群雄割拠?大同小異?日本のキックボクシング系競技に「王座」が乱立した理由

「ボクシングと違ってキックは偽者チャンピオンが多い中、新日本キックのチャンピオンはみんな強いので、内田雅之(日本フェザー級チャンピオン=当時/藤本)選手と対戦させて頂けたらと思います」

JKIフェザー級2位の竜誠(=りゅうせい/ダイケン)が、8月30日の新日本キックボクシング協会・治政館ジム興行で、日本フェザー級6位の櫓木淳平(=ろぎじゅんぺい/ビクトリー)を倒した後、マイクアピールでこう宣言したように、キックボクシングの世界では、チャンピオンが名指しされることが明確な実力証明のステータスとなりつつあります。

◆キックボクシングはチャンピオンだらけの格闘技?

WPMFのベルト、WPMF日本Sバンタム級C.鷹大

「国内チャンピオンは偽者が多い」と言われる背景として、決して無造作にチャンピオンが認定されている訳ではなく、王座乱立が激し過ぎるというものです。しかし、コアなファンならば、どのチャンピオンが本物か見極めることが出来ても、“チャンピオンは一人”という固定観念がある一般人には「誰が一番強いのか?」よくわからない。それが“二人”であったとしても、その対立関係で成り立つプロ野球2リーグ制のような説明は付いても、国内の同じ階級に10人もチャンピオンが居ては、「初めてキックボクシングを観ました」という観客から見れば「何がどうなっているか」は見え難く、「キックボクシングはチャンピオンだらけの格闘技」となっています。

1966年にキックボクシングが日本で誕生して以来、国内外問わず、多くの王座(チャンピオン)が誕生してきました。国内では、新団体が出来る毎に王座が各階級で新設されていましたが、10年程前から徐々にその規模とスピードは拡大。団体の他、プロモーション単位の任意で作られた、興行看板となる王座がやたら増えたのがここ5年程で、更に国際的に世界チャンピオンを認定する世界機構の管轄下に置かれる日本王座も誕生し、価値の差はあれどチャンピオンは幾らでも作れる勢いです。

◆合従連衡の後──群雄割拠?大同小異?

新日本キックのベルト、日本ライト級C.高橋勝次

元々、高度経済成長期に乗ってKO率90パーセント超えの激しさからキックブームになった昭和40年代~50年代前半(1966年~1977年)の“主要団体”は、日本キックボクシング協会、全日本キックボクシング協会の二つしかありませんでした。テレビの全国ネットでレギュラー放送されていた時代は概ね昭和43年(1968年)から55年(1980年)で、それは2系列ではあっても日本のトップそのもので、これを目指して全国から血気盛んな若者がチャンピオンを目指してやってきました。

そんな黄金期を経て、昭和50年代半ば(1980年頃)にはテレビが離れ、世間から記憶にも残らなくなっていきました。そんな低迷期には業界大手が弱体化し、我道を行く団体分裂が激化。テレビ放映は無く、日本列島に響き渡らない時代に最大で7団体がひしめき合っていましたが、平成に入った時代(1990年)には定期興行が打てる“主要3団体”に落ち着いていました(当時は1984年設立の日本キックボクシング連盟、同連盟から枝分かれしたマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟、1987年復興の全日本キックボクシング連盟)。

しかし、そこでも過去に似たような組織のトップ役員に対する反発が各団体で勃発。団体内の方向性の違いによる革命や金銭トラブルに対する反発で団体分裂が再び激化しました。更にそんな繰り返される問題から、フリーのジムが増え、団体に属さなくても独自でやっていけるという過去に無い変化が現れた時代になっていきました。昔はどこかの団体に加盟しなければ興行など成立せず、フリーでは団体興行に出場させてもらうことも難しかったのです。

WBCムエタイのベルト、WBCムエタイ日本ライト級C.宮越慶二郎

今、この競技の定期興行で運営される国内タイトルをまとめると、野口修氏創設の老舗を継承し、日本プロスポーツ協会に唯一加盟出来る存在の新日本キックボクシング協会の日本王座(加盟ジムのみ)、ニュージャパンキックボクシング連盟とジャパン・キックボクシング・イノベーションを統一する形で存在するWBCムエタイ日本王座(非加盟でもライセンス取得で出場可能)、本場タイ国の政府管轄下にあるタイ国ムエスポーツ(プロムエタイ)協会を母体とするWPMF(世界プロムエタイ連盟)の傘下にWPMF日本王座(実績次第で出場制約無し)が存在します。

◆2015年、本場のムエタイがやってきた

そんな中に今年また、「ムエタイ」ブランドを掲げる王座が新設。ルンピニースタジアムの海外初となる日本支部開設を発表したのが8月7日。今後12月以降、「ルンピニーボクシングスタジアムジャパン」としての興行が行なわれ、日本ランキングの制定と日本王座決定戦、そして本場ルンピニースタジアムのムエタイ最高峰王座への挑戦権も与えられていくことになるという構想です。

ルンピニーボクシングスタジアムは、ラジャダムナンスタジアムと双璧を成すタイ・ムエタイの二大殿堂のひとつです。ムエタイは500年の歴史を持ちつつ、戦後活発に発展したタイの国技です。地方での有望な選手がバンコクでの頂点に目標を持って大量に押し寄せる極めて難しい頂点。そこへギャンブル好きの賭け屋が大勢の観衆としてスタジアムを支え、確固たる発展を遂げたのが本場ムエタイの姿です。
更には認定機構管轄下にはないが、マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟、J-NETWORK、NKBなど定期興行が安定した団体王座があり、更にプロモーション単位の任意王座が続きます。

◆50年近く王座統一がなされないもどかしさ

世間一般の方々には、一本化されない競技に関心も沸かないところかもしれません。日本統一チャンピオンになるには、まだ程遠いプロモーションの結束が必要ですが、スポーツ庁などの公的機関が管轄されれば一気解決ながら、利害関係がもたらす問題も懸念され、キックボクシング系競技の真のメジャー化はまだ難しいところです。

