「われわれの出版の目的は、一、二年で忘れ去られることのない本を作ることである」(クラウゼヴィッツ) われわれの出版の〈原点〉に立ち帰り、わが出版人生最終コーナーに差し掛かるにあたって

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

鹿砦社の言論・出版活動を支持される皆様!

週明けに『紙の爆弾』最新号をお届けいたしますが、このかん少なからずの方々より、同誌がレベルアップしたとのお声をいただいております。これは創刊号以来編集長を任せた中川志大の経験と力によるものです。

実際、完成した同誌を見て、レベルアップしたとの過分な評価を喜びつつも、老婆心ながら、さらなる飛躍の余地はないか、昨年4月に創刊20周年を迎え東京と関西で皆様方に祝っていただき次の10年に向かって歩み始めましたが果たして創刊30周年は大丈夫か(その頃、おそらく私はいないか活動不能になっているでしょうから)、等々と日々思慮しているところです。

また、主に私が担当する分野の書籍についても、出版人生最終コーナー(9月で後期高齢者に。泣)に達した中で、のちのちに残るような本をどう作るか、考えあぐんでいます。

これまで何度か述べていますが、私が10年間のサラリーマン生活を辞め(直接的には会社整理のため)、みずからの資質、能力、経験などを一顧だにせず、まさに“清水の舞台”から飛び降りる覚悟で本格的に出版の世界に飛び込む際に、歴史家の小山弘健先生に教えていただいた、冒頭に挙げた、『戦争論』という畢生の書を著したクラウゼヴィッツの言葉をたびたび想起しています。「果たして私は、どれほど一、二年で忘れ去られることのない本を作ってきたのだろうか?」と。『戦争論』ほどの名著ではないにしても、のちのちに残る本を作りたい! と願いつつも、先が見えているので焦燥感に苛まれています。もっと早く小山先生に教えていただいたクラウゼヴィッツの言葉を真剣に、かつ真摯に考えて実行に移していればよかったな、と悔いが残ります。

今回、時々定期購読者や会員の皆様方にご提案している「特別セット直販」を新たにご提案させていただいています。このリストの本は、これまで私たちが出版してきた本の一部ですが、このほとんどは私が企画・編集したもので、果たして「一、二年で忘れ去られることのない本」があるのか、皆様、いかがでしょうか? 古い本も新しい本もあり、また左右硬軟雑多に渡りますが、お目に留まった本がございましたら、この機会にぜひ(何冊でも)ご購読お願いいたします。(詳しくは『紙の爆弾』8月号に同封している案内をご覧ください)

予想される猛暑を乗り越え、清々しい気分で秋を迎えましょう!

(7月2日記。別掲写真は小山弘健先生と遺稿『戦前日本マルクス主義と軍事科学』。『紙の爆弾』8月号に同封している文章から)

『紙の爆弾』2026年8月号
A5判 130頁 定価880円(税込み)
2026年7月7日発売

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