広島・呉を平和・環境・防災・テクノロジーの「複首都」に! 県議会・市議会に陳情 ── 西風新都に国会議事堂と中央省庁、呉日鐵跡地に防災省・コンテナホテル拠点・研究機関を

さとうしゅういち

筆者は9月9日、広島県議会に対して、「広島県を複首都として位置付ける国家機能誘致に関する陳情」を行いました。

2026年7月、副首都法案が成立。大阪や北海道、愛知、福岡と並び、広島も副首都に名乗りを上げています。しかし、広島のどこに、何を誘致するか、については、白紙です。

一方、8月28日、呉市の日鐵跡地を防衛省が取得。9月7日に小泉防衛大臣が現地を視察し、11日には、担当者が広島県庁で広島県と呉市の担当者に総合防衛拠点の説明を行いました。ただ、ドローン製造工場や、弾薬庫、スポーツ公園、民間企業誘致地区など、漠然としたイメージ図は提示されましたが、「建物解体が済んだ地区から日鐵側に引き渡しを受け、整備していく」「企業誘致公募は、9月1日から始めた」など、具体像は見えません。また、今後も県や市との協議で修正はありうるという段階です。

呉日鐵跡地は、民間企業の誘致には不利です。

①空港が遠い②新幹線が遠い③山陽自動車道から遠い。この3点で、民間企業は、同じ県内であれば、東広島市や広島市を選ぶのは確実です。一方で、「防災拠点」なら、①船での輸送がしやすい②南海トラフ地震でも倉橋島に守られて津波もそう高くない③広島の市街地よりは確率が低い計算です。

こうしたことから、防災省や、地球沸騰化に対応した研究機関の誘致がふさわしいと判断します。

筆者としては
①広島市安佐南区・佐伯区にまたがる西風新都に国会議事堂と中央省庁を最低一個。
②呉日鐵跡地には、実働部隊を含む防災省本省とコンテナホテル基地、環境や防災などの国の研究機関
を、誘致し、二拠点で、「東京のサブでではなく、東京とマルチで首都機能を担う複首都」を目指すべき、と考えています。

広島市安佐南区・佐伯区にまたがる西風新都(広島市ホームページより)

そもそも、諸外国では、防災関係の費用や、鉄道・道路などインフラの維持費などをいわゆる防衛費の枠でまかなっている国も多くあります。よく、ネットで紹介される「日本より充実した避難所」なども防衛費で賄っている国も多い。はっきり言って、防衛費増額分でミサイルや戦闘機をいくら買っても、戦前の大艦巨砲主義と同じ失敗を繰り返すでしょう。そのことは、イラン攻撃に米軍基地を使わせたバーレーンやUAE、カタールなどがイランにボコボコに報復されていることでも明らかです。

そうしたことも背景に、「防衛費増額を逆手にとる」戦略としても、今回の防災省誘致構想を位置付けています。

◆広島市議会にも「西風新都」複首都構想含む3本の陳情を提出

一方これより前、9月2日に、筆者は広島市議会を訪問し、「複首都構想」を含む以下の陳情を提出しました。その後、議会事務局の方に、御親切にも、細部の修正をご指導いただき、9月7日に正式提出となりました。

① 大型公共事業の市民参加 と透明性強化に関する陳情
新アリーナ整備、駅北巨大病院再編など、広島市の大型公共事業が「供給制約の時代」に直面する中、行政だけで意思決定を進めるのではなく、市民参加型へ転換すべきとの趣旨です。

建設人手不足・資材調達難
中東情勢の影響
同時多発の大型事業による競合

こうした状況下で、代替案比較や第三者評価を制度化し、透明性を確保することを求めました。

② 公務員ヘルパー制度 創設に関する陳情
精神・知的障害、薬物依存、深刻な家族トラブルなどの「困難事例」が、
適正も考慮されないまま一般介護施設へ丸投げされている現状を是正するものです。

現場では、①重大事故の多発②ケア放棄③職員の大量離職④公益通報の握りつぶしなど、制度崩壊 → 行政黙認 → 現場崩壊 → 人材崩壊の連鎖が起きています。

そのため、行政が直接困難事例を引き受ける「公務員ヘルパー制度」を創設し、民間施設との役割分担を再構築することを求めました。

③ 複首都構想 に関する陳情
副首都法案が成立し、横田知事も副首都に名乗りを上げる中、広島は「副」ではなく、東京と並列する“複首都”の一角を担うべきとの趣旨です。

西風新都は、①花崗岩台地で耐震性極めて高い②液状化ゼロ③津波リスクゼロ④空きオフィス・空きマンションが豊富、という全国的にも稀有な条件を備え、省庁機能を新築なしで受け入れられる唯一の都市構造です。

省庁が一つでも来れば、若手インテリ層が流入し、広島の「どよよーん」とした空気も刷新されるでしょう。

※呉日鐵跡地への防災省誘致案は、議会事務局より「県議会向けが適切」との助言を受け、今回の陳情からは削除しました。

◆議会事務局の対応

約1時間にわたり、複数職員の方が書類を丁寧に精査し、形式面・提出方法について親切にアドバイスをいただきました。想像以上に誠実な対応でした。広島県議会が、若手職員が書類を一瞥して、廊下で受け取ったのとは対照的でした。