統一されないこんなことが50年近くも続いている中、「今いっぱいチャンピオンが居るらしいじゃない、せめて昔のような2系列時代にならないとなあ」とは3月15日の江幡睦のダブルタイトル戦の興行前、昭和40年代の“小さな巨人”といわれた元・全日本バンタム級チャンピオン.大沢昇氏が創生期からの盟友、元・日本ミドル級チャンピオン.藤本勲(目黒藤本ジム会長)氏にしみじみ語っていたことが、ファンの声を代弁しているようでした。

大沢昇&藤本勲、沢村忠以外にも創生期を支えたチャンピオンたち(2015年3月15日)

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

◎9.27WBCムエタイ戦──強豪たちの本気の対戦がムエタイの権威を高める!
◎倒すか?倒されるか?日本キックボクシング連盟「大和魂シリーズ」vol.4報告

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倒すか?倒されるか?日本キックボクシング連盟「大和魂シリーズ」vol.4報告

10月10日、後楽園ホールで開催された「大和魂シリーズ」は、「倒すか倒されるか」がキャッチフレーズの日本キックボクシング連盟興行。NKBライト級タイトルマッチがメインイベントだ。チャンピオンの大和知也(SQUARE-UP)は今回が初の防衛戦。挑戦者はその大和知也が4月に63.0kg契約5回戦で僅差の判定負けを喫した俊輝(八王子FSG)である。

大和知也

◆NKBライト級タイトルマッチ──大和知也 VS 俊輝

今回も俊輝の先制攻撃のジャブ、ローキックの的確差で大和を苦しめた。俊輝のローキックがもっとしつこく蹴っていれば明確な差になっただろうが、それをさせない大和の反撃も地味ながらコツコツとヒットさせる圧力があった。俊輝が前回同様の僅差判定勝利かというムードの中、0-1俊輝優勢の引分け。大和知也はかろうじて初防衛。俊輝は王座奪回成らず。

大和知也が今年のシリーズ名となる主役でありながら、俊輝を倒せなかった今年の反省は残るにせよ、来年は高橋三兄弟が台頭して来る世代交代が迫る年。更なる奮起に期待したい。

 

◆NKBウェルター級王座決定トーナメント準決勝2戦

アンダーカードながらNKBウェルター級王座決定トーナメント準決勝は、2位の安田一平(SQUARE-UP)が4位の稲葉裕哉(大塚)を判定3-0(50-47、50-46、50-47)で勝利し、決勝に進出した。

安田の重いパンチ攻撃がしつこく稲葉を圧倒した。稲葉は1ラウンドから鼻血を出し、顔を腫らしながら倒れず反撃に転じ、蹴りの少ないパンチ主体の展開となり、反撃を受けた安田の顔も腫れが増す。試合が終わればお互いの顔とも無残な表情だった。

安田一平(右) VS 稲葉裕哉
安田一平(右) VS 稲葉裕哉

もう一方の準決勝は3位の塚野真一(拳心館)が検診時での体調不良によるドクターストップで棄権となり、1位の石井修平(ケーアクティブ)の勝者扱い(主催者発表は不戦勝)による決勝進出。

高橋三兄弟の三男・聖人(真門)は判定ながら5戦目(4戦1勝2敗1分)のサイクロン狂介(大塚)に勝利し4月のデビュー戦から2連勝(1KO)。

高橋三兄弟の三男・聖人(右)VSサイクロン狂介

◆次回「大和魂シリーズ vol.5」は12月12日に開催

次回12月12日には石井修平vs安田一平でNKBウェルター級王座決定戦、もうひとつのタイトルマッチがNKBバンタム級王座決定戦、1位の高橋亮(真門)vs 3位の松永亮(拳心館)がある。高橋三兄弟が今この連盟での話題の三兄弟。次男の亮が先に王座に手を掛ける。

長男・一眞は6月に元2階級制覇チャンピオンの夜魔神(SQUARE-UP)の引退試合相手として出場、初回は夜魔神を圧倒しながら経験値豊富な夜魔神に逆転されて判定負け、7戦目で初黒星も未だ王座に近い存在で来年の飛躍が期待される。

更にもうひとつのメインイベントクラスが前NKBウェルター級チャンピオン、キャリア13年で、「遅咲き」の44歳の竹村哲(ケーアクティブ)の引退試合。同級5位.マサ・オオヤ(八王子FSG)を相手にラストファイトの予定。今年4月には元・全日本ライト級チャンピオン.大月晴明と引退カウンドダウンに入った40代対決、1ラウンドで大月の爆腕に倒されたが現役として悔いなく燃え尽きるには最高の相手だった。

◆昭和キックブーム終焉後、1984年に設立された日本キックボクシング連盟の31年

「大和魂シリーズ」主催の日本キックボクシング連盟は、昭和40年代のキックブームの後、テレビが離れて低迷期に入り、行く当てなく彷徨っていた日本キック界に、昭和59年11月、主要団体が一旦統合された団体だった。

あれから31年になる。すぐに分裂と脱退を繰り返し、他団体の豪華な国際戦、ムエタイタイトルマッチを行なうようには敵わない、ひたすら団体内対抗戦の地味な団体ではあったが、昔ながらの「倒すか倒されるか」がキャッチフレーズの息の長い団体となった。2002年に統合ではないが、NJKF、K-U、APKFと共に4団体共通のタイトルNKBを設立、相変わらず離脱はあったが、王座は継続され現在に至っている。

遡れば役員の顔ぶれの流れを見ると、系列的に昭和40年代の旧全日本系色が強い団体である。それも昨年から世代交代の波が押し寄せた。代表理事は渡辺信久氏と変わらないが、興行運営を担う担当が元・日本キック連盟ライト級チャンピオン、小野瀬邦英SQUARE-UPジム会長に代わった。

それまで他団体交流が無く閉鎖的だったが、徐々に交流戦が実現。実力不透明だったNKBが良くも悪くも明確になってきて活性化されてきた。高橋三兄弟のような有望な選手も多いに飛躍できる舞台が揃いつつある日本キックボクシング連盟であり、業界全体も頂点への道のりが明確になってきている今後のキックボクシング系業界でもある。

高橋三兄弟の三男・聖人

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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NJKF-DUEL.3「勝利に飢えた猛獣たちの決闘・第三章」報告

ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)のDUEL.3(2部)が10月4日(日)、新宿FACEで開催された。以下はその観戦報告。

守屋将VS白井周作
守屋将(NJKFバンタム級5位/新興ムエタイジム)

