出人は不明であり、「私に該当する情報に関しては、すべてに対して訴訟の準備をしております」と言われても、対応は困難だ。

現在、当連載では、ミス・インターナショナルの吉松育美さんと大手芸能事務所、ケイダッシュ幹部の谷口元一氏の証人尋問の様子をレポートしているが、吉松さんの証人尋問を伝えるだけでは、公平性に欠けるだろう。次回からは谷口氏の言い分も出来る限り掲載したい。

そもそも、日本国憲法第82条第1項に「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ」とあり、裁判の公開は憲法が保障している。

また、名誉毀損については、互いに言論を交わすことができる平等な立場であり、被害者が加害者に対し自由に発言し、必要十分な反論ができているのであれば、違法性は阻却されるという「対抗言論の法理」という考え方がある。

その意味で適法性の観点からも、法廷における谷口氏の言い分を掲載することは重要であると私は考えている。

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎事実の衝撃!星野陽平の《脱法芸能》

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