ルラ氏、事前の予想を覆して勝利し、ラテンアメリカの左派に希望を取り戻す

セサル・ゴメス・チャコン

ついに、予想されていたことが現実となった……。

ブラジルで日曜日に行われた選挙で、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏が勝利した。この勝利は、困難に負けずに努力を続けてきたことの成果であり、保守派の政治的な動きに対して国民の意思が勝ったことを意味する。また、ブラジルの選挙結果は、ラテンアメリカの左派勢力が、再び希望を持つ根拠となった。

間もなく81歳になる労働運動出身のルラ氏は、歴史的な逆転勝利を果たした。第1回投票では相手候補に後れを取ったものの、ブラジルの極右勢力の政治的な後継者であるフラビオ・ボルソナロ氏を破り、4期目の大統領の座を勝ち取った。ルラ氏の歩みは、国民が自らの将来を選ぶ力を持ち続ける限り、選挙の結果は事前に決まっているわけではないことを改めて示している。

今回の選挙結果は、米国政府からの圧力や保守勢力の台頭に直面しているラテンアメリカにおいて、特に大きな政治的意味を持っている。ルラ氏は、米国が覇権を広げようとする動きに対し、ブラジルの独立と自主性を強く守ってきた。最近、国連で述べた「ブラジルは、どの国の裏庭にも収まるような国ではない」という発言には、ラテンアメリカにとって重要な信念が表れている。それは、他国からどのような圧力を受けても、自国のことは自国で決めるという姿勢を貫くべきだという考え方だ。

◆キューバも今回の勝利を特に歓迎している

ルラ氏とキューバ革命とのつながり、そしてフィデル・カストロ最高司令官との個人的な関係には、社会正義やラテンアメリカの統合をめぐって交流を重ね、互いに尊重し、考えを共有してきた歴史がある。フィデル氏は、労働者の闘いの中から生まれた指導者としてルラ氏を評価していた。また、貧しい家庭に生まれた経験を、社会を変えるための政治的な力へと転換できる人物だと認めていた。

2003年にルラ氏がブラジル大統領に就任すると、キューバとブラジルの間で緊密な協力関係が始まった。両国は協力を強化するとともに、より公正な国際秩序の必要性を訴えるため、さまざまな分野で連携した。その目標は、グローバルサウスの国々が外部からの押し付けを受けず、自らの将来を決められるようにすることだった。

このため、ルラ氏の勝利は、単に右派勢力が選挙で敗北したことだけを意味するものではない。国民の利益を重視する政治勢力が、不利な選挙運動に直面しても持ちこたえ、市民の信頼を取り戻すことができるということも示している。

ルラ氏の人生は、貧困、労働組合での活動、投獄、そして政権への復帰によって形づくられてきた。その歩みは、困難に直面しても簡単には屈しない政治的な意志の強さを示している。

今回、選挙で4度目の勝利を収めたことで、ルラ氏が歴史に名を残すことは確実となった。そして、今回も改めて明らかになったことがある。それは、事前の予想や外部からの圧力がどうであろうと、最後に決定を下すのは国民だということだ。

セサル・ゴメス・チャコン(César Gómez Chacón)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年10月28日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼セサル・ゴメス・チャコン (César Gómez Chacón)
キューバのジャーナリスト、代表作にアンゴラ内戦を取材した『Cuito Cuanavale. Viaje al centro de los héroes(クイト・クアナバレ――英雄たちのただ中へ)』

Fuente:
https://www.cvi.icrt.cu/lula-derrota-los-pronosticos-y-devuelve-la-esperanza-a-la-izquierda-latinoamericana/