【NEW JAPAN WARS2 バンタム級】
守屋将NJKFバンタム級5位/新興ムエタイジム)VS 白井周作(NJKFバンタム級1位/Bombo Freely)
わかりにくいが、これはトーナメントの準決勝である。前回の計量オーバーでタイトルを失った白井は、積極的に前に出て行き、このところ連勝続きの守屋に高いキックと右ストレートで初回から打って出る。が、ディフェンスに進化を見せる守屋が寸前でパンチもキックも見切り、首相撲に持ち込み、効果的に蹴りを見舞う。そして白井のスタミナを奪い、終始リードするも判定は29-29、30-29、29-29 でドロー。延長ラウンドで効果的にパンチを当てた守屋が10-9、10-9、10-9で勝利。

【注目マッチ オブ DAY】
NJKF Minerva タイトルマッチ スーパーバンタム級
美優美(白龍ジム)VS 三宅芳美(Take1)
迫力ある女子の実力どうしが激突。王者の三宅は距離を詰められて、ややキックが封じられ、打開しようと裏拳を飛ばすがこれも空を切り、首相撲での攻防と、ローキックを食らい大苦戦。かくして、美優美の効果的な蹴りが何発も2Rに入り、最終的に三宅は力尽きた。判定は29-29、30-29、30-29の判定勝ち。美優美は勝利者インタビューで「判定なのでいまいち納得していません」と強気のコメント。

菜緒

【フォーカスシーン】
10月4日(日曜)に開催されたニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)が主催する、加盟ジムの30代~40代の若手会長により結成された『NJKF若武者会』が主導する『DUEL』シリーズの3回目のイベント。若手キックボクサーがメインの興行、「DUEL.3」(2部)は、男くさい会場に咲いた唯一の花、ラウンドガールの菜緒がかなりのファンを引き連れていた。

菜緒はこの「DUEL」が始まった4月からラウンドガールを務めている。大阪出身でモデル、タレントとして「ロンドンハーツ!」「三村&有吉特番」(テレビ朝日)やTBS恋愛バラエティー『恋んトス』などに出演。スレンダーな肢体とえくぼでファンを拡大。とくに「ホットペッパー・ビューティー」のCMでマツコ・デラックスと共演してからというもの、「あのかわいい子は誰?」と注目されるようになった。

この日、午後4時30分から始まった2部(夜の部)は、女性選手がやんやの声援を浴びて活躍した。くしくも登場した4人はそれぞれ個性的なかわいさがあり、それぞれにファンがついていた。ライトフライ級王者、島津悦子(KICK BOX)があゆみ(新興ムエタイジム)に判定で勝利、スーパーバンタム王者の三宅芳美(Take1)を下した美優美(白龍ジム)は、「写真を撮らせてください」とファンに囲まれていたほど。だが、菜緒がリングにあがり、MCを始めるとこの日、一番の声援が会場を覆い尽くした。

リングアナに「キックボクシングはどうですか」と印象を聞かれると菜緒は「何度か見ているうちに、キックボクシングのファンになりました。負けた選手がつぎの試合で勝つとスカッとします。理想の男性は、引っ張ってくれる力強い人です」とはにかみつつ語ると客席から「オレが引っ張ってやるよ~」と客席から大声でエールが飛んだ。

そしてファイナルの日泰国際戦のスーパーバンタム級の試合「波賀宙也(NJKFスーパーバンタム級王者/立川KBA) VS カメンノーイ・ゲッソンリット(タイ)」に入り、菜緒が2ラウンドのボードをもってリングに上がると「菜緒ちゃんは本日、これで最後のラウンド案内です」とアナウンスされると「ええーっ残念!」と悲鳴が上がったのだ。

「菜緒さんはキックボクシングのファンを大勢、ファンに取り込んだね。メジャーになっていくと思うが、売れっ子になってもキックボクシングのリングに遊びに来てほしいと思います」(格闘技雑誌記者)

格闘技“冬の時代”が続いて久しい。菜緒は、今後、バラエティ番組やドラマの仕事もオファーが来ているという。かくして、格闘技の舞台からスターから出るのは、集客に苦しむ格闘技団体にとって「久々にうれしいニュースである」のはまちがいない。

[文]ハイセーヤスダ
[写真・監修]堀田春樹

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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2020年、亡国の東京五輪──近代五輪は一貫して「政争と利権の祭典」だった

エンブレム盗作問題では、下村前文科大臣だけは首を飛ばされた。代々木の国立競技場は改修すれば使えるという声も多い中、「もう間に合わない」とあっという間に取り壊された。本当に間に合わなかったのであれば、もう2020年東京オリンピックは開催できないのではないか。

「間に合わない」のではなく、「取り壊して建てなおさないと、ゼネコンや我々が潤わない」が連中の本音だったのだ。

端から嘘でたらめの連発と金を積んで、無理矢理誘致したのが2020年東京オリンピックだという事は、この期に及んでもまだエンブレムが仕切り直され、メインスタジアムとされた競技場建設の方向性すら定まらない事実により誰の目にも明らかにされた。自民党の中からでさえ「メインスタジアム建設は不要じゃないか」という声まで出てきた。

なにが「おもてなし」だ。「福島第一原発事故の汚染は完全にブロックされていて、過去も現在も未来も健康被害は一切生じません」と空前の空手形を切った安倍の軽舌にこの島国の住民はもう慣れてしまっているけれども、犯罪的ですらあるこの虚言に疑問を呈さず「2020年東京」に票を投じたIOC理事の連中の頭の中はどうなっているのだろうか。

◆その崇高な理念とは一度も相いれることがなかった「政争・利権の祭典」

などと、泥棒に講釈をたれるような無駄をいくら語りかけても無駄であることは、先刻承知ではある。「オリンピックの精神」という一見崇高に聞こえる理念など、近代オリンピックが復活して以来単なる「戯言」に過ぎなかったし、残念ながら競技者の頂点を目指したいという純粋な思いと一度も相いれることはなかった。

まだ、世界が東西(社会主義陣営、資本主義陣営)に分かれていた時代、1980年に開催されたモスクワオリンピックを、米国カーター政権の呼びかけにより日本、韓国、西ドイツ、パキスタンなどはボイコットした。ソ連のアフガン侵攻がその理由だった。次いで1984年に開催されたロス・アンジェルスオリンピックでは、その趣意返しで東側の国々が参加しなかった。