◆各会派訪問

陳情提出後、各会派をまわり、特に公務員ヘルパー制度、複首都構想について説明しました。

保守系議員からも、
「複首都構想、見ましたよ。良いですね。」
「松井市長は後ろ向きすぎる。ガツンと言わないと。」
と激励をいただきました。

筆者が代表を務める広島瀬戸内新聞、庶民革命ひろしまでは、2027年4月執行の広島市長選挙(市議選)並びに県議選を契機に、県民的・市民的な議論を呼び掛けています。

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陳 情 書

件名 広島県を複首都として位置付ける国家機能誘致に関する陳情

陳情趣旨:本陳情は、①副首都法成立 ②小泉防災相による2026年8月28日の「呉・日鐵跡地取得」公表
という二つの重大な国政動向を受け、広島県として国家機能の誘致を積極的に検討すべきであるとの観点から提出するものである。
広島県は現時点で具体的な副首都機能の配置方針を示していない。
しかし、県民として、広島の地理・産業・災害特性を踏まえた合理的な国家機能配置の構想を提示し、議会において検討を求めることは重要である。

理由:別紙

令和8年9月 日
提出先:広島県議会議長               様
住所:広島市東区
氏名:佐藤周一
連絡先 090-3171-4437 hiroseto2004@yahoo.co.jp X:@hiroseto

別紙 理由書

1.陳情趣旨

本陳情は、
副首都法成立
小泉防災相による2026年8月28日の「呉・日鐵跡地取得」公表
という二つの重大な国政動向を受け、広島県として国家機能の誘致を積極的に検討すべきであるとの観点から提出するものである。

広島県は現時点で具体的な副首都機能の配置方針を示していない。
しかし、県民として、広島の地理・産業・災害特性を踏まえた合理的な国家機能配置の構想を提示し、議会において検討を求めることは重要である。

本陳情は、

西風新都に国会・中央省庁バックアップ機能を誘致する構想
呉・日鐵跡地に防災省本省およびコンテナホテル全国拠点を誘致する構想
の二拠点型複首都モデルを提示し、県として国への働きかけを検討いただくことを求める。

2.背景

(1)副首都法成立と横田知事の「副首都名乗り」
副首都法が成立し、横田広島県知事は広島県として副首都機能の誘致に名乗りを上げた。しかし、現時点で具体的な配置案は示されていない。

(2)小泉防衛相による「呉・日鐵跡地取得」公表
2026年8月28日、小泉防災相が日鐵跡地の取得を公表したが、
総合防衛拠点の具体像は未定
民間企業誘致はこれから募集企業が来る保証はない
という状況であり、跡地の用途は白紙である。
この「空白」は、広島県が国家機能を誘致する絶好の機会である。

3.本紙構想:広島県の二拠点型複首都モデル

(1)西風新都:国会・中央省庁バックアップ首都(本紙構想)
西風新都は、
花崗岩台地で液状化ゼロ
津波リスクゼロ
空きオフィス多数
アストラム延伸でアクセス改善
という全国でも稀な災害耐性を持つ。

本紙はここに、
国会バックアップ議場
中央省庁バックアップ執務室
国家危機管理センター(西日本側)
国家データバックアップセンター
を配置する構想を提示する。

(2)呉・日鐵跡地:防災省本省+コンテナホテル全国拠点(本紙構想)
呉は、
港湾機能
コンテナ取扱能力
海自基地との連携
西日本災害地帯へのアクセス
造船・機械・電装産業の蓄積
という防災拠点としての強みを持つ。

本紙は、
防災庁を「防災省」へ格上げ
その本省機能を呉に配置
コンテナホテル・仮設ユニットの全国集積基地を設置
という構想を提示する。

4.陳情事項(議会に求めること)

(1)広島県として副首都機能の具体的検討を開始すること
副首都法成立を受け、県として国家機能誘致の検討を進めること。

(2)西風新都への国会・中央省庁バックアップ機能誘致を検討すること(本紙構想)
災害耐性・空間余力を踏まえ、国会・省庁バックアップ機能の誘致可能性を調査すること。

(3)呉・日鐵跡地への防災省本省およびコンテナホテル全国拠点の誘致を検討すること(本紙構想)
跡地が白紙である現状を踏まえ、国の防災機能誘致を県として国に働きかけること。

(4)広島県として「複首都モデル」の可能性を正式に調査すること
西風新都と呉の二拠点による国家機能分散モデルの調査を求める。

5.結語

広島県は現時点で副首都機能の具体案を示していない。
しかし、
副首都法成立
小泉防災相の日鐵跡地取得
という二つの国政動向は、広島県が国家機能を誘致する絶好の機会である。

本紙構想として、
西風新都=国会・省庁バックアップ首都
呉=防災省本省+コンテナホテル全国拠点
という二拠点型複首都モデルを提示し、議会における検討を求める。

以上、陳情する。

さとうしゅういち(佐藤周一
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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