モスクワオリンピックを日本もボイコットすることが確定しそうな時期に主要選手による政府への「抗議」が行われた。金メダル確実と目された柔道の山下泰裕や、レスリングの高田裕司などが中心となり、「政治とスポーツを分けてくれ。私たちの競技の機会を奪わないでくれ」と競技者たちは訴えた。とくに高田の涙ながらの訴えは多くの反響を呼んだが、某良心的全国紙は朝刊のコラムで「スポーツ選手が涙を見せるな」と的外れも甚だしい、政府の提灯持ち記事を書いた。

このようにオリンピックは競技者にとっては最高峰の舞台であっても、それを利用しようとする連中にとっては全く「神聖」という言葉を使うのもおこがましい「政争及び利権の祭典」である。

誘致合戦にアホほどの金を使い、IOC委員や理事の票を買い集め、大手広告代理店が裏で段取りの全てを仕切る。競技者の熱意と全く相いれない、どす黒いそろばん勘定だけが支配するのがオリンピックだ。2020年東京のドタバタを見るまでもなく、1998年開催の長野オリンピックにおける不正経理問題を見てもそれは明らかだ。当時JOC(日本オリンピック委員会)会長は西武の堤義明だったが、多額の赤字を出した長野オリンピックの経理処理に監査が入ると、何と関係書類が全て焼却もしくは紛失していたという、常識的には考えられない杜撰な事件を起こしている。

堤義明1980年代に「世界一の富豪」と米国雑誌「Forbes」で取り上げられるなど、バブル時代を謳歌したが、その後2005年に証券取引法違反で起訴され有罪が確定している。こんな人物であるのに堤は2013年からJOCの最高顧問に就任している。JOCも真っ黒だという事を如実に示している。西武グループも凋落し、西武グループの中核をなしたスーパーマーケット「西友」も米国「ウォルマート」の傘下に入り、2009年以降は売上高を官報に掲載しないほどの落ち込みぶりだ。

これらの事実が示しているのは、オリンピックに関して広告代理店が打ち上げる、綺麗ごとを並べたキャッチコピーなどは全てが虚構であるということである。金儲けと自己の利益にしか興味のない政治家や財界人が、あれこれ無い知恵を絞り「是が非でも2020年東京で」と悪あがきをしているに過ぎない。

ある若者が言った。「皆さんの中には東京オリンピックを楽しみにしている人がいると思います。でも、悪いけど順番が違う。まずは東北の被災者が全員救済されることの方が先ではないですか」と。

まったくもって同感だ。

最も簡単にして、国民に利益をもたらすのは、今からでも遅くない。「東京オリンピック」などという馬鹿げた巨大公共事業を返上することだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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PRIDEからRIZINへ──2015年の大晦日、8年ぶりに格闘技の陽が昇る!

確かに、PRIDE代表だった榊原信行が大晦日にフジテレビのバックアップを得てさいたまスーパーアリーナで格闘技興行を行うという記者会見はインパクトがあった。かつてPRIDEをUFCに売却した際に「7年間は格闘技の興行ができない」という「縛り」ルールが解けて榊原が仕掛ける興行運営だ。だが、格闘技記者たちの関心を集めたのは、大物、ヒョードルの復活でもなく、サプライズでも対戦カードでもなく榊原が思わせぶりに示唆した「あの形」だった。

「あの夢よもう一度」とばかりに97年から07年にかけて大人気だった総合格闘義「PRIDE」が8年ぶりに大晦日に「RIZIN」と装いを変えて復活する。記者会見場では「PRIDE」時代からの格闘技ファンたちがマスコミを取り囲む。その数は150人ほど。

六本木ミッドタウンの中庭、キャノピースクエアにて午後6時30分から行われた榊原信行(THE RIZIN FIGHTING WORLD GRAND – PRIX 2015実行委員会委員長/株式会社ドリームファクトリーワールドワイド代表)は、マスコミが100人以上集まったフラッシュに目を細めつつ「ようやく8年ぶりに格闘技の世界に帰ってきました」と興奮気味に語り始めた。まさに水を得た魚のごとく、「世界中から優秀な選手を集めて、本格的な格闘技をお見せしたい」とあふれるプロモーター魂を力強く語り、長年の雌伏時代にたくわえた構想を吐露した。

くわえて「12月29日から31日にかけて3日連続で格闘技イベントを行い、8人の選手によるトーナメントをやります。賞金は50万ドルです」とぶちあげると「おおっー」と観衆から歓声が起きた。12月29日と31日はフジテレビが放映を検討しているが、放映時間は未定とアナウンス。

かつて、「PRIDE」を運営していたときの盟友、高田延彦(RIZIN統括本部長)も「これが人生で最後の格闘技の仕事になると思います」と肩に力が入り、「ちょっと堅いので雄叫びをあげていいですか」と断ると踏ん張って拳をつきあげて、頼まれもしないのに中腰で力を貯め「うぉりゃあああ」と雄叫びをあげると「いいぞ、高田!」と割れんばかりの拍手が起きた。

シュートボクシングのアイドル女子選手、RENA

この日は確かに「私みたいな選手がいるのだと世間にわからせたい」と吠えたシュートボクシングのアイドル女子選手、RENAや「PRIDE」を支え続けたエメリヤーエンコ・ヒョードルが復活するという事実や、グレイシー一族に圧倒的な勝率を誇った桜庭和志(フリー)と関節技が得意な「寝業師」の青木真也(パラエストラ東京/Evolve MMA所属)の体重差を無視した対決カードや、あるいは「男が強いとは限らない」と不気味な微笑みをした「世界最強の女柔術家」で丸太のような太腿で練り歩くギャビ・ガルシアなどが目立った。

しかし2時間弱におよぶ長い会見の末、記者たちの話題は結局、榊原が漏らしたひと言に集中した。
「どんなリングで、どんなルールでやりますか。ケージですかマットですか」と記者が聞くと、「ルールは旧PRIDEルール(1R10分・2R5分・3R5分(ラウンド間のインターバルは2分の変則3R制)でやります。ひじは選手どうしの話しあいで有り無しを決めます。リングについては観衆が見やすいようにちょっと変わったものを今、考えておきます。お楽しみください」と榊原が示唆。

記者たちは、これについて「どんなリングなんだ?」「砂をまくのか」「いや、電流を流すのか」などと推測含みでさまざまな予測が立てられた。「まさか透明のロープやマットにして、どの確度からも透明で見やすいようにするのでは」(格闘技雑誌記者)と語ると「シルク・ドゥ・ソレイユか」と若いカメラマンが突っ込んだ。
「まあ、榊原はサプライズが好きだから、空中に浮かぶリングとか、常に回転するリングとかさまざま考えているのではないか」(スポーツ紙記者)
「まさかリングそのものが傾いたりして動くとか」(フリー格闘技記者)
「たけし城じゃあねえよ」などと、終了後の雑談がもっとも盛り上がった。

榊原の囲み取材では「芸能人がリングにあがりますか」とミーハーな質問が出て、「いや、出ません」として「これで質問を終わります」となったが、筆者が「警察のOBと弁護士、つまりコンプライアンス担当で大鶴基成弁護士と元警視庁刑事部理事官の管村明仁氏をスタッフに入れた意味は?」と聞いた時点で榊原が語りかけたが「すみません。時間です」とスタッフが身体を斜めに入れてきて静止した。

「プロモーションの枠を超えて、壮大なスケールでやりたいのはわかるし、世界の名だたる団体を集めたスゴ腕は評価すべきだが、過去にフジテレビが『PRIDE』から撤退した本当の理由はいまだに説明されていない。暴力団の関与が囁かれているが、コンプライアンス担当が弁護士と警察の大物OBという尋常ではない構え方は何を意味するのか。きな臭い」(同)

確かに、見方によっては、司会が小池栄子だったり、今回、招待したBellar MMA(米)代表のスコット・コーカーやBMMA(イギリス)の代表のデイビッド・グリーンやKSW(ポーランド)代表のマーティン・レバンドフスキーなど海外の大物のプロモーターらがズラリと並んでいる姿や、アメリカの大手テレビ局、スパイクTVがついたという舞台装置をつきつけられるとこうした大がかりな仕掛けにめくらましに遭い「PRIDE」が黒い霧に包まれた07年を忘れてしまいそうだ。

「だけど忘れちゃいけないよね。格闘技界は、03年1月9日にPRIDEを運営していたドリームステージエンターテイメント(DSE)代表の森下直人が「自殺」した理由について、まだ総括しきっていない。囁かれているように、暴力団との関係に疲弊して森下が自殺したという見方が強いのだから」(同)

さて、力を入れすぎるというコンプライアンス。その理由を覆い隠す、ど派手は演出の会見。現時点でヒョードルの相手すら見つかっていない現実。そうした『マジック』にごまかされない老練な格闘技記者たちが囁く「謎のリング」の予測が、バブリーでわざとらしい演出よりも一番「おもしろかった」とは。大晦日にはどんなリングが飛び出るか、期待したい。

RIZIN オフィシャルサイト=http://www.rizinff.com/

(鈴木雅久)

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美しきムエタイ女子リカ・トングライセーンのど根性ファイトに大喝采!

「フタを開けてみて、もし会場がガラガラだったら、どうしようか」
スタッフたちが不安でしかたがなかったのは「ムエタイ・オープン32」(9月27日午後4時30分開始・新宿FACEセンチャイムエタイジム主催)だ。

この興行を、明るい女子選手のファイトが救った。
9月27日は、ただでさえ少ないキックボクシングの観客が3つの興行に分かれ、観客が激減することが予測された。この日、開催された興行のひとつは後楽園ホールで行われたニュージャパンキックボクシング連盟とJAPAN KICKBOXING INNOVATIONの共催(午後5時開始)による「NJKF 2015 6th」で、いまひとつはディファ有明で行われたウィラサクレックジム主催による「SUK WEERASAKRECK X」(午後4時開始)

「とくにムエタイ・オープンのほうは、ムエタイの本場、タイで修行を積み、15歳で突如として現国内プロデビュー戦で今年6月、WMC世界スーパーフライ級王者の貴・センチャイジムと対戦し、ドローにもちこんだ佐々木雄汰(尚武会)や、元NJKFスーパーバンタム級王者の裕・センチャイジム(センチャイ)らスターはいるものの、興行としてNJKFやウィラサクレックジムの興行と張り合うには役者が足りないのはムエタイ・オープンのほうなのは明らかです」(格闘技雑誌記者)

ど根性ファイトが人気のリカ・トングライセーン(センチャイムエタイジム)

だが、アイドル顔と根性まる出しのファイトが人気のリカ・トングライセーン(センチャイムエタイジム)が集客の杞憂を吹き飛ばした。
リカは、セミファイナルに登場。49キロ契約で、2015全国ムエタイアマチュア2位の猛者、ションプー・ソー・ポーロースパンブリー(タイ)を相手に、一歩も引かない蹴り合いを演じ、相手が得意な首相撲に何度も持ち込まれるが、逆に相手の挑発に乗りつつ首相撲で勝負する。そして首相撲でダウンを奪う気の強さを見せて、5ラウンドでTKO勝利してやんやの喝采を浴びた。

キックで応戦していると「行け行け、リカ! 恐がるな!」と男性ファンが絶叫に近い声援を送る。

リカの父親で、センチャイムエタイジムの会長のセンチャイ氏は、ニュートラルであるべき運営中心者でありながら、娘のリカのセコンドで助言を送るという微妙な立場だが「考えすぎるな。いつもの通り積極的に行けばいいから」と檄を飛ばしていた。

「前回は負けたので、応援してくれるみなさんのためにも勝ちたかったです」とマイクパフォーマンスで会場をさらに沸かせた。
普段は13人くらい集まる取材カメラマンは、ムエタイ・オープンでは4人。
「NJKF」の取材をした記者は言う。
「こちらも客の入りはいつもの8割くらいでしたね。同じ日に3つキックの興業がぶつかるなんて、ファンはどの会場に行こうか迷ったでしょうね」(同)

ただでさえ少ないキックのファンを取り合う興業主たち。さて、格闘技イベントが乱立する年末に向けて「客の取り合い」はさらにヒートアップしそうだ。

[文]ハイセーヤスダ
[写真・監修]堀田春樹

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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9.27WBCムエタイ戦──強豪たちの本気の対戦がムエタイの権威を高める!

9月27日(日)に後楽園ホールで行われたニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)とジャパンキックボクシングイノベーション(JKI)共催による「NJKF.2015.6th」は、WBCムエタイ・バンコク本部の認定を受けた世界タイトル戦とインターナショナルタイトル戦、日本タイトル戦のメインクラスの5回戦が計5試合(他、ノンタイトル戦、アンダーカード3回戦)行われた。

WBCムエタイ日本バンタム級王座決定戦は攻防が少ない中、JKI同級チャンピオンの知花デビッド(ワイルドシーサー群馬/53.5kg)がNJKF同級チャンピオンの前田浩喜(CORE/53.45kg)を3-0(50-49、49-48、49-47)の僅差判定で破り第5代チャンピオンとなった。

WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座決定戦は、NJKF同級チャンピオンの悠矢(大和/58.97kg)がHEATライト級チャンピオン皇治(SFK/58.97kg)に3-0(50-47、49-47、49-48)の判定で破り第5代チャンピオン。パンチで優る皇治を悠矢が蹴りで盛り返した。

MOMOTARO(右)VS笹羅歩戦

WBCムエタイ日本フェザー級タイトルマッチは、挑戦者でNJKF同級チャンピオンのMOMOTARO(OGUNI/56.9kg)が、初防衛戦の笹羅歩(笹羅/57.15kg)の額を5ラウンド1分10秒、ヒジ打ち一発でカット、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップでTKO勝利、第5代チャンピオンとなった。

宮元啓介VS アレクシス戦

WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦は、日本同級チャンピオンの宮元啓介(橋本/55.34kg)が、WBCムエタイ世界同級16位のアレクシス・バラテウ(フランス/55.15kg)に、2ラウンド3分04秒、ボディブローで計3度のダウンを奪ってレフェリーが止めTKO勝利。新チャンピオンとなった。

◆大和哲也、初防衛ならず!

メインイベントのWBCムエタイ世界スーパーライト級王座統一戦は、チャンピオンの大和哲也(大和/63.1kg)が、暫定チャンピオンのアランチャイ・ギャットパッタラパン(タイ/63.0kg)を初防衛戦の相手として迎えた。「WBCは世界にネットワーク広がる権威あるボクシングの世界機構のタイトル。そのWBCにはムエタイもあってこんな強いチャンピオンが揃っているというWBCムエタイの名前を世界に知らしめたい」と昨年11月、王座に就いた大和哲也が宣言した。

大和哲也(左)VSアランチャイ戦

しかし今年5月にはノンタイトル戦ながらウェイトオーバーの失態を起こした上、元ルンピニーチャンピオン.ゴーンサック・シップンミー(タイ)に判定負け。汚名返上となるはずの今回の試合は「大和哲也が勝つだろう」という予想が大半だったと思われるが、試合は初回の様子見の中、アランチャイの右ストレートが大和のアゴを捕らえノックダウン。あっけないダウンに場内がどよめく。足がフラつきながら立ち上がり、再開もゴングに救われた。あと10秒あったら危なかった展開だった。幸いムエタイルールによる2分のインターバルがダメージ回復に味方した。再びグロッキーになるようなことはなかったが、本調子には戻らない動きと調子付かせたアランチャイを崩すような強打をヒットさせることはできなかった。判定はアランチャイの3-0(49-46、50-45、49-47)で王座統一し、正規チャンピオンとなる。大和哲也は統一と初防衛成らず。

大和哲也(左)VSアランチャイ戦

大和哲也は王座陥落となったが、本物の強豪と対戦を続けてトップを競い続ける価値はWBCムエタイの権威を上げていると言えるだろう。また名誉挽回への再起に立ち上がらなければならない大和哲也である。

今回のような興行、出場選手の持つキックボクシング界の王座の多さに「訳わからん」と言う声も聞かれる。また他興行においても似たような状況。国内王座の多さは説明難解と言えるほど、プロレスの王座のように多い。そんな中、WBCムエタイ日本の傘下にはアマチュアとして小中学生から始められるジュニアリーグからプロの世界王座まで、まだ選手層は薄いが構築された立構造が出来上がっている。権威を築き始めた他組織も存在する為、キック業界すべてがここに集約している訳ではないが、ここに出場する大和哲也や現世界スーパーフェザー級チャンピオン.梅野源治(PHOENIX)の日本のトップクラスの活躍は今後、世間にWBCムエタイへの知名度を広げることにまた一歩近づくだろう。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

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我が阪神の天敵だったスローストレート50歳投手、山本昌よ、ありがとう!

粋なはからい、とは言うまい。彼にとっては当然に準備されるべき舞台だったと思うし、私が監督や球団オーナーでも同様の判断をしただろう。御年50歳球界最高齢投手、中日の山本昌が10月7日、対広島の最終戦に先発登板した。

山本昌は天敵だった。甲子園やナゴヤドームで彼のスローボールに手も足も出ない阪神打線に何回やきもきさせられたことだろう。20年前、彼(いや、私か)の全盛時代、素人の私はどういうわけか135キロ位のストレートを投げることが出来た。他方、山本昌の投球を球場で見ていると、なぁんであんなに遅い球が打てないのか、不思議で仕方がなかった。確かに豊富な変化球と球の出どころが見にくいのは判る。しかしあのスローストレートは打てるだろう、と苦々しい思いを何度したことだろう。

だらしない阪神打線を散々ヤジり倒したことは言うまでもない。

挙句の果て阪神は、山本昌41歳時にノーヒットノーランまで食らっているのだ。この記録は最高齢のノーヒットノーランとして今日まで破られてない。

阪神は山本昌に完膚なきまでにカモにされていたわけだ。これがもし巨人所属の投手ならば、単なる嫌悪の対象にしかならないだろう(否殺意の対象かもしれない)。

しかし、あれほど偏向していて読む場所のなかった中日新聞の紙面が「何故か」まともになりだしたからではないだろうが、私の山本昌に対する感情はむしろ好感へと変化してきた。まずこの男、性格がいい。威張らないし腰が低い。阪神戦にめっぽう強かった悪癖を除けば憎むべき点はない。

さらに、わたしくしごとながら彼は私と同世代だ。今年50を超えた1965年生まれの人間の落胆を笑い飛ばすように、はつらつと今日まで現役投手を続けてくれた。寄るとたかると「腰痛がね」、「膝が痛くて」、「痛風の薬が手放せない」と病気の品評会が専らの私の世代にあってプロ野球の現役投手なんだから、恐れ入るほかない。

「中年の星」とかお気軽な呼称で山本昌を呼ぶ人もいるけれども、私たちに「希望」なんてないんだから「星」だってありはしない。山本昌に自分を重ねるわけでもない。ただ20年前のストレート勝負なら負けなかったのにとは思う。

プロ野球に限らず科学的なトレーニングや体のメインテナンス法の向上により選手寿命は伸びている。結構なことだ。しかし、重ね重ね20年前が悔やまれる。板東英二に「君ぃプロ級やで」と言われた時に山本昌には真剣勝負を申し込んでおくべきだった。勝負を取り持ってくれるはずの板東英二も失脚してしまったし。

今日の登板は打者僅か1人相手とあらかじめ伝えられていた。マウンドに上がる前に軽く頭を下げた山本昌には少し力が入っている。広島の先頭打者丸にボールを続けるが最後は見事にセカンドゴロに打ち取った。中日ナインがマウンドに駆け寄った。最初は笑顔だった山本昌の目から涙が流れだす。予定通り一人を打ち取り役者はベンチへ下がった。まだ試合は始まったばかりなのに、中日だけでなく広島ベンチからも拍手が鳴りやまなかった。

試合の結果なんかどうでもいい。この試合で中日が勝てば阪神がクライマックスシリースに出場できることは勿論知ってはいたけれども、降板が決まった和田監督の下、今年の状態で勝ち進める可能性は低いだろう。マートンだって真面目だけれども、もう気持ちは米国に帰ってしまっているだろう。

だから、私は安居酒屋のテレビで山本昌の投球を見終えると家路についた。

あーあ、またひとつ消えたなぁ。騒がしかったバブル時代に「青年期」を過ごした我が世代。バブルなんかの恩恵は何1つ受けなかった私だし、大嫌いだったけども、昨今頻繁に感じるこの「うら寂しさ」は何なんだ。我が世代は無意味バブルの代償として、寂寥にさいなまれているのだろうか。ただ私だけの思い込みや勘違いか。年を取っただけか。

空洞だった「戦後民主主義」がいよいよ完全終焉を迎えるこの時代に、山本昌の降板は何の関係もないだろう。でもなぜか虚しさを募らせてくれる。

ありがとうね。マサ。


◎[参考動画]中日ドラゴンズ山本昌投手 #34 現役最終登板(2015年10月7日baka6 baka6公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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日本のキックボクシングが情熱と音楽の大国アルゼンチンと繋がった日

リングでは、ワセリンと汗の強烈な匂いは男臭さの象徴だ。
キックボクシングの会場ではなおさら飛び散る血しぶきが、「泥臭く、男臭い」環境を演出する、しかし、この日のキックボクシング興行では、アルゼンチンの華やかな美女や紳士がリングサイドを彩り、いつもとはちがったグローバルな雰囲気を漂わせていた。社交パーティのような雰囲気もかもしだしていた。それもそのはず、アルゼンチンのラウル・ギジェルモ・デジャン・ロドリゲス全権特命大使とその仲間たちが「賓客」として招待されていたのだ。

9月20日、後楽園ホールで行われた「TITANS NEOS 18」(主催/TITANS事務局、認定/新日本キックボクシング協会)では、日本ミドル級王者を決める「斗吾(伊原)VS今野明(市原)」とWKBA世界バンタム級王座決定戦の「江幡睦(伊原)VSモンコンチャイ・ソー・ミージャン(元タイ北部フライ級王者)」のダブルメインイベントのアンダーカードながら、第7試合の日本ヘビー級3回戦「マウロ・エレーラ(アルゼンチン/世界極真空手連盟ワールドカップ2013 世界3位)vs山崎泰意(宮川/ザ・マーシャルアーツドリーム2012国際大会スペシャルグローブマッチ優勝)」が、大勢詰めかめたラテンのノリのアルゼンチンの大声援を受けて、マウロは1R1分11秒、左フックでノックアウト勝ちした。

新日本キックボクシング協会代表の伊原信一氏がマイクをとって何度もアルゼンチン大使に拍手を促す。「忙しい中、アルゼンチン大使に来ていただきました。これからもアルゼンチンとは友好を深めたいと思います」とアナウンスするとラウル大使は、リングにあがり「ここに呼ばれて素晴らしい試合と選手のファイトが見られて光栄だ」と興奮気味に話した。

◆伊原会長がアルゼンチンに肩入れするのはワケ

伊原会長が鼻息荒くアルゼンチンに肩入れするのはワケがある。
「一昨年の夏、伊原道場はアルゼンチン支部を立ち上げました。アルゼンチンに太い人脈のパイプがあり、サッカーのアルゼンチン1部リーグClub Estudiantes de La Plataでプレー経験を持つ川久保悠氏が、大使関係を結んだのでしょう。実際、これからアルゼンチンの有力選手をたくさん呼べるはずで、日本のキックボクシングをアルゼンチンに逆輸出することも視野に入ります」(ベテランのキックボクシングライター)

しかしこれはウラを返せば、もはや国内ではキックボクシングの集客は期待できない証明でもある。

「確かに客の年齢層は毎年、あがっていく。30近くキックの団体が乱立しているが、お客は基本的にはリピーターで、タイのムエタイ選手や団体と日本のキックボクシング団体が交流しているように、今後は南米やアジア地域にも広げていかないといずれキックの団体は滅びる運命となる」(同)

ただし、アルゼンチンではキックボクシングはまだまだ盛んではない。だがこの日、多くの南米人を会場で見た。「オーレ~・オレオレオレ~♪」と勝った日本人にエールを送る独特のノリ。これは今までのキックボクシング会場とは異質な、そして新しい空間だ。この日のマウロ・エレーラのように、呼べる選手は空手の実績がある重量級選手となるであろう。今後、南米やアジアの国と交流していくにしても、ムエタイとは違う「日本式キックボクシングルール」で世界に拡大していくのは、茨の道のりとなるだろう。老舗WKBAの活発化も大きな武器となるかもしれない。

この日の江幡睦は、3月15日にムエタイ殿堂王座にトライして惜敗した無念を晴らした。東京・後楽園ホールで開催された前回のメインイベントではラジャダムナン・バンタム級&WKBA世界バンタム級ダブルタイトルマッチが行われ、WKBA世界王者・江幡睦が、悲願のラジャダムナン王座を狙い、過去に勝利しているフォンペート・チューワッタナと対戦したが、強打を打ちこむもムエタイのリズムに決定打を殺され判定負け。また無冠からの出直しなったが今回は危なげなく、1R1分53秒、右フックでKO勝利、また斗吾(伊原)は、細かいパンチを出して、徐々に今野明(伊原)のリズムを狂わせスタミナを奪い、捨て身でくる打ち合いを捻じ伏せ、3R2分59秒でノックアウト勝ち。リング上にて「お母ちゃん、ありがとう」と呼びかけて、母親がリングにあがり、一同にお礼をする温かいシーンがくり広げられた。

[文]ハイセーヤスダ [写真・監修]堀田春樹

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

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混沌に風穴を空ける新日本キックボクシング!──WINNERS 2015 3rd 報告

8月30日、ディファ有明で行われた新日本キックボクシング協会・治政館ジム主催の「WINNERS 2015 3rd」で会場を沸かせたのは日本バンタム級タイトルマッチを賭けた、トリプルメインイベントの2戦目「瀧澤博人(日本バンタム級王者/ビクトリージム)VS 古岡大八(同級1位/藤本ジム)と、トリプルメインイベントのラスト戦「蘇我英樹(WKBA世界スーパーフェザー級王者・市原ジム)VSペッシーニ・ソーシリラック(元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者)」だろう。

◆瀧澤博人 VS 古岡大八──日本バンタム級タイトルマッチ

瀧澤博人は、古岡大八と過去2戦しており、昨年はダウンの応酬戦だけに不用意に打ち合わず、古岡大八が中に入っての粘っこい蹴りやパンチを仕掛けたいという戦略に付き合わず、距離をとり、長い脚を活かしてのキックで終始、試合をリードし、最終的にヒジで古岡選手のこめかみを切り、離れて観ていても傷の深さがわかる流血でテクニカルノックアウト勝ち。

「古岡選手はよく研究してきていました。けれど僕もチャンピオンなので、負けるわけにはいきません。会長との約束どおりKO勝ちしたので、11月のビクトリージム主催興行では、もうひとつ上のステージで戦わせてください。」と強気のマイク・パフォーマンスを展開した。

瀧澤博人(右)VS 古岡大八(左)(撮影=堀田春樹)

◆蘇我英樹 VS ペッシーニ──日タイ対抗戦

蘇我英樹は、相手の元ラジャダムナン王者の方が一枚、テクニックで上。執拗にフックで、もしくは短いレンジのキックで切り開こうとするも、ペッシーニにミドルキックを食らい、もしくは抱きつかれて逃げられるという歯がゆい展開。リング下から見守る市原ジムの小泉猛会長から「中に入れ」と強烈な檄が飛ぶ。

しかし、わずかな差で蘇我選手は判定負け。元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者の貫禄には勝てなかったというわけだ。

蘇我英樹(左)VS ペッシーニ・ソーシリラック(右)(撮影=堀田春樹)

◆竜誠のパンチとキックは重量感たっぷり──櫓木淳平 VS 竜誠

竜誠(撮影=堀田春樹)

第9試合の「櫓木淳平(日本フェザー級6位/ビクトリージム)VS竜誠(INNOVATIONフェザー級2位/ダイケンジム)」でKO勝ち(3R 1分32秒)した竜誠のマイクパフォーマンスも注目の言葉だった。

のっけから「なかなか強い相手と組ませてもらえない」と映画「ロッキー3」のクラバー・ランクのごとく大口を叩きつつ、「キックボクシングのチャンピオンはたくさんいます。ボクシングとはちがって団体がたくさんあるから偽物のチャンピオンも多いと思うんです。僕は本物のチャンピオンを目指します。そんな中で新日本(キック)の選手は本当に強いので勉強になります。今度、日本フェザー級王者の内田雅之選手(藤本ジム)とぜひやらせてください」と懇願した。

確かに、竜誠のパンチとキックは重量感がたっぷりとあり、キックが放たれるたびに、リングの床がきしむほどの迫力だ。とても3回戦で終わる試合ではもったいない。

「ですが、竜誠はINNOVATIONの選手で、今回は新日本キックボクシング協会との団体交流戦だから、マックメイクの妙で強い相手と当たったものの、今後も望む相手とマックメイクがすぐにできるほど簡単な話ではない。興行としては新日本キックボクシング協会代表の意向もあるだろうし、おそらくつぎの興行も治政館ジムが行う可能性が大で、内田選手が所属する藤本ジムとのマッチメイク交渉がうまくいくかどうかは微妙です」(興行関係者)

竜誠(左)VS 櫓木淳平(右)(撮影=堀田春樹)

新日本キック主催のこの日、客の年齢層は高く、おおよそ30歳~60歳ということろ。
「今日は本格的なファンが来ていると思うね。きちんとしていてマナーも悪くないだろう」とキックボクシング歴20年の中年ファン男性。確かにゴミの分別も、売店での列の作り方も、応援の仕方も慣れたものがあり、応援している相手にも拍手を送るなど、紳士的にマナーをきちんと守っている。

確かにキックボクシングの団体は多い。だがこの日、ディファ有明で本格的なキックボクシングを見たのは僥倖だ。 そして、混沌としたキックボクシング業界に風穴を空けるか、風雲児の竜誠の今後と、新日本キックの殿堂王者手前まで成長した瀧澤博人、毎度の強者との激闘でキック界を沸かす蘇我英樹、今日の試合だけでも話題は多いキックボクシング界の未来に注目したい。

○瀧澤博人ブログ http://ameblo.jp/tendless-hirohito/
○古岡大八ブログ http://ameblo.jp/daihachi-kickboxing/
○蘇我英樹ブログ http://ameblo.jp/sativax/

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